JP5126684B2 - 新規糖脂質及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、新規糖脂質及びその用途に関し、詳細にはスルホンアミド基を有する新規糖脂質及びその医薬用途に関する。
免疫系は、生体において自己と非自己とを区別し、非自己を排除することにより自己を防御する役割を担っている。免疫系には自己の細胞(成分)に対する攻撃性を最小にするための、巧みな調節機能が存在する。しかし、その調節機能が破綻すると、自己の細胞(成分)への攻撃、即ち自己免疫疾患が発症すると考えられている。自己免疫疾患は、全身性自己免疫疾患と臓器特異的自己免疫疾患とに大別される。このうち臓器特異的自己免疫疾患は、特定の臓器や組織(脳、肝臓、眼、関節)に慢性的な炎症を来たし、その原因が当該臓器に特異的な自己抗原に対する免疫応答(自己免疫応答)に起因すると考えられる疾患をいい、代表的な疾患として多発性硬化症(脳、脊髄)、リウマチ様関節炎(関節)が挙げられる。それらの疾患は、障害される臓器は異なっていても、ヘルパーT (Th) 細胞による免疫系のバランスが崩れ、Th1型に偏ることが共通の原因であると考えられている。これらの疾患の治療法は、ヘルパーT細胞の偏向した免疫バランスを調整してTh2型へとシフトさせることにある点で基本的に共通している。
ナチュラルキラー(NK)T細胞は、他のリンパ球系列(T, B, NK細胞)と異なる特徴を示す、新規リンパ球系列に属する免疫細胞である。NKT細胞内には細胞障害性パーフォリン顆粒が存在することからNK細胞と類縁である(非特許文献1)。しかし、NKT細胞はNK細胞マーカーのみならずT細胞受容体(TCR)をも発現していることから、決定的に異なる新たな細胞群であることが明らかとなっている(非特許文献2)。NKT細胞は、Th1型のヘルパーT細胞によって産生されるTh1型サイトカイン(主にインターフェロン(IFN)-γ)と、Th2型のヘルパーT細胞によって産生されるTh2型サイトカイン(主にインターロイキン(IL)-4)の両方を産生することができ(非特許文献3)、これによって免疫系のバランスを調節している可能性が示唆されている(非特許文献4)。したがって、NKT細胞の働きを制御することによって、崩れた免疫系のバランスを調整することが可能となる。
NKT細胞の特性として最も着目されているのは、NKT細胞に発現しているTCRのα鎖が同種間では同一であるいう点である。これは即ち、同種間の生物が持つNKT細胞は全て、同一の物質によって活性化されるということを示している。このα鎖は、ヒトではVα24、ネズミではVα14であるが、両種間でも非常に高い相同性を持っている。また、そのα鎖と対を成すβ鎖も、ごく限られた種類しか知られていないため、このTCRは「不可変型TCR」とも呼ばれている。
生体内には、様々な種類のスフィンゴ糖脂質の存在が知られている。生体内のスフィンゴ糖脂質は、一般的に様々な糖がセラミドとβ-結合しており、器官によってその存在量は異なるが、様々な器官の細胞膜中に存在している(非特許文献5)。一方、糖がセラミドにα-結合しているスフィンゴ糖脂質が、強力な免疫賦活作用及び抗腫瘍活性を有することが報告されている(非特許文献6)。また、アゲラスフィン類に代表されるα-ガラクトシルセラミドは、海綿の一種であるAgelas mauritianus の抽出液より単離された糖脂質であり、NKT細胞を強く活性化することが知られている(非特許文献4)。α-ガラクトシルセラミドは、スフィンゴシン塩基が長鎖脂肪酸によりアシル化されて形成されたセラミドに、ガラクトースがα-配置で結合したスフィンゴ糖脂質である。これらは、樹状細胞(DC)などに代表される抗原提示細胞(APC)に取り込まれた後、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子に属するCD1dタンパク質によって細胞膜上に提示される。NKT細胞は、こうして提示されたCD1dタンパク質とα-グリコシルセラミドとの複合体を、TCRを用いて認識することにより活性化され、様々な免疫反応が開始される。これまでに様々な類縁体が合成され、その構造と活性との相関関係が調査されてきているが、一連の合成類縁体の中ではキリンビール(株)により開発されたα-GalCer(化合物a)が最も強い活性を示すこと、さらには、対応するβ-体(β-GalCer)には免疫賦活活性は見られないことが明らかとなっている。
近年、上述したNKT細胞の機能に着目し、α-GalCerを有効成分として含有する治療薬が提案・開発されている。しかしながら、α-GalCerの投与により目的とする自己免疫疾患を抑制するサイトカインであるIL-4は産生されるが、それとともに自己免疫疾患を悪化させるサイトカインであるIFN-γも同時に産生誘導してしまう。その結果、両者の働きが相殺されてしまい、自己免疫疾患に対する治療効果が十分に得られないという問題がある。
最近、山村らのグループによってNKT細胞に対して自己免疫疾患を抑制するサイトカインであるIL-4を優先的に産生誘導する糖脂質である OCH(化合物b)が開発された(特許文献1、非特許文献7、8及び9)。OCHは、α-GalCerのアルキル側鎖を短くすることにより、CD1dタンパク質との相互作用を弱くすることによって IL-4 が優先的に産生するとされている。しかし、この方法ではリガンドであるOCHとCD1dタンパク質との複合体の安定性が低いためにNKT細胞が活性化される時間が短く、産生される IL-4 の絶対量が少ないという欠点がある。そのため有効な効果を得るためには、多量の OCH を投与しなくてはならない点が問題である。
さらに、脂肪族アミド基や脂肪族スルホンアミド基を有する糖脂質が免疫賦活剤として有用であるとの報告もある(特許文献2)。しかし、かかる糖脂質によるサイトカインの産生が実証されておらず、しかもその選択性について示唆もない。
国際公開2003/016326パンフレット 特開2001−354666号公報 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1998, 95, 5690-5693 J. Immunol. 1995, 155, 2972-2983 J. Immunol. 1998, 161, 3271-3281 Science, 1997, 278, 1626-1629 Biochim. Biophys. Acta 1973, 315-335 J. Med. Chem. 1995, 38, 2176-2187 J. Org. Chem. 2005, 70, 2398-2401 Tetrahedron Lett. 2005, 46, 5043-5047 Nature 2001, 413, 531-534
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は自己免疫疾患の予防・治療等に有効な新規化合物及び該化合物の合成に有用な中間体を提供することにある。本発明はまた、自己免疫疾患等の予防・治療に有用な医薬を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、グリコシルセラミド等の糖脂質に特徴的な結合部位であるアミド結合をスルホンアミド結合に変換した化合物が、選択的な免疫調節能を有しており自己免疫疾患又は感染症等の予防・治療に極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1)で表される化合物又はその塩。
式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、Yは−CH−、−CH(OH)−又は−CH=CH−を示す。
[2]Rがα−D−ガラクトピラノシルである、上記[1]記載の化合物又はその塩。
[3]Rが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその塩。
[4]Rが置換基を有していてもよい炭素数1〜21のアルキル基である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[5]Xが酸素原子である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[6]Yが−CH(OH)−である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[7]下記一般式(2)で表される化合物又はその塩。
式中、R1aは水酸基が保護されているアルドピラノース残基を示し、Yは−CH−、−CH(OA)−又は−CH=CH−を示し、Aは水素原子又は水酸基の保護基を示し、R、R及びXは上記と同義である。
[8]上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、医薬。
[9]上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、自己免疫疾患又は感染症の予防・治療剤。
[10]上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、NKT細胞活性化剤。
[11]上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、選択的IL−4産生誘導剤。
[12]上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、Th1細胞の機能亢進に起因する疾患の予防・治療剤。
[13]下記一般式(3)で表される化合物又はその塩を含有する、自己免疫疾患又は感染症の予防・治療剤。
式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜28の脂肪族炭化水素基を示し、R、R、X及びYは上記と同義である。
[14]上記一般式(3)で表される化合物又はその塩を含有する、選択的IL−4産生誘導剤。
[15]上記一般式(3)で表される化合物又はその塩を含有する、Th1細胞の機能亢進に起因する疾患の予防・治療剤。
本発明によれば、自己免疫疾患等の予防・治療に有効な、スルホンアミド基を有する新規糖脂質及び該糖脂質の合成に有用な中間体が提供される。
本発明に係る糖脂質はスルホンアミド基の導入により従来公知のセラミドに比して極性が格段に高められているため、APCのもつCD1dタンパク質と複合体を容易に形成することが可能であり、また複合体の安定性も向上させることが可能である。したがって、本発明に係る糖脂質を有効成分として含有する医薬を投与すれば、CD1dタンパク質と容易に複合体を形成しNKT細胞に提示され、この複合体を認識したNKT細胞はそれ自身の有する免疫調節機能のうち、Th2型サイトカインの一種であるIL−4の産生を優先的に誘導することができる。これにより、特に留意すべき副作用がなく、自己免疫疾患の予防・治療や、Th1細胞の機能亢進に起因する疾患の予防・治療が可能になる。IL−4はまた、細胞障害活性の増加にも関与していることから、感染症の予防・治療にも有効である。
また、本発明に係る糖脂質は、CD1dタンパク質との複合体の安定化に大きく寄与しているため、少量の投与でもNKT細胞を強力に活性化でき、従来公知のセラミドに比してIL−4の産生量を増大させることが可能である。
さらに、本発明に係るスルホンアミド基を有する糖脂質は、生物学的な試験・研究における試薬類としても使用できる。
図1は試験例1におけるIFN-γ産生量及びIL-4産生量の測定結果を示す図である。 図2は試験例2におけるIFN-γ産生量及びIL-4産生量の測定結果を示す図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明において使用する各式中の記号の定義を説明する。
はアルドピラノース残基を示し、R1aは水酸基が保護されているアルドピラノース残基を示す。ここで、アルドピラノース残基とは、アルドピラノースの還元末端水酸基を除いた残基を意味する。アルドピラノース残基としては、例えば、α−D−ガラクトピラノシル、α−D−グルコピラノシル、β−D−ガラクトピラノシル、β−D−グルコピラノシル等が挙げられる。中でも、薬理効果の点から、α−D−ガラクトピラノシルが好ましい。
アルドピラノース残基における糖の水酸基の保護基としては、アシル基、t−ブチルジメチルシリル(TBS)基、トリメチルシリル(TMS)基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル(PMB)基等が挙げられる。
ここで、本明細書においてアシル基とは、ホルミル基;炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐状、若しくは炭素数3〜10の環状のアルキル−カルボニル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基);又は炭素数6〜14のアリール−カルボニル基(例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基)をいう。アリール−カルボニル基におけるアリール基とは、単環〜3環式芳香族炭化水素基を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられる。中でも、アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等が好ましく、アセチル基、ベンゾイル基がより好ましい。
アルドピラノース残基における糖の水酸基の保護基としては、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル(PMB)基が好ましい。
は置換基を有していてもよい芳香族基を示す。本明細書において、芳香族基とは、芳香族炭化水素基のみならず芳香族複素環基をも包含する概念であり、芳香族性を有すれば単環でも多環であってもよい。芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等に由来する炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。芳香族複素環基としては、好ましくは5〜6員の単環の芳香族複素環基、5〜6員の単環の芳香族複素環同士の縮合環由来の基、5〜6員の単環の芳香族複素環とベンゼン環との縮合環由来の基が挙げられ、具体的には、フラン、ピロール、チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、テトラジン、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアゾール、インドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾチアゾール、ベンズオキサチイン、フェナントリジン、フェナントレン、キノキサリン、フェナジン、ポリアザフェナントレン、オキサジアジン、ベンゾオキサジアジン、ジオキサジアジン、カルバゾール、アクリジン、ピロコリン等に由来する基が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素基が好ましく、より好ましくはフェニル基、ナフチル基である。
