JP5124259B2 - 防音床材 - Google Patents
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Description
このような防音床材は、主に軽量床衝撃音を低減することを目的としており、床表面に加わる衝撃音を緩和し、階下に伝わる衝撃音を低減するものである。
上記木質基板の裏面には、施工される面の不陸を吸収するためや防音性能を高めるために、下方に向けて開口する多数の凹溝が形成されている。また、該木質基板の一側端部には、端面から水平方向に向けて雄実部が突設される一方、他側端部には、該雄実部が差し込まれて嵌合する雌実部が形成されており、それら雄実部と雌実部とを水平方向に沿って嵌合させることで連結接続される構成とされている(例えば、下記特許文献1及び特許文献2)。
また、木質系基板に形成された雄実部と雌実部とを嵌合させて連結する構成とされているので、温湿度の変化により木質系基板に伸縮等が生じやすく、施工後に突き上げが生じたり、木質床材同士の連結接合部位に隙間(いわゆる目スキ)が生じたり、床鳴りが生じたりする恐れがあった。
また、上記のように基板を合成樹脂で構成しているので、その両側端部の実部を精度良く形成できる。そのため、防音床材同士の連結部分の表面に段差や隙間が生じ難いものとなり、簡単に連結接続でき、施工性も良く、施工後の意匠性を高めることができる。
また、このものでは、係止爪片の相互の弾発係止によって、防音床材同士の連結接続部分に発生する段差もより効果的に低減できる。すなわち、互いの係止爪片が引っ掛けられて係止することで、防音床材同士の上下動が規制され、連結接続された防音床材間に段差等が生じることを、より効果的に防止できる。
さらに、係止爪片は、実部とともに、合成樹脂の基板と一体成形できるので、容易且つ精度良く形成できる。
図1は、第1実施形態に係る防音床材を模式的に示す概略縦断面図、図2は、同実施形態に係る防音床材を示す概略斜視図である。
尚、以下の各実施形態の説明において示す上下方向は、防音床材が床下地に施工された状態における上下方向を示している。
また、図2においては、防音床材の長手方向に沿う両側端部に実部を構成する雄実部と雌実部とをそれぞれ設けた例を示しており、短手方向に沿う両側端部には、実部を設けていない例を図示しているが、短手方向に沿う両側端部にもそれぞれ雄実部と雌実部とを設けるようにしてもよい。
上記合成樹脂基板2に採用される合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレンや、ABS、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、これら合成樹脂に廃材等から得られる木粉を混入させるようにしてもよい。
雄実部5は、下方に向けて開口するとともに、一側端部2aの長手方向に沿って凹設された嵌合凹溝5bと、該嵌合凹溝5bの外方側に連成され、下方に向けて突設された嵌合凸部5aとを有した断面略鉤形状とされている。
雌実部6は、上方に向けて開口するとともに、他側端部2bの長手方向に沿って凹設された嵌合凹溝6bと、該嵌合凹溝6bの外方側に連成され、上方に向けて突設された嵌合凸部6aとを有した断面略鉤形状とされている。
尚、化粧シート材3の色柄等は、特に限定されないが、本実施形態のように防音床材1の基板を合成樹脂からなる合成樹脂基板2としている場合にも例えば、木目模様の化粧シート材3を貼着することで、従来の木質床材と同様の意匠性が得られる。
図1及び図2では、本実施形態に係る防音床材1を施工する床下地FBとしてコンクリートスラブを例示しており、いわゆるスラブへの直貼り施工の例を示している。
まず、床下地FBの平滑度及び乾燥度が所定の平滑度及び乾燥度となるよう調整し、ウレタン系樹脂接着剤、エポキシ系樹脂接着剤等の接着剤を床下地FBに塗布し、防音床材1の一列目を床下地FBに貼り付ける。
尚、防音床材1を施工する床下地FBとしては、コンクリートスラブに限られず、根太に下張りされた捨て張り合板を床下地FBとしたり、二重床構造の床下地を床下地FBとしたりしてもよい。
また、上記のように合成樹脂基板2とすることで、その一側端部2a及び他側端部2bの雄実部5及び雌実部6を精度良く形成できる。そのため、防音床材1同士の連結部分の表面に段差や隙間が生じ難いものとなり、簡単に連結接続でき、施工性も良く、施工後の意匠性を高めることができる。
また、上記のように、床下地FBに施工する際には、防音床材1を順次、上方から嵌め込んで容易に連結でき、施工性に優れた防音床材1となる。
