以下、本発明の実施例について詳細に説明する。図1は、本実施例に係るパチンコ機GMを示す正面図である。図示のパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が表側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠3の下部には、遊技者のスイッチ操作に応じて上皿8から排出された遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータと連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機UT(図3参照)に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する残額表示部12aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ12bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ12cとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その内側の遊技領域5aの略中央には、液晶カラーディスプレイからなる表示装置DISPが配置され、その上部には、7セグメントLEDによる抽選結果表示部14と、2個のLEDランプ19が配置されている。また、表示装置DISPの右側には、演出回転体ROTが配置されている。この演出回転体ROTは、予告演出時に揺動回転して、大当り状態の招来を所定の信頼性をもって予告する。
表示装置DISPは、大当り状態に係わる特別図柄と直接関連する演出図柄(例えば、3桁の演出図柄「7・7・7」)を変動表示する演出図柄表示部として機能する部分であり、背景画像や各種のキャラクタなども併せてアニメーション的に表示する。一方、抽選結果表示部14は、特別図柄表示部として機能する部分であり、表示装置DISPの変動表示動作(図柄演出動作)に同期して点滅動作などをした後、表示装置DISPの停止動作に合わせて大当り抽選処理の当否結果を確定的に表示する。
この実施例では大当り状態は、確変大当りと、ノーマル大当りとに区分されているが、表示装置DISPは、確変大当りか、ノーマル大当りか、ハズレかを、停止状態の演出図柄の配列によって報知するのに対して、抽選結果表示部14では、これを所定の停止模様によって報知している。具体的には、表示装置DISPは、確変大当りか、ノーマル大当りか、ハズレかに応じて、それぞれ「7・7・7」、「6・6・6」、「2・5・2」などの演出図柄を停止表示するのに合わせて、抽選結果表示部14では、例えば2個の7セグメントLEDを設けた場合は、「77」「66」「−−」の停止図柄を表示する。なお、確変大当りとは、ノーマル大当りの場合と同様の特別遊技状態が終了した後、大当りの当選確率が増加した遊技(確変状態の遊技)が開始される大当り状態を意味する。
一方、2個のLEDランプ19は、普通図柄表示部として機能する部分であり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、表示内容が所定時間だけ変動し、その後、遊技球のゲート18の通過時点に抽出された抽選用乱数値に基づいて決定される当否状態を表示するようになっている。この実施例では、2つのLEDランプが共に点灯状態で停止すると当り状態となり、何れか一方、又は2つのLEDランプが消灯状態で停止するとハズレ状態となる。
図2に示すように、遊技盤5の遊技領域5aの適所には、図柄始動口15、大入賞口16、4つの普通入賞口17、左右の通過口であるゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜17及びゲート18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
本実施例では、図柄始動口15は、一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで拡大縮小され、普通図柄表示部たるLEDランプ19の変動後の停止状態で当り表示をした場合には、開閉爪が所定時間だけ拡大されるようになっている。そして、この図柄始動口15に遊技球が入賞すると、演出図柄表示部たる表示装置DISPと、特別図柄表示部たる抽選結果表示部14の表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄で停止する。
大入賞口16は、前方に開放可能な開閉板16aで開閉されるが、演出図柄表示部DISPの変動停止後の図柄が「6・6・6」「7・7・7」など、整列した演出図柄のとき(抽選結果表示部14では、「66」又は「77」を表示)、「大当り」と称される特別遊技状態が開始され、開閉板16aが開放されるようになっている。
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このような開閉動作が、例えば最大16回まで、大当たりラウンドとして継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
ところで、表示装置DISPの下部には、各4個のLEDランプで構成された2つの変動保留数表示部HO1,HO2が設けられている。ここで、変動保留数表示部HO1,HO2は、各々、特別図柄と普通図柄の変動保留数、言い換えると、大当り抽選処理と当り抽選処理の抽選保留数を表示している。具体的には、特別図柄表示部14や普通図柄表示部19の変動動作中に、更に、図柄始動口15やゲート18において遊技球が検出されたことを意味しており、4個を限度に、その後の抽選処理が保留状態となる。
図3は、上記した演出動作を含む各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図である。図示の通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧やシステムリセット信号SYSなどを出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DISPを駆動する画像制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMOを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板25と、を中心に構成されている。
