JP2010021026A - 電線およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜速度が速く、容易に金属皮膜を成膜でき、量産性に優れかつ低コストであり、長手方向にわたり緻密で膜厚が一様な金属皮膜を形成可能な電線およびその製造方法を提供する。
【解決手段】非金属からなる線状部材2と、その線状部材2の外周に形成された導体3と、その導体3の外周に形成された絶縁層4とを備え、導体2は、平均粒子径が500nm以下の金属微粒子を焼結させた金属皮膜である。
【選択図】図1
【解決手段】非金属からなる線状部材2と、その線状部材2の外周に形成された導体3と、その導体3の外周に形成された絶縁層4とを備え、導体2は、平均粒子径が500nm以下の金属微粒子を焼結させた金属皮膜である。
【選択図】図1
Description
本発明は、非金属からなる線状部材の外周に金属皮膜からなる導体を形成した電線およびその製造方法に係り、特に、導体の原料として金属微粒子を用いた電線およびその製造方法に関するものである。
自動車のモーター、コンデンサーなどのコイルに用いられている電線、あるいは電磁波遮へいの機能を有する電線として、非金属からなる線状部材を中心として、この線状部材の周囲に金属皮膜からなる導体を設けた積層構造の電線が使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。このような構造の電線を用いることにより、電線の重量を軽減したり、電線に流すことのできる電流を向上させることが可能となる。
非金属からなる線状部材の周囲に金属皮膜からなる導体を形成するための主な方法としては、従来、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン注入法、イオンプレーティング法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの気相法、あるいは、例えば、無電解(化学)めっき法、電解めっき法などの液相法が提案されている。
しかしながら、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの気相法の場合、製造設備および金属皮膜(導体)の成膜速度において問題がある。
製造設備については、反応容器内の真空化が必要であり、かつ反応容器に入口と出口を設けて線状部材を通過させる必要がある。そのため、開口部を有しつつ反応容器内を真空に保持する必要から、通常は、反応容器の入出口部に多段のガス吸引式のシールを設置している。しかし、多段のガス吸引式のシールは構造が複雑で大きさも嵩むことから、実現は容易ではない。
また、気相法を用いた場合、成膜速度が非常に遅く、真空度が上がらないとさらにその傾向が顕著になる。さらに、線状部材のような細径で表面積が小さい材料へ金属皮膜を被覆する場合では、イオン化などして供給した金属材料に対して、線状部材の表面に付着する量が極めて少なく、金属材料の歩留り率が低く非効率であるという問題がある。
また、無電解(化学)めっき法、電解めっき法などの液相法を用いた場合も、製造設備および金属皮膜の成膜速度において問題を有する。
非金属からなる線状部材は、非導電体である場合が多く、非導電体に金属材料をめっきする場合、一般に、表面触媒処理、無電解めっきを行った後、厚付けのために電解めっきを施す必要がある。この厚付けを行うことにより、粗密な金属皮膜となってしまい、導体抵抗などの電気特性が低下するおそれがある。
無電解めっきは、本質的にめっき液が徐々に劣化するものである。そのため、通常は液補充により劣化速度を抑制するが、それでもめっき液は一定の時期で寿命となり、めっき液を交換する必要がある。よって、無電解めっきはバッチ生産には適するが、線状部材のような長尺物の生産においては支障が生じる。
また、表面触媒処理単独でも実際には工程数がかなり多くなるので、それに加えて、無電解めっき、電解めっきを行うことは、全体として設備・工程が大掛かりとなってしまう。
さらに、電解めっき法は、他の形成方法に比べて成膜速度が非常に遅く、無電解めっきの成膜速度はさらに遅いという問題があり、そのため量産が難しく、結果として製造コストが高くなってしまう。
