JP5114796B2 - 食道癌の予後診断マーカー遺伝子およびその利用 - Google Patents
食道癌の予後診断マーカー遺伝子およびその利用 Download PDFInfo
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Description
波戸岡 俊三、外3名、「pT1b食道癌切除例の予後予測」、日本消化器外科学会雑誌、日本、日本消化器外科学会、2005年7月1日、38巻、1064頁 Yamabuki T、外16名、「Dikkopf-1 as a novel serologic and prognosticbiomarker for lung and esophageal carcinomas」、Cancer Research, 67巻, 2517-2525項 Wu X, 他13名、「Genetic variations in radiation and chemotherapy drugaction pathways predict clinical outcomes in esophageal cancer」、Journal ofClinical Oncology, 24巻, 3789-3798項
(項目1) 食道癌の予後診断のための薬学的組成物であって、以下:
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号5に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号5に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目2) 項目1に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。
(項目3) 項目1に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目4) 被験体において食道癌の予後を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号1、配列番号3および配列番号5からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)(i)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌の予後を評価するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目5) 被験体において食道癌の予後を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌の予後を評価するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目6) 食道癌の悪性度の評価のための薬学的組成物であって、以下:
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号5に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号5に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目7) 項目6に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。
(項目8) 項目6に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目9) 被験体において食道癌の悪性度を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号1、配列番号3および配列番号5からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)(i)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌の悪性度を評価するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目10) 被験体において食道癌の悪性度を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌の悪性度を評価するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目11) 食道癌の術前診断のための薬学的組成物であって、以下:
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
配列番号5に記載の核酸配列と少なくとも80%相同な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖、
配列番号5に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号5に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも10塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号5に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目12) 項目11に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および
配列番号5に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。
(項目13) 項目12に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。
(項目14) 被験体において食道癌の術前診断のための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号1、配列番号3および配列番号5からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)(i)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌を診断するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目15) 被験体において食道癌の術前診断のための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)該発現量を指標として、該被験体における食道癌を診断するための情報を提供する工程、
を包含する、方法。
(項目16) 食道癌の治療薬のスクリーニング方法であって、該方法は、
(a)(i)配列番号1、配列番号3および配列番号5からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)(i)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸、
を発現する細胞と、候補化合物とを接触させる工程;
(b)該細胞における該核酸の発現量を測定する工程;および
(c)該測定された発現量を指標として、該候補化合物から食道癌の治療薬の候補となる化合物を選択する、工程;
を包含する、方法。
(項目17) 食道癌の治療薬のスクリーニング方法であって、該方法は、
(a)(i)配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、または
(ii)配列番号2および配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列において1または数個の変異、置換、挿入または欠失を含むアミノ酸配列を有するポリペプチド、
を発現する細胞と、候補化合物とを接触させる工程;
(b)該細胞における該ポリペプチドの発現量を測定する工程;および
(c)該測定された発現量を指標として、該候補化合物から食道癌の治療薬の候補となる化合物を選択する、工程;
を包含する、方法。
(項目18) 食道癌の治療のための薬学的組成物であって、
(1) 配列番号1に記載の核酸配列に対するsiRNA、
(2) 配列番号3に記載の核酸配列に対するsiRNA、
