JP5127711B2 - ポリプロピレン樹脂の核化方法 - Google Patents

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Description

本発明はポリプロピレンポリマー又はポリプロピレンポリマー組成物の物理的、機械的及び/又は光学的特性を向上させる方法に関する。
ポリマー材料の機械的及び光学的特性を向上させるために核剤を便利に使用することができることは当業者に周知である。核剤、すなわち溶融ポリマーの結晶化温度を上昇させ、より迅速に結晶化部位を成長させ、より多量で小さい結晶核の形成を促進することができる化合物として種々のものが知られている。
US3,367,926は、α−オレフィンのための種々の核剤、例えば芳香族又は脂肪族カルボン酸の金属塩の使用について記載している。最近では、プロピレンポリマーを核化させるためにポリマー材料が使用されている。欧州特許EP1 028 984にはプロピレンポリマーをポリマー核剤で核化させる方法が記載されており、ここでポリマー核剤は飽和又は不飽和置換基を有するビニル化合物、特にビニルシクロヘキサンである。EP 586 109には、ポリプロピレン樹脂について、3位で枝分かれしたα−オレフィン及び/又はビニルシクロヘキサンポリマーを核剤として用いたことが開示されている。米国特許5,340,878には、結晶性エチレンポリマーでプロピレンポリマーを核化させたことが開示されている。
しかしながら、プロピレン樹脂の物理的、機械的及び/又は光学的特性を向上させることのできる、ポリプロピレン樹脂のための効果的な核剤と、該核剤を使用してポリプロピレン樹脂を核化させる方法が今なお必要である。
本発明は,15以上の多分散指数値(P.I.(2))を有するプロピレンポリマーを用いて、P.I.(2)−P.I.(1)≧10の不等式を満たす多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレンを核化する方法に関する。
ここに開示されるポリプロピレンを核化する方法は、以下の工程:
(a)以下:
(1)多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン樹脂 95−99.9重量%と
(2)15以上かつP.I.(2)−P.I.(1)≧10、好ましくはP.I.(2)−P.I.(1)≧15、さらに好ましくはP.I.(2)−P.I.(1)≧25の不等式を満たす多分散指数値(P.I.(2))を有する1以上のプロピレンポリマー 0.1−5重量%とを含むポリオレフィン組成物(パーセンテージは成分(1)と(2)の合計を基準とする)を溶融状態で混合する工程と、
(b)該溶融ブレンドを冷却する工程と、
含む。
好適な態様において、本発明の方法の工程(a)は、以下:
(1)多分散指数値P.I.(1)と、結晶化温度Tc(1)とコモノマー含量C(1)とを有するポリプロピレン樹脂 95−99.9重量%と、
(2)15以上かつP.I.(2)−P.I.(1)≧10の不等式を満たす多分散指数値(P.I.(2))を有し、結晶化温度Tc(2)とコモノマー含量C(2)とを有する少なくとも1種のプロピレンポリマー 0.1−5重量%とを含み、以下の条件:
(i)Tc(2)≧Tc(1);
(ii)C(2)≠C(1)
のうちの少なくとも一つを満たし、より好適には上記条件(i)及び(ii)の両方を満たすポリオレフィン組成物(パーセンテージは成分(1)と(2)の合計を基準とする)を溶融状態で混合することを含む。
本発明の方法で好都合に用いることのできるポリプロピレン樹脂(1)は好適にはプロピレンホモポリマー、プロピレンコポリマー及びプロピレンへテロ相ポリマーから選択される。特にポリプロピレン樹脂は以下:
(i)キシレンへの溶解度10重量%未満、好ましくは5重量%未満を有するプロピレンホモポリマー;
(ii)2〜10の炭素原子を有する、プロピレンではないα−オレフィン単位、好ましくは線状C−C10−アルケン、特にエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン(エチレンが特に好適である)0.05〜20重量%を含有する、キシレンへの溶解度15重量%未満、好ましくは10重量%未満を有するプロピレンコポリマー;
(iii)プロピレンホモポリマー(i)とプロピレンコポリマー(ii)の混合物;
(iv)以下:
(1)プロピレンポリマー(i)(ii)及び(iii)から選択されるプロピレンポリマー;及び
(2)2〜10の炭素原子を有する、プロピレンではないα−オレフィン単位、好ましくはエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン(エチレンが特に好適である)から選択される1種以上のコモノマー単位を50重量%以下(エラストマー成分を基準とする)含む、プロピレンエラストマーコポリマーを40重量%以下(ヘテロ相組成物を基準とする)含むヘテロ相組成物であって、該ヘテロ相組成物は任意に微量の(特に1重量%〜10重量%の)ジエン、例えばブタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、エチリデン−2−ノルボルネン、を含む、該ヘテロ相組成物;