但し、この実施例では、主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、コマンド中継基板26と演出インタフェイス基板27を経由して、演出制御基板22に伝送される。また、演出制御基板22が出力する制御コマンドCMD’は、演出インタフェイス基板27を経由して、画像制御基板23に伝送され、主制御基板21が出力する制御コマンドCMD”は、主基板中継基板28を経由して、払出制御基板24に伝送される。
これら主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、これらの制御基板21〜24に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24と言うことがある。なお、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部である。
ところで、このパチンコ機GMは、図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別されている。枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材G1を除く全てが、盤側部材GM2である。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、発射制御基板25と、枠中継基板32とが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。一方、遊技盤5の背面には、主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23が、表示装置DISPやその他の回路基板と共に固定されている。
そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタT1〜T4によって電気的に接続されている。接続コネクタT1〜T4は、この実施例では、遊技盤5の背面視左下に集中配置されている。そして、ガラス扉6を開放した状態で、前枠3の表側から、遊技盤5の左端を前枠3に係止して回転支点を確保し、確保した回転支点を中心に遊技盤5を回転させることで、前枠3の内側に遊技盤5を嵌合させる。なお、遊技盤5を嵌合させると、全ての接続コネクタT1〜T4が接続状態となり、それだけで枠側部材GM1と盤側部材GM2の接続が完了し、パチンコ機GMが動作可能な状態となる。
図3に示す通り、電源基板20は、接続コネクタT2を通して、主基板中継基板28に接続され、接続コネクタT3を通して、電源中継基板30に接続されている。そして、主基板中継基板28は、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYS、RAMクリア信号CLR、電圧降下信号ABN、バックアップ電源BU、DC12V、DC32Vを、そのまま主制御部21に出力している。同様に、電源中継基板30も、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYSや、交流及び直流の電源電圧を、そのまま演出インタフェイス基板27に出力している。なお、演出インタフェイス基板27は、受けたシステムリセット信号SYSを、そのまま演出制御部22と画像制御部23に出力している。
一方、払出制御基板24は、中継基板を介することなく、電源基板20に直結されており、主制御部21が受けると同様の、システムリセット信号SYS、RAMクリア信号CLR、電圧降下信号ABN、バックアップ電源BUを、その他の電源電圧と共に直接的に受けている。
ここで、電源基板20が出力するシステムリセット信号SYSは、電源基板20に交流電源24Vが投入されたことを示す信号であり、この信号によって各制御部21〜24のワンチップマイコンその他のIC素子が電源リセットされるようになっている。主制御部21及び払出制御部24が、電源基板20から受けるRAMクリア信号CLRは、各制御部21,24のワンチップマイコンの内蔵RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、係員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
主制御部21及び払出制御部24が、電源基板20から受ける電圧降下信号ABNは、交流電源24Vが降下し始めたことを示す信号であり、この電圧降下信号ABNを受けることによって、各制御部21、24では、停電や営業終了に先立って、必要な終了処理を開始するようになっている。また、バックアップ電源BUは、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断された後も、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンの内蔵RAMのデータを保持するDC5Vの直流電源である。したがって、主制御部21と払出制御部25は、電源遮断前の遊技動作を電源投入後に再開できることになる(電源バックアップ機能)。このパチンコ機では少なくとも数日は、各ワンチップマイコンのRAMの記憶内容が保持されるよう設計されている。
一方、演出制御部22と画像制御部23には、上記した電源バックアップ機能が設けられていない。しかし、先に説明した通り、演出制御部22と画像制御部23には、電源中継基板30と演出インタフェイス基板27を経由して、システムリセット信号SYSが共通して供給されており、他の制御部21,24と、ほぼ同期したタイミングで電源リセット動作が実現される。
図3に示す通り、主制御部21は、主基板中継基板28を経由して、払出制御部25に制御コマンドCMD”を送信する一方、払出制御部25からは、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や、払出動作の異常に係わるステイタス信号CONを受信している。ステイタス信号CONには、例えば、補給切れ信号、払出不足エラー信号、下皿満杯信号が含まれる。
また、主制御部21は、遊技盤中継基板29を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口16〜18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動チューリップなどのソレノイド類を駆動している。主制御部21は、遊技盤中継基板29を経由して、図柄表示基板33にも接続されて発光体たるLED群を点灯駆動している。
