JP5113022B2 - 棒状物押出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、棒状物を押し出して使用するための棒状物押出容器に関する。
従来の棒状物押出容器としては、容器に装着され両端が開口された筒状の充填部材と、当該充填部材に装填された棒状物と、容器内に配設された移動体と、当該移動体の先端に位置され充填部材内に密着し摺動するピストン状の押出部と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような棒状物押出容器では、容器前部と容器後部とが一方向に相対回転されると、押出部が前進し、充填部材の先端の開口から棒状物が押し出され、容器前部と容器後部とが一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、押出部が後退する。
特開2008−43590号公報
ここで、上述したような棒状物押出容器においては、容器前部と容器後部とを他方向に相対回転して押出部を後退させることで、充填部材内にて減圧作用による吸引効果を働かせ、かかる押出部の後退に伴って棒状物を引き戻すことが図られている。しかし、上述したような棒状物押出容器では、場合によっては、他方向の相対回転で押出部を後退させても、棒状物が引き戻らないおそれがある。
そこで、本発明は、棒状物を確実に引き戻すことができる棒状物押出容器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、充填部材の内周面と棒状物とが充分に密着していないと、これらの間の隙間を介して外部から押出部材と棒状物との間に空気が通じ易くなることから、他方向の相対回転で押出部を後退させても充填部材内を充分に減圧できないため、棒状物を引き戻すだけの吸引効果が充分に発揮できないおそれがあるという知見を得た。よって、充填部材の内周面に対する棒状物の密着力を高めることができれば、かかる吸引効果を充分に働かせて棒状物を確実に引き戻すことが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る棒状物押出容器は、容器に装着され両端が開口された筒状の充填部材と、当該充填部材に装填された棒状物と、容器内に配設された移動体と、当該移動体の先端に位置され充填部材内に密着し摺動するピストン状の押出部と、を備え、
容器前部と容器後部とが一方向に相対回転されると、押出部が前進し、充填部材の先端の開口から棒状物が押し出され、容器前部と容器後部とが一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、押出部が後退し、押出部と棒状物との間で減圧による吸引作用が働いて棒状物が充填部材内で引き戻されて後退する棒状物押出容器であって、充填部材の先端部分は、それ以外の部分の内径に比べて小さい内径を有しており、充填部材において小さい内径を有する先端部分は、押し出されようとする棒状物に対して抵抗として働き、一方向の相対回転で押出部が前進すると、充填部材において小さい内径を有する先端部分によって、充填部材内の棒状物が軸線方向に圧縮されると共に当該圧縮で径方向に膨張されるように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る棒状物押出容器では、充填部材の先端部分がそれ以外の部分の内径に比べて小さい内径を有し、一方向の相対回転で押出部が前進すると、充填部材内の棒状物が軸線方向に圧縮されると共に当該圧縮で径方向に膨張されるため、充填部材に対する棒状物の密着力が高まることとなる。従って、その後、他方向の相対回転で押出部が後退すると、充填部材内にて減圧作用による吸引効果が充分に働き、よって、棒状物を確実に引き戻すことができる。
なお、ここでの「棒状物」とは、雰囲気温度40℃以下で外径が棒状体を維持するものを意図し、固形状、半固形状、軟固形状、軟質状、ゼリー状、ムース状、及び練り状等の棒状物を含んでいる。
ここで、本発明者らは鋭意検討をさらに重ねた結果、棒状物の針入度試験の測定硬度(以下、「針入度」という)を0.25N以下の硬度とすると、上記作用効果、すなわち、押出部の前進で充填部材内の棒状物が軸線方向に圧縮されると共に当該圧縮で径方向に膨張され、充填部材に対する棒状物の密着力が一層高まるという作用効果を好適に発揮できることを見出した。よって、棒状物は、針入度が0.25N以下であることが好ましい。
なお、「針入度」とは、例えば、雰囲気温度25℃条件下において、φ1mmの鋼棒を6cm/minの速度で棒状物に深さ10mm程度挿入したときに当該棒状物に生じるピーク時の力を意味するものであって、化粧品において硬度を計るために使用される一般的な測定方法により求められる。
このとき、充填部材の先端部分は、充填部材において押出部の初期位置周りの部分の内径に比べて小さい内径を有していることが好ましい。また、充填部材の先端部分の内周面は、先端側に向かって内径が狭まるような傾斜面を有していることが好ましい。これらの場合、押出部が前進する際、充填部材内の棒状物が軸線方向に好適に圧縮されると共に当該圧縮で径方向に好適に膨張されるため、充填部材に対する棒状物の密着力を一層高めることができる。
また、押出部の外形は、先端側に向かって先細りの錐状を呈していることが好ましい。このように押出物の外形が錐状であると、押出部の前進によって、径方向外側に向かう方向(棒状物を充填部材に密着させる方向)の力も棒状物に積極的に加わるため、充填部材に対する棒状物の密着力をより一層高めることができる。
