JP5124451B2 - 漂白強化剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、漂白強化剤として有用な化合物の製造方法、ならびに該方法により得られる化合物および該化合物の使用に関する。
酸素系漂白剤、たとえば過酸化水素は、一般に衣類および種々の表面からのシミおよび汚れの除去を促進するために使用される。残念ながらこのような薬剤は著しく温度依存性である。結果として、このような薬剤を比較的温度の低い溶液中で使用する場合には、該溶液の漂白作用は著しく低下する。
前記の性能の問題を解決するための努力において、産業界は「漂白活性剤」または「漂白強化剤」として公知の一群の材料を開発し、これらは「有機触媒」ともよばれている。しかしこのような材料は、40℃より低い溶液温度では迅速にその有効性を失うため、新規の有機触媒、たとえば3,4−ジヒドロ−2−[2−(スルホオキシ)デシル]イソキノリニウムの分子内塩が開発された。一般に、このような従来技術による触媒は、低い水温条件で有効である一方、特定の酵素を不活性化しうる。多くのランドリー用およびクリーニング用組成物は、酵素が配合されているので、このような触媒と共にクリーニング用製品を調製することは問題となりうる。
従って、調製の柔軟性、低い水温での漂白性能および酵素との相容性の利点の組み合わせを提供することができる有機触媒に対する需要が存在する。
漂白強化剤として知られている1−(4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン)デカン−2−スルフェートの製造方法は、WO01/16273に記載されている:
1,2−デカンジオールを四塩化炭素中に溶解する。塩化チオニルを室温で滴加し、かつ反応混合物を60℃に加熱する。数時間後に氷浴を用いて反応混合物を冷却する。水およびアセトニトリルならびに塩化ルテニウム水和物および過ヨウ素酸ナトリウムを添加する。室温で1時間攪拌した後に、反応混合物をジエチルエーテルで抽出し(4回)、引き続き有機相を水(5回)、飽和重炭酸ナトリウム(3回)、塩水(2回)で洗浄し、セライト/シリカゲルにより濾過し、かつ硫酸マグネシウム上で乾燥させる。その後、得られた液体を濃縮して清澄な油状物が得られるが、この油状物は1,2−デカンジオール環式スルフェートである。次の反応工程で4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリンおよびアセトニトリルを、一度に添加される1,2−デカンジオール環式スルフェートと合する。アセトニトリルを再度添加した後に、反応混合物を数時間攪拌する。次いで沈殿物を回収し、アセトンで洗浄し、かつ乾燥させて1−(4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロイソキノリン)デカン−2−スルフェートが得られる。
この方法は、実験室規模で使用することができるが、工業的な規模で使用可能な方法、つまり高価な原料、たとえば塩化チオニルの使用を回避する方法を獲得することに対する強い要求が存在する。従って、本発明の1つの目標は、塩化チオニルの使用が回避される方法を見いだすことである。
漂白強化剤を得るためのもう1つのタイプの方法は、WO03/104199から公知である。前記の特許出願の例4によれば、環式スルフェート、トルエンおよび3,4−ジヒドロイソキノリンをフラスコ中で混合し、かつ該混合物を攪拌しながら48時間、約20〜25℃に維持することにより、硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2−イル)−1−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−エチルエステルが得られる。所望の生成物は約50%の収率で固体/ゲルの形で得られ、これを濾過する必要がある。
もう1つのタイプの漂白強化剤が得られるこの方法も、大規模での製造には不適切である。というのも、収率が低すぎ、かつゲルの取り扱いは、特に濾過の間に問題を生じるからである。
従って本発明の目標は、塩化チオニルの使用が回避される漂白強化剤を製造する方法を見いだすことのみでなく、高い収率につながる漂白強化剤の製造方法を見いだすことも1つの目標である。加えて、反応の最後の工程における溶剤、たとえばトルエンの使用は回避されるべきである。というのも、消費製品における芳香族溶剤は議論の的になっており、従って合成の終わりの段階では回避されるべきである。というのも、このような溶剤の残留が最終製品において検出され、そのような最終製品が最終消費者により使用されうるからである。本発明のもう1つの目標は、この方法を使用して得られ、かつ漂白強化剤として使用することができる新規の化合物を見いだすことである。見いだされるべき漂白強化剤は、公知の系とほぼ同じ漂白性能を示すが、しかしより良好な染料安全性を有しているべきである。
意外にも、これらの要求は、請求項1〜8に記載の方法および請求項9〜19に記載の化合物により満足されることが判明した。
ここで使用される「クリーニング用組成物」という用語は、その他の記載がない限り、顆粒状または粉末状の多目的洗剤または「ヘビーデューティー」洗剤であり、特にランドリー用洗剤、液体、ジェルまたはペースト形の多目的洗剤、特にいわゆるヘビーデューティー液状タイプの洗剤、液状のデリケート衣類用洗剤、手および食器洗い用洗剤またはライトデューティー食器洗い用洗剤、特に高起泡タイプの洗剤、食器洗い機用洗剤(これは、家庭用および工業用の種々の錠剤、顆粒、液体およびすすぎ補助剤タイプである)、液体洗剤および消毒剤(これは抗菌手洗い用タイプである)、ランドリー用のバー、マウスウォッシュ、義歯用洗浄剤、車もしくはカーペットシャンプー、浴室用洗浄剤、毛髪用シャンプーおよびヘアリンス、シャワージェルおよびバブルバス、および金属用クリーナー、ならびに洗浄助剤、たとえば漂白添加剤および「シミ取りスティック」または前処理タイプのものを含む。
ここで使用される「相互に無関係に(中略)からなる群から選択される」という用語は、言及されるマーカッシュの群から選択される成分または要素は同一であっても、異なっていてもよいし、これらの要素の任意の混合物であってもよいことを意味する。
本出願の試験方法のセクションに開示されている試験法は、本発明のパラメータのそれぞれの値を決定するために使用しなくてはならない。
その他の記載がない限り、全ての成分または組成物のレベルは、該成分または組成物の活性レベルに関するものであり、かつ市販の供給源中に存在しうる不純物、たとえば残留溶剤または副生成物は除外される。
全ての百分率および比は、その他の記載がない限り質量により計算される。全ての百分率および比はその他の記載がない限り、全組成物に対して計算される。
発明の詳細な説明の記載にわたって記載されている全ての最大の数値の限定は、それより下の全ての数値の限定を、そのような低い数値の限定がこの明細書に明記されていると同様に含むと理解すべきである。発明の詳細な説明の記載にわたって記載されている全ての最小の数値の限定は、それより高い数値の限定を、そのような高い数値の限定がこの明細書に記載されていると同様に含むと理解すべきである。発明の詳細な説明の記載にわたって記載されている全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に該当する全ての狭い数値範囲を、このような狭い数値範囲がすべてこの明細書に明記されていると同様に含む。
関連する部分で引用される全ての刊行物は、引用することによりここに取り入れられる。刊行物の引用は、本発明に関して従来技術であることを認めることであると解釈すべきではない。
化合物を製造するための方法は、
以下の工程:
a)場合によりイソキノリンからジヒドロイソキノリンを製造する工程
ax)場合によりビシュラー・ナピラルスキー反応(Bischler-Napieralski reaction)によりジヒドロイソキノリンを製造する工程
ay)場合によりピクテ・シュペングラー反応(Pictet-Spengler reaction)によりジヒドロイソキノリンを製造する工程
b)場合によりアルコールとエピクロロヒドリンとからグリシジルエーテルを製造する工程
c)前記ジヒドロイソキノリンとSO3および前記グリシジルエーテルとを反応させる工程
の少なくとも1つを有する。
この方法は、工程c)を実施するためのみに使用することができるが、しかし工程a)およびc)、またはax)およびc)、またはay)およびc)、またはb)およびc)、ならびにa)、b)およびc)、ax)、b)およびc)、またはay)、b)およびc)を実施することも可能である。2つの工程が使用される方法は有利であり、かつ全ての3つの工程が使用される方法は特に有利である。
異なった経路でジヒドロイソキノリンを製造すること、および工程c)で使用する前に生成物を組み合わせることも本発明の範囲内である。従ってたとえば所望されるジヒドロイソキノリンのx%を経路a)により、所望されるジヒドロイソキノリンのy%を、経路ax)により、および所望されるジヒドロイソキノリンのz%を、経路ay)により製造することが可能である。これらの経路の任意の2つの全ての組み合わせもまた可能であり、かつ本発明の範囲内である。
適切な有機触媒は、種々の反応容器および回分式、半回分式および連続式の方法を含む方法を使用して製造することができる。
本発明の1つの態様では、前記の触媒を製造する方法は、3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化硫黄錯体をエポキシドと反応させて前記有機触媒を形成する工程を含む。
本発明の別の態様では、前記の触媒を製造する方法は、3,4−ジヒドロイソキノリンを、三酸化硫黄、三酸化硫黄を供給する材料およびこれらの混合物からなる群から選択される材料と反応させて、3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化硫黄錯体を形成し、かつ該3,4−ジヒドロイソキノリン三酸化硫黄錯体をエポキシドと反応させて前記有機触媒を形成する工程を含む。
