JP5118932B2 - 不活性ガスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒素及び二酸化炭素からなる不活性ガスの製造方法、さらには窒素又は二酸化炭素のみからなる不活性ガスの製造方法に関する。
従来から、窒素、二酸化炭素等を含む不活性ガスの製造方法が多数報告されている。その多くの製造方法は、炭化水素を触媒存在下で完全燃焼させ、燃焼排ガスに存在する酸素、一酸化炭素等の不純物を何らかの精製工程にて除去し、高純度の不活性ガスを得る方法である。
しかしながら、上記の方法では、不純物を低減するため、燃焼の際にPt等の高価な触媒を使用したり、投入する空気量の微妙な調整が必要となったりする。また、上記のごとく、燃焼後に不純物を除去するための精製工程が必要となる。これにより、製造効率の低下、設備の大型化、コスト増大等の問題が生じていた。
そこで、特許文献1では、窒素ガスに含まれる不純物(酸素、一酸化炭素等)の濃度を低減した高純度の窒素ガスを製造する方法が開示されている。この方法は、不純物を除去するための精製工程を必要としないため、高純度の窒素ガス(不活性ガス)を効率よく安価に製造することができる。
特開平8−217422号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法を用いても、やはり窒素ガスに酸素、一酸化炭素等の不純物が若干含まれてしまう。そのため、従来の不活性ガスの製造方法では、不純物の除去が充分とはいえなかった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、酸素及び一酸化炭素を含有しない、高純度の不活性ガスを効率的かつ安価に得ることができる不活性ガスの製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一の態様は、最も多く含有される金属成分が鉄(Fe)である触媒の存在下において炭化水素を所定の温度で加熱して分解させることにより、上記炭化水素から水素(H2)を分離して析出炭素を生成する析出炭素生成工程と、
上記触媒の存在下において上記析出炭素と空気とを接触させて450℃以上の温度で加熱することにより、上記析出炭素と上記空気とを反応させ、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)を含有しない、窒素(N2)及び二酸化炭素(CO2)からなる不活性ガスを生成する不活性ガス生成工程とを有することを特徴とする不活性ガスの製造方法にある(請求項1)。
本発明の他の態様は、最も多く含有される金属成分がコバルト(Co)である触媒の存在下において炭化水素を所定の温度で加熱して分解させることにより、上記炭化水素から水素(H 2 )を分離して析出炭素を生成する析出炭素生成工程と、
上記触媒の存在下において上記析出炭素と空気とを接触させて380〜480℃の温度で加熱することにより、上記析出炭素と上記空気とを反応させ、酸素(O 2 )及び一酸化炭素(CO)を含有しない、窒素(N 2 )及び二酸化炭素(CO 2 )からなる不活性ガスを生成する不活性ガス生成工程とを有することを特徴とする不活性ガスの製造方法にある(請求項2)。
本発明の製造方法は、上記析出炭素生成工程において、触媒の存在下において炭化水素を所定の温度で加熱して分解させることにより、以下のような反応が生じる。
mn(炭化水素)→mC(析出炭素)+n/2H2(水素)
これにより、上記炭化水素から水素を分離して析出炭素を生成することができる。
そして、上記不活性ガス生成工程において、上記触媒の存在下において上記析出炭素と空気とを接触させて所定の温度で加熱することにより、以下のような反応が生じる。
C(析出炭素)+空気(N2(窒素)+O2(酸素))→CO2(二酸化炭素)+N2(窒素)
これにより、窒素及び二酸化炭素からなる不活性ガスを生成することができる。
すなわち、本発明では、上記炭化水素を加熱して分解させて得られた上記析出炭素を用いていることに大きな特徴がある。そして、この析出炭素と空気とを接触させ、さらに加熱して反応させることにより、酸素を残存させず、かつ一酸化炭素を生成させずに、窒素及び二酸化炭素からなる不活性ガスを生成することができる。そのため、不純物(酸素、一酸化炭素)を含有しない高純度の不活性ガスを効率よく、直接的に生成することができる。また、不純物を除去するための精製工程を必要としないため、製造効率の向上、製造コストの低減も図ることができる。
