JP5112992B2 - ライススターチの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、米粒を特定条件下で処理する新規なライススターチ(米澱粉)の製造方法に関する。さらに詳しくは、ライススターチの澱粉損傷率が低く、流動性等の物性が改善されたライススターチを収率良く得ることができるライススターチの製造方法に係る発明である。そして、本発明の方法で製造したライススターチは、多様な食品への用途の拡大、さらには、需要の増大が期待できる。
一般に、ライススターチは、平均粒径が約5μm以下で、コーン、小麦、馬鈴薯などの澱粉に比べて最も小さく、特殊な紙用のサイジング乃至コーティングや、一部の化粧品、医薬品、食品の原料として用いられている。
ライススターチの製造方法としては、従来からアルカリ浸漬法、界面活性剤を用いる方法、超音波を利用する方法などがあるが、実用上はアルカリ浸漬法が主流であった(非特許文献1)。
また、米を75℃以上で処理してタンパク質を変性除去する方法(特許文献1)、ホモジナイザーにより微粉砕する方法(特許文献2)、粉砕し特殊な篩を用いて分離する方法(特許文献3)、特殊な界面活性剤を用いる方法(特許文献4)なども提案されたが、1)澱粉がダメージを受ける、2)タンパク質の除去が不十分で収率も低い、3)界面活性剤の澱粉への化学作用や残留がある、などの理由でいずれも実用化に至ってはいない。
一方、アルカリ浸漬法においては、非特許文献1に記載の如く、アルカリによる澱粉の損傷が起こりやすい。このため、アルカリ溶液の濃度を高くすることができず、米粒、特に、米粒の外側に多い硬質の組織の軟化が不十分で、アルカリ浸漬の後、摩砕しても粗粒が残リやすかった。
この米粒の外側に多い硬質の組織(粗粒)の中の澱粉を回収するために、高濃度のアルカリ溶液を使用したり、無理な摩砕をしたりすることが考えられるが、澱粉の損傷が生じやすい。このため、粗粒は滓として除き、結果としてライススターチ収率の低下となっていた。
特開平11−75728号公報 特開平01−213301号公報 特開昭63−222662号公報 特公昭34−7577号公報 二國二郎監「澱粉科学ハンドブック」(1977)朝倉書店 、p371〜374
本発明は、上記にかんがみて、澱粉の損傷率が低く、さらには、流動性等の物性が改善されたライススターチを収率良く得ることができ、上記従来技術に記載されていない新規なライススターチの製造方法を提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の条件で処理すれば、澱粉の損傷率が低く、流動性等の物性が改善されたライススターチを収率良く得ることができることを知見して、下記工程を含む構成のライススターチの製造方法に想到した。
1)米粒を粉砕して、粒度:80mesh(目開き0.175mm;Tyler標準ふるい:以下同じ)パス60%以上で、かつ、澱粉損傷率:0.20%以下の米粉砕物を調製する粉砕工程。
2)前記米粒粉砕物を、澱粉が糊化しない条件でアルカリ溶液に浸漬するアルカリ浸漬工程。
3)前記アルカリ浸漬工程後、摩砕し、粗粒とタンパク質を除去し、水で洗浄する精製工程。
上記製造方法において、米粉砕物は、粒度:80meshパス約80%以上で、かつ、澱粉損傷率:約1.0%以下の米粉砕物とすることが望ましい。
また、上記各製造方法において、前記粉砕工程に際して、アルカリ水溶液(NaOH:約0.05〜0.7質量%の塩基度に相当するもの。)を添加しながら粉砕することが望ましい。
さらに、上記各製造方法において、アルカリ浸漬の条件は、アルカリ溶液濃度:約0.05〜0.7質量%のNaOH塩基度相当、浴温:常温〜60℃、浸漬時間:2〜50hとすることが望ましい。
