JP5114796B2 - 食道癌の予後診断マーカー遺伝子およびその利用 - Google Patents

食道癌の予後診断マーカー遺伝子およびその利用 Download PDF

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Description

本発明は、予後診断の分野に関連する。より具体的には、食道癌の予後診断法、ならびに、予後診断マーカー遺伝子およびその利用法に関する。また、本発明は、癌の処置法に関する。より具体的には、本発明の予後診断マーカー遺伝子を高発現するコロニー形成能の高い癌細胞を標的とした治療法および治療剤、ならびに、それらの開発に関する。
わが国では毎年10,000人以上が食道癌に罹患する。50歳代以降、加齢とともに急激に増加している。男女比は約6:1と男性が圧倒的に多く、男性では6番目に多い癌である。年間の死亡者数は10,000以上と全がんの3%を占め、人口10万人あたりの死亡率の年次推移では、男女ともに概ね増加傾向にある。
食道癌手術後の予後は胃癌などに比べ不良である。進行癌の再発率は当然高いが、早期癌であっても術後再発する例が存在し、現在、術後経過の予測は不可能である。この予測が手術時に可能であれば、ハイリスク患者選択的に術後化学療法・放射線療法を行なうことが可能となる。
しかしながら、現在のところ、食道癌の予後予測のマーカーとしては、リンパ節移転などを指標とする方法が開発中であるものの(非特許文献1)、その精度は十分ではなく、そのため、現状では、ハイリスク患者選択的に術後化学療法・放射線療法を行なうことが可能となっていない。また、遺伝子マーカーの開発も行われているが、十分なマーカーは得られていない(非特許文献2および3)。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
波戸岡 俊三、外3名、「pT1b食道癌切除例の予後予測」、日本消化器外科学会雑誌、日本、日本消化器外科学会、2005年7月1日、38巻、1064頁 Yamabuki T、外16名、「Dikkopf-1 as a novel serologic and prognosticbiomarker for lung and esophageal carcinomas」、Cancer Research, 67巻, 2517-2525項 Wu X, 他13名、「Genetic variations in radiation and chemotherapy drugaction pathways predict clinical outcomes in esophageal cancer」、Journal ofClinical Oncology, 24巻, 3789-3798項
従って、十分に高い予測精度を有する食道癌の予後予測/診断マーカーを提供すること、そのようなマーカー使用する予後予測/診断法を提供することが本発明の解決しようとする課題である。さらに、本発明の予後診断マーカー遺伝子を高発現するコロニー形成能の高い癌細胞を標的とした治療法および治療剤を提供することも、本発明の課題である。
上記課題は、食道癌の主体をなす扁平上皮癌の抗癌剤感受性と関連する遺伝子を網羅的に探索した結果、遺伝子EMX2とTTYH2がその術後予後予測に有用であることを見出すことによって、上記課題を解決した。特にEMX2の食道癌細胞株における発現レベルは、そのコロニー形成能と一致しており、このコロニー形成能が術後残存したわずかな癌細胞からの腫瘍形成能を規定していると考えられた。この遺伝子の発現はmRNA定量のみならず抗体による免疫組織染色も可能であることから、食道癌の術後予後診断のみならず、術前の細胞診・組織診検体を用いた術前診断も可能であり、治療法の選択にも応用され得る。また、EMX2遺伝子発現レベルを測定することでコロニー形成能の高い食道癌細胞を同定することにより、EMX2遺伝子を高発現する細胞を標的とする抗癌剤の開発により食道癌の術後残存細胞の腫瘍形成、すなわち再発を抑制することが可能となる。それゆえ、腫瘍形成能の高い癌細胞特異的な分子標的治療開発への応用も可能となる。
従って、本発明に従って、以下が提供される:
(項目1) 食道癌の予後診断のための薬学的組成物であって、以下:
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号5に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号5に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目2) 項目1に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。
(項目3) 項目1に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目4) 被験体において食道癌の予後を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号1、配列番号3および配列番号5からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)(i)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌の予後を評価するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目5) 被験体において食道癌の予後を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌の予後を評価するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目6) 食道癌の悪性度の評価のための薬学的組成物であって、以下:
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号5に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号5に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目7) 項目6に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。
(項目8) 項目6に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目9) 被験体において食道癌の悪性度を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号1、配列番号3および配列番号5からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)(i)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌の悪性度を評価するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目10) 被験体において食道癌の悪性度を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌の悪性度を評価するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目11) 食道癌の術前診断のための薬学的組成物であって、以下:
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号5に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号5に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目12) 項目11に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。