から選択することができる。エラストマーコポリマーとは、以下に記載する方法で測定したキシレンへの溶解度が50重量%を超えるコポリマーを意味する。
ポリプロピレン樹脂のメルトフローレートは0.01〜100g/10分であり、核剤の意図する使用に従い適宜選択することができる。例えば、押出又は押出ブロー成形のためには、ポリプロピレン樹脂(1)のMFRは1〜10g/10分が好都合である。ポリプロピレン樹脂(1)は市販されていて入手可能であり、例えばプロピレンと、時にはコモノマーとを、少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有するチタン化合物を少なくとも一つと、電子供与体化合物(内部ドナー)を少なくとも一つとを含み、両者とも塩化マグネシウムに担持されている固体触媒成分を含むチーグラー・ナッタ触媒の存在下で重合させて調製することができる。チーグラー・ナッタ触媒系は、さらに有機アルミニウム化合物を必須の助触媒として含み、場合により外部電子ドナー化合物を含む。好適な触媒系は欧州特許EP45977、EP361494、EP1272533及び国際特許出願WO00/6321に記載されている。重合プロセスは気相及び/又は液相で、連続式又はバッチ式反応器、例えば流動床又はスラリー反応器をシングル又はマルチステッププロセスで行うことができ、気相重合ゾーンについてはEP782587及びWO00/02929に記載されている。ポリプロピレン組成物(iii)及びヘテロ組成物(iv)は既知の方法にて別々に得られた成分を溶融ブレンドして調製することができる。ポリプロピレン樹脂(1)はポリオレフィン業界で通常用いられている添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、酸安定剤、着色剤、充填剤及び加工助剤などを2重量%以下含んでいても良い。
本発明の方法で好都合に用いられるプロピレンポリマー(2)は広い分子量分布を有していなければならない。分子量分布は重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比、すなわち多分散指数値(P.I.)で表すことができる。プロピレンポリマー(2)は多分散指数値(P.I.(2))15以上、好ましくはP.I.(2)値15〜50、より好ましくは20〜45、特に好ましくは20〜35を有していなければならない。多分散指数値(P.I)は、以下の条件の下で流動学的に測定できる。
プロピレンポリマー(2)は好ましくはプロピレンホモポリマー、2〜8の炭素原子を有するプロピレンではないα−オレフィンコモノマー単位を10.0重量%以下(コポリマーの重量を基準)からなるプロピレンコポリマー、及びこれらの混合物から選択される。好適なα−オレフィンは、線状C−C−1−アルケン、特にエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンであり、エチレンが特に好適である。プロピレンコポリマー(2)は好適には0.5〜6.0重量%のα−オレフィン単位を含む。該プロピレンコポリマーは、任意に共役ジエン、例えばブタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、及びエチリデン−ボルボルネン−1などを含んでいても良い。存在する場合、ジエンは典型的には0.5〜10重量%の量である。好適なプロピレンホモ−又はコポリマー(2)は、1以上の以下の特性の組み合わせを有していても良い:
−230℃で測定した溶融強度1.50cN超、好適には溶融強度2.00〜12.00cN、より好適には2.00〜8.00cN、特に好適には2.50〜5.00cN及び/又は
−MFR(ISO1133、230℃/2.16kg)0.01〜20g/10分、好適には0.01〜4.00g/10分、より好適には0.5〜2.0g/10分未満;及び/又は
−以下に記載する方法で測定したキシレン溶解度6重量%未満、好適には4重量%未満;及び/又は
−曲げ弾性率(ISO178)700〜2500MPa、好適には1100〜1800MPa;及び/又は
−23℃でのアイゾット衝撃値(ISO180/1A)50.0kJ/m未満、好適には15.0kJ/m未満、より好適には10.0kJ/m未満、特に好適には3.0〜5.0k/m未満:及び/又は
−降伏点での応力(ISO527)21MPa未満、好適には25〜45MPa、より好適には30〜40MPa;及び/又は
−ゲルの数No(≧0.2mm)400未満、好適にはゲルの数No(≧0.1mm)400未満。
プロピレンポリマー(2)は、ポリオレフィン業界で通常使用される添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、酸安定剤、充填剤及び加工助剤などを都合の良い量、すなわち2重量%以下でさらに含んでいても良い。
プロピレンポリマー(2)は、高分子量プロピレンポリマー、中分子量及び低分子量プロピレンポリマーの製造を触媒することのできる高度に立体特異性の不均一系チーグラー・ナッタ触媒系の存在下で調製することができる。
プロピレンポリマー(2)を製造するのに好適なチーグラー・ナッタ触媒は、少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有する少なくとも1つのチタン化合物と少なくとも1つの電子ドナー化合物(内部ドナー)とを含み、両者とも塩化マグネシウムに担持された固体成分を含む。チーグラー・ナッタ触媒系は、さらに有機アルミニウム化合物を必須の助触媒として含み、任意に外部電子ドナー化合物を含む。