なお、上記析出炭素と空気とを接触させ、さらに加熱して反応させることにより、酸素を残存させず、かつ一酸化炭素を生成させずに、窒素及び二酸化炭素からなる高純度の不活性ガスを生成することができる理由については、未だ解明されていない。しかしながら、後述の実施例1に示すごとく、本発明によって上記の効果が得られている。
このように、本発明の製造方法によれば、酸素及び一酸化炭素を含有しない、窒素及び二酸化炭素からなる高純度の不活性ガスを効率的かつ安価に得ることができる。
上記本発明において、上記炭化水素としては、一般的な炭化水素を用いることができる。例えば、Cmn(m=1〜6、n=4〜14)で表される炭化水素を用いることが工業的に望ましく、取り扱いが容易である。
また、上記触媒として最も多く含有される金属成分は、鉄(Fe)又はコバルト(Co)である
この場合には、従来のようにPt等の高価な触媒を用いることなく、鉄又はコバルトを含有する安価な触媒を用いて、不活性ガスを生成することができる。そのため、製造コストをさらに低減することができる。
なお、上記触媒としては、具体的には、鉄(Fe)の酸化物、コバルト(Co)の酸化物等を用いることができる。
また、上記触媒は、担体に担持させて用いることができる。このとき、表面積の大きな担体に担持させることがより好ましい。この場合には、触媒の活性低下を抑制することができる。
また、上記触媒は、助触媒を加えて用いることができる。例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等を加えて用いることができる。この場合には、触媒の活性を向上させることができる。
また、上記析出炭素生成工程において、炭化水素を加熱分解させる温度は、使用する触媒と炭化水素との組み合わせによって異なる。この加熱分解温度は、簡単な実験によって最適な温度を確かめることができる。加熱分解温度は、一般的には、500℃以上である。
例えば、上記触媒として最も多く含有される金属成分が鉄(Fe)であり、上記炭化水素としてメタン(CH4)を用いた場合には、最適な加熱分解温度は700〜900℃である。
また、上記触媒として最も多く含有される金属成分がコバルト(Co)であり、上記炭化水素としてメタン(CH4)を用いた場合には、最適な加熱分解温度は700〜900℃である。
また、上記不活性ガス生成工程において、析出炭素と空気との反応温度は、使用する触媒によって異なる。この反応温度は、簡単な実験によって最適な温度を確かめることができる。
例えば、上記触媒として最も多く含有される金属成分が鉄(Fe)である場合には、最適な反応温度は450〜550℃である。
また、上記触媒として最も多く含有される金属成分がコバルト(Co)である場合には、最適な反応温度は380〜480℃である。
また、上記不活性ガス生成工程において、析出炭素の量(モル数)が反応させる空気中の酸素の量(モル数)より少ないと、未反応の酸素が残存してしまうため、析出炭素の量を反応させる空気中の酸素の量以上としておくことが必要となる。
また、上記不活性ガス生成工程の後に、上記不活性ガスの温度及び圧力の一方又は両方を調整することにより、上記不活性ガスから窒素(N2)と二酸化炭素(CO2)とを分離する分離工程を行うことが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記不活性ガスの温度及び圧力の一方又は両方を調整することにより、二酸化炭素を液化させる、又は固化させてドライアイスにすることができる。これにより、窒素と二酸化炭素とを容易に分離することができる。
また、上記分離工程を行うことにより、結果的に高純度の窒素ガスを得ることができる。また、液化又は固化させた二酸化炭素は、温度、圧力を調整すれば、高純度の二酸化炭素ガスとして得ることができる。すなわち、上記分離工程を行って窒素と二酸化炭素とを分離すれば、窒素単体からなる不活性ガス及び二酸化炭素単体からなる不活性ガスを得ることができる。
なお、本発明でいう不活性ガスとは、窒素及び二酸化炭素からなる不活性ガス、また、窒素又は二酸化炭素のみからなる不活性ガスを含む。
(実施例1)
本例では、本発明にかかる実施例(試料E1〜E4)及び比較例(試料C1〜C3)として、各種炭素と空気とを反応させた場合の生成ガスについて評価を行った。
以下、表1を参照して、評価の内容について説明する。