(項目13) 項目12に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目14) 被験体において食道癌の術前診断のための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号1、配列番号3および配列番号5からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)(i)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌を診断するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目15) 被験体において食道癌の術前診断のための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌を診断するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目16) 食道癌の治療薬のスクリーニング方法であって、該方法は、
(a)(i)配列番号1、配列番号3および配列番号5からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)(i)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
を発現する細胞と、候補化合物とを接触させる工程;
(b)該細胞における該核酸の発現量を測定する工程;および
(c)該測定された発現量を指標として、該候補化合物から食道癌の治療薬の候補となる化合物を選択する、工程;
を包含する、方法。
(項目17) 食道癌の治療薬のスクリーニング方法であって、該方法は、
(a)(i)配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、または
(ii)配列番号2および配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列において1または数個の変異、置換、挿入または欠失を含むアミノ酸配列を有するポリペプチド、
を発現する細胞と、候補化合物とを接触させる工程;
(b)該細胞における該ポリペプチドの発現量を測定する工程;および
(c)該測定された発現量を指標として、該候補化合物から食道癌の治療薬の候補となる化合物を選択する、工程;
を包含する、方法。
(項目18) 食道癌の治療のための薬学的組成物であって、
(1) 配列番号1に記載の核酸配列に対するsiRNA、
(2) 配列番号3に記載の核酸配列に対するsiRNA、
(3) 配列番号5に記載の核酸配列に対するsiRNA、
(4) 配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
(5) 配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および、
(6) 配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群から選択されるsiRNAまたは抗体を包含する、薬学的組成物。
本発明に従って、十分に高い予測精度を有する食道癌の予後予測/診断マーカーが提供される。また、本発明に従って、そのようなマーカー使用する予後予測/診断法が提供される。さらに、本発明の予後診断マーカー遺伝子を高発現するコロニー形成能の高い癌細胞を標的とした治療法および治療剤もまた、提供される。また、食道癌の治療薬のスクリーニング方法もまた提供される。
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本明細書において、「食道癌」とは、食道に発生する上皮性由来の腫瘍または癌腫をいう。食道癌としては、代表的には、扁平上皮癌および腺癌が挙げられるが、これに限定されない。
本明細書において、「核酸」、「核酸分子」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、特に言及する場合を除き互換的に用いられ、一連のヌクレオチドからなる高分子(重合体)をいう。ヌクレオチドとは、リボースの5’部分がリン酸エステルになっているヌクレオシドをいう。塩基部分としては、ピリミジン塩基またはプリン塩基のヌクレオチド(ピリミジンヌクレオチドおよびプリンヌクレオチド)がある。ポリヌクレオチドとしては、DNAまたはRNAが挙げられる。また、本明細書において使用する場合、「核酸」、「核酸分子」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、その相補鎖を除外する場合を除き、その相補鎖が含まれ得る。
この用語はまた、「誘導体オリゴヌクレオチド」または「誘導体ポリヌクレオチド」を含む。「誘導体オリゴヌクレオチド」または「誘導体ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチドの誘導体を含むか、またはヌクレオチド間の結合が通常とは異なるオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドをいい、互換的に使用される。
そのようなオリゴヌクレオチドとして具体的には、例えば、2’−O−メチル−リボヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がN3’−P5’ホスホロアミデート結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のリボースとリン酸ジエステル結合とがペプチド核酸結合に変換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5プロピニルウラシルで置換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5チアゾールウラシルで置換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンがC−5プロピニルシトシンで置換された誘導体オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフェノキサジン修飾シトシン(phenoxazine−modified cytosine)で置換された誘導体オリゴヌクレオチド、DNA中のリボースが2’−O−プロピルリボースで置換された誘導体オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド中のリボースが2’−メトキシエトキシリボースで置換された誘導体オリゴヌクレオチドなどが例示される。他にそうではないと示されなければ、特定の核酸配列はまた、明示的に示された配列と同様に、その保存的に改変された改変体(例えば、縮重コドン置換体)および相補配列を包含することが企図される。具体的には、縮重コドン置換体は、1またはそれ以上の選択された(または、すべての)コドンの3番目の位置が混合塩基および/またはデオキシイノシン残基で置換された配列を作成することにより達成され得る(Batzerら、Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605−2608(1985);Rossoliniら、Mol.Cell.Probes 8:91−98(1994))。用語「核酸」はまた、本明細書において、遺伝子、cDNA、RNA、mRNA、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドと互換可能に使用される。
