JP5109956B2 - 増幅器の保護回路 - Google Patents

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本発明は、増幅器の温度が所定の温度制限値以上に上昇するのを防止する増幅器の保護回路に関する。
車載用オーディオ装置を大きな出力で動作させているとき、該装置の増幅器の内部温度が上昇し、所定の温度を超えると、装置内部のデバイスが熱により破損するおそれが生じるので、熱からデバイスを保護する必要がある。保護の方法としては従来、次の(1)〜(6)のような方法が知られており、よく用いられる。
すなわち、まず、(1)図4に示すように、増幅器の温度が上昇し、t1時点において温度がT1(℃)に達したときにオーディオ装置をシャットダウンして出力をオフとし、その後、増幅器の温度が下降し、t2時点において温度がT2(℃)に戻ったときに出力を再開するという動作を繰り返す方法が知られている。
また、(2)オーディオ装置の温度が所定値以上である状態が所定時間継続したとき、増幅回路の増幅度や、ダイナミックレンジ、出力レベルを制限し、その後、所定温度以下である状態が所定時間継続したとき、これらの制限を解除するようにした方法が知られている(たとえば特許文献1参照)。
また、(3)増幅器等における温度や電流が所定値以上の場合に音声信号の低域成分や高域成分を中域成分より大きく減衰させるようにした方法が知られている(たとえば特許文献2参照)。
また、(4)増幅器への入力信号の振幅を、電源部の温度に基づき、リミッタ回路により制限するようにした方法が知られている(たとえば特許文献3参照)。同文献においては、リミッタ回路内の信号減衰度を非直線的に変化させ、入力信号の振幅が振幅制限値に漸近すると該減衰度を徐々に増加させるソフトリミッタ処理によって波形歪みの発生を低減させ、振幅制限に伴う聴覚上の不自然さを防止することが記載されている(段落0015、0016)。
また、(5)増幅器、電源、スピーカ等における温度の変化率に基づいて、増幅器への入力信号の振幅をリミッタ手段により制限する際の制限値の閾値を制御するようにしたものも知られている(たとえば特許文献4参照)。
また、(6)増幅回路の温度等に基づいてオーディオ信号の供給を制限すべきである場合であって、かつ曲間のように入力オーディオ信号のレベルが所定以下である場合にオーディオ信号の供給を制限することにより、聴取者が違和感を覚えることなくオーディオ信号の供給制限を行うようにした技術が知られている(たとえば特許文献5参照)。
特許第3444837号公報 特開2004−40694号公報 特開2002−198756号公報 特開2006−287847号公報 特開2007−174384号公報
しかしながら、上述(1)の方法によれば、近年のハイパワー化されたオーディオ装置においては、増幅器が小型化、ハイパワー化し、スピーカが低インピーダンス化する傾向にあるので、出力がオフとなる音切れ現象が多発する傾向がある。すなわち、図4に示すように、オーディオ装置は、時点t1において出力をオフとした後、時点t2に至るまで出力を再開しないので、この間において音切れが発生する。これはユーザにとって好ましい動作ではない。
また、上述(2)の方法によれば、音切れはしないが、出力音やダイナミックレンジが小さくなるため、大音量を楽しむユーザに対し、不満を感じさせることになる。また、上述(3)の方法によれば、音切れはしないが、低域信号レベルが減衰されるので、低音域の音量感やパワー感がなくなる。特に、大音量を楽しむウーハアンプのユーザにとっては満足できないものとなる。
また、上述(4)の方法によれば、入力信号の振幅の制限値が一定レベルに設定されるので、振幅の制限が開始されるときに不自然さが生じる。また、上述(5)の方法によれば、リミッタ量が段階的(たとえば10秒毎)に設定されているため、かかる段階的変化が出力音に違和感を生じさせる可能性がある。
また、上述(6)の方法によれば、オーディオ信号の供給を制限すべきである場合であっても、オーディオ信号に対応する直流信号が第1の閾値未満にならなければ、オーディオ信号の供給が制限されることがないので、その間における発熱等による危険性を回避することができない。また、オーディオ信号の供給が制限された後、オーディオ信号の供給を制限すべき状態が解消し、かつオーディオ信号に対応する直流信号が第1の閾値未満となるまで制限が解除されることがないので、その間、無音状態が続くことになる。