主制御部21において点灯駆動されるLED群には、抽選結果表示部14を構成する7セグメントLEDと、普通図柄表示部19を構成する2個のLEDランプとが含まれている。また、ゲート18や図柄始動口15に、連続して遊技球が通過した個数を示す変動保留数表示部HO1,HO2や、大当たりラウンド数などを表示するLEDについても、主制御部21によって直接的に点灯制御されている。
図3及び図4に示す通り、演出インタフェイス基板27は、コマンド中継基板26と、電源中継基板30と、枠中継基板31と、演出制御基板22と、ランプ接続基板34と、画像制御基板23とに接続されている。
図4に示すように、演出制御部22は、音声演出・ランプ演出・データ転送などの処理を実行するワンチップマイコン40と、ワンチップマイコン40の制御プログラムなどを記憶するEPROM41と、ワンチップマイコン40からの指示に基づいて音声信号を生成する音声再生LSI42と、再生される音声信号の基礎データである圧縮音声データを記憶する音声用メモリ(フレーズROM)43と、ウォッチドッグタイマWDTとを備えて構成されている。なお、ワンチップマイコン40は、必要時に、演出回転体ROTを揺動回転させるための駆動信号を出力する。
図4に示す通り、演出制御基板22のワンチップマイコン40には、主制御基板21から出力された制御コマンドCMDとストローブ信号(割込み信号)STBとが、演出インタフェイス基板27のバッファ48を経由して供給されている。そして、ストローブ信号STBによって起動される受信割込み処理によって、演出制御部22は、制御コマンドCMDを取得する。演出制御部22が取得する制御コマンドCMDには、(a)エラー報知その他の報知用制御コマンドなどの他に、(b)図柄始動口への入賞に起因する各種演出動作の概要を特定する制御コマンド(変動パターンコマンド)や、(c)変動動作を終了させるための制御コマンド(変動停止コマンド)が含まれている。ここで、変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当り抽選における当否結果とが含まれている。なお、リーチ演出の有無なども変動パターンコマンドによって特定されるが、演出内容の具体的な内容までは特定されていない。
そのため、演出制御部22では、変動パターンコマンドCMDを取得すると、これに続いて演出抽選を行い、取得した変動パターンコマンドで特定される演出概要を更に具体化している。例えば、リーチ演出や予告演出について、その具体的な内容が決定される。そして、決定された具体的な遊技内容にしたがい、LED群などの点滅によるランプ演出や、スピーカによる音声演出の準備動作を行うと共に、画像制御部23に対して、ランプやスピーカによる演出動作に同期した図柄演出に関する制御コマンドCMD’を出力する。この場合、演出制御部22は、画像制御部23に対するストローブ信号(割込み信号)STB’と共に、制御コマンドCMD’を演出インタフェイス基板27に向けて出力する。
なお、演出制御部22は、表示装置DISPに関連する報知用制御コマンドその他の制御コマンドを受信した場合は、その制御コマンドCMD’を、そのまま割込み信号STB’と共に演出インタフェイス基板27を経由して、画像制御部23に出力する。
以上の通り、演出制御部22は各種の制御コマンドCMD’を出力するが、以下では、主制御部21から受信した変動パターンコマンドCMDに基づいて決定される一連の図柄演出動作を特定する制御コマンドを、特に「演出コマンドECMD」と称し、一連の図柄演出動作中に実行される予告演出を特定する制御コマンドを、特に「予告コマンドYCMD」と称することがある。
そして、演出コマンドECMDは、(a)リーチ演出を経て大当り抽選の当選状態を報知するもの、(b)リーチ演出を経てハズレ状態を報知するもの、(c)リーチ演出を伴うことなくハズレ状態を報知するものに大別され、大別された各区分の演出コマンドECMDは、演出時間などに応じて更に多様に細分されている。
また、演出コマンドECMDとは別に、多数の予告コマンドYCMDが用意されており、演出制御部22での演出抽選によって、予告演出をするか否か、また、如何なる予告演出をするかが決定され、予告演出を実行する場合には、その予告演出を特定する単数又は複数の予告コマンドYCMDが画像制御部23に伝送される。
したがって、本実施例では、特定の演出コマンドECMDに対応して、予告演出が実行される場合もあれば、予告演出が実行されない場合もあり、また、実行される予告演出は、単一の場合もあれば複数の場合もある。
上記した演出制御基板22の構成に対応して、演出インタフェイス基板27は、8ビット長の制御コマンドCMD’と1ビット長の割込み信号STB’を受けるよう構成されている。そして、これらのデータCMD’,STB’は、バッファ回路45を経由して、そのまま画像制御基板23に出力される。また、演出インタフェイス基板27は、演出制御部22から出力されるランプ駆動用の制御信号を受けて、バッファ回路46を経由して出力する。演出インタフェイス基板27から出力されたランプ駆動制御信号は、ランプ接続基板34を経由してLEDランプ群に供給され、その結果、主制御部21が出力した制御コマンドCMDに対応するランプ演出が実現される。
一方、演出制御基板22の音声再生LSI42から出力される音声信号AOL0,AOR0は、演出インタフェイス基板27に搭載されたデジタルアンプ44で増幅されて出力される。その結果、主制御部21が出力した制御コマンドCMDに対応する音声演出が実現される。
次に、画像制御部23の構成について説明する。図4に示す通り、画像制御部23は、演出インタフェイス基板27を経由した制御コマンドCMD’を受けて図柄演出動作を制御するワンチップマイコン50と、ワンチップマイコン50の制御プログラムなどを記憶する制御用ROM51と、ワンチップマイコン50からの指示に基づいて表示装置(液晶ディスプレイ)DISPを駆動する画像コントローラ(具体的にはVideo Display Processor)52と、表示装置DISPに描画される基礎データ(スプライトのパターンデータ)などを記憶するグラフィックROM53と、を備えて構成されている。
なお、ワンチップマイコン50と画像コントローラ52は、その電源電圧が3.3Vであるので、画像制御基板23では、演出インタフェイス基板27から受けた直流電圧5Vを、降圧回路で3.3Vに降圧させて使用している。