本発明の実施例である試料E1〜E4では、まず、出発原料としてメタン(CH4)、触媒として表1に示す各種触媒(FeOx(酸化鉄)、Co34(酸化コバルト)、FeOx−Cr、FeOx−Cr−Ni)を用い、析出炭素を生成した。そして、析出炭素と空気とを反応させてガスを生成し、その生成したガスの組成を評価した。
具体的には、酢酸鉄、酢酸コバルト(キシダ化学株式会社製)等を300℃で3時間、500℃で10時間、空気中で焼成し、各種触媒の調製を行った。なお、試料E3、E4では、第2成分及び第3成分としてCr、Niを含有した触媒とした。
次いで、石英製の反応管に各種触媒1gを入れた後、反応管を800℃に加熱した。そして、20ml/minの条件でメタンを反応管に流し、メタン分解反応を行った。これにより、メタンから水素を分離して析出炭素を生成した。なお、メタン分解反応は、約30時間行い、析出炭素を蓄えた。
ここで、図1は、鉄系の触媒(試料E1)を用いた場合の反応温度(℃)とメタン転化率(%)との関係について示したものである。800℃では、メタン分解反応におけるメタンの転化率が80%を超えていることがわかる。
次いで、石英製の反応管に析出炭素が入った状態で、反応管を所定の温度(300〜600℃)に加熱した。そして、ボンベから空気を反応管に流し、析出炭素と空気とを接触させ、両者を反応させた。この反応によって生成したガスをガスクロマトグラフで分析し、生成ガスの組成を確認した。
なお、本例では、比較例として、その他の炭素、すなわち無触媒下でメタン分解によって析出した析出炭素(試料C1)、カーボンナノチューブ(CNT)(試料C2)、活性炭(試料C3)を用いた場合についても、上記と同様に、空気と所定の温度(300〜800℃)で反応させた場合の生成ガスについて評価を行った。
ここで、試料C1で用いる析出炭素について説明する。この析出炭素は、触媒のない状態でメタンを所定の温度(1100℃)で加熱して分解させることにより、メタンから水素を分離して生成した析出炭素である。生成方法は、触媒を用いないだけで、試料E1〜E4と同様である。
Figure 0005118932
次に、表1を参照して、ガスクロマトグラフによる分析結果について説明する。
図2(a)〜(d)は、本発明の実施例である試料E1〜E4について、反応温度(℃)と生成ガスの各成分(O2、CO、CO2)の濃度(%)との関係を示したものである。同図からわかるように、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)の濃度が共に0%となる温度領域が見られる。すなわち、本発明の実施例では、生成ガスに酸素及び一酸化炭素が存在しないようにすることができる。
例えば、鉄(Fe)系の触媒を用いた試料E1、E3では、図2(a)、(c)に示すごとく、CO濃度はいずれの温度においても0%であり、O2濃度は450℃以上において0%である。よって、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)の濃度が共に0%となる反応温度は450℃以上であるといえる。また、上限の温度は、温度が高くなると二酸化炭素(CO2)と未反応の炭素(C)の反応により一酸化炭素(CO)が生成するという理由から、550℃以下とすることが好ましい。
また、試料E4では、図2(d)に示すごとく、500℃において酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)の濃度が共に0%となっている。また、600℃においては、二酸化炭素(CO2)と未反応の炭素(C)の反応によって生成されたと見られる一酸化炭素(CO)が検出されている。また、試料E4は、試料E1、E3と同様に鉄(Fe)系の触媒を用いることから、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)の濃度が共に0%となる反応温度は、450〜550℃とすることが好ましいと考えられる。
また、コバルト(Co)系の触媒を用いた試料E2では、図2(b)に示すごとく、380℃未満では酸素(O2)が検出され、また480℃を超えると一酸化炭素(CO)が検出されている。したがって、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)の濃度が共に0%となる反応温度は、380〜480℃ということができる。
なお、最適な反応温度をさらに詳細に調べたい場合は、簡単な実験によって確かめることができる。