また、棒状物は、溶融した状態で充填部材内に充填され冷却固化されてなることが好ましい。このようにして充填部材内に棒状物を装填すると、充填部材と棒状物との密着性を高め、これらの間に隙間が形成されるのを抑制することができる。その結果、他方向の相対回転で押出部が後退する際、充填部材内を確実に減圧して吸引効果を確実に得ることが可能となる。
また、上記作用効果を好適に奏する構成として、具体的には、容器内に第1の螺合部及び第2の螺合部を備え、容器前部と容器後部とが一方向に相対回転されると、第1の螺合部の螺合作用が働いて移動体が一定量前進し、第1の螺合部の螺合作用が解除又は停止され、一方向にさらに相対回転されると、第2の螺合部の螺合作用のみが働いて移動体がさらに前進し、容器前部と容器後部とが他方向に相対回転されると、第1の螺合部の螺合作用が働いて移動体が一定量後退し、第1の螺合部の螺合作用が解除又は停止され、他方向にさらに相対回転されると、第2の螺合部の螺合作用のみが働いて移動体がさらに後退する構成が挙げられる。
なお、「螺合作用の解除」とは、雄螺子と雌螺子と螺子山同士の係合が外れ、螺合作用が働かなくなることを意味し、「螺合作用の停止」とは、雄螺子と雌螺子との螺子山同士が係合し噛み合った状態で当接して螺合が働かなくなることを意味している。
本発明によれば、棒状物を確実に引き戻すことが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る棒状物押出容器の初期状態を示す縦断面図、図2は図1に示す状態からキャップが取り外され使用者の操作により移動螺子筒及び移動体が前進した時の縦断面図、図3は図2に示す状態で棒状物が使用者により使用されてから使用者の操作により移動螺子筒及び移動体が後退し移動螺子筒が後退限に後退した時の縦断面図である。図1に示すように、本実施形態の棒状物押出容器100は、棒状物Mを収容すると共に、使用者の操作により棒状物Mを適宜押し出し可能とするものである。
棒状物Mとしては、雰囲気温度40℃以下で外形が棒状体を維持するものであって、例えば、リップスティック、リップグロス、アイライナー、アイカラー、アイブロー、リップライナー、チークカラー、コンシーラー、美容スティック、ヘアーカラー等を始めとした種々の棒状化粧料、筆記用具等の棒状の芯等を用いることが可能である。
特に、本実施形態では、後述するように、棒状物Mとして針入度が0.25N以下の軟らかい(半固体状、軟固形状、軟質状、ゼリー状、ムース状の)棒状体を用いている。ここでの棒状物Mは、化粧料用のワックス、オイル、顔料等の混合原料を溶解して冷却固化された棒状体であり、口紅用に使用されるものである。
なお、「針入度」とは、例えば、雰囲気温度25℃条件下において、φ1mmの金属製丸棒を6cm/minの針入速度で棒状物Mに深さ(針入深度)10mm程度挿入したときに、当該棒状物Mにて生じるピーク時の力をレオメータ(レオテック社製)で測定することで得られる硬度を意味し、化粧品において硬度を計るために使用される一般的な測定方法により測定されるものである。ちなみに、関連する「ワックス等を測定する針入度試験」として、「JIS K 2235」が知られている。
この棒状物押出容器100は、両端が開口された筒状の充填部材1と、その前部に充填部材1の後部を相対回転可能に内挿して当該充填部材1を軸線方向に係合し連結する本体筒3と、を外形構成として具備し、充填部材1により容器前部が構成されると共に、本体筒3により容器後部が構成されている。そして、上記棒状物Mは、充填部材1内に装填されている。
また、この棒状物押出容器100は、螺子筒4、回転部材10、中間部材11、移動螺子筒5、移動体6及びピストン(押出部)7を内部に概略備え、これらが図示されるように配置されて構成されている。
螺子筒4は、本体筒3に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結されている。回転部材10は、充填部材1に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結されている。中間部材11は、本体筒3に回転方向に係合し且つ軸線方向離脱不能に連結されると共に、回転部材10を軸線方向に離脱不能としている。
移動螺子筒5は、回転部材10に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に係合すると共に、螺子筒4に第1の螺合部8を介して螺合し、充填部材1と本体筒3とが一方向に相対回転されると前進し所定の前進限まで前進すると前進が停止し、充填部材1と本体筒3とが一方向の反対方向の他方向に相対回転されると後退し所定の後退限まで後退すると後退が停止する。
移動体6は、本体筒3に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に係合すると共に移動螺子筒5に第2の螺合部9を介して螺合し、充填部材1と本体筒3とが一方向に相対回転されると移動螺子筒5に伴われて前進すると同時に単独でも前進し、移動螺子筒5が前進限に達し充填部材1と本体筒3とがさらに同方向に相対回転されると単独で前進し、充填部材1と本体筒3とが他方向に相対回転されると移動螺子筒5に伴われて後退すると同時に単独でも後退し、移動螺子筒5が後退限に達すると移動螺子筒5と共に後退が停止する。ピストン7は、移動体6の先端部に装着され、充填部材1内に当該充填部材1と密着するようにして挿入されて摺動する。