ワンチップマイコン50は、演出インタフェイス基板27から制御コマンドCMD’を入力ポートに受けると共に、演出インタフェイス基板27からのストローブ信号STB’を第1割込み端子(不図示)に受けている。そして、ストローブ信号STB’がアクティブになると、制御用ROM51に格納されている割込み処理プログラムが起動して、制御コマンドCMD’がワンチップマイコン50に取得されるようになっている。
また、ワンチップマイコン50の第2割込み端子(不図示)は、画像コントローラ52から出力される割込み信号INTを受けており、表示装置DISPの1フレーム分の描画が完了する1/30秒毎に、描画用の割込み処理プログラムが起動するようになっている(Vblank割込み)。そして、制御用ROM51に格納されている描画用の割込み処理プログラムでは、各スプライトの描画位置や描画態様などを決定する動作パラメータを、画像コントローラ52の該当レジスタなどに書込むことによって、次に描画すべき各スプライトの位置や形状を指定するようにしている。なお、スプライトとは、表示装置DISP上で、他の画像とは独立して、任意に移動可能な一単位のグラフィックデータの総称であり、この実施形態では、「1」〜「9」の装飾文字や、その他の予告動作を含む演出キャラクタを特定するものとなっている。また、背景画像についてもスプライトで構成されている。
続いて、上記の構成を有する図3のパチンコ機GMについて、表示装置DISPで実行される図柄演出動作(変動動作)について図5〜図6に基づいて説明する。なお、この変動動作は、図柄始動口15への遊技球の入賞を契機に開始され、所定時間の図柄演出動作を経た上で、大当り抽選結果を報知して終了する。
このような演出動作を実現するため、先ず、主制御部21は、図5(d)に示す通り、図柄始動口15に遊技球が入賞したか否かを、一定時間毎にチェックし(ST1)、もし遊技球入賞が検出されれば、特別図柄処理において大当り抽選処理を実行する(ST2)。そして、その抽選結果と演出概要とを特定する変動パターンコマンドCMDを出力する(ST3)。先に説明した通り、主制御部21で決定する演出概要は、演出開始から演出終了までの演出総時間と、リーチ演出の有無などに限られ、演出内容の具体的内容は特定されない。
次に、図5(a)〜図5(c)は、主制御部21が出力する変動パターンコマンドなどの制御コマンドCMDを受信する演出制御部22の動作内容を示すフローチャートである。演出制御部22の動作は、CPUがリセットされると開始されるメイン処理(図5(a))と、主制御部21から制御コマンドCMDを受信した際に起動される受信割込み処理(図5(b))とを中心に構成されている。
図5(a)に示す通り、CPUがリセットされると、ワンチップマイコン40が初期設定された後(ST21)、チェックデータ(管理データ)の適否が検査される(ST22)。ここでチェックデータとは、ステップST32において、RAMエリアの所定領域に対して実行された加算演算の演算結果(チェックサム値)である。例えば、CPUが電源リセットされたような場合には、当然、チェックデータが一致しないので、RAMの全領域をクリア処理する(ST24)。
一方、ウォッチドックタイマによるCPUリセットのような場合には、チェックデータが一致する場合もある。それは、プログラムが暴走状態とはなったものの、RAMのワークエリアに、不合理なデータを何も書込んでいないような場合である。そこで、そのような場合には、中断された制御動作を、問題なく再開できるようバックアップ復帰処理を実行する(ST23)。バックアップ復帰処理では、例えば、実行中の演出動作(音声演出やランプ演出)や、その他の制御動作を、適当な区切り位置から再開できるよう初期設定する。
次に、演出制御基板22に搭載されている音声再生LSIについて初期化処理を実行した後(ST25)、ステップST26〜ST32の処理を無限ループ状に繰り返す。具体的には、先ず、CPUを割込み許可状態に設定した後(ST26)、割込み待ち処理を実行する(ST27)。この割込み待ち処理は、例えば4mS毎に起動されるタイマ割込み処理(不図示)の完了を確認する処理である。割込み待ち処理では、図5(c)に示す通り、先ず、演出制御基板22に搭載されたウォッチドッグタイマにクリアパルスを送信して、CPUが強制リセットされることを回避する(ST12)。次に、演出抽選などで使用する乱数を更新しつつ(ST13)、タイマ割込み処理が完了するのを待つ(ST14)。なお、不図示のタイマ割込み処理では、タイマ割込みを受けると確認フラグをセットするので、ステップST14では、この確認フラグを繰り返しチェックすることになる。そして、確認フラグのセット状態が確認されたら、確認フラグをリセットしてサブルーチン処理を終える(ST15)。
このようにして割込み待ち処理(ST27)が終われば、図5(b)に示す受信割込み処理で取得されている制御コマンドCMDを解析し、もし、変動パターンコマンドを受信している場合には、変動パターンコマンドCMDに基づく演出抽選処理を実行して、音声演出、ランプ演出、及び図柄演出の演出内容を具体的に特定する(ST28)。図柄演出については、リーチ演出内容や予告演出内容を含んで具体的に特定される。
そして、特定された演出内容の進行を規定する演出シナリオを開始させる(ST29)。なお、既に演出動作中であれば、実行中の演出シナリオを進行させる(ST29)。ここで、音声演出とランプ演出の進行については、演出制御部22に設けられた演出シナリオに基づいて具体的に制御されるが、図柄演出の進行については、画像制御部23に設けられた演出シナリオ(図8(b)シーケンステーブルSEQ_TBL)に基づいて制御される。したがって、演出制御部22の演出シナリオは、図柄演出の演出終了タイミングを規定しているだけである。
次に、ステップST28のタイミングで演出抽選処理が実行された場合には、演出抽選処理で特定された演出内容を規定する演出コマンドECMDや予告コマンドYCMDを画像制御部23に伝送する(ST30)。例えば、複数の予告コマンドYCMDを伝送する場合には、演出コマンドECMDと、複数の予告コマンドYCMDとが、この順番で連続的に一気に送信される。なお、主制御部21から受信した制御コマンドCMDが、報知用制御コマンドや変動停止コマンドなどである場合には、受信した制御コマンドCMDを、そのまま画像制御部23に転送する。
次に、特定されている演出シナリオの進行に対応して、音データやランプデータの出力処理を実行する(ST31)。なお、音声演出とランプ演出は、表示装置DISPでの図柄演出動作の開始タイミングに一致させるべく、所定の遅延時間を経て開始される。最後に、チャンスボタン11に関するボタン対応処理が実行された後(ST32)、RAMエリアの所定領域に対して加算演算を実行して、その演算結果たるチェックサム値を記憶してステップST26に戻る(ST33)。
