JP5109884B2 - 金属被覆光ファイバ - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバの外周に金属被覆層が形成された金属被覆光ファイバに関するものである。
金属被覆光ファイバは、光ファイバ(ガラスファイバ)の外周に金属被覆層(金属被覆)を施したものであり、耐熱用途や気密パッケージ用途のほか、光と電気とを流すことができる特徴を活かしたセンサ用途など、様々な分野で活用されている。従来、金属被覆層の形成には、メッキ法が用いられている。メッキ法による金属被覆では、はじめに、光ファイバの外周に無電解メッキ層を施した後、この無電解メッキ層を電気導体として電解メッキにより電解メッキ層を形成する。
一般的な通信用の光ファイバでは、ケーブル寿命を20〜25年間と想定しており、光ファイバには約1%のプルーフ歪(破断伸び)に耐え得る強度が必要とされる。一方、金属被覆光ファイバは耐熱用途などに使用されるため、通信用の光ファイバに比べて更に高い信頼性が要求され、約1.5%のプルーフ歪(破断伸び)に耐えられることが必要であ
る。
ところが、金属被覆層の欠点として、紫外線硬化型樹脂などからなる一般的な樹脂被覆層に比べて伸び性(破断伸び)に劣るために金属被覆層にクラックが入って光ファイバの破断を引き起こすという問題があった。
この原因の一つとして、メッキ法による無電解メッキ層は、内部応力および硬度が高く、柔軟性が乏しいということがある。そこで、上述した問題を解決するような電解メッキを施すために必要な最低限の厚さの無電解Niメッキ層を形成した後、その上に、内部応力が低く、柔軟性に富む電解Niメッキ層と電解Auメッキ層を被覆した金属被覆光ファイバが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−241034号公報
しかしながら、上述したメッキ法による金属被覆は成膜速度が遅く、製造工程も煩雑であって量産化が難しく、結果として金属被覆光ファイバのコストが高くなってしまう。例えば、金属被覆層の柔軟性を高めた上記特許文献1の金属被覆光ファイバを得るためには、光ファイバの表面を洗浄し、無電解Niメッキ液に浸漬して必要最低限の厚さで精度よく無電解Niメッキの下地層を形成した後に、更に電解Niメッキ層、電解Auメッキ層を形成しなければならない。
また、メッキ法による金属被覆では、長尺の光ファイバの外周に長手方向にわたって均一な厚さの金属被覆層を連続して形成することが難しいため、量産性に乏しいことに加えて、金属被覆光ファイバの長手方向で破断伸びにバラツキが生じてしまう。
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決するものであり、量産性に優れると共に、長手方向にわたり1.5%以上の破断伸びを有する金属被覆光ファイバを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、光ファイバの外周に金属被覆層が形成された金属被覆光ファイバにおいて、前記金属被覆層は、体積抵抗率が1.1×10-5Ω・cm未満であり、表面粗さRaが30nm以下であり、銀からなる金属微粒子を焼結させたものである金属被覆光ファイバが提供される。
本発明の第の態様によれば、前記金属被覆層は、粒子の表面に保護膜が形成されている金属微粒子を溶媒に分散させた金属微粒子ペーストを前記光ファイバの外周に塗布し、焼結させたものである第1の態様に記載の金属被覆光ファイバが提供される。
本発明の第の態様によれば、前記金属微粒子は、平均粒子径が100nm未満である第1または第2の態様に記載の金属被覆光ファイバが提供される。
本発明によれば、量産性に優れると共に、長手方向にわたり1.5%以上の破断伸びを有する金属被覆光ファイバを提供することができる。
以下、本発明に係る金属被覆光ファイバの実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の金属被覆光ファイバ3の概略構造を示した断面図である。金属被覆光ファイバ3は、光ファイバ1と、光ファイバ1の外周に金属微粒子を焼結して形成した金属被覆層2とで構成されている。金属被覆層2は、例えば、光ファイバ1の外周に金属微粒子ペーストを塗布し、塗布された金属微粒子ペーストを焼結することにより形成される。