一方、図3(a)〜(c)は、比較例である試料C1〜C3について、反応温度(℃)と生成ガスの各成分(O2、CO、CO2)の濃度(%)との関係を示したものである。同図からわかるように、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)の濃度が共に0%となる温度領域が見られない。すなわち、比較例では、生成ガスに酸素及び一酸化炭素が存在してしまう。
例えば、試料C1、C3では、図3(a)、(c)に示すごとく、温度が高くなるにつれてO2濃度は低くなるが、一方でCO濃度は高くなる。また、試料C2では、図3(b)に示すごとく、CO濃度はいずれの温度においても0%であるが、O2濃度は0%にはならない。したがって、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)の濃度が共に0%となる温度領域が見られず、生成ガスに酸素及び一酸化炭素が存在してしまう。
また、図4(a)〜(d)は、本発明の実施例である試料E1〜E4について、ある反応温度(試料E1、E3、E4:500℃、試料E2:440℃)での分析チャートを示したものである。同図からわかるように、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)のピークが見られず、ほとんど窒素(N2)及び二酸化炭素(CO2)のピークのみである。すなわち、本発明の実施例では、酸素及び一酸化炭素を含有しない、窒素及び二酸化炭素からなる高純度な不活性ガスを生成することができる。
一方、図5(a)〜(c)は、比較例である試料C1〜C3について、ある反応温度(試料C1、C2:500℃、試料C3:400℃)での分析チャートを示したものである。同図からわかるように、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)のピークが見られる。すなわち、比較例では、生成ガスに酸素及び一酸化炭素が存在してしまい、窒素及び二酸化炭素からなる高純度な不活性ガスを生成することができない。
以上の結果から、本発明の不活性ガスの製造方法によれば、酸素及び一酸化炭素を含有しない、窒素及び二酸化炭素からなる高純度の不活性ガスが得られることがわかる。
(実施例2)
本例では、本発明の不活性ガスの製造方法に用いる不活性ガス製造装置の一例、及びそれを用いた不活性ガスの製造方法について説明する。
不活性ガス製造装置1は、図6に示すごとく、不活性ガスの生成を行う反応器11、12と、空気を加圧するブロワー13と、空気を乾燥させる乾燥器14と、酸素を検知する酸素検知器15と、酸素を除去する酸素除去器16とを備えている。そして、それぞれが図のように配置、接続されており、開閉可能なバルブV1〜V12が備えられている。
不活性ガス製造装置1を用いて不活性ガスを製造するに当たっては、図6を参照のごとく、まず、バルブV1、V5を開とし、バルブV3、V7を閉とし、反応器11において炭化水素を加熱分解反応させるための準備を行う。そして、反応器11の温度を所定の温度に昇温し、炭化水素(Cmn)を反応器11へ通す。
これにより、反応器11において、炭化水素の加熱分解反応が生じ、炭化水素から水素が分離して析出炭素が生成する。分離した水素(H2)は、バルブV5を経て回収される。
次いで、反応器11での炭化水素の加熱分解反応が終了(炭化水素の転化率が減少)した後、バルブV1、V5、V10、V12を閉とし、バルブV2、V6、V9、V11を開とし、反応器11において析出炭素と空気とを反応させるための準備を行う。そして、反応器11の温度を所定の温度に昇温し、空気(Air)を反応器11へ通す。
これにより、反応器11において、析出炭素と空気とを反応させ、窒素及び二酸化炭素からなる不活性ガスを生成する。生成した不活性ガス(G1)は、バルブV6、酸素検知器15、酸素除去器16、バルブV19を経て回収される。
なお、生成した不活性ガスについて、酸素検知器15にて酸素が検知されたら、バルブV10、V12を開、バルブV9、V11を閉とし、バルブV12より窒素でパージする。酸素検知器15において酸素が検知されなくなったら、パージを終了する。
以上のような手順を繰り返し、不活性ガスの製造を連続的に効率よく行う。
また、本例の不活性ガス製造装置1は、反応器が2つ備えられている。そのため、反応器11において不活性ガスの生成を行っている際に反応器12において析出炭素の生成を行い、反応器11において析出炭素の生成を行っている際に反応器12において不活性ガスの生成を行い、これらを順次繰り返して行うことにより、2つの反応器11、12にて不活性ガスをより一層連続的に効率よく生成することができる。