続いて、画像制御部23のワンチップマイコン50の動作内容を説明する。先ず、制御方法を概略的に説明すると、ワンチップマイコン50は、演出制御部22から受信した演出コマンドECMDや予告コマンドYCMDに基づいて、適宜なタイミングで、画像コントローラ52の該当レジスタに適宜な動作パラメータを書き込む。一方、画像コントローラ52では、書き込まれた動作パラメータに基づいて、グラフィックROM53から必要なデータを読み出し、1/30秒毎に一フレームの画像データを構築し、これを表示装置DISPに出力することで図柄が表示される。そして、図柄の表示位置や表示内容が、時間的に変化することで変動動作や予告動作などの図柄演出が実現される。
図7は、図柄演出の一例を示す図面であり、タイミングT0で3つの図柄(左図柄・中図柄・右図柄)の変動動作が開始され、タイミングT1で予告動作1が実行され、タイミングT2で予告動作2が実行されることを示している。その後、タイミングT3では、2つの図柄が一時停止した後、タイミングT4で開始されるリーチ演出(不図示)を経た上で、タイミングT5で全ての図柄が停止している。
本実施例では、予告動作1として4つの動作候補(予告動作1a、予告動作1b、予告動作1c、予告動作1d)が存在するが、そのうちの一つが予告コマンドYCMD1によって選択され実行される。予告動作2についても同様であり、3つの動作候補(予告動作2a、予告動作2b、予告動作2c)のうちの一つが予告コマンドYCMD2によって選択されて実行される。なお、4つの予告動作1a〜1dの何れが選択されても、動作開始と動作終了のタイミングが同一であるが、予告動作2については、何れか選択されるかに応じて、開始タイミングも終了タイミングも相違する。
ところで、本実施例では、図柄演出開始T0からの経過時間T1,T2・・・T5は、ソフトウェア処理で1/30秒毎にインクリメントされる絶対時間カウンタT(図8(a)参照)で管理されている。また、図7の動作例では、画像制御部23が、演出コマンドECMDの他に、2つの予告コマンドYCMD1,YCMD2を受けているが、この実施例では、全てのコマンドECMD,YCMD1,YCMD2を受信し終わった後に、図柄演出が開始されるよう構成されている。
図7に例示するような図柄演出を実現するため、本実施例の画像制御部23は、演出シナリオたるシーケンステーブルSEQ_TBL(図8(b))と、複数Nチャンネル(実施例では16チャンネル)分の記憶領域を有するインデックステーブルINX_TBL(図8(c))と、複数Mチャンネル分(M>N:実施例では64チャンネル分)のポインタPTiの記憶領域を有するポインタテーブルPT_TBL(図8(d))と、各ポインタPTiに対応する相対時間カウンタtiの記憶領域を有する相対時間カウンタテーブルCT_TBL(図8(e))と、を有して構成されている。
なお、シーケンステーブルSEQ_TBL(図8(b))は、制御用ROM51に固定的に記憶されているが、インデックステーブルINX_TBL(図8(c))、ポインタテーブルPT_TBL(図8(d))、及び相対時間カウンタテーブルCT_TBL(図8(e))は、ワンチップマイコン50のRAMエリアに確保される。
シーケンステーブルSEQ_TBLは、演出コマンドECMDに対応して各々設けられ、図柄始動口15への遊技球の入賞に起因する一連の図柄変動動作について、その開始から終了まで、予告動作なども含んで、全ての図柄動作を規定している。図8(b)に示す通り、シーケンステーブルSEQ_TBLには、一まとまり図柄演出動作の開始時間(一連の図柄変動動作の開始タイミングから起算される絶対時間)と、この開始時間に達すると開始される図柄演出動作を特定するインデックス情報INXiと、が対応して規定されている。インデックス情報INXiは、これに対応する管理テーブルD_TBLi(図9、図10)を特定するポインタ情報であり、各管理テーブルD_TBLiには、所定の演出時間を有する一まとまりの図柄演出の全てを特定する情報が記憶されている。
例えば、図8(b)の例では、タイミングT0から、INX1で特定される図柄演出が開始され、タイミングT1からINX2で特定される図柄演出が開始され、タイミングT2からINX3で特定される図柄演出が開始される。なお、各図柄演出の終了時間や終了条件は、各インデックス情報INXiで特定される管理テーブルD_TBLiに規定されている。
また、各インデックス情報INXiは、インデックステーブルINX_TBL(図8(c))のチャンネル番号を特定して記憶されている。そして、図8(c)に示すインデックステーブルINX_TBLには、一連の演出動作の開始時(T0)か、または、予告動作など個々の図柄演出開始時(T1,T2)に、シーケンステーブルSEQ_TBLのインデックス情報INXiが転記される。
先に説明した通り、インデックス情報INXiは、管理テーブルD_TBLを特定するポインタ情報であるが、管理テーブルD_TBLは、ヘッダ部とボディ部とに大別されて構成されている。そして、ヘッダ部は、一連の図柄演出を統括制御する管理データを記憶する部分であり、総括ヘッダ部と区分ヘッダ部とに区分されている(図9、図10参照)。
一方、ボディ部は、描画図柄の変化タイミング毎に区分された一連の描画情報を記憶する部分であり、各描画情報は、画像コントローラ52に出力される動作パラメータと、その出力タイミング情報とで構成されている。ここで、出力タイミング情報は、各図柄演出の開始時(T1,T2)からの相対的な経過時間(相対時間)を規定している。
また、図8(d)に示すポインタテーブルPT_TBLには、インデックステーブルINX_TBLのインデックス情報INXiによって特定される管理テーブルD_TBLについて、そこに記憶されている出力タイミング情報(相対時間)を指示するポインタPTjが配置されている(図示例では0≦j≦63)。そして、このポインタPTjは、インデックス情報INXiをインデックステーブルINX_TBLに書き込むタイミングで、適宜な初期値に設定され、画像コントローラ52に動作パラメータを出力する毎に、増加方向に更新される(PTj←PTj+α)。
一方、図8(e)に示す相対時間カウンタテーブルCT_TBLには、ポインタPTjが指示する出力タイミング情報(相対時間)との対比処理で使用される相対時間カウンタtjが配置されている。そして、ポインタPTjの初期設定処理と同じタイミングで、相対時間カウンタtjがゼロに初期設定される。
