図1には、本発明の実施例1である液晶表示装置としての液晶プロジェクタ(画像投射装置)の構成を示している。
303は液晶パネルドライバである。該ドライバ303には、パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤ、テレビチューナ等の画像供給装置350から、映像信号、水平同期信号(Hsync)及び垂直同期信号(Vsync)が入力される。ドライバ303は、これらの入力信号から、レッド用、グリーン用及びブルー用パネル駆動信号を生成する。各パネル駆動信号は、反射型液晶変調素子であるレッド用液晶パネル3R、グリーン用液晶パネル3G及びブルー用液晶パネル3Bにそれぞれ入力される。これにより、3つの液晶パネル3R,3G,3Bは互いに独立に駆動される。
液晶パネル3R,3G,3Bは、パネル駆動信号に応じた変調動作によって後述する照明光学系からの光(色分解された光)を変調する。これにより、画像供給装置350から入力された画像情報の各色成分に応じた画像を表示する。
本実施例の液晶パネルは、SXGA規格に相当する1400×1050画素を有し、有効表示領域(全画素領域)のサイズは11.3mm×8.5mmである。また、これに代えて、フルHD規格に相当する1920×1080画素を有し、有効表示領域(全画素領域)のサイズが15.4mm×9.6mmの液晶パネルを使用してもよい。
301は光源であり、不図示のランプからの光を偏光方向が揃った直線偏光光(図の紙面に垂直な偏光方向を有するS偏光)に変換して照明光として射出する。
光源301からの照明光は、マゼンタ色を反射してグリーン色を透過するダイクロイックミラー305に入射する。照明光のうちマゼンタ色成分はこのダイクロイックミラー305で反射され、ブルー色の偏光に半波長のリタデーションを与えるブルークロスカラー偏光子311を透過する。これにより、図の紙面に平行な偏光方向を有するブルー色の直線偏光(P偏光)と、図の紙面に垂直な偏光方向を有するレッド色の直線偏光(S偏光)とが生成される。
ブルー色のP偏光は、第1の偏光ビームスプリッタ310に入射し、その偏光分離膜を透過して、ブルー用液晶パネル3Bに導かれる。また、レッド色のS偏光は、第1の偏光ビームスプリッタ310の偏光分離膜で反射されて、レッド用液晶パネル3Rに導かれる。
一方、ダイクロイックミラー305を透過したグリーン色の直線偏光光(S偏光)は、光路長を補正するためのダミーガラス306を透過し、第2の偏光ビームスプリッタ307に入射する。グリーン色のS偏光は、第2の偏光ビームスプリッタ307の偏光分離膜で反射されて、グリーン用液晶パネル3Gに導かれる。
このようにして、レッド用、グリーン用及びブルー用液晶パネル3R,3G,3Bは照明光によって照明される。
そして、各液晶パネルに入射した光は、各液晶パネルに配列された画素の変調状態に応じて偏光のリタデーションが付与されるとともに、該液晶パネルによって反射されて射出する。反射光のうち照明光と同じ偏光方向を有する偏光成分は、照明光の光路を逆に辿って光源301側に戻る。
また、反射光のうち照明光の偏光方向に対して直交する偏光方向を有する偏光成分(変調光)は以下のように進む。P偏光であるレッド用液晶パネル3Rによる変調光は、第1の偏光ビームスプリッタ310の偏光分離膜を透過する。次に、レッド色の偏光に半波長のリタデーションを与えるレッドクロスカラー偏光子312を透過してS偏光とされる。そして、該レッド色のS偏光は、第3の偏光ビームスプリッタ308に入射し、その偏光分離膜で反射されて、投射光学系304に導かれる。
S偏光であるブルー用液晶パネル3Bによる変調光は、第1の偏光ビームスプリッタ310の偏光分離膜で反射され、レッドクロスカラー偏光子312をリタデーション作用を受けることなく透過して第3の偏光ビームスプリッタ308に入射する。該ブルー色のS偏光は、第3の偏光ビームスプリッタ308の偏光分離膜で反射されて、投射光学系304に導かれる。
P偏光であるグリーン用液晶パネル3Gによる変調光は、第2の偏光ビームスプリッタ307の偏光分離膜を透過して、光路長を補正するためのダミーガラス309を透過し、第3の偏光ビームスプリッタ308に入射する。該グリーン色のP偏光は、第3の偏光ビームスプリッタ308の偏光分離膜を透過して、投射光学系304に導かれる。
こうして色合成された3色の変調光は、投射光学系304によって被投射面である光拡散スクリーン313に投射される。これにより、フルカラー画像が表示される。
本実施例にて用いられているレッド用液晶パネル3R、グリーン用液晶パネル3G及びブルー用液晶パネル3Bは、垂直配向モード(例えば、VAN型)の反射型液晶変調素子である。
330は表示領域選択スイッチである。使用者は表示領域選択スイッチ330の操作によって各液晶パネルにおける有効表示領域(有効光変調領域)を選択(変更)することができる。各液晶パネルにおいて選択可能な有効表示領域としては、SXGA規格に対応する画素領域、フルHD規格に対応する画素領域及びHD規格に対応する画素領域等を含む。なお、本実施例における有効表示領域、すなわち有効光変調領域は、液晶パネルドライバ303への入力映像信号に対応した観賞用画像を表示するために光変調動作を行う領域であり、後述する黒マスクが形成(表示)される領域は含まない。