本明細書において「遺伝子」とは、遺伝形質を規定する因子をいう。通常染色体上に一定の順序に配列している。タンパク質の一次構造を規定する遺伝子を構造遺伝子といい、その発現を左右する調節遺伝子という。本明細書では、「遺伝子」は、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸」をさすことがある。
本明細書において、核酸分子の「断片(フラグメント)」とは、参照核酸分子の全長よりも短く、本発明の因子としての使用に充分な長さを有するポリヌクレオチドをいう。したがって、本明細書におけるフラグメントは、全長のポリペプチドまたはポリヌクレオチド(長さがn)に対して、1〜n−1までの配列長さを有するポリペプチドまたはポリヌクレオチドをいう。フラグメントの長さは、その目的に応じて、適宜変更することができ、例えば、その長さの下限としては、ポリペプチドの場合、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50およびそれ以上のアミノ酸が挙げられ、ここの具体的に列挙していない整数で表される長さ(例えば、11など)もまた、下限として適切であり得る。また、ポリヌクレオチドの場合、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75、100およびそれ以上のヌクレオチドが挙げられ、ここの具体的に列挙していない整数で表される長さ(例えば、11など)もまた、下限として適切であり得る。
本明細書において遺伝子(例えば、核酸配列、アミノ酸配列など)の「相同性」とは、2以上の遺伝子配列の、互いに対する同一性の程度をいう。また、本明細書において配列(核酸配列、アミノ酸配列など)の同一性とは、2以上の対比可能な配列の、互いに対する同一の配列(個々の核酸、アミノ酸など)の程度をいう。従って、ある2つの遺伝子の相同性が高いほど、それらの配列の同一性または類似性は高い。2種類の遺伝子が相同性を有するか否かは、配列の直接の比較、または核酸の場合ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーション法によって調べられ得る。2つの遺伝子配列を直接比較する場合、その遺伝子配列間でDNA配列が、代表的には少なくとも50%同一である場合、好ましくは少なくとも70%同一である場合、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である場合、それらの遺伝子は相同性を有する。本明細書において、遺伝子(例えば、核酸配列、アミノ酸配列など)の「類似性」とは、上記相同性において、保存的置換をポジティブ(同一)とみなした場合の、2以上の遺伝子配列の、互いに対する同一性の程度をいう。従って、保存的置換がある場合は、その保存的置換の存在に応じて相同性と類似性とは異なる。また、保存的置換がない場合は、相同性と類似性とは同じ数値を示す。
本明細書では、アミノ酸配列および塩基配列の類似性、同一性および相同性の比較は、配列分析用ツールであるFASTAを用い、デフォルトパラメータを用いて算出される。
本明細書において「フラグメント」とは、全長のポリペプチドまたはポリヌクレオチド(長さがn)に対して、1〜n−1までの配列長さを有するポリペプチドまたはポリヌクレオチドをいう。フラグメントの長さは、その目的に応じて、適宜変更することができ、例えば、その長さの下限としては、ポリペプチドの場合、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50およびそれ以上のアミノ酸が挙げられ、ここの具体的に列挙していない整数で表される長さ(例えば、11など)もまた、下限として適切であり得る。また、ポリヌクレオチドの場合、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75、100およびそれ以上のヌクレオチドが挙げられ、ここの具体的に列挙していない整数で表される長さ(例えば、11など)もまた、下限として適切であり得る。本明細書において、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの長さは、上述のようにそれぞれアミノ酸または核酸の個数で表すことができるが、上述の個数は絶対的なものではなく、同じ機能を有する限り、上限または下限としての上述の個数は、その個数の上下数個(または例えば上下10%)のものも含むことが意図される。そのような意図を表現するために、本明細書では、個数の前に「約」を付けて表現することがある。しかし、本明細書では、「約」のあるなしはその数値の解釈に影響を与えないことが理解されるべきである。本明細書において有用なフラグメントの長さは、そのフラグメントの基準となる全長タンパク質の機能のうち少なくとも1つの機能が保持されているかどうかによって決定され得る。
本明細書において「単離された」生物学的因子(例えば、核酸またはタンパク質など)とは、その生物学的因子が天然に存在する生物体の細胞内の他の生物学的因子(例えば、核酸である場合、核酸以外の因子および目的とする核酸以外の核酸配列を含む核酸;タンパク質である場合、タンパク質以外の因子および目的とするタンパク質以外のアミノ酸配列を含むタンパク質など)から実質的に分離または精製されたものをいう。「単離された」核酸およびタンパク質には、標準的な精製方法によって精製された核酸およびタンパク質が含まれる。したがって、単離された核酸およびタンパク質は、化学的に合成した核酸およびタンパク質を包含する。
本明細書において「精製された」生物学的因子(例えば、核酸またはタンパク質など)とは、その生物学的因子に天然に随伴する因子の少なくとも一部が除去されたものをいう。したがって、通常、精製された生物学的因子におけるその生物学的因子の純度は、その生物学的因子が通常存在する状態よりも高い(すなわち濃縮されている)。
本明細書中で使用される用語「精製された」および「単離された」は、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、よりさらに好ましくは少なくとも95重量%、そして最も好ましくは少なくとも98重量%の、同型の生物学的因子が存在することを意味する。
本明細書において配列(アミノ酸または核酸など)の「同一性」、「相同性」および「類似性」のパーセンテージは、比較ウィンドウで最適な状態に整列された配列2つを比較することによって求められる。ここで、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の比較ウィンドウ内の部分には、2つの配列の最適なアライメントについての基準配列(他の配列に付加が含まれていればギャップが生じることもあるが、ここでの基準配列は付加も欠失もないものとする)と比較したときに、付加または欠失(すなわちギャップ)が含まれる場合がある。同一の核酸塩基またはアミノ酸残基がどちらの配列にも認められる位置の数を求めることによって、マッチ位置の数を求め、マッチ位置の数を比較ウィンドウ内の総位置数で割り、得られた結果に100を掛けて同一性のパーセンテージを算出する。検索において使用される場合、相同性については、従来技術において周知のさまざまな配列比較アルゴリズムおよびプログラムの中から、適当なものを用いて評価する。このようなアルゴリズムおよびプログラムとしては、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTAおよびCLUSTALW(Pearson and Lipman,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(8):2444−2448、 Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215(3):403−410、Thompson et al.,1994,Nucleic Acids Res.22(2):4673−4680、Higgins et al.,1996,Methods Enzymol.266:383−402、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215(3):403−410、Altschul et al.,1993,Nature Genetics 3:266−272)があげられるが、何らこれに限定されるものではない。