また、上記各製造方法において、粉砕工程に際して(前後又は同時を含む。)、原料米粒(砕料)又はその粉砕物(砕製物)に対し、酸、細胞壁溶解酵素又はタンパク質分解酵素を含有した水溶液による浸漬処理を単独又は複数組み合わせて施すことが、収率向上の見地から望ましい。
上記各製造方法では、澱粉の損傷率が1%以下、更には、流動性指数が70以上であるとなるライススターチを容易に得ることができる。
本発明によれば、澱粉の損傷率が低く、流動性等の物性が改善されたライススターチを収率良く製造することができる。このことは、コストが安く物性が改善されたライススターチを提供でき、ライススターチの多様な食品への用途の拡大、さらには、米の需要の増大が期待できる。
以下、本発明のライススターチにおける製造方法の構成について具体的に説明する。なお、以下に用いる「%」は、特に断りのない限り「質量%」を意味する。
1)米粒を粉砕する粉砕工程。
米の種類は、特に限定されず、例えば、粳種、糯種、長粒種、中粒種、短粒種など種々のものを使用可能である。米粒は、精米が使用され、通常、50〜95%の精米歩合のものを使用する。
粉砕は、例えば、胴搗式粉砕機、ロール式粉砕機、衝撃式粉砕機(ピンミル)や気流粉砕機やバウワーやエントレーター(円板回転型粉砕機)などにより行なう。乾式粉砕、湿式粉砕のいずれも可能であるが、湿式粉砕がより好ましい。
また、米粉砕物は、粒度:80meshパス約60%以上、かつ、澱粉損傷率:約0.20%以下、さらには、粒度:80meshパス約80%以上、かつ、澱粉損傷率:約0.10%以下であることが望ましい。
粒度のより細い(mesh度の大きい)米粉砕物を使用することがアルカリ処理に際して、均一処理が容易となり、処理時間の短縮、収率の向上が期待できる。しかし、粒度の細かい米粉砕物を得ようとすると相対的に澱粉損傷率が高くなりやすい。
したがって、両者のバランスから、上記米粉砕物の粒度と澱粉損傷率の範囲が、本発明の目的とする良質なライススターチを得やすくて望ましい。
また、湿式粉砕の場合には、後述するアルカリ浸漬工程で用いるアルカリの水溶液を添加しながら行うこともできる。このアルカリ水溶液は、通常、0.05〜0.7質量%のNaOH水溶液の塩基度に相当するものを用いる。
この粉砕工程に際して(前後又は同時を含む。)、原料米粒(砕料)又はその粉砕物(砕製物)に対して、酸、細胞壁溶解酵素又はタンパク質分解酵素を含有した水溶液による浸漬処理を単独又は複数組み合わせて施すことが望ましい。米粒又は米粉砕物が柔らかくなって、後のアルカリ浸漬工程を効率よく行える。
上記酸としては、例えば、塩酸、硫酸、亜硫酸などの無機酸や、酢酸、乳酸、クエン酸などの有機酸やこれらの塩のいずれも単独もしくは組み合わせて用いる。酸水溶液による浸漬条件は、米粒又は米粉砕物の平均粒径や粒度分布、さらには他の浸漬処理との組合わせによるが、約0.05〜1N×約0.5〜24hの範囲から適宜設定する。
上記細胞壁溶解酵としては、例えば、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼ、マセレーティング酵素などの植物細胞壁を溶解する作用のある酵素を用いる。
細胞壁溶解酵素水溶液による浸漬条件は、米粒又は米粉砕物の平均粒径や粒度分布によるが、約0.005〜0.5%×約0.5〜24hの範囲から適宜設定する。
タンパク質分解酵素水溶液は、例えば、プロテアーゼ(酸性、中性又はアルカリ性の)などのタンパク質を分解する作用のある酵素を用いて調製する。タンパク質分解酵素水溶液による浸漬条件は、米粒又は米粉の平均粒径や粒度分布さらには他の浸漬処理との組合わせによるが、約0.005〜0.5%×約0.5〜24hの範囲から適宜設定する。
これらの浸漬処理は、いずれも澱粉が損傷しないような温度で行なうのが好ましく、通常、常温〜60℃、望ましくは25〜50℃で行なう。
