JP5120538B2 - モータの冷却構造 - Google Patents

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Description

この発明はモータの冷却構造に係り、特に、ロータコアに埋め込まれた永久磁石の冷却性能を高めて発熱による減磁を防止し、ロータの強度やモータ特性に影響を及ぼすことがないモータの冷却構造に関する。
車両等の駆動源として利用されるモータには、ロータコアに永久磁石を埋め込んだ埋込み磁石同期型モータがある。このモータは、ロータコアに埋め込まれた永久磁石が渦電流損による発熱で減磁が起きた場合に、モータの出力性能を低下させる問題がある。これを防止するためのモータの冷却構造には、ロータ軸内部に冷媒を通すことでロータコアを冷却する構造が知られている。しかし、この構造では、ロータコア内部に埋め込まれた永久磁石を十分に冷却することができない問題がある。
前記以外の冷却構造としては、冷媒をロータ軸内部の冷媒供給用シャフトからロータコアへ供給し、再びロータ軸内部に戻すものがある。また、前記以外の冷却構造としては、冷媒をロータ軸からロータコアへと供給し、この冷媒をロータコアからロータ軸に戻さずに、遠心力でステータコア側に飛散させ、ステータコアも冷却するものがある。
特開2001−190047号公報 特開2006−67777号公報
しかし、前記特許文献1及び2に開示される冷媒をロータ軸からロータコアへ供給する冷却構造では、ロータコア内に冷媒を通すための冷媒通路を新たに作り出す必要があり、そのためロータコアの強度不足、組立工数の増加、組立の複雑化、さらに冷媒通路が磁束の流れを妨害することによりモ一夕性能が劣化する問題もある。
また、ステータを冷却する冷却構造についても、以下のような問題がある。ステータが最も熱くなるのは、銅損が発生するステータ巻線部分であるが、これを冷却するためには冷媒に直接漬す構造が知られている。しかし、この冷却構造では、ロータまで冷媒に漬ってしまうと、ロータの撹拌抵抗により効率の低下が起こってしまう問題がある。前記特許文献2の冷却構造では、冷媒をステータコア側に飛散させており、発熱源であるステータ巻線に向かって冷媒を飛散させることができないため、冷却効果が小さい問題がある。
この発明は、ロータコアに埋め込まれた永久磁石の冷却性能を高めて発熱により減磁するのを防止することができ、モータの出力性能の低下を防止することができ、また、ロータの強度やモータ特性に影響を及ぼすことがなく、モータ性能の劣化を防止することができ、モータの性能向上及び寿命延長を図ることを目的とする。
この発明は、ロータコアに永久磁石を埋め込んだロータと、このロータを支持するロータ軸と、ステータを固定したモータハウジングとを備え、前記ロータ軸内部に形成された冷媒供給用シャフトから供給された冷媒を、前記ロータコア内部に供給する冷媒通路を備えたモータの冷却構造において、前記ロータ軸は、前記冷媒供給用シャフトから供給された前記冷媒を前記ロータコアの内周縁に供給するロータ用冷媒孔を備え、前記ロータ用冷媒孔から供給された前記冷媒は、前記ロータ軸の軸方向端部の両側に位置する軸方向の一方に向かって前記ロータコアの内周縁に沿って流通させ、その後前記ロータコアに埋め込まれた永久磁石と接するフラックスバリアを、前記冷媒通路の一部として前記冷媒を前記軸方向の一方から前記軸方向の他方に向かって流通させたことを特徴とする。
この発明のモータの冷却構造は、永久磁石と接するフラックスバリアに冷媒が流れ、永久磁石が直接冷媒に接することができるので、冷却性能を高めることが可能である。これにより、この発明のモータの冷却構造は、永久磁石の温度上昇を抑制することができるので、減磁するのを防止することが可能であり、モータの出力性能の低下を防止することができる。さらに、この発明のモータの冷却構造は、専用の冷媒通路をロータコア内に新たに設ける必要がないので、ロータの強度や、モータ特性に影響を及ぼすことがなく、モータ性能の劣化を防止することができる。