また、芳香族基の置換基としては、ハロゲン(好ましくは塩素原子、フッ素原子);メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜16、更に好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜4);ビニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜16、更に好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜4);エチニル基、プロパルギル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜16、更に好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜4);フェニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜16、更に好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜4);フェノキシ基等のアリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜14);水酸基;アミノ基;メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアルキル(アルキル基と同義)アミノ基等の電子供与性基、更にはカルボキシル基;アルコキシ(アルコキシ基と同義)カルボニル基;アシル基(好ましくは炭素数1〜24の直鎖又は分岐状のアルキル−カルボニル基);カルバモイル基;トリフルオロメチル基;アセトアミド基等のアルキル(アルキル基と同義)カルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアリール(好ましくは炭素数6〜14)カルボニルアミノ基等の電子吸引性基が挙げられる。上記アルキル基、アルコキシ基のアルキル部分、フェニル基等は、上述したハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基及びアルキルアミノ基のうちの少なくとも1種で置換されていてもよく、またこれらの置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
中でも、芳香族基の置換基としてはアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。したがって、置換芳香族基としてはアルキル置換フェニル基が好ましく、フェニル基のオルト位、メタ位及びパラ位のうちの少なくとも一つが好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、より好ましくはメチル基で置換されたものが望ましい。
は置換基を有していてもよい、炭素数1〜21の炭化水素基を示す。本明細書において、炭化水素基とは、置換又は非置換の、炭素数1〜21のアルキル基、炭素数2〜21のアルケニル基、炭素数2〜21のアルキニル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基をも包含する概念であり、直鎖状、分岐状及び環状のいずれの形態であってもよく、また飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよく、不飽和結合を分子内及び末端のいずれに有していてもよい。中でも、かかる炭化水素基としては、置換又は非置換の炭素数1〜21のアルキル基が好ましい。また、かかる炭化水素基の置換基としては上述した芳香族基の置換基と同様の基が例示でき、かかる置換基を少なくとも1種有することができる。中でも、直鎖状のアルキル基が好ましい。なお、Rの炭素数は1〜21であるが、好ましくは1〜15、より好ましくは10〜15である。炭素数が21を超えると、本発明の効果が得難くなる。
は置換基を有していてもよい炭素数1〜28の脂肪族炭化水素基を示す。脂肪族炭化水素基としては、例えば、置換又は非置換の、炭素数1〜28のアルキル基、炭素数2〜28のアルケニル基、炭素数2〜28のアルキニル基、炭素数3〜28のシクロアルキル基、炭素数3〜28のシクロアルケニル基が挙げられ、中でも置換又は非置換の炭素数1〜28のアルキル基が好ましい。なお、Rの炭素数は1〜28であるが、好ましくは16〜28、より好ましくは16〜25である。炭素数が28を超えると、活性の選択性が低下する。
Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、中でも酸素原子が好ましい。
Yは−CH−、−CH(OH)−又は−CH=CH−を示し、中でも−CH(OH)−が好ましい。
は−CH−、−CH(OA)−又は−CH=CH−を示し、中でも−CH(OA)−が好ましい。
Aは水素原子又は水酸基の保護基を示し、水酸基の保護基としてはアシル基(上記と同義)、t‐ブチルジメチルシリル(TBS)基、ベンジル(Bn)基、p‐メトキシベンジル(PMB)基、アセトナイド基等が挙げられる。中でも、Xが酸素原子、硫黄原子又は−NH−の場合にはTBS基が好ましく、Xが−CH−の場合にはアセトナイド基が好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」といい、各式で表される化合物を同様の方法で表記する。)には、アルドピラノース残基に由来するα-体とβ-体の構造異性体が存在するが、α-体、β-体又はこれらの混合物のいずれの形態であってもよく、薬理効果の点からα-体が好ましい。
化合物(1)には、脂質部分の不斉炭素に由来する少なくとも4種の光学異性体が存在するが、本発明においては、単一の光学活性体であっても、2種以上の光学活性体の任意の割合の混合物(ラセミ体を含む)であってもよい。−NHSOが結合する不斉炭素はS配置が好ましく、OHが結合する不斉炭素は−NHSOが結合する不斉炭素とantiの関係にある配置が好ましい。Yが−CH(OH)−の場合、−CH(OH)−の中の不斉炭素はR配置が好ましく、この点についてはYも同様である。
なお、化合物(2)及び(3)についても上記したものが好適なものとして例示される。
また、化合物(1)の塩としては、薬理的に許容される塩が好ましく、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;コハク酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩等を挙げることができる。なお、化合物(2)及び(3)についても同様である。
本発明における好適な化合物(1)の具体例を表1〜3に示すが、これらに限定されるものではない。
中でも、特に好適な化合物として、以下の化合物が挙げられる。
[1](2S,3S,4R)−1−(α−D−ガラクトピラノシルオキシ)−2−(p−トルエンスルホニルアミノ)−3,4−オクタデカンジオール(化合物11)
[2](2S,3S,4R)−1−(α−D−ガラクトピラノシルオキシ)−2−(o−メチルフェニルスルホニルアミノ)−3,4−オクタデカンジオール(化合物12)
[3](2S,3S,4R)−1−(α−D−ガラクトピラノシルオキシ)−2−(m−メチルフェニルスルホニルアミノ)−3,4−オクタデカンジオール(化合物13)
また、好適な化合物(3)の具体例を表4に示すが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明に係る化合物の製造方法について好適な実施形態について説明する。本発明の化合物は種々の方法で製造することができるが、Xが酸素原子、硫黄原子又は−NH−である化合物(1)は、例えば、下記Scheme 1に記載の方法にしたがって製造することが可能である。
(step 1)
step 1は、アミノアルコール(A)の−XH及び水酸基を保護して化合物(B)を得る工程である。具体的には、アミノアルコール(A)を塩基の存在下、有機溶媒中で保護試薬と反応させる。塩基としては、ピリジン、2,6−ルチジン、トリエチルアミン等のアミノ化合物が挙げられる。保護試薬としては、Xが酸素原子である場合、有機ケイ素試薬が好適であり、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸tert−ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリルクロリド等が使用できる。また、Xが硫黄原子である場合、保護試薬としてはベンジル系チオエーテルが好適であり、例えば、ベンジルチオエーテル、4-メトキシベンジルチオエーテル等が挙げられる。Xが−NH−である場合には、保護試薬としてカルバメートが好適に使用され、例えば、tert-ブチル カルバメート、ベンジル カルバメート等が挙げられる。溶媒としては、本反応を阻害しない溶媒であればいずれを使用してもよく、例えば、ハロゲン溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)が好適である。塩基の使用量は、アミノアルコール(A)に対して通常1〜50倍容量、好ましくは10〜20倍容量である。保護試薬の使用量は、アミノアルコール(A)の水酸基1個当り、通常1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。反応温度は通常−20℃〜室温、好ましくは0〜4℃であり、反応時間は通常1〜48時間、好ましくは12〜24時間である。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物(B)を高収率で得ることができる。
(step 2)
step 2は、化合物(B)のアミノ基を保護して化合物(C)を得る工程である。具体的には、化合物(B)を有機溶媒中でアミノ基保護試薬と反応させる。保護試薬としては、例えば、9−フルオレニルメチル スクシンイミジル カルボナート、ジtert−ブチル ジカルボナート、ベンジル クロロホルメートが挙げられる。保護試薬の使用量は、化合物(B)に対して通常1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。溶媒としては、例えば、非プロトン性溶媒が好適であり、2種以上混合して使用してもよい。溶媒の使用量は、化合物(B)に対して通常10〜50倍容量、好ましくは20〜30倍容量である。反応温度は通常0℃〜室温、好ましくは室温であり、反応時間は通常1〜50時間、好ましくは12〜24時間である。反応終了後、反応液を水で希釈し、エーテル等の溶媒で抽出する。得られた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム等で洗浄し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、ろ過する。ろ液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物(C)を高収率で得ることができる。
(step 3)
step 3は、化合物(C)の−XAにおける保護基Aを除去して化合物(D)を得る工程である。除去方法は保護基により選択されるが、例えば、溶媒中で化合物(C)と酸とを反応させる。酸としては、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸等の強酸が好適に使用される。酸の使用量は、化合物(C)に対して通常触媒量〜10倍容量、好ましくは1〜2倍容量である。反応温度は通常−20℃〜室温、好ましくは−10〜0℃であり、反応時間は通常2〜12時間、好ましくは2〜4時間である。溶媒としては水溶性溶媒が好ましく、テトラヒドロフランが特に好ましい。溶媒の使用量は、化合物(C)に対して通常5〜100倍容量、好ましくは10〜50倍容量である。反応終了後、化合物(D)の単離精製は、常法により行うことができる。例えば、反応液を水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性水溶液で中和し、ジエチルエーテル等のエーテル溶媒で抽出する。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水等で洗浄し、無水炭酸カリウム等で乾燥する。溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することができる。
(step 4)
step 4は、化合物(D)をアルドピラノシル化して化合物(E)を得る工程である。アルドピラノシル化は、例えば、化合物(D)を溶媒中で活性化剤の存在下、水酸基が保護されたアルドピラノシルハライド(R1a−X、Xはハロゲン)と反応させて行なう。活性化剤としては、例えば塩化スズと過塩素酸銀の組み合わせや、トリフルオロメタンスルホン酸銀等が挙げられる。さらに、本反応は、モレキュラシーブス等の脱水剤存在下で行うことが望ましい。活性化剤の使用量は、化合物(D)に対して通常2〜4当量、好ましくは3〜4当量である。脱水剤の使用量は、化合物(D)に対して通常2〜10倍重量、好ましくは3〜5倍重量である。水酸基が保護されたアルドピラノシルハライドとしては、2,3,4,6位の水酸基がベンジル(Bn)基で保護されているものが好ましく、またハロゲンとしてはフッ素原子が好ましい。水酸基で保護されたアルドピラノシルハライドの使用量は、化合物(D)に対して通常2〜4当量、好ましくは2〜3当量である。反応温度は通常−20℃〜室温であり、反応時間は通常2〜12時間、好ましくは2〜4時間である。溶媒としては非プロトン性溶媒が好ましく、テトラヒドロフランが特に好ましい。溶媒の使用量は、化合物(D)に対して通常10〜100倍容量、好ましくは20〜50倍容量である。反応終了後、反応液をろ過し、ろ液を飽和食塩水等で洗浄して、無水硫酸マグネシウム等で乾燥する。溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物(E)を得ることができる。
(step 5)
step 5は、化合物(E)のアミノ基の保護基Bを除去して化合物(F)を得る工程である。除去方法は保護基により選択されるが、例えば、化合物(E)を溶媒中で塩基存在下に反応させる。溶媒としては、例えば非プロトン性溶媒が挙げられ、DMFが好適である。塩基としては、モルホリン、ピペリジン等が好適に使用される。溶媒の使用量は、化合物(E)に対して通常10〜200倍容量、好ましくは50〜100倍容量である。また、塩基の使用量は、化合物(E)に対して通常10〜200当量、好ましくは100〜200当量である。反応温度は通常−20℃〜室温であり、好ましくは室温である。反応時間は通常0.5〜12時間、好ましくは5〜10時間である。反応終了後、必要により反応液の溶媒を置換し、水、飽和食塩水等で洗浄して、無水炭酸カリウム等で乾燥する。溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物(F)を高収率で得ることができる。
(step 6)
step 6は、化合物(F)をスルホンアミド化して化合物(G)を得る工程である。具体的には、化合物(F)を溶媒中で塩基存在下に芳香族スルホン酸ハライド(R−SO−X、Xは上記と同義)と反応させる。溶媒としては、本反応を阻害しないものであれば特に限定さないが、例えばハロゲン溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)が好適に使用される。塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン等が挙げられ、ピリジンが好適である。溶剤の使用量は、化合物(F)に対して通常5〜100倍容量、好ましくは20〜50倍容量である。塩基の使用量は、化合物(F)に対して通常10〜50倍容量、好ましくは10〜20倍容量である。芳香族スルホン酸ハライドの使用量は、化合物(F)に対して通常1〜20当量、好ましくは1〜10当量である。反応温度は通常−20℃〜室温、好ましくは0〜4℃であり、反応時間は通常1〜24時間、好ましくは6〜12時間である。反応終了後、反応液を水で希釈し、ジエチルエーテル等のエーテル溶媒で抽出する。得られた有機層を飽和硫酸銅水溶液、水、飽和食塩水等で洗浄し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥する。溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより化合物(G)を得ることができる。
(step 7)
