JP5115432B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は車輌等に搭載される自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、油圧の脈動の減衰を図った自動変速機の油圧制御装置に関する。
従来、自動変速機の油圧制御装置では、例えばオイルポンプの作動等によりスロットル圧に脈動が生じ、調圧バルブの調圧精度等に影響を及ぼすという問題があり、これを解決するために、油圧制御装置の油圧回路にダンパ特性を有するアキュムレータを備え、これにより、スロットル圧の脈動を抑えるようにしたものが案出されている(特許文献1参照)。
特開平11−190420号公報
ところで、自動変速機の油圧制御装置にあっては、リニアソレノイドバルブの出力性能の向上に伴って、クラッチやブレーキからなる摩擦係合要素の油圧サーボにリニアソレノイドバルブにより調圧した係合圧を直接供給するように構成されている。
このような油圧制御装置にあって、例えばオイルポンプの作動等に基づき、ライン圧に激しい脈動が生じた場合、リニアソレノイドバルブの調圧精度に悪影響を及ぼし、耐久性への影響も懸念される。ここで、上記特許文献1のようにライン圧回路にアキュムレータを備え、ライン圧の脈動を減衰させることが考えられる。
しかし、上記ライン圧回路にアキュムレータを備えることは、装置が大型化して搭載に不利になるだけでなく、ダンパ特性を有するアキュムレータが、複雑な構造となるため、コストダウンの妨げになる虞があった。
そこで本発明は、アキュムレータを備えることなくライン圧の脈動を減衰させることで、コストダウンを図ることが可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図4参照)、オイルポンプ(2)により発生された油圧に基づきライン圧(P)を生成させるライン圧生成部(3,SLT,a1〜a8,b1)を備え、前記ライン圧(P)に基づき自動変速機構を油圧制御する自動変速機の油圧制御装置(1)において、
前記油圧制御に用いられ、前記ライン圧(P)に基づく油圧が供給される油路(例えばa1〜a8)と、
前記油路(例えばa1〜a8)から分岐された分岐油路(20a)、前記油路(例えばa1〜a8)から隔離された共鳴室(20b)、及び前記分岐油路(20a)と前記共鳴室(20b)とを連通する開口部(20c)を有する共鳴手段(20)と、を備え、
前記ライン圧生成部は、前記ライン圧(P )をフィードバック圧として入力するフィードバック油室(3a)を有するレギュレータバルブ(3)と、前記ライン圧(P )をフィードバック油室(3a)に連通するフィードバック油路(a4,a5)と、を備え、
前記共鳴手段(20)は、前記フィードバック油路(a4,a5)に接続されてなり、
前記油路(例えばa1〜a8)における脈動を、前記共鳴手段(20)により共鳴させることで減衰してなる、
ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図1及び図3参照)、前記共鳴手段(20)は、前記ライン圧生成部(3,SLT,a1〜a8,b1)にあって、前記ライン圧(P)を供給する前記油路(例えばa1〜a8)に接続され、前記ライン圧(P)の脈動を減衰してなる、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図1参照)、前記共鳴手段(20)は、前記分岐油路(20a)の長さ、前記共鳴室(20b)の体積、及び前記開口部(20c)の断面積が、ヘルムホルツ共鳴式に基づいて設定されてなる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図1参照)、前記自動変速機構は、それぞれの油圧サーボによって係脱される複数の摩擦係合要素(C1,C2,C3,…)を有し、
前記ライン圧(P)を元圧として前記複数の油圧サーボの係合圧をそれぞれ制御する複数の係合圧制御用ソレノイドバルブ(SLC1,SLC2,SLC3,…)を備えた、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、ライン圧に基づく油圧が供給される油路の脈動を共鳴手段により共鳴させることで減衰するので、例えば複雑な構造となるダンパ特性を有するアキュムレータを備える場合に比して、分岐油路と共鳴室とこれらを連通する開口部とを有する共鳴手段を備えるだけの簡単な構成とすることができ、コストダウンを図ることができる。また、共鳴手段が、ライン圧生成部のフィードバック油路に接続されているので、ライン圧回路容積に比して小さいフィードバック回路容積を担保するだけの小さな共鳴手段とすることができ、該共鳴手段の省スペース化を図ることができて、油圧制御装置のコンパクト化を図ることができる。