ここで、本実施形態では、充填部材1は、ABS、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PCT(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)系のPETG、PCTG、PCTA等の射出成形用素材で成形されるのが好ましく、棒状物Mの色調や装填状況を外から確認できるように透視性素材や、棒状物Mの色やその他の色を施した着色材を用いるのが好ましい。
この充填部材1の先端は、棒状物Mを出現させるための開口1aとされている。開口1a(つまり、充填部材1の先端面)及び棒状物Mの先端面は、紙面垂直方向視において、軸線に直交する面に対して傾斜する傾斜面とされている。
また、この充填部材1の先端部分1bの内周面1cは、充填部材1に対する棒状物Mの密着力を高めるためのものとして、径方向内側に突出する環状凸部1dを有している。すなわち、充填部材1において、先端部分1bはそれ以外の部分の内径に比べて小さい内径を有している。ここでの先端部分1bは、図示されるように、初期状態の棒状物押出容器100の充填部材1においてピストン7周りの部分(ピストン7の初期位置周りの部分)1eの内径に比べて、小さい内径を有している。
環状凸部1dは、内周面1cにおいて充填部材1の先端から軸線方向に所定長に亘る領域に形成されており、紙面垂直方向視において、開口1aの傾斜面に対応する傾斜方向に沿って延在する環状となっている。また、環状凸部1dの後側の側面1fは、山型になるよう内周面1cに対してなだらか傾斜している。
ピストン7は、PP(ポリプロピレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)等、比較的柔らかい素材より成形されている。ピストン7の外形は、先端側に向かって先細りの錐状を呈している。具体的には、ピストン7は、図2に示すように、先端に向けて傘状に湾曲する形状を呈し、後端面から先端側に向けて外面に倣うように凹設された凹部7aを備えている。また、ピストン7には、その後端部の外周面に、充填部材1の内周面に密着し気密性を確保するための環状突部7cが設けられている。
次に、このような構成を有する棒状物押出容器100の操作について説明する。図1に示す初期状態の棒状物押出容器100にあっては、使用者によりキャップ12が取り外されて充填部材1と本体筒3とが繰り出し方向である一方向に相対回転されると、次の動作が実行される。
すなわち、充填部材1に対し同期回転する回転部材10の内周面の突条10fと移動螺子筒5の外周面の突条5bとからなる回り止め部60、及び、本体筒3の軸体3yの突条3dと移動体6の筒孔である内周面の突条6fとからなる回り止め部50によって、本体筒3に対し同期回転する螺子筒4と移動螺子筒5とが相対回転し、且つ、移動螺子筒5と移動体6とが相対回転する。従って、移動螺子筒5の螺合突起5e及び螺子筒4の雌螺子4dより構成された第1の螺合部8、及び、移動螺子筒5の雌螺子5d及び移動体6の雄螺子6bより構成された第2の螺合部9の螺合作用が作動し、移動螺子筒5が前進し、さらに、移動螺子筒5に対して移動体6及びピストン7も前進する。つまり、移動体6及びピストン7は、移動螺子筒5に伴われて前進すると同時に単独でも前進する。
そして、図2に示すように、一方向の相対回転が続けられ移動螺子筒5が一定量前進すると、移動体6及びピストン7が前進すると共に移動螺子筒5の螺合突起5eが螺子筒4の雌螺子4dの先端から外れて螺合作用が解除され、移動螺子筒5が前進限に達する。この螺合作用が解除された状態においては、回転部材10のバネ部10yの弾性力により移動螺子筒5が後方側へ付勢される。従って、充填部材1と本体筒3との一方向への相対回転がさらに続けられると、後方に付勢されている移動螺子筒5の螺合突起5eが、螺子筒4における雌螺子4dの回転方向隣の先端に移動し、第1の螺合部8が螺合復帰する(ただし、ここでの螺合復帰は、螺合突起5eが雌螺子4dの螺子山の側面に当接するまで戻る段階である)。そして、充填部材1と本体筒3との一方向への相対回転がさらに続けられると、回転部材10のバネ部10yが圧縮されながら移動螺子筒5が前進して当該移動螺子筒5の螺合突起5eが螺子筒4の雌螺子4dの先端から外れて螺合が解除され、そして、さらなる同方向への相対回転により螺合復帰する。このような第1の螺合部8の螺合解除と螺合復帰とが繰り返されることにより、クリック感が生じ、使用者に好適に感知される。
また、上記のような第1の螺合部8の螺合解除と螺合復帰とが繰り返されている状態から、繰戻し方向である他方向へ充填部材1と本体筒3とが相対回転された場合、移動螺子筒5の螺合突起5eが螺子筒4の雌螺子4dにおける回転方向隣の先端に直ちに進入し、第1の螺合部8が直ちに螺合復帰する(ただし、ここでの螺合復帰は、螺合突起5eと雌螺子4dとが螺合する段階である)。
その後、一方向の相対回転がさらに続けられると、第2の螺合部9の螺合作用のみが働いて移動体6及びピストン7が前進し、棒状物Mが押し出されて開口1aを通して出現する。これと共に、螺合復帰するようにバネ部10yで第1の螺合部8が付勢されることからクリック感が生じ、一方向への相対回転の度合いや移動体6の移動具合が使用者に好適に感知される。