以下図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図7は、この発明の実施例を示すものである。図1は冷媒通路を示すモータの断面図、図2は冷媒通路を示すモータの一部破断斜視図、図3はロータ軸の斜視図、図4は一側の端板の斜視図、図5は他側の端板の斜視図、図6は端板を組み付けた状態のロータ軸の斜視図、図7は永久磁石を埋め込んだロータコアの側面図である。
図1・図2において、1は埋込み磁石同期型のモータである。このモータ1は、モータハウジング2内にロータ3とステータ4とを備えている。モータハウジング2は、両側の側壁5・6と、側壁5・6の各外周縁を連絡する周壁7とからなり、側壁5・6にロータ軸8を軸支している。ロータ軸8の外周に支持される前記ロータ3は、磁性材料からなる複数枚の積層板9を積層した円筒形状のロータコア10と、ロータコア10の外周側に埋め込まれた永久磁石11とからなる。ロータ3は、ロータコア10の内周をロータ軸8の外周に支持され、ロータコア10の軸方向の両端にロータ軸8に組み付けられた端板12・13を当接している。ロータ3の外周をとり囲むようにモータハウジング2の周壁7に固定された前記ステータ4は、磁性材料からなる複数枚の積層板14を積層した円筒形状のステータコア15と、ステータコア15に捲回したステータ巻線16とからなる。
このモータ1の冷却構造は、ロータ3及びステータ4に冷媒を供給するポンプ17を設けている。ポンプ17は、吸入側を吸入側通路18によりモータハウジング2内の周壁7の最下部に連通し、吐出側を吐出側通路19により冷媒供給用シャフト20のシャフト用冷媒通路21に連通している。冷媒供給用シャフト20は、モータハウジング2の側壁5・6を貫通してロータ軸8内部に配設され、前記シャフト用冷媒通路21を軸方向において側壁5外側に開口させて形成し、このシャフト用冷媒通路21をロータ軸8内部に連通するシャフト用冷媒孔22を形成している。
前記ロータ軸8は、図1・図2に示すように、略円筒形状の軸本体23の軸方向両端に軸支部24・25を形成し、軸本体23の軸方向一側(図1において左側)の外周に円環板形状のフランジ部26を突出させて形成している。軸本体23には、図3に示すように、周方向等間隔位置で径方向対称位置に、前記シャフト用冷媒孔22から供給された冷媒が流入するロータ用冷媒孔27を、内周から外周に貫通させて形成している。この実施例では、8個のロータ用冷媒孔27を、軸本体23の周方向において45度の等間隔位置で径方向において対称位置に形成している。また、軸本体23には、ロータコア10を支持する外周の周方向等間隔位置で径方向対称位置に、前記ロータ用冷媒孔27が開口する8本のロータ用冷媒溝28を形成している。ロータ用冷媒溝28は、軸方向一側のフランジ部26近傍から軸方向他側の端部近傍まで伸びるように長溝形状に形成している。
前記ロータ軸8に組み付けられる端板12・13は、非対称形状に形成されているので、先ず、端板12について説明する。
端板12は、図1・図2に示すように、一側に段差部29を有する円環板形状に形成される。段差部29は、ロータ軸8への組み付け時に、フランジ部26と係合する。端板12の前記ロータコア10と当接される他側には、図4に示すように、周方向等間隔位置で径方向対称位置に、内周縁から外周縁近傍まで延びる大口広幅形状のフラックスバリア用内側冷媒溝30を形成している。この実施例では、端板12の周方向において180度の等間隔位置で径方向において対称位置に、一対のフラックスバリア用内側冷媒溝30を形成している。
また、端板12の他側には、フラックスバリア用内側冷媒溝30と直交し、周方向において180度の等間隔位置で径方向において対称位置に、外周縁近傍から外周縁まで延びる一対の広幅細口形状のフラックスバリア用外側冷媒溝31を形成している。