本発明のもう1つの態様では、前記の触媒を製造する方法は、3,4−ジヒドロイソキノリンをエポキシド三酸化硫黄錯体と反応させて前記有機触媒を形成する工程を含む。
本発明のもう1つの態様では、前記の触媒を製造する方法は、エポキシドを、三酸化硫黄、三酸化硫黄を供給する材料およびこれらの混合物からなる群から選択される材料と反応させてエポキシド三酸化硫黄錯体を形成し、かつ該エポキシド三酸化硫黄錯体を3,4−ジヒドロイソキノリンと反応させて、前記の有機触媒を形成する工程を含む。
前記の触媒の、オキサジリジニウム環を有する化合物は、前記触媒のイミニウム環を有する化合物を酸素移動剤、たとえばペルオキソカルボン酸またはペルオキソ一硫酸、たとえばOxone(登録商標)と接触させることにより製造することができる。このような種は、現場で製造し、かつ精製しないで使用することができる。
本願の詳細な説明の教示に基づいて当業者は容易に、本願発明の前記の態様に関して、所望の反応条件および反応材料の濃度、約0℃〜約150℃、または約0℃〜約125℃の反応温度、約0.1〜約100気圧、約0.3気圧〜約10気圧、または約1気圧〜約10気圧の反応圧力、0.1時間〜約96時間、約1時間〜約72時間、または約1時間〜約24時間の反応時間を含む典型的な反応パラメータを決定することができる。反応はまた、不活性雰囲気下に、または溶剤を使用する場合には、無水の溶剤の使用を含む、その他の無水の条件で実施することもできる。
本発明を実施するために使用される材料は、3,4−ジヒドロイソキノリン、エポキシド、およびこれらの混合物、三酸化硫黄、三酸化硫黄源およびこれらの混合物および溶剤を含む。
3,4−ジヒドロイソキノリンを使用する場合、初期反応混合物は一般に、約0.5質量%〜約70質量%、約5質量%〜約70質量%、または約10質量%〜約50質量%のこれらの材料を含む。3,4−ジヒドロイソキノリンを例1に記載されているプロトコルに従って使用することができる。
エポキシドを使用する場合、初期反応混合物は一般に、約0.5質量%〜約70質量%、約5質量%〜約70質量%、または約10質量%〜約50質量%のこれらの材料を含有している。適切なエポキシドは、たとえば2−プロピルヘプチルグリシジルエーテル、2−ブチルオクチルグリシジルエーテル、2−ペンチルノニルグリシジルエーテル、2−ヘキシルデシルグリシジルエーテル、n−ドデシルグリシジルエーテル、n−テトラデシルグリシジルエーテル、n−ヘキサデシルグリシジルエーテル、n−オクタデシルグリシジルエーテル、イソ−ノニルグリシジルエーテル、イソ−デシルグリシジルエーテル、イソ−トリデシルグリシジルエーテルおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。このような材料は、場合により反応材料として使用される前に除去されるグリシジルエーテルのオリゴマー形を含んでいてよい。2−プロピルヘプチルグリシジルエーテルは、本明細書の例2に記載されているとおりに製造することができる。その他の前記のグリシジルエーテルは全て、例2の一般的なプロトコルに従って、適切なアルコールを2−プロピルヘプタノールの代わりに置換することによって製造することができる。適切なアルコールは、2−プロピルヘプタノール、2−ブチルオクタノール、2−ペンチルノナノール、2−ヘキシルデカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、イソ−ノナノール、イソ−デカノールおよびイソ−トリデカノールである。
三酸化硫黄、三酸化硫黄源、およびこれらの混合物を使用する場合、初期反応混合物は一般に、約0.5質量%〜約70質量%、約5質量%〜約70質量%、または約10質量%〜約50質量%のこれらの材料を含有する。適切な材料は三酸化硫黄、三酸化硫黄錯体、たとえば三酸化硫黄トリメチルアミン、三酸化硫黄ジオキサン、三酸化硫黄ピリジン、三酸化硫黄N,N−ジメチルホルムアミド、三酸化硫黄スルホラン、三酸化硫黄テトラヒドロフラン、三酸化硫黄ジエチルエーテル、三酸化硫黄3,4−ジヒドロイソキノリンおよびこれらの混合物である。
反応混合物のバランスは一般に溶剤である。溶剤を使用する場合には、初期反応混合物は一般に99質量%までの溶剤、約10質量%〜約90質量%までの溶剤、または約20質量%〜約80質量%の溶剤を含有する。適切な溶剤は、非プロトン性の極性および無極性溶剤、たとえばアセトニトリル、ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、スルホラン、クロロベンゼン、トルエン、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、キシレンおよびこれらの混合物を含む。適切な溶剤は、Aldrich(USA、WI53201、Milwaukee、P.O.Bos2060)から購入することができる。
上記の工程a)を含む方法は、工程a)でジヒドロイソキノリンを
ai)イソキノリンを還元してテトラヒドロイソキノリンを得る工程および
aii)前記テトラヒドロイソキノリンを酸化してジヒドロイソキノリンを得る工程
により製造する場合に特に有利である。
この方法は、工程aii)における酸化を、DE19507552A1においてこのような反応に関して提案されている次亜塩素酸ナトリウムおよび/または次亜塩素酸カリウムを使用して実施する場合に、最も良好な結果をもたらす。というのも、生成物のイソキノリンへの過剰の酸化が実質的に抑制されるからである。
上記のとおり、工程a)がさらに
aiii)aii)で得られたジヒドロイソキノリンを有機溶剤により抽出する工程および
aiv)工程aiii)で得られた生成物を蒸留する工程
を有する方法はさらにより有利である。
次の基準に一致する、あらゆる種類の有機溶剤によりジヒドロイソキノリンを抽出することは可能である。つまりその溶剤とは、水中で実質的に不溶性であり、抽出されるジヒドロイソキノリンに対して認容可能な溶剤である必要があり、かつ水と共に共沸混合物を形成すべきである。このような溶剤の例は、ベンゼン、トルエン、キシレンであり、トルエンが有利である。
それにもかかわらず、全ての基準を満足する溶剤を使用しないで上記の方法を実施することも可能である。たとえば水と共沸混合物を形成しない溶剤を使用することも可能である。このような場合、抽出工程自体は、同じ方法で実施することができる。しかし、水と共沸混合物を形成する溶剤を使用することが有利である。というのも、こうすることにより、反応の間に使用された水を同時に蒸留して容易に除去することができるからである。同時に蒸留するこの態様は、大規模な適用のために重要である。というのも、水の蒸留は、水の高い沸騰エンタルピーに基づいて極めて効果的だからである。
工程aiv)に記載されている工程a)の生成物を精製する別の方法もまた可能であり、かつ本発明の範囲内である。このような方法は、たとえば結晶化またはクロマトグラフィーである。蒸留による精製は最も有利であるが、しかしその後の合成のための原料としてまれである生成物を使用することも可能である。
ジヒドロイソキノリンを製造するための2つの別の経路が可能であり、かつ本発明の範囲内である:
ax)ビシュラー・ナピラルスキー反応を使用してジヒドロイソキノリンを製造することができる:
Figure 0005124451
五酸化リンおよび酸を使用して工程ax)を実施する上記の方法は、本発明のもう1つの有利な対象であり、この場合、酸をポリリン酸、トリフルオロメタン酸、ギ酸およびメタンスルホン酸からなる群から選択する場合に有利である。標準的なビシュラー・ナピラルスキー反応の条件と比較して、リンを含有する化合物の量ならびに反応時間を低減することができた。これにより反応はより安価となり、かつ方法の全体的な環境学的な評価に関して肯定的な効果を有する。ポリリン酸(PPA)の代わりに、メタンスルホン酸(MSA)を使用することができる。これは、MSAを単独で使用する場合には不可能である。MSAの分解温度である約140℃より高い約160℃の温度で、良好な結果を得ることができる。
方法において上記のとおり、工程ax)の反応混合物をKOHで中和することはさらに有利である。というのは、これは高い溶解度を有する塩を生じるからである。
次亜塩素酸ナトリウムを使用して中和の後にアミンを酸化してイミンが得られる上記の方法は、本発明のもう1つの有利な実施態様である。
この経路の代替法はay)である:
Figure 0005124451
(4)〜(13)のピクテ・シュペングラー反応、引き続きアミドの開裂を実施して(14)が得られ、かつ次亜塩素酸ナトリウムを使用して引き続き酸化する。この代替法の大きな利点は、反応をワンポット反応として実施することができるという事実である。付加的な利点は、これは所望の生成物を得るために、リン酸塩を含まない経路であるという事実である。これは、廃棄物処理のためのコストが低く、かつ環境に優しい方法であることを意味している。
ホルムアルデヒドの供給源としてトリオキサンは有利である。というのは、トリオキサンは62℃の融点を有しており、従って容易に液体として適用することができるからである。加熱された供給管を有利に使用することができることは自明である。酸として、全ての種類の強酸、たとえばトリフルオロ酢酸、ギ酸またはメタンスルホン酸を使用することができる。
上記の方法および工程b)もまた、工程b)でグリシジルエーテルが
bia)エピクロロヒドリンをルイス酸触媒の存在下にアルコールに添加し、かつ引き続き得られたクロロヒドリンとNaOHおよび/またはKOHとを反応させる工程または
bib)エピクロロヒドリンとアルコールとを相間移動触媒の存在下にNaOHおよび/またはKOHと共に反応させる工程
により製造される場合には特に有利である。
