JP5109738B2 - 表面状態の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に微小領域の表面自由エネルギーの評価に好適な表面状態の評価方法に関する。
近年、磁気ディスク装置(ハードディスクドライブ)は、コンピュータだけでなく、ハードディスクビデオレコーダ等の映像記録機器や携帯型音楽再生装置等にも使用されるようになった。磁気ディスク装置は、円盤状の磁気ディスク(磁気記録媒体)と、磁気ヘッドとを有している。磁気ヘッドは、磁気ディスクに対し情報を磁気的に記録する記録素子と、磁気ディスクから情報を読み出す再生素子と、記録素子及び再生素子を支持するスライダとにより構成される。スライダは直方体形状の部材であり、記録素子及び再生素子はスライダの端面に配置されている。
磁気ヘッドは、ABS(Air Bearing Surface;以下、対向面という)と呼ばれる面が磁気ディスクと対向するように配置される。磁気ヘッドは、磁気ディスクの回転により生じる空気流によって磁気ディスクの表面からわずかに浮上し、その状態で記録素子により磁気ディスクに情報を書き込んだり、再生素子により磁気ディスクから情報を読み出す。磁気ディスクの高記録密度化を図るためには、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間隔(以下、浮上量という)を小さくする必要がある。近年の磁気ディスク装置では、磁気ヘッドの浮上量は10nm程度と極めて小さくなっている。
ところで、何らかの原因(気圧の変化や振動等)により磁気ヘッドが磁気ディスクに接触しても磁気ディスクが破損しないように、磁気ディスクの表面には潤滑剤の膜が1nm程度の厚さに形成されている。しかし、磁気ヘッドの浮上量が極めて小さくなった近年の磁気ディスク装置では、長時間の使用により潤滑剤成分等(以下、汚染物質という)が磁気ヘッドスライダの対向面に付着し、それにより磁気ヘッドスライダの浮上安定性を低下させることがある。このような不具合を回避するためには、磁気ヘッドの表面への汚染物質の付着を抑制することが重要である。
特許文献1には、汚染物質の付着を防止すべく、磁気ヘッドの対向面にパーフロロポリエーテル等を紫外線等により固着させた潤滑層を形成する技術が記載されている。また、対向面の表面自由エネルギーの測定方法として、2種類以上の液体を用いて接触角を顕微鏡で測定し、Fowke式から表面自由エネルギーを求める方法が記載されている。
特許文献2には、磁気ヘッドの表面エネルギーを下げることにより磁気ヘッドへのアウトガスの付着を抑制すること、及び表面張力が異なる3種類以上の液体を用いて接触角を測定することが記載されている。また、特許文献3には、4種類以上の液体による接触角データから固体表面の表面自由エネルギーを求めることが記載されている。
特開2006−12377号公報 特開2005−221403号公報 特開2005−337781号公報
上述の特許文献2に記載されているように、磁気ヘッドの対向面への汚染物質の付着は対向面の表面自由エネルギーに関係し、表面自由エネルギーが低いほど汚染物質の付着が少なくなる。一般的に、表面自由エネルギーは、試料の上に水等の液体(プローブ液体)を滴下してその接触角から求めている。しかしながら、磁気ヘッドの対向面の微小領域の表面自由エネルギーを精度よく求めることは困難であり、そのため磁気ヘッドの表面状態の制御や品質管理ができないという問題がある。これは、次の2つの理由による。
第1の理由は、磁気ヘッドの対向面の微小領域の表面自由エネルギーを測定しようとすると、測定しようとする空間分解能に応じてプローブ液体の滴下量を小さくする必要があるが、プローブ液体の滴下量を小さくすると極めて短時間で液体が蒸発し、それにともなって接触角が大きく変化してしまうことにある。
