JP5124096B2 - 清潔空間用ロボットシステム - Google Patents

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Description

本発明は、清潔な雰囲気に保たれる空間で作業を行う清潔空間用ロボットシステムに関する。
従来技術として、清潔な雰囲気空間で用いられる装置として、外科医の外科手術を支援するロボットが外科用マニピュレータとして存在する。このロボットは、ツールと、ツールを保持するアーム体と、アーム体を変位駆動する駆動源とが、清潔な雰囲気空間に全て配置される。たとえば特許文献1には、ロボットのツールが、ツールの滅菌および交換を容易にし得るように、その他の部分から取外すことができることが開示される。
同様に特許文献2にも、ロボットがマニピュレータ装置として開示される。このロボットは、外科医療時にあたって、患者および外科医の近傍に位置するであろう先端部が、残余の部分である中央部に対して取外し可能に形成される。先端部は、中央部から取外された状態で滅菌作業が行われる。
特表2002−530209号公報([0010]段落参照) 特開平6−261911号公報([0024]段落参照)
上述した従来技術では、ロボットのうち、駆動源から取外された先端部を滅菌対象物として滅菌作業が行われる。滅菌方法については、滅菌対象物を高温高圧に保たれたオートクレーブ内に所定時間配置して、滅菌対象物に付着する細胞および微生物を死滅させる高圧高温滅菌方法がある。
従来技術では、ロボット全体が、清潔な雰囲気空間に配置される。したがってロボットのうちで先端部以外の残余の部分についても、微生物が繁殖するおそれがあり、滅菌作業を行うことが好ましい。
しかしながらロボット全体を高圧高温滅菌しようとすると、ロボット全体が入るような大型の滅菌装置が必要となるという問題がある。またロボットのうちで先端部以外の残余の部分、たとえば駆動源についても、高圧滅菌可能な構成にする必要があり、ロボットの製造コストが大きくなってしまう。
またロボットのうちで、先端部以外の残余の部分を他の滅菌方法を用いて滅菌しようとした場合、高圧高温滅菌に比べて、滅菌効果が小さかったり、作業性が低かったりすることが多い。この場合、ロボット全体を充分に滅菌することができず、ロボットに付着した雑菌および微生物が清潔な空間を汚染してしまうという問題がある。
このような問題は、外科医療以外の用途で、清潔な空間に配置される他のロボットであっても同様の問題が生じる。たとえば動植物の組織または細胞を培養する培養システムにおいて用いられるロボットも同様の問題がある。
したがって本発明の目的は、大型の滅菌装置を用いることなく、効果的に滅菌可能なロボットシステムを提供することである。
本発明は、清潔な雰囲気気体で満たされる清潔空間を規定する空間形成壁と、
清潔空間でエンドエフェクタを変位移動する清潔空間用ロボットとを含む清潔空間用ロボットシステムであって、
清潔空間内に配置され、エンドエフェクタを変位駆動する滅菌駆動部と、
清潔空間外に配置される動力伝達部であって、滅菌駆動部が着脱自在に接続され、予め
定める軸線まわりに角変位可能な動力出力端部を有し、動力出力端部を前記予め定める軸線まわりに角変位駆動することで滅菌駆動部に動力を伝達する動力伝達部と、
前記動力出力端部を周方向に覆う外郭部と、
前記動力出力端部が角変位駆動可能な状態を保ち、前記外郭部と前記動力出力端部との間を塞ぐ封止部とを備え
前記空間形成壁には、清潔空間と空間形成壁の外方の空間とを連通する貫通孔が形成され、
前記動力伝達部の前記動力出力端部と前記滅菌駆動部とは、前記貫通孔を介して連結され、
前記外郭部は、前記空間形成壁に固定されていることを特徴とする清潔空間用ロボットシステムである。
本発明に従えば、清潔空間を規定する空間形成壁によって外郭部の外周部分が覆われ、清潔空間内に滅菌駆動部が配置され、清潔空間外に動力伝達部が配置される。この場合、封止部によって外郭部の内側の空間が塞がれるので、外郭部の内側の空間を通過して、動力伝達部が配置される領域から滅菌駆動部が配置される領域に流体が侵入することが防がれる。これによって清潔空間に汚染物質が侵入することが防がれ、清潔空間を清潔に保つことができる。
また清潔空間内に配置される滅菌駆動部が高温高圧滅菌されることで、滅菌駆動部で繁殖する微生物を死滅させることができ、エンドエフェクタだけが滅菌される場合に比べて、清潔空間を清潔に保つことができる。さらに滅菌駆動部は、動力出力端部との接続が解除されて動力伝達部から分離されることで、単体での高温高圧滅菌が可能となる。このように動力伝達部から分離された状態で滅菌駆動部が高温高圧滅菌される場合には、ロボット全体を滅菌する場合に比べて、小形のオートクレーブで高温高圧滅菌を行うことができる。また動力伝達部は、清潔空間外に配置されることで、滅菌される必要がなく、高温高圧滅菌に適した特殊な構造部品を用いる必要がない。
本発明は、滅菌駆動部は、エンドエフェクタが連結されるアーム構成体と、アーム構成体に対して着脱自在に構成されてアーム構成体の表面を覆うカバー体とを有することを特徴とする。
本発明に従えば、アーム構成体からカバー体を取外して、滅菌駆動部を高温高圧滅菌することで、アーム構成体自体を滅菌することができ、滅菌駆動部の内部の滅菌を容易にすることができる。またカバー体を装着した状態で、清潔な空間内でエンドエフェクタを動作させることで、滅菌駆動部の内部空間で微生物が繁殖することを防ぐことができる。またカバー体の内部空間で生じた塵埃が、清潔な空間に飛散することを防ぐことができる。
本発明は、滅菌駆動部は、高温高圧滅菌可能に形成され、エンドエフェクタ駆動時に、2つの摺動部位が互いに摺動する摺動部分を有し、2つの摺動部位のうちで少なくとも一方の摺動部位は、高圧高温蒸気における耐性を有するとともに、自己潤滑性を有する樹脂から成ることを特徴とする。
本発明に従えば、一方の摺動部位が自己潤滑性を有する樹脂から成ることで、摺動部分に付与する潤滑油をなくすことができる。これによって潤滑油の飛散による清潔空間の汚染を防ぐことができる。また潤滑油の飛散がないので、摺動部分を露出させた状態で、高温高圧滅菌することができ、より確実に滅菌駆動部を滅菌することができる。
本発明は、滅菌駆動部は、アーム側電気配線が接続されるアーム側コネクタが設けられ、
外郭部または動力出力端部は、基台側電気配線が接続される基台側コネクタが設けられ、
アーム側コネクタは、基台側コネクタと接続されることで、アーム側電気配線と基台側電気配線とを電気的に接続し、基台側コネクタとの接続が解除された状態で、コネクタ内に流体が侵入することを封止する防水キャップが装着可能に構成されることを特徴とする。
本発明に従えば、アーム側コネクタと基台側コネクタとが設けられることで、滅菌駆動部に電気配線が設けられる場合であっても、動力伝達部と滅菌駆動部との着脱を容易に行うことができる。また滅菌駆動部を動力伝達部から分離した状態で、アーム側コネクタに防水キャップを装着することで、滅菌駆動部を高温高圧滅菌するにあたって、コネクタ内に流体が侵入することを防ぐことができ、コネクタおよび電気配線の損傷を防ぐことができる。
本発明は、滅菌駆動部は、1または複数のアーム体と関節部とによって構成されるアーム機構が複数連結されるパラレルリンク機構を有し、各アーム機構をそれぞれ駆動する駆動源がエンドエフェクタから離反した位置に配置されることを特徴とする。
本発明に従えば、パラレルリンク機構によって駆動源をエンドエフェクタから離反させることで、駆動源によってエンドエフェクタが汚染することを防ぐことができ、汚染の可能性を減らして清潔空間内で作業を行うことができる。
本発明は、前記封止部は、前記動力出力端部の周面に沿って設けられていることを特徴とする
本発明は、前記封止部は、オイルシールからなることを特徴とする。
本発明は、前述の清潔空間用ロボットシステムを含んで、対象物を培養する培養システムである。