step 7は、化合物(G)における脂質部分の水酸基の保護基Aを除去して化合物(H)を得る工程である。具体的には、上述したstep 3と同様の方法により行なうことができる。
(step 8)
step 8は、化合物(H)におけるアルドピラノースの水酸基の保護基を除去して化合物(1)を得る工程である。具体的には、化合物(H)を溶媒中で水素及び還元触媒の存在下に反応させる。溶媒としては、アルコール溶媒とハロゲン溶媒との混合溶媒が好適であり、より好ましくはエタノールとクロロホルムとの混合溶媒である。溶媒の使用量は、化合物(H)に対して通常10〜50倍容量、好ましくは10〜20倍容量である。還元触媒としては、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケル等が挙げられる。還元触媒の使用量は、化合物(H)に対して通常触媒量で十分である。反応時間は通常1〜24時間、好ましくは12〜24時間である。反応温度は0℃〜室温、好ましくは室温である。反応終了後、反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより目的とする化合物(1)を収率よく得ることができる。
なお、得られた化合物(1)に異性体を含有する場合には、カラムクロマトグラフィーの際に極性の異なる溶媒を用いて異性体(α-体及びβ-体)を分離精製してもよい。また、step 4〜8の各工程において異性体を分離精製し、例えば、単離したα体を次工程の原料化合物として用いることで、化合物(1)のα体を得てもよい。
また、Xが酸素原子、硫黄原子又は−NH−である化合物(3)については、上記芳香族スルホン酸ハライドの代わりに脂肪族スルホン酸ハライドを用い、上記Scheme 1にしたがって製造することが可能である。
また、Xが−CH−である化合物(1)は、例えば、Tetrahedron Lett. 2005, 46, 5043-5047に記載の方法にしたがって化合物(F)を得、次いで上記step 6と同様の方法で化合物(G)を得、次いでトリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸等の強酸を用いて化合物(G)における脂質部分の水酸基の保護基Aを除去して化合物(H)を得、そして上記step 8と同様の方法により化合物(1)を得ることができる。なお、Xが−CH−である化合物(3)についても上記と同様の方法で製造することが可能である。
次に、本発明の自己免疫疾患又は感染症等の予防・治療剤、NKT細胞活性化剤、選択的IL−4産生誘導剤及びTh1細胞の機能亢進に起因する疾患の予防・治療剤について説明する。
本発明に係る化合物(1)、化合物(3)又はそれらの塩(以下、「化合物(1)等」という)を投与することにより、NKT細胞を活性化してIL−4産生のみを選択的に誘導し、しかもα−ガラクトシルセラミドとは異なりIFN−γの産生が大幅に抑制されているため、病状を悪化させることなく自己免疫疾患又は感染症等の予防・治療が可能になる。化合物(1)等は、スルホンアミド基を有するために極性が非常に高く、その結果APCのもつCD1dタンパク質と複合体を容易に形成することができ、また複合体の安定性も向上させることも可能である。さらに、α−ガラクトシルセラミドに比べて、少量の投与でもNKT細胞を強力に活性化でき、IL−4の産生量を増大させることが可能である。
また、自己免疫疾患の発症中にはTh1/Th2免疫バランスがTh1に偏向しており、化合物(1)等を投与することでTh1/Th2免疫バランスを是正することができる。したがって、Th1細胞の機能亢進に起因する疾患の予防・治療が可能になる。なお、化合物(1)等としては、α-体若しくはβ-体を単独で又はこれらを混合して使用することができるが、薬理効果の点からα体が好ましい。
本発明に係る化合物(1)等により治療可能な自己免疫疾患としては、哺乳動物(例えば、マウス、ネコ、ウシ、イヌ、ウマ、ヤギ、サル、ヒト)の多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、クローン病、尋常性白斑、ベーチェット病、膠原病、I型糖尿病、ぶどう膜炎、シェーグレン症候群、自己免疫性心筋炎、自己免疫性肝疾患、自己免疫性胃炎、天疱瘡、ギラン・バレー症候群、HTLV-1関連脊髄症等が挙げられる。また、Th1細胞の機能亢進に起因する疾患としては、哺乳動物の多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、I型糖尿病、ぶどう膜炎、シェーグレン症候群、劇症肝炎、移植片拒絶、細胞内感染病原体による感染症等が挙げられる。
本発明に係る化合物(1)等をヒトに投与する場合、それ自体又はそれを薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤等と混合し、経口投与剤(例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤)、非経口投与剤(例えば、注射剤)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤)等の医薬組成物として経口的又は非経口的に安全に投与することができる。これらの製剤は、従来公知の方法により製造することができる。
注射剤としては、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射又は点滴剤等が挙げられる。注射剤は、化合物(1)等を可溶化剤(例えば、β−シクロデキストリン類)、分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム)、保存剤(例,メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロブタノール)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖)等とともに常法にしたがって水性注射剤にすることもできる。また、植物油(例えば、オリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、綿実油、コーン油)、プロピレングリコール等に溶解、懸濁又は乳化して油性注射剤にすることもできる。
経口投与剤は、化合物(1)等に、例えば、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、デンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース)又は滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール)等を適宜添加して圧縮成形し、次いで必要に応じてヒドロキシプロピルメチルセルロース等のコーティングを施すことにより製造することもできる。坐剤は、化合物(1)等と、非刺激性の賦形剤(例えば、ポリエチレングリコール、高級脂肪酸のグリセライド)とを混合して製造することができる。
化合物(1)等の投与量は、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間などにより異なるが、例えば、患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、1日0.1〜1mg/kg、好ましくは0.5〜1mg/kg、より好ましくは0.8〜1mg/kgを1回から数回に分けて経口又は非経口投与される。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(2S,3S,4R)−1−(α−D−ガラクトピラノシルオキシ)−2−(p−トルエンスルホニルアミノ)−3,4−オクタデカンジオール(化合物11)
(1)下記式(B1)で表される化合物の合成
市販のファイトスフィンゴシン(6.81 g, 21.4 mmol, Degussa Cosmoferm B.V.製)のジクロロメタン-2,6-ルチヂン(1 : 1, 500 mL)溶液に、氷冷下に於いてトリフルオロメタンスルホン酸 tert-ブチルジメチルシリル(29.5 mL, 128 mmol)を加えた。室温下で 24 時間撹拌した後に、メタノール(10 mL)を加えて反応を停止した。1時間攪拌した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(300 g, ヘキサン-酢酸エチル = 30 : 1)により精製し、化合物(B1)(11.4 g, 81%)を無色油状として得た。
nD 17= 1.4604
[α]D 17 = -2.69 (c = 1.05, CHCl3)
IR (film): νmax = 3400 (w, NH), 3320 (w, NH), 1255 (s, tBu, Si-CH3), 1090 (br. s, C-O), 835 (s), 775 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 3.82 (dd, 3JH,H= 9.5, 3.5 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.83-3.79 (m, 1 H, 4-H), 3.52 (dd, 3JH,H= 7.5, 1.5 Hz, 1 H, 3-H), 3.44 (dd, 3JH,H= 9.5, 7.5 Hz, 1 H, 1-Ha),2.88 (dt, 3JH,H= 7.5, 3.5 Hz, 1 H, 2-H), 1.60-1.34 (m, 4 H, 5-H2, NH2), 1.34-1.23 (m, 24 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-H2), 0.906 (s, 9H, tBu), 0.898 (s, 9 H, tBu), 0.897 (s, 9 H, tBu), 0.88 (t, 3JH,H= 7.0 Hz, 3 H, 18-H3), 0.09 (s, 6 H, SiCH3 × 2), 0.062 (s, 6 H, SiCH3 × 2), 0.055 (s, 3 H, SiCH3), 0.051 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 77.9, 76.4, 65.6, 55.4, 34.3, 31.9, 29.8, 29.70, 29.68, 29.67, 29.65, 29.63, 29.60, 29.4, 26.2, 26.1, 26.0, 25.9, 22.7, 18.25, 18.22, 18.20, 14.1, -3.6, -3.9, -4.7, -4.9, -5.28, -5.32 ppm
(2)下記式(C1)で表される化合物の合成
化合物(B1)(1.24 g, 1.88 mmol)のアセトニトリル-テトラヒドロフラン(1 : 1, 30 mL)溶液に、氷冷下に於いて 9-フルオレニルメチル スクシンイミジル カルボナート(779 mg, 2.31 mmol)を加えた。室温下で 16 時間撹拌した後に、水を加えてジエチルエーテルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧濃縮により溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25 g, ヘキサン-酢酸エチル = 30 : 1)により精製し、化合物(C1)(1.56 g, 94%)を淡黄色油状として得た。なお、式中、Fmocは、9−フルオレニルメトキシカルボニル基を意味する。
nD 20= 1.4968
[α]D 20 = +7.08 (c = 0.52, CHCl3)
IR (film): νmax = 3445 (w, NH), 1735 (br. s, C=O), 1500 (m), 1250 (s, tBu, Si-CH3), 1070 (br. m, C-O), 1060 (br. m, C-O), 835 (s), 780 (s), 740 (m) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.76 (br. d, 3JH,H = 7.5 Hz, 2 H, Fmoc-aromat. H × 2), 7.59 (br. d, 3JH,H = 7.5 Hz, 2 H, Fmoc-aromat. H × 2), 7.39 (br. t, 3JH,H= 7.5 Hz, 2 H, Fmoc-aromat. H × 2), 7.29 (br. tt, 3JH,H= 7.5, 4JH,H = 1.0 Hz, 2 H, Fmoc-aromat. H × 2), 5.18 (d, 3JH,H = 8.0 Hz, 1 H, NH), 4.35 (d, 3JH,H = 7.0 Hz, 2 H, Fmoc-1-H2), 4.22 (br. t, 3JH,H = 7.0 Hz, 1 H, Fmoc-9'-H), 3.86-3.81 (m, 2 H, 3-H, 1-Ha), 3.77-3.69 (m, 3 H, 4-, 2-H, 1-Ha), 1.57-1.46 (m, 2 H, 5-H2), 1.43-1.18 (m, 24 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-H2), 0.91 (s, 9 H, tBu), 0.901 (s, 9 H, tBu), 0.897 (s, 9 H, tBu), 0.88 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 3 H, 18-H3), 0.12 (s, 3 H, SiCH3), 0.07 (s, 3 H, SiCH3), 0.06 (s, 9 H, SiCH3 × 3), 0.03 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 160.0, 144.1, 143.0, 141.3, 127.6, 127.0, 125.1, 119.9, 75.4, 75.2, 66.7, 61.5, 54.7, 47.2, 32.6, 31.9, 29.9, 29.70, 29.68, 29.66, 29.63, 29.61, 29.4, 26.1, 26.1, 25.8, 22.7, 18.33, 18.18, 18.16, 14.1, -3.7, -4.0, -4.7, -5.2, -5.3, -5.6 ppm
(3)下記式(D1)で表される化合物の合成

化合物(C1)(1.52 g, 1.72 mmol)のテトラヒドロフラン(50 mL)溶液に、-15 ℃下に於いて 10% トリフルオロ酢酸水溶液(10 mL)を加えた。撹拌しながら20 ℃ まで 4 時間かけて昇温した。15% 水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応液を塩基性にした後にジエチルエーテルで希釈し、室温下で 20 分間撹拌した。有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧濃縮により溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50 g, ヘキサン-酢酸エチル = 10 : 1)により精製し、化合物(D1)(1.01 g, 76%)を無色油状として得た。
nD 20= 1.5117
[α]D 20 = -5.75 (c = 0.59, CHCl3)