本発明の目的は、上述従来技術の問題点に鑑み、増幅動作により発生する熱からの保護を、出力音声信号に対して極力悪影響を与えずに行うことができる増幅器の保護回路を提供することにある。
この目的を達成するため、第1の発明に係る増幅器の保護回路は、ダイオードの一端に印加される音声信号の振幅が、該ダイオードにおける他端の電圧によって決まる所定の振幅制限値に達する際に該ダイオードが導通することによって、増幅器に入力される前記音声信号の振幅を前記所定の振幅制限値以下となるように制限する振幅制限回路と、前記増幅器の温度に応じて抵抗値が変化する温度検出素子と、前記ダイオードにおける他端の電圧を前記温度検出素子の抵抗値の変化に応じてリアルタイムで連続的に変化させる制御電圧を生成し、前記振幅制限回路に供給することにより前記増幅器の温度が所定の温度制限値以上に上昇するのを防止する温度上昇防止回路とを具備することを特徴とする。
第2の発明に係る増幅器の保護回路は、第1発明において、前記温度上昇防止回路は、
前記温度検出素子の抵抗値が、前記増幅器の温度が前記温度制限値以上のときの抵抗値である場合に、該抵抗値の変化に応じて変化する電圧を温度検出信号として出力する温度検出回路と、前記温度検出信号に基づいて前記制御電圧を出力する制御回路とを有することを特徴とする。
第3の発明に係る増幅器の保護回路は、第1又は第2発明において、前記振幅制限回路は、前記増幅器に入力される音声信号がアノードに印加される第1のダイオードと、該音声信号がカソードに印加される第2のダイオードとを備え、前記他端の電圧は、前記第1ダイオードのカソードに印加されるプラス電圧及び前記第2ダイオードのアノードに印加されるマイナス電圧であることを特徴とする。
第4の発明に係る増幅器の保護回路は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記制御電圧は前記プラス電圧を変化させるためのプラス側制御電圧及び前記マイナス電圧を変化させるためのマイナス側制御電圧であり、前記振幅制限回路は、所定のプラス電源及びマイナス電源間の電圧を分圧して前記プラス電圧を生成するプラス電圧生成回路と、所定のプラス電源及びマイナス電源間の電圧を分圧して前記マイナス電圧を生成するマイナス電圧生成回路とを備え、前記プラス電圧生成回路は、前記プラス側制御電圧に基づいて前記プラス電圧を下降させる第1の電流制限素子を備え、前記マイナス電圧生成回路は、前記マイナス側制御電圧に基づいて前記マイナス電圧を上昇させる第2の電流制限素子を備えることを特徴とする。
第5の発明に係る増幅器の保護回路は、第4発明において、前記制御回路は、所定のプラス電源及びマイナス電源間の電圧を分圧して前記プラス側制御電圧を生成する第1の分圧回路と、所定のプラス電源及びマイナス電源間の電圧を分圧して前記マイナス側制御電圧を生成する第2の分圧回路と、前記第1分圧回路及び第2分圧回路間に介在し、前記温度検出信号に応じて前記プラス側制御電圧及びマイナス側制御電圧を変化させる第3の電流制限素子を備えることを特徴とする。
第6の発明に係る増幅器の保護回路は、第2〜第5のいずれかの発明において、前記温度検出回路は、前記温度検出素子の抵抗値の変化に応じて変化する電圧を前記温度検出信号として出力する検出信号出力回路と、前記検出信号出力回路からの温度検出信号の出力をオン・オフ制御する第1のスイッチング素子と、前記温度検出素子の抵抗値が、前記増幅器の温度が前記温度制限値以上のときの抵抗値である場合に前記温度検出信号の出力がオン状態となるように前記第1スイッチング素子を制御する第2のスイッチング素子とを有することを特徴とする。
本発明によれば、出力信号に対して極力悪影響を与えることなく、増幅動作により発生する熱から増幅器を保護することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。同図に示すようにこの増幅装置は、入力信号を増幅し、増幅装置の出力信号として出力する増幅器11、増幅器11の温度を検出する温度検出回路12、温度検知回路12により検出された温度をクリップ量に変換する温度・クリップ量変換回路13、並びに、温度・クリップ量変換回路13からのクリップ量に基づき、増幅器11への入力信号に対してクリップ処理を施すソフトクリッパ回路14を備える。
