JP5123101B2 - 生活支援報知システム - Google Patents

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Description

本発明は、人が不注意で引き起こす事象について、センサなどで検出される人の行動に関連した情報から当該事象が生じるか否かを推定し、当該事象の生じる前に事前に注意を喚起する生活支援報知システムに関するものである。
一般に、人の不注意な行動によって生起される事象には、火災のように生命にかかわる事象があり、この種の異常な事象は未然に防止することが望まれる。とくに、近年では独居高齢者の増加に伴い、異常に気付くのが遅れて重大な事故につながることも多い。
独居高齢者を対象として異常を検知するシステムについては数多くの研究がなされている。たとえば、人感センサと家電製品の動作状況を検出するセンサの反応パターンと独居高齢者の行動とを、HMM(隠れマルコフモデル)でモデル化し、異常を検知することが提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。非特許文献1では、異常を検知するアルゴリズムについての記述はあるが、利用者に警報を報知することについてはとくに言及されていない。
また、独居高齢者の宅内での行動を、宅内の複数の空間に配置した人感センサなどにより検出し、検出結果の時系列データのパターンに見られる特徴的な遷移パターンをマルコフ連鎖モデルとしてモデル化し、異常の検知を行うことも考えられている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2003−256967号公報 青木茂樹,大西正輝,小島篤博,福永邦雄:"独居高齢者の行動パターンに注目した非日常状態の検出,"電気学会論文誌(E),Vol.125−E,No.6,pp.259−265,June 2005
特許文献1、非特許文献1に記載されている技術は、異常が生じたか否かを判断する技術であり、軽微な不注意により引き起こされる事象を検出するものではない。この種の事象は、不注意で引き起こされている事象か、利用者が意識的に引き起こしている事象であるかの判断が難しい場合があり、利用者が意識的に引き起こしている事象であるときには、通常の異常の検出と同様に警報を報知すると利用者に不快感をもたらすことになる。
したがって、この種の事象が生じているときには、警報の報知を行わないほうが利用者に混乱をもたらさないという点で有益な場合もある。その一方で、この種の事象が不注意で生じているときには、警報の報知によって利用者の注意を喚起する(利用者に気付かせる)ことで重大な異常に至るのを防止することも必要である。
とはいえ、警報の報知の頻度には利用者の好みがあり、安心のために警報の報知の頻度が高いほうがよいと感じる利用者や、警報の報知の頻度が低いほうが煩わしくなくからよいと感じる利用者がいるから、警報の報知をどのような条件で行うかを利用者の好みに応じて調節することが望ましい。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、不注意により生起している事象か意識的に引き起こしている事象かの判断が難しい事象に関して、警報を報知するか否かを報知の効用の程度により判断することにより、不必要な警報の報知(誤報)を抑制し、かつ必要な報知(失報の防止)は行えるようにし、しかも、利用者にとって適正な条件で警報が報知されるように調節される生活支援報知システムを提供することにある。
請求項1の発明は、利用者の行動に関連した事象を検出する複数個のセンサと、利用者の行動と各センサの出力値とを関連付けた条件付確率の依存関係を知識ネットワークとして表現し各センサによる検出結果に基づいて警報の報知の要否を判断する判定装置と、判定装置により警報の報知が必要と判断されると警報を報知する警報装置とを有し、判定装置は、利用者の行動を条件として各センサにより検出される事象がそれぞれ生起される確率値を基本の条件付確率表として格納する確率表記憶部と、各センサの出力値をもとに前記知識ネットワーク上で確率表記憶部に格納された確率値を用いた確率推論を実行して同時分布を計算する同時分布計算部と、各センサにより検出される事象の組み合わせごとに警報の有無に対する効用値の基準値を記憶する効用値記憶部と、同時分布計算部で求めた同時分布と効用値記憶部に記憶された効用値の基準値とから前記センサによる検出結果の組み合わせに対して警報装置による警報の報知を行う場合の効用値と行わない場合の効用値との少なくとも一方を計算する効用値計算部と、各センサの検出結果に対し効用値計算部で求めた効用値が報知条件を満たすときに警報装置に警報を報知させる出力部と、出力部が警報を報知したときの利用者の応答を判定装置に与える応答部と、効用値記憶部に記憶された効用値の基準値を応答部からの応答に基づいて更新する効用値更新部とを備え、応答部は、出力部が警報を報知したときに利用者が警報の報知を承諾するか拒否するかの諾否情報を判定装置に与え、効用値更新部は、応答部からの諾否情報が拒否であるときは警報の報知の頻度を低くするように効用値記憶部における効用値の基準値を更新することを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記応答部は、前記出力部による警報の報知を承諾するか拒否するかを選択するために利用者が操作するスイッチであることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1の発明において、前記応答部は、利用者の音声が入力される音声入力部と、前記出力部による警報の報知に対して音声入力部に入力された音声に基づいて諾否情報を判断する意味解析部とからなることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1の発明において、前記応答部は、前記センサのうち前記出力部による警報の報知に対する利用者の行動を検出するセンサと、当該センサの出力に基づいて諾否情報を判断するセンサ入力解析部とからなることを特徴とする。