IR (film): νmax = 3440 (m, NH), 3340 (s, O-H), 1710 (br. s, C=O), 1510 (s), 1255 (s, tBu, Si-CH3), 1050 (br. s, C-O), 940 (m), 835 (s), 780 (s), 760 (m), 740 (m) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.76 (br. d, 3JH,H = 7.5 Hz, 2 H, Fmoc-aromat. H × 2), 7.60 (br. d, 3JH,H = 7.5 Hz, 1 H, Fmoc-aromat. H), 7.59 (br. d, 3JH,H = 7.5 Hz, 1 H, Fmoc-aromat. H), 7.40 (br. t, 3JH,H= 7.5 Hz, 1 H, Fmoc-aromat.H), 7.39 (br. t, 3JH,H = 7.5 Hz, 1 H, Fmoc-aromat. H), 7.30 (br. tt, 3JH,H= 7.5, 4JH,H= 1.0 Hz, 2 H, Fmoc-aromat. H × 2), 5.47 (d, 3JH,H= 8.5 Hz, 1 H, NH), 4.44 (dd, 3JH,H = 10.5, 7.0 Hz, 1 H, Fmoc-1-Ha), 4.38 (dd, 3JH,H = 10.5, 7.0 Hz, 1 H, Fmoc-1-Hb), 4.21 (br. t, 3JH,H = 7.0 Hz, 1 H, Fmoc-9'-H), 4.17 (dt, 3JH,H = 11.5, 3.5 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.92 (t, 3JH,H = 3.5 Hz, 1 H, 3-H), 3.83 (dddd, 3JH,H= 8.5, 4.0, 3.5, 3.5 Hz, 1 H, 2-H), 3.77 (dt, 3JH,H = 6.0, 3.5 Hz, 1 H, 4-H), 3.66 (ddd, 3JH,H = 11.5, 9.0, 4.0 Hz, 1 H, 1-Hb), 2.96 (dd, 3JH,H = 9.0, 3.5 Hz, 1 H, OH), 1.59-1.48 (m, 2 H, 5-H2), 1.38-1.17 (m, 24 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-H2), 0.912 (s, 9 H, tBu), 0.905 (s, 9 H, tBu), 0.88 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 3 H, 18-H3), 0.10 (s, 3 H, SiCH3), 0.09 (s, 3 H, SiCH3), 0.08 (s, 3 H, SiCH3), 0.04 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 155.9, 144.0, 143.8, 141.33, 141.30, 127.7, 127.02, 126.97, 125.1, 125.0, 120.0, 77.3, 75.9, 66.7, 63.3, 52.4, 47.2, 34.3, 31.9, 29.8, 29.68, 29.67, 29.66, 29.65, 29.61, 29.60, 29.5, 29.4, 26.0, 25.9, 25.6, 22.7, 18.16, 18.11, 14.1, -3.8, -4.2, -4.5, -5.1 ppm
(4)下記式(E1)で表される化合物の合成
化合物(D1)(931 mg, 1.21 mmol)の無水テトラヒドロフラン(40 mL)溶液に、塩化スズ(II)(684 mg, 3.61 mmol)、過塩素酸銀(750 mg, 3.61 mmol)、粉末状モレキュラーシーブス(4A, 5.08 g)を順に加え、室温下で 1 時間撹拌した。反応液を-15 ℃ に冷却し、下記式(J)で表される化合物(1.52 g, 2.72 mmol)のテトラヒドロフラン(10 mL)溶液を加えた後、撹拌しながら5 ℃ まで 1 時間かけて昇温した。反応液をジエチルエーテルで希釈し、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を無水炭酸カリウムで乾燥させた。濾過後、減圧濃縮により溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50 g, ヘキサン-酢酸エチル = 20 : 1)により精製し、化合物(E1)(742 mg, 61%)を無色油状として得た。
nD 21= 1.5170
[α]D 21 = +13.9 (c = 0.61, CHCl3)
IR (film): νmax = 3340 (m, NH), 1730 (s, C=O), 1605 (w, aromat.), 1585 (w, aromat.), 1510 (w), 1500 (m, aromat.), 1250 (br. s, tBu, Si-CH3), 1100 (br. s, C-O), 1055 (br. s, C-O), 835 (s), 780 (m) 740 (s), 695 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ=7.71 (d, 3JH,H = 7.5 Hz, 2 H, Fmoc-aromat. H × 2), 7.57 (d, 3JH,H= 7.5 Hz, 1 H, Fmoc-aromat. H), 7.51 (d, 3JH,H = 7.5 Hz, 1 H, Fmoc-aromat. H), 7.36-7.19 (m, 24 H, Bn-aromat. H × 20, Fmoc-aromat. H × 4), 5.51 (d, 3JH,H = 6.5 Hz, 1 H, NH), 4.90 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.81 (d, 3JH,H= 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.79 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.74 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.70 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.65 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.54 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.42 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.36 (dd, 3JH,H = 10.5, 7.0 Hz, 1 H, Fmoc-1-Ha), 4.33 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.31 (dd, 3JH,H= 10.5, 7.0 Hz, 1 H, Fmoc-1-Hb), 4.15 (t, 3JH,H= 7.0 Hz, 1 H, Fmoc-9'-H), 4.02 (dd, 3JH,H= 10.0, 3.5 Hz, 1 H, 2'-H), 3.99-3.83 (m, 7 H, 1-H2, 2-, 3-, 3'-, 4'-, 5'-H), 3.69 (br. t, 3JH,H = 6.0 Hz, 4-H), 3.48 (dd, 3JH,H= 9.0, 5.5 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.45 (dd, 3JH,H = 9.0, 6.5 Hz, 1 H, 6'-Hb), 1.51-1.46 (m, 2 H, 5-H2), 1.38-1.16 (m, 24 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-H2), 0.90 (s, 9 H, tBu), 0.88 (s, 9 H, tBu), 0.88 (t, 3JH,H = 7.5 Hz, 3 H, 18-H3), 0.07 (s, 3 H, SiCH3), 0.05 (s, 3 H, SiCH3), 0.04 (s, 3 H, SiCH3), 0.02 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 156.1, 144.1, 143.9, 141.3, 141.2, 138.8, 138.7, 138.6, 137.8, 128.29, 128.27, 128.16, 127.8, 127.8, 127.6, 127.52, 127.48, 127.4, 127.3, 126.9, 125.1, 125.0, 119.9, 100.1, 79.1, 76.3, 75.48, 75.42, 74.9, 74.7, 73.4, 73.1, 73.0, 69.7, 69.4, 68.8, 66.4, 53.6, 47.2, 33.3, 31.9, 29.9, 29.69, 29.65, 29.63, 29.36, 26.13, 26.05, 25.9, 22.7, 18.3, 18.2, 14.1, -3.7, -4.0, -4.6, -5.0 ppm
(5)下記式(F1)で表される化合物の合成
化合物(E1)(2.61 g, 2.07 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(100 mL)溶液にモルホリン(100 mL)を加え、室温下で 6 時間撹拌した。減圧濃縮により溶媒を留去した後、酢酸エチルで希釈した。これを水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水炭酸カリウムで乾燥させた。濾過後、減圧濃縮により溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20 g, ヘキサン-酢酸エチル = 50 : 4)により精製し、化合物(F1)(2.04g, 92%)を無色油状として得た。
nD 23= 1.5125
[α]D 23 = +25.5 (c = 1.01, CHCl3)
IR (film): νmax = 3380 (w, NH), 3300 (w, NH), 1605 (w, aromat.), 1585 (w, aromat.), 1495 (m, aromat.), 1250 (s, tBu, Si-CH3), 1100 (br. s, C-O), 1060 (br. s, C-O), 835 (s), 780 (s) 735 (s), 695 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.39-7.23 (m, 20 H, Bn-aromat. H × 20), 4.94 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.87 (d, 3JH,H = 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.80 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.78 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.73 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.67 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.56 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.43 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.38 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.05 (dd, 3JH,H= 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 4.02-4.00 (m, 1 H, 4'-H), 3.98 (dd, 3JH,H= 9.5, 3.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.98-3.94 (br. d, 3JH,H= 3.0 Hz, 1 H, 5'-H), 3.94 (dd, 3JH,H = 10.0, 3.0 Hz, 3'-H), 3.74 (ddd, 3JH,H = 7.0, 5.0, 2.5 Hz, 1 H, 4-H), 3.58 (t, 3JH,H = 9.0 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.49 (dd, 3JH,H = 6.5, 2.5 Hz, 1 H, 3-H), 3.46 (dd, 3JH,H= 9.0, 5.5 Hz, 1 H, 6'-Hb), 3.20 (t, 3JH,H = 9.5 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.09 (ddd, 3JH,H = 9.5, 6.5, 3.0 Hz, 1 H, 2-H), 1.52-1.43 (m, 2 H, 5-H2), 1.41-1.22 (m, 24 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-H2), 0.888 (s, 9 H, tBu), 0.879 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 3 H, 18-H3), 0.875 (s, 9 H, tBu), 0.073 (s, 3 H, SiCH3), 0.070 (s, 3 H, SiCH3), 0.06 (s, 3 H, SiCH3), 0.05 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 138.79, 138.76, 138.6, 137.9, 128.36, 128.30, 128.28, 128.16, 128.10, 127.8, 127.75, 127.70, 127.51, 127.45, 127.39, 99.1, 79.0, 77.2, 76.7, 76.0, 74.79, 74.76, 73.5, 73.5, 72.8, 72.3, 69.2, 68.5, 53.6, 34.2, 31.9, 29.8, 29.69, 29.68, 29.65, 29.62, 29.4, 26.1, 25.9, 22.7, 18.23, 18.17, 14.1, -3.7, -3.9, -4.6, -4.7 ppm
(6)下記式(G1)で表される化合物の合成
化合物(F1)(150 mg, 0.140 mmol)、ピリジン(1 mL)のクロロホルム(5 mL)溶液に、氷冷下に於いて、塩化 p−トルエンスルホニル(30 μL, 0.234 mmol)、N,N-ジメチルアミノピリジン(0.04 g)を加えた。室温下で 23 時間撹拌した後に、水を加えてさらに 1 時間撹拌した。ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水、飽和硫酸銅水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧濃縮により溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20 g, ヘキサン-酢酸エチル = 10 : 1)により精製し、化合物(G1)(123 mg, 73%)を無色油状として得た。
nD 25= 1.5178
[α]D 25 = -2.02 (c = 0.88, CHCl3)