(実施例3)
本例は、本発明の不活性ガスの製造方法によって得られた不活性ガスをさらに窒素と二酸化炭素とに分離する方法について説明する。
本例では、図7に示すごとく、不活性ガスの分離に分離装置2を用いて行う。分離装置2は、同図に示すごとく、不活性ガスをガス入口211からガス出口212へ流通させるガス流通管21と、液体窒素23を蓄える容器22とを備えている。
分離装置2を用いて不活性ガスを分離するに当たっては、図7を参照のごとく、まず、窒素(79%)及び二酸化炭素(21%)からなる不活性ガスG1(N2+CO2)をガス流通管21のガス入口211から投入する。不活性ガスG1は、容器22に満たされた液体窒素23により冷却される。そして、−78℃以下になると不活性ガスG1中の二酸化炭素が固化し、ドライアイスG12(CO2)となる。ドライアイスG12は、ガス流通管21の底部に生成する。また、ガス出口212からは、窒素ガスG11(N2)のみが回収される。
以上により、不活性ガスから窒素と二酸化炭素とを分離する。
この場合には、不活性ガスから窒素と二酸化炭素とを分離することにより、結果的に高純度の窒素ガスを得ることができる。また、固化させた二酸化炭素(ドライアイス)は、温度、圧力を調整すれば、高純度の二酸化炭素ガスとして得ることができる。すなわち、不活性ガスから窒素と二酸化炭素とを分離すれば、窒素単体からなる不活性ガス及び二酸化炭素単体からなる不活性ガスを得ることができる。
なお、不活性ガスの分離は、不活性ガスの温度及び圧力を調整することによっても行うことができる。
例えば、液化天然ガス(LNG)等を原料となる炭化水素として用いた場合には、生成した不活性ガスをこの液化天然ガス等の冷熱と熱交換し、さらに−58℃程度に温度を調整し、4MPa程度に圧縮することによって、不活性ガス中の二酸化炭素を液化させることができる。これにより、不活性ガスから窒素と二酸化炭素とを分離することができる。
実施例1における、反応温度と転化率との関係を示すグラフ。 実施例1における、(a)〜(d)反応温度とガス濃度との関係を示すグラフ。 実施例1における、(a)〜(c)反応温度とガス濃度との関係を示すグラフ。 実施例1における、(a)〜(d)ガスクロマトグラフによる分析結果を示すグラフ。 実施例1における、(a)〜(c)ガスクロマトグラフによる分析結果を示すグラフ。 実施例2における、不活性ガス製造装置の構成を示す説明図。 実施例3における、分離装置を用いて分離工程を行う様子を示す説明図。
符号の説明
1 不活性ガス製造装置
2 分離装置
G1 不活性ガス

Claims (3)

  1. 最も多く含有される金属成分が鉄(Fe)である触媒の存在下において炭化水素を所定の温度で加熱して分解させることにより、上記炭化水素から水素(H2)を分離して析出炭素を生成する析出炭素生成工程と、
    上記触媒の存在下において上記析出炭素と空気とを接触させて450℃以上の温度で加熱することにより、上記析出炭素と上記空気とを反応させ、酸素(O2)及び一酸化炭素(CO)を含有しない、窒素(N2)及び二酸化炭素(CO2)からなる不活性ガスを生成する不活性ガス生成工程とを有することを特徴とする不活性ガスの製造方法。
  2. 最も多く含有される金属成分がコバルト(Co)である触媒の存在下において炭化水素を所定の温度で加熱して分解させることにより、上記炭化水素から水素(H 2 )を分離して析出炭素を生成する析出炭素生成工程と、
    上記触媒の存在下において上記析出炭素と空気とを接触させて380〜480℃の温度で加熱することにより、上記析出炭素と上記空気とを反応させ、酸素(O 2 )及び一酸化炭素(CO)を含有しない、窒素(N 2 )及び二酸化炭素(CO 2 )からなる不活性ガスを生成する不活性ガス生成工程とを有することを特徴とする不活性ガスの製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記不活性ガス生成工程の後に、上記不活性ガスの温度及び圧力の一方又は両方を調整することにより、上記不活性ガスから窒素(N2)と二酸化炭素(CO2)とを分離する分離工程を行うことを特徴とする不活性ガスの製造方法。
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