本発明に従えば、上述した清潔空間用ロボットシステムを含むことで、ロボットを用いたことに起因する清潔空間の汚染を抑えることができ、不所望な雑菌および微生物の混入を防いで、対象物を培養することができる。
請求項1記載の本発明によれば、封止部によって、清潔空間外から清潔空間内に汚染物質が侵入することを防いで、滅菌駆動部を清潔空間内に配置し、動力伝達部を清潔空間外に配置することができる。また滅菌駆動部を高温高圧滅菌することで、ロボットのうちで清潔空間内に属するロボット部分で雑菌が繁殖することを抑えて、清潔空間内をさらに清潔に保つことができる。
また滅菌駆動部を、動力伝達部に対して分離することで、ロボット全体を滅菌する場合に比べて、滅菌作業を容易に行うことができるとともに、小形の滅菌装置を用いて滅菌することができる。さらに動力伝達部は、滅菌する必要がないので、高温高圧滅菌に適した特殊な構造部品を用いる必要がなく、製造コストを低減することができる。
請求項2記載の本発明によれば、アーム構成体に対してカバー体が取外し可能に構成されることで、カバー体を外した状態でアーム構成体自体を滅菌することができ、滅菌駆動部の内部の滅菌を容易にすることができる。またカバー体を装着した状態で、清潔な空間内でエンドエフェクタを動作させることで、滅菌駆動部の内部空間で雑菌が繁殖することを防ぐことができる。
請求項3記載の本発明によれば、摺動部分において、一方の摺動部位が自己潤滑性を有する樹脂から成ることで、摺動部分に付与する潤滑油をなくすことができ、潤滑油の飛散による清潔空間の汚染を防ぐことができる。
請求項4記載の本発明によれば、アーム側コネクタと基台側コネクタとが設けられることで、滅菌駆動部に電気配線が設けられる場合であっても、動力伝達部と滅菌駆動部との着脱を容易に行うことができる。また滅菌駆動部を動力伝達部から分離した状態で、アーム側コネクタに防水キャップを装着することで、滅菌駆動部を高温高圧滅菌するにあたって、コネクタ内に流体が侵入することを防ぐことができ、コネクタおよび電気配線の損傷を防ぐことができる。
請求項5記載の本発明によれば、パラレルリンク機構によって駆動源をエンドエフェクタから離反させることで、駆動源から発生する塵埃によってエンドエフェクタが汚染することを防ぐことができ、汚染の可能性を減らして清潔空間内で作業を行うことができる。
請求項8記載の本発明によれば、上述した清潔空間用ロボットシステムを含むことで、ロボットを用いたことに起因する清潔空間の汚染を抑えることができ、不所望な雑菌および微生物の混入を防いで、対象物を培養することができる。
図1は、本発明の第1実施形態である清潔空間用ロボット140を分解して示す斜視図であり、図2は、清潔空間用ロボット140を含む培養システム100を示す断面図である。本発明の第1実施形態である清潔空間用ロボット140は、清潔な雰囲気気体で満たされる清潔空間104で用いられ、たとえば動植物の組織、細胞または微生物などの対象培養物を大量培養する培養システム100に用いられる。
図2に示すように、培養システム100は、清潔空間用ロボット140と、清潔な雰囲気気体で満たされる清潔空間104を規定する空間形成壁103と、清潔空間104内の雰囲気気体を清潔に保つ気体調整手段105と、対象培養物が収容される培養物収容体101を複数乗載する培養棚102と、培養に必要な処理を施す処理手段106とを含む。
培養棚102および処理手段106は、清潔空間104内に配置される。ロボット140は、培養物収容体101を変位駆動する。これによって培養システム100は、培養棚102に乗載される培養物収容体101を移動させて、一方の培養棚から他方の培養棚に搬送したり、収容体101を処理装置106にむけて移動したりして、培養システムにおける培養対象物を適切な培養条件に保つ。気体調整手段は、たとえばHEPA(High
Efficiency Particulate Air Filter)等を含むファンフィルタユニットによって実現される。
本発明において清潔な空間とは、単位空間内に存在する雑菌の数が予め定める数以下である空間を意味し、空間内に配置される装置を滅菌する必要がある空間を意味する。たとえば米国連邦規格(Federal Standard、略称FED規格)に規定されるクリーン度がクラス100以下の空間を清潔な空間とする。言い換えると、0.028m(1立方フィート)あたりに含まれる0.5μm以上の粒径のパーティクル数が100個以下である空間を清潔な空間とする。さらに言い換えると、国際標準化機構(International
Organization for Standardization、略称ISO)に規定されるクラス5以下の空間を清潔な空間とする。また本発明における清潔な空間内に単位体積あたりに存在する雑菌の数は、用途によって異なり、遺伝子組替え作業、細胞培養作業、食品衛生作業、外科手術支援作業などによって、要求される清潔度が異なる。たとえばロボット140は、無菌室、いわゆるバイオロジカルなクリーンルームで用いられる。
ロボット140は、4つの自由度を有する4軸ロボットであって、エンドエフェクタとなるハンド161が先端部に連結される。ロボット140は、関節部によって連結されるアーム体が互いに相対変位することによって、可動範囲内でハンド161を任意の三次元位置に移動させることができる。本実施の形態では、ハンド140は、板状に形成されて、その厚み方向が鉛直に延びる。ハンド140の上面は、培養物収容体101を乗載する乗載面となる。ロボット140は、ハンド161の乗載面を水平に保った状態で、培養物収容体101を下方から支持して持上げることで保持し、保持した培養物収容体101を目的位置に移動させる。
ロボット140は、清潔空間104に配置されて滅菌処理が可能な滅菌駆動部120と、清潔空間104外に配置されて滅菌処理が施されない非滅菌部となる動力伝達部121とを含む。滅菌駆動部120は、複数の関節部と関節部によって連結されるアーム体とを含み、ハンド161を変位移動する。また滅菌駆動部120は、高温高圧滅菌可能に形成される。また動力伝達部121は、高温高圧滅菌可能に形成されていなくてもよい。
動力伝達部121は、滅菌駆動部120の動力入力端部と接続可能に形成される動力出力端部を有する。前記動力入力端部と前記動力出力端部とが接続されることで、動力伝達部121は、滅菌駆動部120に駆動力を伝達する。動力伝達部121から滅菌駆動部120に与えられる動力は、手先161を動作させるための駆動力の一部となる。
図3は、ロボット140を示す断面図である。滅菌駆動部120は、上述したように清潔空間104内に配置され、アーム構成体130と、上下旋回体110とを含んで構成される。アーム構成体130は、複数のアーム体が直列方向に並んで連結される。アーム構成体130の直列方向一端部はハンド161が配置され、直列方向他端部は上下旋回体110の取付部材158と連結される。
アーム構成体130は、複数のアーム体と、2つのアーム体を角変位可能に連結する関節部と、2つのアーム体を相対変位する駆動源とを含んで構成される。本実施の形態では、アーム構成体130は、第1アーム体159と、第2アーム体160と、第3アーム体となるハンド161と、第1関節部131と、第2関節部132とを含む。各アーム体は、長手状に形成される。
第1関節部131は、第1アーム体159の直列方向一端部と、第2アーム体160の直列方向他端部と連結し、第1アーム体159に対して第2アーム体160を連結部分に設定される第3軸線J3まわりに角変位可能に連結する。また第2関節部132は、第2アーム体160の直列方向一端部と、ハンド161の直列方向他端部と連結し、第2アーム体160に対してハンド161を連結部分に設定される第4軸線J4まわりに角変位可能に連結する。ここで第3軸線J3と第4軸線J4とは、鉛直に延びる軸線である。