特に好ましい実施形態では、従来技術において周知のBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)(たとえば、Karlin and Altschul,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2267−2268、Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215:403−410、Altschul et al.,1993,Nature Genetics 3:266−272、Altschul et al.,1997,Nuc.Acids Res.25:3389−3402を参照のこと)を用いてタンパク質および核酸配列の相同性を評価する。特に、5つの専用BLASTプログラムを用いて以下の作業を実施することによって比較または検索が達成され得る。
(1) BLASTPおよびBLAST3でアミノ酸のクエリー配列をタンパク質配列データベースと比較;
(2) BLASTNでヌクレオチドのクエリー配列をヌクレオチド配列データベースと比較;
(3) BLASTXでヌクレオチドのクエリー配列(両方の鎖)を6つの読み枠で変換した概念的翻訳産物をタンパク質配列データベースと比較;
(4) TBLASTNでタンパク質のクエリー配列を6つの読み枠(両方の鎖)すべてで変換したヌクレオチド配列データベースと比較;
(5) TBLASTXでヌクレオチドのクエリ配列を6つの読み枠で変換したものを、6つの読み枠で変換したヌクレオチド配列データベースと比較。
BLASTプログラムは、アミノ酸のクエリ配列または核酸のクエリ配列と、好ましくはタンパク質配列データベースまたは核酸配列データベースから得られた被検配列との間で、「ハイスコアセグメント対」と呼ばれる類似のセグメントを特定することによって相同配列を同定するものである。ハイスコアセグメント対は、多くのものが従来技術において周知のスコアリングマトリックスによって同定(すなわち整列化)されると好ましい。好ましくは、スコアリングマトリックスとしてBLOSUM62マトリックス(Gonnet et al.,1992,Science 256:1443−1445、Henikoff and Henikoff,1993,Proteins 17:49−61)を使用する。このマトリックスほど好ましいものではないが、PAMまたはPAM250マトリックスも使用できる(たとえば、Schwartz and Dayhoff,eds.,1978,Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure,Washington: National Biomedical Research Foundationを参照のこと)。BLASTプログラムは、同定されたすべてのハイスコアセグメント対の統計的な有意性を評価し、好ましくはユーザー固有の相同率などのユーザーが独自に定める有意性の閾値レベルを満たすセグメントを選択する。統計的な有意性を求めるKarlinの式を用いてハイスコアセグメント対の統計的な有意性を評価すると好ましい(Karlin and Altschul,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2267−2268参照のこと)。
本明細書において、「ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド」とは、当該分野で慣用される周知の条件をいう。本発明のポリヌクレオチド中から選択されたポリヌクレオチドをプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより、そのようなポリヌクレオチドを得ることができる。また、これらハイブリダイゼーション実験に使用するプローブは、プローブとして使用する核酸の末端を標識することによって得られるのみならず、プローブとして使用する核酸を用いてランダムヘキサマーなどを用いてランダムプライミングによって標識核酸を取り込ませた核酸を合成することによっても調製することが可能である。具体的ハイブリダイゼーションとしては、コロニーあるいはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(saline−sodium citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウムである)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるポリヌクレオチドを意味する。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning 2nd ed.,Current Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University Press(1995)等の実験書に記載されている方法に準じて行うことができる。ここで、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列からは、好ましくは、A配列のみまたはT配列のみを含む配列が除外される。「ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド」とは、上記ハイブリダイズ条件下で別のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドをいう。ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドとして具体的には、本発明で具体的に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列と少なくとも60%以上の相同性を有するポリヌクレオチド、好ましくは80%以上の相同性を有するポリヌクレオチド、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。
本明細書において「作動可能に連結された(る)」とは、所望の配列の発現(作動)がある転写翻訳調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)または翻訳調節配列の制御下に配置されることをいう。プロモーターが遺伝子に作動可能に連結されるためには、通常、その遺伝子のすぐ上流にプロモーターが配置されるが、必ずしも隣接して配置される必要はない。
本明細書において、核酸分子を細胞に導入する技術は、どのような技術でもよく、例えば、形質転換、形質導入、トランスフェクションなどが挙げられる。 そのような核酸分子の導入技術は、当該分野において周知であり、かつ、慣用されるものであり、例えば、Ausubel F.A.ら編(1988)、Current Protocols in Molecular Biology、Wiley、New York、NY;Sambrook Jら(1987)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.およびその第三版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997などに記載される。遺伝子の導入は、ノーザンブロット、ウェスタンブロット分析のような本明細書に記載される方法または他の周知慣用技術を用いて確認することができる。