さらに、端板12の他側には、図4に示すように、フラックスバリア用内側冷媒溝30及びフラックスバリア用外側冷媒溝31の間の周方向等間隔位置で径方向対称位置に、内周縁から内周縁近傍まで延びる中口中幅形状の肉抜き孔用内側冷媒溝32を形成している。この実施例では、フラックスバリア用内側冷媒溝30及びフラックスバリア用外側冷媒溝31に対して45度の位置であって、端板12の周方向において180度の等間隔位置で径方向において対称位置に、一対の肉抜き孔用内側冷媒溝32を形成している。
さらにまた、端板12の他側には、肉抜き孔用内側冷媒溝32と直交し、周方向において180度の等間隔位置で径方向において対称位置に、内周縁近傍から外周縁まで延びる一対の中幅細口形状の肉抜き孔用外側冷媒溝33を形成している。なお、図4において、符合34は、ロータコア10を軸方向に固定するためのボルト孔である。ボルト孔34は、端板12の内周縁近傍であって、肉抜き孔用内側冷媒溝32及び肉抜き孔用外側冷媒溝33の周方向両側に夫々形成している。
次に、端板13について説明する。端板13は、組み付け時に端板12と対向配置されるので、組み付けた状態を基準に、端板12と対向する側を一側、離間する側を他側として説明する。
端板13は、図1・図2に示すように、他側に段差部35を有する円環板形状に形成される。端板13の前記ロータコア10と当接される一側には、図5に示すように、端板13の周方向において180度の等間隔位置で径方向において対称位置に、内周縁から外周縁近傍まで延びる一対の大口広幅形状のフラックスバリア用内側冷媒溝36を形成し、フラックスバリア用内側冷媒溝36と直交し、周方向において180度の等間隔位置で径方向において対称位置に、外周縁近傍から外周縁まで延びる一対の広幅細口形状のフラックスバリア用外側冷媒溝37を形成している。
さらに、端板13の一側には、図5に示すように、フラックスバリア用内側冷媒溝36及びフラックスバリア用外側冷媒溝37に対して45度の位置であって、端板13の周方向において180度の等間隔位置で径方向において対称位置に、内周縁から内周縁近傍まで延びる一対の中口中幅形状の肉抜き孔用内側冷媒溝38を形成している。
さらにまた、端板13の一側には、肉抜き孔用内側冷媒溝38と直交し、周方向において180度の等間隔位置で径方向において対称位置に、内周縁近傍から外周縁まで延びる一対の中幅細口形状の肉抜き孔用外側冷媒溝39を形成している。なお、図5において、符合40は、ロータコア10を軸方向に固定するためのボルト孔である。ボルト孔40は、端板13の内周縁近傍であって、肉抜き孔用内側冷媒溝38及び肉抜き孔用外側冷媒溝39の周方向両側に形成している。
端板12・13は、端板12の一対のフラックスバリア用内側冷媒溝30と端板13の一対のフラックスバリア用外側冷媒溝37とが軸方向において対向(図2参照)し、端板12の一対のフラックスバリア用外側冷媒溝31と端板13の一対のフラックスバリア用内側冷媒溝36とが軸方向において対向(図1参照)した状態で、また、端板12の一対の肉抜き孔用内側冷媒溝32と端板13の一対の肉抜き孔用外側冷媒溝39とが軸方向において対向(図1参照)し、端板12の一対の肉抜き孔用外側冷媒溝33と端板13の一対の肉抜き孔用内側冷媒溝38とが軸方向において対向(図2参照)した状態で、端板12をロータ軸8の軸方向一側(図1において左側)に組み付けるとともに、端板13をロータ軸8の軸方向他側(図1において右側)に組み付ける。ロータ軸8に組み付けた端板12は、段差部29をロータ軸8のフランジ部26に係合する。
ロータ軸8に組み付けた端板12・13は、端板12の一対のフラックスバリア用内側冷媒溝30が、径方向対称位置の一対のロータ用冷媒溝28の軸方向一側に夫々連通し、このフラックスバリア用内側冷媒溝30と連通する一対のロータ用冷媒溝28に対して直交する位置の別の一対のロータ用冷媒溝28の軸方向他側に、端板13の一対のフラックスバリア用内側冷媒溝36が夫々連通する。
また、ロータ軸8に組み付けた端板12・13は、端板12の一対の肉抜き孔用内側冷媒溝32が、前記フラックスバリア用内側冷媒溝30と連通する一対のロータ用冷媒溝28に対して異なる径方向対称位置の一対のロータ用冷媒溝28の軸方向一側に夫々連通するとともに、この一対のロータ用冷媒溝28の軸方向他側に、端板13の一対の肉抜き孔用外側冷媒溝39が夫々連通する。