請求項2に係る本発明によると、共鳴手段が、ライン圧の脈動を減衰するので、ライン圧に基づく油圧の脈動も減衰させることができ、コストダウンを図ることができるものでありながら、効率良く油圧の脈動を減衰させることができる。
請求項に係る本発明によると、共鳴手段の分岐油路の長さ、共鳴室の体積、及び開口部の断面積を、ヘルムホルツ共鳴式に基づいて設定することができる。
請求項に係る本発明によると、自動変速機構は、それぞれの油圧サーボによって係脱される複数の摩擦係合要素を有し、ライン圧を元圧として複数の油圧サーボの係合圧をそれぞれ制御する複数の係合圧制御用ソレノイドバルブを備えているので、該複数の係合圧制御用ソレノイドバルブに入力されるライン圧の脈動を減衰させることができ、効率良く係合圧制御用ソレノイドバルブの調圧精度を良好にすることができて、耐久性の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図に沿って説明する。図1は本実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置を示す図である。
例えば車輌等に搭載される自動変速機(全体図は省略)は、エンジンのクランク軸に接続し得る入力軸と、該入力軸の回転(駆動力)を流体伝動し得る流体伝動装置と、該流体伝動装置を介して入力された回転を歯車機構や摩擦係合要素C1,C2,C3,…(クラッチやブレーキ)によって変速し、出力軸に伝達する変速機構とを備えており、更に、該変速機構の摩擦係合要素C1,C2,C3,…の係合状態や上記流体伝動装置を油圧制御するための、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置1を備えて構成されている。
つづいて、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置1について説明する。自動変速機の油圧制御装置1は、図1に示すように、ストレーナ11、オイルポンプ2、リニアソレノイドバルブSLT、プライマリレギュレータバルブ(レギュレータバルブ)3、マニュアルシフトバルブ5、リニアソレノイドバルブ(係合圧制御用ソレノイドバルブ)SLC1,SLC2,SLC3,…、共鳴手段20、オリフィス12,13、チェックバルブ14等を備えて構成されている。
なお、自動変速機の油圧制御装置1には、図1に示した部分の他に、上記変速機構のクラッチやブレーキ、及びこれらクラッチやブレーキの油圧サーボに油圧を供給するための各種バルブや油路等が備えられているが、説明の便宜上、本発明の要部を除き、省略して説明する。
図1に示すように、自動変速機の油圧制御装置1は、エンジンの回転に連動して駆動されるオイルポンプ2を備えており、該オイルポンプ2により不図示のオイルパンからストレーナ11を介してオイルを吸上げる形で油圧を発生させている。上記オイルポンプ2により発生された油圧は、出力ポート2aより油路a1〜a8に出力されると共に、詳しくは後述するプライマリレギュレータバルブ3によって調圧される。
リニアソレノイドバルブSLTは、リニア駆動部15Aと、調圧バルブ部15Bとを有している。該リニア駆動部15Aには、不図示の電子制御装置からの信号に基づき、スロットル開度に応じて位置が電子制御(リニア駆動)されるプランジャ15Apが備えられており、また、調圧バルブ部15Bには、スプール15Bpと、該スプール15Bpを上記プランジャ15Ap側(図中上方側)に付勢するスプリング15Bsと、モジュレータ圧PMODが入力される入力ポートSLTaと、出力ポートSLTbとが備えられている。
例えば不図示の運転席のアクセルペダルが踏まれ、スロットル開度が大きくなると、該スロットル開度に応じて電子制御によりプランジャ15Apが図中下方側に移動駆動される。そして、上記スプール15Bpが、上記プランジャ15Apの押圧駆動により、スプリング15Bsの付勢力に反して図中下方側に移動制御されると、入力ポートSLTaと出力ポートSLTbとの連通状態がスプール15Bpの移動量に伴って開いていき、それによって、スロットル開度の大きさに比例する形で出力ポートSLTbから制御圧PSLTが油路b1に出力される。
プライマリレギュレータバルブ3は、図1及び図2に示すように、スプール3pと、該スプール3pを上方側に付勢するスプリング3sとを備えていると共に、該スプール3pの上方側に油室(フィードバック油室)3aと、該スプール3pの下方側に油室3bと、調圧ポート3cと、排出ポート3dと、出力ポート3eとを備えている。上記油室3bには、上述のリニアソレノイドバルブSLTより油路b1を介して制御圧PSLTが入力され、また、油室3aには、詳しくは後述するライン圧Pがフィードバック油路としての油路a4,a5を介してフィードバック圧として入力される。
