電気及び電子機器には、機器内部の回路配線間或いは外部回路などとの接続に様々なタイプの端子が使用されている。
この種の端子には、被接続部材にネジを使用して固定するものがあるが、ネジを使用した接続は、止めネジ及びこのネジ止用の工具が必要となり、その接続もワンタッチで出来ず面倒な作業になることから、近年は、このネジ止めに代えて、回路基板などの端部を両側面で挟み込む、いわゆるクリップすることにより、ワンタッチで接続できるクリップ端子などが使用されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
図12は、下記特許文献1に開示されたクリップ端子を示し、図12Aは平面図、図12Bは側面図である。
クリップ端子50は、電線が接続される板状の端子本体51を有するアース用端子となっている。端子本体51は縁部52a、52b、52c及び52dを有する四角環状の環状部53と、一つの縁部52aの中央部から直交状に延びる電線接続部54とを有している。
端子本体51の内側の領域A1には、係止爪55を有する片持ち状の補助押圧片56を残して押さえ片57が切り起こされている。この押さえ片57は門状をなし、端子本体51の縁部52aにより片持ち状に支持されている。補助押圧片56の一対の基端部58、58は、押さえ片57の一対の基端部59、59間に配置されている。押さえ片57と端子本体51との間に基板状の取付け板の端部が導入される導入空間Sが区画されている。
係止爪55は、補助押圧片56に対して浅い傾斜角度をなして傾斜している。また、補助押圧片56の門形の内側に領域A2において、補助押圧片56の一対の基端部58、58間の縁部から、断面L字形形状のストッパー60が導入空間S側に向けて切り起こされている。押さえ片57は、断面略クランク形形状をなし、端子本体51の環状部53の縁部に基端部59で接続する傾斜状の第1の部分61と、第1の部分61に連続し第1の部分61と逆向きに傾斜する第2の部分62と、第2の部分62に連続し第2の部分62と逆向きに傾斜する第3の部分63とを有している。第2の部分62と第3の部分63との境界部分に形成される頂部によって、押圧部64が形成されている。この押圧部64は、押さえ片57と端子本体51との間及び押さえ片57と補助押圧片56との間に導入される取付け板の一方の面を弾性的に押圧することにより、端子本体51及び補助押圧片56を取付け板の他の面に沿わせる状態とするものとなっている。
端子本体51及び補助押圧片56が取付け板の一面に沿う状態で取付け板が導入されると、係止爪55が取付け板の透孔に係止し、クリップ端子50の取付け板からの取り外しが防止される。すなわち導入するだけでワンタッチの取付けが完了する。このクリップ端子50は、押さえ片57と係止爪55とが取付け板を挟んだ両側に分離して配置してあるので、係止爪55を押さえ片に設けている従来技術の端子と比較して、取外し時に押さえ片57を変形させる量を格段に小さくすることができる。
この端子によれば、一旦取外したクリップ端子50を取付け板に再装着する場合にも、確実なアース接続を達成できる。また、導入空間Sに導入された取付け板の端縁に対してストッパー60が当接することにより、端縁が押さえ片57の基端部59に当接することを防止しているので、押さえ片57の基端部59に不要に高い負荷が及ぼされることがなく、押さえ片57の塑性変形を確実に防止することができる。したがって、再装着時のアース接続の確実性を一層向上させることができる。
また、下記特許文献2には、接触部とばね体部とを略コ字状にして、基板に挟み込み接続できるクリップ端子が記開示されている。
さらに、下記特許文献3には、先端部付近に接触部を設けた一対の脚部からなるクリップ部と、この両脚部間を圧接する接圧ばねとを有し、ブスバーに接続する端子装置が開示されている。
特開2000−331723号公報(段落〔0017〕〜〔0019〕、図1、図2)
特開2003−45516号公報(段落〔0009〕〜〔0013〕、図3)