さらに、ロータ軸8に組み付けた端板12・13は、端板12の一対の肉抜き孔用外側冷媒溝33が、肉抜き孔用内側冷媒溝32及び肉抜き孔用外側冷媒溝39と連通する一対のロータ用冷媒溝28に対して直交する位置の別の一対のロータ用冷媒溝28の軸方向一側に夫々連通するとともに、この一対のロータ用冷媒溝28の軸方向他側に、端板13の一対の肉抜き孔用内側冷媒溝38が夫々連通する。
前記ロータ3は、図7に示すように、ロータコア10の外周縁近傍の周方向等間隔位置で径方向対称位置に、永久磁石11を埋め込むための断面長四角形状の磁石挿入孔41を軸方向に貫通させて形成している。この実施例では、ロータ3の周方向において90度の等間隔位置で径方向において対称位置に、4つの磁石挿入孔41を形成している。これにより、4つの磁石挿入孔41は、径方向で対峙する2つを一対として、互いに直交する位置に2組形成している。各磁石挿入孔41の円周方向に指向する幅方向両端には、永久磁石11の磁束の通過を阻止する断面半円形状のフラックスバリ(磁束遮断部)42を軸方向に貫通させて形成している。
また、ロータ3は、ロータコア10の周方向で隣接する磁石挿入孔41の間であって、内周縁近傍の周方向等間隔位置で径方向対称位置に、断面が湾曲する長円形状の長円肉抜き孔43を形成している。この実施例では、ロータコア10の周方向において磁石挿入孔41に対して45度の位置であって、ロータコア10の周方向において90度の等間隔位置で径方向において対称位置に、4つの長円肉抜き孔43を形成している。これにより、4つの長円肉抜き孔43は、径方向で対峙する2つを一対として、互いに直交する位置に2組形成している。なお、符合44は、ロータコア10を軸方向に固定するためのボルト孔である。ボルト孔44は、ロータコア10の内周縁近傍であって、各長円肉抜き孔43の円周方向両側に夫々形成している。
ロータ3は、図1・図2に示すように、ロータ軸8に組み付けた状態において、ロータコア10の両端に端板12・13が接する。ロータ軸8に組み付けたロータ3は、図2に示すように、径方向対称位置の一対の磁石挿入孔41の幅方向両端に形成したフラックスバリヤ42に、端板12の一対のフラックスバリア用内側冷媒溝30と端板13の一対のフラックスバリア用外側冷媒溝37とが連通する。また、ロータ軸8に組み付けたロータ3は、図1に示すように、別の径方向対称位置の一対の磁石挿入孔41の幅方向両端に形成したフラックスバリ42に、端板12の一対のフラックスバリア用外側冷媒溝31と端板13の一対のフラックスバリア用内側冷媒溝36とが連通する。
また、ロータ軸8に組み付けたロータ3は、図1に示すように、径方向対称位置の一対の長円肉抜き孔43に、端板12の一対の肉抜き孔用内側冷媒溝32と端板13の一対の肉抜き孔用外側冷媒溝39とが連通し、さらに、図2に示すように、別の径方向対称位置の一対の長円肉抜き孔43に、端板12の一対の肉抜き孔用外側冷媒溝33と端板13の一対の肉抜き孔用内側冷媒溝38とが連通する。なお、ロータ3のボルト孔44は、端板12・13の各ボルト孔34・40と合致する。
前記ステータ4は、図1・図2に示すように、円筒形状のステータコア15の軸方向長さをロータコア10と同じに形成し、ロータコア10の外周にステータコア15の内周を近接対向させて、ロータコア10の両端とステータコア15の両端とを軸方向において一致させた状態で、ステータコア15の外周をモータハウジング2の周壁7内周に固定している。モータハウジング2内の周壁7の最下部に位置するステータコア15の外周には、軸方向に延びるステータ用冷媒溝45を形成している。ステータ用冷媒溝45は、モータハウジング2内の周壁7の最下部に落下した冷媒を、前記ポンプ17の吸入側通路18に導く。
次に作用を説明する。