(3) 配列番号5に記載の核酸配列に対するsiRNA、
(4) 配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
(5) 配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および、
(6) 配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群から選択されるsiRNAまたは抗体を包含する、薬学的組成物。
(2) BLASTNでヌクレオチドのクエリー配列をヌクレオチド配列データベースと比較;
(3) BLASTXでヌクレオチドのクエリー配列(両方の鎖)を6つの読み枠で変換した概念的翻訳産物をタンパク質配列データベースと比較;
(4) TBLASTNでタンパク質のクエリー配列を6つの読み枠(両方の鎖)すべてで変換したヌクレオチド配列データベースと比較;
(5) TBLASTXでヌクレオチドのクエリ配列を6つの読み枠で変換したものを、6つの読み枠で変換したヌクレオチド配列データベースと比較。
本発明のポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、食道癌などの治療および/または予防のための薬学的組成物の成分としても使用することが可能である。
(1)開始コドンから75塩基以上下流のAAを見つける;
(2)AAに続く約19ヌクレオチド(AA−(N19))を記録する;
(3)AA−(N19)の配列のGC含量が約30%〜約70%(好ましくは、約40%から約60%)であることを確認する;
(4)選択した塩基配列について相同性検索(例えば、NCBIデータベースのBLASTによる)を行い、その配列が目的遺伝子に対して特異的であることを確認する。その選択した塩基配列が他の遺伝子にも相同性を有している場合は、(1)に戻ってさらに下流のAAを選択する。
(1)細胞培養:
嶋田裕博士(京都大学大学院医学研究科腫瘍外科学、現在は兵庫医科大学外科学教室)より供与された食道癌細胞株20株(KYSE-30, -140, -150, -170, -180, -200, -220, -350, -410, -450,-510, -520, -590, -770, -850, -890, -1170, -1190, -1250, and -2270)を 10%ウシ胎児血清(FBS)加RPMI1640 培地で 37℃ 5% CO2 下で培養し、増殖期細胞をトリプシンを用いて回収しペレットを-80℃保存した。
QIAGENRNeasy mini kit (QIAGEN, Inc., Valencia, CA, USA)を用いて、凍結保存した細胞からRNAを抽出し、High-CapacitycDNA ArchiveTM Kit (Applied Biosystems, California, CA, USA)を用いてcDNAを作製した。
20食道癌細胞株について、それぞれ細胞5,000個ずつ軟寒天(SeaPlaqueAgarose, Cambrex Bio Science Rockland, Rockland, ME, USA)加RPMI1640培地に撒き、2週間 37℃5% CO2 下に静置後のコロニー数を顕微鏡およびクリスタルバイオレット(シグマアルドリッチジャパン、東京)染色により測定した。このコロニー数と、上記(2)で評価した各遺伝子発現レベルとの関連性を解析した。
上記(3)で評価したコロニー形成能と発現レベルが非常に良く相関したEMX2遺伝子の、コロニー形成能への関与を検討するため、EMX2発現レベルが中等度の食道癌細胞株KYSE350にEMX2遺伝子特異的siRNA(Ambion,Applied Biosystems)3種(#107312: Sense GGGACGCACCAUAUUAACCtt(配列番号7), AntisenseGGUUAAUAUGGUGCGUCCCtt(配列番号8); #107313: Sense GGUAUUCCGUUUAUCACAGtt(配列番号9),Antisense CUGUGAUAAACGGAAUACCtg(配列番号10); #107314: Sense GGCUUAAAACCCUGAUGCAtt(配列番号11),Antisense UGCAUCAGGGUUUUAAGCCtc(配列番号12))(なお、これら配列中、二本鎖を形成しない部分を小文字で記載した。)をそれぞれsiPORTNeoFX (Ambion, Applied Biosystems) を用いたreverse-transfectionにより導入してから、上記(3)に記載した軟寒天培地におけるコロニー形成能を評価した。siRNAによるmRNA抑制レベルとコロニー形成抑制レベルとを比較した。
(1)発現解析:
広島大学医学部倫理委員会でヒトゲノム研究として承認され凍結保存されている食道扁平上皮癌手術検体のうち、予後情報が十分得られている18例から癌細胞株と同様にQIAGEN RNeasy mini kitを用いてRNAを抽出し、High-Capacity cDNAArchiveTM Kitを用いてcDNAを作製し、食道癌細胞株で発現レベルを評価した遺伝子について、同様にTaqMan Gene ExpressionAssaysを用いて発現量を評価した。
上記(1)で得られた食道癌組織遺伝子発現量と患者予後(全生存率、無再発生存率)が関連性を示す遺伝子を検索するため、それぞれの遺伝子発現量が中央値よりも高い症例と低い症例の2群に分けて、2群間で予後の比較をした。個々でも低発現群が高発現群よりも予後良好な傾向を示したTTYH2 (高発現8例、低発現8例、中央値2例)、EMX2遺伝子(高発現8例、低発現9例、中央値1例)について、両者の組み合わせによる予後との関連性を検討するため、両遺伝子の発現量がそれぞれの中央値よりも高い2症例、両遺伝子とも低い4症例、どちらか片方のみ中央値より高い12症例の3群に分けてKaplan-Meier法による生存曲線(StatView5.0, HULINKS, 東京)で比較した。
抗癌剤感受性関連遺伝子として抽出された遺伝子の中で、EMX2遺伝子は、非常に高発現を示す細胞株と全く発現が認められない細胞株の二極化が存在した。この発現レベルと軟寒天におけるコロニーを形成能は非常によく相関し(図8)、特に発現レベルがリアルタイムRT−PCRの検出限界以下であった7細胞株中4細胞株は2週間の培養で全くコロニーを形成せず、残り3細胞株もすべて50コロニー以下であった。
配列番号2は、EMX2(EMX2−SP1)のアミノ酸配列である。
配列番号3は、EMX2(EMX2−SP2)の核酸配列である。
配列番号4は、EMX2(EMX2−SP2)のアミノ酸配列である。
配列番号5は、TTYH2の核酸配列である。
配列番号6は、TTYH2のアミノ酸配列である。
配列番号7は、EMX2のsiRNA(センス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号8は、EMX2のsiRNA(アンチセンス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号9は、EMX2のsiRNA(センス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号10は、EMX2のsiRNA(アンチセンス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号11は、EMX2のsiRNA(センス鎖)に対応するDNA配列である。
配列番号12は、EMX2のsiRNA(アンチセンス鎖)に対応するDNA配列である。
Claims (12)
- 食道癌の予後診断のための薬学的組成物であって、以下:
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも99%同一な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖であって、該フラグメントは少なくとも20塩基の長さである、相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも18塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも99%同一な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖であって、該フラグメントは少なくとも20塩基の長さである、相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも18塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、ならびに、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。 - 請求項1に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。 - 請求項1に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。 - 被験体において食道癌の予後を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列を含む核酸、または
(ii)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列に対して少なくとも99%同一な配列からなる核酸、
の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)工程(a)で測定した発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該被験体における食道癌の予後を評価するための情報を提供する工程であって、ここで、該工程(a)で測定した発現量が該中央値よりも低いという結果は、予後が良好である傾向を示す、工程、
を包含する、方法。 - 被験体において食道癌の予後を評価するための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号2、および、配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)工程(a)で測定した発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該被験体における食道癌の予後を評価するための情報を提供する工程であって、ここで、該工程(a)で測定した発現量が該中央値よりも低いという結果は、予後が良好である傾向を示す、工程、
を包含する、方法。 - 食道癌の術前診断のための薬学的組成物であって、以下:
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列と少なくとも99%同一な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖であって、該フラグメントは少なくとも20塩基の長さである、相補鎖 、
配列番号1に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号1に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも18塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号1に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列と少なくとも99%同一な配列を含む核酸の相補鎖、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントを含む核酸の相補鎖であって、該フラグメントは少なくとも20塩基の長さである、相補鎖 、
配列番号3に記載の核酸配列のフラグメントおよび配列番号3に記載の核酸配列の相補鎖のフラグメントを含む核酸の対であって、少なくとも18塩基の長さであって、PCRプライマーとして配列番号3に記載の核酸配列の少なくとも一部を増幅できる核酸の対、ならびに、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される核酸または抗体を含有する、薬学的組成物。 - 請求項6に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号1に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、および、
配列番号3に記載の核酸配列を含む核酸の相補鎖、
からなる群より選択される核酸を含有する、薬学的組成物。 - 請求項6に記載の薬学的組成物であって、以下、
配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、および、
配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドに反応する抗体、
からなる群より選択される抗体を含有する、薬学的組成物。 - 被験体において食道癌の術前診断のための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列を含む核酸、または
(ii)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列に対して少なくとも99%同一な配列からなる核酸、
の発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)工程(a)で測定した発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該被験体における食道癌を診断するための情報を提供する工程であって、ここで、該工程(a)で測定した発現量が該中央値よりも低いという結果は、予後が良好である傾向を示す、工程、
を包含する、方法。 - 被験体において食道癌の術前診断のための情報を提供する方法であって、
(a)(i)配列番号2、および、配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと反応する抗体と反応するポリペプチドの発現量を、該被験体由来の生物学的サンプルにおいて測定する工程、ならびに
(b)工程(a)で測定した発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該被験体における食道癌を診断するための情報を提供する工程であって、ここで、該工程(a)で測定した発現量が該中央値よりも低いという結果は、予後が良好である傾向を示す、工程、
を包含する、方法。 - 食道癌の治療薬のスクリーニング方法であって、該方法は、
(a)(i)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列を含む核酸の相補鎖、または
(ii)配列番号1、および、配列番号3からなる群より選択される核酸配列に対して少なくとも99%同一な配列からなる核酸、
を発現する細胞と、候補化合物とを接触させる工程;
(b)該細胞における該核酸の発現量を測定する工程;および
(c)工程(b)で測定された発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該候補化合物から食道癌の治療薬の候補となる化合物を選択する、工程であって、ここで、該工程(b)で測定された発現量が該中央値よりも低いという結果は、該候補化合物が食道癌の治療薬の候補であることを示す、工程;
を包含する、方法。 - 食道癌の治療薬のスクリーニング方法であって、該方法は、
(a)(i)配列番号2、および、配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、または
(ii)配列番号2および配列番号4からなる群より選択されるアミノ酸配列において1または数個の変異、置換、挿入または欠失を含むアミノ酸配列を有するポリペプチド、
を発現する細胞と、候補化合物とを接触させる工程;
(b)該細胞における該ポリペプチドの発現量を測定する工程;および
(c)工程(b)で測定された発現量を、食道扁平上皮癌手術検体の集団における発現量の中央値と比較して、該候補化合物から食道癌の治療薬の候補となる化合物を選択する、工程であって、ここで、該工程(b)で測定された発現量が該中央値よりも低いという結果は、該候補化合物が食道癌の治療薬の候補であることを示す、工程;
を包含する、方法。
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