特開2005−19199号公報(段落〔0010〕〜〔0012〕、図6)
クリップ端子は、接点部とばね体部とを有するが、これらの接点部及びばね体部は、上記特許文献1、2の端子にみられるように、1枚の導電性を有する板材を用い、この板材を打抜き、折曲などの機械加工によって形成されている。そのため、素材となる板材には、導電性及びばね性の両特性を有する材料が選定されている。この材料は、通常、りん青銅が使用されている。このりん青銅は、ある程度の良導電性があり、ばね性が優れ、機械的強度が高く、曲げ、絞り加工性がよく、耐摩耗性があるなどの特性を有していることから、この材料が選定されている。
しかしながら、このりん青銅は、りんなどを含んだ合金となっているので、電気伝導度がりんなどを含まない銅、いわゆる純銅と比べて低くなっている。電気伝導度が低いと、電気抵抗が高くなり、電気抵抗が高いと、通電中に電力損失を生じさせて、この材料で作製された端子は使用用途によっては不向きなことがある。
例えば、太陽光を電気に変換する太陽電池にこのようなクリップ端子を使用すると、現状の太陽電池では、太陽光から電気への変換率が極めて低いので、変換された電気エネルギーがクリップ端子で費消されてしまい、電気変換効率をさらに低下させてしまうことになる。
この対策として、リン青銅に代えて電気伝導度の高い材料を使用することが考えられるが、このような材料は、通常、リン青銅が有する特性、例えばばね性、機械的強度及び曲げ、絞り加工性などが劣り、1つの部材で接点部及びばね体部を有する端子を作製できず、1つの部材で作製した場合は、その接続はネジ止め或いは半田接続にならざるを得ない。そうなると、ワンタッチ接続ができずに接続作業が面倒になり、接続の信頼性が安定せず、特に、半田接続の場合は熟練が必要になるなどの課題がある。
この点、上記特許文献3の端子装置は、クリップ部と接圧ばねとが別部材で構成されているが、ブスバーとの接続に使用されるもので、上記の課題を解決できるものではない。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、接点部とこの接点部の接触圧を保持するばね体部とを別部材にして、接点部を電気伝導度が高い材料で形成した電気抵抗が少なく良好な電気接続ができるコネクタ端子及びコネクタ端子を備えたコネクタを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のコネクタ端子は、接点部とこの接点部の接触圧を保持するばね体部とを備えたコネクタ端子において、前記接点部は、コンタクト端子で形成され、前記ばね体部は、ばね体機構で形成され、前記ばね体機構は、前記コンタクト端子が着脱自在に装着される端子装着部と、被接続部材が着脱自在に装着される接続部材装着部とを有し、前記コンタクト端子と前記ばね体機構とは着脱自在な固定手段で結合されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタ端子において、前記端子装着部は、前記コンタクト端子の接点部が挿入されて位置決め固定される固定手段を有し、前記接続部材装着部は、一面に電極部を設けた被接続基板が差し込まれて該被接続基板を挟持する一対の挟持部材と前記コンタクト端子の接点部を前記電極部に押し圧する押し圧部材とを有していることを特徴する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のコネクタ端子において、前記一対の挟持部材のいずれか一方の挟持部材は、所定の間隔をあけて一対の第1、第2挟持片に分割されて、これらの第1、第2挟持片の間に前記押し圧部材が位置して、前記他の挟持部材と前記第1、第2挟持片及び押し圧部材との間で被接続基板が挟持されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のコネクタ端子において、前記固定手段は、前記コンタクト端子の接点部の基部を固定する保持部と該接点部を支持する支持片で形成し、前記支持片は、前記接点部より面積