モータ1は、ステータ4のステータ巻線16に電流が流されることにより内部に回転磁界を形成し、ロータコア10に永久磁石11を埋め込んだロータ3を、このステータ4の内部に形成された回転磁界中で電流の周波数と回転磁界の極数とで決定する回転速度で回転させる。モータ1は、ステータ4の回転磁界による影響で永久磁石11の温度が上昇して減磁温度に達すると、出力性能の低下を招く。そこで、このモータ1は、冷媒によりロータ3及びステータ4を冷却する冷却構造を採用している。
このモータ1の冷却構造は、適宜の駆動源により駆動されたポンプ17の吐出する冷媒を吐出側通路19により冷媒供給用シャフト20のシャフト用冷媒通路21に供給し、シャフト用冷媒孔22からロータ軸8内部に供給する。
ロータ軸8内部に供給された冷媒は、図2に示すように、ロータ軸8のロータ用冷媒孔27からロータ用冷媒溝28に流入し、このロータ用冷媒溝28の軸方向一側に連通する端板12のフラックスバリア用内側冷媒溝30から、ロータコア10のフラックスバリ42を介して、軸方向他側の端板13のフラックスバリア用外側冷媒溝37に流れ、端板13の外周縁に開口するフラックスバリア用外側冷媒溝37からステータ4のステータ巻線16に向かって飛散される。ステータ巻線16に飛散された冷媒は、モータハウジング2内の周壁7の最下部に落下し、ステータ用冷媒溝45により吸入側通路18に導かれ、ポンプ17に吸入されて再び吐出側通路19に吐出される。
これにより、このモータ1の冷却構造は、冷媒供給用シャフト20のシャフト用冷媒通路21に連通するシャフト用冷媒孔22から供給された冷媒を、ロータ用冷媒孔27、ロータ用冷媒溝28、フラックスバリア用内側冷媒溝30、フラックスバリ42、フラックスバリア用外側冷媒溝37から構成される冷媒通路46によって、ロータコア10内部に供給する。
また、前記ロータ軸8内部に供給された冷媒は、図1に示すように、図2に示すロータ用冷媒孔27と直交する位置のロータ用冷媒孔27からロータ用冷媒溝28に流入し、このロータ用冷媒溝28の軸方向他側に連通する端板13のフラックスバリア用内側冷媒溝36から、ロータコア10のフラックスバリ42を介して、軸方向一側の端板12のフラックスバリア用外側冷媒溝31に流れ、端板12の外周縁に開口するフラックスバリア用外側冷媒溝31からステータ4のステータ巻線16に向かって飛散される。ステータ巻線16に飛散された冷媒は、モータハウジング2内の周壁7の最下部に落下して吸入側通路18に導かれ、ポンプ17に吸入されて再び吐出側通路19に吐出される。
これにより、このモータ1の冷却構造は、冷媒供給用シャフト20のシャフト用冷媒通路21に連通するシャフト用冷媒孔22から供給された冷媒を、ロータ用冷媒孔27、ロータ用冷媒溝28、フラックスバリア用内側冷媒溝36、フラックスバリ42、フラックスバリア用外側冷媒溝31から構成される冷媒通路47によって、ロータコア10内部に供給する。
このモータ1の冷却構造は、ロータコア10に埋め込まれた永久磁石11の横に設けられたフラックスバリア42を前記冷媒通路46・47の一部とし利用し、冷媒を流通させている。フラックスバリア42は、モータ特性を向上させるために設けられるため、設計段階で強度計算が十分に行われることから、ロータコア10に冷媒通路を新たに設けた場合と比べ、ロータ3の強度不足、組立工数の増加、組立の複雑化が発生しない。さらに、新たに冷媒通路を設けた場合は、冷媒通路がロータ3内部の磁束の流れを変化させ、モータ性能を劣化させてしまうが、フラックスバリア42を用いた場合はこの心配もない。
フラックスバリア42は、設計段階で永久磁石11と接するように設けられることが多く、フラックスバリア42に冷媒を流すことで永久磁石11を直接冷却することが可能となる。そのため、普通にロータコア10内部に冷媒を流す場合に比べて、永久磁石11に対しての冷却性能が高く、温度の上昇によって磁石が滅磁するのを防止できる。そして、この冷却構造は、ロータコア10内に埋め込む永久磁石11の配置がV字配置などになっても、フラックスバリア42が存在する限り有効である。