好適な触媒系は欧州特許EP45977、EP361494、EP728769、EP1272533及び国際特許出願WO00/63261に記載されている。
好ましくは、固体触媒成分はMg、Ti、ハロゲン及び以下の式(I):
Figure 0005127711
(ここで基R及びRは、互いに同一または異なり、C−C20線状または分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基であり、場合によりヘテロ原子を含み;基R〜Rは互いに同一または異なり、水素またはC−C20線状または分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基であり、場合によりヘテロ原子を含み、そして同じ炭素原子と一緒になる基R〜Rが一緒に結合して環を形成する。)
のスクシネートから選択される電子ドナーを含む。
及びRは、好ましくはC−Cアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル及びアルキルアリール基である。特に好ましいのは、R及びRが第一級アルキル及び特に分枝の第一級アルキルから選択されることである。好適なR及びRの例として、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシルが挙げられる。特にエチル、イソブチル及びネオペンチルが好適である。
式(I)に記載される好適な化合物群の一つは、R〜Rが水素で、Rが3〜10の炭素原子を有する分枝アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル及びアルキルアリール基のものである。他の式(I)に記載される好適な化合物群は、R〜Rのうち少なくとも二つの基が水素ではなく、C−C20線状または分枝アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基から選択され、場合によりヘテロ原子を含むものである。特に好適には二つの基が水素ではなく、同じ炭素原子に結合した化合物である。さらに、少なくとも二つの基が水素ではなく、異なる炭素原子(すなわち、RとRまたはRとR)に結合する化合物が特に好ましい。
好適な方法に従い、式Ti(OR)n−y(nはチタンの価数でありyは1〜nの数であり、好ましくはTiCl)のチタン化合物を式MgCl・pROH(pは0.1〜6の数、好ましくは2〜3.5の数であり、Rは1〜18の炭素原子を有する炭化水素基である)の塩化マグネシウムと反応させて固体触媒成分を製造することができる。アルコールと塩化マグネシウムを付加体不溶の不活性炭化水素の存在下で混合し、付加体の融点(100〜130℃)の撹拌条件下にて操作することにより、球形の付加体を好適に形成することができる。次いでエマルジョンを素早くクエンチし、それにより付加体を球形粒子の形状に固体化させる。この手法に従う球形付加体の例はUS4,399,054、US4,469,648に記載されている。このように得られる付加体はTi化合物と直接反応でき、あるいは事前に熱制御脱アルコラートに供してアルコールのモル数がおよそ3より小さい、好ましくは0.1〜2.5になった付加体を得ることができる。Ti化合物との反応は付加体(脱アルコラート化されたものまたはそのままのもの)を冷却した(およそ0℃の)TiCl4に懸濁させ;混合物を80〜130℃に加熱し、この温度に0.5〜2時間おくことにより行うことができる。TiCl4による処理は1回以上行うことができる。TiCl4による処理の間に内部ドナーを加えることができ、電子ドナー化合物による処理を1回以上繰り返すことができる。概して、MgCl2に対するモル比0.01〜1、好ましくは0.05〜0.5の式(I)のスクシネートを用いることができる。球形の触媒組成物の調製は例えば欧州特許出願EP-A-395083及び国際特許出願WO98/44009に記載されている。上記の方法で得られる固体触媒成分は表面積(BET法による)はおよそ20〜500m/g、好ましくは50〜400m/gであり、総多孔度(BET法による)は0.2cm/gより高く、好ましくは0.2〜0.6cm/gである。10.000Åまでの半径を有する孔による多孔度(Hg法による)は、およそ0.3〜1.5cm/g、好ましくは0.45〜1cm/gである。
有機アルミニウム化合物は好ましくはトリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムから選択されるアルキル−Alである。トリアルキルアルミニウムとアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハイドライドまたはアルキルアルミニウムセスキクロライドとの混合物、例えばAlEtClとAlEtClとの混合物を用いることもまた可能である。
好適な外部電子ドナー化合物は珪素化合物、エチル4−エトキシベンゾエートなどのエステル、ヘテロ環化合物、特に2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびケトン
が挙げられる。他のクラスの好適な外部電子ドナー化合物は式R Si(OR(a及びbは0〜2の整数、cは1〜3の整数、(a+b+c)の合計は4であり;R、R及びRは1〜18の炭素原子と好ましくはヘテロ原子を含むアルキル、シクロアルキルまたはアリールである)の珪素化合物である。特に好適なものはメチルシクロヘキシルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチル−t−ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、2−エチルピペリジニル−2−t−ブチルジメトキシシラン及び1,1,1,トリフルオロプロピル−2−エチルピペリジニル−ジメトキシシラン及び1,1,1トリフルオロプロピル−メチル−ジメトキシシランである。外部電子ドナー化合物は、有機アルミニウム化合物と該電子ドナー化合物とのモル比が0.1〜500になるような量で用いる。
プロピレンポリマー(2)は、少なくとも二つの互いに結合した重合ゾーンの中で気相重合法により製造することができる。このような重合法は欧州特許EP782587及び国際特許出願WO00/02929に記載されている。プロピレンとエチレンまたはプロピレンとα−オレフィンが触媒系の存在下に供給され、製造されたポリマーが排出される第1及び第2の互いに結合した重合ゾーンにて、この重合法が行われる。成長するポリマー粒子は該重合ゾーンの第1の部分(ライザー(riser))を通って速い流動化条件下にて流れ、第1重合ゾーンを通過して重合ゾーンの第2の部分(ダウンカマー(downcomer))に入り、重力の作用で圧縮されながら流れ、第2重合ゾーンを通過して、第1重合ゾーンに再導入され、このようにして二つの重合ゾーンの間のポリマー循環を確立する。概して、第1重合ゾーンにおける速い流動化条件は、モノマーの気体混合物を、成長ポリマーを第1重合ゾーンに再導入する点よりも低い位置で供給することで確立する。第1重合ゾーンへの移動ガスの速度は操作条件下の移動速度よりも大きく、通常2〜15m/sである。第2重合ゾーンではポリマーが重力の作用で圧縮されながら流れ、固体密度の高い値が達成されてポリマーのバルク密度に近づく;こうして流れ方向に圧力の正のゲインを獲得することができ、何らの機械的手段の補助がなくてもポリマーを第1反応ゾーンに再導入することが可能となる。この方法にて、二つの重合ゾーンの間の圧力バランスと系に導入されるヘッドロスとによって定義される「ループ」循環が設定される。場合により、1以上の不活性気体、例えばチッ素、または脂肪族炭化水素を、不活性気体の分圧が総気体圧力の好ましくは5〜80%の量になるように重合ゾーン内に維持する。例えば温度などの操作パラメータは気相オレフィン重合法に一般的なものであり、例えば50〜120℃、好ましくは70〜90℃である。この重合法は0.5〜10MPa、好ましくは1.5〜6MPaの操作圧力にて行うことができる。好ましくは第1重合ゾーンに種々の触媒組成物を第1重合ゾーンの任意の位置にて供給する。重合法においては、ライザーに存在する気体及び/又は液体混合物がダウンカマーに入ることを全体的に或いは部分的に防ぐことを可能とする手段が提供され、ライザーに存在する気体混合物とは異なる組成を有する気体及び/又は液体混合物がダウンカマーに導入される。好適な態様にて、ライザーに存在する気体混合物とは異なる組成を有する気体及び/又は液体混合物の、1以上の導入ラインを通じたダウンカマーへの導入は、後者の混合物(ライザーに存在する気体混合物)がダウンカマーに入ることを防ぐのに効果的である。ダウンカマーに供給される、異なる組成の気体及び/又は液体混合物は場合により一部または全部液化された形態で供給される。成長ポリマーの分子量分布は、国際特許出願WO00/02929の図4に図示される反応器での重合反応を実施することにより、好都合に誂えることができ、コモノマーや周知の分子量調節剤、特に水素を、異なる割合で少なくとも一つの重合ゾーン、好ましくはライザーに、個々に計り入れることができる。
本発明のさらなる目的は、
(1)(i)キシレンへの溶解度10%未満を有するプロピレンホモポリマー;
(ii)コポリマーの重量を基準として0.05〜20重量%の2〜10の炭素原子を有するプロピレンではないα−オレフィン単位を含有する、キシレンへの溶解度15%未満を有するプロピレンコポリマー;
(iii)プロピレンホモポリマー(i)とプロピレンコポリマー(ii)の混合物;
(iv)(1)上記(i)(ii)及び(iii)のプロピレンポリマーから選択されるプロピレンポリマーと、(2)ヘテロ相組成物の重量を基準として40%以下の、エラストマーコポリマーの重量を基準として約50%以下の2〜10の炭素原子を有するプロピレンではないα−オレフィンから選択される1以上のコモノマー単位を含有する、エラストマープロピレンコポリマーとを含む、ヘテロ相組成物
から選択される、多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン樹脂 95〜99.9重量%:
(2)15以上の多分散指数値P.I.(2)を有するプロピレンポリマー 0.1〜5重量%