ここで、本実施形形態では、上述したように、充填部材1の先端部分1bの内周面1cが環状凸部1dを有している。そのため、棒状物Mの繰出し時においては、ピストン7による力F3で開口1aから押し出されようとする棒状物Mに対して環状凸部1dが抵抗(絞り)として働き、軸線方向に沿う方向の圧縮力F1が棒状物Mに生じる。
そして、かかる軸線方向の圧縮力F1によって棒状物Mが崩れ(崩れかけ)、当該棒状物Mにて径方向へ広がるような膨張力F2が生じる。従って、ピストン7を前進させて棒状物Mを繰り出すと、充填部材1に対する棒状物Mの密着力(密着性)が高まることとなる。さらに、ここでの棒状物Mは0.25N以下の針入度とされた軟質のものであることから、圧縮力F1によって棒状物Mが一層崩れて当該棒状物Mに膨張力F2が一層生じるため、充填部材1に対する棒状物Mの密着力は一層高まることとなる。
他方、例えば使用後にあって、充填部材1と本体筒3とが他方向へ相対回転されると、第1の螺合部8が螺合復帰し、回り止め部60及び回り止め部50によって第1の螺合部8及び第2の螺合部9の螺合作用が作動し、移動螺子筒5が後退し、さらに、移動螺子筒5に対して移動体6及びピストン7も後退する。つまり、移動体6及びピストン7は、移動螺子筒5に伴われて後退すると同時に単独でも後退する。
このとき、本実施形態では、前述したように、ピストン7が充填部材1の内周面に密着し、棒状物Mが充填部材1の内周面に密着し、ピストン7と棒状物Mとが密着しており、且つ、ピストン7の前進によって充填部材1に対する棒状物Mの密着力が高まっている。そのため、ピストン7の後退に伴って、ピストン7と棒状物Mとの間において減圧による吸引作用(密着を維持しようとする作用)が良好に働き、棒状物Mが充填部材1内で確実に引き戻されて後退し、棒状物Mが容器先端の開口1aから確実に没入する。
そして、他方向への相対回転が続けられて、移動螺子筒5が一定量後退し、図3に示すように、移動螺子筒5の螺合突起5eが螺子筒4の雌螺子4dの後端に達すると、第1の螺合部8の螺合作用が停止されて充填部材1と本体筒3との他方向へのそれ以上の相対回転が停止される。つまり、他方向へそれ以上相対回転することができなくなり、移動体6及びピストン7の後退も停止する。
この状態(すなわち、棒状物Mを開口1aから没入させた状態)から、充填部材1と本体筒3とが一方向に再度相対回転されると、前述したのと同様に螺合部8,9の螺合作用が再び働き、移動螺子筒5、移動体6及びピストン7が再び前進されることとなる。
次に、棒状物押出容器100の製造手順の例について説明する。図4,5は、棒状物押出容器の製造手順をあらわす各説明図である。図4に示すように、まず、移動体6に対して移動螺子筒5を初期位置まで螺子込む、又は強制的に螺子山を乗り越えさせて初期位置まで押し込む。そして、移動螺子筒5に回転部材10を外挿し、移動体6にピストン7を装着し、移動螺子筒5に螺子筒4を挿入し、移動螺子筒5の外周面の螺合突起5eに螺子筒4の内周面の雌螺子4dを螺合させ、他方向に回転し後退限まで後退させて、仮組品を得る。この仮組品を本体筒3の開口側から挿入し、移動体6を軸体3yに外挿していくと共に螺子筒4を本体筒3に内挿し、本体筒3に対して中間部材11を内挿して装着して本体側組立品40を得る。
一方、充填部材1にあっては、先端の開口1aをシール部材13で塞ぎ逆さにした状態で、例えば棒状物Mの混合原料を60℃以上に加熱して溶融(融解)させた溶融棒状物M1を、ノズル14から充填部材1の内部へ所定量吐出して直接充填する。そして、充填部材1の先端から後端への途中まで装填し充填部材1の先端内に空間が無い状態とする。
溶融棒状物M1が冷却固化して棒状物Mとなったら、当該棒状物Mが装填された充填部材1に対して、上方から本体側組立品40の先端側を外挿し、ピストン7を充填部材1に挿入しながら、本体筒3(中間部材11)に充填部材1を装着する。このとき、充填部材1は、その内周面が、ピストン7の気密性を確保するための環状突部7cに摺接しながら、本体筒3に係合される。そして、シール部材13を取り外すことで、初期状態の棒状物押出容器100(図1参照)が得られる。
また、他の製造手順では、図5に示すように、まず、本体側組立品40に充填部材1を装着し、この組立品を、充填部材1の傾斜する先端面1zが水平となるように治具41にセットすると共に充填部材1の先端部に例えばラバー材等から成る円筒状の保温部材15を外挿してセットする。
続いて、保温部材15の先端の開口の上方に位置するノズル14から溶融棒状物M1を吐出し当該溶融棒状物M1をピストン7側から装填する。この溶融棒状物M1は冷却固化していくが、このとき、保温部材15により、充填部材1の先端側が保温されるため、溶融棒状物M1はピストン7側から充填部材1の先端に向けて徐々に冷えていき、溶融棒状物M1内の気泡は当該溶融棒状物M1上端から良好に抜け、棒状物内に気泡が残留することが防止されている。そして、溶融棒状物M1が冷却固化した後、保温部材15を取り外し、棒状物Mの先端を切断し仕上加工することで、初期状態の棒状物押出容器100(図1参照)が得られる。
以上、本実施形態の棒状物押出容器100では、充填部材1の先端部分1bの内周面1cが環状凸部1dを有しており、ピストン7が前進して棒状物Mが繰り出されるとき、棒状物Mにおいて軸線方向の圧縮力F1が生じると共に当該圧縮力F1で径方向へ広がるような膨張力F2が生じる。すなわち、棒状物押出容器100は、充填部材1の先端部分1bが、それ以外の部分の内径に比べて小さい内径を有し、ピストン7が前進すると、充填部材1内の棒状物Mが軸線方向に圧縮されると共に当該圧縮で径方向に膨張されるように構成されている。