請求項1の発明の構成によれば、条件付確率の依存関係を表現した知識ネットワークを用いるとともに、利用者の行動を条件として複数のセンサで検出される事象が生起する条件付確率を設定した条件付確率表を規定し、条件付確率表を上記知識ネットワークに適用したときの同時分布と効用値の基準とからセンサによる検出結果の組み合わせに対して警報装置による警報の報知を行う場合と行わない場合との効用値を計算し、この効用値が報知条件を満たすときに警報装置に警報を報知させるから、センサにより検出されている事象が、利用者の不注意により生起している事象か、利用者が意識的に引き起こしている事象かを、効用値を用いて推定することが可能になり、利用者が意識的に引き起こしている事象であれば警報を報知する可能性を低減して利用者の混乱を抑制し、また利用者の不注意で生起している事象であれば警報を報知して利用者に気付かせることで重大な異常に至るのを未然に防止することが可能になる。
また、警報の報知を行う場合の効用値と行わない場合の効用値とを求める際に用いる効用値の基準値に警報を報知したときの利用者の応答を反映させることにより効用値の基準値が更新されるから、警報の報知を何度か行う間に、警報を報知する条件が利用者の好みに合うように調節され、各利用者ごとに条件が調節された警報の報知が可能になる。
さらに、警報の報知に対して利用者が当該警報を承諾するか拒否するかの諾否情報を与え、かつ諾否情報が拒否の場合には警報の報知の頻度を低くするように効用値の基準値を更新するから、当該警報の報知を利用者が許容できないときには警報を報知する効用が下がり、同じ事象に対する警報の報知の機会が低減することになる。このことにより、警報が頻繁に報知されることによる利用者の不快感が軽減され、利用者にとって適正な頻度で警報の報知が行われるように調節されることになる。
請求項2の発明の構成によれば、警報の報知時に利用者がスイッチを操作することによって諾否情報を判定装置に与えるから、利用者は警報の報知に対する諾否を明示的に判定装置に入力することができ、判定装置の動作に利用者の意思を明確に反映させることができる。
請求項3の発明の構成によれば、警報の報知時に利用者が声を用いて諾否情報を判定装置に与えるから、音声入力部に利用者の音声を入力することができる場所であれば、警報の報知を行っている場所と利用者の居る場所とが離れていても警報の報知から即時に諾否情報を判定装置に与えることができる。つまり、利用者にとっては、警報の報知時においてスイッチの操作のために移動しなくてもよい場合があり、しかもスイッチを操作する煩わしさもないから、利便性が高くなる。
請求項4の発明の構成によれば、警報の報知時の利用者の行動によって諾否情報が自動的に判断されるから、警報の報知に対して利用者は意識して判定装置に諾否情報を与える必要がなく、スイッチの操作や音声の発生が不要になって利便性が高くなる。
以下では、キッチンにおいてコンロの点火状態(ガスコンロではなく、誘導加熱式のコンロであっても点火という用語を用いる)が長期間継続しているときに、利用者への報知の必要性の程度を他の条件と併せて判断し、報知が必要と判断した場合に利用者の注意を喚起するように報知するシステムを例として説明する。また、以下の実施形態では、独居者(とくに、独居高齢者)を想定して説明する。
一般にコンロの使用にあたって日常的に生じる事象として、点火したことを失念し点火状態で長時間に亘って放置してしまうという事象がある。たとえば、点火後に他の用事(来客の訪問や電話の呼出など)をしていたり、調理中にテレビの映像に気を取られたりしていると、調理物が吹きこぼれたり焦げ付いたりするという問題が生じる。
この種の問題に対処するために、温度センサやタイマをコンロに付設し、温度センサで検出した温度の変化パターンを用いて吹きこぼれや焦げ付きの発生を推定することにより利用者への報知やコンロの消火を行い、あるいはまた、点火から所定時間が経過すると利用者への報知やコンロの消火を行う技術が普及している。
ただし、温度センサを用いる技術では、吹きこぼれや焦げ付きが推定されるまでは報知がないから、コンロが無駄に点火状態を継続していることがある。また、時間のみで管理していると、とろ火で長時間煮込む料理では、調理途中で頻繁に消火されることがある。つまり、コンロを点火状態で放置している場合に、前者の状況のように報知や消火が必要である場合と、後者の状況のように報知や消火が頻繁に生じると不都合な場合とがある。
したがって、コンロの点火状態が長時間に亘って継続している場合に、利用者が失念して継続しているのか意識的に継続させているのかを推定し、失念している場合にのみ、注意を換気するように報知するのが望ましいと言える。
以下では、注意喚起の報知(以下、「警報」という)を出力する場合の効用と、警報を出力しない場合の効用とを考え、期待される効用が最大になるように警報を出力するか否かを決定する問題として扱う。以下に説明する実施形態では、この種の問題をコンピュータ上のプログラムで扱うための知識表現として、意思決定分析に用いられるインフルエンスダイヤグラムを利用する。インフルエンスダイヤグラムは条件付確率の依存関係を表す知識ネットワークの一種である。
