JP5121289B2 - コンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、インキ組成物の吐出時の安定性が優れると共に、金属、ガラス、プラスチック等の各種被記録媒体に対して良好な画像を形成できるコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物に関する。
近年、インクジェットプリンターは、文字や画像の出力機器として、家庭用、オフィス用および産業用として広く利用されている。
このようなインクジェットプリンターによる印刷は、ノズルからインクを噴射し、被記録媒体に付着させる方式で行われ、オンデマンド方式、コンティニアス方式等の各種方式のものが実用化されている。
そして、特に高速印刷を必要とするマーキング分野では、主としてコンティニュアス方式のインクジェットプリンターが使用されている。
コンティニュアス方式とは、インク液滴を連続的に飛翔させ、電気的な力で飛翔進路を偏向させることにより、記録画像形成に必要なインク液滴のみを被記録媒体の表面に付着させることを特徴としたインクジェット記録方式である。このような方式では、まず、ノズルからインク液滴を常時噴射させ、帯電電極を通過させる間に、文字等の形成に必要な液滴のみを、偏向させる度合いに応じた電圧で帯電させる。そして帯電量の異なるインク液滴を、偏向電極により、帯電量に応じた角度で偏向させて、被記録媒体の表面の、例えば、縦方向の異なる位置に付着させることにより、縦一列分のインクのドットを形成させる。さらに、その隣の列、そのまた隣の列というように、順次、縦一列分のインクのドットを形成させて、最終的に目的とする文字や画像を得る。一方、記録画像形成に不要なインク液滴は、帯電させないで、偏向電極間をそのまま直進させて、ガターから回収してインクタンクに戻し、繰り返し利用する。従って、コンティニュアス方式で用いるインクとしては、多数回噴射されても良好な吐出安定性が維持され、さらに帯電電極の電圧に応じて、定量的に帯電する性能を有していなくてはならない。
この方式で使用されるインクとしては、染料系と顔料系のものがあるが、溶媒に溶解するために良好な吐出安定性や画像形成が得られる染料系インクが一般に用いられている。そして、利用する染料としては、着色剤としてばかりでなく、導電性付与剤としての働きを有することから、帯電電極の電圧に応じて、定量的に帯電しやすいクロム等の重金属を含有する金属錯塩染料(主にクロム錯塩染料)が主である(例えば、特許文献1参照)。
しかし、染料系インクで形成されるドットは、にじみやすく、耐光性や耐摩擦性などの耐久性の面で乏しいという問題を有しており、また、近年の安全性の問題(Rohs規制:電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用に関する制限等)で使用することが難しくなっている。
そこで、上記の染料の代わりに、顔料と導電性付与剤を含有する顔料系インクが検討されるようになっている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
しかし、顔料系のインクは、染料系インクのような、良好なインクの保存安定性や吐出安定性を得ることが難しく、かつ、帯電電極の電圧に応じて、定量的に帯電する性能が得られにくいために、記録画像形成においてドットのばらつきが激しいという問題を有していた。
特開昭56−036559号公報 特開平01−245071号公報 特開平05−163448号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、染料系インクと同じように、インキ組成物の吐出時の安定性が優れ、かつドットのばらつきがなく画像形成性が優れるコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも顔料、顔料分散剤、結着樹脂、導電性付与剤、有機溶剤を含有するコンティニュアス方式のインクジェットプリンター用インキ組成物において、特定の周波数の範囲におけるインピーダンスを従来のものと比較して低い範囲とし、さらに好ましくは粘度についても低く設定することにより、インキ組成物の吐出時の安定性が優れ、優れた画像形成性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のコンティニュアス方式のインクジェットプリンター用インキ組成物を提供する。
(1)少なくとも顔料、顔料分散剤、結着樹脂、導電性付与剤、有機溶剤を含有するコンティニュアス方式のインクジェットプリンター用インキ組成物であり、
(A)周波数1×103〜1×106Hzの範囲において、インピーダンスの値が1.2×102〜1×101Ωの範囲である
ことを特徴とするコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
(2)周波数1×103〜1×106Hzの範囲において、インピーダンスの値が6.5×101〜1×101Ωの範囲である前記(1)項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
(3)前記導電性付与剤が、トリアリルスルホニウム塩およびその誘導体、ジアリルヨウドニウム塩およびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む導電性付与剤である前記(1)または(2)項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
(4)前記トリアリルスルホニウム塩およびその誘導体が、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩およびその誘導体、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩およびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である前記(3)項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