このように、このモータ1の冷却構造は、永久磁石11と接するフラックスバリア42に冷媒が流れ、永久磁石11が直接冷媒に接することができるので、冷却性能を高めることが可能である。これにより、このモータ1の冷却構造は、永久磁石11の温度上昇を抑制することができるので、減磁するのを防止することが可能であり、モータ1の出力性能の低下を防止することができる。さらに、このモータ1の冷却構造は、専用の冷媒通路をロータコア10内に新たに設ける必要がないので、ロータ3の強度や、モータ特性に影響を及ぼすことがなく、モータ性能の劣化を防止することができる。
また、前記冷媒通路46・47は、フラックスバリア42を通過した冷媒が、ロータコア10の両端と接するように形成された端板12・13に沿って径外方向に流れた後、ステータ4のステータ巻線16へ直接飛散するように形成されている。
この冷却構造では、冷媒が端板12・13のフラックスバリア用外側冷媒溝31・37からステータ巻線16に向って飛散するため、飛散した冷媒が発熱源であるステータ巻線16を直接冷却することが可能で、さらにロータ3の回転速度が上がると遠心力によって飛散する冷媒の勢いと量が増すため、冷却性能がさらに高まる。加えて、この冷却構造は、ロータ3の回転速度が上がると、遠心力が大きくなることでロータコア10内を通過する冷媒の流速が速くなるため、中・高速回転領域でモータ1の鉄損が増加した場合でも、それにあわせて冷却性能が高まる。
この冷却構造を用いることで、永久磁石11とステータ巻線16の温度上昇を低減させることができ、そのためモータ1の連続定格出力の向上、すなわち、モータ性能を向上させることが可能になる。
このように、このモータ1の冷却構造は、フラックスバリア42を通過した冷媒がステータ4のステータ巻線16を直接冷却しているので、ステータ4の冷却性能を高めることが可能である。これにより、このモータ1の冷却構造は、ロータ3の回転速度が上昇するにしたがって、ステータ4に飛散する冷媒の量、及び強さが増加するので、さらにステータ4の冷却性能を高めることが可能である。
さらに、このモータ1の冷却構造は、ロータ3の長円肉抜き孔43に冷媒を流通させている。
ポンプ17から吐出側通路19、シャフト用冷媒通路21、シャフト用冷媒孔22を介してロータ軸8内部に供給された冷媒は、図1に示すように、ロータ軸8のロータ用冷媒孔27からロータ用冷媒溝28に流入し、このロータ用冷媒溝28の軸方向一側に連通する端板12の肉抜き孔用内側冷媒溝32から、ロータコア10の長円肉抜き孔43を介して、軸方向他側の端板13の肉抜き孔用外側冷媒溝39に流れ、端板13の外周縁に開口する肉抜き孔用外側冷媒溝39からステータ4のステータ巻線16に向かって飛散される。ステータ巻線16に飛散された冷媒は、モータハウジング2内の周壁7の最下部に落下し、ステータ用冷媒溝45により吸入側通路18に導かれ、ポンプ17に吸入されて再び吐出側通路19に吐出される。
これにより、このモータ1の冷却構造は、冷媒供給用シャフト20のシャフト用冷媒通路21に連通するシャフト用冷媒孔22から供給された冷媒を、ロータ用冷媒孔27、ロータ用冷媒溝28、肉抜き孔用内側冷媒溝32、長円肉抜き孔43、肉抜き孔用外側冷媒溝39から構成される冷媒通路48によって、ロータコア10内部に供給する。
また、前記ロータ軸8内部に供給された冷媒は、図2に示すように、図1に示すロータ用冷媒孔27と直交する位置のロータ用冷媒孔27からロータ用冷媒溝28に流入し、このロータ用冷媒溝28の軸方向他側に連通する端板13の肉抜き孔用内側冷媒溝38から、ロータコア10の長円肉抜き孔43を介して、軸方向一側の端板12の肉抜き孔用外側冷媒溝33に流れ、端板12の外周縁に開口する肉抜き孔用外側冷媒溝33からステータ4のステータ巻線16に向かって飛散される。ステータ巻線16に飛散された冷媒は、モータハウジング2内の周壁7の最下部に落下して吸入側通路18に導かれ、ポンプ17に吸入されて再び吐出側通路19に吐出される。