その他の金属皮膜の形成方法として、溶融した金属材料に線状部材を浸漬する方法がある。しかし、この方法では、金属皮膜の厚みのコントロールが難しく、線状部材が溶融した金属材料の熱によって損傷を受け易いなどの問題がある。
そこで、本発明の目的は、線状部材の外周に長手方向にわたり緻密な金属皮膜からなる導体を有する電線を提供することにある。
また、本発明の目的は、線状部材の外周に、長手方向にわたり緻密な金属皮膜からなる導体を容易に形成することが可能な電線の製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、非金属からなる線状部材と、その線状部材の外周に形成された導体と、その導体の外周に形成された絶縁層とを備え、前記導体は、平均粒子径が500nm以下の金属微粒子を焼結させた金属皮膜である電線である。
前記導体が、金、銀、銅のいずれかからなるとよい。
また、本発明は、非金属からなる材料を押出して線状部材を形成する工程と、前記線状部材の外周に、金属微粒子を含むスラリーを塗布し、焼結して導体を形成する工程と、前記導体の外周に絶縁層を被覆する工程とからなる電線の製造方法である。
前記スラリーは、粘度が200mPa・sより大きく5000mPa・s以下であるとよい。
前記スラリーは、平均粒子径が500nm以下の金属微粒子を含むとよい。
前記各工程は、同一の製造ラインで行うとよい。
本発明によれば、製造設備が簡便となるため設備コストを低く抑えることができ、さらに、線状部材の成形、導体の形成、絶縁層の成形を同一製造ラインで製造可能となるため、量産性の向上および製造期間の短縮が可能となり、製造コストを抑制できる。
また、本発明によれば、線状部材の外周に、長手方向にわたり緻密な金属皮膜からなる導体を有する電線を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施形態に係る電線の横断面図である。
図1に示すように、電線1は、非金属からなる線状部材2と、その線状部材2の外周に形成された金属皮膜からなる導体3と、その導体3の外周に形成された絶縁層4とからなる。
線状部材2としては、樹脂組成物を用いるとよい。線状部材2に用いる樹脂組成物としては、比較的耐熱性に優れたものを採用することが望ましく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、各種のフッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアリレートなどを用いるとよい。線状部材2に用いる樹脂組成物はこれらに限定されず、金属微粒子技術の進展に伴い、応用できる樹脂組成物は拡大する可能性がある。また、線状部材2としては、上記樹脂組成物の他、炭素、鉱物などからなる組成物を用いてもよい。本実施形態では、線状部材2としてポリエーテルエーテルケトンを用いた。線状部材2の外径は、例えば250μmである。
導体3は、平均粒子径が500nm以下の金属微粒子を分散液中に分散させたスラリーを線状部材2の外周に塗布、焼結して形成されたものである。導体3の厚さは、例えば、5μmである。
導体3および導体3の原料である金属微粒子としては、金、銀、銅のいずれかを用いるとよい。本実施形態では、導体3および金属微粒子として銀を用いた。分散液としては、1−デカノールなどの有機溶媒を用いるとよい。
導体3の原料として用いる金属微粒子の平均粒子径を500nm以下とするのは、金属微粒子の平均粒子径が500nmを超えると、焼結前の段階(線状部材2にスラリーを塗布した段階)で粒子間の空隙が大きくなり、金属微粒子が溶融してもそれが残り、導体3に気孔が発生して緻密性が低下してしまうためである。平均粒子径は、レーザー回折法などによって得られる粒度分布から求められるメジアン径で表したものである。
金属微粒子を分散液中に分散させたスラリーの粘度は、200mPa・sより大きく5000mPa・s以下であるとよく、望ましくは500〜5000mPa・sであるとよい。これは、スラリーの粘度が200mPa・s以下であると、スラリーを線状部材2に塗布する際に、重力の影響で線状部材2表面に玉状の液ダレが発生してしまい、スラリーの粘度が5000mPa・sを超えると、スラリーと線状部材2の表面との間ですべりが発生して、線状部材2表面にスラリーを塗布できない場合があるためである。