(5)前記ジアリルヨウドニウム塩およびその誘導体が、ジアリルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェート塩およびその誘導体、ジアリルヨウドニウムテトラフルオロボレート塩およびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である前記(3)項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
(6)前記トリアリルスルホニウム塩およびその誘導体が、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である前記(3)項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
Figure 0005121289
(式中、R1、R2、R3、R4は同一または異なって水素原子または有機基を表し、X-はPF6 -またはSbF6 -を表す)。
Figure 0005121289
(式中、R5、R6、R7は同一または異なって水素原子または有機基を表す。ただし、R5、R6、R7は同時に水素原子を表すことはない。X-はPF6 -またはSbF6 -を表す)。
(7)前記ジアリルヨウドニウム塩およびその誘導体が、一般式(3)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である前記(3)項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
Figure 0005121289
(式中、R9、R10は同一または異なって水素原子または有機基を表し、Y-はPF6 -またはBF4 -を表す)。
(8)前記導電性付与剤が、下記の式(1a)、(1b)、(1c)、(2a)、(2b)、(3a)、(3b)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である前記(3)項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
Figure 0005121289
Figure 0005121289
(9)インキ組成物の粘度が2〜5mPa・sである前記(1)〜(8)項のいずれかに記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物は、特定の導電性付与剤を使用することにより、顔料系インクであるが、染料系インクと同じように、インキ組成物の吐出時の安定性が優れ、かつドットのばらつきがなく画像形成性が優れる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物の構成材料について説明する。
本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物に使用する顔料としては、印刷技術分野で使用されているカーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛等の無機顔料、アゾ系顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料、ニトロ系顔料、フタロシアニン顔料、各種染料のレーキ等の有機顔料等が挙げられる。ただし、本発明に使用し得る顔料は、これらに限定されるものではない。これら顔料は単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
これら顔料の含有量は、インキ組成物中に0.1〜15質量%の範囲が好ましい。該顔料の含有量が0.1質量%未満では、色濃度が低下し、一方15質量%を超えるとインク粘度や流動性の面から使用が困難となる。
本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物に使用する顔料分散剤としては、印刷技術分野で使用されているものが使用できるが、その中でも高分子分散剤を使用することが好ましく、カルボジイミド系分散剤、ポリエステルアミン系分散剤、脂肪酸アミン系分散剤、変性ポリアクリレート系分散剤、変性ポリウレタン系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤、多鎖型高分子非イオン系分散剤、高分子イオン活性剤等が挙げられる。ただし、本発明に使用し得る顔料分散剤は、これらに限定されるものではない。これら顔料分散剤は単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
これら顔料分散剤の使用量は、使用する全顔料100質量部に対して、通常1〜200質量部、好ましくは1〜60質量部である。顔料分散剤の使用量が1質量部未満では、顔料分散性が低下し、一方200質量部を超えて含有させることもできるが効果の差がない。
本発明に使用できる導電性付与剤としては、トリアリルスルホニウム塩およびその誘導体、ジアリルヨウドニウム塩およびその誘導体等を挙げることができる。前記トリアリルスルホニウム塩およびその誘導体としては、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩およびその誘導体、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩およびその誘導体等が挙げられる。前記ジアリルヨウドニウム塩およびその誘導体としては、ジアリルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェート塩およびその誘導体、ジアリルヨウドニウムテトラフルオロボレート塩およびその誘導体等が挙げられる。これら導電性付与剤は単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