工程bia)および/またはbib)で得られたグリシジルエーテルを蒸留により精製する上記の方法は、本発明の特に有利な実施態様である。上記ですでに工程a)に関して議論したように、蒸留は最も有利な精製法である。つまり精製以外の方法、たとえば結晶化またはクロマトグラフィーもまた可能であり、本発明の範囲内である。
さらに有利であるのは、工程c)が
ci)ジヒドロイソキノリンを溶剤中に溶解する工程
cii)SO3をci)で得られた溶液に添加する工程
ciii)グリシジルエーテルをcii)で得られた溶液に添加する工程
civ)ciii)で得られた混合物を加熱する工程
cv)ciii)またはciv)で得られた混合物中の残りのSO3をクエンチングする工程
cvi)ciii)、civ)またはcv)で得られた混合物の溶剤の大部分を交換する工程
cvii)結晶化を誘導する工程
cviii)cvii)で得られた混合物から結晶を濾別する工程
cix)cviii)で得られた結晶を精製する工程
cx)cviii)またはcix)で得られた結晶を乾燥する工程
の少なくとも1つを有する上記の方法である。
本発明の有利な実施態様は、
α)工程ci)の溶剤が、SO3に関して不活性である、および/または
β)工程cii)のSO3を、ジヒドロイソキノリンに関して過剰で使用する、および/または
χ)工程cii)を、0℃以上の温度で行う、および/または
δ)工程ciii)のグリシジルエーテルを、ジヒドロイソキノリンに関して過剰で使用する、および/または
ε)工程ciii)を、0℃以上の温度で行う、および/または
φ)工程cii)のSO3を、ジヒドロイソキノリンに関して、工程ciii)のグリシジルエーテルよりも大きな過剰で使用する、および/または
γ)工程civ)における加熱を還流下で実施する、および/または
η)工程cv)におけるクエンチングを、塩基の使用下で実施する、および/または
ηa)η)で使用される塩基の量が、SO3の過剰と正確に一致するか、またはSO3の過剰を越える、および/または
ι)工程cv)の混合物の溶剤の少なくとも50%が交換される、および/または
ψ)工程cvi)で添加される溶剤が、
アルコールまたは
アルコールの混合物または
1種以上のアルコールと、1種以上の極性非プロトン性溶剤との混合物
である、および/または
κ)工程cvii)の結晶化が、0、1またはそれ以上の平坦域を有する温度傾斜を使用して温度を低下させることにより誘導される、および/または
λ)工程cvii)の結晶化が、1〜20℃/hの速度で温度が低下する温度傾斜を使用して温度を低下させることにより誘導される
上記の方法である。
上記の方法であって、
α′)工程ci)の溶剤が、ジクロロエタンまたはジオキサンまたはジクロロエタンとジオキサンとの混合物である、および/または
β′)工程cii)のSO3が、ジヒドロイソキノリン1モルあたり1.05〜1.15モルの量で使用される、および/または
χ′)工程cii)を、29℃以上の温度で行う、および/または
δ′)工程ciii)のグリシジルエーテルを、ジヒドロイソキノリン1モルあたり1.01〜1.11モルの量で使用する、および/または
ε′)工程cii)を、29℃以上の温度で行う、および/または
φ′)工程cii)のジヒドロイソキノリンに関するSO3の過剰対工程ciii)のジヒドロイソキノリンに関するグリシジルエーテルの過剰の比が、1.01〜10:1の範囲である、および/または
γ′)工程civ)の温度が60℃以上である、および/または
η′)工程cv)のクエンチングを、アミン、ジヒドロイソキノリン、NaOH、KOHおよび/またはアミン塩基からなる群から選択される1種以上を使用して実施する、および/または
η′a′)η′)で使用されるKOHおよび/またはNaOHおよび/またはアミン塩基の量が、SO3の過剰と正確に一致するか、またはSO3の過剰を越える、および/または
ι′)工程cv)の混合物の溶剤の少なくとも80%を交換する、および/または
ψ′)工程cvi)で添加されるアルコール溶剤が、EtOH、MeOHまたはiPrOHであり、アルコールの混合物が、EtOH、MeOHまたはiPrOHの少なくとも1つを含有するか、またはアルコールと極性非プロトン性溶剤との混合物が、極性非プロトン性溶剤成分として酢酸エステルを含有する、および/または
κ′)工程cvii)の結晶化が、3つの平坦域を有する温度傾斜を使用する温度の低下により誘導される、および/または
λ′)工程cvii)の結晶化が、5〜10℃/hの速度で温度が低下する温度傾斜を使用して温度を低下させることにより誘導される
方法は、本発明のさらに有利な実施態様を形成する。
上記の方法を使用して良好な結果を得るためには、ジヒドロイソキノリンを溶剤中に溶解することが有利であり、工程ci)のこの溶剤は、SO3に関して不活性である。工程ci)における溶剤がジクロロエタンである実施態様は最も有利である。ジオキサンもまた使用することができ、良好な結果が得られる。同じことが、これらの溶剤の混合物に関しても該当する。ジクロロエタンの使用は、その他の溶剤、たとえば従来技術において記載されているアセトニトリルの使用と比較して有利である。アセトニトリルならびにたとえばプロピオニトリル、ブチロニトリル、THF、ジブチルエーテルおよび酢酸エステルは、SO3に対して不活性でない。このことは重要である。というのも、SO3の使用は、さらに高価な塩化チオニルを回避するために所望されるからである(以下を参照)。このことは、このような溶剤を使用して本発明による方法を実施することができるが、しかし収率は極めて低い(約45%)ことを意味している。その他の溶剤、たとえばジクロロメタンもまた、SO3に関して不活性ではなく、これに加えて極めて低い沸点を有する。ジグリム、グリム、トルエン、クロロベンゼン、N−メチルピロリドン(NMP)またはプロピレンカーボネートもまた、現場で形成されるSO3錯体と組み合わせて使用される場合には低い収率につながる。
工程cii)で、工程ci)において得られた溶液にSO3を添加することは有利である。これにより、単離された高価なSO3錯体を取り扱う困難さは省略される。SO3は純粋な物質として、つまり蒸留したばかりの形で、または安定化された形で添加される。このことにより生成物の純度に関して予想外の利点を生じる。SO3−アミン−錯体を使用する場合、アミンたとえばNMe3は、グリシジルエーテルと反応する傾向があり、かつSO3−ジオキサン−錯体を使用する場合、ジオキサンが生成物に組み込まれる。従ってSO3の使用は、錯体を使用するよりも容易で、かつ安価であるのみでなく、不純物の含有率が低い生成物を生じるという付加的な利点を有している。生成物の収率は、SO3をジヒドロイソキノリンに関して過剰で使用することによりさらに改善することができ、かつ最も良い結果は、SO3をジヒドロイソキノリン1モルに対して1.05〜1.15モルの量で使用する場合に得られた。この工程cii)における温度は−20℃、有利に0℃以上であってよく、29℃以上の温度が有利である。一般に、約−10℃〜溶剤の沸点までの温度を使用することができ、約0〜約40℃の範囲の温度が有利であり、約20〜約35℃の範囲の温度はさらに有利であり、約25〜約32℃の範囲の温度は一段と有利であり、約30℃の温度、たとえば28℃、29℃、30℃または31℃の温度は最も有利である。
次の工程として、グリシジルエーテルをcii)で得られた溶液に添加し、その際、グリシジルエーテルをジヒドロイソキノリンに関して過剰で使用することが有利である。本発明の有利な実施態様では、グリシジルエーテルをジヒドロイソキノリン1モルあたり1.01〜1.1モルの量で使用する。工程ciii)における温度は、−20℃、有利に0℃以上であり、29℃以上の温度は有利である。一般に、約−10℃〜溶剤の沸点までの温度を使用することができ、約0〜約40℃の範囲の温度は有利であり、約20〜約35℃の範囲の温度はさらに有利であり、約25〜約32℃の範囲の温度は一段と有利であり、かつ約30℃の温度、たとえば28℃、29℃、30℃または31℃は最も有利である。
本発明の特に有利な実施態様では、工程cii)におけるSO3の過剰の、工程ciii)におけるグリシジルエーテルの過剰に対する比率(いずれもジヒドロイソキノリンに関する)は、1.01〜10:1の範囲である。ジヒドロイソキノリン1.0当量、SO31.1当量、およびグリシジルエーテル1.05当量を使用する場合、SO3の過剰は0.1であり、グリシジルエーテルの過剰は0.05であり、かつ従って比は2:1である。有利であるのは1.1〜5:1の比、さらに有利であるのは1.5〜3:1の比である。
次いでciii)で得られた反応混合物を加熱することができ、その際、加熱が有利である。本発明の有利な実施態様は、工程civ)の加熱を還流下で実施し、かつさらに有利な実施態様は、温度が60℃以上である方法である。
引き続きciii)またはciv)で得られた混合物中に残留するSO3をクエンチングし、その際、工程cv)におけるクエンチングを有利には塩基を使用して、およびさらに有利にはアミン、ジヒドロイソキノリン、イソキノリン、NaOHおよびKOHからなる群から選択される1種以上を使用して実施する。
SO3の過剰をクエンチングする場合、2つの有利な手順が存在する:
一つは、SO3の過剰に一致する量の塩基を用いてクエンチング工程cv)を実施することである。このような手順は、クエンチングのために最小量の塩基を使用し、これは低いコストを次の2つの方法で維持するという利点を有する。つまりコストは第一に、使用される塩基の量を低減することにより、および第二に中和される必要のない廃棄物が生じることにより低減される。従ってこの手順は、環境の観点からも有利である。
他方は、クエンチング工程cv)を、SO3の過剰に関して塩基の過剰で実施することである。この手順は、酸性化合物、たとえば硫酸または硫酸半エステルの発生を抑制するという利点を有する。これらの酸性化合物は、最終生成物中でのスルフェート基の分解につながる。このような分解の間に、別の酸性化合物が形成され、これはこの方法が自触反応性であり、かつ実質的な貯蔵安定性が低下する理由である。従ってクエンチング工程cv)においてSO3の過剰に関して塩基の過剰を使用することにより、易流動性であり、かつ比較的長期間にわたって貯蔵しても凝集しない最終生成物が得られる。