IR (film): νmax = 3270 (m, NH), 1600 (m, aromat.), 1495 (s, aromat.), 1340 (m, SO2), 1255 (s, tBu, Si-CH3), 1165 (m, SO2), 1090 (br. s, C-O), 1055 (br. s, C-O), 835 (s), 780 (s), 735 (m), 700 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.76 (d, 3JH,H= 8.0 Hz, 2 H, aromat. H × 2), 7.43-7.24 (m, 20 H, Bn-aromat. H × 20), 7.11 (d, 3JH,H = 8.0 Hz, 2 H, aromat. H × 2), 5.66 (d, 3JH,H= 4.0 Hz, 1 H, NH), 4.91 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.88 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.80 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.76 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.67 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.55 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.49 (d, 3JH,H = 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.43 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.40 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.10 (dd, 3JH,H = 4.0, 3.5 Hz, 1 H, 3-H), 3.98 (dd, 3JH,H = 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 3.88 (br. d, 3JH,H= 3.0 Hz, 1 H, 4'-H), 3.72-3.68 (m, 1 H, 4-H), 3.70 (dd, 3JH,H= 10.0, 3.0 Hz, 1 H, 3'-H), 3.67 (dd, 3JH,H = 11.0, 4.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.65 (br. t, 3JH,H = 7.0 Hz, 1 H, 5'-H), 3.58 (dd, 3JH,H= 11.0, 8.0 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.41 (dd, 3JH,H = 9.0, 7.0 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.39 (dd, 3JH,H = 9.0, 6.0 Hz, 1 H, 6'-Hb), 3.25 (dddd, 3JH,H = 8.0, 4.0, 4.0, 4.0 Hz, 1 H, 2-H), 2.33 (s, 3 H, CH3), 1.45-1.23 (m, 26 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-, 5-H2), 0.889 (s, 9 H, tBu), 0.881 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 3 H, 18-H3), 0.80 (s, 9 H, tBu), 0.18 (s, 3 H, SiCH3), 0.13 (s, 3 H, SiCH3), 0.02 (s, 3 H, SiCH3), -0.04 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 142.9, 138.6, 138.5, 138.3, 137.7, 137.0, 129.5, 128.5, 128.4, 128.3, 128.22, 128.21, 128.14, 128.12, 127.77, 127.75, 127.62, 127.60, 127.2, 100.7, 79.3, 75.9, 75.2, 75.0, 74.7, 74.5, 73.7, 73.5, 72.7, 69.7, 68.7, 68.3, 55.2, 33.2, 31.9, 30.0, 29.70, 29.69, 29.65, 29.62, 29.4, 26.2, 25.9, 25.1, 22.7, 21.5, 18.4, 18.0, 14.1, -4.0, -4.17, -4.23, -4.6 ppm
(7)下記式(H1)で表される化合物の合成
化合物(G1)(94 mg, 0.077 mmol)のテトラヒドロフラン(5 mL)溶液に、室温下に於いて、テトラブチルアンモニウム フルオリド(1.0 M テトラヒドロフラン溶液, 308 μL, 0.308 mmol)を加えた。撹拌しながら60℃までゆっくり昇温し、さらに 4 時間撹拌した後に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧濃縮により溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10 g, ヘキサン-酢酸エチル = 4 : 1)により精製し、化合物(H1)(69 mg, 90%)を無色油状として得た。
nD 25= 1.5179
[α]D 25 = +44.7 (c = 1.18, CHCl3)
IR (film): νmax = 3480 (s, OH), 3280 (m, NH), 1600 (m, aromat.), 1495 (s, aromat.), 1330 (br. s, SO2), 1165 (s, SO2), 1095 (br. s, C-O), 1055 (br. s, C-O), 835 (s), 735 (br. s) 695 (s), 665 (m) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.74 (d, 3JH,H= 8.5 Hz, 2 H, aromat. H × 2), 7.39-7.25 (m, 20 H, Bn-aromat. H × 20), 7.22 (d, 3JH,H = 8.5 Hz, 2 H, aromat. H × 2), 5.56 (d, 3JH,H= 8.5 Hz, 1 H, NH), 4.89 (d, 3JH,H = 11.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.86 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.76 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.74 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.72 (d, 3JH,H= 3.5 Hz, 1 H, 1'-H), 4.63 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.55 (d, 3JH,H = 11.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.52 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.42 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.00 (dd, 3JH,H = 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 3.98 (br. d, 3JH,H = 2.0 Hz, 1 H, 4'-H), 3.86 (br. t, 3JH,H= 6.5 Hz, 1 H, 5'-H), 3.84 (dd, 3JH,H= 10.0, 2.0 Hz, 1 H, 3'-H), 3.82 (dd, 3JH,H = 10.5, 3.5 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.69 (dd, 3JH,H = 10.5, 3.0 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.55 (dddd, 3JH,H = 8.5, 3.5, 3.0, 3.0 Hz, 1 H, 2-H), 3.50 (dd, 3JH,H = 9.0, 7.0 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.47 (dd, 3JH,H = 9.0, 6.0 Hz, 1 H, 6'-Hb), 3.40-3.35 (m, 1 H, 4-H), 3.28 (br. d, 3JH,H= 10.0 Hz, 1 H, OH), 3.21-3.16 (m, 1 H, 3-H), 2.37 (s, 3 H, CH3), 1.93 (d, 3JH,H= 5.0 Hz, 1 H, OH), 1.45-1.03 (m, 26 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-, 5-H2), 0.88 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 3 H, 18-H3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 143.3, 138.4, 138.3, 137.9, 137.8, 137.8, 129.7, 128.5, 128.4, 128.2, 128.14, 128.09, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 127.4, 127.0, 99.1, 79.5, 75.71, 75.66, 74.8, 74.32, 74.30, 73.5, 72.8, 72.6, 70.2, 69.7, 68.5, 53.0, 33.1, 31.9, 29.69, 29.68, 29.65, 29.63, 29.3, 25.5, 22.7, 21.5, 14.1 ppm
(8)下記式(11)で表される標題化合物の合成
化合物(H1)(59 mg, 0.059 mmol)のエタノール-クロロホルム(4 : 1, 5 mL)溶液に水酸化パラジウム(20%, 48 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で 16 時間撹拌した。セライト濾過してパラジウム触媒をのぞき、濾液を減圧濃縮して溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20 g, クロロホルム-メタノール = 5 : 1)により精製し、化合物(11)(36 mg, 97%)を無色粉末として得た。
[α]D 26 = +60.4 (c = 0.72, pyridine)
IR (KBr): νmax = 3360 (br. s, OH, NH), 2920 (s, C-H), 2850 (s, C-H), 1650 (br. w), 1600 (w, aromat.), 1490 (w), 1465 (br. m), 1330 (br. m, SO2), 1230 (w), 1160 (s, SO2), 1070 (br. s, C-O), 1040 (m, C-O), 840 (w), 815 (m), 770 (w), 720 (w), 705 (w), 665 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, pyridine-d5, 25 ℃): δ = 9.40 (d, 3JH,H= 8.5 Hz, 1 H, NH), 8.15 (d, 3JH,H= 8.5 Hz, 2 H, aromat. H × 2), 7.17 (d, 3JH,H= 8.5 Hz, 2 H, aromat. H × 2), 6.78-6.62 (br. s, 6 H, OH × 6), 5.38 (d, 3JH,H = 3.5 Hz, 1 H, 1'-H), 4.74-4.67 (m, 1 H, 2-H), 4.67 (dd, 3JH,H = 10.5, 6.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 4.62 (dd, 3JH,H = 9.5, 3.5 Hz, 1 H, 2'-H), 4.51 (d, 3JH,H = 3.5 Hz, 1 H, 4'-H), 4.33 (dd, 3JH,H = 9.5, 3.5 Hz, 1 H, 3'-H), 4.33-4.26 (m, 3 H, 3-H, 6'-H2), 4.26-4.20 (m, 2 H, 4-, 5'-H), 4.20 (dd, 3JH,H= 10.5, 4.0 Hz, 1 H, 1-Hb), 2.23-2.16 (m, 1 H, 5-Ha), 2.14 (s, 3 H, CH3), 1.84-1.68 (m, 2 H, 5-Hb, 6-Ha), 1.59-1.51 (m, 1 H, 6-Hb), 1.39-1.16 (m, 22 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-H2), 0.84 (t, 3JH,H= 7.5 Hz, 3 H, 18-H3) ppm
13C NMR (126 MHz, pyridine-d5, 25 ℃): δ = 142.7, 140.5, 129.9, 127.4, 101.2, 77.3, 72.8, 72.3, 71.5, 70.9, 70.1, 67.8, 62.4, 55.3, 34.9, 32.1, 30.3, 30.1, 29.98, 29.96, 29.89, 29.6, 26.2, 22.9, 21.1, 14.3 ppm
(実施例2)
(2S,3S,4R)−1−(α−D−ガラクトピラノシルオキシ)−2−(o−トルエンスルホニルアミノ)−3,4−オクタデカンジオール(化合物12)
(1)下記式(G2)で表される化合物の合成
化合物(F1)に対して、塩化 p−トルエンスルホニルに代えて、塩化 o−トルエンスルホニルを用いた以外は、実施例1と同様の方法により化合物(G2)を無色油状として得た。
nD 16= 1.5185
[α]D 16 = +1.72 (c = 0.58, CHCl3)