インフルエンスダイヤグラムは、有向グラフで表現されており、「機会ノード」「決定ノード」「価値ノード」の3種類のノードを含んでいる。機会ノードは、インフルエンスダイヤグラムにおいて円や楕円で表されるノードであり、不確実な要因や事象を表し確率変数と確率変数の値とを持つ。決定ノードは、インフルエンスタイヤグラムにおいて矩形(正方形や長方形)で表されるノードであり、意思決定者が行為の選択を行う決定行為を示し決定変数と決定変数の値とを持つ。「価値ノード」は、インフルエンスダイヤグラムにおいて菱形で表されるノードであり、意思決定の判断基準としての効用値を持つ。
インフルエンスダイヤグラムに用いるリンクには、「条件付リンク」「報知リンク」の2種類がある。条件付リンクは、インフルエンスダイヤグラムにおいて実線で表される有向リンクであり、有向リンクの接続先が機会ノードと価値ノードとのいずれかになるものである。条件付リンクは、子ノードの事象生起が親ノードに依存する関係を示し、子ノードには条件付確率値が与えられ、親ノードには事前確率値が与えられる。また、報知リンクは、インフルエンスダイヤグラムにおいて破線で表される有向リンクであり、有向リンクの接続先が決定ノードになるものである。
インフルエンスダイヤグラムは、決定ノードと価値ノードとをベイジアンネットワークに追加した形を有しており、機会ノードの条件成立のもとで、ある決定を行ったときの効用を価値ノードに効用値として与えてある。この効用値を用いることにより、警報を出力する場合と出力しない場合との効用を数値的に評価し、警報の報知を行うか否かを判断するのである。
インフルエンスダイヤグラムを知識表現に用いるプログラムには、効用を評価する機能のほか、機会ノードの確率変数の値が決まると確率伝播により他の確率確率や値(確率値)を求める機能や、あらかじめ入手したデータから条件付確率の関係を学習する機能なども設けられている。
(実施形態1)
本実施形態では、簡単な例として、キッチンにおける利用者の存否と、キッチンに配置したコンロの点火/消火とを関連付けて、警報の報知に関する効用値を算出し、算出結果に基づいて警報の報知の要否を決定する場合を例として示す。
本実施形態で想定している空間は、たとえば図2に示すような住空間であり、コンロ11を配置したキッチンKのほか、リビングルームL、玄関Eが設けられ、キッチンKとリビングLと玄関Eとには、それぞれ人感センサ1a〜1cが配置されているものとする。コンロ11には、点火/消火を検出するための着火センサ2が設けられる。また、キッチンKの出入口には後述する応答用のスイッチ5が設けられている。なお、図2に示す配置例は一例であって本発明を限定する趣旨ではない。
人感センサ1a〜1cの検出原理には種々のものがあるが、ここでは人体から放射される熱線を検出する焦電型赤外線センサを用いて人の存否に応じたオン/オフ(検出/非検出)の信号(無電圧接点出力または有電圧の2値出力)を出力するものを想定している。この種の人感センサ1a〜1cは、通常は天井や壁に設置される。焦電型赤外線センサを用いた人感センサ1a〜1cは、人が長時間静止していると、人が存在しているにもかかわらず不在に対応した出力を発生することがあり、また、人体以外に熱線(赤外線)を放射する物体が存在するときに人が存在していないにもかかわらず存在に対応した出力を発生することがある。このような誤出力は、正常出力に比較すれば低い確率で発生する。
また、コンロ11としては誘導加熱式のものを想定しており、着火センサ2としては、コンロ11の着火スイッチのオン/オフを点火/消火とみなすもの、あるいは点火スイッチのオン時に調理容器が所定位置に配置されることにより加熱されている状態を点火と判断し、それ以外の状態を消火と判断するものなどを用いることができる。着火センサ2は、コンロ11の点火と消火とに応じたオン/オフ信号(無電圧接点出力または有電圧の2値出力)を出力する。コンロ11がガスコンロである場合には、バーナの近傍に設けられ点火/消火を検出する熱電対を着火センサ2に用いることができる。
キッチンKにおける利用者の存否と、コンロ11の点火/消火の状態と、警報の要否と、警報の価値との関係をインフルエンスダイヤグラムを用いて表現すると、図3のようになる。図3に示すインフルエンスダイヤグラムでは、キッチンKにおける利用者の存否に関する機会ノードN1と、コンロ11の点火/消火に関する機会ノードN2と、人感センサ1aの検出結果に関する機会ノードN3と、警報の報知の要否に関する決定ノードN4と、警報を報知する価値に関する価値ノードN5との関係を有向グラフにより表している。
上述したように、楕円で示されるノードN1,N2,N3は機会ノードであり、確率変数と確率変数の値を持つ。また、長方形で示されるノードN4は、決定ノードであって警報の要否を示しており、警報の要否に関する決定変数と決定変数の値を持つ。菱形のノードN5は価値ノードであって警報の価値を示しており、警報を報知する場合の効用値を持つ。
図3のインフルエンスダイヤグラムでは、ノードN1,N2,N4を親ノードとして子ノードであるノードN5の価値が決定される。したがって、ノードN1,N2,N4からノードN5に向かう条件付リンクL1,L2,L3が示されている。言い換えると、ノードN5は、ノードN1,N2,N4を親ノードとして条件付リンクで結合された子ノードということができる。また、ノードN4は、ノードN2を親ノードとして報知リンクLaで結合された子ノードになっている。