図9及び図10は、インデックス情報INXiで特定される管理テーブルD_TBLのデータ構造を示す図面である。管理テーブルD_TBLは、制御ROM51に記憶されている。先に説明した通り、この管理テーブルD_TBLには、ヘッダ部に格納される管理情報と、ボディ部に格納される一連の描画情報(動作パラメータ+出力タイミング情報)とが記憶されており、一連の図柄変動動作や、単発的な予告動作を特定している。
本実施例の管理テーブルD_TBLは、複数種類の図柄による重複した図柄動作か、或いは、単一図柄による単一動作かを規定する一般タイプ(A)と、複数種類の図柄動作のうちから1個又はそれ以上が選択実行される選択タイプ(B)とに大別されている。但し、何れの管理テーブルD_TBLも、管理情報(ヘッダ情報)を記憶するヘッダ部と、一連の描画情報(動作パラメータ+出力タイミング情報)を記憶するボディ部とで構成されているのは前述した通りである。
図9は、一般タイプ(A)の管理テーブルD_TBL1であり、図7のタイミングT0から開始される3つの図柄(左・中・右)について、タイミングT0〜タイミングT5までの図柄変動動作の全てを規定している。
図10は、選択タイプの管理テーブルD_TBL3であり、図7のタイミングT2から開始される予告動作2について、その図柄演出の全てを規定している。すなわち、予告動作2には、3つの動作候補(予告動作2a、予告動作2b、予告動作2c)が存在するが、そのいずれか選択されても、選択された予告動作2が実行できるよう全ての情報が格納されている。
<ヘッダ部の総括ヘッダ>
何れのタイプの管理テーブルD_TBLであっても、そのヘッダ部は、総括ヘッダと区分ヘッダとに区分されている。そして、管理テーブルD_TBLの総括ヘッダによって、管理テーブルが一般タイプ(A)であるか、選択タイプ(B)であるかが特定されるようになっている。なお、総括ヘッダの先頭アドレスは、インデックス情報INXiで特定される。
<ヘッダ部の区分ヘッダ>
一方、区分ヘッダには、管理テーブルのタイプ毎に固有のデータが記憶されている。一般タイプ(A)の区分ヘッダには、当該管理テーブルD_TBLで規定された図柄演出の動作開始時間(絶対時間)と、仮想上の配置チャンネルにおける使用開始チャンネルと、演出属性情報と、重複実行される図柄演出の個数及び各図柄演出に要するデータ量と、が記憶されている(図9参照)。一方、選択タイプ(B)の区分ヘッダには、当該管理テーブルD_TBLで規定された図柄演出の動作開始時間(絶対時間)と、仮想上の配置チャンネルにおける使用開始チャンネルと、演出属性情報と、受信される可能性のある制御コマンド(予告コマンドYCMD)を特定する情報及び各図柄演出に要するデータ量と、が記憶されている(図10参照)。
ここで、配置チャンネルとは、画像(スプライト)を配置する仮想上の配置位置を意味し、この実施例では、ポインタテーブルPT_TBLの記憶領域に対応して、CH0からCH63の64個が確保されている。64個の配置チャンネルCH0〜CH63は、重ね書きされる画像の優先順位と、画像の最大個数(=64)と、を規定しており、CH0が最も優先度が低く、CH63が最も優先度が高く設定されている。すなわち、CH0に配置される画像が、仮想上、最も奥の位置に書かれ、その上に、CH1に配置される画像が重ね書きされ、以下同様に、CH2→CH3→・・・・CH15に配置される画像が重ね書きされる。
例えば、図9に示す管理テーブルD_TBL1は、3つの図柄による一連の図柄変動動作を規定しているが(図7参照)、使用開始チャンネル=CH6、図柄演出個数=3となっている。そのため、図柄変動動作を実現する3つの図柄(左・右・中)が、3つの配置チャンネルCH6,CH7,CH8に仮想的に配置される。そのため、3つの図柄の占有領域が、仮に、表示装置DISPにおいて重複した場合には、配置チャンネルCH6,CH7,CH8の優先度に応じて、左図柄の上に右図柄が重なり、更にその上に中図柄が重なることになる。
次に、区分ヘッダに記憶されている演出属性情報は、ボディ部で規定される図柄演出の終了時の動作を規定したものであり、この実施例では、(a)演出図柄を画面から消滅させて演出を終了するか、(b)最初の画面に戻って同一の図柄演出を繰り返し実行するか、(c)最終の画面のまま停止させるか、の何れかを特定するようにしている。
<ボディ部の描画情報>
ボディ部には、一連の画像情報(動作パラメータ+出力タイミング情報)が記憶されている。図9や図10の最下部に記載の通り、画像情報には、(a)表示装置に描画すべきスプライトを特定する、グラフィックROM51に対するROMインデックス情報と、(b)相対時間カウンタtiと対比される開始時間情報と、(c)スプライトの表示装置への表示位置を特定する座標位置情報と、(d)スプライトの描画態様を特定する情報と、を含んで構成されている。先に説明した通り、開始時間情報は、一連の図柄演出が開始されてからの経過時間である相対時間を意味する。
以上の概略説明を踏まえて、画像制御部23の制御動作内容を、図6のフローチャートに基づいて説明する。図6(a)は、電源投入後に開始されるメイン処理を示し、図6(b)は、受信割込み処理を示している。受信割込み処理は、演出インタフェイス基板27を経由して受けるストローブ信号STB’に基づいて起動される。そして、演出制御部22から伝送された制御コマンドCMD’を受信し、これをコマンドバッファに格納して処理を終える(ST50)。
例えば、主制御部21から演出制御部22に変動パターンコマンドCMDが伝送された場合には、演出制御部22は、演出抽選を実行して、演出コマンドECMD(及び予告コマンドYCMD)を画像制御部23に向けて出力する。そして、例えば、演出コマンドECMDiに続いて、2個の予告コマンドYCMD1j,YCMD2kが出力された場合には、これらが順番に受信割込み処理によって取得され、受信順にコマンドバッファに格納される(図6(c))。そして、メイン処理(図6(a)において、必要な処理を終えた後、コマンドバッファの開始アドレスにENDデータを書込むことで、コマンドバッファがクリア処理される。
なお、この実施例では、予告動作1として4つの選択肢があり、予告動作2として3つの選択肢があると仮定しているが、演出制御部22における演出抽選において、それぞれ、その1つが選択され、選択された予告動作を特定して、予告コマンドYCMD1jと、予告コマンドYCMD2kとが伝送されている。