液晶パネルドライバ303は、不図示の電源スイッチのオン/オフ操作(投入/遮断操作)に応じて電源制御部302に対して指令信号を出力する。電源制御部302は、液晶パネルドライバ303からの指令信号に応じて、液晶パネル3R,3G,3Bへの電源供給のオン/オフと、光源301への電源供給のオン/オフ(点灯/消灯)を制御する。また、液晶パネルドライバ303は、表示領域選択スイッチ330からの選択信号に応じて、各液晶パネルにおける有効表示領域を設定する。液晶パネルドライバ303及び電源制御部302とにより制御手段が構成される。
図2には、レッド用液晶パネル3R、グリーン用液晶パネル3G及びブルー用液晶パネル3Bに共通の断面構造を示している。
光源301からの照明光が入射する側から順に、101はARコート膜、102はガラス基板である。また、103はガラス基板102上に形成されたITO等により形成される透明電極膜(第1の電極)である。104は透明電極膜103と後述する液晶層との間に配置された第1の配向膜である。105は第1の配向膜104と第2の配向膜106との間に配置された液晶層である。107は透明電極膜103に対向配置され、アルミ等の金属により形成された反射画素電極層(第2の電極)である。108は反射画素電極層107が形成されたSi基板である。なお、透明電極膜103及び反射画素電極層107は、一般に対向電極とも称される。以下の説明では、透明電極膜103及び反射画素電極層107を電極層という場合もある。
図10には、光源301が点灯されて液晶パネル3R,3G,3Bによる光変調動作が行われる状態(光変調動作状態又は表示駆動状態)において液晶パネルドライバ303によって電極層103,107に印加される電圧を示している。横軸は時間、縦軸は印加電圧を示す。液晶パネルドライバ303は、コンピュータプログラムを内部に格納し、該プログラムに従って、電極層103,107への印加電圧を制御する。
なお、以下の説明において、各電極又は液晶層への印加電圧とは、不図示のグランド(0V)を基準とした電位(グランドとの間の電位差)を意味する。
反射画素電極層107には、特定周期で正の電圧120と負の電圧121とに交互に切り換わる交流電圧(第2の電位)V107が印加される。また、透明電極膜103には、直流電圧(第1の電位)V103が印加される。
液晶層105に生じる実効電界は、これら交流電圧V107と直流電圧V103との差に応じて発生し、特定周期で正の電界と負の電界とが交互に切り換わる交流電界である。すなわち、液晶層105に生じる電位差が正と負とに周期的に変化する。言い換えれば、本実施例では、液晶層105に生じる電界の符号が周期的に反転するように(正と負とに周期的に変化するように)両電極層103,107に電位(電位差)を与えて液晶パネルに光変調動作を行わせる。一般に、いわゆるフリッカーを抑制するために、液晶層105に生じる正の電位差と負の電位差の大きさが互いに等しくなるように両電極層103,107への印加電圧が設定される。
ここで、特定周期は、NTSC方式では1/120秒、PAL方式では1/100秒であり、1フィールドの周期に相当する。2つのフィールド周期(1/60秒又は1/50秒)で1フレーム画像が表示される。ただし、特定周期は、1フレーム画像の表示周期に相当するものであってもよい。
また、液晶層105に生ずる電界は、両電極層103,107に与えられる電圧(電界)に、配向膜104,106の抵抗による電圧降下や、各配向膜でトラップされる電荷(電子やホールの電荷)の作り出す微小な電圧(電界)が全て重畳されたものである。
図3には、液晶パネルをガラス基板102側から見て示している。110は第1の配向膜104によって配向された液晶分子の配向方向であるダイレクタ方向(プレチルト方向)である。111は第2の配向膜106によって配向された液晶分子の配向方向であるダイレクタ方向(プレチルト方向)である。ダイレクタ方向110及び111はともに配向膜面の法線に対して数度傾いており、かつ傾く方向が互いに相反している。
112は液晶パネルの全画素に対応する有効表示領域である。有効表示領域112の短辺112a及び長辺方向112bに対して約45度の方向に配向処理がなされている。
プロジェクタでは、高輝度なランプからの光照射により、液晶パネル3R,3G,3Bの温度が上昇し、常温動作環境下においては約40度になるように制御される。しかし、プロジェクタを長期間使用すると、液晶パネル3R,3G,2Bは長期間にわたって昇温状態(高温状態)となり、さらに液晶分子が画像表示のために駆動されることで、以下のような問題が生じる。