要するに、図3のインフルエンスダイヤグラムでは、ノードN1,N2,N4,N5と条件付リンクL1,L2,L3と報知リンクLaとの関係によって、キッチンKにおける利用者の存否とコンロ11の点火/消火の状態と警報の要否とにより警報の価値が決定されることを示し、警報の要否はコンロ11の点火/消火により決まることを示している。ここに、報知リンクLaは、コンロ11の点火/消火の状態を着火センサ2で検知したときに警報を出すか否かの決定を行うという関係を示している。
ところで、ノードN1はキッチンKにおける人の存否に関する機会ノードであって、キッチンKにおける人の存否は、人感センサ1aによる検出結果に影響するだけではなく、コンロ11の着火/消火にも影響すると考えられる。そこで、図3においては、キッチンKにおける利用者の存否を表すノードN1から、着火センサ2により検出されるコンロ11の点火/消火を表すノードN2およびキッチンKに配置した人感センサ1aのオン/オフを表すノードN3に向かう条件付リンクL4,L5をそれぞれ設けている。
すなわち、図3においては、キッチンKにおける人の存否を条件として、コンロ11の点火/消火(着火センサ2のオン/オフ)および人感センサ1aのオン/オフという事象が生起する関係を記載している。
図3に示したインフルエンスダイヤグラムを知識ネットワークに用いると、警報の価値を表すノードN5では、キッチンKにおける人の存否と、コンロ11の点火・消火と、警報の報知・非報知とをパラメータとして、パラメータの組み合わせに対する効用値の基準値をたとえば表1のように設定することができる。効用値の基準値は、価値ノードN5において実際の効用値を算出する際に用いる値であり、事象の生起確率が100%であるときの効用値を表している。本実施形態では、後述する計算例で示すように、効用値の基準値を引き下げると、警報の報知を行うことに対する効用値が低下し、警報の報知が行われにくくなる。
Figure 0005123101
表1では、キッチンKにおける利用者の存否に関する確率変数(atK)の値を、存在する状態(atK=e)と存在しない状態(atK=n)との2値とし、コンロ11の点火と消火とに関する確率変数(IH)の値を、点火している状態(IH=on)と消火している状態(IH=off)との2値とすれば、確率変数(atK)(IH)の値の組み合わせごとに、警報(alert)を出力する場合(alert=on)と警報を出力しない場合(alert=off)との効用値について基準値があらかじめ設定される。
表1では、キッチンKに不在であり(atK=n)、かつコンロ11が点火している(IH=on)という条件で、警報を出力する場合(alert=on)は正常な報知であるから、効用値として最大の値(表1の例では200)が設定される。一方、同じ条件(atK=n、かつIH=on)で、警報を出力しない場合(alert=off)は失報であるから、効用値として最小の値(表1の例では−200)が設定される。
また、キッチンKに存在しているときには(atK=e)、コンロ11が点火しているか(IH=on)消火しているか(IH=off)にかかわらず、警報を出力することは(alert=on)誤報であり、また、キッチンKに不在であり(atK=n)、かつコンロ11が消火している(IH=off)という条件で、警報を出力することは(alert=on)誤報である。誤報に対する効用値は、コンロ11が消火しており(IH=off)、警報を報知しない場合(alert=off)の効用値(表1の例では0)よりも小さい効用値(表1の例では−100)が設定される。表1に示す効用値の基準値は、製造者や施工者によりあらかじめ設定されたデフォルト値であるが、警報を報知する価値は利用者の主観によるから、本実施形態では、利用者が効用値の基準値を変更することが可能になっている。
ところで、コンロ11の点火/消火という事象が生起する確率は、キッチンKにおける利用者の存否という事象の生起を条件とする条件付確率になる。利用者がキッチンKに存在している場合には、コンロ11の点火という事象が生起する確率は、コンロ11の消火という事象が生起する確率よりもやや多いと考えられる。そこで、キッチンKに利用者が存在する場合、コンロ11の点火の確率を0.6、消火の確率を0.4と仮に設定する。一方、利用者がキッチンKに居ない間には、多くの場合にはコンロ11は点火していないと考えられるが、失念などによって点火している場合もあると考えられる。そこで、キッチンKに利用者が不在である場合、コンロ11の点火の確率を0.2、消火の確率を0.8と仮に設定する。表2は、キッチンKにおける人の存否を条件として、コンロ11の点火/消火の確率を仮に設定した条件付確率表を示している。
Figure 0005123101
また、上述したように、人感センサ1aは誤出力を発生する可能性がある。つまり、人感センサ1aが利用者の存否に対応した出力を発生するという事象を生起する確率も、キッチンKにおける利用者の存否という事象の生起を条件とする条件付確率になる。以下では、人感センサ1aの出力のうち、人の存在に対応する出力をオン、人の不在に対応する出力をオフとする。利用者がキッチンKに存在している場合、人感センサ1aの出力がオンである確率を0.7、オフ(欠報)である確率を0.3と仮に設定する。一方、キッチンKに利用者が不在である場合、人感センサ1aの出力がオン(誤報)である確率を0.3、オフである確率を0.7と仮に設定する。表3は、キッチンKにおける人の存否を条件として、人感センサ1aの出力のオン/オフの確率を仮に設定した条件付確率表を示している。
Figure 0005123101