第2の理由は、プローブ液体の滴下量により接触角が異なることにある。通常、接触角を測定する場合、試料面に1マイクロリットル程度又はそれ以上のプローブ液体を滴下する。この場合、液滴の直径は数mmとなる。しかし、微小領域の接触角を測定する場合には、プローブ液体の滴下量を例えば数10〜数100ピコリットルと少なくすることが必要になる。この場合、液滴の直径は数10μmになる。原理的には、プローブ液体の滴下量が違っても接触角は同じになるはずであるが、実際にはプローブ液体の滴下量により接触角が変化する。以下、試料面に通常量(1マイクロリットル以上)のプローブ液体を滴下して測定した接触角を通常接触角と呼び、試料面に極少量(数10〜数100ピコリットル)のプローブ液体を滴下して測定した接触角を極小接触角という。
微小領域の接触角を測定するには高度な技術が要求されることから、例えば、磁気ディスクの表面状態の検査には測定が簡単な通常の接触角測定方法(以下、通常接触角測定方法という)で表面自由エネルギーを測定し、磁気ヘッドの表面の微小領域では極小接触角の測定に適した方法(以下、極小接触角測定方法という)で表面自由エネルギーを測定するというように、測定方法の使い分けが望まれている。そのためには、表面自由エネルギーが同じ試料であれば通常接触角測定方法で測定した値と同様の値となる極小接触角測定方法が必要となる。
以上から、本発明の目的は、微小領域の表面自由エネルギーを容易に評価でき、かつ表面自由エネルギーが同じ試料であれば通常接触角測定方法で測定した評価と同様の評価となる表面状態の評価方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、測定試料の上に多価アルコール又は多価アルコールと水との混合液からなるプローブ液を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、300ピコリットル以下の前記プローブ液を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の水を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す直線回帰式を使用して前記プローブ液の極小接触角を水の通常接触角に変換する工程と、前記水の通常接触角への変換結果を基に前記測定試料の表面状態を評価する工程とを有する表面状態の評価方法が提供される。
本発明においては、プローブ液として、蒸発しにくく、かつ水と同様の化学構造をもつ多価アルコール又は多価アルコールと水との混合液を使用する。そして、このプローブ液を用いて微小領域の接触角(極小接触角)を測定し、その測定結果を水の通常接触角に変換する。これにより、微小領域の表面状態を、一般的な通常接触角測定方法で測定した接触角と比較して評価することができる。
多価アルコール又は多価アルコールと水との混合液を用いて測定した極小接触角を水の通常接触角に変換するためには、予め、表面エネルギーが相互に異なる複数の標準化試料の上に前記プローブ液を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定し、前記複数の標準化試料の上に水を1マイクロリットル以上の容量で滴下して通常接触角を測定し、前記極小接触角の測定結果及び前記通常接触角の測定結果を直線回帰分析して得た直線回帰式を用いる。
Fowke式により表面自由エネルギーを算出するためには、2種類以上のプローブ液を用いて接触角を測定する必要がある。上述の多価アルコール又は多価アルコールと水との混合液を第1のプローブ液とし、ジヨードメタン又はヘキサデカン等の炭化水素系液体を第2のプローブ液とし、上述の方法と同様にして微小領域で測定した極小接触角を通常接触角に変換することにより、微小領域の表面自由エネルギーを算出することができる。
本発明を磁気ヘッドの製造に利用する場合、磁気記録媒体(磁気ディスク)に対向する対向面の表面自由エネルギーが、上述の方法により測定したときに15mN/m乃至30mN/mとなるように制御することが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、接触角の測定方法を示す模式図である。まず、試料10の側方に光源13を配置し、試料10を挟んで光源13の反対側にカメラ(CCD)14を配置する。そして、試料10の上にキャピラリ11からプローブ液体を滴下する。