ciii)、civ)またはcv)で得られた混合物の溶剤の大部分を交換することは、本発明のもう1つの有利な実施態様である。このことにより、工程cv)の混合物の溶剤の少なくとも50%、さらに有利には少なくとも80%、および最も有利には少なくとも90%が交換される。この工程で添加される溶剤がアルコール、アルコールの混合物または1もしくは複数のアルコールと、1もしくは複数の極性非プロトン性溶剤との混合物であることが有利であり、その際、本発明の最も有利な実施態様では、工程cvi)で添加されるアルコール溶剤はEtOH、MeOHまたはiPrOHであり、アルコールの混合物は、EtOH、MeOHまたはiPrOHの少なくとも1を含有するか、またはアルコールと極性非プロトン性溶剤との混合物は、酢酸エステルを極性非プロトン性成分として含有する。交換のために使用される溶剤の量を低減するために、前記の交換は、1工程で行うことができるのみでなく、2以上の工程、たとえば2工程、3工程、4工程またはそれ以上の工程で行うこともできる。溶剤の大部分を交換することが有利であるが、しかし交換を行わずに続けることも可能である。
次いで結晶化を誘導する。これは多数の方法で、たとえば温度を低下させることにより、溶剤を留去することにより、減圧で行うことができ、この場合、有利には溶剤混合物中の生成物の溶解性を低減する溶剤を添加することにより行うことができる。工程cvii)の結晶化を、温度を下げることによって誘導することが有利である。温度傾斜を使用することがさらに有利である。この温度傾斜は有利には、0、1または複数の平坦域を有しており、その際、3つの平坦域を有するのが最も有利である。本発明の意味での平坦域とは、温度が低下しないか、または速度が低下しない期間であり、これは冷却期間の平均速度よりも顕著に低く、少なくとも5分の1である。混合物をたとえば80℃から10℃/hの速度で60℃まで冷却し、かつ次いでさらに1時間、たとえば1℃/hの速度で冷却する場合、この第二の期間は平坦域とよばれる。この用語は混合物を濾過する前にそれ以上温度の低下が生じない場合にも使用される。
1〜20℃/hの速度で温度が低下する温度傾斜を使用して、工程cvii)の結晶化を温度の低下により誘導することが有利である。5〜10℃の速度で温度が低下する温度傾斜を使用して工程cvii)における結晶化を誘導することはさらに有利である。
方法を早めるか、かつ/または結晶の大きさ、形および/または変態を調節するために種結晶を使用することは、本発明の範囲内であり、かつ有利な実施態様を形成する。
上記の方法は、連続的な方法としても、別々の工程を有する方法としても実施することができる。このような場合、これらの工程のそれぞれは、回分式または半回分式の方法として実施することも、連続的な方法として実施することもできる。反応は有利には通常の条件下で、つまり雰囲気圧で実施することができるが、しかし正圧も方法において可能である。蒸留工程の間、正圧ならびに雰囲気圧を使用することができるが、しかし減圧下での蒸留が有利である。反応の間の温度はその他の記載がない限り、一般に−40℃〜200℃、特に−10℃〜100℃である。任意の工程で不活性ガスを使用して、生成物を保護するか、または蒸留を補助してもよい。
本発明は、上記の方法により製造することができる化合物および当然のことながら、上記の方法により製造された化合物にも関する。これは化合物が2種類以上の異なった出発材料を使用して反応を実施することにより製造されたか、または2以上の反応、つまり2種類以上の異なった出発材料のそれぞれを単独で用いた反応を実施することによって製造されたか、および次いで最終生成物を混合したかとは無関係にこのような化合物の混合物も含む。
本発明は、式IまたはII
Figure 0005124451
[式中、Rはアルキル、アルカリールまたはアリールであり、「アルキル」は、線状、分枝鎖状および環式のアルキルを含む]により記載される化合物に関する。
上記の式IまたはII中のRがアルキルである化合物が有利であり、Rが分枝鎖状のアルキルである化合物はさらに有利であり、式中でRが飽和のアルキルである化合物は一段と有利である。最も有利であるのは、Rが分枝鎖状の飽和アルキルである化合物である。有利な化合物は、式中でRが9〜24個の炭素原子を有する、たとえば9個、10個、11個、12個、13個〜24個の炭素原子を有する、有利には12〜20個の炭素原子を有し、かつさらに有利には12〜18個の炭素原子を有する上記の式IまたはIIの一つである。より具体的にはRは、有利には9〜24個の炭素原子を有する分枝鎖状のアルキル基であるか、11〜24個の炭素原子を有する線状のアルキル基である。上記の式IまたはII中のRが、9〜18個の炭素原子を有する分枝鎖状のアルキル基であるか、または11〜18個の炭素原子を有する線状のアルキル基である化合物が一段と有利である。
従って、式中でRが、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシルおよびイソペンタデシルからなる群から選択される上記の化合物が、本発明の有利な実施態様を形成する。また、式中でRが2−ブチルオクチル、トリデカニル、2−プロピルヘプチル、2−ペンチルノナニル、2−ヘキシルデシル、イソ−トリデシルおよびイソ−ペンタデシルからなる群から選択される化合物が、本発明の特に有利な実施態様を形成する。もっとも有利であるのは、式中でRが2−ブチルオクチルである化合物である。
出願人は、本発明による有機触媒のR1成分を適切に選択することによって、改善された酵素相容性が生じることを見いだした。理論に束縛されるわけではないが、出願人は、これは前記のとおり、R1成分を適切に選択した結果として水性環境中の触媒の有利な区分化(partitioning)に基づいていると考える。
本発明の1実施態様では、本発明による有機触媒は、70以上、または80以上の酵素相容性の値を有する。
これらの化合物は、あらゆる種類のクリーニング用組成物における成分として使用することができ、クリーニング用組成物とは、顆粒状または粉末状の、多目的洗剤または「ヘビーデューティー」洗剤、特にランドリー用の洗剤、液状、ゲル状またはペースト状の多目的洗剤、特にいわゆるヘビーデューディー液体タイプ、液状のデリケート繊維洗い用洗剤、手洗い用洗剤、食器洗い用洗剤、またはライトデューティー食器洗い用洗剤、特に高起泡タイプの洗剤、食器洗い機用洗剤(家庭用および工業用の錠剤、顆粒、液体およびすすぎ助剤タイプのものを含む)、液状の洗浄剤および殺菌剤(抗菌手洗い用洗浄剤タイプを含む)、ランドリー・バー、マウスウォッシュ、義歯洗浄剤、自動車用もしくはカーペット用シャンプー、浴室洗浄剤、ヘアシャンプーおよびヘアリンス、シャワージェルおよびバブルバス用入浴剤および金属洗浄剤、ならびに洗浄助剤、たとえば漂白添加剤および「シミ取りスティック」または前処理タイプのものを含む。
意外にも、本発明の化合物は、クリーニング用組成物中で使用する場合に、より良好な低水温漂白性能につながることが判明した。これに加えて、良好な酵素相容性の予想外の効果が判明した。クリーニング用組成物中で使用される一般的な酵素は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼおよびアミラーゼ、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
クリーニング用組成物は有利には、たとえばランドリー用の適用、硬質表面洗浄、自動食器洗い機の適用、ならびに化粧品調製物、たとえば義歯、歯、毛髪および皮膚において使用することができる。しかし、低い温度での溶液における効率の改善および優れた酵素相容性の両方の独特の利点に基づいて、本発明による有機触媒は、ランドリー用の適用、たとえば漂白剤を含有する洗剤またはランドリー用漂白添加剤の使用を通じて、繊維を漂白する適用のために理想的に好適である。さらに、本発明の有機触媒は、顆粒状および液状組成物において使用することができる。
本発明の有機触媒は、クリーニング用添加剤製品中で使用することもできる。本発明の有機触媒を含有するクリーニング用添加剤製品は、付加的な漂白効果が所望される場合には、洗浄工程に含むために理想的に適切である。このような事例は、低温の溶液での洗浄の適用を含むが、これに限定されない。添加剤製品は、最も簡単な形では、本発明による有機触媒であってよい。有利には該添加剤は、過酸化水素の供給源が使用され、かつ漂白効果の増大が所望されている場合には、洗浄工程に添加するために計量された形に包装されていてもよい。このような単一の計量形は、ピル、タブレット、ゲルキャップまたはその他の単一の供給形、たとえば予め計量された粉末または液体を含む。このような組成物の体積を増やすために増量剤またはキャリア材料が含有されていてもよい。適切な増量剤またはキャリア材料は、硫酸、炭酸およびケイ酸の種々の塩、ならびにタルク、クレー等を含むが、これらに限定されない。液状組成物のための増量剤またはキャリア材料は、水または低分子量の第一級および第二級アルコールであってよく、多価アルコールおよびジオールも含まれる。このようなアルコールの例は、メタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールを含むが、これらに限定されない。組成物はこのような材料を約5%〜約90%含有する。酸性の増量剤は、pH値を低下させるために使用することができる。あるいは、クリーニング用添加剤は、以下に定義する活性化された過酸化水素供給源、または以下に完全に定義される添加剤成分を含有していてもよい。