表3ではキッチンKにおける利用者の存否についての確率変数に与える事前確率として、存在時と不在時とにそれぞれ等しい確率を与えている。つまり、存在時と不在時との事前確率は、ともに0.5になる。キッチンKにおける利用者の存否と、人感センサ1aおよび着火センサ2の出力(コンロ11の点火/消火)と、警報の報知の有無と、警報の報知の有無の判断とを図3のノードN1〜N3の関係で表し、上述のように事前確率および条件付確率をノードN1〜N3に与えることによって、ノードN4での判断が可能になる。
いま、着火センサ2によりコンロ11が点火していることが検出されたときの事後確率を求めるために、図3に示すインフルエンスダイヤグラム上で確率伝播法による計算を実行する。確率伝播法は、変数間の局所計算により各変数の確率分布を更新していく計算法である。
図3に示すインフルエンスダイヤグラムから明らかなように、本実施形態を実現するための構成要素としては、図1に示すように、キッチンKにおける利用者の存否を検出するためにキッチンKに配置される人感センサ1aと、コンロ11の点火と消火とを検出する着火センサ(通常はコンロ11に付設されている)2と、警報を報知する警報装置3とが必要である。また、人感センサ1aと着火センサ2との出力に基づいて、警報装置3による報知を行うか否かを決定するための判定装置4が必要である。
以下では、判定装置4における判定処理について説明する。判定装置4は、コンピュータを主構成として構成され、以下に説明する処理を行うプログラムを実行する。判定装置4には、人感センサ1aと着火センサ2とによる検出結果が入力され、これらの入力に対して警報装置3による報知の要否を判断し、報知が必要であると判断したときに報知を行う。
判定装置4は、図1に示すように、人感センサ1aおよび着火センサ2の検出結果が入力されるセンサ接続部11,12と、各センサ接続部11,12に入力された検出結果に対応した条件付確率表を格納する確率表記憶部13とを備える。つまり、確率表記憶部13には、キッチンKにおける人の存否を条件とした場合に、人感センサ1aと着火センサ2との各検出値に対し当該検出値(検出結果)が得られる確率値を持つ条件付確率表を格納している。
すなわち、上述した表2の条件付確率表が着火センサ2に対応付けて確率表記憶部13に格納され、表3の条件付確率表が人感センサ1aに対応付けて確率表記憶部13に格納される。言い換えると、判定装置4には、インフルエンスダイヤグラムにより記述される知識ネットワークが設定されており、条件付リンクL4に表2の条件付確率表が設定され、条件付リンクL5に表3の条件付確率表が設定される。
判定装置4には、人感センサ1aおよび着火センサ2の出力値をもとに、インフルエンスダイヤグラムの上で確率表記憶部13に格納された条件付確率を用いた確率推論を実行して各事象の確率変数の組について確率伝播法により同時分布を計算する同時分布計算部14と、人感センサ1aおよび着火センサ2の検出結果の組み合わせに対して警報装置3による報知を出力する場合と出力しない場合との少なくとも一方の価値を表す効用値を計算する効用値計算部15とが設けられている。また、効用値計算部15で効用値を算出する演算に用いる効用値の基準値(表1)は効用値記憶部18に格納される。効用値計算部15には、表1に示した効用値の基準値が記憶されており、効用値計算部15では、警報装置3による警報の報知を行う場合と行わない場合との両方の効用値を計算する。
効用値計算部15で求められた効用値は報知判断部16において用いられ、センサ接続部11,12から人感センサ1aと着火センサ2との検出結果の組み合わせが報知判断部16に与えられると、効用値計算部15で求めた当該組み合わせに対する効用値を規定の報知範囲と比較する。報知判断部16において効用値を報知範囲と判断すると、出力部17を通して警報装置3を作動させて警報の報知を行う。報知判断部16において効用値が報知範囲ではないと判断された場合には、出力部17は警報装置3を作動させないから警報の報知は行われない。なお、同時分布計算部14での同時分布の計算は、人感センサ1aおよび着火センサ2による事象の検出をトリガとしてもよいし、人感センサ1aおよび着火センサ2による事象の検出前に事前に行ってもよい。
警報装置3による報知は、ブザーの鳴動などによる聴覚的報知を想定しているが、報知灯を点灯させるなどの視覚的報知を単独または聴覚的報知と組み合わせて用いるようにしてもよい。
ところで、本実施形態では、効用値記憶部18に格納された効用値の基準値を利用者により変更可能としており、この変更のために、効用値記憶部18の内容を書き換える効用値更新部19と、警報装置3による警報の報知に対する利用者の応答を効用値更新部19の動作に反映させる応答部としてのスイッチ5とを備える。
スイッチ5は上述したようにキッチンKの出入口に配置され、警報が報知されたときに、当該警報に利用者が満足し警報の報知を承諾する場合には承諾の操作が行われ、当該警報に利用者が不満であって警報の報知を拒否する場合には拒否が操作が行われる。つまり、スイッチ5の出力は、利用者が警報の報知を承諾するか拒否するかの諾否情報を表しており、この諾否情報を効用値更新部19に与えることにより、効用値記憶部18に記憶されている効用値の基準値が変更可能になる。スイッチ5の操作を諾否情報として用いることができるのは、警報の報知から規定の応答時間内であって、この応答時間内にスイッチ5が操作されたときにスイッチ5の出力が有効な諾否情報として扱われる。応答時間は、たとえば5分程度の比較的短い時間に設定されている。