該プライマリレギュレータバルブ3のスプール3pには、上記フィードバック圧に対向してスプリング3sの付勢力と制御圧PSLTとが作用し、即ち、該スプール3pの位置は、主に制御圧PSLTの大きさによって制御される。該スプール3pが図中の下方側の状態であると、調圧ポート3cと排出ポート3dとが連通し、また、スプール3pが図中の上方側の状態に移動制御されると、調圧ポート3cと排出ポート3dとの連通量(絞り量)が絞られて(遮断されて)いく。つまり上記油室3bに入力される制御圧PSLTの大きさによってスプール3pが上方側に向けて移動制御されると共に、排出ポート3dより排出される油圧量が調整されることで調圧ポート3cの油圧が調圧され、これによって油路a1〜a8の油圧がスロットル開度に応じたライン圧Pとして調圧される。さらに、上記プライマリレギュレータバルブ3と、リニアソレノイドバルブSLTと、油路b1と、油圧がライン圧Pとされる油路a1〜a8とでライン圧生成部を構成している。
なお、排出ポート3dより排出された油圧は、オイルポンプ2に戻しオイルポンプ2の元圧としても良い。これにより、結果的にオイルポンプ2が必要な駆動力を下げることになり、無駄なエネルギを消費することを防ぐことができ、自動変速機の油圧制御装置1を備える車輌の燃費向上に寄与することが可能となる。
また、上記ライン圧Pは、不図示の油路を介してモジュレータバルブにも供給されており、該モジュレータバルブは、該ライン圧Pが所定圧以下であれば、そのままの油圧を上記モジュレータ圧PMODとして出力し、該ライン圧Pが所定圧以上となると、一定圧に調圧した油圧をモジュレータ圧PMODとして出力する。
なお、図2はバルブボディ30を示す図で、プライマリレギュレータバルブ3とその周辺部分を示す図である。
マニュアルシフトバルブ5は、不図示の運転席に設けられたシフトレバーに機械的(或いは電気的)に駆動されるスプール5pを有していると共に、入力ポート5a、前進レンジ圧出力ポート5b,前進レンジ圧ドレーンポート5c、後進レンジ圧出力ポート5d、及びドレーンポートEXを有して構成されている。該スプール5pの位置がシフトレバーにより選択されたシフトレンジ(例えばP,R,N,D)に応じて切換えられることにより、上記入力ポート5aに入力されたライン圧Pの出力状態や非出力状態(ドレーン)を設定する。
詳細には、シフトレバーの操作に基づきDレンジにされると、該スプール5pの位置に基づき上記ライン圧Pが入力される入力ポート5aと前進レンジ圧出力ポート5bとが連通し、該前進レンジ圧出力ポート5bより油路c1にライン圧Pが前進レンジ圧(Dレンジ圧)Pとして出力される。シフトレバーの操作に基づきR(リバース)レンジにされると、該スプール5pの位置に基づき上記入力ポート5aと後進レンジ圧出力ポート5dとが連通し、該後進レンジ圧出力ポート5dよりライン圧Pが後進レンジ圧(Rレンジ圧)PREVとして出力されると共に、前進レンジ圧Pがチェックバルブ14、及び油路c5を介して前進レンジ圧ドレーンポート5cに入力し、その後前進レンジ圧Pがドレーンされる。また、シフトレバーの操作に基づきPレンジ及びNレンジにされた際は、上記入力ポート5aと前進レンジ圧出力ポート5b及び後進レンジ圧出力ポート5dとの間がスプール5pによって遮断されると共に、前進レンジ圧ドレーンポート5c及び後進レンジ圧出力ポート5dの油圧がドレーンされ、つまり前進レンジ圧P及び後進レンジ圧PREVがドレーン(排出)された非出力状態となる。
上記リニアソレノイドバルブSLC1は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、油路c1,c2,c4を介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLC1aと、該前進レンジ圧Pを調圧して摩擦係合要素(クラッチ)C1の油圧サーボに制御圧PSLC1を係合圧PC1として出力する出力ポートSLC1bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC1は、非通電時に入力ポートSLC1aと出力ポートSLC1bとを遮断して非出力状態となり、不図示の電子制御装置からの信号に基づく通電時には、入力ポートSLC1aと出力ポートSLC1bとの連通する量(開口量)を該信号に応じて大きくし、つまり信号に応じた係合圧PC1を出力し得るように構成されている。
上記リニアソレノイドバルブSLC2は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、油路c1,c2,c3を介して上記前進レンジ圧Pを入力する入力ポートSLC2aと、該前進レンジ圧Pを調圧して摩擦係合要素(クラッチ)C2の油圧サーボに制御圧PSLC2を係合圧PC2として出力する出力ポートSLC2bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC2は、非通電時に入力ポートSLC2aと出力ポートSLC2bとを遮断して非出力状態となり、不図示の電子制御装置からの信号に基づく通電時には、入力ポートSLC2aと出力ポートSLC2bとの連通する量(開口量)を該信号に応じて大きくし、つまり信号に応じた係合圧PC2を出力し得るように構成されている。