を含むポリオレフィン組成物であって、該プロピレンポリマーは、プロピレンホモポリマー、5.0重量%以下(コポリマーの重量を基準とする)の2〜8の炭素原子を有するプロピレンではないα−オレフィン単位を含有するプロピレンコポリマー、及びこれらの混合物から選択され、P.I.(1)とP.I.(2)の値はP.I.(2)−P.I.(1)≧10の不等式を満たす、前記ポリオレフィン組成物(パーセンテージは成分(1)及び(2)の合計を基準とする)である。
本発明の方法の工程(a)は、
(1)多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン 95〜99.9重量%、好ましくは97〜99.5重量%、より好ましくは98〜99重量%;及び
(2)15以上の多分散指数値かつP.I.(2)−P.I.(1)≧10の不等式を満たすP.I.(2)値を有する少なくとも1のプロピレンポリマー 0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは1〜2重量%
を含むポリオレフィン組成物(パーセンテージは成分(1)及び(2)の合計を基準とする)を溶融状態で混合することにより行われる。
工程(a)において、ポリプロピレン樹脂(1)と少なくとも1のプロピレンポリマー(2)は、高剪断条件下で溶融ブレンドされる。ポリプロピレン樹脂(1)と少なくとも1のプロピレンポリマー(2)は、レンズ状のペレットの形態で同時にまたは別々に計量されて直接1軸または2軸押出機の、同じまたは異なる部分に入れられる。この態様に従うと、工程(a)の前に少なくとも1のプロピレンポリマー(2)を従来のペレタイザーユニットを用い、場合により周知の添加剤をブレンドしてペレット化する。あるいは、そしてより好ましくは、工程(a)の前に、少なくとも1の粉末状のプロピレンポリマー(2)を周囲温度で周知の添加剤と予備混合し、場合によってはポリプロピレン樹脂(1)の総量の一部と従来のミキサー(例えばタンブルミキサー)で予備混合して、押出機に供給するドライブレンドを得る。押出機の温度はポリプロピレン樹脂(1)と少なくとも1のプロピレンポリマー(2)の融点に依存し、通常190〜230℃、好ましくは200〜220℃であり、最終的な溶融温度(ダイ温度)は、210℃〜260℃、好ましくは220℃〜240℃の範囲である。
工程(b)において、溶融樹脂を、水を用いて通常20〜40℃の周囲温度、すなわち約25℃にまで冷却する。
より好適な態様にて、本発明の方法の工程(a)は、
(1)多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン樹脂 95〜99.9重量%;
(2)15以上の多分散指数値(P.I.(2))を有する少なくとも1のプロピレンポリマー 0.095〜4.5重量%;及び
(3)少なくとも1のさらなる核剤 0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.3重量%を含み、P.I.(1)とP.I.(2)の値がP.I.(2)−P.I.(1)≧10の不等式を満たす、ポリオレフィン組成物(パーセンテージは成分(1)(2)及び(3)の合計を基準とする)を溶融状態で混合することを含む。
さらに好適な態様において、工程(a)は、ポリオレフィン組成物の成分(1)(2)及び(3)を従来の押出機に計り入れ、上述の条件下で操作することにより行うことができる。あるいは、そしてより好ましくは、工程(a)の前に、少なくとも1の粉末状のプロピレンポリマー(2)を周囲温度で従来のミキサー(例えばタンブルミキサー)内で少なくとも1の核剤(3)と予備混合し、そして場合によってはポリプロピレン樹脂(1)の総量の一部とも予備混合して、続いて押出機に供給するドライブレンドを得る。
本発明の成分(3)として好適な、当業者に通常用いられる核剤は、例えばタルク、シリカまたはカオリンなどの無機添加剤、モノカルボン酸またはポリカルボン酸の塩、例えば安息香酸ナトリウム又はアルミニウムt−ブチルベンゾエート、ジベンジリデンソルビトール、またはそのC−C−アルキル置換誘導体、例えばメチルベンジリデンソルビトール、エチルベンジリデンソルビトールまたはジメチルジベンジリデンソルビトール、またはリン酸ジエステルの塩、例えば2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェートなどである。特に好ましいのは、3,4−ジメチルジベンジリデンソルビトール;アルミニウム−ヒドロキシ−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート];ナトリウム 2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート;及びビシクロ[2,2,1]へプタン−2,3−ジカルボン酸二ナトリウム塩(1R,2R,3R,4S)である。本発明に従うポリプロピレン樹脂を核化させる方法は、核化されたポリプロピレン樹脂の製造において、従来の核剤を従来の量にて用いた場合と比較して顕著な費用削減をもたらす。
本発明の方法で得ることができるポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂(1)の結晶化温度T(1)よりも少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃高い結晶化温度T(1)を有する。