スイッチ5において承諾と拒否との操作を行うには、スイッチ5に2個の操作部を設けておき、承諾と拒否との操作を個別に行うようにすればよい。あるいはまた、スイッチ5に1個の押釦式の操作部を設けておき、警報の報知から規定した制限時間内にスイッチ5が押操作されなければ承諾の応答を効用値更新部19に与え、制限時間内にスイッチ5が押操作されたときに拒否の応答を効用値更新部19に与えるようにしてもい。
以下に効用値計算部15での効用値の計算例について説明する。ここでは、表1、表2、表3に設定されている値を用いるものとする。数1に示すように、コンロ11が点火しているという事象(IH=on)が生起されているときに、キッチンKに人が存在するという事象(atK=e)が生起される条件付確率P(atK=e|IH=on)は、ベイズの定理を用い、上述した事前確率および条件付確率の値を当てはめると0.75になる。ここに、P(A|B)は、事象Bが生起したときに、事象Aが生起する条件付確率を意味している。
Figure 0005123101
同様にして、数2に示すように、コンロ11が点火しているという事象(IH=on)が生起されているときに、キッチンKに人が不在であるという事象(atK=n)が生起される条件付確率P(atK=n|IH=on)は0.25になる。
Figure 0005123101
上述の計算により、コンロ11が点火している状態でのキッチンKにおける人の存否の確率を求められるから、次に、効用値計算部15において、警報を報知する場合と報知しない場合との効用値を求める。本実施形態では、数3、数4に示すように、効用値として期待値を用いる。数3は警報を報知する場合、数4は警報を報知しない場合であり、警報を報知する場合の効用値は−25、警報を報知しない場合の効用値は−50になる。すなわち、警報を報知するほうが効用値が大きいと言える。ただし、いずれにしても負値であるから、報知判断部16において報知範囲ではないと判断され、警報装置3による警報の報知は行わない。数3、数4においてV(X,Y)は、事象X,Yが同時に生起される場合の効用値を意味する。したがって、V(atK=e,alert=on)は、キッチンKに人が存在し、かつ警報を出力した場合の効用値を意味する。
Figure 0005123101
Figure 0005123101
効用値計算部15では、人感センサ1aと着火センサ2との検出結果の組み合わせに対して警報装置3による警報の報知を行う場合と行わない場合との効用値が得られる。ここで、報知判断部16では、両者の効用値の大小を比較するとともに、大きいほうの効用値が正の規定値以上(報知範囲)であるときに、出力部17を通して警報装置3による警報の報知を行う。
上述したように、警報装置3による警報の報知を行う場合と行わない場合との効用値を算出する際に用いる効用値の基準値は、効用値記憶部18に格納されているから、利用者はとくに意識することなくシステムを利用することが可能であるが、効用値の基準値は警報が報知されたときに利用者がスイッチ5を操作するか否かによって変更されるから、警報が報知されたときに利用者がスイッチ5を操作することにより、利用者にとって好ましい条件で警報が報知されるように調節することが可能になっている。
ところで、利用者が警報の報知を承諾するか拒否するかの情報をスイッチ5を用いて判定装置4にフィードバックするのは、警報の報知がなされたときであって、表1によれば、警報が報知される場合には、価値が認められる場合と誤報の場合とがある。誤報の場合は、効用値の基準値を引き下げることによって誤報の発生頻度を低減する必要があるが、価値が認められる場合は、効用値の基準値は引き下げず、警報の報知の頻度を低減するか維持するかは利用者の主観で決められる。また、警報の報知を行わない失報に対しては、効用値の基準値を補正することができない。したがって、効用値の変更が可能である場合の事象の組み合わせと、変更が要求されたときに効用値を変化させる方法とは、表4のような関係になる。
Figure 0005123101
表4において、(a)は誤報の場合を示しており、利用者は警報の報知を拒否するためにスイッチ5を操作すると考えられるから、この場合には効用値記憶部18に格納されている効用値の基準値を引き下げる。スイッチ5の1回の操作によって効用値の基準値をどれだけ引き下げるかは、あらかじめ規定されている。引き下げ幅を大きくすれば誤報の発生頻度はすぐに低下するが、効用値の基準値をきめ細かく調節するためには、引き下げ幅を比較的小さく設定しておくのが望ましい。
また、表4において(b)(c)はともに警報の報知に価値が認められる場合であるが、コンロ11が点火されていることを利用者が失念していてキッチンKから長く離れている場合(b)と、コンロ11が点火されていることを利用者が意識していてキッチンKから離れてもすぐに戻る場合(c)とがあり、(c)の場合には、警報を報知すると利用者にとっては煩わしいと感じることになる。
したがって、キッチンKに利用者が不在(atK=n)、かつコンロ11が点火している(IH=on)という条件で警報が報知されたときには、利用者の主観に応じて警報の報知を承諾するか拒否するかを選択すると考えられる。この場合、警報の報知を承諾すれば、効用値の基準値は変更しないか効用値の基準値を大きくし、警報の報知を拒否した場合には、効用値の基準値を引き下げる。このように利用者の主観を効用値の基準値に反映させることができる。効用値の基準値を大きくすれば、同条件において警報の報知がなされる頻度が高くなり、効用値の基準値を小さくすれば、同条件において警報の報知がなされる頻度が低くなる。