また第1アーム体159には、第3電動機M23と第3軸減速機G23とが固定される。第3電動機M23の動力が第3軸減速機G23を介して第1関節部131に与えられることで、第1関節部131は、第1アーム体159に対して第2アーム体160を第3軸線J3まわりに角変位する。また第2アーム体160には、第4電動機M24と第4軸減速機G24とが固定される。第4電動機M24の動力が第4軸減速機G24を介して第2関節部132に与えられることで、第2関節部132は、第2アーム体160に対してハンド161を第4軸線J4まわりに角変位する。第3電動機M23および第4電動機M24は、サーボモータによって実現される。
図4は、滅菌駆動部120の一部を拡大して示す断面図である。第3電動機M23および第3軸減速機G23と、第4電動機M24および第4軸減速機G24とは、配置されるアーム体が異なるだけで同様の構成および駆動形態となる。したがって第3電動機M23および第3軸減速機G23について説明し、第4電動機M24および第4軸減速機G24の説明を省略する。
第3電動機M23は、略円柱状に形成され、その軸線が第1アーム体159の長手方向に沿って延びる。第3電動機M23は、出力軸173を有し、この出力軸173には、第1かさ歯車174が同軸に連結される。出力軸173および第1かさ歯車174の軸線は、水平に延びる。また第1アーム体159の直列方向一端部には、第3軸減速機としてサイクロ減速機G23の筐体部178が固定される。
サイクロ減速機G23は、筐体部178に対して、入力軸175および出力軸177が予め定める軸線まわりに回転自在に支持される。サイクロ減速機G23は、入力軸175の回転を減速して出力軸177から出力する。入力軸173と出力軸175との軸線は、同軸に形成され、本実施の形態では、第3軸線J3に設定される。サイクロ減速機G23の入力軸175は、第1アーム体159に対して第3軸線J3まわりに回転自在に支持される。またサイクロ減速機G23の出力軸177は、第2アーム体160の直列方向他端部に固定される。したがってサイクロ減速機G23は、第1アーム体159と第2アーム体160とを第3軸線J3まわりに連結する関節部として機能する。
サイクロ減速機G23の入力軸175は、第2かさ歯車176が同軸に連結される。この入力軸175および第2かさ歯車176の中心軸線に同軸の貫通孔が形成される軸線は、鉛直に延びる。第1かさ歯車174と第2かさ歯車176とが互いに噛合する。第3電動機M23によって出力軸173を回転すると、減速した回転が第2アーム体160に伝達され、第1アーム体159に対して第2アーム体160を回転させることができる。
同様に第4電動機M24は、第2アーム体160に固定される。また第4軸減速機は、サイクロ減速機G24であって、筐体部が第2アーム体に固定され、出力軸がハンド161に固定される。したがってサイクロ減速機G24は、第2アーム体160とハンド161とを第4軸線J4まわりに連結する関節部として機能する。第4電動機M24の出力軸の回転を、かさ歯車対を介してサイクロ減速機G24の入力軸に伝達することによって、第2アーム体160に対して第4軸線J4まわりにハンド161を回転させることができる。
サイクロ減速機は、他の減速機に比べて部品数が少ないので、コンパクトでかつ軽量であって、メンテナンス性を向上することができる。また噛合率がインボリュート歯車に比べて高く、歯の折損が抑えられるので、長寿命化を実現するとともに、高効率かつ高剛性とすることができる。これによって高温高圧滅菌が行われる滅菌駆動部120の減速機G23,G34に好適に用いることができる。
また第3および第4軸減速機G23,G24は、中空構造となり、中心軸線に沿って貫通する貫通孔177が形成される。また各減速機G23,G24の出力軸177には、貫通孔177と外部空間とを連通する連通孔184が形成される。連通孔184は、減速機の中心軸線に垂直な方向に延びる。これによって電気配線などを、貫通孔177および連通孔184を通過させて、アーム構造体130の直列方向他端部から直列方向先端部に向かって延ばすことができる。この場合、電気配線を貫通孔177に案内する案内部がアーム体に設けられることが好ましい。案内部は、かさ歯車対174,175に対して離反した経路に沿って延びるように電気配線を案内する。これによって電気配線とかさ歯車が接触することを防ぐことができる。配線を貫通孔177に通すことによって構造をシンプルにすることができ、雑菌が付着することを防ぐことができる。また電動機を横置きすることで、アーム部分の断面形状を小形化することができる。
本実施の形態では、第3軸および第4軸減速機G23,G24を構成する偏心体、外ピン、曲線板、内ピンなどの構成部品のうちで、2つの部位が互いに摺動する摺動部位のうちの少なくとも一方の部位は、自己潤滑性を有する材料から成る。また減速機G23,G24を構成する全ての部品が、高温高圧滅菌可能となる耐熱水性を有する材料から成る。
耐熱水性を有する樹脂として、PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、エポキシ樹脂、ガラス繊維が充填されたエポキシ樹脂、フェノール樹脂などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。また自己潤滑性を有する樹脂として、PEEK樹脂、PPS樹脂およびフェノール樹脂などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
ここで耐熱水性とは、高温高圧滅菌を行った場合に、材料の性質および形状の変化が少ない性質を意味する。たとえば高温高圧滅菌条件として、121℃で、ゲージ圧100KPa/cm以下で、15分保たれる場合、その条件に晒されても、性質および形状の変化がないまたは少ない材料が、耐熱水性を有する材料として採用される。また自己潤滑性を有する材料とは、グリースまたはオイルなどの潤滑材を用いなくても、2つの部位が互いに円滑に摺動することが可能な表面層が形成される固体潤滑材料を意味する。
同様に、第3軸および第4軸電動機M23,M24の出力軸173から、対応する減速機G23,G24に動力を伝達するためのかさ歯車対174,176についても、耐熱水性を有する材料から成る。さらに、かさ歯車対174,176のうちの少なくとも一方の表面部は、自己潤滑性を有する材料から成る。この場合、かさ歯車全体が自己潤滑性を有する材料からなってもよく、また表面部に自己潤滑性を有する材料がコーティングされてもよい。また第3軸電動機M23および第4軸電動機M24、それらの電動機M23,M24に付属する配線およびエンコーダもまた、耐熱水性を有するものが用いられる。
第3軸電動機M23および第4軸電動機M24を動作および制御するために必要なアーム側電気配線114は、各電動機M23,M24からアーム構成体130を伝って、上下旋回体110に向かって延びる。アーム側電気配線114は、第3軸および第4軸電動機M23,M24を駆動するために必要な動力配線および制御配線のほか、ハンド161に設けられるセンサからの検出信号を外部に伝えるための信号配線などを含んでもよい。
図3に示すように、上下旋回体110は、移動体150を上下駆動および鉛直に延びる第1軸線J1まわりに角変位駆動する。具体的には、上下旋回体110は、鉛直に延びて立設される支柱148と、支柱148に沿って固定される案内レール149と、案内レール149によって上下に直線移動可能に案内される移動体150と、前記案内レール149に近接して平行に設けられて外ねじが形成される棒状のすべりねじ部材156と、すべりねじ部材156に螺着される内ねじが形成されるナット部材157と、移動体150およびナット部材157に連結されるL字状の取付部材158と、支柱148を支持するベース部111とを含んで構成される。
ベース部111は、支柱148および案内レール149の下端部を立設支持するとともに、軸受198によって第2軸線J2まわりに回転可能にすべりねじ部材156の下端部を支持する。したがってベース部111とすべりねじ部材156とはベース部111を介して連結される。また支柱148およびすべりねじ部材156は、連結部112を介してそれぞれの上端部が連結される。また連結部112は、軸受199によって第2軸線J2まわりに回転可能にすべりねじ部材156の上端部を支持する。