そうすると、光源13からの光が液滴12により遮られて影ができる。カメラ14により液滴12の影を撮影し、その映像を基に液滴12の接触角を測定する。
キャピラリ11は先端が極めて細いガラス管からなる。本実施形態では、極少量(300ピコリットル以下)のプローブ液体を用いる極小接触角の測定には内径が5〜30μmのキャピラリを使用し、1〜100マイクロリットル以上のプローブ液体を用いる通常接触角の測定には内径が0.15〜1.2mmのキャピラリを使用する。
図2(a)は磁気ヘッドの側面図、図2(b)は同じくその磁気ヘッドの下面図である。磁気ヘッド30は、例えばAl23−TiC(アルチック)等のセラミックス材料により形成されたスライダ6と、スライダ6の端面に配置された記録・再生素子5とを含んで構成されている。なお、図2(a),(b)では、記録素子及び再生素子を合わせて記録・再生素子5として模式的に示しているが、記録素子としては例えば公知の単磁極ヘッドが使用され、再生素子としては例えば公知のMR(Magneto Resistive)素子、GMR(Giant Magneto Resistive)素子又はTMR(Tunnel Magneto Resistive)素子が使用される。
スライダ6の対向面には、図2(b)に示すように所定のパターンで凸部1〜4が形成されている。これらの凸部1〜4は、磁気ディスクの回転により発生した空気流を整えて磁気ヘッド30(スライダ6)の浮上安定性を確保するために設けられている。凸部1,2,3の大きさは、例えば0.5mm×0.5mm以下である。また、凸部1〜4の高さDは例えば2μm程度である。磁気ヘッドの対向面に付着する汚染物質による不都合の発生を回避するためには、これらの凸部1〜4の表面自由エネルギーを把握することが重要である。磁気ヘッドへの汚染物の付着を抑制するためには、Fowke式により算出した磁気ヘッド(スライダ)の対向面の表面自由エネルギーが15mN/m〜30mN/mであることが好ましい。また、磁気ヘッド側の表面自由エネルギーが磁気ディスクの表面自由エネルギーよりも低くなるようにすることが好ましい。
図3は試料10の上に滴下したプローブ液体12を示す模式図である。ここでは、内径が5μmのキャピラリ11を用いてプローブ液体12を滴下している。なお、極少量のプローブ液体12を滴下するためにキャピラリ11の外面(表面)には撥水処理を施しているが、撥水処理については後述する。
図4は、横軸に時間をとり、縦軸に液滴の半径をとって、液滴の半径の経時変化を示す図である。また、図5は、横軸に時間をとり、縦軸に接触角をとって、液滴の接触角の経時変化を示す図である。但し、ここでは、図3に示すように、試料10の上に内径が5μmのキャピラリ11を用いて水(純水)を滴下している。
この図4から、プローブ液体として水を使用した場合は、極めて短時間で液滴の半径が減少することがわかる。これは、液滴から水が急激に蒸発していることを示している。また、図5から、接触角が短時間で変化しており、特に滴下直後の接触角の変化が大きいことがわかる。この図4、図5から、プローブ液体として水を使用した場合は、滴下直後から水の蒸発により液滴の高さが急激に減少し、その結果接触角が急激に減少するものと考えられる。すなわち、プローブ液体として水を使用する場合は、微小領域の接触角を測定しようとしても正確に測定することが困難であり、再現性も悪い。
そこで、プローブ液体として、水よりも蒸発しにくい液体を用いることが考えられる。但し、微小領域の接触角(極小接触角)を通常接触角測定方法で測定した接触角(通常接触角)に対応させるためには、水と同じような化学構造をもつ液体を使用することが重要である。以下、水と同じような化学構造をもつ液体を水類似液体と呼ぶ。
本実施形態では、水類似液体として、水と多価アルコールとの混合液を使用する。また、極小接触角と通常接触角との対応をとるために、表面自由エネルギーが相互に異なる複数種類の試料を用意する。