を小さくして、前記支持片と前記接点部とが重ねられたときに、前記支持片から前記接点部の一部がはみ出されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のコネクタ端子において、前記コンタクト端子は、純銅、前記ばね体機構はステンレス、黄銅又はリン青銅で形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載のコネクタは、請求項1〜5のいずれかに記載のコンタクト端子は、電気絶縁性のコネクタハウジングに収容されていることを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えることにより、以下の優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、コネクタ端子は、接点部とばね体部とが別部材になっているので、接点部とばね体部との機能分担が可能になり、電気抵抗が小さくしかも高い接触圧力を確保できるコネクタ端子を提供できる。すなわち接点部とばね体部とを別部材にすることにより、接点部に電気伝導率が高い材料の使用が可能になり、一方ばね体部は電気伝導度を考慮することなくばね特性が優れた材料の使用が可能になるので、電気抵抗が小さくしかも高い接触圧力を確保できる。また、別部材であるので、コンタクト端子は簡単な加工での作成が可能になる。さらに、コンタクト端子とばね体機構とが着脱自在な固定手段で結合されているので、コンタクト端子とばね体機構との結合、取外しが簡単にできて、補修、交換などが容易になる。また、ばね体機構は、コンタクト端子が着脱自在に装着される端子装着部及び被接続部材が着脱自在に装着される接続部材装着部を有しているので、コンタクト端子及び被接続部材を着脱自在に装着できる。
請求項2の発明によれば、端子装着部は、固定手段を有しているので、コンタクト端子の接点部を挿入することにより位置決め固定できる。また、接続部材装着部は、一面に電極部を設けた被接続基板が差し込まれてこの被接続基板を挟持する一対の挟持部材とコンタクト端子の接点部を電極部に押し圧する押し圧部材とを有しているので、被接続基板が挟持部材に安定に挟持された状態でコンタクト端子の接点部と電極部とが良好に接触保持される。
請求項3の発明によれば、被接続基板が挟持部材に安定に挟持された状態でコンタクト端子の接点部と電極部とが良好に接触保持される。
請求項4の発明によれば、接点部の一部はみ出し部と電極部とを半田或いは溶着することが可能になる。
請求項5の発明によれば、コンタクト端子を純銅、ばね体機構をステンレス、黄銅又はリン青銅で形成するので、電気抵抗が小さくしかも高い接触圧力を確保できる。
請求項6の発明によれば、コンタクト端子を電気絶縁性のコネクタハウジングに収容することによって、コネクタを形成できる。
本発明の実施形態に係るコネクタ端子10は、図1に示すように、コンタクト端子11と、このコンタクト端子11の接触圧を保持するばね体機構15とで構成されている。コンタクト端子11とばね体機構15とは、別部材で形成されて着脱自在に結合されている。
まず、図3を参照して、コンタクト端子を説明する。なお、図3はコンタクト端子を示し、図3Aは電線を接続した状態で上方からみた斜視図、図3Bは図3Aのコネクタ端子を後方からみた背面斜視図である。
このコンタクト端子11は、図3に示すように、基板などに設けた電極部に押し圧されて電気的接続される接点部12aを有する接触片12と、電線14に接続される電線接続部13とを有し、電気伝導度が高い材料、例えば不純物を殆ど含まない純銅などで形成されている。コンタクト端子11は、その表面が錫メッキなどで被覆されている。
接触片12は、所定の幅長及び長さを有する短冊状の板状体からなり、この板状体はその先端の接点部12aが基板などの電極部に接触されて電気的に圧接又は半田接続される。また、このコンタクト端子11は、電線接続部13側に近接した箇所に先方より面積を拡大した拡大部12bを設け、この拡大部に板材を貫通する開口121が形成されている。拡大部12bには、また接点部12aが突出する側に肩部122が設けられている。