本発明の方法で得ることができるポリプロピレン樹脂は、改良された光学的及び物理的/機械的特性を有し、成形品、押出品の製造、特に熱成形、押出または押出ブロー成形で得ることのできる製品、例えば瓶等の薄肉製品の製造に好都合に用いることができ、これら製品は従来の核剤を用いて核化されたポリプロピレンから得られる製品よりも優れた機械的、光学的特性を有する。
以下の実施例は本発明を例示するものであるが、これを制限するものではない。
[実施例]
以下の方法に従いデータを得た:
多分散指数(P.I.):RHEOMETRIC社(米国)のRMS−800平行板レオメータを用いて温度200℃で測定、振動周波数を0.1rad/秒から100rad/秒に増加させて操作。以下の式:
P.I.=10/G
(Gは、G’=G”(G’は貯蔵弾性率、G”は損失弾性率である)における値(単位はPa)で定義されるクロスオーバー弾性率(crossover modulus)である)により、クロスオーバー弾性率1からP.I.を求める。
キシレン溶解フラクション:2.5gのポリマーと250mLのo−キシレンとを冷却器及び磁気攪拌機を備えたガラスフラスコに導入した。30分間の間に溶媒の沸点まで温度を上昇させた。このように得られた溶液を還流下30分間撹拌した。次いで閉鎖したフラスコを30分間氷と水のバスに置き、そして25℃の恒温ウォーターバスに30分間置いた。このように得られた固体を簡易濾紙で濾過し、100mLの濾液を事前に重量を秤量したアルミニウム容器に注ぎ、チッ素フローの下加熱プレートで加熱して溶媒を蒸発させた。次いで容器を、真空下80℃のオーブンに維持し、重量が一定になるまで置いた。残渣を秤量してキシレン溶解性ポリマーの割合を見積もった。
コモノマー含量:IRスペクトロスコピーによる。
溶融強度:使用した装置は、データ加工のためのコンピュータを備えた東洋精機製作所の溶融引張試験機である。この方法は、特定の引っ張り速度で引っ張られた標準の溶融ポリマーの引っ張り強度を測定することからなる。特に、試験されるポリマーは、長さ8mm直径1mmのキャピラリーホールを備えたダイを通じて、0.2mm/分、230℃で押し出して測定した。存在する標準を引っ張りプーリーシステムを用いて一定の加速度0.0006m/秒で伸張し、破断点における張力を測定した。装置は標準の引っ張り値を、伸張の関数として記録した。溶融強度は、ポリマーの破断点における溶融張力に対応する。
メルトフローレート(MFR):ISO1133(230℃、2.16kg)に従い測定。
曲げ弾性率:ISO178に従い測定。
アイゾット衝撃強度:ISO180/1Aに従い測定。
降伏点及び破断点における応力及び伸び:ISO527に従い測定。
ゲル数(フィッシュアイカウント): 1m当たりのゲル数の測定は、試料フィルムをプロジェクターで拡大スケールにて白壁紙(wall-chart)に投影し、視覚的に数えることにより行った。130×7.5cm角のフィルムを、押し出し後少なくとも30分後(ダイ温度250〜290℃、冷却ロール20℃の場合)にキャストフィルムから切り出した。フィルム厚はプロピレンホモポリマー0.1mm、プロピレンコポリマー0.05mmであった。同じフィルムにつき5つの異なるピースの計数を行い、最終的な数をNo=A/S(Noは1m当たりのゲルの数、Aは5つのフィルムピースで計数されたゲルの数、Sは5つのフィルムピースの総表面積(m)である)で計算した。規格外の形状のゲルを最大伸張時に測定した。
供給ガスのモル比:ガスクロマトグラフィーにて測定。
融点、溶融エンタルピー(△Hm)、結晶化温度及び結晶エンタルピー(△Hc):DSCにより、温度変化毎分20℃にて測定。
等温半結晶化時間(t1/2):試験片を40℃/分で220℃まで加熱し、この温度で3分間アニールした。試料をクエンチして冷却速度20℃/分で130℃まで冷却し、この温度にて完全に結晶化するまで維持した。半結晶化時間は、等温結晶化において樹脂の50重量%が結晶化するのに要する時間として定義される。
曇度:押出及び押出ブロー成形した製品(実施例1〜3及び比較実施例のもの)から5×5cmサイズの試験片を切り出した。試験片をヘイズガードプラス装置(BYK-Gardner)の光線の前の装置支持枠に置き、測定を行った。23℃で試験を行い、各試験片について試験片の中央で1回測定した。
透明度及び光沢:マイクログロス60/45(BYK-Gardner)グロスメーターを用いて、押出及び押出ブロー成形した製品(実施例1〜3及び比較実施例のもの)から切り出した5×5cmサイズの試験片を測定した。
トップ荷重:この試験のために、0.2グラム精度のバランスと0.01mm精度のマイクロメーターを備えたインストロンダイナモメーターを使用した。少なくとも10時間23℃±1℃、50%相対湿度の条件下におき、ダイナモメーターの2枚のプレートの間に瓶を置いて、プレートの応力速度5cm/分で圧縮した。ボトル崩壊時の応力を記録し、値をNで記録した。10本の瓶について繰り返し測定して平均値をトップ荷重値とした。