取付部材158は、ナット部材157と移動体150とを連結することで、ナット部材157が第2軸線J2まわりにまわることを阻止する。また上述したように、取付部材158は、移動体50と、第1アーム体159の直列方向他端部とを連結する。したがって支柱148およびすべりねじ部材156は、アーム構成体130を水平方向に支持することになり、すべりねじ部材156は、アーム構成体130を上下方向に支持することになる。
ベース部111は、後述する第2軸ケーシング147の上壁181に対して、着脱可能に固定される。またすべりねじ部材156は、後述する第2軸減速機G22の出力軸191に対して、着脱可能に固定される。第2軸ケーシング147は、第1軸線J1まわりに角変位駆動され、第2軸減速機G22の出力軸191は、第2軸線J2まわりに回転駆動される。ここで第1軸線J1および第2軸線J2は、鉛直に延びる軸線である。本実施の形態では、第1軸線J1と第2軸線J2とは、水平方向に距離を開けて配置される。
第2軸ケーシング147が第1軸線J1まわりに角変位することによって、第2軸ケーシング147に固定される上下旋回体110とともに、上下旋回体110に支持されるアーム構成体130もまた第1軸線J1まわりに角変位する。また第2軸減速機G22の出力軸191が第2軸線J2まわりに回転することによって、すべりねじ部材156に螺合するナット部材157が上下方向に変位し、ナット部材157に連結されるアーム構成体130もまた上下方向に変位する。
また移動体150は、アーム側電気配線114を動力伝達部121に導くケーブル案内手段が直接または間接的に連結される。具体的には、ケーブル案内手段は、ケーブルベア113によって実現される。ケーブルベア113は、アーム側電気配線114が挿通する挿通孔が形成される長尺体であって、変形形態が予め制限される。ケーブルベア113の一端部が移動体150に固定され、他端部が支柱148の下端部に固定される。ケーブルベア113は、支柱148に沿った状態を維持して、移動体150の昇降移動に応じて変形する。これによってアーム側電気配線114が支柱148から離反することを防ぐことができる。またアーム側電気配線114は、支柱148に設けられるセンサからの検出信号を外部に伝えるための信号配線を含んでもよい。
図5は、図4のV−V切断面線で滅菌駆動部120を切断して示す断面図である。移動体150は、案内レール149に嵌合して上下方向に移動可能な嵌合部185と、嵌合部185に固定される補強部186とを含んで構成される。嵌合部185は、案内レール149に対して摺動することで上下方向に移動する。また補強部186は、嵌合部185を案内レール149に対して反対側から覆って略C字状に形成される外枠186aと、押え板186bとを含む。ボルト187によって、押え板186bを外枠186aに近接させることによって、外枠186aと押え板186aによって嵌合部185を挟持することができる。
嵌合部185は、耐熱水性を有するとともに自己潤滑性を有する材料によって実現される。また案内レール149および補強部186は、充分な強度を有するとともに耐錆性を有する金属によって実現される。このように嵌合部185が自己潤滑性を有する樹脂から成ることによって、潤滑材を必要とすることなく移動体150を摺動移動することができる。また嵌合部185を補強部186によって補強することによって、アーム構成体130を支持するのに十分な強度を得ることができる。本実施の形態では、嵌合部185は、PPS樹脂から成る。また案内レール149および補強部186は、ステンレス鋼(SUS)から成る。
同様に、ナット部材157は、耐熱水性を有するとともに自己潤滑性を有する材料によって実現される。またすべりねじ部材156は、充分な強度を有するとともに耐錆性を有する金属によって実現される。このようにナット部材157が自己潤滑性を有する樹脂から成ることによって、潤滑材を必要とすることなく摺動移動することができる。本実施の形態では、ナット部材157は、PPS樹脂から成る。またすべりねじ部材156は、ステンレス鋼(SUS)から成る。
また滅菌駆動部120のすべりねじ部材156を回転可能に支持する軸受198,199もまた潤滑材が不要な、低発塵性ベアリングが好ましい。たとえば軸受198,199の外輪および内輪の溝部、玉などの摺動部位が上述した自己潤滑性を有する樹脂から成るものや、摺動部位の表面に、テフロン(登録商標)などの各種フッ素樹脂、三硫化モリブデンなどがコーティングされる。これによって潤滑材を不要とすることができ、軸受198,199で発生する発塵を抑えることができる。
図3に示すように、ロボット140は、予め定める取付部材である設置床142に複数のボルト143によって固定される基台144と、動力伝達部121とを含む。基台144と動力伝達部121とは、清潔空間104の外の空間107に配置される。設置床142は、清潔空間104を規定する空間形成壁103の一部となる。設置床142と基台144とは隙間なく固定されることで、設置床142と基台144との間から、清潔空間104内に汚染物質が侵入することが防がれる。
動力伝達部121は、基台144の下面に複数のボルト145によって固定される第1軸ケーシング146と、第1軸ケーシング146と設置床142との間に配置される第2軸ケーシング147とを含む。動力伝達部121は、さらに、第1軸電動機M21、第2軸電動機M22、第1軸減速機G21および第2軸減速機G22を含む。第1電動機M21および第2電動機M22は、サーボモータによって実現される。
基台144は、第1軸線J1を中心軸線とする略円筒状に形成され、基台144内に第2軸ケーシング146を内蔵する。また基台144は、第1軸電動機M21および第1軸減速機G21の筐体部が、第1軸線J1と同軸に固定される。また第2軸ケーシング146は、基台144と同軸に形成される。基台144は、第2軸ケーシング147の軸線方向一方の端部となる上壁181を第1軸線J1まわりに周方向に覆う。
第1軸電動機M21は、第1軸ケーシング146内に突出する出力軸165を有し、この出力軸165にはプーリ166が固定される。第1軸減速機G21は、貫通孔167を有し、入力端168にはプーリ169が同軸に固定される。各プーリ166,169間には、ベルト170が巻き掛けられ、第1軸電動機M21の出力軸165の回転が第1軸減速機G21の入力端168に伝達される。第1軸減速機G21は、ハーモニックドライブ(登録商標)と呼ばれる波動歯車機構を用いた中空減速機によって実現される。第1軸減速機G21の出力端部171は、ボルト172によって第2軸ケーシング147に固定される。
したがって第2軸ケーシング147は、第1軸電動機M21の出力軸165が回転駆動されると、第1軸減速機G21の第1軸線J1まわりに回転駆動される。第2軸ケーシング147内には、第2軸電動機M22と、この第2軸電動機M22の出力軸180の回転を減速する第2軸減速機G22と、第2〜第4軸電動機M22〜M24を駆動するための駆動電力および駆動信号を与えるための第2〜第4軸アンプAmp12〜Amp14がそれぞれ収容される。第2軸ケーシング147は、上壁181、下壁182および周壁183を有する。
第2軸線J2は、第1軸線J1に対して平行であるが、本実施例では第1軸線J1から水平方向にわずかに偏心している。したがって第1軸電動機M21の回転は、第1軸減速機G21によって減速されて第2軸ケーシング147に伝達される。これによって第1アーム体159は、第2アーム体160およびハンド161とともに第1軸線J1まわりに回動する。