なお、この接触片12の形状は、基板に形成する電極部の形状に合わせて、任意の形状に変更されるものである。電線接続部13は、長手方向の両側辺が所定長さ延設されると共に、両側辺の基部から上方へ立設されて、両延設部の間に電線14を挿入して、公知の圧着工具を使用して圧着接続されるようになっている。なお、電線14には、1.5〜2.5mm2が使用される。
このコンタクト端子11は、電気伝導度が高い材料、例えば純銅などで形成されているので、基板の電極部に接続されたときに、接続電気抵抗が極めて低減されて電力損失を無くすることができる。コンタクト端子11を純銅などで形成すると、この材料はばね性が乏しいので、基板の電極部との間で必要な機械的な接触圧力を保持させることができない。そこで、この接触圧力を付与するために、以下の構成のばね体機構15を使用する。
次に、このばね体機構15を図4、図5を参照して説明する。なお、図4はばね体機構を示し、図4Aはばね体機構を上方からみた斜視図、図4Bは図4Aのばね体機構を後方からみた背面斜視図である。図5は図4のばね体機構を示し、図5Aはばね体機構の平面図、図5Bは図5Aのばね体機構を上下逆さまにして一側面からみた側面図、図5Cは図5AのVC―VC線の断面図、図5Dは図5AのVD―VD線の断面図である。
ばね体機構15は、図4に示すように、対向する一対の長辺16a及び短辺16bを有する矩形状の基板部16と、この基板部の一方の長辺から前方へ所定長さ延設された幅広の下顎片17と、他方の長辺から直角に所定長さ立設された垂直壁18と、この垂直壁の頂部にあってこの頂部から下顎片17側へ折曲された所定長さの一対の上顎片20a、20bと、両上顎片20a、20b間にあって下顎片17側に折曲されてコンタクト端子11が装着される端子装着部21と、基板部16の両短辺から垂直壁18と同じ方向へ立設されたハウジングへの取付け片19a、19bとを有し、ばね性を有する板材、例えばステンレス或いはリン青銅などの板材から打抜き・折曲加工により形成されている。
上下顎片20a、20b及び17は、基板部16の長辺及び垂直壁18の頂部から同じ方向へ折曲されて、この折曲箇所を基点にして弾性変形するようになっている。また、これらの上下顎片20a、20b及び17は、図5B〜図5Cに示すように、それぞれの先端部が近接乃至接触し、両先端部の間に基板27が差込まれて、この基板27を挟持して機械的に挟持する挟持部材となっている(図6参照)。
これらの上下顎片20a、20b及び17は、図4に示す状態で、その形状から命名したもので、コンタクト端子の使用にあっては、図4の状態から図2B、図2C或いは図5B〜図5Cに示すように上下逆さまにして使用することがあるので、上下顎片の説明では上下が逆になることがある。
また、このばね体機構15は、機能からみると、下顎片17は基板27に設けた電極部28(図7参照)をコンタクト端子11の接点部12aへ所定の接圧で押し付ける押し圧部材となっており、また、一対の上顎片20a、20bは、下顎片17との間で所定の接圧で基板27を機械的に挟持する第1、第2挟持片となっている。したがって、上下顎片20a、20b及び17間に基板27が挿入されると、基板27の一面が下顎片17に接触し、他の面が一対の上顎片(第1、第2挟持片)20a、20bに接触して挟持される。
上下顎片20a、20b及び17間で基板27が挟持されると、下顎片17で基板27の電極部28を端子支持部24に支持されるコンタクト端子11に接触させる。これにより、基板27は安定に挟持された状態でコンタクト端子11の接点部12aと基板27の電極部28とが良好に接触保持される。上下顎片20a、20bの先端部20a'、20b'及び17は、基板27の差込みを容易にするために、互いに反対方向に開くように折曲させるのが好ましい。
なお、上下顎片の先端部は、基板へ差し込むときは、図2に示すように、上下顎片を弾性変形させて両先端部間に所定の隙間をあけて基板への装着を容易にする。