また、ベクターの導入方法としては、細胞にDNAを導入する上述のような方法であればいずれも用いることができ、例えば、トランスフェクション、形質導入、形質転換など(例えば、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法など)が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「キット」とは、複数の容器、および製造業者の指示書を含み、そして各々の容器が、本発明の薬学的組成物、その他の薬剤、およびキャリアを含む製品をいう。
本明細書において「薬学的に受容可能なキャリア」は、医薬または動物薬のような農薬を製造するときに使用される物質であり、有効成分に有害な影響を与えないものをいう。そのような薬学的に受容可能なキャリアとしては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:抗酸化剤、保存剤、着色料、風味料、および希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、送達ビヒクル、賦形剤および/または薬学的アジュバント。
本発明の処置方法において使用される薬剤の種類および量は、本発明の方法によって得られた情報(例えば、疾患に関する情報)を元に、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、投与される被検体の部位の形態または種類などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。本発明のモニタリング方法を被検体(または患者)に対して施す頻度もまた、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、および治療経過などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。疾患状態をモニタリングする頻度としては、例えば、毎日−数ヶ月に1回(例えば、1週間に1回−1ヶ月に1回)のモニタリングが挙げられる。1週間−1ヶ月に1回のモニタリングを、経過を見ながら施すことが好ましい。
必要に応じて、本発明の治療では、2種類以上の薬剤が使用され得る。2種類以上の薬剤を使用する場合、類似の性質または由来の物質を使用してもよく、異なる性質または由来の薬剤を使用してもよい。このような2種類以上の薬剤を投与する方法のための疾患レベルに関する情報も、本発明の方法によって入手することができる。
(薬学的組成物)
本発明のポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、食道癌などの治療および/または予防のための薬学的組成物の成分としても使用することが可能である。
本明細書において薬剤の「有効量」とは、その薬剤が目的とする薬効が発揮することができる量をいう。本明細書において、そのような有効量のうち、最小の濃度を最小有効量ということがある。そのような最小有効量は、当該分野において周知であり、通常、薬剤の最小有効量は当業者によって決定されているか、または当業者は適宜決定することができる。そのような有効量の決定には、実際の投与のほか、動物モデルなどを用いることも可能である。本発明はまた、このような有効量を決定する際に有用である。
本明細書において「薬学的に受容可能なキャリア」は、医薬または動物薬のような農薬を製造するときに使用される物質であり、有効成分に有害な影響を与えないものをいう。そのような薬学的に受容可能なキャリアとしては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:抗酸化剤、保存剤、着色料、風味料、および希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、送達ビヒクル、賦形剤および/または農学的もしくは薬学的アジュバント。
本発明の処置方法において使用される薬剤の種類および量は、本発明の方法によって得られた情報(例えば、疾患に関する情報)を元に、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、投与される被検体の部位の形態または種類などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。本発明のモニタリング方法を被検体(または患者)に対して施す頻度もまた、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、および治療経過などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。疾患状態をモニタリングする頻度としては、例えば、毎日−数ヶ月に1回(例えば、1週間に1回−1ヶ月に1回)のモニタリングが挙げられる。1週間−1ヶ月に1回のモニタリングを、経過を見ながら施すことが好ましい。
必要に応じて、本発明の治療では、2種類以上の薬剤が使用され得る。2種類以上の薬剤を使用する場合、類似の性質または由来の物質を使用してもよく、異なる性質または由来の薬剤を使用してもよい。このような2種類以上の薬剤を投与する方法のための疾患レベルに関する情報も、本発明の方法によって入手することができる。
本発明では、いったん類似の種類(例えば、ヒトに対するマウスなど)の生物、培養細胞、組織などに関し、ある特定の糖鎖構造の分析結果と、疾患レベルとが相関付けられた場合、対応する糖鎖構造の分析結果と、疾患レベルとが相関付けることができることは、当業者は容易に理解する。そのような事項は、例えば、動物培養細胞マニュアル、瀬野ら編著、共立出版、1993年などに記載され支持されており、本明細書においてこのすべての記載を援用する。
本発明の遺伝子は、siRNAを用いてその発現をノックダウンすることが可能である。所定の遺伝子からsiRNAを調製する方法は周知であり、例えば、基本的にはUi-Tei やReynoldらのデザイン方法に沿って設計されるsiDirectというweb上のソフトウエアから提案される配列を用いることができる。具体的なsiRNAの設計は、例えば、以下のように行われるが、これに限定されない:
(1)開始コドンから75塩基以上下流のAAを見つける;
(2)AAに続く約19ヌクレオチド(AA−(N19))を記録する;
(3)AA−(N19)の配列のGC含量が約30%〜約70%(好ましくは、約40%から約60%)であることを確認する;
(4)選択した塩基配列について相同性検索(例えば、NCBIデータベースのBLASTによる)を行い、その配列が目的遺伝子に対して特異的であることを確認する。その選択した塩基配列が他の遺伝子にも相同性を有している場合は、(1)に戻ってさらに下流のAAを選択する。
さらに、(1)Gor Cが連続して4つ以上存在しない、(2)A or Tが連続して4つ以上存在しない、(3)GあるいはCが9塩基以上存在しない、などの条件を加えてもよい。siRNAの設計については、例えば、AlistairM. Chalkら、「Improved and automated prediction of effective siRNA」、Center forGenomics and Bioinformatics, Karolinska Institutet, Berzelius vag 35, S-171 77,Stockholm, Sweden等を参照のこと。以上のように設計したsiRNAを、当該分野で公知のsiRNA提供業者(株式会社 ニッポンイージーティー、富山、日本、または日本バイオサービス、埼玉、日本など)から入手することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、以下の実施例は、例示の目的のみに提供される。従って、本発明の範囲は、上記発明の詳細な説明にも下記実施例にも限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定される。
実施例1:予後予測/診断マーカー遺伝子の同定