ソフトクリッパ回路14は、温度・クリップ量変換回路13から与えられるクリップ量に応じて制限された場合の最大振幅値である振幅制限値を超えないように入力信号の振幅を制限(クリップ)するものである。ただし、本来の信号を振幅制限値で直ちにクリップするのではなく、滑らかに振幅制限値に至るような出力波形に変換するものである。つまり、ソフトクリッパ回路14としては、ダイオードの一端に印加される入力信号の振幅が、該ダイオードにおける他端の電圧によって決まる振幅制限値に達する際に該ダイオードが導通することによって、増幅器11に入力される入力信号の振幅を振幅制限値以下となるように制限するものが用いられる。これによれば、入力電圧が所定値を超えると出力電圧が徐々に立ち上がるダイオードの特性により、急峻なクリップとはならずに滑らかに振幅制限値に達するソフトクリップを行い、不要な高周波成分を低減させることができる。
温度検出回路12は、増幅器11の温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ等の温度検出素子を用いて構成され、温度検出素子の抵抗値が、増幅器11の温度が所定の温度制限値Tc以上のときの抵抗値である場合に、該抵抗値の変化に応じて変化する電圧を温度検出信号として、温度・クリップ量変換回路13に供給する。温度・クリップ量変換回路13は、該温度検出信号に基づき、上述のダイオードにおける他端の電圧を該温度検出素子の抵抗値の変化に応じてリアルタイムで連続的に変化させる制御電圧を、クリップ量を表すものとして生成し、ソフトクリッパ回路14に供給する。
図2は図1の増幅装置の具体例を示す回路図である。図2中の15は入力信号Vinに所定のゲインを付与するオペアンプである。同図に示すように、温度検出回路12は電源端子Vに一端が接続され、増幅器11の温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタTH、サーミスタTHの他端にエミッタが接続されたPNPトランジスタTr1、電源端子Vにコレクタが接続され、エミッタがトランジスタTr1のベースに接続されたNPNトランジスタTr2、トランジスタTr2のエミッタ及びグラウンド間に接続された抵抗R1、トランジスタTr1のコレクタに一端が接続された抵抗R2、抵抗R2の他端に一端が接続された抵抗R3、抵抗R3の他端及びグラウンド間に接続された抵抗4、抵抗R3に並列に接続された電界コンデンサC1、並びに、抵抗R3及びR4間の接続点と−15ボルト電源との間に接続された抵抗R5を備える。トランジスタTr2は組込み抵抗を有するデジタルトランジスタであり、組込み抵抗の1つを介してベースが電源端子Vに接続されている。
クリッパ制御回路(温度・クリップ量変換回路)13は、抵抗R2及びR3間の接続点に一端が接続された抵抗R6、抵抗R6の他端にベースが接続されたNPNトランジスタTr3、トランジスタTr3のコレクタ及び15V電源間に接続された抵抗R7、+15V電源に一端が接続された抵抗R8、抵抗R8の他端及びトランジスタTr3のエミッタ間に接続された抵抗R9、トランジスタTr3のエミッタ及び−15ボルト電源間に接続された抵抗R10、トランジスタTr3のコレクタに一端が接続された抵抗R11、及び抵抗R11の他端及び−15ボルト電源間に接続された抵抗R12を備える。
ソフトクリッパ回路14は、抵抗R11及びR12間の接続点にベースが接続され、コレクタが−15ボルト電源に接続されたPNPトランジスタTr4、トランジスタTr4のエミッタ及び+15ボルト電源間に接続された抵抗R13、抵抗R8及びR9間の接続点にベースが接続され、コレクタが+15ボルト電源に接続されたNPNトランジスタTr5、トランジスタTr5のエミッタ及び−15ボルト電源間に接続された抵抗R14、トランジスタTr4のエミッタに一端が接続された抵抗R15、抵抗R15の他端にカソードが接続されたダイオードD1、トランジスタTr5のエミッタに一端が接続された抵抗R16、抵抗R16の他端にアノードが接続されたダイオードD2、オペアンプ15の出力端子に一端が接続された抵抗R17、抵抗R17の他端及び増幅器11の入力端子間に接続された抵抗R18を備える。ダイオードD1のアノード及びダイオードD2のカソードはともに抵抗R17及びR18間の接続点に接続されている。