前記トリアリルスルホニウム塩およびその誘導体には、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物が含まれる。
Figure 0005121289
(式中、R1、R2、R3、R4は同一または異なって水素原子または有機基を表し、X-はPF6 -またはSbF6 -を表す)。
Figure 0005121289
(式中、R5、R6、R7は同一または異なって水素原子または有機基を表す。ただし、R5、R6、R7は同時に水素原子を表すことはない。X-はPF6 -またはSbF6 -を表す)。
前記一般式(1)において、R1、R2、R3、R4で表される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の低級アルキル基、置換された低級アルキル基等が挙げられる。低級アルキル基の置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシル基等が挙げられる。
前記一般式(2)において、R5、R6で表される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の低級アルキル基、置換された低級アルキル基等が挙げられる。低級アルキル基の置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシル基等が挙げられる。R7で表される有機基としては、前記の未置換または置換アルキル基、あるいは未置換または置換されたアリールチオ基等が挙げられる。
前記ジアリルヨウドニウム塩およびその誘導体には、一般式(3)で表される化合物が含まれる。
Figure 0005121289
(式中、R9、R10は同一または異なって水素原子または有機基を表し、Y-はPF6 -またはBF4 -を表す)。
一般式(3)において、R9、R10で表される有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の低級アルキル基、置換された低級アルキル基等が挙げられる。低級アルキル基の置換基としては、ヒドロキシル基、アルコキシル基等が挙げられる。
前記導電性付与剤の具体例としては、下記の式(1a)、(1b)、(1c)、(2a)、(2b)、(3a)、(3b)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0005121289
Figure 0005121289
前記導電性付与剤の市販品としては、UVACURE1590〔前記式(1a)で表される化合物と前記式(2a)で表される化合物の混合物、ダイセル・サイテック(株)製〕、イルガキュア250〔前記式(3a)で表される化合物、チバスペシャルティー(株)製〕、アデカオプトマーSP−170〔前記式(1c)で表される化合物、(株)ADEKA製〕、アデカオプトマーSP−172〔前記一般式(1)に含まれる化合物、(株)ADEKA製〕、アデカオプトマーSP−150〔前記式(1b)で表される化合物、(株)ADEKA製〕、cata211〔前記式(3b)に含まれる化合物、荒川化学工業(株)製〕等がある。
また、従来から使用されている導電性付与剤、例えば、硝酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム等の無機塩類、ナフトールスルホン酸の有機アンモニウム塩等のアニオンが有機アニオンである第4級アンモニウム塩等の有機塩類、アゾ鉄錯体等も利用でき、上記の導電性付与剤と併用してもよい。
これら導電性付与剤の使用量は、周波数が1×103〜1×106Hzの範囲において、インキ組成物のインピーダンスが1.2×102〜1×101Ωの範囲、好ましくは、6.5×101〜1×101Ωの範囲となる量である。前記インピーダンス値を満足する導電性付与剤の使用量は、使用する導電性付与剤の種類等によって異なるが、一般的に導電性付与剤を除いたインキ組成物の全量100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.7〜7質量部である。
ここで、コンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物のインピーダンスは、周波数応答アナライザ(FRA)1255型と誘電率測定用インターフェイス1296型(どちらも英国ソーラント社製)を使用してインキ組成物のサンプル量2ml、電圧200mVの交流下で測定したインピーダンスの値である。
上記の条件においてインキ組成物のインピーダンスの値が前記範囲を超える場合は、画像品質や吐出安定性が低下し、目的とする場所に印字できなくなる等の問題が生じる。
本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物に使用する結着樹脂としては、使用する有機溶剤に可溶で、前記導電性付与剤と相溶性の良好なものであればいずれも使用できる。具体的には、アクリル樹脂、スチレン/アクリル系共重合体樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、テルペン/フェノール樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂(例えば、ニトロセルロース等)、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、石油系樹脂、ロジンエステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら結着樹脂は、単独でまたは2種類以上を混合して使用できる。なお、結着樹脂と上記顔料分散剤とは同じものであってもよい。
これら結着樹脂の含有量は、インキ組成物中に2〜10質量%の範囲が好ましい。結着樹脂の含有量が2質量%未満では、画像の擦過性が低下し、一方10質量%を超えるとインク粘度が上昇しノズルから吐出しにくくなり、好ましくない。