従って、本実施形態によれば、ピストン7を前進させて棒状物Mを繰り出すことで、充填部材1に対する棒状物Mの密着力を高めることが可能となり、内周面1cと棒状物Mとの密着が不十分なために外部からピストン7と棒状物Mとの間に空気が通じてしまうのを防止することができる。よって、ピストン7を後退させると、充填部材1内を充分に減圧することができ、充分な吸引効果で棒状物Mを確実に引き戻すことが可能となる。
ここで、棒状物Mの針入度が0.25Nよりも大きいと、例えば次の問題が生じる。すなわち、溶融充填固化後の棒状物Mの収縮が大きくなるため、充填部材1と棒状物Mとの間に隙間が形成され易く、これらの密着性が低下する。特に、低温状態(例えば、雰囲気温度5℃の状態)では、棒状物Mの温度が低いことによっても当該棒状物Mが収縮し、充填部材1と棒状物Mとの間に隙間が一層形成され易いため、かかる密着性の低下が顕著となる。また、棒状物Mにおいて圧縮力F1を発生させても、崩れ難くなるために膨張力F2が発生し難く、充填部材1に対する棒状物Mの密着力を高めることが困難になる。特に、低温状態では、棒状物Mが一層崩れ難くなり、かかる密着力を高めることが一層困難となる。従って、棒状物Mの繰り戻しの際の吸引効果が低いものとなり、棒状物Mを確実に引き戻すことが難しい。
これに対し、本実施形態では、上述したように、棒状物Mの針入度が0.25N以下の軟質状態(べとべと状態)であるため、棒状物Mの粘性が高く且つ低温化による収縮が抑制され、充填部材1と棒状物Mとの間の隙間が形成され難くなると共に、軸線方向の圧縮力F1によって棒状物Mが崩れて膨張力F2が生じ易くなる。よって、ピストン7を前進で充填部材1に対する棒状物Mの密着力を一層高めることができ、ピストン7の後退で充填部材1内を充分に減圧でき、充分な吸引効果により棒状物Mを確実に引き戻すことが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、ピストン7の外形が、先端側に向かって先細りの錐状を呈している。これにより、図2に示すように、ピストン7の前進によって、径方向外側に向かう方向の力F3も棒状物Mに積極的に加わるため、充填部材1に対する棒状物Mの密着力を一層高めることができる。
また、本実施形態の棒状物Mは、上述したように、溶融した状態で充填部材1内に充填され冷却固化されることで、充填部材1内に装填されている。これにより、充填部材1と棒状物Mとの密着性を高め、これらの間に隙間が形成されるのを抑制することができ、ピストン7が後退する際の吸引効果を確実に得ることが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、第1の螺合部8のリードが第2の螺合部9のリードよりも大きく設定されていることから、充填部材1と本体筒3とが一方向に相対回転されると、使用時まで棒状物Mが素早く繰り出されてその後はゆっくり繰り出され、他方向に相対回転されると、棒状物Mが一定量素早く後退してその後はゆっくり後退するため、棒状物Mの針入度が0.25N以下の軟質状態であっても、棒状物Mの出過ぎ及び戻過ぎを確実に防止することができる。つまり、かかる螺合部8,9のリードの設定は、0.25N以下の軟質状態の棒状物Mにとって好適なものである。さらに、このように、第1の螺合部8で棒状物Mを素早く繰り出すことができると、棒状物Mの繰り出しの際に、充填部材1に対する棒状物Mの密着力をより一層高めることが可能となる。
ここで、本実施形態の棒状物押出容器100と、充填部材1の先端部1bの内径を一定にした(環状凸部1dを有さない)従来の棒状物押出容器とにおいて、棒状物Mの針入度と棒状物Mの引戻しとの関係の確認試験を行った。用いる棒状物Mの針入度は「0.5N」、「0.25N」とし、各針入度にて棒状物Mの温度を「25℃(室内雰囲気)」と「5℃(低温雰囲気)」とした。
具体的には、この確認試験では、各硬度の棒状物Mを充填部材1内に充填し、各温度条件の恒温層に24時間放置し、恒温層から取り出した後直ちに棒状物Mを3mm繰り出した後3mm繰り戻し、棒状物Mが初期位置まで正常に戻ったものを「○」、1.5mm程度戻ったものを「△」、全く戻らないものを「×」として評価した。その結果を図10に示す。
図10に示すように、従来の棒状物押出容器では、棒状物Mを確実に引き戻すことが困難であることがわかる。特に、棒状物Mの温度が5℃の場合においては、棒状物Mを確実に引き戻すことが極めて困難であり、針入度が0.25Nよりも大きいときにあっては、全く戻っていない。
これに対し、本実施形態の棒状物押出容器100では、棒状物Mの温度が25℃の場合、棒状物Mを確実に引き戻すことができるだけでなく、棒状物Mの温度が5℃の場合でも、針入度が0.25N以下のときに棒状物Mを確実に引き戻すことができるのがわかる。よって、本実施形態の棒状物押出容易100(すなわち、充填部材1の先端部分1bが環状凸部1dを有し、且つ針入度が0.25N以下の棒状物Mを装填した棒状物押出容器100)によれば、棒状物Mの温度にかかわらず棒状物Mを確実に引き戻すことを実現できる。
なお、本実施形態では、他方向への相対回転で移動螺子筒5が一定量後退した後、第1の螺合部8の螺合作用が停止されて他方向へのそれ以上の相対回転が停止されるが(図3参照)、これに限定されるものではない。