(1)細胞培養:
嶋田裕博士(京都大学大学院医学研究科腫瘍外科学、現在は兵庫医科大学外科学教室)より供与された食道癌細胞株20株(KYSE-30, -140, -150, -170, -180, -200, -220, -350, -410, -450,-510, -520, -590, -770, -850, -890, -1170, -1190, -1250, and -2270)を 10%ウシ胎児血清(FBS)加RPMI1640 培地で 37℃ 5% CO2 下で培養し、増殖期細胞をトリプシンを用いて回収しペレットを-80℃保存した。
(2)発現解析およびマイクロアレイ解析:
QIAGENRNeasy mini kit (QIAGEN, Inc., Valencia, CA, USA)を用いて、凍結保存した細胞からRNAを抽出し、High-CapacitycDNA ArchiveTM Kit (Applied Biosystems, California, CA, USA)を用いてcDNAを作製した。
20,784クローンとポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを含むRIKEN human 21Kアレイおよび19,881クローンとポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを含むオリゴヌクレオチドマイクロアレイCodeLinkUniset Human 20K I Bioarrayを使用して、HEEC−1細胞を参照サンプルとして、20個のKYSE食道癌細胞株の遺伝子発現プロファイルを分析した。RIKENhuman 21Kアレイを構築するために使用した標的DNAは、ResGen(Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)から購入したcDNAクローンのグリセロールストックであった。cDNAマイクロアレイでは、参照細胞株(HEEC−1)およびサンプル細胞株(KYSE)のポリ(A)RNAをそれぞれ、Cy5−dCTPおよびCy3−dCTPを用いるランダムプライミングによる逆転写によって標識し、オリゴヌクレオチドマイクロアレイでは、すべての検体をCy5で標識し一色法で評価した。TaqManGene Expression Assays (Applied Biosystems)、ABI Prism 7900HT sequence detectionsystem (Applied Biosystems)を用いて定量的に遺伝子発現量を評価した。
上記20食道癌細胞株の抗癌剤5-FU、シスプラチン、マイトマイシンC、ドキソルビシン、パクリタキセル、CPT-11、SN-38に対する感受性を通常のMTTアッセイで評価し、cDNAおよびオリゴヌクレオチド両マイクロアレイにおいて、抗癌剤感受性と順位相関解析により相関した発現レベルを示す遺伝子を抽出した。そして、この過程で、食道癌の治療に汎用する5-FUもしくはシスプラチンへの感受性とオリゴヌクレオチドマイクロアレイで得られた発現レベルが良い相関を示しながらcDNAマイクロアレイにスポットされていないために抽出されなかった遺伝子について、TaqManGene Expression Assays (Applied Biosystems)、ABI Prism 7900HT sequence detectionsystem (Applied Biosystems)を用いた定量的遺伝子発現量評価をさらに進め、食道癌患者の予後と非常によく相関する2つの遺伝子、EMX2とTTYH2とを同定した。
(3)軟寒天培地におけるコロニー形成能:
20食道癌細胞株について、それぞれ細胞5,000個ずつ軟寒天(SeaPlaqueAgarose, Cambrex Bio Science Rockland, Rockland, ME, USA)加RPMI1640培地に撒き、2週間 37℃5% CO2 下に静置後のコロニー数を顕微鏡およびクリスタルバイオレット(シグマアルドリッチジャパン、東京)染色により測定した。このコロニー数と、上記(2)で評価した各遺伝子発現レベルとの関連性を解析した。
(4) EMX2遺伝子発現抑制によるコロニー形成能の抑制:
上記(3)で評価したコロニー形成能と発現レベルが非常に良く相関したEMX2遺伝子の、コロニー形成能への関与を検討するため、EMX2発現レベルが中等度の食道癌細胞株KYSE350にEMX2遺伝子特異的siRNA(Ambion,Applied Biosystems)3種(#107312: Sense GGGACGCACCAUAUUAACCtt(配列番号7), AntisenseGGUUAAUAUGGUGCGUCCCtt(配列番号8); #107313: Sense GGUAUUCCGUUUAUCACAGtt(配列番号9),Antisense CUGUGAUAAACGGAAUACCtg(配列番号10); #107314: Sense GGCUUAAAACCCUGAUGCAtt(配列番号11),Antisense UGCAUCAGGGUUUUAAGCCtc(配列番号12))(なお、これら配列中、二本鎖を形成しない部分を小文字で記載した。)をそれぞれsiPORTNeoFX (Ambion, Applied Biosystems) を用いたreverse-transfectionにより導入してから、上記(3)に記載した軟寒天培地におけるコロニー形成能を評価した。siRNAによるmRNA抑制レベルとコロニー形成抑制レベルとを比較した。
具体的には、3cmプレートにsiRNA 2μM 12.5μl/OPTI-MEN 100 μlとNeoFX 5μl/ OPTI-MEN 100 μlを混和し、食道癌細胞230,000個/10% FBS添加RPMI16402.3 mlを加えて37℃ 5% CO2 下で24時間培養し、トリプシンではがし、0.53%ボトムアガー/10% FBS添加RPMI1640を敷いた3cmプレートに5,000個ずつ0.4%トップアガー/10% FBS添加RPMI 1640と混和して撒き、37℃ 5% CO2下で培養した。
その結果、図1に示されるように、EMX2の発現抑制の程度と、コロニー形成能が相関することが明らかとなった。
実施例2:食道癌組織における本発明のマーカー遺伝子発現と生存率との相関
(1)発現解析:
広島大学医学部倫理委員会でヒトゲノム研究として承認され凍結保存されている食道扁平上皮癌手術検体のうち、予後情報が十分得られている18例から癌細胞株と同様にQIAGEN RNeasy mini kitを用いてRNAを抽出し、High-Capacity cDNAArchiveTM Kitを用いてcDNAを作製し、食道癌細胞株で発現レベルを評価した遺伝子について、同様にTaqMan Gene ExpressionAssaysを用いて発現量を評価した。
(2)予後との関連性:
上記(1)で得られた食道癌組織遺伝子発現量と患者予後(全生存率、無再発生存率)が関連性を示す遺伝子を検索するため、それぞれの遺伝子発現量が中央値よりも高い症例と低い症例の2群に分けて、2群間で予後の比較をした。個々でも低発現群が高発現群よりも予後良好な傾向を示したTTYH2 (高発現8例、低発現8例、中央値2例)、EMX2遺伝子(高発現8例、低発現9例、中央値1例)について、両者の組み合わせによる予後との関連性を検討するため、両遺伝子の発現量がそれぞれの中央値よりも高い2症例、両遺伝子とも低い4症例、どちらか片方のみ中央値より高い12症例の3群に分けてKaplan-Meier法による生存曲線(StatView5.0, HULINKS, 東京)で比較した。