そして、第1の試料の上に水類似液体を300ピコリットル以下の量で滴下した後、第1の試料上の液滴の極小接触角A1を測定する。また、第1の試料の上に通常量(1マイクロリットル以上)の水を滴下した後、第1の試料上の液滴の通常接触角B1を測定する。
これと同様に、第2の試料の上に水類似液体を300ピコリットル以下の量で滴下した後、第2の試料上の液滴の極小接触角A2を測定する。また、第2の試料の上に通常量の水を滴下した後、第2の試料上の液滴の通常接触角B2を測定する。他の試料についても、水類似液体を300ピコリットル以下の量で滴下した後に液滴の極小接触角An(nは整数)を測定し、通常量の水を滴下した後に液滴の通常接触角Bnを測定する。
その後、これらの接触角の測定結果をグラフ上にプロットし、下記(1)式に示す直線回帰式を求める。
Y=a×X+b …(1)
但し、Xは極小接触角、Yは通常接触角、a,bはいずれも係数である。
このようにして直線回帰式を取得した後、任意の試料の上に水類似液体を300ピコリットル程度滴下して極小接触角Aを測定し、(1)式を用いて通常量の水の接触角(通常接触角)Bに変換する。これにより、微小領域の接触角を良好な精度で繰り返し再現性よく測定することができる。本実施形態では、例えばプローブ液体として水を使用する通常接触角測定方法で測定した磁気ディスクの表面状態と、プローブ液体として水類似液体(水と多価アルコールとの混合液)を使用する磁気ヘッドの対向面の微小領域の表面状態とを同じ基準で評価できる。これにより、磁気ディスク及び磁気ヘッドの表面状態の高精度な制御及び管理が可能になる。
本実施形態では、プローブ液体として水と多価アルコールとの混合液を用いるが、その理由を以下に説明する。
Youngの式によれば、水の接触角を特徴付けるものは、水の表面張力、固体の表面張力、及び固体と水の界面張力である。これらのうち、水の性質が反映されるのは、水の表面張力と、固体と水の界面張力である。従って、プローブ液体として水と類似の化学構造を有しかつ蒸発しにくい液体を用いて極小接触角を測定した場合は、プローブ液体として水を用いて測定した通常接触角との相関性がよいことが期待される。
水の表面張力は72.8mN/mであるが、その内訳は分散成分が21.8mN/m、極性成分が51.0mN/mである。水の特質は極性成分の割合が大きいことにあり、それは水酸基を有することに起因している。例えば、水酸基を有しないジヨードメタンは、表面張力が50.8mN/mであるが、その内訳は分散成分が49.5mN/m、極性成分が1.3mN/mであり、極性成分の割合が小さい。また、ヘキサデカンも水酸基を有しないが、ヘキサデカンの表面張力は27.6mN/mであり、その内訳は分散成分は27.6mN/m、極性成分が0mN/mである。この例では、分散成分はメチレン基及びメチル基等の炭化水素に由来していることがわかる。
水と類似の化学構造を有する液体として、水酸基を有するアルコールがある。しかしながら、1価のアルコールでは、蒸発を抑えようとするとアルキル鎖を長くしなければならない。その結果、分散成分の割合が大きくなり、水との類似性が損なわれる。
一方、2価又は3価のアルコール、例えばエチレングリコール(2価のアルコール)やグリセリン(3価のアルコール)は、アルキル鎖が短く水酸基が多く存在するため、水との類似性が強い。また、これらのアルコールは、沸点が高いので蒸発しにくい。従って、水類似液体として多価アルコールを使用することが考えられる。
本願発明者らが種々実験・検討した結果、多価アルコールと水を混合した場合は水との類似性がより一層強くなり、蒸発も抑えられることが判明した。従って、本実施形態では、極小接触角の測定に用いるプローブ液体として、2価又は3価のアルコールと水との混合液を使用する。
(実験1)
図6は、横軸に時間をとり、縦軸に極小接触角をとって、グリセリンと水との混合比が異なる3種類の液体について、極小接触角の経時変化を測定した結果を示す図である。なお、ここでは、内径が5μのキャピラリを用いて表面自由エネルギーが相互に異なる複数の試料の上に混合液を滴下して、極小接触角を測定している。