本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物に使用する有機溶剤としては、本発明で使用する前記結着樹脂、前記導電性付与剤を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等の1価のアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の2価のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート等のグリコールモノエステル類、アミド類、モルホリン、ピリジン等の含窒素化合物、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。ただし、本発明に使用し得る有機溶剤は、これらに限定されるものではない。これら有機溶剤は単独でまたは2種以上を混合して使用できる。特に、インキの電気伝導度、およびインキ乾燥特性を高める溶剤として、メチルエチルケトン、あるいはメタノールまたはエタノールを含有する溶剤が好ましいが、導電性付与剤がメチルエチルケトン、あるいはメタノールまたはエタノールに溶解しない場合は、導電性付与剤が溶解する有機溶剤を適量加える。
本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物には、必要に応じて、インキ着弾時のドットの拡がりを防止する目的、および印刷皮膜の耐摩擦性等の皮膜性能を高めるために、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を添加することもできる。
次に、上記の構成材料から本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物を製造する方法について説明する。例えば、有機溶剤の一部に顔料分散剤および結着樹脂を溶解させて溶液とし、これに、さらに顔料等などを混合攪拌し、練肉機で練肉してベースインクを調製し、このベースインクに、導電性付与剤を溶解させた有機溶剤の残り、さらに必要に応じてその他の添加剤を添加混合する方法などが利用できるが、これらに限定されるものではない。
前記練肉機としては、たとえば、湿式サーキュレーションミル、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、パールミル、高圧分散機等を挙げることができ、より微細に顔料を分散させる必要があることから、前記機種の中でも湿式サーキュレーションミルが好ましい。
以上の材料と製造方法によって得られる本発明のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物は、1×103〜1×106Hzの周波数の範囲におけるインピーダンスが1.2×102Ω以下という、従来のものよりも低いことを特徴とするものである。着色剤として顔料を利用する場合に、導電性付与剤を利用して適正な画像品質を得る試みは行われていたが、いまだ不十分であるのに対して、本発明のようにより低いインピーダンスの値とすると画像品質の改善の効果が非常に高いものとなる。とりわけ、上記の周波数の範囲でインピーダンスの最も低い値が6.5×101Ω以下であるときは、いろいろな環境条件に差があってもドットのばらつきがほとんどなく、非常に優れた画像形成性を有するインキ組成物を得ることが可能となる。
上記の優れたインキ組成物吐出安定性および画像形成性を達成するためには、インキ組成物の粘度が2〜5mPa・sであるのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
<カルボジイミド系高分子顔料分散剤>
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物のトルエン溶液(固形分50%)1823部、N−メチルジエタノールアミン178部を仕込み、約100℃で3時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで、末端にカルボキシル基を有する分子量2,000のポリカプロラクトン2915部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5104部を仕込み、約80℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させて数平均分子量10,800、カルボジイミド当量2,800のカルボジイミド系高分子顔料分散剤(固形分濃度40%)を得た。
<導電性付与剤>
・UVACURE1590〔前記式(1a)で表される化合物〔Sulfonium,(thiodi−4,1−phenylen)bis[diphenyl−,bis[hexafluorophosphate(1−)]〕の25部、前記式(2a)で表される化合物〔Sulfonium,diphenyl[(phenylthio)phenyl]−,hexafluorophosphate(1−)〕の25部、およびプロピレンカーボネート50部の混合物、ダイセル・サイテック(株)製〕
・イルガキュア250〔前記式(3a)で表される化合物、チバスペシャルティー(株)製〕
・アデカオプトマーSP−170〔前記式(1c)で表される化合物、(株)ADEKA製〕
・アデカオプトマーSP−172〔前記一般式(1)に含まれる化合物、(株)ADEKA製〕
・アデカオプトマーSP−150〔前記式(1b)で表される化合物、(株)ADEKA製〕
・cata211〔前記式(3b)に含まれる化合物、荒川化学工業(株)製〕
・T77(アゾ鉄錯体、保土谷化学工業(株)製)
<その他の材料>
・硝化綿1/16H(ベルジュラックNC社製ニトロセルロース、可塑剤としてクエン酸アセチルトリブチルを使用)
・BYK333(ビックケミー社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
<ベースインキ>
上記カルボジイミド系高分子顔料分散剤20部をメチルエチルケトン60部に溶解し、これに顔料として、カーボンブラックMA−7(三菱化学(株)製)20部を加え攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、ベースインキを得た。