本発明によるクリーニング用組成物および洗浄添加剤は、触媒有効量の本発明による有機触媒を必要とする。このような触媒の必要とされる水準は、本発明による有機触媒の2種類以上を添加することによって達成されてもよい。実地では、ここでいう組成物および洗浄方法は、洗浄液中で本発明による有機触媒が、少なくとも0.001ppm、約0.001ppm〜約500ppm、約0.005ppm〜約150ppm、または約0.05ppm〜約50ppmの範囲で提供されるように調整することができるが、これらに限定されない。洗浄液中でこのような水準を得るために、ここで一般的な組成は、クリーニング用組成物の質量に対して、有機触媒約0.0002%〜約5%、または約0.001%〜約1.5%である。
本発明による有機触媒を顆粒状の組成物中で使用する場合、本発明による有機触媒は、本発明による有機触媒が貯蔵中の湿分および/または顆粒状組成物のその他の成分から保護されるよう、封入された粒子の形であってよい。さらに、封入は、洗浄工程中の本発明による有機触媒の利用性を制御するための1手段でもあり、かつ本発明による有機触媒の漂白性能を強化する。この観点で、本発明による有機触媒は、従来技術から公知の封入材料により封入されていてもよい。
封入材料は一般に、本発明による有機触媒の少なくとも一部を、有利には全部を封入する。一般に封入材料は水溶性であるか、かつ/または水分散性である。封入材料は、0℃より高いガラス転移温度(Tg)を有していてよい。
封入材料は有利には炭水化物、天然もしくは合成のゴム、キチンおよびキトサン、セルロースおよびセルロース誘導体、珪酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、パラフィンワックスおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される。有利には封入材料は炭水化物であり、一般に単糖類、オリゴ糖類、多糖類およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。最も有利には、封入材料はデンプンである。有利なデンプンは、EP0922499、US4,977,252、US5,354,559およびUS5,935,826に記載されている。
封入材料は、プラスチック、たとえば熱可塑性樹脂、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルおよびこれらの混合物からなる微小球であってよい。使用することができる市販の微小球は、Expancel(スエーデン、Stockviksverken在)から、Expancel(登録商標)の名称で供給されている微小球、およびPQ Corp.(米国ペンシルバニア、Valley Forge在)から、PM6545、PM6550、PM7220、PM7228、Extendospheres(登録商標)、Luxsil(登録商標)、Q−cel(登録商標)およびSphericel(登録商標)の商品名で供給されている微小球である。
本発明のクリーニング用組成物は、有利には、水性の洗浄操作において使用される間に、洗浄水が約6.5〜約11のpH値、または約7.5〜10.5のpH値を有するように調整されている。液状の食器洗い用洗浄剤調製物は、約6.8〜約9.0のpH値を有していてよい。ランドリー用の製品は一般に約9〜約11のpH値を有している。pH値を推奨される使用水準に制御するための技術は、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用を含み、これらは当業者に周知である。
添加剤材料
本発明の目的にとって本質的ではないが、以下に記載する添加剤の非限定的な列挙は、本発明の組成物において使用するために適切であり、かつ本発明の特定の実施態様において、たとえば洗浄性能を補助または強化するため、被洗浄物を処理するため、または香水、着色剤、染料などの場合のように、クリーニング用組成物の美観を変えるために配合されることは望ましい。これらの添加剤成分の正確な性質、およびその配合の水準は、組成物の物理的な形状および組成物が使用される洗浄操作の性質に依存する。適切な添加剤材料は、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、色移り防止剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒材料、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、前成形された過酸、ポリマー分散剤、ソイル・リリース剤/再汚染防止剤、増白剤、起泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、繊維柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ剤、加工助剤、溶剤および/または顔料を含むが、これらに限定されない。以下の開示に加えて、このようなその他の添加剤の適切な例および使用の水準は、US特許第5,576,282、同第6,306,812B1および同第6,326,348B1に記載されており、これらを引用することによりここに取り入れる。
クリーニング用組成物は、任意の適切な形状に配合することができ、かつ配合する人により選択される任意の方法で調製することができ、その非限定的な例は、本願の実施例およびUS5,879,584、US5,691,297、US5,574,005、US5,569,645、US5,565,422、US5,516,448、US5,489,392、US5,486,303に記載されており、これらの文献を全て引用することによりここに取り入れる。
有機触媒/酵素相容性試験:
以下に記載する試験は、酵素に対する有機触媒の影響を測定するためにα−アミラーゼの活性アッセイを使用する。
装置:α415nmを測定できるUV/Vis分光光度計。40℃が可能な加熱される電磁攪拌機、5mlのルアー・ロック注射器およびフィルター(Acrodisc 0.45μm)、pH測定装置、およびはかり(4点分析)。
反応試薬:Merck Amylase Kit(Merck Eurolab、Cat.番号1.19718.0001)、Trizma Base(Sigma Cat#T−1503、または同等物)、塩化カルシウム二水和物(Sigma Cat#C−5080、または同等物)、チオ硫酸ナトリウム五水和物(Sigma Cat#S−6672または同等物)、塩酸(VWR Cat#JT9535−0、または同等物)、硬度溶液(CTC Group、3.00gr/ccまたは同等物)、過炭酸ナトリウム、過酢酸(Aldrich、Cat#26933−6または同等物)、アミラーゼ酵素、Termamyl、NatalaseおよびDuramyl(Novozymes、デンマーク)、酵素、有機触媒または漂白剤を含有しない顆粒状洗剤マトリックス。
1.)溶液調製物:以下のものを調製:
a)TRISアッセイ緩衝液、0.1MのTRIS緩衝液1リットル、チオ硫酸ナトリウム0.5%(w/v)、塩化カルシウム0.11%(w/v)、pH8.3を準備、
b)ブランクの洗剤溶液。H22 250ppm(過炭酸塩0.77gm)および硬度10gpg(硬度880Ul)の脱イオン水(W/V)中の酵素0.5%と、漂白剤不含の顆粒状洗剤製品を1リットル準備。
c)Termamyl、DuramylおよびNatalaseストック。TRIS緩衝液1mlあたり、活性なTermamyl0.1633mg、TRIS緩衝液1mlあたり活性なNatalase 0.1159mg、およびTRIS緩衝液1mlあたり、活性なDuramyl0.1596mgの溶液をそれぞれ100ml製造。
d)有機触媒ストック。μmのメタノール溶液中500ppmを製造。
e)過酢酸ストック。脱イオン水中3955ppmの過酢酸溶液を製造。
f)Amylase反応試薬。Merckのキットの指示書に従い、flacon3を使用して、flacon(容器)1および2を製造し、かつ引き続きflacon1および2を混合して、アミラーゼ活性の分析において使用される最終的な反応試薬を製造。
2.)試料の分析:
a.)酵素のみを用いた試料の分析:ブランクの洗剤溶液100mlを、150mlのビーカーに添加する。該ビーカーを加熱される攪拌プレート上に設置し、かつ攪拌しながら温度を40℃にする。酵素ストックYμlを、ビーカーに添加するが、Yは、Duramylの場合、612μlであり、Termamylの場合、306μlであり、Natalaseの場合、918μlである。問題の酵素のみをスパイクする。試料を1分間攪拌する。タイマーを開始し7分45秒で試料を取り出し、かつ0.45μmシリンジフィルター(5mlシリンジ)を使用して濾過する。濾過された試料6μlを、キュベット中でアミラーゼ反応試薬250μlと混合し、かつ該キュベットをUV/VIS分光光度計に設置し、かつ415nmでの吸光度の変化をモニタリングする。それぞれの酵素に関して1.0の吸光度を読み取るために必要とされる、最も近い秒での時間の長さ(tE)を測定する。それぞれの酵素のtEを、以下の工程2.)b.)および2.)c.)で使用する。
b.)酵素および過酢酸のみを用いた試料の分析。工程2.)a.)に従うが、ただし、酵素を添加した後に、溶液を1分間攪拌し、次いで過酢酸ストック127μlを添加し、かつタイマーを開始した。試料を工程2.)a.)と同様に7分45秒の時点で取り出す。試料および反応試薬を混合した後で、それぞれの酵素に関するtEでの吸光度を記録する。この吸光度をAbと記載する。
c.)酵素、過酢酸、および有機触媒を用いた試料の分析。工程2.)a.)に従うが、ただし酵素を添加した後で、溶液を1分間攪拌し、次いで、過酢酸ストック127μlおよび有機触媒ストック100μlを添加し、かつタイマーを開始した。工程2.)a.)と同様に、試料を7分45秒の時点で取り出す。試料および反応試薬を混合した後に、tEでの吸光度をそれぞれの酵素に関して記録する。この吸光度をAcと記載する。