続いて、画像制御部23のメイン処理を説明する。図6(a)に示すように、電源投入後、画像制御部23のワンチップマイコン50は、ワンチップマイコン50及び画像コントローラ52について必要な初期処理を実行し、(ST40)、その後、画像コントローラ52からのBlank割込みに応答して、ステップST42〜ST47の無限ループ処理を繰り返す。なお、特に限定されるものではないが、この実施例では、1/30秒間隔で画像コントローラ52に動作パラメータを書込み、最高では、1/30秒の間隔で表示装置DISPの表示画像が切り替わるよう構成されている。
無限ループ処理では、コマンドバッファの先頭アドレスに、演出コマンドECMDが取得されているか否かが判定され(ST42)、取得されていなければ、ステップST43の処理がスキップされる。一方、演出コマンドECMDが取得されていれば、取得されている演出コマンドECMDiに基づいて、該当するシーケンステーブルSEQ_TBL(図8(b)参照)を特定し、絶対時間カウンタTの値をゼロに初期設定する(ST43)。
続いて、絶対時間カウンタTをインクリメント(+1)して更新した後(ST44)、更新後の絶対時間カウンタTの値に基づいて、シーケンステーブルSEQ_TBLを検索し、開始すべき図柄演出が検出されると、管理テーブルD_TBLiを特定するインデックス情報INXiを、インデックステーブルINX_TBLの該当チャンネルに登録する(ST45)。なお、登録すべきインデックステーブルINX_TBLのチャンネルCHは、シーケンステーブルSEQ_TBLに規定されている。
このステップST45の処理によって、これ以降に使用される管理テーブルD_TBLiが特定される。なお、予告演出を伴う図柄変動動作を実行する場合には、複数個の管理テーブルD_TBLiが使用され(図8(b)参照)、図示の例では、タイミングT1とタイミングT2において、各々、インデックス情報INX2とインデックス情報INX3が、インデックステーブルINX_TBLの該当領域に登録される。
ステップST45の処理が終われば、続いて、インデックステーブルINX_TBLを、CH0からCH15に向けて順番に必要な解析処理を実行する。具体的には、インデックステーブルINX_TBLの各チャンネルCHiに格納されているインデックス情報INXiで特定される管理テーブルD_TBLiについて、その区分ヘッダに規定されている開始時間と、絶対時間カウンタTとの値を比較する(ST46)。
例えば、タイミングT0(T=1)では、インデックス情報INX1で特定される管理テーブルD_TBL1(図9)が解析されることになり、その区分ヘッダに記憶された開始時間(=1)を判定することで、絶対時間カウンタTの値と一致することが判明する。
そして、このような場合には、該当する管理テーブルD_TBL1において、描画情報の開始時間(相対値)を特定するポインタPTを、ポインタテーブルPT_TBLに登録する(ST46)。例えば、タイミングT0(T=1)であって、Aタイプの管理テーブルD_TBL1(図9)が該当する場合であれば、区分ヘッダの情報に基づいて、開始チャンネル=CH6、重複演出数=3と特定されるので、ポインタテーブルPT_TBLのチャンネルCH6,CH7,CH8に、左図柄、右図柄、中図柄についての画像情報の先頭アドレスを特定するポインタPT6,PT7,PT8が各々格納される(図8及び図9参照)。
なお、左図柄、右図柄、中図柄は、前回の停止状態の図柄に応じて、具体的には種々変化するが、変動動作を規定する管理テーブルD_TBLiには、標準的な図柄演出が規定されており、この標準的な図柄演出が、修正されて実効化される。標準的な図柄演出は、例えば、「図柄1」→「図柄2」→「図柄3」→・・・・「図柄1」→「図柄2」・・・のように図柄が循環する変動動作であり、変動動作開始前の停止図柄が「図柄N」であれば、オフセット値(=N−1)に基づいて、描画情報のROMインデックス情報を修正した上で図柄演出が実行される。
また、ステップST46の処理では、相対時間カウンタテーブルCT_TBLについて、該当するチャンネルの相対時間カウンタtiの値をゼロに初期設定する。例えば、タイミングT0(T=1)であれば、ポインタテーブルPT_TBLのCH6〜CH8に対応して、相対時間カウンタテーブルCT_TBLのCH6〜CH8に配置された相対時間カウンタt6〜t8がゼロクリアされる(図8参照)。
次に、ポインタテーブルPT_TBLを、チャンネルCH0からチャンネルCH63に向けて順番に解析して、ポインタPTの記憶されているチャンネルについては、相対時間カウンタテーブルCT_TBLの対応チャンネルに格納されている相対時間カウンタtiの値をインクリメントして更新する(ST47)。
次に、インクリメント後の相対時間カウンタtiと、ポインタPTiによって特定される描画情報の開始時間(相対値)とを対比し(図9の最下部参照)、その描画情報についての描画開始時間に達したか否かを判定する(ST47)。そして、開始時間(相対値)に達した描画情報については、必要な動作パラメータを画像コントローラ52に出力し、相対時間カウンタtiに対応するポインタPTiの値を、ポインタテーブルPT_TBLにおいて更新する(PTi←PTi+α)。
ここで、更新したポインタPTiが指示するデータがNULL(ENDデータ)である場合は、それ以降のアドレスには、描画情報が記憶されていないことを意味する。そこで、そのような場合には、管理テーブルD_TBLの区分ヘッダに記憶されている属性情報にしたがって、(a)ポインタテーブルPT_TBLからポインタPTiを削除するか、(b)ポインタPTiと相対時間カウンタtiを、再度、初期設定するか、(c)ポインタPTiの値を維持するかを決定する。
(a)ポインタテーブルPT_TBLからポインタPTiを削除すると、それまでの図柄動作がそれ以降は実行されない。そこで、ポインタPTiの削除に対応して、画像コントローラ52に対して表示中のスプライトを消去させる動作パラメータを出力する。
一方、(b)ポインタPTiと相対時間カウンタtiとを初期設定すると、それまで実行してきた図柄演出が最初から繰り返される(ループ処理)。なお、このループ処理は、ポインタテーブルPT_TBLの該当チャンネルに、別のポインタPTが上書きされることで終了する。
また、(c)ポインタPTiの値が維持された場合には、それ以降、図柄演出が進行しないので、対応するスプライトは、表示画面上で停止状態を維持する。一連の図柄変動動作の終了時(図7のタイミングT5)がこの動作に対応する。なお、この停止処理は、ポインタテーブルPT_TBLの該当チャンネルに、別のポインタPTが上書きされることで解消される。