IR (film): νmax = 3280 (br. m, NH), 1600 (br. w, aromat.), 1495 (m, aromat.), 1335 (br. m, SO2), 1250 (m, tBu, Si-CH3), 1160 (m, SO2), 1100 (br. s, C-O), 1055 (br. s, C-O), 835 (br. s), 780 (m), 695 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.97 (dd, 3JH,H= 8.0, 4JH,H = 1.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.39-7.19 (m, 23 H, aromat. H × 3, Bn-aromat. H × 20), 5.60 (d, 3JH,H= 5.0 Hz, 1 H, NH), 4.90 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.80 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.77 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.72 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.64 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.63 (d, 3JH,H= 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.54 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.45 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.40 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.08 (dd, 3JH,H = 4.5, 3.0 Hz, 1 H, 3-H), 4.00 (dd, 3JH,H = 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 3.91 (br. d, 3JH,H = 2.5 Hz, 1 H, 4'-H), 3.77 (dd, 3JH,H= 10.0, 2.5 Hz, 1 H, 3'-H), 3.75 (br. t, 3JH,H = 6.5 Hz, 1 H, 5'-H), 3.71-3.68 (m, 1 H, 4-H), 3.68 (dd, 3JH,H = 11.0, 7.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.64 (dd, 3JH,H = 11.0, 4.5 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.43 (dd, 3JH,H = 8.5, 7.0 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.41 (dd, 3JH,H = 8.5, 6.5 Hz, 1 H, 6'-Hb), 3.31 (dddd, 3JH,H = 7.0, 5.0, 4.5, 4.5 Hz, 1 H, 2-H), 2.62 (s, 3 H, CH3), 1.42-1.34 (m, 2 H, 5-H2), 1.34-1.17 (m, 24 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-H2), 0.881 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 3 H, 18-H3), 0.880 (s, 9 H, tBu), 0.80 (s, 9 H, tBu), 0.16 (s, 3 H, SiCH3), 0.12 (s, 3 H, SiCH3), 0.05 (s, 3 H, SiCH3), -0.05 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 138.60, 138.56, 138.4, 138.1, 137.7, 137.5, 132.47, 132.44, 129.6, 128.43, 128.37, 128.34, 128.2, 128.15, 128.08, 128.0, 127.74, 127.66, 127.58, 127.3, 126.1, 100.5, 79.1, 76.0, 75.2, 74.8, 74.7, 74.6, 73.6, 73.5, 72.8, 69.7, 68.6, 68.4, 55.2, 32.7, 31.9, 30.0, 29.71, 29.70, 29.66, 29.62, 29.4, 26.2, 26.0, 25.1, 22.7, 20.8, 18.4, 18.1, 14.1, -3.9, -4.2, -4.3, -4.6 ppm
(2)下記式(H2)で表される化合物の合成
化合物(G2)に対して、実施例1と同様の方法により化合物(H2)を無色油状として得た。
nD 26= 1.5175
[α]D 26 = +46.1 (c = 0.50, CHCl3)
IR (film): νmax = 3480 (br. s, OH), 3280 (br. m, NH), 1600 (br. w, aromat.), 1495 (m, aromat.), 1325 (br. m, SO2), 1205 (w), 1160 (s, SO2), 1100 (br. s, C-O), 1060 (br. s, C-O), 735 (br. s), 695 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.97 (dd, 3JH,H= 8.0, 1.5 Hz, 2 H, aromat. H), 7.40-7.21 (m, 23 H, aromat. H × 3, Bn-aromat. H × 20), 5.58 (d, 3JH,H = 9.0 Hz, 1 H, NH), 4.89 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.87 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.77 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.74 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.73 (d, 3JH,H= 3.5 Hz, 1 H, 1'-H), 4.64 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.55 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.50 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.43 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.01-3.99 (m, 1 H, 4'-H), 4.00 (dd, 3JH,H = 10.0, 3.5 Hz, 1 H, 2'-H), 3.85 (dd, 3JH,H = 10.0, 2.5 Hz, 1 H, 3'-H), 3.82 (br. t, 3JH,H = 6.5 Hz, 1 H, 5'-H), 3.78 (dd, 3JH,H= 10.5, 2.5 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.66 (dd, 3JH,H= 10.5, 3.0 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.52-3.48 (m, 1 H, 2-H), 3.50 (dd, 3JH,H= 9.0, 7.0 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.44 (dd, 3JH,H = 9.0, 6.5 Hz, 1 H, 6'-Hb), 3.39-3.33 (m, 1 H, 4-H), 3.36 (d, 3JH,H= 10.0 Hz, 1 H, OH), 3.21 (ddd, 3JH,H = 10.0, 6.5, 4.5 Hz, 1 H, 3-H), 2.64 (s, 3 H, CH3), 1.85 (d, 3JH,H= 5.5 Hz, 1 H, OH), 1.42-1.00(m, 26 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-, 5-H2), 0.88 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 3 H, 18-H3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 138.5, 138.4, 138.2, 137.8, 137.7, 137.0, 132.8, 132.5, 129.3, 128.47, 128.42, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 127.5, 126.2, 99.1, 79.4, 75.9, 75.6, 74.8, 74.4, 74.1, 73.5, 72.9, 72.5, 70.3, 69.7, 68.4, 52.8, 33.2, 31.9, 29.68, 29.67, 29.66, 29.64, 29.60, 29.57, 29.3, 25.5, 22.7, 20.2, 14.1 ppm
(3)下記式(12)で表される標題化合物の合成
化合物(H2)に対して、実施例1と同様の方法により化合物(12)を無色粉末として得た。
[α]D 24 = +68.2 (c = 0.35, pyridine)
IR (KBr): νmax = 3400 (br. s, OH, NH), 3060 (w), 2920 (s, C-H), 2850 (s, C-H), 1650 (br. w), 1595 (w, aromat.), 1465 (br. s), 1380 (w), 1325 (br. s, SO2), 1225 (w), 1160 (s, SO2), 1125 (w), 1070 (br. s, C-O), 1035 (br. s, C-O), 805 (w), 735 (m), 710 (m), 690 (w) cm-1
1H NMR (500 MHz, pyridine-d5, 25 ℃): δ = 9.55 (br. d, 3JH,H= 8.5 Hz, 1 H, NH), 8.40 (dd, 3JH,H = 8.0, 4JH,H= 1.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.32 (dt, 3JH,H= 7.5, 4JH,H= 1.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.26 (dd, 3JH,H= 7.5, 4JH,H= 0.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.23 (ddd, 3JH,H= 8.0, 7.5, 4JH,H= 0.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.01 (br. s, 1 H, OH), 6.66 (br. s, 1 H, OH), 6.60 (br. s, 3JH,H = 6.5 Hz, 1 H, OH), 6.47 (br. t, 3JH,H= 5.5 Hz, 1 H, OH), 6.33 (d, 3JH,H = 3.0 Hz, 1 H, OH), 6.11 (br. d, 3JH,H= 5.0 Hz, 1 H, OH), 5.34 (d, 3JH,H= 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.63 (dd, 3JH,H = 10.0, 5.5 Hz, 1 H, 1-Ha), 4.63-4.57 (m, 2 H, 2-, 2'-H), 4.49 (br. s, 1 H, 4'-H), 4.34-4.26 (m, 4 H, 3-, 3'-H, 6'-H2), 4.21 (dd, 3JH,H= 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 1-Hb), 4.22-4.17 (m, 2 H, 4-, 5'-H), 2.89 (s, 3 H, CH3), 2.20-2.13 (m, 1 H, 5-Ha), 1.83-1.75 (m, 1 H, 6-Ha), 1.75-1.67 (m, 1 H, 5-Hb), 1.56-1.47 (m, 1 H, 6-Hb), 1.37-1.16 (m, 22 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-H2), 0.84 (t, 3JH,H = 7.5 Hz, 3 H, 18-H3) ppm
13C NMR (126 MHz, pyridine-d5, 25 ℃): δ = 141.0, 137.6, 132.8, 132.4, 129.6, 126.4, 101.4, 77.5, 72.8, 72.3, 71.5, 70.8, 70.1, 68.1, 62.4, 55.2, 34.8, 32.1, 30.3, 30.04, 29.95, 29.89, 29.6, 26.3, 22.9, 20.4, 14.3 ppm
(実施例3)
(2S,3S,4R)−1−(α−D−ガラクトピラノシルオキシ)−2−(m−トルエンスルホニルアミノ)−3,4−オクタデカンジオール(化合物13)
(1)下記式(G3)で表される化合物の合成
化合物(F1)に対して、塩化 p−トルエンスルホニルに代えて、塩化 m−トルエンスルホニルを用いた以外は、実施例1と同様の方法により化合物(G3)を無色油状として得た。
nD 13= 1.5172
[α]D 16 = +6.41 (c = 0.65, CHCl3)
IR (film): νmax = 3260 (br. m, NH), 1600 (w, aromat.), 1495 (m, aromat.), 1340 (m, SO2), 1250 (s, tBu, Si-CH3), 1160 (m, SO2), 1100 (br. s, C-O), 1055 (br. s, C-O), 835 (s), 780 (s), 735 (br. m), 700 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.70 (d, 3JH,H= 7.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.68 (s, 1 H, aromat. H), 7.39 (br. d, 3JH,H= 7.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.37-7.23 (m, 20 H, Bn-aromat. H × 20), 7.23 (t, 3JH,H= 7.5 Hz, 1 H, aromat. H), 5.70 (d, 3JH,H = 5.0 Hz, 1 H, NH), 4.90 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.86 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.78 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.73 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.66 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.54 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.50 (d, 3JH,H = 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.45 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.41 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.01 (dd, 3JH,H = 4.5, 3.5 Hz, 1 H, 3-H), 3.98 (dd, 3JH,H = 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 3.89 (d, 3JH,H= 2.5 Hz, 1 H, 4'-H), 3.74-3.71 (m, 1 H, 4-H), 3.73 (dd, 3JH,H= 10.0, 2.5 Hz, 1 H, 3'-H), 3.70 (br. t, 3JH,H = 6.5 Hz, 1 H, 5'-H), 3.65 (dd, 3JH,H = 11.0, 7.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.61 (dd, 3JH,H = 11.0, 4.5 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.41 (d, 3JH,H = 6.5 Hz, 2 H, 6'-H2), 3.29 (dddd, 3JH,H = 7.0, 5.0, 4.5, 4.5 Hz, 1 H, 2-H), 2.35 (s, 3 H, CH3), 1.45-1.23 (m, 26 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-, 5-H2), 0.882 (s, 9 H, tBu), 0.880 (t, 3JH,H= 7.0 Hz, 3 H, 18-H3), 0.81 (s, 9 H, tBu), 0.16 (s, 3 H, SiCH3), 0.12 (s, 3 H, SiCH3), 0.02 (s, 3 H, SiCH3), -0.04 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 140.0, 138.8, 138.55, 138.52, 138.3, 137.8, 133.1, 128.9, 128.46, 128.41, 128.34, 128.22, 128.15, 128.12, 128.10, 128.0, 127.74, 127.72, 127.6, 127.3, 124.5, 100.8, 79.3, 75.9, 75.3, 74.8, 74.7, 74.5, 73.7, 73.5, 72.8, 69.8, 68.8, 68.4, 55.3, 32.9, 31.9, 30.0, 29.70, 29.68, 29.67, 29.66, 29.64, 29.4, 26.2, 26.0, 25.2, 22.7, 21.4, 18.4, 18.1, 14.1, -4.0, -4.2, -4.3, -4.6 ppm