3.)酵素相容性の値(EVC)の計算
a.)それぞれの特定の酵素に関するEVCの計算:termamyl(ECVter)、duramyl(ECVdur)およびnatalase(ECVnat)。全ての特定の酵素に関するECVは、(Ac/Ab)×100であり、この式でAbおよびAcは、それぞれ工程2.)b.)および2.)c.)で測定された酵素に関する値である。
b.)所定の有機触媒に関するECVは、3つの酵素に関する個々のECV値の平均値である。従って、ECV=(ECVter+ECVdur+ECVnat)/3となる。
より良好な理解のために、以下の例により本発明を詳細に説明するが、これらの例は、請求の範囲に記載されている本発明の範囲を限定するものとして理解すべきではない。
実施例:
実施例を一般的な3つのセクションに分割する:
セクション1(例1〜12)は異なった生成物に焦点を当てた異なった物質の合成に関し、
セクション2(例13〜56)はむしろ異なった合成経路に関するものであり、
セクション3(例57)は本発明の有機触媒/酵素相容性試験により試験した場合の化合物の特性を示す。
その他の記載がない限り、材料はAldrich(P.O.Box2060、Milwaukee、WI53201、USA)から入手可能である。例1〜12では、溶剤のアセトニトリルを、1,2−ジクロロエタンを含むその他の溶剤と交換することができるが、溶剤はこれに限定されない。
セクション1:
例1:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−プロピルヘプチルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩
2−プロピルヘプチルグリシジルエーテルの製造:
火炎により乾燥させた、付加的な漏斗を備え、エピクロロヒドリン(15.62g、0.17モル)が装入された500mlの丸底フラスコに、2−プロピルヘプタノール(Pfaltz&Bauer、Inc.172E.Aurora Street、Waterbury CT、06708、USA)(20g、0.127モル)および塩化スズ(0.20g、0.001モル)を添加した。反応をアルゴン雰囲気下に維持し、かつ油浴を用いて90℃に加温した。攪拌される溶液に60分間にわたってエピクロロヒドリンを滴加し、引き続き90℃で18時間攪拌する。反応に真空蒸留装置を設置し、かつ1−クロロ−3−(2−プロピル−ヘプチルオキシ)−プロパン−2−オールを90℃〜>95℃の温度範囲で、0.2mmのHg下に蒸留した。Wt=22.1g。1−クロロ−3−(2−プロピル−ヘプチルオキシ)−プロパン−2−オール(5.0g、0.020モル)をテトラヒドロフラン(50ml)中に溶解し、かつ室温でアルゴン雰囲気下に攪拌した。攪拌される溶液に、カリウムt−ブトキシド(2.52g、0.022モル)を添加し、かつ懸濁液を室温で18時間攪拌した。次いで反応を蒸発させて乾燥させ、ヘキサン中に残留物を溶解させ、かつ水(100ml)で洗浄した。ヘキサン相を分離し、Na2SO4により乾燥させ、濾過し、かつ蒸発させて乾燥して、粗2−プロピルヘプチルグリシジルエーテルが得られ、これをさらに真空蒸留により精製することができる。
硫酸モノ[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−プロピルヘプチル−オキシメチル)−エチル]エステル分子内塩の製造
火炎で乾燥させ、凝縮器、乾燥アルゴン供給部、電磁攪拌棒、温度計および加熱浴を備えた250mlの三口丸底フラスコに、3,4−ジヒドロ−イソキノリン(0.38モル、US5,576,282の例に記載されているとおりに製造)、2−プロピルヘプチルグリシジルエーテル(0.38モル、上記のとおりに製造)、SO3−DMF錯体(0.38モル)およびアセトニトリル(500ml)を添加した。反応を80℃に加熱し、かつこの温度で72時間攪拌した。反応を室温に冷却し、蒸発させて乾燥させ、かつ残留物を酢酸エチルおよび/またはエタノールから再結晶させて、所望の生成物が得られた。
例2:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−ブチル−オクチルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールを2−ブチルオクタノールに代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例3:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−ペンチル−ノニルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールを2−ペンチルノナノール(Pfaltz&Bauer、Inc.Wayerbury、CT06708から入手)に代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例4:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−ヘキシル−デシルオキシ−メチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールを、2−ヘキシルデカノールに代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例5:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(ドデシルオキシ−メチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールをn−ドデカノールに代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例6:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(テトラデシルオキシ−メチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールをn−テトラデカノールに代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例7:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−ヘキシル−デシルオキシ−メチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールをn−ヘキシルデカノールに代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例8:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(オクタデシルオキシ−メチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールをn−オクタデカノールに代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例9:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(イソ−ノニルオキシ−メチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールをイソ−ノナノール(Exxon Mobile Chemical、Houston、Texas USAから得られたExal9)に代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例10:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(イソ−デシルオキシ−メチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールをイソ−デカノール(City Chemicals LLC、West Haven、Connecticut USAから入手)に代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例11:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(イソ−トリデシルオキシ−メチル)−エチル]エステル分子内塩の製造:
2−プロピルヘプタノールをイソ−トリデカノール(BASF Corporation、Mount Olive、New Jersey USAから入手)に代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
例12:
硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(イソ−トリデシルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩と、硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2−イル)−1−(イソ−ペンタデシルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩の同時の製造:
2−プロピルヘプタノールを異性体のトリデカノール〜ペンタデカノールの混合物(BASF Corporation、Mount Olive、New Jersey USA)に代えて、例1に記載されているとおりに所望の生成物を製造した。
セクション2:
例13:
Figure 0005124451
の合成:
手順:
3,4−ジヒドロイソキノリン(94.94%の等級のもの550g、ジヒドロイソキノリン3.98ミリモル、1.0当量、イソキノリン0.146ミリモル)を、ジクロロエタン2970g中に溶解した。SO3(1365.6g、4.54ミリモル、1.1当量)を30〜34℃で258分以内に添加した。黄色の固体が形成された。懸濁液をさらに30℃で30分間攪拌した。2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテル(814g、99.15%、4.33ミリモル、1.05当量、Raschig社)を、30℃で30分以内に添加した。最初の30〜40mlを添加する際に、わずかな実熱量が検出された(最大温度=34℃)。懸濁液を還流下に18時間加熱し、その際、90℃の浴温度を使用し、かつ84℃の温度が懸濁液中で測定された。SO3の過剰を捕捉するために、ジヒドロイソキノリン65gを、反応が終了した後で添加した。
ジクロロエタンを850〜700ミリバールおよび容器の温度70〜80℃で留去した。ジクロロエタン約800mlをストリッピングした後に、高粘性組成物が存在していた。この黄褐色の懸濁液にエタノール(580ml)を添加し、かつ懸濁液を再度、蒸留した。蒸留を500ミリバールの圧力および60〜75℃の温度で実施した。1080.3gをストリッピングした後に、再びエタノール580mlを添加し、かつ懸濁液を再度、同一の条件下に蒸留した。今回のストリッピングは707.3gであった。この懸濁液にエタノール1650gを添加し、かつ沈殿していた固体を78℃で溶解した。次いで、混合物を60℃に冷却した。この温度で、生成物が沈殿した。懸濁液を温度60℃で1時間攪拌した(275〜300rpm)。次いで5℃/時の冷却速度で40℃まで冷却し、かつさらに10℃/時の冷却速度で0℃まで冷却した。懸濁液を0℃で一夜、攪拌し、その際、攪拌の出力は0.5W/lであり、実質的に容器の上部では攪拌は行われなかった。懸濁液を吸引し(濾過の時間は約500秒)、かつフィルターケーキを冷エタノールで2回(そのつど900ml)、洗浄した。濾過の時間はそのつど15分であった。直径87mmを有するフィルターケーキを50℃および20ミリバールで3日間乾燥させた。純度95.5%を有する淡褐色の固体1218.5g(理論値の74.3%)が得られた。
例14:
Figure 0005124451
の合成:
手順:
1)2−プロピルヘプチルグリシジルエーテル(PHGE)
2lの丸底フラスコ中に、2−プロピルヘプタノール(316g、2モル、1.0当量)、水酸化ナトリウム水溶液(水中50%、760g、9.5モル、4.75当量)およびジメチルシクロヘキシルアミン(1.7g、1250ppm)を攪拌し(300rpm)、かつ50℃に加熱した。エピクロロヒドリン(280g、237ml、3モル、1.5当量)を1時間で滴加した。得られる混合物を50℃で5時間攪拌し、水(714g)を添加し、かつ相を分離した(粗生成物は、約3%の2−プロピルヘプタノール、約78%の2−プロピルヘプチルグリシジルエーテルおよび高沸点副生物を含有している。ガスクロマトグラフィーによる)。有機相を蒸留した(Vigreux30cm、75〜85℃、0.3〜0.5ミリバール):
フラクション(A):65〜75℃、127g(PHGE81%)、
フラクション(B):77℃、172g(PHGE96%)。
2)硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−プロピル−ヘプチルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩
3,4−ジヒドロイソキノリン−三酸化硫黄錯体(2.96g、14ミリモル、1.0当量、三酸化硫黄をジヒドロイソキノリンに添加することにより製造)を、撹拌下に30℃でジオキサン(14ml)中に溶解した。15分で蒸留された2−プロピルヘプチルグリシジルエーテル(3.2g、14ミリモル、純度96%)を30℃で添加した。懸濁液を95℃に加熱し、かつ19時間攪拌した。
溶液を酢酸エチル(20ml)で処理し、かつ1時間で39℃に冷却し、その後の1時間で0℃に冷却し、かつその後、0℃で1時間攪拌した。得られる結晶を濾別し(90ミリバールで排気)、酢酸エチルで洗浄し(2×5ml、5℃)、かつ0.5時間、90ミリバールで排気した。真空下に50℃で12時間乾燥させた後に、所望の生成物が得られた(3.2g、収率52%)。
例15:
Figure 0005124451
の合成:
手順:
温度30℃を有する、ジクロロエタン1707gおよび3,4−ジヒドロイソキノリン315g(94.9%、イソキノリンを3.8%含有)の溶液に、2時間でSO3を210g添加し、その結果、温度は30℃から31℃に上昇した。添加後に混合物を30℃の温度でさらに30分間攪拌した。15分以内に、2−ブチルオクチルグリシジルエーテル604g(97.6%)を添加し、かつ混合物を84℃に加熱した。18時間攪拌した後で、過剰のSO3を、3,4−ジヒドロイソキノリン(5.0%のイソキノリンを含有する93.6%の化合物)を使用して捕捉した。ジクロロエタン897gをストリッピングし、エタノール333gを添加し、かつ再び溶剤359gを74℃でストリッピングした。再びエタノール333gを添加し、かつさらに溶剤132gを74℃でストリッピングした。さらにエタノール(948g)を添加した後に、混合物を78℃に加熱し、その際、清澄な褐色の溶液が得られた。この溶液を10分で70℃に冷却し、その後の15分以内に温度を62℃に低下させ、次いでその後の15分以内に温度を51℃に低下させ、かつ最後に8分以内に温度を46℃に低下させたことにより、結晶化が開始された。その後から、溶液を1時間以内に0℃に冷却した。0℃で1時間攪拌した後に、結晶を吸引し、かつ冷エタノール(2×516g)で洗浄した。真空下に50℃で乾燥させることにより、淡ベージュ色の結晶が得られ(796.1g、純度97.5%、理論値の73.4%)、これは所望の生成物であることが判明した。
例16:
例4は、モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−ブチル−オクチルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩を得るための別の合成経路を示している。
手順:
1)N−ホルミル−N−(2−フェニルエチル)アミン
2−フェニルエチルアミン(500g、4.085モル)を含有する1lの丸底フラスコに、氷冷下に20〜25℃で60分間でギ酸メチル(303g、4.902モル)を滴加した。20〜25℃で30分間攪拌した後に、反応は、>95%の反応率を示した。ギ酸メチルのわずかな過剰を真空下(1ミリバール)に60℃で除去し、粗生成物(606g)が得られ、これを蒸留した(約0.5ミリバールで126〜133℃)。
フラクション(A):75〜127℃、43g(N−ホルミル−N−(2−フェニルエチル)アミン51.7%)、
フラクション(B):126〜135℃、555g(N−ホルミル−N−(2−フェニルエチル)アミン99.3%)。
2)ジヒドロイソキノリン
ポリリン酸(4.42kg)を、撹拌下で80℃に加熱し、かつP25(0.69kg)と混合した。170℃に加熱し、かつこの温度で1時間攪拌した後に、N−ホルミル−N−(2−フェニルエチル)アミン(1.32kg、8.84モル)を30分で添加した。170℃で4時間攪拌した後に、反応を80℃に冷却し、かつ水中の水酸化カリウムの20%溶液(24.75kg)と慎重に混合して、pH7〜8が生じた。粗混合物を60℃でトルエンを用いて抽出した(4×4.4l)。合した有機相をNa2SO4上で乾燥させ、ここからトルエンを真空下(1ミリバール)に60℃で除去して、ジヒドロイソキノリンが得られた(1.0kg、収率85%、ガスクロマトグラフィーによる純度99.9%)。
3)硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−ブチル−オクチルオキシメチル)−エチル]エスエル分子内塩
750mlのミニプラント容器中で、蒸留された3,4−ジヒドロイソキノリン(49.85g、0.380モル、1.0当量、ガスクロマトグラフィーによる純度はジヒドロイソキノリン99.9%)を撹拌下(400rpm)に30℃でジクロロエタン(285g)中に溶解した。2時間で新鮮に蒸留された三酸化硫黄(33.47g、17.7ml、0.418モル、1.10当量、0.6質量%のホウ酸で安定化された発煙硫酸から蒸留)を30〜34℃で滴加し、かつその後、30℃で30分間攪拌した。15分間で、蒸留された2−ブチルオクチルグリシジルエーテル(97.04g、0.399モル、純度99.67%)を30℃で添加した。懸濁液を84℃に加熱し、かつ18時間、攪拌した。褐色の溶液に、3,4−ジヒドロイソキノリン(5.06g、0.0386モル、0.12当量、ガスクロマトグラフィーによる純度はジヒドロイソキノリン99.9%)を84℃で添加した。ジクロロエタン(160g)を400ミリバールおよび55℃で除去し、エタノール(56g)を添加し、溶剤混合物(129g)を除去し、エタノール(56g)を添加し、溶剤混合物(57g)を除去し、かつエタノール(156g)を添加した。78℃に加熱した後に、攪拌を低下させ(45rpm)、溶液を1時間で50℃に冷却し、かつ硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−ブチル−オクチルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩(0.5g)で処理し、かつ50℃で1時間攪拌し、次いでその後の1時間で0℃に冷却し、かつその後、0℃で1時間攪拌した。得られる結晶を濾別し(90ミリバールで排気)、冷エタノールで洗浄し(2×86g、5℃)、かつ90ミリバールで0.5時間、排気した。真空下に50℃で12時間乾燥させた後に、所望の生成物が得られた(135.35g、収率78.1%)。
例17:
Figure 0005124451
の合成:
手順:
1)トリデシルグリシジルエーテル(TDGE)