このアルカリ浸漬前の粉砕時(前後又は同時)における上記各種水溶液による浸漬処理(ソフト化処理)により、米粒の外側に多い硬質の組織の軟化を十分進めることができる。このため、アルカリ浸漬、摩砕の後の粗粒を減らし収率を高めることができ、さらには、細胞組織の澱粉への残留を少なくすることができる。
2)上記1)の粉砕工程で調製した米粉砕物を、アルカリ溶液に浸漬するアルカリ浸漬工程。
上記アルカリ溶液は、Na、K、Caなどのアルカリ、アルカリ土類の水酸化物やそれらの炭酸塩などを用いて調製する。通常、NaOHを用いて調製する。ここで、アルカリ浸漬の条件は、澱粉が損傷しないような条件で行なう必要があり、アルカリ濃度:0.05〜0.7%(望ましくは0.1〜0.3%、さらに望ましくは0.15〜0.2%)のNaOH濃度相当とする。アルカリ溶液の濃度が高すぎると澱粉が損傷し、低すぎると米粒の外側に多い硬質の組織の軟化が不十分となり易く、アルカリ浸漬の後、摩砕しても粗粒が残る。温度×時間は、約60℃以下×約3〜50h、さらには、生産性の見地から、約25〜55℃×約5〜30hとすることが好ましい。
3)上記2)のアルカリ浸漬工程後、摩砕し、粗粒とタンパク質を除去し、水で洗浄する精製工程。
アルカリ浸漬工程後、摩砕は、例えば、バウワーやエントレーター(円板回転型粉砕機)などにより行なう。例えば、エントレーターを使用する場合の回転数は、1000〜1500min-1前後とする。過度の摩砕は、澱粉が損傷し、軽度すぎると粗粒が残る。また、アルカリ浸漬工程までに十分に軟化できた場合は、摩砕はごく軽度又は行なわなくてもよい。例えば、エントレーターを使用する場合、その回転数は、800min-1前後以下とする。
摩砕の後、ベントシーブなどによる100〜200meshの篩による篩別や遠心分離、液体サイクロンなどにより粗粒を除去する。次いで遠心分離、液体サイクロン、篩別、ろ過などによりタンパク質を除去する。さらに、水で洗浄し澱粉を精製する。
ここで、タンパク質の除去と洗浄は、例えば、ドラバル、ハイドロサイクロンなどによる連続向流システムや、バッチによるスラリー撹拌、ろ過脱水の組み合わせで行なうこともできる。
こうして調製したライススターチは、乾燥し、必要に応じて粉砕、篩別し、乾燥粉末のライススターチとする。
ここで、乾燥機としては、例えば、棚式乾燥機、チューブドライヤー、ドラムドライヤーやフラッシュドライヤーを用いる。
こうして製造した本発明のライススターチは、後述の実施例で示す如く、澱粉損傷率が低い、また、細胞組織の澱粉への残留が少なくて流動性が増大する、等の物性が改善されている。さらには、本発明のライススターチの製造方法ではライススターチ収率も向上する。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<使用原料>
粳米の90%精米(水分13.5%)を用いた。
<特性値試験方法>
ライススターチの各特性値は、下記試験方法により測定した。
1)蛋白質含量:
ケルダール法に基づいて求めた。
2)澱粉損傷率:
500mgの試料に0.25N塩酸50mLを加え、55℃、2h処理し、遠心分離した上澄液の糖質をフェノール硫酸法により測定して求め、固形分に対する可溶化糖質の%を澱粉損傷率とした。
3)流動性指数:
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて、室温で、安息角、圧縮度、スパチュラ角を測定するとともに、均一度を粒度分布から求め、R.L.Carrの流動性評価法(化学工学協会編「化学工学便覧改訂四版」p988、表13・6参照)に準じて点数化した合計点で評価した。点数が高いほど流動性に優れている。
4)水分:
110℃×5h乾燥法に基づいて測定した。
<実施例・比較例>
1)実施例1