絶縁層4は、導体3の外周に絶縁性のポリマーを被覆して形成される。絶縁層4に用いる絶縁性のポリマーとしては、例えば、フッ素樹脂の1種であるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などを用いるとよい。絶縁層4の厚さは、例えば、100μmである。
次に、本実施形態に係る電線の製造方法に用いる電線の製造装置について説明する。
図2に示すように、電線の製造装置21は、線状部材2を押出成形する第1押出機22と、線状部材2の外周に、金属微粒子を分散液中に分散させたスラリーSを塗布するダイス23と、線状部材2の外周に塗布されたスラリーS中の分散液を揮発させる第1加熱炉24と、線状部材2の表面に塗布されたスラリーS中の金属微粒子を溶融一体化(焼結)して導体3を形成する第2加熱炉25と、導体3の外周に絶縁層4を押出成形して電線1を形成する第2押出機26と、電線1を冷却する冷却槽27と、電線1を引き取る引取機28と、電線1を巻き取る巻取機29とを備える。
第1押出機22の下流側には、順次、ダイス23、第1加熱炉24、第2加熱炉25、第2押出機26、冷却槽27、引取機28、巻取機29が配置される。
また、電線の製造装置21では、第1押出機22とダイス23との間には、線状部材2の外径を測定するための第1外径測定器30が配置され、第2加熱炉25と第2押出機26との間には、導体3を形成した線状部材2の外径を測定するための第2外径測定器31が配置され、さらに、冷却槽27と引取機28との間には、電線1の外径を測定するための第3外径測定器32、および電線1をガイドするガイドロール33が配置される。
ダイス23は、一般に光ファイバ製造時にUV硬化型樹脂の塗布に用いられるものと同じであり、線状部材2が通過する出口部のノズル径は金属皮膜(導体3)の厚さにあわせて調節される。ダイス23には、金属微粒子を分散液中に分散させたスラリーSが充填される。
第1加熱炉24および第2加熱炉25は管状炉であり、それぞれ3ゾーンに分かれ、個別に温度設定できるヒーターユニット24a、25aを有する。第1加熱炉24および第2加熱炉25の炉長は、例えば、2.0mである。
外径測定器30,31,32としては、レーザ式のものを用いるとよい。
本実施形態では、電線の製造装置21として縦型のものを用いたが、横型でもよい。
次に、本実施形態に係る電線の製造方法を説明する。
本実施形態に係る電線の製造方法は、主に、線状部材2を押し出す工程と、線状部材2の外周に、金属微粒子を分散液中に分散させたスラリーSを塗布・焼結して導体3を形成する工程と、導体3の外周に絶縁層4を被覆する工程とからなる。
まず、第1押出機22に線状部材2の原料を投入し、線状部材2を押出成形する。押出温度は、例えば370℃、押出速度は、例えば30m/minである。第1押出機22の出口から押し出された線状部材2は、第1外径測定器30によりその外径が連続的に測定される。
その後、線状部材2をダイス23に通過させ、線状部材2の外周に金属微粒子を分散液中に分散させたスラリーSを塗布する。スラリーSの塗布厚は、例えば、20μmである。
線状部材2の外周にスラリーSを塗布した後、第1加熱炉24および第2加熱炉25により、金属微粒子のスラリーSを焼結させ導体3を形成する。第1加熱炉24は、主に、分散液である1−デカノールを揮発させ、第2加熱炉25は、主に金属微粒子を溶融一体化して緻密な金属皮膜(導体3)を形成する。導体3を形成した線状部材2は、第2外径測定器31によりその外径が連続的に測定される。
その後、第2押出機26に絶縁層4の材料を投入し、導体3の外周に絶縁層4を押出成形する。これにより、線状部材2の外周に導体3、絶縁層4を順次設けた電線1が形成される。
電線1を形成した後、電線1を冷却槽27に通して冷却する。冷却後の電線1は、第3外径測定器32によりその外径が連続的に測定される。その後、電線1は、ガイドロール33、引取機28を通過し、巻取機29で巻き取られる。
以上により、図1の電線1が得られる。
以上説明したように、本実施形態では、平均粒子径500nm以下の金属微粒子を分散液中に分散させたスラリーSを線状部材2の外周に塗布、焼結して、導体3を形成している。
これにより、導体3(金属皮膜)の成膜速度を速くすることができ、容易に導体3を形成することができる。よって、電線1の量産性を向上させることができ、製造コストを抑制できる。