光ファイバ1は、石英系ガラスなどから成る光ファイバ裸線(裸光ファイバ、ガラスファイバ)であり、コアとその周りを囲むクラッドとを有する。光ファイバ1は、シングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバなど各種のものでよい。
上記金属微粒子は、銀微粒子が好ましい。ナノオーダーの銀微粒子では300℃程度の加熱(焼成)により、良質な金属被覆層を形成できる。また、金属微粒子の材料としては、銀以外にも、金、銅、ニッケル、白金などの金属、或いはこれら金属を含む合金が挙げられる。
金属微粒子ペーストは、金属微粒子が溶媒(デカノールなど)中に分散されたものである。金属微粒子ペーストは、ペースト状ないし液体状であって塗布に適しているが、必要に応じて溶媒量を加減して粘度を調整するのが良い。
また、金属微粒子の分散性・塗布均一性を高めるために、金属微粒子ペースト中の金属微粒子は、その表面が例えば、脂肪族アミンなどからなる分散剤で覆われているものが好ましい。この分散剤は、粒子の表面に保護膜を形成するので、この保護膜によって金属微粒子ペースト中の金属微粒子同士が結合し、凝集してしまうのを防ぐことができる。これにより、金属微粒子が金属微粒子ペースト中に均一に分散し易くなり、凝集による金属被覆層の厚さのバラツキを低減することができるため、光ファイバの外周に均一な厚さの金
属被覆層を形成することができる。
上記金属微粒子の平均粒子径は、100nm未満であるのが好ましい。このような、いわゆるナノ金属粒子では、その金属の融点よりも相当に低い温度(数100℃程)での加熱によって焼結して金属被覆層を形成することが可能となる。金属微粒子の平均粒子径は、1〜10nm程度がより好ましい。
ここで、平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡により測定した粒子径の粒度分布から求めた平均径のことであって、平均径は、粒度分布を小粒子径側から積算した積算値50%の粒度のことである。
金属被覆層2は、体積抵抗率が1.1×10−5Ω・cm未満であり、かつ表面粗さR
aが30nm以下であるのが好ましく、また、金属被覆層2は、金属被覆光ファイバ1の破断伸びが1.5%以上となるときの金属被覆層2の体積抵抗率の上限値が、金属被覆層
2の飽和体積抵抗率の4倍未満であり(本発明における「飽和体積抵抗率」の定義は後述する)、かつ表面粗さRaが30nm以下であるのが好ましい。これら特性・性状の金属被覆層2は、破断伸びが大きく、金属被覆光ファイバの可撓性・信頼性を向上できる。表面粗さRaは算術平均粗さのことであり、算術平均粗さRaは日本工業規格に規定されている。
図2は、図1の上記実施形態の金属被覆光ファイバ3を製造する金属被覆光ファイバ製造装置の概略構成図を示すものである。この製造装置の構成は、熱硬化型樹脂を被覆する光ファイバの線引装置とほぼ同様の構成である。
金属被覆光ファイバ製造装置は、図2に示すように、光ファイバ母材10を加熱して線引する高純度カーボン製の炉心管7とその外周に設置されるヒータ6とを有する線引炉5を備えている。
線引炉5から線引される光ファイバ1の垂直な線引ラインには、線引炉5で線引された光ファイバ1の外径を測定する外径測定器8と、外径測定器8を通過した光ファイバ1に金属微粒子ペーストPを塗布するダイス9と、ダイス9で塗布された金属微粒子ペーストPを焼結するためのヒータ13を備えた管状の第1焼付炉(加熱炉、焼結炉)11及び第2焼付炉(加熱炉、焼結炉)12と、第2焼付炉12を通過した金属被覆光ファイバ3の外径を測定する外径測定器14と、外径測定器14を通過した金属被覆光ファイバ3を方向転換するターンプーリー15とが設けられている。ターンプーリー15で方向転換された金属被覆光ファイバ3は、引取キャプスタン16と引取機17とからなる引取機構部で引き取られ、巻取機18に巻き取られるように構成されている。
次に、上記金属被覆光ファイバ製造装置を用いた金属被覆光ファイバの製造について説明する。