図4は液晶パネルの断面図、図5は液晶パネルをガラス基板102側から見た図である。図4及び図5に示すように、液晶層105の内部やその周辺の有機物質であるシール材料、第1の配向膜104,第2の配向膜106及び電極層103,107等の界面付近には、荷電性粒子113が存在する。この荷電性粒子113は、上記長期間使用によって、液晶層105と反射画素電極層107側の第2の配向膜106との界面に沿って液晶分子のダイレクタ方向(第1の方向)に進み、有効表示領域112の第2の配向膜106側の対角領域に堆積する。ここでの荷電性粒子113の電荷は、負の符号の電荷である。
そして、上記のように第2の配向膜106と液晶層105との界面に堆積した荷電性粒子113によって、液晶層105に生じる実効電界が変化してしまう。その結果、荷電性粒子が堆積した領域の画像の品位が低下してしまう。
本実施例では、このように堆積した荷電性粒子113を第2の配向膜106の界面及び有効表示領域112の対角領域から浮遊させるために、液晶パネルドライバ303によって、電極層103,107への印加電圧の制御(第1の制御)を行う。
この第1の制御は、表示領域選択スイッチ330の操作に応じて、液晶パネル3R,3G,3Bにおける有効表示領域が変更される場合において、変更後の有効表示領域で電極層103,107に第1及び第2の電位が与えられていない状態にて行われる。すなわち、液晶パネル3R,3G,3Bにおける有効光変調領域が第1の有効光変調領域から第2の有効光変調領域に変更される場合であって第2の有効光変調領域での光変調動作が開始される前に、第1の制御が行われる。
有効表示領域が変更される場合は、今回のプロジェクタの使用中に有効表示領域が変更される場合だけでなく、今回のプロジェクタの使用開始時に前回のプロジェクタの使用終了時に設定されていた有効表示領域とは異なる有効表示領域が選択された場合を含む。
第1の制御では、図6に示すように、堆積した荷電性粒子113を液晶層105の内部に浮遊させるために、透明電極膜103に正の電圧(第5の電位)を、反射画素電極層107に負の電圧(第6の電位)を印加する。
図7には、第1の制御において、両電極層103,107に対する印加電圧V103a,V107aを示す。反射画素電極層107への印加電圧(第6の電位)V107aは、透明電極膜103への印加電圧(第5の電位)V103aに対して負の電圧である。印加電圧V103a,V107aは、時間に経過によって変化しない一定の直流電圧である。ただし、ここにいう一定の電圧とは、全く変動がない電圧だけでなく、電源電圧の変動や制御誤差等によって同一電圧とみなせる範囲でのみ変動する電圧も含む。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
これにより、液晶層105には、周期的に正と負に変化しない負の直流電界が発生する。
なお、周期的に正と負に変化しないように液晶層105に直流電界を印加する範囲内において、その直流電界の強さは変動しても構わない。すなわち、両電極層103,107に与える電圧(電位)は、液晶層105に生じる電界の符号が変化しない限り変化してもよい。
また、ここでの透明電極膜103及び反射画素電極層107に印加される電圧はそれぞれ、液晶層105の面内方向、すなわち厚さ方向に対して直交する方向(液晶パネルの表示面内方向又は変調面内方向とも言える)において同じ(均一)である。
このように、液晶パネルドライバ303は、液晶層105に生じる電界の符号が一定(正又は負のまま)となり、かつ液晶層105の面内方向において同じ電位をそれぞれの電極層103,107に与える第1の制御を行う。両電極層103,107に印加される電圧の差(電位差)は、例えば1.0Vから2.0Vの電位差である。
液晶パネルドライバ303は、このような両電極層103,107に対する電圧印加(第1の制御)を、液晶パネル3R,3G,3Bにおける有効表示領域が変更される間において第1の所定時間(例えば、1秒間)の間行う。
これにより、図8のように液晶層105と第2の配向膜106の界面に付着して堆積した負の荷電性粒子113は、反射画素電極層107に印加された負の電圧に対するクーロン力による反発力によって、該界面から解離して液晶層105の内部に浮遊していく。
ここで、第1の所定時間とは、上記堆積した荷電性粒子113の大部分(例えば、70%以上)又は全てが、第2の配向膜106の界面から離れて、液晶層105の内部に浮遊するまでの時間である。
また、上記のように、液晶層105との界面に荷電性粒子113が堆積する第2の配向膜側の反射画素電極層107に印加される電圧の符号は、該荷電性粒子113の符号と同じ負である。
ここで、反射画素電極層107に印加する電圧は必ずしもグランドレベルを基準とした場合の負の電圧でなくてもよい。具体的には、反射画素電極層107に印加する電圧と透明電極膜103に印加する電圧とを比較したときに、反射画素電極層107に印加する電圧が透明電極膜103に印加する電圧よりも低ければよい。この場合も、本実施例では、反射画素電極層107に印加する電圧が負であるという。そして、この条件を満足する限り、反射画素電極層107に印加する電圧と透明電極膜103に印加する電圧との両者をグランドレベルを基準とした正の電圧にしてもよいし、両者をグランドレベルを基準とした負の電圧にしてもよい。