また、本実施形態では、ガス吸引式のシールなど大掛かりな設備が不要であり、ダイス23と加熱炉24,25のみで導体3が形成できるため、製造設備が簡便となり、設備コストを低く抑えることができる。
さらに、線状部材2の成形、導体3の形成、絶縁層4の成形を同一製造ライン(電線の製造装置21)で製造可能となるため、量産性をさらに向上させることができ、製造期間の短縮も可能となる。
また、本実施形態では、導体3の原料として平均粒子径500nm以下の金属微粒子を用いているため、焼結後の粒子間の空隙(気孔)がなくなり、緻密な導体3を形成することができる。
さらに、本実施形態では、金属微粒子のスラリーSの粘度を200mPa・sより大きく5000mPa・s以下としているため、線状部材2の外周に安定して金属微粒子のスラリーSを塗布することができ、長手方向にわたり膜厚が一様な導体3を形成できる。
上記実施形態では、線状部材2を押し出す工程、線状部材2の外周に金属微粒子のスラリーSを塗布・焼結して導体3を形成する工程、および導体3の外周に絶縁層4を被覆する工程を同一の製造ラインで行ったが、各々、別の製造ラインで行ってもよく、それらのうち2つを同一の製造ラインで行ってもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。
線状部材2に用いる樹脂組成物として、ポリエーテルエーテルケトンを用い、第1押出機22で外径250μmの線状部材2を押し出す。押出温度は370℃、押出速度は30m/minとした。
外径測定器30を通過した線状部材2は、銀微粒子のスラリーSで満たされたダイス23を通過し、線状部材2の表面に厚さ約20μmのスラリーSを均一に塗布する。スラリーSは、平均粒子径3〜7nmの微細な銀粒子を1−デカノールで希釈してペースト状にしたもの(NPS−HTB;ハリマ化成社製)をさらに1−デカノールで希釈して粘度が1000〜1500mPa・sになるように調整したものである。
ダイス23の下流には、スラリーSを焼成するための加熱炉24,25が設置してある。加熱炉24,25の炉長は2.0mであり、加熱炉24,25は3ゾーンに分かれ個別に温度設定できるヒータユニット24a,25aを有する。第1加熱炉24の温度設定は、上流から下流にかけて200/250/250℃とし、第2加熱炉25の温度設定は、上流から下流にかけて300/300/300℃とした。第1加熱炉24では、主に1−デカノールを揮発させるために、第2加熱炉25では銀微粒子を溶融一体化して緻密な金属皮膜を形成することを目的として温度設定した。第2加熱炉25の通過後では、充実の銀皮膜(導体3)を有する線状部材2が得られ、その外径は260μm、被覆厚は5μmであった。
さらに、絶縁層4として、フッ素樹脂の1種であるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を用い、これを第2押出機26により導体3の外周に被覆厚100μmで被覆して電線1を作製した。電線1の外径は460μmであった。
作製した電線1を切断した断面の電子顕微鏡写真を図3に示す。図3に示すように、導体3の断面に気孔は見られず、緻密な膜質であった。
(金属微粒子の平均粒子径を500nm以下とする根拠)
次に、平均粒子径の異なる銀微粒子を用いて、線状部材の外周に導体(金属皮膜)を形成し、これを切断して導体(金属皮膜)の断面を観察した。
次に、平均粒子径の異なる銀微粒子を用いて、線状部材の外周に導体(金属皮膜)を形成し、これを切断して導体(金属皮膜)の断面を観察した。
金属微粒子は小さくなるほど凝集をはじめとして取り扱いが難しくなり、また単位重量あたりの価格も高くなる。そこで、3〜7nmより大きな銀微粒子を用意して図2の電線の製造装置21でサンプルを作製した。十分な焼結時間を確保するために、線引速度を20m/minに設定してサンプルを作製した。
導体に用いた銀微粒子の粒子径(平均粒子径)と成膜後の微小気孔の有無を表1に示す。また、平均粒子径400〜500nmの銀微粒子を用いた場合の断面の電子顕微鏡写真を図4、平均粒子径600〜700nmの銀微粒子を用いた場合の断面の電子顕微鏡写真を図5に示す。いずれのサンプルも焼結後の膜厚は7〜8μmであった。
表1および図3、4に示すように、平均粒子径3〜7nmはもとより、平均粒子径400〜500nmまでは焼結後の導体には気孔は見られなかった。