例えば、移動螺子筒5が一定量後退した後、他方向のさらなる相対回転によって、第1の螺合部8の螺合作用が停止された状態で第2の螺合部9の螺合作用のみを働かせ、移動体6をさらに後退させてもよい。また、動螺子筒5が一定量後退した後に第1の螺合部8の螺合作用を解除し、他方向のさらなる相対回転によって第2の螺合部9の螺合作用のみを働かせて移動体6をさらに後退させてもよい。また、これらの場合及び本実施形態において、移動螺子筒5が一定量前進した後、第1の螺合部8の螺合作用を停止させ、一方向のさらなる相対回転によって、第1の螺合部8の螺合作用が停止された状態で第2の螺合部9の螺合作用のみを働かせて移動体6をさらに前進させてもよい。これらについては、後述の第3実施形態でも同様である。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る棒状物押出容器を示す縦断面図、図7は図6に示す状態から使用者の操作により移動体が前進した時の縦断面図、図8は図7に示す状態から使用者の操作により移動体が後退した時の縦断面図である。図6に示すように、本実施形態の棒状物押出容器500は、容器の後半部を形成する本体筒401と、容器の前半部を形成し本体筒401に相対回転可能にして軸線方向に係合され装着された充填部材402と、を外形構成として具備し、充填部材402により容器前部が構成されると共に、本体筒401により容器後部が構成されている。そして、棒状物Mは、上記実施形態と同様に充填部材402内に装填されている。
また、この棒状物押出容器100は、本体筒401に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結された回り止め部材403と、充填部材402の後端部に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結された螺子筒404と、回り止め部材403に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に係合すると共に螺子筒404に螺合部405を介して螺合する移動体406と、この移動体406の先端に位置し充填部材402の後端部内に挿入されたピストン(押出部)407と、を内部に概略備え、これらが図示されるように配置されて構成されている。
さらにまた、この棒状物押出容器500では、ピストン407が、その外周面にOリング408を有し、当該Oリング408が充填部材402の内周面に密着する構成とされている。これにより、充填部材402の内周面及びピストン407の外周面の精度を高精度とする必要性が低減され、製造が容易とされている。なお、このOリング408の適用は、他の実施形態に対して勿論適用できる。
このような棒状物押出容器500によれば、本体筒401と充填部材402とが一方向に相対回転されると、次の動作が実行される。すなわち、移動体406の外周面の雄螺子406a及び螺子筒404の内周面の雌螺子404aからなる螺合部405の螺合作用が働いて、回り止め部材403の内周面の二平面部及び移動体406の外周面の二平面部からなる回り止め部との協働により、図7に示すように、移動体406が前進し、先端のピストン407により棒状物Mが押し出されて先端の開口402aを通して出現し、使用状態にされる。
ここで、上記実施形態で説明したのと同様に、充填部材402の先端部分402bの内周面402cは、環状凸部1dを有している。よって、ピストン407の前進時においては、開口402aからピストン407で押し出されようとする棒状物Mに対して環状凸部1dが抵抗として働き、軸線方向に沿う方向の圧縮力が棒状物Mに生じる。そして、かかる軸線方向の圧縮力によって径方向へ広がるような膨張力が生じる。従って、本実施形態でも、ピストン407を前進させて棒状物Mを繰り出すと、充填部材402に対する棒状物Mの密着力が高められることになる。さらに、棒状物Mは0.25N以下の針入度とされた軟質のものであることから、圧縮力で棒状物Mが一層崩れて当該棒状物Mに膨張力が一層生じ、充填部材1に対する棒状物Mの密着力が一層高められる。
他方、例えば使用後にあって、本体筒401と充填部材402とが繰り戻し方向へ相対回転されると、螺合部405の螺合作用が働き、回り止め部との協働により、図8に示すように、移動体406及びピストン407が後退する。
このとき、本実施形態では、ピストン407(Oリング408)が充填部材402内に密着し、棒状物Mが充填部材402内に密着し、棒状物Mとピストン407が充填部材402内で密着しており、且つ、前述したようにピストン407の前進で棒状物Mの密着力が高まっている。そのため、ピストン407の後退に伴って棒状物Mとピストン407との間に減圧による吸引作用が良好に働き、棒状物Mが充填部材402内で確実に引き戻されて後退し、先端の開口402aから没入する。
以上、本実施形態の棒状物押出容器500においても、上記作用効果と同様な効果が奏される。なお、本実施形態では、第1実施形態で説明した製造手順と同様にして充填部材402に溶融棒状物を装填し棒状物押出容器500を製造することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図9は、本発明の第3実施形態に係る棒状物押出容器を示す縦断面図である。図9に示すように、棒状物押出容器200は、充填部材101と、その前半部に充填部材101の後半部を内挿して当該充填部材101を軸線方向及び回転方向に係合し一体となるように連結する本体筒102と、この本体筒102の後端部に相対回転可能にして軸線方向に連結された操作筒103と、を外形構成として具備し、充填部材101及び本体筒102により容器前部が構成されると共に、操作筒103により容器後部が構成されている。そして、棒状物Mは、上記実施形態と同様に充填部材101内に装填されている。