このように第1軸線J1まわりに第2軸ケーシング147が回転しても、出力端部の回転軸線、すなわち第1軸線J1上に貫通孔167を有する中空の回転駆動源である第1軸減速機G21を用いるので、第2軸電動機M21および第2軸アンプAmp12〜第4軸アンプAmp14の各ケーブルを、貫通孔167を介して後段の第2軸ケーシング147から前段の第1軸ケーシング146へ導くことができ、構成を複雑化せずに、配線数を低減することができる。
図6は、動力伝達部121の一部を拡大して示す断面図である。第2軸減速機G22は、第2軸電動機M22の出力軸180に固定される入力端である第1歯車190と、第2軸線J2上に回転軸線を有する出力端部である出力軸191と、出力軸191に固定され、第1歯車190に噛合する第2歯車192とによって構成される。出力軸191の下端部は、軸受193によって第2軸ケーシング147の中間壁部194に軸支され、出力軸191の上端部は、軸受195によって第2軸ケーシング147の上壁181に軸支される。
第2軸電動機M22の出力軸191は、カップリング197によってすべりねじ部材156の下端部に連結される。このすべりねじ部材156の下端部は、第2軸ケーシング147の上壁181に固定されたベース部111に設けられる軸受198によって、第2軸線J2と同軸に軸支される。このような構成によって、第2軸電動機M22の回転が第2軸減速機G22の出力軸191を介して、すべりねじ部材156に伝達され、移動体150がすべりねじ部材156に沿って上下に昇降駆動される。
本実施の形態では、滅菌駆動部120と動力伝達部121とが接続された状態で、動力伝達部121から第1動力として、ベース部111に第1軸線J1まわりの回転力が伝達される。また第2動力として、すべりねじ部材156に第2軸線J2まわりの回転力が伝達される。
したがって動力伝達部121のうちで、第2軸ケーシング147の上壁181が、第1動力を滅菌駆動部120に伝達する第1動力出力端部となり、第2減速機G23の出力軸191が、第2動力を滅菌駆動部120に伝達する第2動力出力端部となる。また滅菌駆動部120のうちで、ベース部111が、動力伝達部121から第1動力が伝達される第1動力入力端部となり、すべりねじ部材156が、動力伝達部121から第2動力が伝達される第2動力入力端部となる。
基台144は、第2軸ケーシング147の軸線方向一方の端部となる上壁181を第1軸線J1まわりに周方向に覆う第1外郭部210が形成される。第1外郭部210は、第1軸線J1を中心とする開口が形成される。また第1外郭部210は、清潔空間形成壁103の一部を構成する設置床142に固定されることによって、基台144と設置床142との間から汚染物質が清潔空間104に侵入することが防がれる。
また第2軸ケーシング147の上壁181の中心部分は、第2軸減速機G22の出力軸191を第2軸線J2まわりに周方向に覆う第2外郭部211が形成される。第2外郭部210は、第2軸線J2を中心とする開口が形成される。
本実施の形態では、ロボット140は、最も外側の外郭部となる第1外郭部210の内側で第1外郭部210を軸線方向に貫通する空間を塞ぐ封止部188を備える。具体的には、第1外郭部210と第2軸ケーシング147の上壁181の周面との間を塞ぐシール部材である第1Vリング188aと、第2外郭部211と第2軸減速機G22の出力軸191との間を塞ぐシール部材である第2Vリング188bとを有する。各Vリング188a,188bは、可撓性および弾発性を有し、対応する隙間を塞いだ状態で、対応する動力出力端部の軸線まわりの回転を許容する。
また第2軸ケーシング147の上壁181に、軸線方向に貫通する貫通孔が形成される場合、封止部188は、貫通孔189を塞ぐシール部材も含む。たとえば封止部188は、滅菌駆動部120に設けられるアーム側電気配線114の信号を清潔空間外に伝えるために、第2軸ケーシング147の上壁181に形成される貫通孔189が形成される場合、この貫通孔189を塞ぐシール部材188cも含む。このように封止部188が設けられることで、基台144のうちで第1外郭部210の内側で、第1外郭部210を軸線方向に貫通する隙間をなくすことができる。
またアーム側電気配線114の下端部側端部には、アーム側コネクタ301が接続される。同様に、第2軸ケーシング147内には、基台側電気配線232が設けられ、基台側電気配線232の上端部には、基台側コネクタ300が接続される。本実施の形態では、第2軸ケーシング147の上壁181に基台側コネクタ300が固定される。
アーム側コネクタ301と基台側コネクタ300とは、着脱自在に形成され、それらが装着されることによって、アーム側電気配線114と基台側電気配線232とが電気的に接続する。したがってベース部111は、上壁181に固定された場合に、上壁181に形成される基台側コネクタ300と干渉しないように、一部が切り欠かれた形状に形成される。
図7は、滅菌駆動部120と動力伝達部121とを分離した状態を示す断面図である。本実施の形態では、滅菌駆動部120と動力伝達部121とは分離可能に構成される。具体的には、滅菌駆動部120のベース部111は、第2軸ケーシング147の上壁181にボルト202によって着脱可能に固定される。これによってボルト202を螺退することによって、滅菌駆動部120を動力伝達部121から分離することができる。またすべりねじ部材156と、第2軸減速機G22の出力軸191とは、カップリング197によって接続される。本実施の形態では、カップリングは、連結すべき2つの軸を着脱自在な軸継手によって実現され、具体的には脱着可能なオルダムカップリングによって実現される。これによって第2軸減速機G22の出力軸191からすべりねじ部材156を容易に離脱させることができる。
また第2軸減速機G22の出力軸191の上端部を軸支する軸受195は、リング状の蓋体196によって覆われる。出力軸191は、蓋体196を挿通して蓋体196の上方に突出する。蓋体196は、ボルト197によって上壁181に固定される。また蓋体196と出力軸191との間を前記Vシール188bが塞ぐ。このように蓋体196によって軸受195を覆うことで、軸受195が清潔空間104に露出することが防がれる。
また上壁181に形成される嵌合部199とベース部111に形成される嵌合部198とが嵌合することによって、それらの中心位置が一致し、位置合せを容易にすることができる。本実施の形態では、上壁181には、第2軸線J2を中心とするリング状に形成される凸部199が形成される。凸部199は、上壁181の上側内周部であって、上側外周部に比べて軸線方向に突出する。またベース部111には、第2軸線J2を中心とする円筒状の空間を形成する凹部198が形成される。このような凸部199と、凹部198とが嵌合するインロー構造となることによって、滅菌駆動部120と、動力伝達部121との第2軸線J2を一致させることができる。この場合、動力伝達部121に対して、滅菌駆動部120をまわり止めするためのピンおよびピン孔が、ベース部111および上壁191にそれぞれ設けられる。本実施の形態では、上壁181に凸部199が形成されることで、第2軸電動機M22の出力軸191に向けて流体が侵入することを防ぐことができる。
以上のように、本実施の形態によれば基台144のうち第1外郭部210が、清潔空間形成壁103の一部を構成する設置床142に固定されることによって、第1外郭部210と設置床142との間から汚染物質が清潔空間104に侵入することが防がれる。また封止部188によって、第1外郭部210の内側の空間が塞がれることによって、第1外郭部210の内側の隙間から汚染物質が清潔空間104に侵入することが防がれる。
これによって、滅菌駆動部120を清潔空間104に配置し、動力伝達部121を清潔空間外107に配置したうえで、清潔空間104を清潔に保つことができる。また滅菌駆動部120を高圧高温滅菌することで、ロボット140のうちで清潔空間104に属するロボット部分で雑菌が繁殖することを抑えて、清潔空間内をさらに清潔に保つことができる。