端子装着部21は、図4A、図5Aに示すように、垂直壁18の頂部に連結された所定長さ及び横幅の連結部22と、この連結部22の前方に設けてコンタクト端子11が挿入される貫通孔231(図4A、図5C参照)を有して位置決め保持する端子保持部23と、この端子保持部23の前方にあってコンタクト端子11及び基板27を支持する基板支持部24とを有している。
端子保持部23は、コンタクト端子11を固定する固定手段となっている。連結部22には、この連結部22の一部を切起して形成した係止爪221が設けられている。この係止爪221は、コンタクト端子11の開口121に係止される。端子保持部23及び基板支持部24は、連結部22を前方へ所定長さ延設して形成されている。
これらの端子保持部23及び基板支持部24は、図5Aに示すように、連結部22の両辺から長手方向と直交する方向へ所定長さ延ばした側片23a、23bと、これらの両側片の両端部から前方(連結部の長手延長方向)へ所定長さ延ばした一対の支持片25a、25bと、連結部22の長手延長方向へ所定長さ延ばした舌状片26とを有している。
そして、端子保持部23は、両側片23a、23bを折り曲げて、内部にコンタクト端子11の接点部12aが挿通される大きさの貫通孔231(図4A、図5C参照)を有している。
基板支持部24は、両側片23a、23bの両端部から前方へ延びた一対の支持片25a、25bでコンタクト端子11を支持する接点支持部25を構成し、この接点支持部25にコンタクト端子11の接点部12aが当接される。
また、舌状片26は、図4A及び図5B〜図5Dに示すように、端子保持部23の端部を各支持片25a、25bから離れる方向へ略直角に折曲して段差部26aを形成した後に、再び前方へ延設させて載置部26bで構成されている。この載置部26bには、基板27の端部が載置され、また、段差部26aは基板27の端部が突き当たり差込みを制限するストッパーとなる。
基板部16の両短辺からは、取付け片19a、19bが垂直壁18と同じ方向へ立設されている。これらの取付け片19a、19bは、所定の横幅と高さを有し、その高さはコネクタハウジングに設けた収容穴の高さとなっている。各取付け片19a、19bは、先端に尖った止め突起19a'、19b'が設けられている。これらの止め突起19a'、19b'は、ハウジング収容穴内の壁面に突き刺さり、コネクタ端子11の位置決め固定する働きをする。
図1、図2に戻って、これらの図及び図3を参照して、ばね体機構15へのコンタクト端子11の装着を説明する。なお、図1Aはばね体機構にコンタクト端子が装着されたコネクタ端子を上方からみた斜視図、図1Bは図1Aのコネクタ端子を後方からみた背面斜視図である。図2は図1のコネクタ端子を示し、図2Aはコネクタ端子の平面図、図2Bは図2Aのコネクタ端子を逆さまにして一方の側面からみた側面図、図2Cは図2AのIIC−IIC線の断面図である。
コンタクト端子11は、図3の状態から上下を裏返して、コンタクト端子11の接点部12aをばね体機構15の端子保持部23の貫通孔231へ挿入する。この挿入により、接点部12aは接点支持部25の一面を接触しながら前方へ移動する。接点部12aの先端が接点支持部25の先端から飛び出す箇所まで移動されると、連結部22(図4参照)の係止爪221がコンタクト端子11の開口121に入り込み、同時に、コンタクト端子11の肩部122がばね体機構15の保持部23の端部に突き当たり、コンタクト端子11がばね体機構15に係止される。
コンタクト端子11がばね体機構15へ装着された状態では、コンタクト端子11は接点部12aの根元がばね体機構15の保持部23の貫通孔231に挿入され、開口121が係止爪221に係止され、肩部122がばね体機構15の端子保持部23の端部に突き当たって位置決め固定されて、前後及び左右への移動が制限される。