また、この棒状物押出容器200は、操作筒103に同期回転可能且つ軸線方向移動不能に連結された螺子筒104と、本体筒102に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に係合すると共に螺子筒104に第1の螺合部108を介して螺合する移動螺子筒105と、操作筒103に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に係合すると共に移動螺子筒105に第2の螺合部109を介して螺合する移動体106と、この移動体106の先端部に装着され充填部材101の後端部内に挿入されたピストン(押出部)107と、を概略備えている。
この棒状物押出容器200によれば、本体筒102(充填部材101でも可)と操作筒103とが一方向に相対回転されると、移動螺子筒105の螺合突起105e及び螺子筒104の雌螺子104dより構成された第1の螺合部108の螺合作用が作動し、本体筒102のローレット102aの後半部及び移動螺子筒105の突条105cより構成された回り止め部160との協働により、移動螺子筒105が前進する。これと同時に、移動螺子筒105の雌螺子105d及び移動体106の雄螺子106bより構成された第2の螺合部109の螺合作用が作動し、操作筒103の軸体103yの突条103g及び移動体106の突条106fより構成された回り止め部150との協働により、移動体106及びピストン107が前進する。
そして、一方向の相対回転が続けられ移動螺子筒105が一定量前進すると、移動体106が前進すると共に移動螺子筒105の螺合突起105eが螺子筒104の雌螺子104dの先端から外れて螺合作用が解除され、移動螺子筒105が前進限に達する。その後、一方向の相対回転がさらに続けられると、第2の螺合部109の螺合作用のみが働いて移動体106及びピストン107が前進し、ピストン107によって棒状物Mが押し出されて開口101aを通して出現する。これと共に、螺合復帰するように移動螺子筒105のバネ部105bで第1の螺合部108が付勢されることからクリック感が生じ、一方向への相対回転の度合いや移動体106及びピストン107の移動具合が使用者に好適に感知される。
ここで、上記実施形態で説明したのと同様に、充填部材101の先端部分101bの内周面101cは、環状凸部1dを有している。よって、ピストン107の前進時においては、棒状物Mに対して環状凸部1dが抵抗として働き、軸線方向に沿う方向の圧縮力が棒状物Mに生じ、かかる軸線方向の圧縮力によって径方向へ広がるような膨張力が生じるため、ピストン107を前進させて棒状物Mを繰り出すと、充填部材101に対する棒状物Mの密着力が高められることになる。さらに、棒状物Mは0.25N以下の針入度とされた軟質のものであることから、圧縮力で棒状物Mが一層崩れて当該棒状物Mに膨張力が一層生じ、充填部材1に対する棒状物Mの密着力が一層高められる。
他方、例えば使用後にあって、本体筒102と操作筒103とが他方向へ相対回転されると、バネ部105bの付勢力でもって第1の螺合部108が直ちに螺合復帰し、第1の螺合部108及び第2の螺合部109の螺合作用が作動し、移動螺子筒105が後退し、さらに、移動螺子筒105に対して移動体106及びピストン107も後退する。
このとき、本実施形態では、ピストン107が充填部材110内に密着し、棒状物Mが充填部材101内内に密着し、ピストン107と棒状物Mとが密着しており、且つ、前述したようにピストン107の前進で棒状物Mの密着力が高まっている。そのため、ピストン107の後退に伴ってピストン107と棒状物Mとの間に減圧による吸引作用が良好に働き、棒状物Mが充填部材101内で確実に引き戻されて後退し、棒状物Mが容器先端の開口101aから確実に没入する。
そして、他方向への相対回転が続けられて、移動螺子筒105が一定量後退し、移動螺子筒105の螺合突起105eが螺子筒104の雌螺子104dの後端に達すると、第1の螺合部108の螺合用が停止されて本体筒102と操作筒103との他方向へのそれ以上の相対回転が停止される。すなわち、他方向へそれ以上相対回転することができなくなり、移動体106及びピストン107の後退も停止する。
本実施形態の棒状物押出容器200においても、上記作用効果と同様な効果が奏される。なお、本実施形態では、第1実施形態で説明した製造手順と同様にして充填部材101に溶融棒状物を装填し棒状物押出容器200を製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、充填部材の先端部分の内周面に環状凸部を設けたが、これに代えて、周方向に沿って間欠状な凸部を設けてもよく、内周面の少なくとも一部が突出するような凸部を設けてもよい。また、充填部材の内周面の全域を先端に向かってテーパ状としてもよい。要は、充填部材の先端部分が、それ以外の部分の内径に比べて小さい内径を有し、ピストンの前進で充填部材内の棒状物が軸線方向に圧縮されると共に当該圧縮で径方向に膨張されるように構成できればよい。