図3は図1の増幅装置の入出力特性を示す。横軸が増幅装置に入力される入力信号VinのレベルViであり、縦軸が増幅装置から出力される出力信号VoutのレベルVoである。なお、図3においては、入力信号Vinの波形及び出力信号Voutの波形例を併せて示している。図中のVtはソフトクリッパ回路14によりソフトクリップ処理がなされる場合の出力信号レベルVoのピーク値(振幅制限値)である。つまり、出力信号Voutにおいてはピーク値Vtを超える部分についてクリップされている。Vp及びVminはピーク値Vtの最大値及び最小値である。すなわちピーク値Vtは、最大ピーク値Vp及び最小ピーク値Vminの間で、温度検出回路12により検出される増幅器11の温度に応じて変化する。ここでは、最大ピーク値Vpとピーク値Vtとの差ΔV(=Vp−Vt)をピーク値がVtである場合のクリップ量という。最大ピーク値Vpは、本来の増幅器電源の実力によるクリップのレベルである。最小ピーク値Vminとしては、クリップによる音量感の変化を感じさせない範囲内での最低のレベルが該当する。
図4は増幅器11の温度変化を示すグラフである。横軸は時間t、縦軸は増幅器11の温度Tである。図中の41は時間tに対する増幅器11の温度Tの変化を示すグラフ曲線である。破線42は、ソフトクリッパ回路14に代えて従来の保護回路を適用した場合における増幅器11の温度変化を示すグラフ曲線である。Tmaxは増幅器11において熱によるデバイスの破損を生じさせない温度範囲の最大値である。T1は従来の保護回路において、それ以上増幅器11の温度が上昇するのを防止するために出力をオフ状態とする温度であり、T2は出力をオフ状態とした後、出力を再開するときの温度である。
図2の回路は次のように動作して、上述図3の入出力特性を実現し、図4のグラフ曲線41で示されるような増幅機11の温度変化を達成する。すなわち、動作を開始すると、増幅器11の温度Tが温度制限値Tcを下回っている間は、サーミスタTHの抵抗値は所定値を超えているので、トランジスタTr2はオン状態である。このため、トランジスタTr2のエミッタ電圧V1はトランジスタTr1をオン状態とするまで下降することはなく、トランジスタTr1はオフ状態を維持する。このとき、トランジスタTr3、Tr4及びTr5はオフ状態にあり、トランジスタTr3のコレクタ電圧V3は6[V]、トランジスタTr4のエミッタ電圧は5[V]、トランジスタTr5のベース電圧V5及びエミッタ電圧V6はそれぞれ−6[V]及び−5[V]である。
この後、増幅器11の温度Tが温度制限値Tcに達すると、サーミスタTHの抵抗値は所定値以下となるので、トランジスタTr2はオフ状態となり、電圧V1が低下し、トランジスタTr1がオン状態となる。さらに増幅器11の温度TがTcを超えると、サーミスタTHの抵抗値が減少し、トランジスタTr1のコレクタ電流が増加し、電圧V2が上昇する。すなわち、温度TのTcからの増大量ΔTが、電圧V2の増大量ΔV2となって現れることになる。このようにして温度検出回路12は、増幅器11の温度Tが温度制限値Tc以上の場合に、温度Tに応じた電圧V2を、温度検出信号として出力する。
増幅器11の温度TがTcに達すると、電圧V2によってトランジスタTr3がオン状態となる。この状態において電圧V2がさらに上昇すると、トランジスタTr3のコレクタ電流が増加してコレクタ−エミッタ間電圧が小さくなり、トランジスタTr3のコレクタ電圧V3が+6[V]よりも小さくなるとともに、トランジスタTr5のベース電圧V5が−6[V]よりも大きくなる。この電圧V3は抵抗R11を介してトランジスタTr4のベースに対しプラス側制御電圧として印加される。電圧V5はトランジスタTr5のベースに対しマイナス側制御電圧として印加される。このようにして、クリッパ制御回路13は、増幅器11の温度Tが温度制限値Tc以上の場合に、温度検出回路12からの温度検出信号V2のレベルに応じたレベルの制御電圧をソフトクリッパ回路14に出力する。