図3は、第2実施形態に係る防音床材を模式的に示す概略縦断面図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主に合成樹脂基板の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
すなわち、合成樹脂基板2Aの雄実部5Aと雌実部6Aとには、連結接続させた際に相互に弾発係止する係止爪片7,8がそれぞれ形成されている
雄実部5Aの係止爪片7は、下方に向かう先細り状に形成されるとともに、その後端部に係止段差部を形成するようにして、雄実部5Aの嵌合凸部5Aaの内側面下部から突設されている。また、雌実部6Aの係止爪片8は、上方に向かう先細り状に形成されるとともに、その後端部に係止段差部を形成するようにして、雌実部6Aの嵌合凸部6Aaの内側面上部から突設されている。これら係止爪片7,8は略同大に形成されている。
このような互いに弾発係止する係止爪片7,8の形状は、図例のものに限られず、連結接続させる際に互いに隣接する防音床材1Aのそれぞれの雄実部5Aと雌実部6Aとを板厚方向に沿って嵌合させた際に、互いの係止爪片7,8が引っ掛けられて係止することで、それら隣接する合成樹脂基板2Aの上下動を規制するような構成のものであれば、どのような形状としてもよい。
尚、本実施形態に係る防音床材1Aの施工要領は、前記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
また、本実施形態に係る防音床材1Aでは、係止爪片7,8の相互の弾発係止によって、防音床材1A同士の連結接続部分に発生する段差もより効果的に低減できる。すなわち、互いの係止爪片7,8が引っ掛けられて係止することで、防音床材1A同士の上下動が規制され、連結接続された防音床材1A間に段差等が生じることを、より効果的に防止できる。
さらに、係止爪片7,8は、雄実部5A及び雌実部6Aとともに、合成樹脂基板2Aと一体成形できるので、容易且つ精度良く形成できる。
(実施例)
本実施例では、前記第2実施形態と同様の構成の防音床材を用いた。
合成樹脂基板は、ポリプロピレン樹脂で構成し、その厚さは、9.0mmとした。
化粧シート材は、厚さが0.1mmのオレフィン系樹脂化粧シートを用いた。
クッション材は、厚さが5.0mmのポリエチレンテレフタレート樹脂繊維からなる不織布を用いた。
上記合成樹脂基板の表面に上記オレフィン系樹脂化粧シートを接着剤で貼着し、上記合成樹脂基板の裏面に上記不織布を接着剤で貼着して防音床材を成形した。
結果は、LL−45未満となり、床衝撃音遮音等級1級(LL−45)に相当する値となった。
また、防音床材同士の連結接続部分を目視観察した結果、段差や隙間等が形成されておらず、段差や隙間が目立たない結果となった。
以上の結果から本発明を適用した一実施例における防音床材は、その防音性能、及び意匠性にも優れていることが示された。
2,2A 合成樹脂基板
2a,2Aa 基板の一側端部
2b,2Ab 基板の他側端部
2c 基板の表面
2d 基板の裏面
3 化粧シート材
4 クッション材
5,5A 雄実部(実部)
6,6A 雌実部(実部)
7 雄実部の係止爪片
8 雌実部の係止爪片
Claims (1)
- 互いに隣接する防音床材同士を連結接続する際に相互に嵌合される実部を両側端部に有した防音床材であって、
合成樹脂からなる基板の両側端部に前記実部をそれぞれ形成するとともに、該基板の表面には、化粧シート材、該基板の裏面には、クッション材を各々貼着しており、
前記基板の両側端部に設けられた実部は、互いに隣接する防音床材の実部同士が板厚方向に沿って嵌合する構造とされるとともに嵌合された際に相互に弾発係止する係止爪片をそれぞれ形成した構成とされ、これら実部のうちの一方の雄実部は、下向き開口の嵌合凹溝の外方側に設けられた下向きに突出する嵌合凸部の内側面下部に前記係止爪片を設け、該嵌合凸部の外側面下部に、互いの係止爪片が弾発係止する際に、該嵌合凸部の弾性変形を許容するスペースを形成するための傾斜面を設けた構造とされ、これら実部のうちの他方の雌実部は、上向き開口の嵌合凹溝の外方側に設けられた上向きに突出する嵌合凸部の内側面上部に前記係止爪片を設け、該嵌合凸部の外側面上部に、互いの係止爪片が弾発係止する際に、該嵌合凸部の弾性変形を許容するスペースを形成するための傾斜面を設けた構造とされており、
当該防音床材は、互いに隣接する防音床材同士の表面に隙間が形成されないように連結接続される構造とされている防音床材。
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