また滅菌駆動部120を、動力伝達部121に対して分離することで、ロボット全体を滅菌する場合に比べて、滅菌作業を容易に行うことができるとともに、小形の滅菌装置を用いて滅菌することができる。またロボット140のうちの先端部のみを滅菌する場合に比べて、清潔空間に配置されるロボット部分全体を滅菌することができ、清潔空間104の滅菌をより確実に行うことができる。さらに動力伝達部121は、清潔空間外107に配置されており、滅菌する必要がない。したがって高温高圧滅菌に適した特殊な構造部品を用いる必要がなく、製造コストを低減することができる。
また本実施の形態によれば、摺動部分において、一方の摺動部位が自己潤滑性を有する樹脂から成ることで、摺動部分に付与する潤滑油をなくすことができ、潤滑油の飛散による清潔空間の汚染を防ぐことができる。また潤滑油の飛散がないので、摺動部分を露出させた状態で、高温高圧滅菌することができ、より確実に滅菌駆動部120を滅菌することができる。また摺動部を露出させた状態で滅菌作業を行うことができ、摺動部をカバーで覆う必要がなく、摺動部内部に雑菌が繁殖することを防ぐことができる。
具体的には、第3軸および第4軸減速機G23,G24、かさ歯車対174,175、ナット部材157とすべりねじ部材156、案内レール149と移動体150、すべりねじ部材156の軸受198,199における摺動部分について潤滑材をなくすことができ、滅菌駆動部210の発塵を抑えるとともに、高圧高温滅菌することができる。また滅菌駆動部120は、全体として耐錆性を有することが好ましく、滅菌駆動部120を構成する各部品は、耐錆性を有する材料で構成されることが好ましい。
以上のように本実施の形態のロボットを有する清潔空間用ロボットシステム101を用いて対象物を培養することで、ロボットを用いたことに起因する清潔空間104の汚染を抑えることができ、不所望な雑菌および微生物の混入を防いで、対象物を培養することができる。
図8は、出力軸191とすべりねじ部材156とを連結するカップリング197を示す斜視図である。出力軸191とすべりねじ部材156とを連結するカップリング197は、オルダムカップリング197によって実現される。カップリング197は、連結すべき2つの軸のうち、一方の軸に固定される第1部材405と、他方の軸に固定される第2部材406と、中間部材409とを含んで実現される。第1部材405は、略円筒状に形成され、軸線方向一端部に一方の軸が固定される。また軸線方向他端部に、その軸線を通過するとともに軸線に垂直に延びて、残余の部分から軸線方向に突出する凸部407が形成される。
また第2部材406は、略円筒状に形成され、軸線方向他端部に他方の軸が固定される。また軸線方向一端部に、その軸線を通過するとともに軸線に垂直に延びて、残余の部分から軸線方向に突出する凸部408が形成される。
中間部材409は、第1部材405と第2部材406との間に介在されて、第1部材405と第2部材406とを連結するためのスペーサとなる。中間部材409は、略円筒状に形成される。中間部材409は、軸線方向一端部に第1凹部411が形成され、軸線方向他端部に第2凹部410が形成される。第1凹部411は、中間部材401の軸線を通過するとともに、軸線に垂直に延びて、軸線方向一端面から軸線方向に没入する第1凹所が形成される。また第2凹部410は、中間部材401の軸線を通過するとともに、軸線に垂直に延びて、軸線方向他端面から軸線方向に没入する第2凹所が形成される。第1凹所が延びる方向に沿う第1直線H1は、第2凹所が延びる方向に沿う第2直線H2と中間部材409の中心軸線Vとを含む平面に垂直に延びる。また第2凹所が延びる方向に沿う第2直線H2は、第1凹所が延びる方向に沿う第1直線H1と、中間部材409の中心軸線Vとを含む平面に垂直に延びる。
第1部材405の凸部407が、中間部材409の第2凹部410に嵌合可能に形成される。第1部材405と中間部材409とが嵌合した状態では、中間部材409は、第1部材405が軸線まわりに回転すると、第1部材405に対して第2直線H2に沿う方向の変位が許容された状態で、第1部材405とともに回転する。また第2部材406の凸部408が、中間部材409の第1凹部411に嵌合可能に形成される。第2部材406と中間部材409とが嵌合した状態では、中間部材409は、第2部材406が軸線まわりに回転すると、第2部材406に対して第1直線H1に沿う方向の変位が許容された状態で、第2部材406とともに回転する。これによって中間部材409は、第1部材401に対して、第1部材405と第2部材406との間に隙間がある場合であっても、2つの軸を連結することができる。このように中間部材409を介して、第1部材405と第2部材406とを連結した状態で、第2部材406が回転すると、第1部材405および第2部材406に対して中間部材409が相対変位しながら回転することで、第1部材405と第2部材406の軸線がずれていても、第2部材406の軸線まわりの回転を、第1部材405の軸線まわりの回転として伝達することができる。
このようにオルダムカップリング197を用いて、ベース部111を第2軸ケーシング147に固定した場合に、出力軸191とすべりねじ部材156とで生じた偏芯を吸収することができる。また外径が小さくても比較的大きいトルクを伝えることができる。また出力軸191とすべりねじ部材156とのあいだに上下方向に隙間が形成される場合であっても、動力を伝達することができる。本実施の形態では、第1部材405および第2部材409は、アルミ合金からなり、中間部材409は、アセタール樹脂またはナイロン樹脂によって実現される。またオルダムカップリング197は、出力軸191とすべりねじ部材156との偏心を吸収できればよく、第1部材405、第2部材406、中間部材409の凹凸は、上述した構成に限定されない。
図9は、アーム側コネクタ301と、基台側コネクタ300とを示す斜視図である。アーム側コネクタ301および基台側コネクタ300は、略筒状に形成されており、基台側コネクタ300の外周部300aが、アーム側コネクタ301の内周部301aに嵌り込むことによって、アーム側コネクタ301の端子303が、基台側コネクタ301の端子302に電気的に接続される。基台側コネクタ301の外周部300aには外ねじが形成され、アーム側コネクタの内周部301aには内ねじが形成されることで、コネクタ300,301同士を螺合させることができ、各コネクタ300,301の接続を確実とすることができる。また各コネクタ301は、端子に流体が侵入することを防ぐシール部材304が設けられる。
またアーム側コネクタ301は、防水キャップ305が装着可能に構成される。防水キャップ305は、アーム側コネクタ301の内周部301aに嵌合して、アーム側コネクタ301の開口を塞ぐ。これによってアーム側コネクタ301は、内部空間に流体が侵入することが阻止される。また防水キャップ305の外周部は、外ねじが形成されて、アーム側コネクタ301の内周部に形成される内ねじと螺合することによって、アーム側コネクタ301と防水キャップ305との接続を確実とすることができる。
このようにアーム側コネクタ301と基台側コネクタ300とが設けられることで、滅菌駆動部120に電気配線が設けられる場合であっても、滅菌駆動部120と動力伝達部121との着脱を容易に行うことができる。また滅菌駆動部120を動力伝達部121から分離した状態で、アーム側コネクタ301に防水キャップ305を装着することで、滅菌駆動部120を高温高圧滅菌するにあたって、アーム側コネクタ301内に蒸気が侵入することを防ぐことができ、アーム側コネクタ301およびアーム側配線114の損傷を防ぐことができる。
図10は、カバー体502とアーム体159とを分離した状態を示す斜視図である。滅菌駆動部120は、アーム構成体130に対して着脱自在に構成されてアーム構成体130の表面を覆うカバー体502を有する。カバー体502は、アーム体159,160毎に設けられ、同様の構成を示する。したがって第1アーム体159に装着されるカバー体502について説明し、第2アーム体160に装着されるカバー体の説明を省略する。