この状態では、図2B、図2Cに示すように、上下顎片20a、20b及び17間に隙間G1が形成されるとともに、下顎片17とコンタクト端子11の接触片12aとの間にも隙間G2が形成されて、これらの隙間G1、G2は略同じにして基板27を所定の接触圧力で挟持する隙間となっている。
また、コンタクト端子11の接点部12aは、その面積が接点支持部25の面積より大きくなっているので、両部材が重なった状態では、接点部12aに所定のはみ出し部分Sが発生する。このはみ出し部分Sにより、後述するが、接点部と電極部との半田接続が可能になる。
次に、主に図1、図2及び図6、図7を参照して、組立てたコネクタ端子10を用いて基板状の被接続部材へ装着する接続法を説明する。なお、図6はコネクタ端子を基板に装着した状態を示し、図6Aはコネクタ端子を上方からみた斜視図、図6Bは図6Aのコネクタ端子を後方からみた背面斜視図である。図7も図6と同様にコネクタ端子を基板に装着した状態を示し、図7Aはコネクタ端子の平面図、図7Bは図7Aのコネクタ端子を上下逆さまにして一側面からみた側面図、図7Cは図7AのVIIC―VIIC線の断面図である。
基板状の被接続部材(以下、単に「基板」という)27は、図6Aに示すように、その
一面に、所定大きさの電極部28が形成されている。この基板27にコネクタ端子11を装着する。この装着は、コネクタ端子11の隙間G2、すなわち図2Cに示すように、下顎片17と基板支持部24で支持されたコネクタ端子11の接触片12間の隙間に、基板27の電極部28部分を位置させ、同時に電極部28の両側部を隙間G1部分にそれぞれ位置させて、コネクタ端子10を基板27に差し込む。この差込みにより、基板27の電極部28は、電極部28に接触にしながら摺動して最先端部が段差26aに突き当たって停止されて載置部26bに載置される。
一方、電極部28の両側部は、基板27の電極部分の差込みに追随して上下顎片20a、20b及び17間の隙間G1に挟持される。この挟持により、幅広の下顎片17は基板27の電極部28を設けた反対側の面を幅広く押し付けて、コンタクト端子11の接触片12と電極部28との接触圧を増強し、上顎片20a、20bは電極部28の両側部を上方へ押し上げる働きをする作用する。
この状態では、コンタクト端子11の接点部12aの一部が接点支持部25からはみ出しているので、必要に応じてはみ出し部分Sと電極部28とを半田或いは溶着接続する。この接続により、コネクタ端子10と基板27との電気的接続と共に機械的に分離できないようになる。勿論、半田或いは溶着しなくとも、電極部28とコンタクト端子11との電気的接続がばね体機構15により保持されている。なお、コネクタ端子10の接続は、基板27をコネクタ端子10に差し込む方法で説明したが、コネクタ端子10を基板27に差し込むようにしても良いことは勿論である。
上記の実施形態では、コネクタ端子を単独、すなわち端子を露出させた状態で基板に装着する例を説明したが、このコネクタ端子をコネクタハウジングに収容してコネクタとすることもできる。
以下、図8〜図11を参照して、コネクタ及びこのコネクタを用いた基板への装着を説明する。なお、図8はコネクタを示し、図8Aはコネクタの上面図、図8Bは図8Aのコネクタを上下逆さまにして一方の側面からみた側面図、図8Cは図8AのVIIIC―VIIIC線の断面図、図8Dは図8BのVIIID―VIIID線の断面図である。図9はコネクタハウジングを示し、図9Aはコネクタハウジングを正面からみた斜視図、図9Bは図9Aのハウジングを後方からみた背面斜視図である。図10はコネクタを基板に装着した状態を示し、図10Aはコネクタを上方からみた斜視図、図10Bは図10Aのコネクタを後方からみた背面斜視図である。図11は図10のコネクタを示し、図11Aはコネクタの平面図、図11Bは図11Aのコネクタを上下逆さまにして一側面からみた側面図、図11Cは図11AのコネクタをXIC―XIC線の断面図、図11Dは図11BのコネクタをXID―XID線で切断した断面図である。
コネクタ30は、図8に示すように、コネクタ端子10と、このコネクタ端子10を収容するコネクタハウジング31とで構成されている。