線引炉5内に挿入した光ファイバ母材10を一定速度で垂直に降下しながら、ヒータ6で光ファイバ母材10を加熱して、光ファイバ母材10の先端部を溶融して線引する。炉心管7の底部中央にはファイバ出口が設けられており、このファイバ出口から線引されて出てくる光ファイバ1の外径をレーザ式の外形測定器8で連続的に計測する。計測された目標ファイバ径に対する偏差信号に基づいて、ファイバ径が均一になるように、引取機17の引取速度をフィードバック制御する。
外径測定器8の直下には、金属微粒子ペーストPで充填されたダイス9が設けられており、ダイス9を挿通する光ファイバ1の外周に金属微粒子ペースト9を塗布する。ダイス9は、一般的な紫外線硬化型樹脂を被覆する光ファイバの線引工程で使用するものと同様な構造であるが、焼成後の光ファイバ1外周の金属被覆層2の膜厚が所望の値(例えば5μm)になるように、ダイス9の最終出口部のノズル径を変更して調整している。
光ファイバ1に塗布された金属微粒子ペーストPの金属微粒子は、2台の焼付炉11、12において加熱されて焼結される。第1焼付炉11では、金属微粒子ペーストPの溶媒を除去する温度領域まで加熱する。第2焼付炉12では、金属微粒子表面の凝集を阻止する分散剤を除去する温度領域まで加熱して金属微粒子を焼結する。こうして、光ファイバ1の外周に金属被覆層2を形成した金属被覆光ファイバ3が得られる。
外径測定器14を通過した金属被覆光ファイバ3は、ターンプーリー15で方向転換され、引取キャプスタン16及び引取機17で引き取られ、最後に巻取機19に巻き取られる。
上記のように、光ファイバの線引ラインで、光ファイバを線引すると共に、金属微粒子ペーストを塗布、焼結することにより、金属被覆光ファイバを連続的に製造することができる。このような構成によって、従来のメッキ法に比べて格段に迅速かつ簡易に、しかも長尺の光ファイバの外周に、長手方向にわたって均一な厚さの金属被覆層を連続して形成することができるため、長手方向にわたり1.5%以上の破断伸びを有する金属被覆光ファイバを製造することができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
実施例では、図2に示す金属被覆光ファイバ製造装置を用いて金属被覆光ファイバを作製した。
光ファイバ母材10には外径15mmの石英系シングルモード光ファイバ用母材を用いた。線引炉5内を2000〜2200℃に加熱して線引した。炉心管7の底部中央のファイバ出口は内径5mmの開口とした。線引される光ファイバ1の外径が125μmとなるように、光ファイバ母材10の線引炉5への供給速度を2.1mm/minとし、光ファ
イバ1の線引速度をおおよそ30m/minにした。
第1焼付炉11、第2焼付炉12の長さはそれぞれ6.0mで、焼付炉11、12内に
はヒータ13が上下に3ゾーンに分かれて配置されており、各ゾーンのヒータ13は個別に温度設定ができるようになっている。第1焼付炉11では、溶媒・粘度調整剤であるデカノールの突沸を避けるために、炉内の温度が下方に向かって徐々に高くなるように、3ゾーンのヒータ13の設定温度をそれぞれ変えた。第2焼付炉12では、銀微粒子ペーストの分散剤を除去する温度まで加熱して銀微粒子を焼結したが、炉内の3ゾーンのヒータ13の設定温度は全て同一にした。
(実施例1)
金属微粒子ペーストPには、平均粒子径3〜7nmの銀微粒子が分散している銀微粒子ペースト(ハリマ化成製のNPS−HTB(商品名))を用い、この銀微粒子ペーストにデカノールを加えて希釈し粘度を1Pa・sに調整した銀微粒子ペーストをダイス9内に充填した。また、焼成後の銀の金属被覆層の厚さが5μmとなるようにダイス9の最終出口部のノズル径を調整した。
第1焼付炉11及び第2焼付炉12の各ヒータの設定温度条件を、表1に示す温度条件1〜8の下で金属被覆光ファイバを製造した。
Figure 0005109884
表1に示す種々のヒータ設定温度条件で作製された金属被覆光ファイバに対して測定を行った、金属被覆光ファイバの破断伸びの測定結果を図3に、金属被覆層の体積抵抗率の測定結果を図4に、また金属被覆層の表面粗さRaの測定結果を図5に、それぞれ示す。
図3に示すように、第2焼付炉の設定温度が300℃のときに、破断伸びは最大値2.