次に本実施例では、荷電性粒子113が堆積した対角方向とは異なる対角方向に荷電性粒子113を引き寄せて拡散(移動)させるように両電極層103,107への印加電圧の制御(第2の制御)を行う。この第2の制御も、液晶パネル3R,3G,3Bにおける有効光変調領域が第1の有効光変調領域から第2の有効光変調領域に変更される場合であって第2の有効光変調領域での光変調動作が開始される前に行われる。
具体的には、透明電極膜103と反射画素電極層107に、液晶層105の面内方向においてこれらに印加される電圧の差(以下、電極間電位差という)が変化するように、すなわち分布を持つように電圧を印加する。より具体的には、液晶層105内の荷電性粒子がより多く堆積する領域に対して、より大きい電極間電位差が生ずるように透明電極膜103と反射画素電極層107への印加電圧が制御される。
つまり、液晶パネルドライバ303は、液晶層105に生じる電界の符号を一定とし、かつ液晶層105の面内方向において差が変化する第3及び第4の電位を透明電極膜103と反射画素電極層107に与える第2の制御を行う。本実施例では、このような印加電圧制御(第2の制御)を、第2の所定時間の間行う。
図9には、第2の制御において、反射画素電極層107に印加する有効表示領域112内での電圧(第3の電位)の分布を示す。印加電圧が大きい領域122を明るく(白色で)示し、印加電圧が小さくなるにつれて暗くなる(グレーとなる)領域123として示し、印加電圧が0の領域124を黒で示している。また、125は、有効表示領域112に対応する反射画素電極層107の画素有効領域である。
図9から分かるように、荷電性粒子113が堆積する対角方向(液晶分子のプレチルト方向110,111に平行な方向、第1の方向)Aにおいては電極間電位差を一定とし、対角方向Aでの対角線上及びその近傍の領域124での電極間電位差を0とする。一方、もう1つの対角方向(第2の方向)B、すなわち対角方向Aとは異なる対角方向においては、電極間電位差の変化を大きくし、対角領域に近いほど電極間電位差を高くする。
領域122は最も荷電性粒子113が堆積する領域であり、第1の堆積領域に相当する。また、領域123及び領域124は、領域122に対する第2の堆積領域に相当する。さらに、領域123と領域124との間では、それぞれが第1の堆積領域と第2の堆積領域に相当する。
本実施例では、図11〜図13に示すように両電極層103,107への印加電圧(第3及び第4の電位)を設定する。
図11は、図9中の領域124での印加電圧を示す。透明電極膜103への印加電圧(第3の電位)V103bと反射画素電極層107への印加電圧(第4の電位)V107bはともに、時間の経過によって変化しない一定の直流電圧である。また、両印加電圧V103b,V107bは一致しており、電極間電位差は0となる。
なお、一致するとは、完全に一致する場合だけでなく、制御誤差等によって一致しているとみなせる範囲でのみ差がある場合も含む。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
また、図12は、図9中の領域122での印加電圧を示す。反射画素電極層107への印加電圧(第4の電位)V107bは交流電圧であり、該交流電圧の最小値と透明電極膜103への印加電圧(第3の電位)V103bとが一致している。透明電極膜103への印加電圧V103bは、直流電圧である。
このような印加電圧制御は、反射画素電極層107に、該反射画素電極層107への印加電圧V107bの時間積分値(図中に点線で示す)に相当する正の直流電圧を印加することと等価である。
図13は、図9中の領域123での印加電圧を示している。領域122と同様に、反射画素電極層107への印加電圧(第4の電位)V107bは交流電圧であり、該交流電圧の最小値と透明電極膜103への印加電圧(第3の電位)103bとが一致している。透明電極膜103への印加電圧V103bは、直流電圧である。ただし、反射画素電極層107に印加される交流電圧の最大値は、領域122で反射画素電極層107に印加される交流電圧の最大値よりも低い。
このような印加電圧制御は、反射画素電極層107に、反射画素電極層107への印加電圧V107bの時間積分値(図中に点線で示す)に相当する正の直流電圧を印加することと等価である。
この結果、領域122には、領域123の電極間電位差120″よりも大きい電極間電位差120′が与えられ、より高い直流電圧が印加されることになる。
本実施例では、対角方向Bでの最大電極間電位差を2Vとし、画素電極層107に印加する交流電圧の周波数を、NTSC方式では120Hz、PAL方式では100Hzとする。また、第2の所定時間は、対角方向Aにおいて堆積した荷電性粒子113の大部分(例えば、70%)又は全てが、対角方向Bに拡散するまでの時間であり、例えば、1秒間である。