(2)下記式(H3)で表される化合物の合成
化合物(G3)に対して、実施例1と同様の方法により化合物(H3)を無色油状として得た。
nD 13= 1.5179
[α]D 14 = +48.6 (c = 0.55, CHCl3)
IR (film): νmax = 3480 (br. s, OH), 3240 (br. m, NH), 1600 (m, aromat.), 1590 (w, aromat.), 1495 (s, aromat.), 1330 (br. s, SO2), 1155 (br. s, SO2), 1090 (br. s, C-O), 1060 (br. s, C-O), 785 (m), 735 (br. s), 695 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.68 (br. s, 1 H, aromat. H), 7.65 (br. t, 3JH,H = 3.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.39-7.24 (m, 22 H, aromat. H × 2, Bn-aromat. H × 20), 5.57 (br. d, 3JH,H= 9.0 Hz, 1 H, NH), 4.89 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.87 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.76 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.73 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.73 (d, 3JH,H = 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.63 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.55 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.51 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.42 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.00 (dd, 3JH,H = 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 4.00-3.98 (m, 1 H, 4'-H), 3.86 (br. t, 3JH,H = 6.5 Hz, 1 H, 5'-H), 3.85 (dd, 3JH,H = 10.0, 2.5 Hz, 1 H, 3'-H), 3.84 (dd, 3JH,H = 10.0, 3.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.70 (dd, 3JH,H = 10.0, 3.0 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.57 (dddd, 3JH,H = 9.0, 3.5, 3.0, 3.0 Hz, 1 H, 2-H), 3.51 (dd, 3JH,H = 9.0, 7.0 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.47 (dd, 3JH,H = 9.0, 6.0 Hz, 1 H, 6'-Hb), 3.39-3.34 (m, 1 H, 4-H), 3.32 (d, 3JH,H = 10.0 Hz, 1 H, OH), 3.16 (ddd, 3JH,H = 10.0, 6.0, 3.5 Hz, 1 H, 3-H), 2.37 (s, 3 H, CH3), 1.92 (d, 3JH,H = 5.0 Hz, 1 H, OH), 1.42-1.03 (m, 26 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-, 5-H2), 0.88 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 3 H, 18-H3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 140.7, 139.3, 138.4, 138.2, 137.8, 137.7, 133.4, 129.0, 128.45, 128.42, 128.2, 128.12, 128.09, 127.98, 127.93, 127.75, 127.66, 127.63, 127.4, 127.3, 124.0, 99.1, 79.5, 75.72, 75.70, 74.8, 74.4, 74.3, 73.5, 72.8, 72.6, 70.4, 69.7, 68.4, 52.9, 33.1, 31.9, 29.68, 29.67, 29.65, 29.62, 29.3, 25.5, 22.7, 21.3, 14.1 ppm
(3)下記式(13)で表される標題化合物の合成
化合物(H3)に対して、実施例1と同様の方法により化合物(13)を無色粉末として得た。
[α]D 24 = +75.4 (c = 0.35, pyridine)
IR (KBr): νmax = 3400 (br. s, OH, NH), 2920 (s, C-H), 2850 (s, C-H), 1600 (w, aromat.), 1465 (br. s), 1380 (w), 1330 (br. s, SO2), 1305 (w), 1215 (m), 1155 (br. s, SO2), 1125 (w), 1080 (br. s, C-O), 1035 (br. s, C-O), 930 (w), 890 (w), 785 (m), 720 (w), 690 (m) cm-1
1H NMR (500 MHz, pyridine-d5, 25 ℃): δ = 9.44 (br. d, 3JH,H= 7.5 Hz, 1 H, NH), 8.08 (dd, 3JH,H = 7.5, 4JH,H= 0.5 Hz, 1 H, aromat. H), 8.06 (s, 1 H, aromat. H), 7.30 (t, 3JH,H= 7.5, Hz, 1 H, aromat. H), 7.19 (dd, 3JH,H = 7.5, 4JH,H= 0.5 Hz, 1 H, aromat. H), 7.03 (br. s, 1 H, OH), 6.72 (br. d, 1 H, OH), 6.65 (br. s, 3JH,H = 6.5 Hz, 1 H, OH), 6.42 (br. s, 1 H, OH), 6.33 (br. d, 1 H, OH), 6.15 (br. d, 3JH,H = 4.0 Hz, 1 H, OH), 5.35 (d, 3JH,H = 3.5 Hz, 1 H, 1'-H), 4.75-4.71 (m, 1 H, 2-H), 4.69 (dd, 3JH,H = 10.5, 6.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 4.61-4.57 (m, 1 H, 2'-H), 4.50 (br. s, 1 H, 4'-H), 4.35-4.27 (m, 4 H, 3-, 3'-H, 6'-H2), 4.25-4.20 (m, 2 H, 4-, 5'-H), 4.17 (dd, 3JH,H= 10.5, 4.5 Hz, 1 H, 1-Hb), 2.23-2.16 (m, 1 H, 5-Ha), 2.15 (s, 3 H, CH3), 1.84-1.69 (m, 2 H, 5-Hb, 6-Ha), 1.59-1.51 (m, 1 H, 6-Hb), 1.38-1.13 (m, 22 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-H2), 0.84 (t, 3JH,H= 7.0 Hz, 3 H, 18-H3) ppm
13C NMR (126 MHz, pyridine-d5, 25 ℃): δ = 143.2, 139.4, 133.0, 129.2, 127.8, 124.5, 101.3, 77.3, 72.9, 72.2, 71.5, 70.8, 70.2, 67.8, 62.4, 55.3, 34.9, 32.1, 30.3, 30.1, 29.97, 29.96, 29.89, 29.6, 26.2, 22.9, 21.0, 14.3 ppm
(参考例)
(2S,3S,4R)−1−(α−D−ガラクトピラノシルオキシ)−2−(ヘキサデカンスルホニルアミノ)−3,4−オクタデカンジオール(化合物48)
(1)下記式(P1)で表される化合物の合成
化合物(F1)に対して、塩化 p−トルエンスルホニルに代えて、塩化 ヘキサデカンスルホニルを用いた以外は、実施例1と同様の方法により化合物(P1)を無色油状として得た。
nD 24= 1.5060
[α]D 24 = +13.4 (c = 0.54, CHCl3)
IR (film): νmax = 3280 (br. w, NH), 1610 (w, aromat.), 1495 (m, aromat.), 1330 (br. m, SO2), 1255 (m, tBu, Si-CH3), 1140 (br. s, SO2), 1100 (br. s, C-O), 1060 (br. s, C-O), 835 (s), 780 (m), 735 (br. m), 695 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.37-7.24 (m, 20 H, Bn-aromat. H × 20), 4.91 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.87 (d, 3JH,H = 6.0 Hz, 1 H, NH), 4.82 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.75 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.71 (d, 3JH,H = 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.70 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.64 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.55 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.45 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.40 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.04 (dd, 3JH,H = 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 4.00 (dd, 3JH,H = 10.5, 4.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.97 (br. d, 3JH,H = 2.5 Hz, 1 H, 4'-H), 3.92 (br. t, 3JH,H= 5.5 Hz, 1 H, 5'-H), 3.91 (dd, 3JH,H = 8.0, 4.5 Hz, 1 H, 3-H), 3.84 (dd, 3JH,H = 10.0, 3.0 Hz, 1 H, 3'-H), 3.75 (ddd, 3JH,H = 8.0, 7.0, 6.0 Hz, 1 H, 4-H), 3.65 (dddd, 3JH,H= 9.0, 6.0, 4.5, 4.0 Hz, 1 H, 2-H), 3.50 (dd, 3JH,H = 10.5, 9.0 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.48 (dd, 3JH,H = 9.0, 5.5 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.46 (dd, 3JH,H = 9.0, 5.5 Hz, 1 H, 6'-Hb), 3.01 (dd, 3JH,H = 8.0, 7.5 Hz, 2 H, 1''-H2), 1.79-1.72 (m, 2 H, 2''-H2), 1.53-1.41 (m, 2 H, 5-H2), 1.38-1.17 (m, 50 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-, 15''-, 14''-, 13''-, 12''-, 11''-, 10''-, 9''-, 8''-, 7''-, 6''-, 5''-, 4''-, 3''-H2), 0.89 (s, 9 H, tBu), 0.880 (t, 3JH,H= 7.0 Hz, 6 H, 18-, 16''-H3), 0.880 (s, 9 H, tBu), 0.14 (s, 3 H, SiCH3), 0.11 (s, 3 H, SiCH3), 0.06 (s, 3 H, SiCH3), 0.05 (s, 3 H, SiCH3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 138.56, 138.50, 138.3, 137.8, 128.45, 128.39, 128.35, 128.20, 128.12, 128.09, 127.9, 127.78, 127.73, 127.56, 127.54, 127.2, 100.1, 79.4, 76.4, 76.3, 74.9, 74.8, 74.7, 73.8, 73.5, 72.9, 69.8, 69.0, 68.5, 55.8, 52.9, 33.3, 31.9, 29.9, 29.70, 29.67, 29.64, 29.62, 29.59, 29.44, 29.36, 29.33, 28.6, 26.2, 26.0, 25.2, 23.4, 22.7, 18.3, 18.1, 14.1, -4.0, -4.2, -4.3, -4.4 ppm