原料米12kgを洗米し、水に浸漬した後、ピンミルを用いて回転数1000min-1で粉砕した。このときの粒度:80meshパス80%で、澱粉損傷率:0.15%であった。
次いで、粉砕物のスラリーに0.25%のNaOH水溶液を加え0.15%のNaOH濃度となるようにし、温度35℃で20h浸漬した。浸漬の後、エントレーターを用いて回転数1200min-1で摩砕した後、150meshの篩を備えた振動式篩を通し、粗粒を除去した。粗粒の比率は3.9%であった。
この後、タンパク質除去と洗浄を、濾布を備えた遠心脱水機による脱水と36kgの水を加える再スラリー化を3回繰返して行なった。これを遠心脱水機により脱水し、棚式乾燥機を用いて50℃で10h乾燥を行なった。ライススターチの収量は9.5kgであった。
2)実施例2
原料米12kgを洗米し、水に浸漬した後水切りし、これに36kgの0.10%のNaOH水溶液を加えながらエントレーター(円板回転型粉砕機)を用いて回転数1000min-1で粉砕した。このときの粒度:80meshパス80%で、澱粉損傷率:0.15%であった。
次いで、粉砕物のスラリーに0.25%のNaOH水溶液を加え0.14%のNaOH濃度となるようにし、温度35℃で20h浸漬した。浸漬の後、エントレーターを用いて回転数1200min-1で摩砕した後、150meshの篩を備えた振動式篩を通し、粗粒を除去した。粗粒の比率は3.5%であった。
この後、実施例1と同様にして、タンパク質除去と洗浄、さらには、脱水・乾燥の各操作を行なった。ライススターチの収量は9.6kgであった。
3)実施例3
未洗米の原料米12kgに、0.5%のクエン酸溶液15kgを加えて40℃で5h浸漬した後、水洗し、0.1%のNaOH水溶液を加えながらエントレーター(円板回転型粉砕機)を用いて回転数1000min-1で粉砕した。このときの粒度は80meshパス:90%で、澱粉損傷率は0.1%であった。次いで、粉砕物のスラリーに0.15%のNaOH水溶液を加え0.12%のNaOH濃度となるようにし、温度35℃で20h浸漬した後、150meshの篩を備えた振動式篩を通し、粗粒を除去した。粗粒の比率は1.7%であった。
この後、実施例1と同様にして、タンパク質除去と洗浄、さらには、脱水・乾燥の各操作を行なった。ライススターチの収量は9.8kgであった。
4)実施例4
未洗米の原料米12kgに、0.1%のペクチナーゼ酵素剤(天野エンザイム株式会社製)の溶液15kgを加え、pHを5.0に調整し、45℃で5h浸漬した後、水洗し、0.1%のNaOH水溶液を加えながらエントレーター(円板回転型粉砕機)を用いて回転数1000min-1で粉砕した。このときの粒度:80meshパス92%で、澱粉の損傷率:0.07%であった。
次いで、粉砕物のスラリーに0.15%のNaOH水溶液を加え0.10%のNaOH濃度となるようにし、温度35℃で20h浸漬した後、150meshの篩を備えた振動式篩を通し粗粒を除去した。粗粒の比率は0.8%であった。
この後、実施例1と同様にして、タンパク質除去と洗浄、さらには、脱水・乾燥の各操作を行なった。ライススターチの収量は9.9kgであった。
5)実施例5
未洗米の原料米12kgに酸性プロテアーゼ酵素剤(天野エンザイム株式会社製)の0.2%の溶液15kgを加え、pHを4.0に調整し、45℃で5h浸漬した後、水洗し、0.1%のNaOH水溶液を加えながらエントレーター(円板回転型粉砕機)を用いて回転数1000min-1で粉砕した。このときの粒度:80meshパス85%で、澱粉の損傷率: 0.07%であった。次いで、粉砕物のスラリーに0.15%のNaOH水溶液を加え0.1%のNaOH濃度となるようにし、温度35℃で20h浸漬した後、150meshの篩を備えた振動式篩を通し粗粒を除去した。粗粒の比率は0.8%であった。