プロピレンポリマー(2)の調製:プロピレンポリマー(2)の調製に用いた固体触媒は国際特許出願WO00/63261の実施例10に従い調製した。助触媒としてトリエチルアルミニウム(TEAL)、外部ドナーとしてジシクロペンチルジメトキシシランを助触媒として用い、これらの重量比を表1に示した。国際特許出願WO00/02929に記載されるとおり、二つの互いに結合した重合ゾーン(ライザーとダウンカマー)を含む気相重合器にモノマーと触媒系を供給し、単一重合工程にてプロピレンポリマー(2)を調製した。コモノマーは第1重合ゾーン(ライザー)限定で供給した;ライザーに存在する気体及び/又は液体混合物がダウンカマーに入るのを全体的または部分的に防ぐための手段を講じた。分子量調節剤、すなわち水素をライザーのみに供給した。重合条件を表1に示した。得られたポリマー粒子を蒸気処理し、未反応のモノマーを除去し、乾燥した。反応器のままの(as-reactor)プロピレンポリマー(2)の機械的特性を表1に示した。
実施例1及び比較実施例1
ポリプロピレン樹脂(1)として表2に示す特性を有するプロピレン/エチレンコポリマーを用いた。ポリプロピレン樹脂(1)をWerner ZSK58押出機で溶融ブレンドし、500ppmのステアリン酸カルシウム、1500ppmのIrganoxB215(Ciba Specialty Chemicals)及び4000ppmのプロピレンポリマー(2)を含む最終組成物を得、次いで水で冷却した。押出機をチッ素雰囲気下220rpm、温度200℃で操作し;溶融温度は216℃であった。溶融ブレンドの前に反応器のままの(as-reactor)粉末状プロピレンポリマー(2)を周囲温度でステアリン酸カルシウム、IrganoxB215および少量のポリプロピレン樹脂(1)と予備混合し、こうして得られたドライブレンドを押出機に供給した。本発明の方法で核化したポリプロピレン樹脂の熱的特性と、核剤を添加していないポリプロピレン樹脂(1)(比較実施例1)の熱的特性を表3で比較した。
Figure 0005127711
Figure 0005127711
Figure 0005127711
プロピレンポリマー(2)の核剤としての効果は、ポリプロピレン樹脂(1)の結晶化温度の上昇から明らかである。
実施例1で用いたポリプロピレン樹脂(1)と表4に示した量の核剤とを従来のWernerZSK53押出機で溶融ブレンドした;押し出されたストランドを次いで周囲温度に維持したウォーターバスで冷却して切り出した。押出機をチッ素雰囲気下240rpm、温度200℃で操作し;溶融温度は238℃であった。粉末状のプロピレンポリマー(2)を周囲温度でさらなる核剤Millad3988及びADK-NA21(成分(3))、実施例1と同量のIrganoxB215及びステアリン酸カルシウム、ならびに少量のポリプロピレン樹脂(1)と予備混合した。こうして得られたドライブレンドを押出機に供給した。
Millad3988(Miliken Chemicalsから購入)は3,4−ジメチルジベンジリデンソルビトールを含み;ADK-NA21(Adeka Palmaroleから購入)はアルミニウムヒドロキシ−ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]を含む。
実施例2のポリプロピレン樹脂をAutoma Speed 3M(軸直径:70mm、長さ:24L/D)で押出ブロー成形にて瓶の形に成形した。ラインは184℃の溶融樹脂温度を得るように操作した。溶融樹脂のパリソンを25℃に維持したアルミニウム鋳型に供給し、次いで空気圧でブローした。
瓶は円筒状(底半径:88mm、高さ:240mm、壁圧:450±50ミクロン)であり、容量1リットル、重量は35.0±0.5gであった。瓶の機械的及び光学的特性を表4に集めた。
比較実施例2
実施例2で用いたポリプロピレン樹脂(1)を実施例1と同量のIrganoxB215及びステアリン酸カルシウムに加え、実施例2と同条件下で押出成形して瓶を得た。特性を表4に記載した。
比較実施例3及び4
実施例2で用いたポリプロピレン樹脂(1)と表4に示された量の核剤及び実施例1と同量のIrganoxB215及びステアリン酸カルシウムとを従来のWernerZSK53押出機で実施例2と同条件下で操作して溶融ブレンドした。このように得られたポリプロピレン樹脂を、次いで実施例2と同条件下で瓶に成形した。特性を表4に示す。
Figure 0005127711
本発明の方法で得られるポリプロピレン樹脂は、核化していないポリプロピレン樹脂(比較実施例2)と比較して良好な光学的特性を有している。さらに本発明の方法で核化したポリプロピレン樹脂は、従来の核剤で核化した同じポリプロピレン樹脂と比較して良好な機械的特性とともに優れた光沢と透明性を有している。
ポリプロピレン樹脂(1)として表5に示す特性を有するプロピレン/エチレンコポリマーを用いた。
Figure 0005127711
プロピレン/エチレンコポリマーと表6に示された量の核剤とを従来のWerner58押出機で溶融ブレンドし、溶融樹脂を冷却して、水カッティングシステムによりペレット化した。押出機をチッ素雰囲気下190rpm、温度200℃で操作し;溶融温度は216℃であった。溶融ブレンドの前に反応器のままの粉末状プロピレンポリマー(2)を室温でADK-NA21(成分(3))と少量のステアリン酸カルシウム及びIrganoxB215、ならびに少量のポリプロピレン樹脂(1)と実施例1のように予備混合した。このように得られたドライブレンドを押出機に供給した。ポリプロピレン核化樹脂から得られた押出シートの光学的特性を測定し、表6に示した。