(2)下記式(Q1)で表される化合物の合成
化合物(P1)に対して、実施例1と同様の方法により化合物(Q1)を無色固体として得た。
[α]D 26 = +36.0 (c = 0.34, CHCl3)
IR (KBr): νmax = 3400 (br. s, OH), 3160 (br. m, NH), 1605 (w, aromat.), 1495 (m, aromat.), 1350 (m, SO2), 1210 (m), 1100 (br. s, C-O), 1060 (br. s, C-O), 1035 (br. s, C-O), 750 (s), 730 (m), 695 (s) cm-1
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 7.38-7.25 (m, 20 H, Bn-aromat. H × 20), 5.18 (br. d, 3JH,H= 9.0 Hz, 1 H, NH), 4.90 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.88 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.82 (d, 3JH,H= 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 4.75 (s, 2 H, Bn-H2), 4.66 (d, 3JH,H= 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.55 (d, 3JH,H = 11.5 Hz, 1 H, Bn-H), 4.50 (d, 3JH,H = 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.41 (d, 3JH,H= 12.0 Hz, 1 H, Bn-H), 4.04 (dd, 3JH,H = 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 4.01 (dd, 3JH,H = 10.5, 2.5 Hz, 1 H, 1-Ha), 3.99 (br. d, 3JH,H = 1.5 Hz, 1 H, 4'-H), 3.94 (br. t, 3JH,H= 6.5 Hz, 1 H, 5'-H), 3.87 (dd, 3JH,H = 10.0, 3.0 Hz, 1 H, 3'-H), 3.78 (dd, 3JH,H = 10.5, 3.5 Hz, 1 H, 1-Hb), 3.75 (dddd, 3JH,H = 9.0, 3.5, 3.0, 2.5 Hz, 1 H, 2-H), 3.52-3.45 (m, 2 H, 3-, 4-H), 3.52 (dd, 3JH,H = 9.0, 6.0 Hz, 1 H, 6'-Ha), 3.49 (dd, 3JH,H = 9.0, 7.0 Hz, 1 H, 6'-Hb), 3.24 (d, 3JH,H= 9.5 Hz, 1 H, OH), 3.01-2.97 (m, 2 H, 1''-H2), 2.07 (d, 3JH,H= 5.0 Hz, 1 H, OH), 1.82-1.75 (m, 2 H, 2''-H2), 1.64-1.55 (m, 1 H, 5-Ha), 1.48-1.39 (m, 1 H, 5-Hb), 1.39-1.21 (m, 50 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 6-, 15''-, 14''-, 13''-, 12''-, 11''-, 10''-, 9''-, 8''-, 7''-, 6''-, 5''-, 4''-, 3''-H2), 0.88 (t, 3JH,H= 7.0 Hz, 6 H, 18-, 16''-H3) ppm
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 25 ℃): δ = 138.4, 138.2, 137.84, 137.79, 128.47, 128.45, 128.39, 128.24, 128.16, 128.07, 127.97, 127.8, 127.73, 127.65, 127.4, 98.9, 79.5, 76.87, 75.8, 74.8, 74.37, 74.3, 73.4, 73.0, 72.7, 70.4, 69.9, 68.7, 54.1, 53.4, 33.6, 31.9, 29.70, 29.65, 29.56, 29.4, 29.2, 28.3, 25.7, 23.7, 22.7, 14.1 ppm
(3)下記式(48)で表される標題化合物の合成
化合物(Q1)に対して、実施例1と同様の方法により化合物(48)を無色粉末として得た。
[α]D 14 = +55.0 (c = 0.32, pyridine)
IR (KBr): νmax = 3400 (br. s, OH, NH), 2960 (s, C-H), 2920 (s, C-H), 2850 (s, C-H), 1470 (s), 1410 (w), 1380 (w), 1320 (br. m, SO2), 1230 (w), 1150 (br. s, SO2), 1075 (br. s, C-O), 1040 (br. s, C-O), 945 (w), 900 (br. w), 830 (w), 800 (w), 770 (w), 720 (m) cm-1
1H NMR (500 MHz, pyridine-d5, 25 ℃): δ = 8.89 (d, 3JH,H= 9.5 Hz, 1 H, NH), 6.81 (br. s, 1 H, OH), 6.44-6.03 (br. s, 2 H, OH × 2), 5.52 (d, 3JH,H= 4.0 Hz, 1 H, 1'-H), 5.36-4.75 (br. s, 3 H, OH × 3), 4.88 (dd, 3JH,H = 10.5, 5.0 Hz, 1 H, 1-Ha), 4.88-4.83 (m, 1 H, 2-H), 4.66 (dd, 3JH,H = 10.0, 4.0 Hz, 1 H, 2'-H), 4.52 (br. d, 3JH,H = 3.5 Hz, 1 H, 4'-H), 4.49 (br. t, 3JH,H = 6.0 Hz, 1 H, 5'-H), 4.43 (dd, 3JH,H= 10.0, 3.5 Hz, 1 H, 3'-H), 4.41 (dd, 3JH,H = 11.0, 6.0 Hz, 1 H, 6'-Ha), 4.38-4.33 (m, 1 H, 3-H), 4.36 (dd, 3JH,H= 11.0, 5.5 Hz, 1 H, 6'-Hb), 4.33-4.27 (m, 2 H, 1-Hb, 4-H), 3.51 (ddd, 3JH,H = 9.0, 6.5, 3.5 Hz, 2 H, 1''-H2), 2.36-2.28 (m, 1 H, 5-Ha), 2.10-2.01 (m, 2 H, 2''-H2), 1.94-1.79 (m, 2 H, 5-Hb, 6-Ha), 1.69-1.61 (m, 1 H, 6-Hb), 1.45-1.14 (m, 48 H, 17-, 16-, 15-, 14-, 13-, 12-, 11-, 10-, 9-, 8-, 7-, 15''-, 14''-, 13''-, 12''-, 11''-, 10''-, 9''-, 8''-, 7''-,6''-, 5''-, 4''-, 3''-H2), 0.84 (t, 3JH,H = 7.0 Hz, 6 H, 18-, 16''-H3) ppm
13C NMR (126 MHz, pyridine-d5, 25 ℃): δ = 101.0, 78.3, 73.0, 72.4, 71.6, 71.0, 70.2, 68.3, 62.7, 55.9, 54.3, 35.1, 32.1, 29.98, 29.94, 29.92, 29.91, 29.89, 29.7, 29.6, 28.7, 26.4, 24.5, 22.9, 14.3 ppm
(試験例1)
マウスの脾臓より取り出した脾臓細胞を、10% Fetal calf serum(FCS)を含むRPMI1640培養液(Sigma社製)を用いて各々 2×105個/ウェル(96穴プレート)に調製した。この培養液中に試薬を40 ng/mLの濃度で添加し、3日後(72時間後)の培養上清中のサイトカイン量をサンドイッチELISA法で測定した。なお、被験物質として実施例1〜3で得られた化合物11、化合物12及び化合物13を用い、対照物質として下記式(a)で表される化合物(α-GalCer、以下、「化合物a」という)を用いた。
IFN-γ及びIL-4の測定結果を図1に示す。これらの結果から、化合物aはIFN-γ及びIL-4をともに大量に産生するのに対し、化合物11、化合物12及び化合物13はIL-4優位のサイトカイン産生パターンを示した。以上から、本発明の化合物はIL-4によって改善される病態の治療薬として有効であることが確認された。
(試験例2)
マウスの脾臓より取り出した脾臓細胞を、10% Fetal calf serum(FCS)を含むRPMI1640培養液(Sigma社製)を用いて各々 2×105個/ウェル(96穴プレート)に調製した。この培養液中に試薬を20 ng/mLの濃度で添加し、2日後(48時間後)の培養上清中のサイトカイン量をサンドイッチELISA法で測定した。なお、被験物質として実施例1〜3及び参考例で得た化合物11、化合物12、化合物13及び化合物48を用い、対照物質として化合物a及び下記式(b)で表される化合物(OCH、以下、「化合物b」という)を用いた。
IFN-γ及びIL-4の測定結果を図2に示す。これらの結果から、化合物aはIFN-γ及びIL-4をともに大量に産生するのに対し、化合物11、化合物12、化合物13及び化合物48はIFN-γの産生量が少なく、IL-4優位のサイトカイン産生パターンを示した。また、化合物bはIL-4優位のサイトカイン産生を誘導する物質として知られているが、本実施例で得た化合物11、化合物12、化合物13及び化合物48のいずれもが、化合物b以上にIL-4優位のサイトカイン産生を誘導し得ることが確認された。以上から、本発明の化合物はIL-4によって改善される病態の治療薬として有効であることが確認された。
本発明に係る新規糖脂質は、免疫細胞の働きを制御するサイトカインの一種であるIL−4の産生を優先的に誘導できるという利点がある。したがって、本発明に係る新規糖脂質は、自己免疫疾患又は感染症等の予防・治療や、Th1細胞の機能亢進に起因する疾患の予防・治療に有用である。

なお、本出願は、日本で出願された特願2006−054097を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (14)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、Yは−CH(OH)−を示す。]
  2. がα−D−ガラクトピラノシルである、請求項1記載の化合物又はその塩。
  3. が置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である、請求項1又は2記載の化合物又はその塩。
  4. が置換基を有していてもよい炭素数1〜21のアルキル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
  5. Xが酸素原子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
  6. 下記一般式(2)で表される化合物又はその塩。
    [式中、R1aは水酸基が保護されているアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、Y−CH(OH)−を示し、Aは水素原子又は水酸基の保護基を示す。]
  7. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、医薬。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、Yは−CH(OH)−を示す。]
  8. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、自己免疫疾患又は感染症の予防・治療剤。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、Yは−CH(OH)−を示す。]
  9. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、NKT細胞活性化剤。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、Yは−CH(OH)−を示す。]
  10. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、選択的IL−4産生誘導剤。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、Yは−CH(OH)−を示す。]
  11. 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含有する、Th1細胞の機能亢進に起因する疾患の予防・治療剤。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい芳香族基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Xは酸素原子、硫黄原子、−CH−又は−NH−を示し、Yは−CH(OH)−を示す。]
  12. 下記一般式(3)で表される化合物又はその塩を含有する、自己免疫疾患又は感染症の予防・治療剤。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜28の脂肪族炭化水素基を示し、Xは酸素原子を示し、Yは−CH−、−CH(OH)−又は−CH=CH−を示す。]
  13. 下記一般式(3)で表される化合物又はその塩を含有する、選択的IL−4産生誘導剤。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜28の脂肪族炭化水素基を示し、Xは酸素原子を示し、Yは−CH−、−CH(OH)−又は−CH=CH−を示す。]
  14. 下記一般式(3)で表される化合物又はその塩を含有する、Th1細胞の機能亢進に起因する疾患の予防・治療剤。
    [式中、Rはアルドピラノース残基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜21の炭化水素基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜28の脂肪族炭化水素基を示し、Xは酸素原子を示し、Yは−CH−、−CH(OH)−又は−CH=CH−を示す。]
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