2lの丸底フラスコ中で、イソトリデカノール(500g、2.5モル、1.0当量)、水酸化ナトリウム水溶液(水中50%、950g、11.87モル、4.75当量)およびジメチルシクロヘキシルアミン(2.0g、1250ppm)を攪拌し(300rpm)、かつ50℃に加熱した。エピクロロヒドリン(350g、297ml、3.75モル、1.5当量)を1時間で滴加した。得られる混合物を50℃で5時間攪拌し、水(1250g)を添加し、かつ相を分離した(粗生成物は、約3%の2−プロピルヘプタノール、約78%の2−プロピルヘプチルグリシジルエーテルおよび高沸点副生物を含有している。ガスクロマトグラフィーによる)。有機相を蒸留した(Vigreux 30cm、85〜115℃、0.3〜0.5ミリバール):
フラクション(A):87〜108℃、255g(TDGE89%)、
フラクション(B):108〜113℃、253g(TDGE>99%)。
2)硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(イソトリデシルオキシメチル)−エチル]エステル分子内塩
3,4−ジヒドロイソキノリン−三酸化硫黄錯体(62.5g、296ミリモル、1.0当量、三酸化硫黄をジヒドロイソキノリンに添加することにより製造)を、撹拌下に30℃でジオキサン(261ml)中に溶解した。15分で、蒸留したイソトリデシルグリシジルエーテル(83.5g、326ミリモル、純度>99%)を30℃で添加した。懸濁液を95℃に加熱し、かつ17時間攪拌した。
溶液を酢酸エチル(390ml)で処理し、かつ1時間で39℃に冷却し、その後の1時間で0℃に冷却し、かつその後、0℃で1時間攪拌した。得られる結晶を濾別し(90ミリバールで排気)、酢酸エチルで洗浄し(1×140ml、5℃)、かつ90ミリバールで0.5時間排気した。真空下に50℃で12時間乾燥した後に、所望の生成物が得られた(91.1g、収率62%)。
例18〜37:
以下の反応工程も変動した:
Figure 0005124451
条件および結果は以下の第1表に記載されている:
Figure 0005124451
例38〜56:
以下の反応工程もまた、更なる実験の対象であり、これらは以下の第2表にまとめられている:
Figure 0005124451
Figure 0005124451
セクション3:
例57:
以下に列挙されている有機触媒を、本発明の有機触媒/酵素相容性試験に従って、[過酢酸]=5.0ppm、[有機触媒]=0.5ppmを使用して試験し、かつ以下の結果が得られた。
Figure 0005124451
本発明の特定の実施態様を説明し、記載したが、種々のその他の変更および修正は、本発明の思想および範囲を逸脱することなく行うことができることは当業者に自明であろう。従って添付されている請求の範囲ではこのような変更および修正は全て本発明の範囲内であることが包含されることが意図されている。

Claims (12)

  1. 以下の工程:
    a)イソキノリンからジヒドロイソキノリンを製造する工程
    ax)場合によりビシュラー・ナピラルスキー反応によりジヒドロイソキノリンを製造する工程
    ay)場合によりピクテ・シュペングラー反応によりジヒドロイソキノリンを製造する工程
    b)場合によりアルコールとエピクロロヒドリンとからグリシジルエーテルを製造する工程
    c)前記ジヒドロイソキノリンとSO3および前記グリシジルエーテルとを反応させる工程
    の少なくとも1つを有し、工程a)でジヒドロイソキノリンを、
    ai)イソキノリンを還元してテトラヒドロイソキノリンを得る工程および
    aii)前記テトラヒドロイソキノリンを酸化してジヒドロイソキノリンを得る工程
    により製造する、
    式I
    Figure 0005124451
    [式中、Rは、2−ブチルオクチル及びトリデカニルからなる群から選択されている]の化合物の製造方法。
  2. 工程a)がさらに
    aiii)aii)で得られたジヒドロイソキノリンを有機溶剤により抽出する工程および
    aiv)工程aiii)で得られた生成物を蒸留する工程
    を有する、請求項1記載の方法。
  3. 工程b)でグリシジルエーテルを、
    bia)エピクロロヒドリンをルイス酸触媒の存在下にアルコールに添加し、かつ引き続き得られたクロロヒドリンとNaOHおよび/またはKOHとを反応させる工程または
    bib)エピクロロヒドリンとアルコールとを相間移動触媒の存在下にNaOHおよび/またはKOHと共に反応させる工程
    により製造する、請求項1記載の方法。
  4. 工程bia)および/またはbib)で得られたグリシジルエーテルを、蒸留により精製する、請求項3記載の方法。
  5. 工程c)が、以下の工程:
    ci)ジヒドロイソキノリンを溶剤中に溶解する工程
    cii)SO3をci)で得られた溶液に添加する工程
    ciii)グリシジルエーテルをcii)で得られた溶液に添加する工程
    civ)ciii)で得られた混合物を加熱する工程
    cv)ciii)またはciv)で得られた混合物中の残りのSO3をクエンチングする工程
    cvi)ciii)、civ)またはcv)で得られた混合物の溶剤の大部分を交換する工程
    cvii)結晶化を誘導する工程
    cviii)cvii)で得られた混合物から結晶を濾別する工程
    cix)cviii)で得られた結晶を精製する工程
    cx)cviii)またはcix)で得られた結晶を乾燥する工程
    の少なくとも1つを有する、請求項1記載の方法。
  6. α)工程ci)の溶剤が、SO3に関して不活性である、および/または
    β)工程cii)のSO3を、ジヒドロイソキノリンに関して過剰で使用する、および/または
    χ)工程cii)を、0℃以上の温度で行う、および/または
    δ)工程ciii)のグリシジルエーテルを、ジヒドロイソキノリンに関して過剰で使用する、および/または
    ε)工程ciii)を、0℃以上の温度で行う、および/または
    φ)工程cii)のSO3を、ジヒドロイソキノリンに関して、工程ciii)のグリシジルエーテルよりも大きな過剰で使用する、および/または
    γ)工程civ)における加熱を還流下で実施する、および/または
    η)工程cv)におけるクエンチングを、塩基の使用下で実施する、および/または
    ηa)η)で使用される塩基の量が、SO3の過剰と正確に一致するか、またはSO3の過剰を越える、および/または
    ι)工程cv)の混合物の溶剤の少なくとも50%が交換される、および/または
    ψ)工程cvi)で添加される溶剤が、
    アルコール
    アルコールの混合物または
    1種以上のアルコールと、1種以上の極性非プロトン性溶剤との混合物
    である、および/または
    κ)工程cvii)の結晶化が、0、1またはそれ以上の平坦域を有する温度傾斜を使用して温度を低下させることにより誘導される、および/または
    λ)工程cvii)の結晶化が、1〜20℃/hの速度で温度が低下する温度傾斜を使用して温度を低下させることにより誘導される
    請求項5記載の方法。
  7. α′)工程ci)の溶剤が、ジクロロエタンまたはジオキサンまたはジクロロエタンとジオキサンとの混合物である、および/または
    β′)工程cii)のSO3が、ジヒドロイソキノリン1モルあたり1.05〜1.15モルの量で使用される、および/または
    χ′)工程cii)を、29℃以上の温度で行う、および/または
    δ′)工程ciii)のグリシジルエーテルを、ジヒドロイソキノリン1モルあたり1.01〜1.1モルの量で使用する、および/または
    ε′)工程cii)を、29℃以上の温度で行う、および/または
    φ′)工程cii)のジヒドロイソキノリンに関するSO3の過剰対工程ciii)のジヒドロイソキノリンに関するグリシジルエーテルの過剰の比が、1.01〜10:1の範囲である、および/または
    γ′)工程civ)の温度が60℃以上である、および/または
    η′)工程cv)のクエンチングを、KOHおよび/またはNaOHおよび/またはアミン塩基を使用して実施する、および/または
    η′a)η′)で使用されるKOHおよび/またはNaOHおよび/またはアミン塩基の量が、SO3の過剰と正確に一致するか、またはSO3の過剰を越える、および/または
    ι′)工程cv)の混合物の溶剤の少なくとも80%を交換する、
    ψ′)工程cvi)で添加されるアルコール溶剤が、EtOH、MeOHまたはiPrOHであり、アルコールの混合物が、EtOH、MeOHまたはiPrOHの少なくとも1つを含有するか、またはアルコールと極性非プロトン性溶剤との混合物が、極性非プロトン性溶剤成分として酢酸エステルを含有する、および/または
    κ′)工程cvii)の結晶化が、3つの平坦域を有する温度傾斜を使用する温度の低下により誘導される、および/または
    λ′)工程cvii)の結晶化が、5〜10℃/hの速度で温度が低下する温度傾斜を使用して温度を低下させることにより誘導される、
    請求項6記載の方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項記載の方法により製造される化合物。
  9. 請求項1から7までのいずれか1項記載の方法により製造された化合物。
  10. 式I
    Figure 0005124451
    [式中、Rは、2−ブチルオクチル及びトリデカニルからなる群から選択されている]の化合物。
  11. 酵素相容性の値が70以上である、請求項8から10までのいずれか1項記載の化合物。
  12. 酵素相容性の値が80以上である、請求項11記載の化合物。
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