図14には、液晶パネルの断面構造を示している。この図には、上記領域122,123,124のうち液晶層105の印加電圧が0である領域124を除く領域122,123で液晶層105に印加される電圧の符号を示す。上述したように、反射画素電極層107の印加電圧V107bは、透明電極膜103の印加電圧V103bに対して正の電圧であり、これにより液晶層105にも周期的に正と負に変化しない正の直流電界が生じる。
液晶層105との界面に荷電性粒子113が堆積する第2の配向膜側の反射画素電極層107に印加される電圧の符号は、該荷電性粒子113の符号とは異なる正である。また、反射画素電極層107への印加電圧V107bは、荷電性粒子113が堆積する対角方向Aとは異なる対角方向Bにおける対角領域に向かって高くなる。
このため、第2の配向膜106の界面における対角方向Aに堆積した負の荷電性粒子113は、図15に示すように、クーロン力により対角方向Bに引き寄せられ、液晶層105の内部で拡散する。
このように、前述した第1の制御に引き続いて第2の制御を行うことにより、対角方向Aにおいて堆積した荷電性粒子113を液晶層105内に浮遊させた後、対角方向Bに拡散させることができる。したがって、荷電性粒子113の堆積の影響による画像の品位の低下を抑制することができる。
この第2の制御においても、反射画素電極層107に印加する電圧は必ずしもグランドレベルを基準とした場合の正の電圧でなくてもよい。具体的には、反射画素電極層107に印加する電圧と透明電極膜103に印加する電圧とを比較したときに、反射画素電極層107に印加する電圧が透明電極膜103に印加する電圧よりも高ければよい。この場合も、本実施例では、反射画素電極層107に印加する電圧が正であるという。そして、この条件を満足する限り、反射画素電極層107に印加する電圧と透明電極膜103に印加する電圧との両者をグランドレベルを基準とした正の電圧にしてもよいし、両者をグランドレベルを基準とした負の電圧にしてもよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
また、本実施例では、液晶層105と第2の配向膜106との界面に堆積する負の荷電性粒子113を界面から解離させる場合について説明したが、液晶層105と第1の配向膜104との界面には正の荷電性粒子が堆積する可能性がある。この場合も、上記と同様の印加電圧制御を行うことで、荷電性粒子を界面から解離させて浮遊させ、さらに特定の対角方向に堆積した荷電性粒子を他の対角方向に拡散させることができる。この場合、液晶層105との界面に正の荷電性粒子が堆積する第1の配向膜104側の透明電極膜103に印加される電圧の符号は、荷電性粒子の符号と同じ正とするとよい。
次に、図1に示した液晶パネルドライバ303の内部構成を図19に示す。液晶パネルドライバ303に入力された映像信号は、コントラスト調整回路201でコントラストの調整が行われる。コントラスト調整が行われた映像信号に対して、ガンマ補正回路202で、液晶パネル3R,3G,3Bの印加電圧−反射率(又は透過率)特性に応じた補正が行われる。ガンマ補正回路202の出力信号は、セレクタ203を経てデータ並び替え回路204に入力される。データ並び替え回路204では、液晶パネル3R,3G,3Bに表示するためのデータの並び替えが行われる。
データ並び替え回路204の出力は、D/A変換器205でアナログ信号に変換された後、液晶パネル3R,3G,3Bに入力される。
水平同期信号(Hsync)、垂直同期信号(Vsync)は、液晶パネルドライバ303内のタイミング信号生成回路(TG)209に入力される。TG209では、Hsync及びVsyncに基づいて液晶パネル3R,3G,3Bを駆動するのに必要な信号を生成する。
また、中央演算回路(CPU)207は、液晶パネルドライバ303内の各回路に対して各種パラメータを設定する。CPU207の出力は、インターフェイス回路208で各回路が読み込むのに適したフォーマットに変換され、データバス210を通じてコントラスト調整回路201、ガンマ補正回路202、データ並び替え回路204及びTG209に入力される。
直流パターン発生回路211は、図6及び図7に示した荷電性粒子を浮遊させる第1の制御を行うための印加直流電界に対応した印加電圧パターン(均一パターン)を出力する。液晶パネルの有効表示領域が変更される場合には、直流パターン発生回路211は、変更前の有効表示領域(第1の有効光変調領域)に対応した均一パターンを生成する。すなわち、変更前の有効表示領域において電極層103,107への印加電圧が液晶層105の面内方向においてそれぞれ同じとなるような均一パターンを生成する。この直流パターン発生回路211からの出力は、セレクタ203に入力される。
対角パターン発生回路206は、図9及び図11〜図14に示した荷電性粒子を拡散させる第2の制御を行うための印加電圧分布に対応した印加電圧パターン(対角パターン)を出力する。液晶パネルの有効表示領域が変更される場合には、対角パターン発生回路206は、変更前の有効表示領域(第1の有効光変調領域)に対応した対角パターンを生成する。すなわち、変更前の有効表示領域での対角方向B(図9参照)において電極層103,107への印加電圧の差が変化するような対角パターンを生成する。この対角パターン発生回路206からの出力は、セレクタ203に入力される。