上記リニアソレノイドバルブSLC3は、非通電時に非出力状態となるノーマルクローズタイプからなり、油路a1,a6,a8を介して上記ライン圧Pを入力する入力ポートSLC3aと、該ライン圧Pを調圧して摩擦係合要素(クラッチ)C3の油圧サーボに制御圧PSLC3を係合圧PC3として出力する出力ポートSLC3bとを有している。即ち、該リニアソレノイドバルブSLC3は、非通電時に入力ポートSLC3aと出力ポートSLC3bとを遮断して非出力状態となり、不図示の電子制御装置からの信号に基づく通電時には、入力ポートSLC3aと出力ポートSLC3bとの連通する量(開口量)を該信号に応じて大きくし、つまり信号に応じた係合圧PC3を出力し得るように構成されている。
なお、本実施の形態に係る自動変速機は、摩擦係合要素C1,C2,C3以外にも摩擦係合要素を有しており、これに応じたリニアソレノイドバルブも配置されているが、略々同様の構成であるため、図示及び説明を省略する。
共鳴手段20は、油路a4,a5から分岐された分岐油路20aと、該油路a4,a5からは隔離された位置に配置された共鳴室20bと、これら分岐油路20a及び共鳴室20bを連通する開口部20cとによって構成されている。そして、分岐油路20a、共鳴室20b、及び開口部20cは、それぞれヘルムホルツ共鳴式に基づいて設定されている。
ここで、ヘルムホルツ共鳴式について説明する。従来、筒状の開口部と該開口部よりも拡がった空間とを有する容器を用いて、該容器内部の流体の特定周波数の脈動を減衰させる方法が用いられており、このときの特定周波数fは、流体の音速をc、開口部の断面積をA、筒状部分の長さをL、空間部分の体積をVとすると次式で表されることが知られている。
=(c/2π)・(A/LV)1/2 …(1)
つまり、本実施の形態に係る共鳴手段20は、油の音速c、分岐油路20a及び開口部20cの内径A、分岐油路20aの長さL、共鳴室20bの体積Vを適宜選択して、減衰させるライン圧Pの脈動の周波数fに一致させるように設定する。これにより、ライン圧Pの脈動によって分岐油路20aの油を共振させることによって、ライン圧Pの脈動を減衰させることができる。
また、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置1は、ライン圧回路容積に比してフィードバック回路容積が小さいので、共鳴手段20の分岐油路20aを油路a4,a5、つまりフィードバック油路に接続することで、共鳴室20bの大きさを小さいものとすることが可能となる。さらに、共鳴手段20は、図2(a)、(b)に示すように、油圧回路が近接して存在し、該油圧回路を形成不能な領域に形成されている。つまり、バルブボディ30には、共鳴手段20以外のバルブ穴や油路が近接して多数形成されており、共鳴手段20は、これらが形成されていない、即ち余った部分に形成されている。
ところで、上述のようにライン圧Pを元圧としてリニアソレノイドバルブに供給し、該リニアソレノイドバルブにより調圧した係合圧を摩擦係合要素の油圧サーボに直接供給するようにした自動変速機の油圧制御装置にあっては、ライン圧Pに激しい脈動が生じた場合、リニアソレノイドバルブの調圧精度に悪影響を及ぼすという問題があるため、図4に示すように、ライン圧Pの供給される油路a1,a2,a6に接続された油路a9を介してアキュムレータ100を配置することが考えられる。
しかし、該アキュムレータ100は、油室100aの内部体積を膨張・収縮させるためのピストン100p及び該ピストン100pの内径部に配置されるスプリング100sを備えており、構造が複雑になるためコストダウンの妨げになるという問題があった。
そこで、図3に示すように、アキュムレータの変わりに共鳴手段120を配置することが考えられる。該共鳴手段120は、上述の共鳴手段20と同様に、ヘルムホルツ共鳴式に基づいて設定された分岐油路120aと、共鳴室120bと、これら分岐油路120a及び共鳴室120bとを連通する開口部120cとを備えて構成されている。
これにより、共鳴手段120は、上述の共鳴手段20に比して、フィードバック回路容積よりも大きいライン圧回路容積となる部分に配置されることになり、大きな装置となってしまうが、アキュムレータの配置されていた部分に配置されるので、簡単な構成により脈動を減衰させることができるものでありながら、油圧制御装置の肥大化となってしまうことはない。