これに対して、表1および図5に示すように、平均粒子径600〜700nm、平均粒子径1000〜1500nmの銀微粒子では、導体内に無数の気孔が存在していた。これは、粒子径が大きいほど焼結前の段階で粒子間の空隙が大きくなり、金属が溶融してもそれが残ってしまうためである。
以上の結果から、導体に用いる金属微粒子の平均粒子径は500nm以下であるとよい。
(スラリーの粘度を200〜5000mPa・sとする根拠)
次に、平均粒子径3〜7nmの銀粒子を1−デカノールで希釈してペースト状にしたものを、分散液である1−デカノールでさらに希釈して、約50〜7500mPa・sの粘度を有するスラリーを作製し、ダイスによる被覆安定性を評価した。
次に、平均粒子径3〜7nmの銀粒子を1−デカノールで希釈してペースト状にしたものを、分散液である1−デカノールでさらに希釈して、約50〜7500mPa・sの粘度を有するスラリーを作製し、ダイスによる被覆安定性を評価した。
図1の電線の製造装置21を用い、引取速度20m/minとし、外径250μmの線状部材に内径310μmのダイスで各スラリーを塗布して、スラリーの塗布安定性を確認した。
スラリーを焼成すると被覆厚が小さくなって被覆厚さの評価が難しくなるため、スラリーを焼成せずに、ダイス直下250mmの位置に外径測定器を設置して、ダイスでのスラリー塗布状況すなわち被覆厚さの安定性を評価した。評価結果を表2に示す。
表2に示すように、スラリー粘度が50、200mPa・sでは、重力の影響でダイスから出た直後にスラリーは垂れて、数mm間隔で玉状の液ダレが連続的に発生してしまった。
一方、7500mPa・sでは、スラリー界面と線状部材の表面とですべりが発生して、スラリーがほとんど塗布できない状態となった。
以上の結果から、安定してスラリーを塗布できる粘度は、200mPa・sより大きく5000mPa・s以下であるとよい。
1 電線
2 線状部材
3 導体
4 絶縁層
2 線状部材
3 導体
4 絶縁層
Claims (6)
- 非金属からなる線状部材と、その線状部材の外周に形成された導体と、その導体の外周に形成された絶縁層とを備え、前記導体は、平均粒子径が500nm以下の金属微粒子を焼結させた金属皮膜であることを特徴とする電線。
- 前記導体が、金、銀、銅のいずれかからなる請求項1記載の電線。
- 非金属からなる材料を押出して線状部材を形成する工程と、
前記線状部材の外周に、金属微粒子を含むスラリーを塗布し、焼結して導体を形成する工程と、
前記導体の外周に絶縁層を被覆する工程とからなることを特徴とする電線の製造方法。 - 前記スラリーは、粘度が200mPa・sより大きく5000mPa・s以下である請求項3記載の電線の製造方法。
- 前記スラリーは、平均粒子径が500nm以下の金属微粒子を含む請求項3または4記載の電線の製造方法。
- 前記各工程は、同一の製造ラインで行う請求項3記載の電線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008180586A JP2010021026A (ja) | 2008-07-10 | 2008-07-10 | 電線およびその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012028121A (ja) * | 2010-07-22 | 2012-02-09 | Teijin Techno Products Ltd | 芳香族ポリアミド繊維電線コード |
JP2013108199A (ja) * | 2011-11-24 | 2013-06-06 | Yazaki Corp | 電線の製造方法、及び電線 |
US9472318B2 (en) | 2014-09-02 | 2016-10-18 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Wire harness |
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2008
- 2008-07-10 JP JP2008180586A patent/JP2010021026A/ja active Pending
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