図21A〜図21Cには、SXGA規格(1400×1050画素、11.3mm×8.5mm)の液晶パネルを使用した場合の有効表示領域の例を示す。
図21Aには、液晶パネルの全画素(1400×1050画素)を駆動して全画素により映像信号(観賞用画像)を表示させる場合を示している。この場合、全画素領域が有効表示領域115となり、該有効表示領域115の対角方向Aに沿って荷電性粒子113が堆積する。図には、この荷電性粒子113を拡散させるために必要な対角パターン(図9参照)のうち、電極層103,107への印加電圧差が0である領域124のみを黒で示している。対角パターンは、有効表示領域115の他の対角方向において電極層103,107への印加電圧差が変化するように設定される。このことは、以下に説明する図21B〜図21Fに示す他の例についても同じである。
図21Bには、有効表示領域のアスペクト比を16:9のHD規格にするために、液晶パネルの水平方向における全画素と垂直方向における一部画素(1400×788画素)を駆動する場合を示している。116は駆動されない画素領域を示し、117は有効表示領域(1400×788画素)を示す。
この場合、荷電性粒子113は、有効表示領域117の対角方向A1に沿って堆積する。図には、この荷電性粒子113を拡散させるために必要な対角パターンのうち、電極層103,107への印加電圧差が0である領域124−1のみを黒で示している。領域124−1が延びる対角方向A1は、図21Aでの領域124が延びる対角方向Aに比べて、有効表示領域117が垂直方向に狭い分、異なっている。
図21Cには、液晶パネルの全画素(1400×1050画素)を駆動し、かつ上下の領域128に黒マスクを表示している場合を示す。このときの有効表示領域126は、黒マスクを表示する画素を除いた1400×788画素である。
この場合、荷電性粒子113は、有効表示領域126の対角方向A2に沿って堆積する。図には、この荷電性粒子113を拡散させるために必要な対角パターンのうち、電極層103,107への印加電圧差が0である領域124−2のみを黒で示している。領域124−2が延びる対角方向A2は、図21A及び図21Bでの領域124,124−1が延びる対角方向A,A1に比べて、有効表示領域126が垂直方向に狭い分、異なっている。
図21D〜図21Fには、フルHD規格(1920×1080画素、15.4mm×9.6mm)の液晶パネルを使用した場合の有効表示領域の例を示す。
図21Dには、液晶パネルの全画素(1920×1080画素)を駆動し、かつ有効表示領域のアスペクト比を4:3にするために左右の領域130に黒マスクを表示している場合を示す。この場合の有効表示領域131は、黒マスクを表示する画素を除いた1440×1080画素である。
この場合、荷電性粒子113は、有効表示領域131の対角方向A3に沿って堆積する。図には、この荷電性粒子113を拡散させるために必要な対角パターンのうち、電極層103,107への印加電圧差が0である領域124−3のみを黒で示している。領域124−3が延びる対角方向A3は、全画素領域を有効表示領域とする場合の領域124(図9参照)が延びる対角方向Aに比べて、有効表示領域131が水平方向に狭い分、異なっている。
図21Eには、液晶パネルの水平方向の全画素と垂直方向の一部画素を駆動し、左右の領域136に黒マスクを表示した場合を示している。135は駆動されない画素領域を示す。この場合の有効表示領域134は、1440×810画素である。
この場合、荷電性粒子113は、有効表示領域134の対角方向A4に沿って堆積する。図には、この荷電性粒子113を拡散させるために必要な対角パターンのうち、電極層103,107への印加電圧差が0である領域124−4のみを黒で示している。領域124−4が延びる対角方向A4は、全画素領域を有効表示領域とする場合の領域124(図9参照)及び図21Dの場合の領域124−3が延びる対角方向A,A3に比べて、有効表示領域134が水平方向に広く、かつ垂直方向に狭い分、異なっている。
図21Fには、液晶パネルの全画素を駆動し、かつ上下左右の周辺領域138に黒マスクを表示する場合を示している。この場合の有効表示領域140は、図21Eの場合と同じ1440×810画素である。ただし、有効表示領域140は、図21Eの有効表示領域134よりも下側に位置している。
この場合、荷電性粒子113は、有効表示領域140の対角方向A5に沿って堆積する。図には、この荷電性粒子113を拡散させるために必要な対角パターンのうち、電極層103,107への印加電圧差が0である領域124−5のみを黒で示している。領域124−5が延びる対角方向A5は、図21Eの場合の対角方向A4とほぼ同じである。ただし、有効表示領域140が図21Eの場合に比べて下側に位置するため、領域124−5の位置も図21Eでの領域124−4に比べて下側に位置する。