以上のように本発明に係る自動変速機の油圧制御装置1によると、ライン圧Pに基づく油圧が供給される油路の脈動を共鳴手段20により共鳴させることで減衰するので、例えば複雑な構造となるダンパ特性を有するアキュムレータを備える場合に比して、分岐油路20aと共鳴室20bとこれらを連通する開口部20cとを有する共鳴手段20を備えるだけの簡単な構成とすることができ、コストダウンを図ることができる。
また、共鳴手段20が、ライン圧Pの脈動を減衰するので、ライン圧Pに基づく油圧の脈動も減衰させることができ、コストダウンを図ることができるものでありながら、効率良く油圧の脈動を減衰させることができる。
さらに、共鳴手段20が、フィードバック油路a4,a5に接続されているので、ライン圧回路容積に比して小さいフィードバック回路容積を担保するだけの小さな共鳴手段20とすることができ、該共鳴手段20の省スペース化を図ることができて、油圧制御装置1のコンパクト化を図ることができる。
また、共鳴手段20は、油圧回路が近接して存在し、該油圧回路を形成不能な領域に形成されているので、つまり、共鳴手段20の分岐油路20a及び共鳴室20bをバルブボディ30の余った部分に形成することができ、油圧制御装置1の肥大化を防止することができる。
さらに、自動変速機構は、それぞれの油圧サーボによって係脱される複数の摩擦係合要素を有し、C1,C2,C3,…ライン圧Pを元圧として複数の油圧サーボの係合圧をそれぞれ制御する複数のリニアソレノイドバルブSLC1,SLC2,SLC3,…を備えているので、該複数のリニアソレノイドバルブSLC1,SLC2,SLC3,…に入力されるライン圧Pの脈動を減衰させることができ、効率良くリニアソレノイドバルブの調圧精度を良好にすることができて、耐久性の向上を図ることができる。
なお、以上説明した本実施の形態においては、シフトレバーによってマニュアルシフトバルブ5を操作するように説明したが、これに限らず、例えばシフトバイワイヤ機構を用いて、ボタン操作等によってマニュアルシフトバルブ5をシフト操作できるように構成したものであっても本発明を適用することができる。
本実施の形態に係る自動変速機の油圧制御装置を示す回路図。 自動変速機の油圧制御装置の一部を示す図で、(a)はプライマリレギュレータバルブが装着された部分のバルブボディを示す正面図、(b)は共鳴室及び油路を示す平面図。 アキュムレータの代わりに共鳴手段を配置した際の自動変速機の油圧制御装置を示す回路図。 アキュムレータを配置した際の自動変速機の油圧制御装置を示す回路図。
符号の説明
1 自動変速機の油圧制御装置
2 オイルポンプ
3 ライン圧生成部、レギュレータバルブ(プライマリレギュレータバルブ)
3a フィードバック油室(油室)
20 共鳴手段
20a 分岐油路
20b 共鳴室
20c 開口部
ライン圧
a4,a5 ライン圧生成部、フィードバック油路
C1,C2,C3,… 摩擦係合要素
SLC1,SLC2,SLC3,… 係合圧制御用ソレノイドバルブ

Claims (4)

  1. オイルポンプにより発生された油圧に基づきライン圧を生成させるライン圧生成部を備え、前記ライン圧に基づき自動変速機構を油圧制御する自動変速機の油圧制御装置において、
    前記油圧制御に用いられ、前記ライン圧に基づく油圧が供給される油路と、
    前記油路から分岐された分岐油路、前記油路から隔離された共鳴室、及び前記分岐油路と前記共鳴室とを連通する開口部を有する共鳴手段と、を備え、
    前記ライン圧生成部は、前記ライン圧をフィードバック圧として入力するフィードバック油室を有するレギュレータバルブと、前記ライン圧をフィードバック油室に連通するフィードバック油路と、を備え、
    前記共鳴手段は、前記フィードバック油路に接続されてなり、
    前記油路における脈動を、前記共鳴手段により共鳴させることで減衰してなる、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記共鳴手段は、前記ライン圧生成部にあって、前記ライン圧を供給する前記油路に接続され、前記ライン圧の脈動を減衰してなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記共鳴手段は、前記分岐油路の長さ、前記共鳴室の体積、及び前記開口部の断面積が、ヘルムホルツ共鳴式に基づいて設定されてなる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記自動変速機構は、それぞれの油圧サーボによって係脱される複数の摩擦係合要素を有し、
    前記ライン圧を元圧として前記複数の油圧サーボの係合圧をそれぞれ制御する複数の係合圧制御用ソレノイドバルブを備えた、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置。
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