この後、実施例1と同様にして、タンパク質除去と洗浄、さらには、脱水・乾燥の各操作を行なった。ライススターチの収量は9.9kgであった。
6)比較例1
未洗米の原料米12kgに0.3%のNaOH水溶液40kgを加え、温度35℃で20h浸漬してアルカリ浸漬処理を行った。
このアルカリ浸漬処理の後、エントレーターを用いて回転数1500min-1で摩砕した後、150meshの篩を備えた振動式篩を通し粗粒を除去した。粗粒の比率は9.1%であった。
この後、実施例1と同様にして、タンパク質除去と洗浄、さらには、脱水・乾燥の各操作を行なった。ライススターチの収量は8.9kgであった。
7)比較例2
未洗米の原料米12kgに0.5%のNaOH水溶液40kgを加え、温度35℃で20h浸漬してアルカリ浸漬処理を行った。
このアルカリ浸漬処理の後、エントレーターを用いて回転数1800min-1で摩砕した後、150meshの篩を備えた振動式篩を通し粗粒を除去した。粗粒の比率は5.1%であった。
この後、実施例1と同様にして、タンパク質除去と洗浄、さらには、脱水・乾燥の各操作を行なった。ライススターチの収量は9.4kgであった。
<澱粉特性値及び考察>
各実施例及び比較例について、表1に、1)アルカリ浸漬処理原料である米粉砕物の粒度・損傷率、2)粉砕に際して浸漬処理の有無、3)ライススターチ収量及び4)ライススターチ特性値をそれぞれ示す。
いずれ実施例も比較例に比して収量(収率)が良好で、澱粉損傷率が格段に低く、さらには流動性指数も大きくて流動性にすぐれていることが分かる。さらに、アルカリ浸漬処理に先立ち、原料(米粒又は米粉砕物)をソフト化処理(酸、細胞壁分解酵素又はタンパク質分解酵素の含有水溶液による)、をした実施例3〜5は、それらのソフト化処理を行わない実施例1〜2に比して、澱粉損傷率がさらに低くなるとともに、収率も若干増大傾向にあり、流動性指数も大きくなることが分かる。
Figure 0005112992
本発明のライススターチの製造方法を示す工程ブロック図である。

Claims (5)

  1. 下記工程を含むことを特徴とするライススターチの製造方法。
    1)米粒を粉砕して、粒度:80mesh(目開き0.175mm;Tyler標準ふるい:以下同じ)パス60%以上で、かつ、澱粉損傷率:0.20%以下の米粉砕物を調製する粉砕工程。
    2)該粉砕工程で調製した米粉砕物を、澱粉が糊化しない条件でアルカリ溶液に浸漬するアルカリ浸漬工程。
    3)前記アルカリ浸漬工程後、摩砕し、粗粒とタンパク質を除去し、水で洗浄する精製工程。
  2. 前記米粉砕物が、粒度:80meshパス80%以上で、かつ、澱粉損傷率:0.10%以下であることを特徴とする請求項1記載のライススターチの製造方法。
  3. 前記粉砕工程に際して、アルカリ水溶液(0.05〜0.7質量%のNaOH水溶液の塩基度に相当するもの。)を添加しながら粉砕することを特徴とする請求項1又は2記載のライススターチの製造方法。
  4. 前記アルカリ浸漬工程の条件が、アルカリ溶液濃度:NaOH0.05〜0.7質量%の塩基度相当、浴温:常温〜60℃、浸漬時間:2〜50hであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載のライススターチの製造方法。
  5. 前記粉砕工程に際して(前後又は同時を含む。)、原料米粒(砕料)又はその粉砕物(砕製物)に対し、酸、細胞壁溶解酵素又はタンパク質分解酵素を含有した水溶液による浸漬処理を単独又は複数組み合わせて施すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載のライススターチの製造方法。
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