電圧V3が+6[V]より小さくなると、トランジスタTr4はオン状態となる。そしてトランジスタTr4の特性に従い、電圧V3の減少分だけ、電圧V4は5[V]よりも小さくなる。同様に、電圧V5が−6[V]より大きくなると、トランジスタTr5はオン状態となる。そして、トランジスタTr5の特性に従い、電圧V5の増加分だけ、電圧V6は−5[V]よりも大きくなる。すなわち、増幅器11の温度Tが温度制限値Tc以上の場合には、ダイオードD1のカソード電圧及びダイオードD2のアノード電圧は、増幅器11の温度Tの増加に応じて減少及び増加する。これに伴い、ダイオードD1及びD2を導通させるダイオードD1及びD2のアノード及びカソード電圧も減少及び増加する。これに応じて、クリップ量ΔVが増加する。このようにして、ソフトクリッパ回路14は、クリッパ制御回路13からの制御電圧に基づき、増幅器11の温度Tが温度制限値Tc以上の場合、増幅器11の温度Tが増加するほど、クリップ量ΔVを増加させ、ピーク値Vtを減少させる。
これによれば、たとえば図3に示すように、ピークレベルが最大ピーク値Vpである入力信号の波形31が入力された場合、増幅器11の温度Tが温度制限値Tc以下であれば出力信号の波形32のようにクリップされることはないが、増幅器11の温度Tが温度制限値Tcを超えた場合には、波形33のように、温度Tに対応するクリップ量ΔVだけクリップされる。クリップの形態は、ダイオードD1及びD2の特性により、上述のソフトクリップとなる。最大振幅値Vtは温度Tが増加するほど低下し、波形34のように、最小値Vminまで低下することが可能である。最小値Vminは抵抗R15及びR16により決定することができる。
すなわち温度検出回路12、クリッパ制御回路13、及びソフトクリッパ回路14は、増幅器の11の温度が温度制限値Tcを超えて上昇することのないように、増幅器11の温度が温度制限値Tcに達した場合には、増幅器11の温度に基づいてクリップ量ΔVを調整し、増幅器11の温度を温度制限値Tcに維持させるフィードバック制御を行う。
以上説明したように、従来技術によれば、増幅器が所定の温度に達すると、増幅器の入力信号をミュートして出力をオフ状態とし、若しくは増幅器の入力信号レベルをアッテネートし、若しくは入力信号を減衰させ、又は入力信号のレベルを段階的に制限して出力レベルを下げることにより増幅器の温度を下げるようにしていたため、出力信号において音切れや違和感を生じさせていたのに対し、本実施形態によれば、増幅器が所定の温度に達すると、ソフトクリップを掛け始め、その後の温度上昇の度合いに応じて予め設定した深さVminまでのソフトクリップを行うようにしたため、出力信号における音切れや違和感を感じさせることなく、増幅器の温度を一定温度Tcに維持することができる。
すなわち、増幅器11の温度が温度制限値Tcに達した場合、それ以上の温度の上昇を抑制すべく、増幅器11の温度に基づき、リアルタイムでクリップ量ΔVを制御するようにしたため、音切れを発生することなく、増幅器11の温度が温度制限値Tc以上に上昇するのを防止することができる。
また、最小ピーク値Vminを、クリップによる音量感の変化を感じさせないレベルの範囲内で設定するようにしたため、音量感やパワー感をさほど変化させることなく、上記効果を奏することができる。
また、ピーク値を制限するクリップの形態として、ソフトクリップを行うようにしたため、大音量の入力信号の原型を保ちながら、大音量を楽しむユーザに対して音量感の変化や低域におけるパンチ力の劣化をさほど感じさせることなく、上記効果を奏することができる。
また、ソフトクリッパ回路14を採用するようにしたため、従来の信号レベルを制限するリミッタ回路において増大する傾向にあり、高域用スピーカであるツイータに対する負荷を増大させ、ツイータの破損を生じさせるおそれのある不要な高周波成分を低減させることができる。
なお、本発明は上述実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。たとえば、上述においては言及しなかったが、増幅器11における発熱量が多すぎるために、クリップ量ΔVの調整によっては増幅器11の温度を温度制限値Tcに収束させることができず、増幅器11の温度が温度制限値Tcを超えてさらにT1に達した場合には、従来のように増幅装置をシャットダウンするようにしてもよい。
また、上述においては、1チャンネルの音声信号を増幅する増幅装置について説明したが、これに限らず、4チャンネルや2チャンネルの音声信号を増幅する増幅装置についても本発明を適用することができる。