以上説明したように、警報の報知に対して利用者がスイッチ5を操作することにより、警報の報知がなされる頻度に利用者の主観を反映させることが可能になり、利用者の嗜好にあった警報の報知を行うように調節することが可能になる。しかも、利用者は警報の報知時にスイッチ5の操作を行うだけであるから、警報の報知に対する好き嫌いを判定装置4に示すだけでよく、効用値の調節作業が不要であって、利用者はとくに意識することなく自動的に効用値の調整がなされることになる。また、スイッチ5の出力が諾否情報になるから構成が簡単であるという利点もある。
上述した構成例では、警報の報知に対する利用者の諾否を明示的に判定装置4に入力するためにスイッチ5を応答部として設け、スイッチ5の操作結果を諾否情報に用いているが、警報の報知に対する利用者の諾否を判定装置4に入力する応答部は、スイッチに限らず音声入力としたり、警報の報知後に人感センサ1a〜1cや着火センサ2により検出される利用者の行動を用いる構成としてもよい。
音声入力を用いる場合には、図4に示すように、利用者の音声を入力する音声入力部21を、キッチンKの近傍などの適宜の場所に設け、判定装置4には音声入力部21からの音声に基づいて諾否情報を判断する意味解析部22を設ける。意味解析部22は、音声入力部21から入力された音声の音韻を抽出し、音韻の並びから利用者の発した音声の意味を解析する機能を有し、音声認識技術を用いて実現される。
たとえば、警報の報知を承諾する場合には、利用者は「承諾」「ありがとう」「了解」などの言葉を音声入力部21に入力し、拒否する場合には「拒否」「うるさい」「警報停止」などの言葉を音声入力部21に入力するのである。
また、利用者の音声を用いて諾否情報を生成する場合には、警報装置3についてもブザーを用いた警報音を出力する構成ではなく、音声メッセージによる警報の報知を行う構成を採用するのが望ましい。つまり、警報装置3に、音声を出力するためのスピーカと、音声合成用の音声データを記憶した音声データ記憶部と、音声データから目的とするテキストの音声を合成する音声合成処理部とを設け、「コンロの火が点いたままです」というような音声メッセージを出力する構成を採用する。音声メッセージは1回だけ出力しても利用者が聞き逃す可能性があるから、音声入力部21に応答があるまで音声メッセージを繰り返して出力するか、規定した回数だけ音声メッセージを繰り返して出力した後に警報の報知を停止する。
この構成を採用すると、音声入力部21に利用者の声が届く場所であれば、どこからでも警報の報知に対して応答することが可能であり、警報の報知から即時に諾否情報を判定装置4に与えることが可能になる。言い換えると、利用者は、警報の報知時に移動することなく判定装置4に諾否情報を与えることが可能になる。諾否情報は効用値更新部19に与えられる。
上述の構成例では、リビングLおよび玄関Eに配置した人感センサ1b,1cについてはとくに説明しなかったが、これらの人感センサ1b,1cを人感センサ1aや着火センサ2と併用することにより、利用者の行動を検出することができる。
たとえば、警報の報知から規定の応答時間内に人感センサ1aで利用者が検出されることによって、警報の報知に対して利用者がキッチンKに戻ったことが検出されると、この行動を警報の報知に対する承諾と判断するのである。逆に、応答時間内に人感センサ1aで利用者が検出されない場合には、警報の報知に対して拒否と判断するのである。応答時間は、1分間程度の比較的短い時間に設定される。
このような動作を行うために、図5に示すように、センサ接続部11,12で検出された人感センサ1a〜1c、着火センサ2の出力に基づいて諾否情報を判断するセンサ入力解析部23を設ける。センサ入力解析部23には、人感センサ1a〜1c、着火センサ2の出力のパターンと利用者の行動とを関連付けたルールが規定されており、当該ルールに照合することによって、警報の報知から応答時間内の利用者の行動が、承諾に対応する行動か拒否に対応する行動かを判断して諾否情報を出力し、諾否情報を効用値更新部19に与える。
センサ入力解析部23を設けていることにより、警報の報知から応答時間内において人感センサ1a〜1c、着火センサ2の出力パターンとして検出される利用者の行動を用いて諾否情報が自動的に判断されるから、利用者は意識的に諾否情報を与える必要がなく、利用者の自然な行動によって効用値更新部19に諾否情報を与えることが可能になる。
上述の構成例では、キッチンKにおける人の存否を人感センサ1aと着火センサ2とにより判断する例を示したが、独居者の場合、キッチンKではない他の場所に人が存在することを確認できれば、キッチンKにおける人感センサ1aで検出した人の存否の検出結果の信頼度を高めることができる。たとえば、キッチンKにおける人の存在または不在という事象を判断する場合に、リビングLや玄関Eにおける人の存在または不在という事象を考慮すれば、キッチンKに設けた人感センサ1aの検出結果のみを用いるよりも判断の信頼性が高くなる。
(実施形態2)
本実施形態は、キッチンKにおける利用者の存否の検出結果の信頼性をより高めるために、時間経過に伴う利用者の位置変化を考慮する例について説明する。人感センサ1aおよび着火センサ2の出力結果を知ったときに警報装置3による警報の報知を行うか否かを決定するステップを一推論ステップとし、その中でキッチンKにおける人の存否を判断する際に、一推論ステップ前(つまり、前回)の判断結果を参照している。
すなわち、着火センサ2の値を検知したとき、当該着火センサ2の値と同時点の人感センサ1aの出力結果、ならびに一推論ステップ前のキッチンKでの存否の判断結果を参照した上で現推論ステップにおけるキッチンKでの存否を推論し、現推論ステップで警報を出すか否かの決定を行う。各推論ステップの時間間隔を短く設定すると(たとえば、1秒)、キッチンKに頻繁に出入りしない利用者の行動特性は、一推論ステップ前のキッチンKでの存否状態が現推論ステップの同状態に一致する確率が高いと考えられる。