EMX2 (図2および5、中央値例を除きn=高発現8vs 低発現9)、TTYH2 (図3および6、n=高発現8 vs 低発現8)、両遺伝子 (図4および7下段、n=両高発現2 vs両低発現4 vs 片方のみ高発現12)の食道癌における発現レベルと予後の比較の結果をそれぞれ、図2〜7に示す。全生存率についての結果は図2〜4であり、無再発生存率についての結果は図5〜7である。この結果から明らかなように、全生存率(図2〜4)、および、無再発生存率(図5〜7)の双方が、EMX2遺伝子(EMX2−SP1;配列番号1および2)およびTTYH2遺伝子(配列番号5および6)の各々の発現と関連し、両者の組み合わせにより非常に良く相関した。なお、EMX2遺伝子には、配列番号1および2に示される遺伝子(EMX2−SP1;配列番号1および2)に加え、スプライスバリアント(EMX2−SP2;配列番号3および4)が存在する。EMX2−SP1およびEMX2−SP2の両方が本願発明の方法によって検出されることから、実際に発現しているのはこれら遺伝子のいずれかまたは両方であるが、いずれであっても、本願発明の方法は、使用可能である。
(3)食道癌細胞株における遺伝子発現レベルとコロニー形成能:
抗癌剤感受性関連遺伝子として抽出された遺伝子の中で、EMX2遺伝子は、非常に高発現を示す細胞株と全く発現が認められない細胞株の二極化が存在した。この発現レベルと軟寒天におけるコロニーを形成能は非常によく相関し(図8)、特に発現レベルがリアルタイムRT−PCRの検出限界以下であった7細胞株中4細胞株は2週間の培養で全くコロニーを形成せず、残り3細胞株もすべて50コロニー以下であった。
この結果は、EMX2遺伝子が1個〜少数細胞からのコロニー形成能、すなわち臨床における残存少数癌細胞からの再発・転移能を反映することを支持し、非常に良好な、食道癌の予後予測/診断のための非常に優れたマーカー遺伝子であることを示す。
また、上記(2)において示されたように、TTYH2遺伝子はEMX2遺伝子と同様に予後と相関することから、TTYH2遺伝子もまた、非常に良好な、食道癌の予後予測/診断のための非常に優れたマーカー遺伝子であることが示される。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、食道癌の予後予測/診断に利用可能である。また、食道癌の治療および治療剤のスクリーニングに利用可能である。
図1は、EMX2の発現抑制の程度と、コロニー形成能の相関を示す結果である。上図は、各siRNAを用いた場合の、発現抑制レベルを示す。なお、「NS」は、ネガティブコントロールsiRNA(AM4611 ;Ambion,Applied Biosystems)である。 図2は、EMX2の発現量と、全生存率の関係を示すグラフである。 図3は、TTYH2の発現量と、全生存率の関係を示すグラフである。 図4は、EMX2およびTTYH2の両遺伝子の発現量と、全生存率の関係を示すグラフである。 図5は、EMX2の発現量と、無再発生存率の関係を示すグラフである。 図6は、TTYH2の発現量と、無再発生存率の関係を示すグラフである。 図7は、EMX2およびTTYH2の両遺伝子のの発現量と、無再発生存率の関係を示すグラフである。 図8は、食道癌細胞株におけるEMX2遺伝子の発現レベルとコロニー形成能との相関関係を示す結果である。
配列番号1は、EMX2(EMX2−SP1)の核酸配列である。
配列番号2は、EMX2(EMX2−SP1)のアミノ酸配列である。
配列番号3は、EMX2(EMX2−SP2)の核酸配列である。
配列番号4は、EMX2(EMX2−SP2)のアミノ酸配列である。
配列番号5は、TTYH2の核酸配列である。
配列番号6は、TTYH2のアミノ酸配列である。
配列番号7は、EMX2のsiRNA(センス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号8は、EMX2のsiRNA(アンチセンス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号9は、EMX2のsiRNA(センス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号10は、EMX2のsiRNA(アンチセンス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号11は、EMX2のsiRNA(センス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号12は、EMX2のsiRNA(アンチセンス鎖)に対応するDNA配列である。

Claims (12)

  1. 食道癌の予後診断のための薬学的組成物であって、以下:
    配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖
    配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも99同一な配列を含む核酸の相補鎖、
    配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖であって、該フラグメントは少なくとも20塩基の長さである、相補鎖
    配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも18塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
    配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
    配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖
    配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも99同一な配列を含む核酸の相補鎖、
    配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖であって、該フラグメントは少なくとも20塩基の長さである、相補鎖
    配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも18塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、ならびに、
    配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体
    らなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。
  2. 請求項1に記載の薬学的組成物であって、以下、
    配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および、
    配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖
    からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。
  3. 請求項1に記載の薬学的組成物であって、以下、
    配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および、
    配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体
    からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。
  4. 被験体において食道癌の予後を評価するための情報を提供する方法であって、
    (a)(i)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列を含む核酸、または
    (ii)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列に対して少なくとも99%同一な配列からなる核酸
    の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