表示領域選択スイッチ330の操作に応じて、液晶パネル上での有効表示領域を、図21A〜図21C又は図21D〜図21Fに示した有効表示領域の中から選択することができる。そして、直流パターン発生回路211及び対角パターン発生回路206はそれぞれ、有効表示領域の位置及び大きさに応じた、つまりは有効表示領域に対応する均一パターン及び対角パターンを生成する。
ただし、図21A〜図21Fに示した有効表示領域は代表例にすぎず、非駆動画素領域や黒マスクの位置や大きさを変更することで、代表例以外の有効表示領域を選択できるようにしてもよい。そして、有効表示領域の位置や大きさごとに、均一パターン及び対角パターンが生成(又は選択)されるようにするとよい。
なお、図22に示すように、液晶分子のダイレクタ方向(プレチルト方向)110,111が、図3に示したダイレクタ方向に対して左右方向にて反転した場合には、荷電性粒子113を拡散させるために必要な対角パターンも左右方向にて反転する。図22には、電極層103,107への印加電圧差が0である領域124のみを黒で示している。
図19において、セレクタ203は、CPU207からの指示に応じて、直流パターン発生回路211の出力と対角パターン発生回路206の出力とガンマ補正回路202の出力のうち1つを選択する。
有効表示領域記憶回路212は、液晶パネル3R,3G,3Bの有効表示領域の位置と大きさに関するデータ(以下、有効表示領域データという)を記憶する。有効表示領域記憶回路212は、CPU207からの指令信号に応じて、その時点での有効表示領域データを、データバス210を通じてTG209に出力する。
マスク信号発生回路213は、TG209からの信号に基づいて、液晶パネル3R,3G,3Bの全画素領域のうち黒マスクを形成する領域を示すマスク信号を生成してデータ並び替え回路204に出力する。データ並び替え回路204は、前述したデータの並び替えにおいて、マスク信号で指定された領域に黒マスクを設定する。
対角パターン発生回路206からの対角パターンに従って電極層103,107に電圧が印加されると、各液晶パネルには、該対角パターンに対応して対角方向Bに沿って明るさが変化する画像(対角パターン画像)が形成される。また、直流パターン発生回路211からの均一パターンに従って電極層103,107に電圧が印加されると、各液晶パネルには該均一パターンに対応して全画面において均一な明るさの画像が形成される。
光源301及び液晶パネル3R,3G,3Bへの電源供給のオン/オフ制御と、第1及び第2の制御を含む液晶パネル3R,3G,3Bへの印加電圧の制御は、CPU207によって図20に示すフローチャートに従って行われる。
図20のステップ(図にはSと略記する)501aで、CPU207は、プロジェクタの電源スイッチのオン操作に応じて動作を開始する。CPU207は、電源制御部302を通じて、光源(ランプ)301や各液晶パネル等の各部への電源供給を開始する。
そして、ステップ501bでは、CPU207は、液晶パネル3R,3G,3Bのうち、電源スイッチがオン操作された時点で選択されていた有効表示領域での通常の画像表示(光変調動作)を開始する。このとき、CPU207は、有効表示領域記憶回路212に、液晶パネル3R,3G,3Bの有効表示領域データを記憶させる。
ステップ501cでは、CPU207は、表示領域選択スイッチ330により有効表示領域の変更が指示されたか否かを判定する。有効表示領域の変更が指示されない場合はステップ501bに戻り、通常の画像表示を続ける。一方、有効表示領域の変更が指示された場合はステップ502に進む。
ステップ502では、CPU207は、ステップ501bで有効表示領域記憶回路212に記憶された、変更前の有効表示領域に対する有効表示領域データをTG209に出力させる。
そして、ステップ503aでは、CPU207は、セレクタ203に直流パターン発生回路211の出力を選択させ、直流パターン発生回路211から出力された均一パターンに従った電位(第5及び第6の電位)を電極層103,107に印加させる。
このとき、直流パターン発生回路211は、ステップ502で変更前の有効表示領域データを得たTG209からの信号に基づいて、変更前の有効表示領域(第1の有効光変調領域)に対応した均一パターンを生成する。
これにより、変更前の有効表示領域において液晶層105内で堆積した荷電性粒子113を液晶層105内に浮遊させるための第1の制御(直流電界印加)が開始される。また、CPU207は、第1の所定時間の計測を開始する。
ステップ503bにおいて、CPU207は、第1の所定時間が経過したか否かを判定する。第1の所定時間が経過していない場合は、ステップ503aに戻る。一方、第1の所定時間が経過した場合は、ステップ504に進む。
ステップ504では、CPU207は、対角パターン発生回路206に、TG209からの信号に基づいて、変更前の有効表示領域に対応した対角パターンを生成させる。