比較実施例5
実施例3で用いたプロピレン/エチレンコポリマーと表6に示した量のADK-NA21とを従来のWerner58押出機で実施例3と同条件下で溶融ブレンドした。ポリプロピレン核化樹脂から得られた押出シートの光学的特性を測定し、表6に示した。
Figure 0005127711
T1/2は、ポリプロピレン樹脂の半結晶化時間である。

Claims (8)

  1. 15以上かつP.I.(2)−P.I.(1)≧10を満たす多分散指数P.I.(2)を有するプロピレンポリマーを用いて、多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン樹脂を核化する方法であって、多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン樹脂が、以下:
    (i)キシレンへの溶解度10重量%未満のプロピレンホモポリマー、及び
    (ii)キシレンへの溶解度15重量%未満を有する、2〜10の炭素原子を有しプロピレンではないα−オレフィン単位0.05〜20重量%(コポリマーの重量を基準とする)を含有するプロピレンコポリマー、及び
    (iii)上記(i)のプロピレンホモポリマー及び(ii)のプロピレンコポリマーの混合物、及び
    (iv)(1)上記(i)(ii)及び(iii)のプロピレンポリマーから選択されるプロピレンポリマーと、(2)エラストマー成分の重量を基準として50重量%未満の、2〜10の炭素原子を有しプロピレンではないα−オレフィンから選択される1以上のコモノマー単位を含有するエラストマープロピレンコポリマー 40重量%以下(ヘテロ相組成物の重量を基準)とを含む、ヘテロ相組成物
    から選択される、
    前記方法。
  2. 多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン樹脂が、プロピレンと、場合によりコモノマーとを、少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有するチタン化合物を少なくとも一つと、電子供与体化合物を少なくとも一つとを含み、両者とも塩化マグネシウムに担持されている固体触媒成分を含むチーグラー・ナッタ触媒の存在下で重合させて得られたものである、請求項1に記載の方法。
  3. 以下の工程:
    (a)以下:
    (1)多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン樹脂 95〜99.9重量%;及び
    (2)15以上の多分散指数値(P.I.(2))を有する少なくとも一種のプロピレンポリマー 0.1から5重量%;を含むポリオレフィン組成物であって、P.I.(1)とP.I.(2)がP.I.(2)−P.I.(1)≧10の不等式を満たす、前記ポリオレフィン組成物を溶融状態で混合する工程;及び
    (b)溶融ブレンドを冷却する工程;
    を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(a)が、以下:
    (1)多分散指数値P.I.(1)を有し、結晶化温度Tc(1)及びコモノマー含量C(1)を有する、ポリプロピレン樹脂 95〜99.9重量%;及び
    (2)15以上の多分散指数値であって、P.I.(2)−P.I.(1)≧10の不等式を満たすP.I.(2)を有するプロピレンポリマーであって、該プロピレンポリマーが結晶化温度T(2)とコモノマー含量C(2)を有する、該プロピレンポリマー 0.1〜5重量%
    を含むポリオレフィン組成物であって、(i)T(2)≧T(1);(ii)C(1)≠C(2)のうち少なくとも一つの条件を満たす、該ポリオレフィン組成物を、溶融状態で混合する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. プロピレンポリマー(2)がプロピレンホモポリマー、コポリマーの重量を基準として10.0重量%以下の2〜8の炭素原子を有するプロピレンではないα−オレフィン単位を含有するプロピレンコポリマー、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 工程(a)が、以下の工程:
    以下:
    (1)多分散指数値P.I.(1)を有するポリプロピレン樹脂 95−99.9重量%:
    (2)15以上の多分散指数値(P.I.(2))を有する少なくとも1種のポリプロピレンポリマー 0.095−4.5重量%:及び
    (3)少なくとも1種のさらなる核剤:
    を含むポリオレフィン組成物を溶融状態で混合する工程を含み、P.I.(1)とP.I.(2)の値がP.I.(2)−P.I.(1)≧10不等式を満たす、請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法で得られるポリプロピレン樹脂であって、該プロピレン樹脂が、ポリプロピレン樹脂(1)の結晶化温度T(1)よりも少なくとも5℃高い結晶化温度T(1)を有する、前記ポリプロピレン樹脂。
  8. 請求項7に記載のポリプロピレン樹脂を含む製品。
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