コネクタハウジング31は、図9に示すように、前後、上下及び左右の壁32a、32b、32c、32d及び32e、32fと、内部にコネクタ端子10が装着される大きさの収容穴33と、前後壁32a、32bに内部の収容穴33へ連通した所定大きさの開口33a、34aとを有し、扁平な箱型ケースからなり、電気絶縁性の合成樹脂成型体で形成されている。
前方の開口33aは、コネクタ端子10を前方から挿入できる大きさに形成され、後方の開口34aはコネクタ端子10に接続された電線14を挿通できる大きさに形成されている。左右の側壁32e、32fには、前方壁32aから後方壁32bに向かって、所定長さで基板27が挿入される細長なスリット32e'、32f'が形成されている。また、上方壁32cには、前方壁32aから後方壁32bに向かって、所定深さの切欠き溝32c'が形成されている。この切欠き溝32c'は、コネクタハウジング32へコネクタ端子10を装着した状態でコネクタ端子を半田付け或いは溶着する際に利用される。
また、このハウジング31の内部は、図8C、図8Dに示すように、コネクタ端子10のばね体機構15が収容される大きさの収容穴33と、この収容穴33に連通しコネクタ端子10の電線接続部13が挿入される貫通孔34とを有し、収容穴33と貫通孔34との境界に段差部331が形成されて、前壁の開口33aが収容穴33の入口となり、後壁の開口34aが貫通孔34の出口となっている。
このハウジング31へのコネクタ端子10の装着は、コネクタ端子10に電線14を接続した状態にして、電線14の端部を前方の開口33aから収容穴33及び貫通孔34を通して挿通する。次いで、コネクタ端子10の各取付け片19a、19bを収容穴33内の上下内壁面32c1、32d1に摺動させながら開口33aから貫通孔34へ向かって押し込む。この押し込みにより、ばね体機構15の基板部16が上内壁面32c1に広い面積で接触し、各取付け片19a、19bの各尖った止め突起19a'、19b'が下内壁面32d1に突き刺さって位置決め固定される。
このコネクタ30を用いた基板27への装着接続は、コネクタ30のスリット32e'、32f'を基板27へ差し込むことによって行われる。この装着接続は、コネクタ端子11の隙間G2、図2Cに示すように、下顎片17と基板支持部24で支持されたコネクタ端子11の接触片12間の隙間に、基板27の電極部28部分を位置させ、同時に電極部28の両側部を隙間G1部分にそれぞれ位置させて、コネクタ30のスリット32e'、32f'を基板27へ差し込む。この差込みにより、基板27の電極部28は、電極部28に接触にしながら摺動して最先端部が段差26aに突き当たって停止されて、載置部26bに載置される。
一方、電極部28の両側部は、基板27の電極部28の差込みに追随して上下顎片20a、20b及び17間の隙間G1に挟持される(図11参照)。この挟持により、コネクタハウジング31内において、幅広の下顎片17は基板27の電極部28を設けた反対側の面を幅広く押し付けて、コンタクト端子11の接触片12と電極部28との接触圧を増強し、上顎片20a、20bは電極部28の両側部を上方へ押し上げる働きをする作用する。
この状態では、コンタクト端子11の接点部12aの一部が接点支持部25からはみ出しているので、切欠き溝32c'から、必要に応じてはみ出し部分Sと電極部28とを半田或いは溶着接続する。この接続により、コネクタ端子10と基板27との電気的接続と共に機械的に分離できないようになる。
10:コネクタ端子、11:コンタクト端子、12:接触片、12a:接点部、13:電線接続部、14:電線、15:ばね体機構、16:基板部、17:下顎片、18:垂直壁、19a、19b:取付け片、20a、20b:上顎片、21:端子装着部、22:連結部、221:係止爪、23:端子保持部、231:貫通孔、24:基板支持部、25:接点支持部、26;舌状片、27:基板、28:電極部、30:コネクタ、31:コネクタハウジング、33:収容穴、34:貫通孔