本発明の一実施形態に係る増幅装置の構成を示すブロック図である。 図1の増幅装置の具体例を示す回路図である。 図1の増幅装置の入出力特性を示す図である。 図1の増幅装置における増幅器の温度変化を示すグラフである。
符号の説明
11:増幅器、12:温度検出回路、13:温度・クリップ量変換回路(クリッパ制御回路)、14:ソフトクリッパ回路、15:オペアンプ、31〜34:波形、41,42:グラフ曲線、C1:電界コンデンサ、D1,D2:ダイオード、R1〜R18:抵抗、Tr1〜Tr5:バイポーラトランジスタ。

Claims (6)

  1. ダイオードの一端に印加される音声信号の振幅が、該ダイオードにおける他端の電圧によって決まる所定の振幅制限値に達する際にダイオードが導通することによって、増幅器に入力される前記音声信号の振幅を前記所定の振幅制限値以下となるように制限する振幅制限回路と、
    前記増幅器の温度に応じて抵抗値が変化する温度検出素子と、
    前記ダイオードにおける他端の電圧を前記温度検出素子の抵抗値の変化に応じてリアルタイムで連続的に変化させる制御電圧を生成し、前記振幅制限回路に供給することにより前記増幅器の温度が所定の温度制限値以上に上昇するのを防止する温度上昇防止回路とを具備することを特徴とする増幅器の保護回路。
  2. 前記温度上昇防止回路は、
    前記温度検出素子の抵抗値が、前記増幅器の温度が前記温度制限値以上のときの抵抗値である場合に、該抵抗値の変化に応じて変化する電圧を温度検出信号として出力する温度検出回路と、
    前記温度検出信号に基づいて前記制御電圧を出力する制御回路とを有することを特徴とする請求項1に記載の増幅器の保護回路。
  3. 前記振幅制限回路は、
    前記増幅器に入力される音声信号がアノードに印加される第1のダイオードと、
    該音声信号がカソードに印加される第2のダイオードとを備え、
    前記他端の電圧は、前記第1ダイオードのカソードに印加されるプラス電圧及び前記第2ダイオードのアノードに印加されるマイナス電圧であることを特徴とする請求項1又は2に記載の増幅器の保護回路。
  4. 前記制御電圧は前記プラス電圧を変化させるためのプラス側制御電圧及び前記マイナス電圧を変化させるためのマイナス側制御電圧であり、
    前記振幅制限回路は、
    所定のプラス電源及びマイナス電源間の電圧を分圧して前記プラス電圧を生成するプラス電圧生成回路と、
    所定のプラス電源及びマイナス電源間の電圧を分圧して前記マイナス電圧を生成するマイナス電圧生成回路とを備え、
    前記プラス電圧生成回路は、前記プラス側制御電圧に基づいて前記プラス電圧を下降させる第1の電流制限素子を備え、
    前記マイナス電圧生成回路は、前記マイナス側制御電圧に基づいて前記マイナス電圧を上昇させる第2の電流制限素子を備えることを特徴とする請求項1から3に記載の増幅器の保護回路。
  5. 前記制御回路は、
    所定のプラス電源及びマイナス電源間の電圧を分圧して前記プラス側制御電圧を生成する第1の分圧回路と、
    所定のプラス電源及びマイナス電源間の電圧を分圧して前記マイナス側制御電圧を生成する第2の分圧回路と、
    前記第1分圧回路及び第2分圧回路間に介在し、前記温度検出信号に応じて前記プラス側制御電圧及びマイナス側制御電圧を変化させる第3の電流制限素子を備えることを特徴とする請求項4に記載の増幅器の保護回路。
  6. 前記温度検出回路は、前記温度検出素子の抵抗値の変化に応じて変化する電圧を前記温度検出信号として出力する検出信号出力回路と、
    前記検出信号出力回路からの温度検出信号の出力をオン・オフ制御する第1のスイッチング素子と、
    前記温度検出素子の抵抗値が、前記増幅器の温度が前記温度制限値以上のときの抵抗値である場合に前記温度検出信号の出力がオン状態となるように前記第1スイッチング素子を制御する第2のスイッチング素子とを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の増幅器の保護回路。
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