そこで、一致の場合の確率を0.9とし、不一致の場合の確率を0.1として表5のような追加の条件付確率表を作成する。すなわち、現推論ステップ(今回)におけるキッチンKでの存否の確率を、キッチンKにおける利用者の存否に関する一推論ステップ前(前回)の判断結果を条件とした条件付確率表を作成する。追加の条件付確率表は、キッチンKにおける人の存否に関するノードN1に対応付けた形で基本の条件付確率表とともに確率表記憶部13に格納される。
Figure 0005123101
インフルエンスダイヤグラムによる知識ネットワークを作成すると、図6のように、図3に示したインフルエンスダイヤグラムに一推論ステップ前の推定結果のノードN6を加えた形になる。また、警報の報知の要否については、一推論ステップ前の警報の報知のノードN7を報知リンクLbで結合し、一推論ステップ前のノードN7の後に現時点のノードN4において警報の報知の要否が決定されることを表している。
本実施形態の判定装置4には、図1に破線で示すように、一推論ステップ前の推論結果を記憶する結果記憶部24が付加され、報知判断部16では結果記憶部24に記憶された一推論ステップ前の推論結果を併せて判断に用いる。すなわち、判定装置4では、一推論ステップ前の推論結果と人感センサ1aおよび着火センサ2の出力との3つのパラメータを用い、一般に知られている確率推論アルゴリズムに基づいて、警報装置3による報知を行うか否かを決定する。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
本実施形態では、一推論ステップ前の人の存否の推定結果という情報を追加して用いて判定の信頼性を高めている。このように、インフルエンスダイヤグラムのノードとリンクとを拡張するとともに、基本の条件付確率表に加えて追加の条件付確率表を設定することにより、多様な状況を考慮して推論の信頼性を高めることが可能である。たとえば、キッチンKないしキッチンK以外での人の存否の時間帯を情報として追加することが可能である。
実施形態を示すブロック図である。 実施形態を適用する空間の構成例を示す図である。 実施形態1に用いるインフルエンスダイヤグラムを示す図である。 実施形態1の他の構成例を示すブロック図である。 実施形態1の別の構成例を示すブロック図である。 実施形態2に用いるインフルエンスダイヤグラムを示す図である。
符号の説明
1a 人感センサ(センサ)
1b 人感センサ(センサ)
1c 人感センサ(センサ)
2 着火センサ(センサ)
3 警報装置
4 判定装置
5 スイッチ
11 センサ接続部
12 センサ接続部
13 確率表記憶部
14 同時分布計算部
15 効用値計算部
16 報知判断部
17 出力部
18 効用値記憶部
19 効用値更新部
21 音声入力部
22 意味解析部
23 センサ入力解析部
24 結果記憶部

Claims (4)

  1. 利用者の行動に関連した事象を検出する複数個のセンサと、利用者の行動と各センサの出力値とを関連付けた条件付確率の依存関係を知識ネットワークとして表現し各センサによる検出結果に基づいて警報の報知の要否を判断する判定装置と、判定装置により警報の報知が必要と判断されると警報を報知する警報装置とを有し、判定装置は、利用者の行動を条件として各センサにより検出される事象がそれぞれ生起される確率値を基本の条件付確率表として格納する確率表記憶部と、各センサの出力値をもとに前記知識ネットワーク上で確率表記憶部に格納された確率値を用いた確率推論を実行して同時分布を計算する同時分布計算部と、各センサにより検出される事象の組み合わせごとに警報の有無に対する効用値の基準値を記憶する効用値記憶部と、同時分布計算部で求めた同時分布と効用値記憶部に記憶された効用値の基準値とから前記センサによる検出結果の組み合わせに対して警報装置による警報の報知を行う場合の効用値と行わない場合の効用値との少なくとも一方を計算する効用値計算部と、各センサの検出結果に対し効用値計算部で求めた効用値が報知条件を満たすときに警報装置に警報を報知させる出力部と、出力部が警報を報知したときの利用者の応答を判定装置に与える応答部と、効用値記憶部に記憶された効用値の基準値を応答部からの応答に基づいて更新する効用値更新部とを備え、応答部は、出力部が警報を報知したときに利用者が警報の報知を承諾するか拒否するかの諾否情報を判定装置に与え、効用値更新部は、応答部からの諾否情報が拒否であるときは警報の報知の頻度を低くするように効用値記憶部における効用値の基準値を更新することを特徴とする生活支援報知システム。
  2. 前記応答部は、前記出力部による警報の報知を承諾するか拒否するかを選択するために利用者が操作するスイッチであることを特徴とする請求項1記載の生活支援報知システム。
  3. 前記応答部は、利用者の音声が入力される音声入力部と、前記出力部による警報の報知に対して音声入力部に入力された音声に基づいて諾否情報を判断する意味解析部とからなることを特徴とする請求項1記載の生活支援報知システム。
  4. 前記応答部は、前記センサのうち前記出力部による警報の報知に対する利用者の行動を検出するセンサと、当該センサの出力に基づいて諾否情報を判断するセンサ入力解析部とからなることを特徴とする請求項1記載の生活支援報知システム。
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