<実施例1〜7および比較例1、2のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物>
表1の配合に従い、ベースインキと各種材料を攪拌混合して、25℃における粘度がほぼ3mPa・sの実施例1〜7および比較例1、2のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物を得た。表1における各材料の使用量は質量部である。
<性能評価>
実施例1〜7および比較例1、2のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物のインピーダンス、粘度、吐出安定性、画像品質を以下の方法により測定、評価した。
[インピーダンス]
周波数応答アナライザ(FRA)1255型と誘電率測定用インターフェイス1296型(どちらも英国ソーラント社製)の測定用セルに実施例1〜7、比較例1、2の各コンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物を2ml入れて、200mVの交流下、周波数1MHz〜50mHzの範囲でインピーダンスを測定した。その結果を表2〜3および図1に示す。表2〜3において、E±0X(Xは0〜6の整数を示す)は×10±Xを表す。
[粘度]
東京計器(株)製ELD型粘度計を用い、測定温度25℃、測定回転数100rpmにて測定した。結果を表1に示す。
[吐出安定性]
コンティニュアス方式ジェットプリンター(ドミノ社製A300)を用いて室温下で100時間連続運転し、吐出安定性を次の基準にしたがって評価した。結果を表1に示す。
A:連続運転中、文字がきれいに印字される。
B:連続運転中、印字されるが文字が判読しがたい。
C:文字が印字されない。
[画質評価]
コンティニュアス方式ジェットプリンター(ドミノ社製A300)を用いて室温下で、アルファベット文字を印字し、次の基準にしたがって評価した。結果を表1に示す。
A:文字がきれいに印字される。
B:印字されるが文字が判読しがたい。
C:文字が形成されない。
Figure 0005121289
Figure 0005121289
Figure 0005121289
実施例1〜7、比較例1、2の各コンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物のインピーダンス値を周波数に対してプロットしたグラフである。

Claims (8)

  1. 少なくとも顔料、顔料分散剤、結着樹脂、導電性付与剤、有機溶剤を含有するコンティニュアス方式のインクジェットプリンター用インキ組成物であり、
    前記導電性付与剤が、トリアリールスルホニウム塩およびその誘導体、ジアリールヨウドニウム塩およびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む導電性付与剤であり、
    (A)周波数1×103〜1×106Hzの範囲において、インピーダンスの値が1.2×102〜1×101Ωの範囲である
    ことを特徴とするコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
  2. 周波数1×103〜1×106Hzの範囲において、インピーダンスの値が6.5×101〜1×101Ωの範囲である請求項1記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
  3. 前記トリアリルスルホニウム塩およびその誘導体が、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩およびその誘導体、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩およびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
  4. 前記ジアリルヨウドニウム塩およびその誘導体が、ジアリルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェート塩およびその誘導体、ジアリルヨウドニウムテトラフルオロボレート塩およびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
  5. 前記トリアリルスルホニウム塩およびその誘導体が、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
    Figure 0005121289
    (式中、R1、R2、R3、R4は同一または異なって水素原子または有機基を表し、X-はPF6 -またはSbF6 -を表す)。
    Figure 0005121289
    (式中、R5、R6、R7は同一または異なって水素原子または有機基を表す。ただし、R5、R6、R7は同時に水素原子を表すことはない。X-はPF6 -またはSbF6 -を表す)。
  6. 前記ジアリルヨウドニウム塩およびその誘導体が、一般式(3)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
    Figure 0005121289
    (式中、R9、R10は同一または異なって水素原子または有機基を表し、Y-はPF6 -またはBF4 -を表す)
  7. 前記導電性付与剤が、下記の式(1a)、(1b)、(1c)、(2a)、(2b)、(3a)、(3b)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
    Figure 0005121289
    Figure 0005121289
  8. インキ組成物の粘度が2〜5mPa・sである請求項1〜のいずれかに記載のコンティニュアス方式インクジェットプリンター用インキ組成物。
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