カバー体502は、第1アーム体159に装着されることによって、第1アーム体159とカバー体502とによって、第3軸電動機M23およびかさ歯車対174,175、アーム側電気配線114を覆う。これによってカバー体502が装着された第1アーム体159は、その表面積が小さく、かつ凹凸が少ない形状に形成される。本実施の形態では、カバー体502は、箱状に形成され、ステンレス鋼から成る。
図11は、アーム体159にカバー体502が装着された状態の一部分を示す断面図である。アーム体159およびカバー体502は、ボルト等を使わずにカバー体の取外しが容易な構造に形成される。本実施の形態では、アーム体159には、ボールプランジャ501が埋め込まれる。
図12は、ボールプランジャ501を示す断面図である。ボールプランジャ501は、内部空間506に弾性体、具体的には圧縮コイルばね505が内蔵される。ばねの一端部は、突出片であるボール504が設けられ、内部空間506から突出する。突出片は、ばねの伸縮方向に変位可能となる。ボールプランジャ501は、アーム体159に固定される。またカバー体502は、装着された状態でボールプランジャ501の先端に対向する位置に凹部503が形成される。
ボールプランジャ501の先端部504と、カバー体502に形成される凹部503とが嵌合することによって、カバー体502がアーム体159に装着される。ボールプランジャ501は、円筒状に形成され、外周部に外ねじが形成される。またアーム体159には、ボールプランジャ501が螺合する内ねじが形成される。このようにボールプランジャ501をアーム体159に対して、螺進または螺退させることによって、ボールプランジャの突出量を変更および調整することができ、適当な力でカバー体の取外しを行うことができる。
また本実施の形態によれば、各アーム体159,160に対してカバー体502が取外し可能に構成されることで、カバー体502を外した状態で、アーム体自体を滅菌することができ、滅菌駆動部120の内部の滅菌を容易にかつ確実にすることができる。またカバー体502を装着した状態で、清潔な空間104内でツール161を動作させることで、滅菌駆動部210の内部空間で雑菌が繁殖することを防ぐことができる。また弾性体の弾性復元力を利用して、カバー体502が装着されることでボルトを用いることなく着脱を容易にすることができる。またカバー体502の外表面の凹凸を少なくすることができる。
図13は、滅菌駆動部120を高温高圧滅菌する手順を示すフローチャートである。まず、ステップs0で、滅菌駆動部120と動力伝達部121とを組立てた状態で、滅菌駆動部120の滅菌が必要となると、ステップs1に進み、作業者は、滅菌動作を開始する。
ステップs1では、滅菌駆動部120のアーム側コネクタ301と、動力伝達部121の基板側コネクタ300との接続を解除し、ステップs2に進む。ステップs2では、ボルト143を取外し、ベース部111と、第2軸ケーシング147の上壁部181との連結を解除する。このようにして動力伝達部121から滅菌駆動部120を取外すと、ステップs3に進む。
ステップs3では、アーム体159,160に装着される各カバー体502を取外し、ステップs4に進む。ステップs4では、アーム側コネクタ301に防水キャップ305を装着し、ステップs5に進む。ステップs5では、オートクレーブ内に収納可能な形状にアーム構成体130を変形させ、滅菌駆動部120をオートクレーブ内に収容する。次に滅菌駆動部120を高温高圧の環境下に所定時間維持して滅菌を行う。高温高圧滅菌が完了するとステップs6に進む。ステップs6では、上述した作業ステップs1〜ステップs4を逆に行って、滅菌駆動部120を動力伝達部121に装着し、装着が完了すると、ステップs7に進む。ステップs7では、滅菌動作を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、上述したように、滅菌駆動部120を動力伝達部121から分離して、オートクレーブによって高圧高温滅菌することで、ハンド161のみを滅菌する場合に比べて、清潔空間内をより清潔にすることができる。またロボット全体を高圧高温滅菌する場合に比べて、小形のオートクレーブを用いて滅菌することができる。また本実施の形態では、カバー体502を取外して滅菌することで、滅菌駆動部120をより確実に滅菌することができる。また防水キャップ305をアーム側コネクタ301に装着することで、コネクタおよび配線の損傷を防ぐことができる。
図14は、本発明の第2実施形態である清潔空間用ロボット500の一部を示す斜視図である。本発明の第2実施形態のロボット500は、第1実施形態のロボット140に比べて、アーム構成体130の構成が異なり、残余の構成については同一である。したがって同一な構成については説明を省略し、同様の参照符号を付する。第2実施形態のロボットは、アーム構成体がパラレルリンク機構を有する。ロボットは、第1アーム機構510と、第2アーム機構520とを有する。
第1アーム機構510は、2つのアーム体159a,159bとそれらを連結する第1関節部501とを有する。第1関節部501は、第1アーム体159aに対して第2アーム体159bを鉛直な第1軸線J11まわりに角変位可能に連結する。また第2アーム体159bのうち、第1アーム体159aの連結部分と反対側の端部には、ハンド161が連なる。
第2アーム機構520は、2つのアーム体160a,160bとそれらを連結する第2関節部502と、第3関節部503とを有する。第2関節部502は、第3アーム体160aに対して第4アーム体160bを鉛直な第2軸線J12まわりに角変位可能に連結する。また第3関節部503は、第4アーム体16bのうち、第4アーム体160aの連結部分と反対側の端部と、第2アーム体159bとを鉛直な第3軸線J13まわりに角変位可能に連結する。第1〜第3関節部501〜503は、受動的にアームを角変位する。
また第1アーム体159aのうち、第2アーム体159bの連結部分と反対側の端部には、第4関節部504を介して移動体150に連結される。また移動体150は、第3電動機M23が固定される。第3電動機M23は、移動体150に対して、第1アーム体159aを鉛直な第4軸線J14まわりに角変位駆動する。同様に、第3アーム体160aのうち、第4アーム体160bの連結部分と反対側の端部には、第5関節部505を介して移動体150に連結される。また移動体150は、第4電動機M23が固定される。第4電動機M24は、移動体150に対して、第3アーム体160aを鉛直な第4軸線J14まわりに角変位駆動する。各電動機M23,M24は、減速機を介して動力をアーム体に伝達する。
電動機M23,M24の出力軸と、アーム体を角変位駆動する軸線を同一にすることによって、かさ歯車対をなくすることができる。また支柱側に電動機を配置することができるので、各アーム体159a,159b,160a,160bにかかる重力を少なくすることができる。また汚染の原因となる電動機をハンド161から遠ざけることができ、汚染の可能性を減らして清潔空間内で作業を行うことができる。また電動機M23,M24を鉛直に配置することができる。この場合、第1〜第3間接部501〜503は、耐熱水性および自己潤滑性を有する樹脂から成る樹脂ベアリングによって実現される。
図15は、第2実施形態のロボット500のリンク構造を簡略化して示す図である。本実施の形態では、第1〜第4アーム体の上下位置をずらして設けられる。具体的には、第1アーム体159a、第2アーム体159b、第3アーム体160a、第4アーム体160bの順で下方に並ぶ。これによって動作時の各アーム体159a,159b,160a,160bの干渉を防ぐことができる。また各アーム体のリンク長さ、リンク長さ比を適切に設定することによって、必要な領域での動作領域を確保することができる。