以上のようにして、ステップST47の処理が終われば、ステップST41の処理に戻るので、1/30秒毎に、絶対時間カウンタTと相対時間カウンタtiとが更新されつつ、図柄演出が進行する。
また、更新された絶対時間カウンタTに対応して、シーケンステーブルSEQ_TBLが解析され、新規の図柄演出の開始時間に達すれば、その図柄演出を特定するインデックス情報がインデックステーブルに転記される(ST45)。また、該当するポインタPTがポインタテーブルPT_TBLに格納されると共に、格納されたポインタPTに対応する相対値カウンタtiが初期設定されて相対時間カウンタテーブルCT_TBLに格納される(ST46)。
図11は、タイミングT0(T=1)→タイミングT1(T=11)→タイミングT2(T=16)と進行する図7の図柄演出について、インデックステーブルINX_TBL(図11(b))と、ポインタテーブルPT_TBL(図11(c))の記憶内容の推移を図示したものである。
タイミングT0(T=1)の状態は、図8に記載された内容と同様であるが、タイミングT1(T=11)では、インデックス情報INX2で特定される予告動作1が開始される。予告動作1としては4つの候補(予告動作1a〜1d)があるが、その何れを実行するかは、その段階でコマンドバッファに格納されている予告コマンドYCMD1jに基づいて特定される。具体的には、インデックス情報INX2に対応する管理テーブルD_TBL2(不図示)の区分ヘッダに格納されている予告コマンド情報に基づいて、何れの予告演出を実行するかが特定される。
このようにして開始された予告動作1は、その後、管理テーブルD_TBL2の描画情報に基づいて進行し終了する。なお、管理テーブルD_TBL2の区分ヘッダに記憶されている属性情報(不図示)に従い、予告動作1の終了時に、関連するスプライトは全て消滅する。これに合わせて、ポインタテーブルPT_TBL及び相対時間カウンタテーブルCT_TBLのチャンネルCH2において、各々、更新されてきたポインタPT2と相対時間カウンタt2も消滅する。なお、インデックステーブルINX_TBLのチャンネルCH2については、削除する必要がないので、そのまま維持される。
その後、タイミングT2(T=16)では、インデックス情報INX3で特定される管理テーブルD_TBL3(図10)に基づいて予告動作2が開始される。予告動作2として3つの候補(予告動作2a〜2c)が用意されているが、その何れを実行するかは、その段階でコマンドバッファに格納されている予告コマンドYCMD2kによって特定される。
ここでは、予告コマンドYCMD2kが予告動作2cの実行を意味すると仮定すると、ポインタテーブルPT_TBLのチャンネルCH5には、予告動作2cの最初の画像情報の位置を特定するポインタPT5が格納される(図10、図11参照)。図7に示すように、予告動作2cは、タイミングT2から更に相対時間Δ2だけ経過したタイミングで開始される。つまり、タイミングT2から計時動作を開始する相対時間カウンタt5がt5=Δ2となるタイミングで、初期状態のポインタPT5が指示する描画情報が実効化され、その後、ポインタPT5が更新される。
以上の通り、本実施例では、演出シナリオたるシーケンステーブルSEQ_TBL(図8(b))に基づいて、インデックステーブルINX_TBL(図8(c))と、ポインタテーブルPT_TBL(図8(d))と、相対時間カウンタテーブルCT_TBL(図8(e))とに必要な情報を記憶しつつ、円滑に図柄演出が進行する。
そして、シーケンステーブルSEQ_TBLには、AタイプとBタイプの管理テーブルD_TBLを任意に登録可能であるので、複数の図柄演出を同期して進行させることも、複数の図柄演出のうちの何れか一以上を制御コマンド(予告コマンド)で特定して進行させることもできる。このように、本実施例では、複数の図柄演出について各々管理テーブルを設けるのではなく、本実施例では、ヘッダ部分に記憶した管理情報によって複数の図柄演出を管理するのでROMエリアの無駄使いがない。
なお、実施例では、予告演出2について3つの候補(2a〜2c)から、その一つが選択される場合を説明したが、本実施例の管理テーブルのデータ構造によれば、何らこのような動作に限定されない。すなわち、予告演出2a、予告演出2b、及び予告演出2cを特定する3つの予告コマンドを受信している場合には、図10の管理テーブルD_TBL3の区分ヘッダのコマンド特定領域のデータに基づいて、予告演出2aと予告演出2bと予告演出2cとが重複して実行される。例えば、花が咲き(予告演出2a)、蜂が飛び(予告演出2b)、蝶々が舞う(予告演出2c)という一連の予告動作を重複して実行することもできる。
また、本実施例では、管理テーブルの区分ヘッダに開始時間を規定するので、その開始時間をシーケンステーブルSEQ_TBLに規定されている開始時間と相違させることもできる。更に、ステップST46の処理においてインデックステーブルINX_TBLを毎回解析するので、全ての予告コマンドを、タイミングT0より以前に受信しておく必要はない。すなわち、予告コマンドは、その開始時間まで受信されたので足りる。
なお、予告演出2a+予告演出2b、予告演出2a+予告演出2c、予告演出2b+予告演出2cの重複した予告動作も自由であり、択一的な動作(予告演出2a、予告演出2b、予告演出2c)と、重複動作(予告演出2a+予告演出2b+予告演出2c)とを合わせ、全部で7通りの予告動作を実行することができる。
以上本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、管理テーブルの区分ヘッダには、必ずしも、開始時間情報を記憶する必要はなく、シーケンステーブルSEQ_TBLの開始時間情報だけでシナリオ進行を制御するのも好適である。
このような実施態様を採る場合には、1/30秒間隔で、毎回、インデックステーブルINX_TBLを解析する必要はなく、図12に示すように、ステップST46の処理を省略することができる。但し、この場合には、ステップST45において、(a)シーケンステーブルSEQ_TBLの開始時間データが絶対時間カウンタTに一致すれば、管理テーブルD_TBLを特定するインデックス情報INXiを、インデックステーブルINX_TBLに登録し、その処理に合わせて、(b)描画情報の開始時間(相対値)を特定するポインタPTをポインタテーブルPT_TBLに登録し、(c)相対時間カウンタtiを初期設定する。