    (b)工程(a)で測定した発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該被験体における食道癌の予後を評価するための情報を提供する工程であって、ここで、該工程(a)で測定した発現量が該中央値よりも低いという結果は、予後が良好である傾向を示す、工程
    を包含する、方法。
  5. 被験体において食道癌の予後を評価するための情報を提供する方法であって、
    (a)(i)配列番号2、および、配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
    (b)工程(a)で測定した発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該被験体における食道癌の予後を評価するための情報を提供する工程であって、ここで、該工程(a)で測定した発現量が該中央値よりも低いという結果は、予後が良好である傾向を示す、工程
    を包含する、方法。
  6. 食道癌の術前診断のための薬学的組成物であって、以下:
    配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖
    配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも99同一な配列を含む核酸の相補鎖、
    配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖であって、該フラグメントは少なくとも20塩基の長さである、相補鎖
    配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも18塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
    配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
    配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖
    配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも99同一な配列を含む核酸の相補鎖、
    配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖であって、該フラグメントは少なくとも20塩基の長さである、相補鎖
    配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも18塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、ならびに、
    配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体
    らなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。
  7. 請求項に記載の薬学的組成物であって、以下、
    配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および、
    配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖
    からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。
  8. 請求項に記載の薬学的組成物であって、以下、
    配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および、
    配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体
    からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。
  9. 被験体において食道癌の術前診断のための情報を提供する方法であって、
    (a)(i)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列を含む核酸、または
    (ii)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列に対して少なくとも99%同一な配列からなる核酸
    の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
    (b)工程(a)で測定した発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該被験体における食道癌を診断するための情報を提供する工程であって、ここで、該工程(a)で測定した発現量が該中央値よりも低いという結果は、予後が良好である傾向を示す、工程
    を包含する、方法。
  10. 被験体において食道癌の術前診断のための情報を提供する方法であって、
    (a)(i)配列番号2、および、配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
    (b)工程(a)で測定した発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該被験体における食道癌を診断するための情報を提供する工程であって、ここで、該工程(a)で測定した発現量が該中央値よりも低いという結果は、予後が良好である傾向を示す、工程
    を包含する、方法。
  11. 食道癌の治療薬のスクリーニング方法であって、該方法は、
    (a)(i)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
    (ii)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列に対して少なくとも99%同一な配列からなる核酸
    を発現する細胞と、候補化合物とを接触させる工程;
    (b)該細胞における該核酸の発現量を測定する工程;および
    (c)工程(b)で測定された発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該候補化合物から食道癌の治療薬の候補となる化合物を選択する、工程であって、ここで、該工程(b)で測定された発現量が該中央値よりも低いという結果は、該候補化合物が食道癌の治療薬の候補であることを示す、工程
    を包含する、方法。
  12. 食道癌の治療薬のスクリーニング方法であって、該方法は、
    (a)(i)配列番号2、および、配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、または
    (ii)配列番号2および配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列において1または数個の変異、置換、挿入または欠失を含むアミノ酸配列を有するポリペプチド、
    を発現する細胞と、候補化合物とを接触させる工程;
    (b)該細胞における該ポリペプチドの発現量を測定する工程;および
    (c)工程(b)で測定された発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該候補化合物から食道癌の治療薬の候補となる化合物を選択する、工程であって、ここで、該工程(b)で測定された発現量が該中央値よりも低いという結果は、該候補化合物が食道癌の治療薬の候補であることを示す、工程
    を包含する、方法。
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