この図6からわかるように、混合液中に水が75%(グリセリン:水=1:3(但し、体積比、以下同じ))含まれていると、極小接触角の経時変化は比較的大きいが、水の含有率が50%(グリセリン:水=1:1)以下の場合は極小接触角の経時変化が小さい。
図7は、横軸に時間をとり、縦軸に液滴の高さをとって、グリセリンと水との混合比が異なる3種類の液体において、液滴の高さの経時変化を測定した結果を示す図である。この図7からわかるように、混合液中の水の含有率を50%以下とすることにより、液滴の高さの経時変化が抑制される。
また、図8は、横軸に時間をとり、縦軸に液滴の半径をとって、グリセリンと水との混合比が異なる3種類の液体において、液滴半径の経時変化を測定した結果を示す図である。この図8からわかるように、混合液中の水の含有率を50%以下とすることにより、液滴の半径の経時変化が抑制される。
これらの図6〜図8から、グリセリンと水との混合液において、水の含有率を50%以下とすることにより、液滴からの蒸発量を小さくすることができ、接触角、液滴の高さ及び液滴の半径の経時変化が減少することがわかる。
(実験2)
以下、実際に極小接触角及び通常接触角を測定し、直線回帰式を求めた結果について説明する。
まず、表面にDLC(Diamond-Like-Carbon)保護膜が形成された磁気ディスクを複数枚用意した。これらの磁気ディスクのうちの所定の磁気ディスクの上には、潤滑剤としてソルベイソレクシス社のFomblin Z25を約1.5nmの厚さに塗布した。その後、これらの磁気ディスク(潤滑剤を塗布していない磁気ディスク及び潤滑剤を塗布した磁気ディスク)に波長が172nmの紫外線を0秒間〜20秒間照射して、表面自由エネルギーが相互に異なる複数の試料を作成した。
次いで、これらの試料(磁気ディスク)の上に内径が30μmのキャピラリを用いてグリセリンと水との混合液(グリセリン:水=3:1)を滴下し、通常接触角を測定した。また、これらの試料の上に内径が5μmのキャピラリを用いてグリセリンと水との混合液(グリセリン:水=3:1)を滴下し、極小接触角を測定した。
なお、測定の前に、試料の表面を三井フルオロデュポン社製Vertrel XF(溶媒)で洗浄した。
図9は、横軸に極小接触角をとり、縦軸に通常接触角をとって、測定結果をプロットした図である。この図9から、同じ表面自由エネルギーを有する試料面であっても、プローブ液体の滴下量により接触角が異なることがわかる。この測定結果から直線回帰式を求めたところ、Y=0.961X+2.2115となった。また、相関係数Rの2乗値(R2)は0.9981であり、プローブ液体としてグリセリンと水との混合液を用いて測定した通常接触角と極小接触角との間には強い相関性があることが確認された。なお、直線回帰式を用いて接触角を良好な精度で変換するためには、相関係数Rの2乗値(R2)が0.98以上であることが必要であると考えられる。
(実験3)
図10は、横軸にプローブ液体として水を用いて測定した通常接触角をとり、縦軸にプローブ液体としてグリセリンと水との混合液(グリセリン:水=3:1)を用いて測定した通常接触角をとって、両者の相関を調べた結果を示す図である。なお、接触角の測定には、試料として、実験2と同様に紫外線の照射量を変えて表面自由エネルギーを変化させた複数の磁気ディスクを用いた。
この図10から、プローブ液体として水を用いて測定した通常接触角と、グリセリンと水との混合液を用いて測定した通常接触角との間には良好な相関関係があり、グリセリンと水との混合液を用いて測定した通常接触角を、水を用いて測定した通常接触角に精度よく変換できることが確認された。図10に示す測定結果から直線回帰式を求めたところ、Y=1.1048X−17.825となった。また、相関係数Rの2乗値(R2)は0.9817であり、水の通常接触角とグリセリンと水の混合液の通常接触角との間には強い相関性があることが確認された。