また、上記第1及び第3実施形態では、一方向/他方向に相対回転されることによって、第1の螺合部の螺合作用が働くと同時に第2の螺合部の螺合作用が働くように構成したが、第1の螺合部の螺合作用のみが働いた後、第2の螺合部の螺合作用のみが働いように構成してもよい。また、上述した雄螺子及び雌螺子は、螺子山や螺子溝だけでなく、間欠的に配される突起群、又は螺旋状且つ間欠的に配される突起群のように螺子山や螺子溝と同様な働きをするものであってもよい。
なお、ピストンと棒状物との間にこれらを密着する密着剤を充填してもよく、この場合、上記吸引効果が好適に発揮され、棒状物を一層確実に引き戻すことが可能となる。この密着剤としては、例えば粘性の高い炭化水素系合成油等の化粧品原料から選択された種々のものを用いることができ、軟質状態を維持できるホットメルト等の接着剤を使用することができる。
本発明の第1実施形態に係る棒状物押出容器の初期状態を示す縦断面図である。 図1に示す状態からキャップが取り外され使用者の操作により移動螺子筒及び移動体が前進した時の縦断面図である。 図2に示す状態で棒状物が使用者により使用されてから使用者の操作により移動螺子筒及び移動体が後退し移動螺子筒が後退限に後退した時の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る棒状物押出容器の製造手順を表す説明図である。 他の製造手順を表す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る棒状物押出容器を示す縦断面図である。 図6に示す状態から使用者の操作により移動体が前進した時の縦断面図である。 図7に示す状態から使用者の操作により移動体が後退した時の縦断面図である。 本発明の第三実施形態に係る棒状物押出容器を示す縦断面図である。 棒状物の針入度と棒状物の引戻しとの関係の確認試験結果を示す図である。
符号の説明
1,101,402…充填部材、1a,101a,402a…開口、1b,101b,402b…先端部分、1c,101c,402c…内周面、1e…押出部の初期位置周りの部分、1f…傾斜面、6,106,406…移動体、7,107,407…ピストン(押出部)、8,108…第1の螺合部、9,109…第2の螺合部、100,200,500…棒状物押出容器、M…棒状物。

Claims (7)

  1. 容器に装着され両端が開口された筒状の充填部材と、当該充填部材に装填された棒状物と、前記容器内に配設された移動体と、当該移動体の先端に位置され前記充填部材内に密着し摺動するピストン状の押出部と、を備え、
    容器前部と容器後部とが一方向に相対回転されると、前記押出部が前進し、前記充填部材の先端の開口から前記棒状物が押し出され、
    前記容器前部と前記容器後部とが前記一方向の反対方向である他方向に相対回転されると、前記押出部が後退し、前記押出部と前記棒状物との間で減圧による吸引作用が働いて前記棒状物が前記充填部材内で引き戻されて後退する棒状物押出容器であって、
    前記充填部材の先端部分は、それ以外の部分の内径に比べて小さい内径を有しており、
    前記充填部材において小さい内径を有する前記先端部分は、押し出されようとする前記棒状物に対して抵抗として働き、
    前記一方向の相対回転で前記押出部が前進すると、前記充填部材において小さい内径を有する前記先端部分によって、前記充填部材内の前記棒状物が軸線方向に圧縮されると共に当該圧縮で径方向に膨張されるように構成されていることを特徴とする棒状物押出容器。
  2. 前記棒状物は、針入度試験の測定硬度が0.25N以下であることを特徴とする請求項1記載の棒状物押出容器。
  3. 前記充填部材の先端部分は、前記充填部材において前記押出部の初期位置周りの部分の内径に比べて小さい内径を有していることを特徴とする請求項2記載の棒状物押出容器。
  4. 前記充填部材の先端部分は、その内周面に、先端側に向かって内径が狭まるような傾斜面を有していることを特徴とする請求項2又は3記載の棒状物押出容器。
  5. 前記押出部の外形は、先端側に向かって先細りの錐状を呈していることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の棒状物押出容器。
  6. 前記棒状物は、溶融した状態で前記充填部材内に充填され冷却固化されてなることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項記載の棒状物押出容器。
  7. 前記容器内に第1の螺合部及び第2の螺合部を備え、
    前記容器前部と前記容器後部とが前記一方向に相対回転されると、前記第1の螺合部の螺合作用が働いて前記移動体が一定量前進し、前記第1の螺合部の螺合作用が解除又は停止され、前記一方向にさらに相対回転されると、前記第2の螺合部の螺合作用のみが働いて前記移動体がさらに前進し、
    前記容器前部と前記容器後部とが前記他方向に相対回転されると、前記第1の螺合部の螺合作用が働いて前記移動体が一定量後退し、前記第1の螺合部の螺合作用が解除又は停止され、前記他方向にさらに相対回転されると、前記第2の螺合部の螺合作用のみが働いて前記移動体がさらに後退することを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載の棒状物押出容器。
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