8%となった(このときの金属被覆光ファイバの表面粗さRaは20nmであり、伝送損失は0.3dB/kmと従来の樹脂被覆光ファイバと同等に低損失であった)。また、2
75℃未満の設定温度のとき及び375℃を超える設定温度のときに、破断伸びは1.5
%未満となった。また、図4に示すように、第2焼付炉が250℃から300℃の間のときに体積抵抗率は急激に減少し、300℃以上になると体積抵抗率は約3.0×10−6
Ω・cmとほぼ一定の値となった。このことから、第2焼付炉の設定温度が300℃で金属被覆層の焼結はほぼ完了していることがわかる。また、275℃未満のとき破断伸びが1.5%未満である原因は、銀から成る金属被覆層の焼結が不十分であるために金属被覆
層にクラックが発生しやすいからである。
図3及び図4から、第2焼付炉の設定温度が275℃以上となると、銀の金属被覆層の焼結が進行して金属被覆光ファイバの体積抵抗率が1.1×10−5Ω・cm未満となっ
て、破断伸びは1.5%以上となるが、第2焼付炉が375℃を超える設定温度のときは
、体積抵抗率が約3.0×10−6Ω・cmと十分に焼結しているにもかかわらず、破断
伸びは1.5%よりも小さくなる。
第2焼付炉が375℃を超える設定温度のときは、図5に示すように、金属被覆光ファイバの表面粗さRaは30nmよりも大きく、破断伸びは1.5%より小さくなる。この
結果から、細径で可撓性が求められる金属被覆光ファイバにおいては、光ファイバの長手方向にわたり表面粗さRaが30nm以下の平滑な金属被覆層を形成するのが望ましい。
以上のことから、金属微粒子の焼結により形成される金属被覆層の体積抵抗率が1.1
×10−5Ω・cm未満であり、かつ金属被覆層の表面粗さRaが30nm以下であれば、破断伸びが1.5%以上である金属被覆光ファイバが得られることが分かる。
(実施例2)
実施例1と同様の製造条件で金属被覆光ファイバを製造した。実施例1と異なる点は、実施例1の銀微粒子ペースト(ハリマ化成製のNPS−HTB)の代わりに、平均粒子径3〜7nmの銀微粒子が分散している銀微粒子ペースト(三ツ星ベルト製のMdot−SS(商品名))を用いたことである。この銀微粒子ペーストにデカノールを加えて希釈し粘度を1Pa・sに調整した銀微粒子ペーストをダイス9内に充填した。また、焼成後の銀の金属被覆層の厚さが5μmとなるようにダイス9の最終出口部のノズル径を調整した
第1焼付炉11及び第2焼付炉12の各ヒータの設定温度条件を、表2に示す温度条件1〜5の下で金属被覆光ファイバを製造した。
Figure 0005109884
表2に示す種々のヒータ設定温度条件で作製された金属被覆光ファイバに対して測定を行った、金属被覆光ファイバの破断伸びの測定結果を図6に、金属被覆層の体積抵抗率の測定結果を図7に、また金属被覆層の表面粗さRaの測定結果を図8に、それぞれ示す。
図6に示すように、第2焼付炉の設定温度が425℃のときに、破断伸びは最大値2.
5%となり、設定温度が400℃以下及び500℃以上のときに、破断伸びは1.5%未
満となった(なお、第2焼付炉が550℃のときは金属被覆層の剥離が発生してしまい、破断伸びを測定することはできなかった)。また、図7に示すように、第2焼付炉が400℃から425℃の間で、金属被覆層の体積抵抗率は急激に減少し、425℃を超えると体積抵抗率は約8.0×10−6Ω・cmとほぼ一定の値となった。このことから、実施
例2においても焼結がほぼ完了する温度である425℃前後において破断伸びが最大になることがわかる。また、図6及び図8から、第2焼付炉の設定温度が450℃から500℃の間で、破断伸びは1.5%未満となり、表面粗さRaも30nmよりも大きくなる。
図6〜図8に示すデータから判断すると、金属被覆層の体積抵抗率が概ね3.1×10
−5Ω・cmよりも小さく、かつ金属被覆層の表面粗さRaが30nm以下であれば、破断伸びが1.5%以上の金属被覆光ファイバが得られることが分かる。
以上、実施例1及び実施例2の結果を総合的に検討すると、少なくとも、金属被覆層の体積抵抗率が1.1×10−5Ω・cm未満であって、かつ金属被覆層の表面粗さRaが
30nm以下を満足すれば、破断伸びが1.5%以上の金属被覆光ファイバが得られると
いえる。
また、実施例1と実施例2では、使用した銀微粒子ペーストの違いによって、金属被覆光ファイバの破断伸びが1.5%以上であるときの、金属被覆層の体積抵抗率の上限値が
異なった。
実施例1と実施例2における、破断伸び1.5%以上となる体積抵抗率の上限値と、体