図16は、出力軸191とすべりねじ部材156とを連結する他のカップリング297を示す斜視図である。第1実施形態では、オルダムカップリング197を用いたが、出力軸191とすべりねじ部材156とを着脱可能に接続することができれば、他のカップリングおよび軸継手を用いてもよい。たとえば図16に示すように、連結すべき2つの軸のうち、一方の軸に固定される第1部材505は、円筒状に形成される本体と、軸線に垂直でかつ軸線を通過して本体から両側に突出するピン507とを有する。他方の軸に固定される第2部材506は、第1部材505の本体およびピン507が嵌合する嵌合部608が形成される。嵌合部508は、第1部材505と第2部材とが同軸に配置された状態で、第1部材に対して第2部材が軸線まわりに回転することを阻止する。このような構成であっても同様な効果を得ることができる。
以上のような本実施の形態は、本発明の例示に過ぎず発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば本実施の形態では、対象物を培養する培養システム100に清潔空間用ロボット140が用いられたが、ロボット140は清潔空間104で用いられればよく、他の用途にも用いることができる。細胞培養作業以外、たとえば遺伝子組替え作業、食品衛生作業、外科手術支援作業などの医療作業および医薬製造作業にも用いることができる。
またロボット140は、滅菌駆動部120と動力伝達部121とに分離可能であればよく、具体的なアーム構造、関節形態などは本実施の形態に限定されない。たとえばツールを駆動する駆動源は、電動機でなくてもよく、流体動力が与えられる駆動源であってもよい。またハンド161に変えて、他のエンドエフェクタであってもよい。また本実施の形態では、動力出力端部は、第1動力出力端部と第2動力出力端部との2つが設けられたが、いずれか一方であっても同様の効果を得ることができる。また動力出力端部が3つ以上であってもよい。さらに本実施の形態では、各動力出力端部は、軸線まわりに回転する動力を伝達するとしたが、回転力以外であってもよい。たとえば軸線方向に進む直進力を滅菌駆動部120に伝達してもよい。
また本発明は、空間形成壁103と、気体調整手段105と、清潔空間用ロボット140とを含む清潔空間用ロボットシステムも含む。このような清潔空間用ロボットシステムであっても、同様の効果を得ることができる。また清潔空間用ロボットシステムにおいて、滅菌駆動部120を動力伝達部121から分離して高圧高温滅菌が行われるとしたが、ロボットシステムは、清潔空間内で高圧高温滅菌が行われてもよい。この場合には、気体調整手段105が高圧高温滅菌可能な雰囲気に清潔空間を調整する。また滅菌駆動部120と動力伝達部121とが分離可能な構成でなくてもよい。またこの場合には、動力伝達部121のうちで滅菌駆動部120と連結される連結部分について、耐熱性を有する構成であればよい。
本発明の第1実施形態である清潔空間用ロボット140を分解して示す斜視図である。 清潔空間用ロボット140を含む培養システム100を示す断面図である。 ロボット140を示す断面図である。 滅菌駆動部120の一部を拡大して示す断面図である。 図4のV−V切断面線で滅菌駆動部120を切断して示す断面図である。 動力伝達部121の一部を拡大して示す断面図である。 滅菌駆動部120と動力伝達部121とを分離した状態を示す断面図である。 出力軸191とすべりねじ部材156とを連結するカップリング197を示す斜視図である。 アーム側コネクタ301と、基台側コネクタ300とを示す斜視図である。 カバー体とアーム体とを分離した状態を示す斜視図である。 アーム体159にカバー体502が装着された状態の一部分を示す断面図である。 ボールプランジャ501を示す断面図である。 滅菌駆動部120を高温高圧滅菌する手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態である清潔空間用ロボット500の一部を示す斜視図である。 第2実施形態のロボット500のリンク構造を簡略化して示す図である。 出力軸191とすべりねじ部材156とを連結する他のカップリング297を示す斜視図である。
符号の説明
104 清潔空間
107 清潔空間外の空間
114 アーム側電気配線
232 基台側電気配線
120 滅菌駆動部
121 動力伝達部
130 アーム構成体
181 第2軸ケーシングの上壁
191 第2軸減速機の出力軸
140 ロボット
144 基台
161 ハンド
188 封止部
300 基台側コネクタ
301 アーム側コネクタ
305 防水キャップ
502 カバー体

Claims (8)

  1. 清潔な雰囲気気体で満たされる清潔空間を規定する空間形成壁と、
    清潔空間でエンドエフェクタを変位移動する清潔空間用ロボットとを含む清潔空間用ロボットシステムであって、
    清潔空間内に配置され、エンドエフェクタを変位駆動する滅菌駆動部と、
    清潔空間外に配置される動力伝達部であって、滅菌駆動部が着脱自在に接続され、予め定める軸線まわりに角変位可能な動力出力端部を有し、動力出力端部を前記予め定める軸線まわりに角変位駆動することで滅菌駆動部に動力を伝達する動力伝達部と、
    前記動力出力端部を周方向に覆う外郭部と、
    前記動力出力端部が角変位駆動可能な状態を保ち、前記外郭部と前記動力出力端部との間を塞ぐ封止部とを備え
    前記空間形成壁には、清潔空間と空間形成壁の外方の空間とを連通する貫通孔が形成され、
    前記動力伝達部の前記動力出力端部と前記滅菌駆動部とは、前記貫通孔を介して連結され、
    前記外郭部は、前記空間形成壁に固定されていることを特徴とする清潔空間用ロボットシステム。
  2. 滅菌駆動部は、エンドエフェクタが連結されるアーム構成体と、アーム構成体に対して着脱自在に構成されてアーム構成体の表面を覆うカバー体とを有することを特徴とする請求項1記載の清潔空間用ロボットシステム。
  3. 滅菌駆動部は、高温高圧滅菌可能に形成され、エンドエフェクタ駆動時に、2つの摺動部位が互いに摺動する摺動部分を有し、2つの摺動部位のうちで少なくとも一方の摺動部位は、高圧高温蒸気における耐性を有するとともに、自己潤滑性を有する樹脂から成ることを特徴とする請求項1または2記載の清潔空間用ロボットシステム。
  4. 滅菌駆動部は、アーム側電気配線が接続されるアーム側コネクタが設けられ、
    外郭部または動力出力端部は、基台側電気配線が接続される基台側コネクタが設けられ、
    アーム側コネクタは、基台側コネクタと接続されることで、アーム側電気配線と基台側電気配線とを電気的に接続し、基台側コネクタとの接続が解除された状態で、コネクタ内に流体が侵入することを封止する防水キャップが装着可能に構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の清潔空間用ロボットシステム。
  5. 滅菌駆動部は、1または複数のアーム体と関節部とによって構成されるアーム機構が複数連結されるパラレルリンク機構を有し、各アーム機構をそれぞれ駆動する駆動源がエンドエフェクタから離反した位置に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の清潔空間用ロボットシステム。
  6. 前記封止部は、前記動力出力端部の周面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の清潔空間用ロボットシステム。
  7. 前記封止部は、オイルシールからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の清潔空間用ロボットシステム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の清潔空間用ロボットシステムを含んで、対象物を培養する培養システム。
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