これにより、このモータ1の冷却構造は、冷媒供給用シャフト20のシャフト用冷媒通路21に連通するシャフト用冷媒孔22から供給された冷媒を、ロータ用冷媒孔27、ロータ用冷媒溝28、肉抜き孔用内側冷媒溝38、長円肉抜き孔43、肉抜き孔用外側冷媒溝33から構成される冷媒通路49によって、ロータコア10内部に供給する。
このように、このモータ1の冷却構造は、軽量化のための長円肉抜き孔43を冷媒通路48・49の一部として利用して冷媒を流し、ロータコア10及び永久磁石11を冷却することができる。これにより、このモータ1の冷却構造は、専用の冷媒通路をロータコア10内に新たに設ける必要がないので、ロータ3の強度や、モータ特性に影響を及ぼすことがなく、モータ性能の劣化を防止することができる。また、このモータ1の冷却構造は、長円肉抜き孔43を通過した冷媒がステータ4のステータ巻線16を直接冷却しているので、ステータ4の冷却性能を高めることが可能である。
この発明のモータの冷却構造は、発熱により減磁を防止してモータの出力性能の低下を防止し、専用の冷媒通路をロータコア内に新たに設ける必要がなく、ロータの強度やモータ特性に影響を及ぼすことがなく、モータ性能の劣化を防止することができるものであり、モータを動力源として利用する各種の機械に適用することができる。
冷媒通路を示すモータの断面図である。 冷媒通路を示すモータの一部破断斜視図である。 ロータ軸の斜視図である。 一側の端板の斜視図である。 他側の端板の斜視図である。 端板を組み付けた状態のロータ軸の斜視図である。 永久磁石を埋め込んだロータコアの側面図である。
符号の説明
1 モータ
2 モータハウジング
3 ロータ
4 ステータ
8 ロータ軸
10 ロータコア
11 永久磁石
12 端板
13 端板
15 ステータコア
16 ステータ巻線
17 ポンプ
20 冷媒供給用シャフト
42 フラックスバリ
43 長円肉抜き孔
46 冷媒通路
47 冷媒通路

Claims (3)

  1. ロータコアに永久磁石を埋め込んだロータと、このロータを支持するロータ軸と、ステータを固定したモータハウジングとを備え、
    前記ロータ軸内部に形成された冷媒供給用シャフトから供給された冷媒を、前記ロータコア内部に供給する冷媒通路を備えたモータの冷却構造において、
    前記ロータ軸は、前記冷媒供給用シャフトから供給された前記冷媒を前記ロータコアの内周縁に供給するロータ用冷媒孔を備え、
    前記ロータ用冷媒孔から供給された前記冷媒は、前記ロータ軸の軸方向端部の両側に位置する軸方向の一方に向かって前記ロータコアの内周縁に沿って流通させ、その後前記ロータコアに埋め込まれた永久磁石と接するフラックスバリアを、前記冷媒通路の一部として前記冷媒を前記軸方向の一方から前記軸方向の他方に向かって流通させたことを特徴とするモータの冷却構造。
  2. 前記ロータコアの軸方向の両端と接するように形成された端板を設け、
    前記端板は、前記端板の径方向に沿って延びて前記端板の外周縁に開口するフラックスバリア用外側冷媒溝を備え、
    前記冷媒通路は、フラックスバリアを通過した冷媒が、前記フラックスバリア用外側冷媒溝を流れてステータへ直接飛散するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータの冷却構造。
  3. 前記冷媒は前記冷媒供給用シャフトの1つの軸方向長さ位置より供給され、
    複数存在する前記フラックスバリアのうちの一方のフラックスバリアでは冷媒が前記ロータコアの軸方向一側から軸方向他側に向けて流通し、その後前記冷媒が前記軸方向他側の前記端板の前記フラックスバリア用外側冷媒溝を流通するよう形成し、他方のフラックスバリアでは冷媒が前記ロータコアの軸方向他側から軸方向一側に向けて流通し、その後前記冷媒が前記軸方向一側の前記端板の前記フラックスバリア用外側冷媒溝を流通するように形成したことを特徴とする請求項2に記載のモータの冷却構造。
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