積抵抗率が飽和したときの飽和体積抵抗率と、前記上限値と前記飽和体積抵抗率との比率と、を表3に示す。なお、本発明において飽和体積抵抗率とは、金属微粒子を250℃以上の温度で焼結して金属被覆層を形成した際に、金属被覆層の体積抵抗率が焼結温度の変化によらずにほぼ一定となって飽和したときの体積抵抗率の値と定義する。
Figure 0005109884
表3に示すように、実施例1、実施例2で異なる種類の銀微粒子ペーストを用いたが、前記比率はいずれも4倍未満となった。また、上記実施例1、2で使用した銀微粒子ペースト以外の銀微粒子ペースト(銀微粒子の平均粒子径が100nm未満)を用いた場合においても、前記比率は4倍未満であった。
以上より、金属被覆光ファイバの破断伸びが1.5%以上となるときの金属被覆層の体
積抵抗率の上限値が、金属被覆層の飽和体積抵抗率の4倍未満で、かつ金属被覆層の表面粗さRaが30nm以下であれば、破断伸びが1.5%を超える可撓性を有する金属被覆
光ファイバが得られることが分かった。
(比較例)
金属微粒子ペーストとして、平均粒子径100〜120nmの銀微粒子が分散している銀微粒子ペーストを用いた。その他の製造条件は実施例1と同様にして金属被覆光ファイバを製造した。その結果、体積抵抗率がほぼ一定となって金属被覆層の焼結がほぼ完了した焼成条件でも、得られた金属被覆光ファイバの表面粗さRaは30nmよりも大きく、破断伸びは1.0%以下であった。このことから、破断伸びに優れた可撓性を有する金属
被覆光ファイバを得るためには、金属微粒子ペースト中に分散された金属微粒子の平均粒子径は100nm未満とするのがよい。
(応用例)
本発明は、上記実施形態のように光ファイバの外周に金属被覆層を形成する金属被覆光ファイバに適用できるだけではなく、例えば、中心導体の外周に低誘電率の絶縁被覆層と導電シールド層とを有する同軸シールド線にも適用することができる。具体的には、同軸シールド線の絶縁被覆層に耐熱性の高いPFAを用いれば、PFAは約300℃の環境で数十秒間の耐熱性を有するので、上記実施例と同様な線材送り速度および焼成条件で、PFAの絶縁被覆層の外周に金属微粒子ペーストを塗布し焼結することにより、金属微粒子を焼結した導電シールド層を形成できる。また、同軸シールド線の導電シールド層の体積抵抗率が1.1×10−5Ω・cm未満で、かつ導電シールド層の表面粗さRaが30n
m以下であれば、十分な可撓性を有する同軸シールド線が得られる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明の実施形態にかかる金属被覆光ファイバの構造を示す断面図である。 本発明の実施形態及び実施例で用いた金属被覆光ファイバ製造装置を示す概略構成図である。 実施例1における金属被覆光ファイバの破断伸びの測定結果を示す図である。 実施例1における金属被覆光ファイバの金属被覆層の体積抵抗率の測定結果を示す図である。 実施例1における金属被覆光ファイバの金属被覆層の表面粗さRaの測定結果を示す図である。 実施例2における金属被覆光ファイバの破断伸びの測定結果を示す図である。 実施例2における金属被覆光ファイバの金属被覆層の体積抵抗率の測定結果を示す図である。 実施例2における金属被覆光ファイバの金属被覆層の表面粗さRaの測定結果を示す図である。
符号の説明
1 光ファイバ
2 金属被覆層
3 金属被覆光ファイバ
5 線引炉
6 ヒータ
7 炉心管
8 外径測定器
9 ダイス
10 光ファイバ母材
11 第1焼付炉
12 第2焼付炉
13 ヒータ
14 外径測定器
15 ターンプーリー
16 引取キャプスタン
17 引取機
18 巻取機
P 金属微粒子ペースト

Claims (3)

  1. 光ファイバの外周に金属被覆層が形成された金属被覆光ファイバにおいて、
    前記金属被覆層は、体積抵抗率が1.1×10-5Ω・cm未満であり、表面粗さRaが30nm以下であり、銀からなる金属微粒子を焼結させたものであることを特徴とする金属被覆光ファイバ。
  2. 前記金属被覆層は、粒子の表面に保護膜が形成されている金属微粒子を溶媒に分散させた金属微粒子ペーストを前記光ファイバの外周に塗布し、焼結させたものであることを特徴とする請求項に記載の金属被覆光ファイバ。
  3. 前記金属微粒子は、平均粒子径が100nm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属被覆光ファイバ。
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