なお、対角パターン発生回路206は、TG209からの信号に基づいて対角パターンをその都度生成してもよいが、有効表示領域に応じた複数の対角パターンを予め記憶しておき、変更前の有効表示領域に対応した対角パターンを選択するようにしてもよい。
次にステップ505では、CPU207は、セレクタ203に対角パターン発生回路206の出力を選択させ、対角パターン発生回路206から出力された対角パターンに従った電位(第3及び第4の電位)を電極層103,107に印加させる。これにより、変更前の有効表示領域で荷電性粒子を液晶層105内で拡散させるための第2の制御が開始される。また、CPU207は、第2の所定時間の計測を開始する。
ここで、ステップ501cにおいて、有効表示領域が、例えば図21Aに示す有効表示領域(第1の有効光変調領域)から図21Bに示す有効表示領域(第2の有効光変調領域)への変更が指示されたとする。この場合、ステップ502で有効表示領域記憶回路212に記憶された、図21Aの有効表示領域に対する有効表示領域データが読み出され、該有効表示領域データに基づいて直流及び対角パターン発生回路211,206が均一及び対角パターンをそれぞれ生成する。そして、該均一及び対角パターンに基づく第1及び第2の制御が順次行われる。
ステップ506では、CPU207は、第2の所定時間が経過したか否かを判定する。第2の所定時間が経過していない場合は、ステップ505に戻る。一方、第2の所定時間が経過した場合は、ステップ507に進む。
ステップ507では、CPU207は、対角パターン発生回路206からの出力を停止(消去)させる。
続いてステップ508では、CPU207は、ステップ501cにおける表示領域選択スイッチ330からの指示に応じて、液晶パネル3R,3G,3B上での変更後の有効表示領域(第2の有効光変調領域)を指定する。また、CPU207は、変更後の有効表示領域データをTG209に出力させる。液晶パネル3R,3G,3B上で黒マスクを形成する必要がある場合には、該黒マスクを生成するためのデータをマスク信号発生回路213に出力する。
ステップ509では、CPU207は、ステップ508で指定した変更後の有効表示領域データを有効表示領域記憶回路212に記憶させる。ここで記憶されたデータは、さらにこの後に有効表示領域が変更される場合に、直流及び対角パターン発生回路211,206にて直流及び対角パターンを生成するために使用される。
次にステップ510では、CPU207は、セレクタ203にガンマ補正回路202の出力を選択させる。データ並び替え回路204では、ガンマ補正回路202、TG209及びマスク信号発生回路213からの信号に基づいて、液晶パネル3R,3G,3B上における変更後の有効表示領域で画像を表示する(光変調動作を行う)ためのデータの並び替えが行われる。そして、並び替えが行われたデータが液晶パネル3R,3G,3Bに出力される。これにより、変更後の有効表示領域での通常の画像表示(光変調動作)が行われる。
その後、ステップ511では、CPU207は、電源スイッチのオフ操作が行われたか否かを判別し、オフ操作が行われていなければステップ501bに戻って変更後の有効表示領域での画像表示を続ける。一方、電源スイッチのオフ操作が行われた場合は、ステップ512で電源制御部302からの各部への電源供給を停止させ、プロジェクタの動作を終了させる。
このように本実施例では、液晶パネルの有効表示領域が変更される場合に、変更前の有効表示領域に対応する均一及び対角パターンを用いて第1及び第2の制御を順次行う。これにより、変更前の有効表示領域において、液晶層と配向膜との界面に堆積した荷電性粒子を強制的に該界面から解離させ、液晶層内にて拡散させることができる。したがって、変更前の有効表示領域において堆積した荷電性粒子の影響によって、変更後の有効表示領域での表示輝度不良を回避することができる。すなわち、有効表示領域の変更前における荷電性粒子の堆積の影響による画像の品位の低下を抑制することができる。
なお、図20のステップ509で有効表示領域記憶回路212に記憶された変更後の有効表示領域データは、ステップ511及び512でプロジェクタの動作が終了した場合でもその記憶が保持される。このため、次回のプロジェクタの使用開始時に、前回の使用終了までの有効表示領域とは異なる有効表示領域が選択された場合にも、上述した第1及び第2の制御を行うことができる。
すなわち、ステップ501aにおいて、前回のプロジェクタの使用終了時までの有効表示領域(変更前の有効表示領域)に対する有効表示領域データを有効表示領域記憶回路212からTG209に出力させる。そして、セレクタ203に直流及び対角パターン発生回路211,206の出力を順次選択させる。これにより、変更前の有効表示領域での第1及び第2の制御が行われる。その後、変更後の有効表示領域での画像表示(光変調動作)をステップ501bにて開始する。
このように、プロジェクタの電源遮断を挟んで有効表示領域が変更された場合でも、変更前(前回使用時)の有効表示領域に堆積した荷電性粒子の影響によって、変更後(今回使用時)の有効表示領域で表示輝度不良が発生するのを回避することができる。