グリセリンと水との混合液については、前述したように通常接触角と極小接触角との間の変換を精度よく行うことが可能であるので、グリセリンと水との混合液の極小接触角を水の通常接触角に精度よく変換することが可能である。従って、磁気ディスクの表面状態と磁気ヘッド(スライダ)の微小領域の表面状態(表面自由エネルギー)を、水の接触角という共通の基準で精度よく評価することができる。
(実験4)
次に、水酸基を有しないジヨードメタンを用いて、通常接触角と極小接触角との相関を調べた結果について説明する。なお、接触角の測定には、試料として、実験2と同様に紫外線の照射量を変えて表面自由エネルギーを変化させた複数の磁気ディスクを用いた。
図11は、ジヨードメタンの通常接触角及び極小接触角の測定結果を示す図である。この図11は、ジヨードメタンの通常接触角と極小接触角との相関を示している。
この図11に示すように、プローブ液体としてジヨードメタンを使用した場合も、通常接触角と極小接触角とは一致しない。しかし、通常接触角と極小接触角との間には良好な相関関係があり、直線回帰式を用いて通常接触角と極小接触角との間の変換が可能である。図11に示す測定結果から直線回帰式を求めたところ、Y=1.0404X+3.2849となった。また、相関係数Rの2乗値(R2)は0.9934であり、ジヨードメタンの通常接触角と極小接触角との間には強い相関性があることが確認された。
表面自由エネルギーは、特許文献1に記載されているように、2種類のプローブ液体を用いて接触角を測定し、Fowke式により計算される。この場合、極性成分が大きい液体と分散成分が大きい液体とを用いることが好ましい。本実施形態では、極性成分が大きい液体として多価アルコールと水との混合液を使用し、分極成分が大きい液体としてジヨードメタンを使用する。従って、磁気ヘッド(スライダ)の対向面の微小領域における水とグリセリンの混合液の極小接触角とジヨードメタンの極小接触角とを測定し、水及びジヨードメタンの通常接触角へ変換することで、磁気ヘッドの微小領域の表面状態と磁気ディスク媒体の表面状態とを表面自由エネルギーという共通の物理量で精度よく評価することができる。
なお、上記の実験4では極性成分が少ない液体としてジヨードメタンを用いているが、ヘキサデカン等の他の炭化水素系液体を用いてもよい。
(実験5)
図12は、横軸に水の通常接触角をとり、縦軸にエチレングリコール(2価のアルコール)と水との混合液の通常接触角をとって、両者の相関を調べた結果を示す図である。なお、混合液中のエチレングリコールと水の割合(体積比)は1:1である。また、接触角の測定には、試料として、実験2と同様に紫外線の照射量を変えて表面自由エネルギーを変化させた複数の磁気ディスクを用いた。但し、紫外線の照射時間は1秒間〜30秒間とした。
この図12から、プローブ液体として水を用いて測定した通常接触角と、エチレングリコールと水との混合液を用いて測定した通常測定角との間には良好な相関関係があり、エチレングリコールと水との混合液を用いて測定した通常接触角を、水を用いて測定した通常接触角に精度よく変換できることが確認された。図12に示す測定結果から直線回帰式を求めたところ、Y=1.0749X−18.145となった。また、相関係数Rの2乗値(R2)は0.9951であり、エチレングリコールと水との混合液の通常接触角と水の通常接触角との間には強い相関性があることが確認された。
(実験6)
図13は、横軸に通常接触角をとり、縦軸に極小接触角をとって、プローブ液体としてエチレングリコールと水との混合液を用いたときの両者の相関を調べた結果を示す図である。なお、混合液中のエチレングリコールと水との混合割合(体積比)は1:1である。また、接触角の測定には、試料として、実験2と同様に紫外線の照射量を変えて表面自由エネルギーを変化させた複数の磁気ディスクを用いた。
この図13から、プローブ液体としてエチレングリコールと水との混合液を用いた場合も、通常接触角と極小接触角との間には良好な相関関係があり、直線回帰式を用いて通常接触角と極小接触角との間の変換が可能である。図13に示す測定結果から直線回帰式を求めたところ、Y=1.1437X−26.872となった。また、相関係数Rの2乗値(R2)は0.9959であり、エチレングリコールと水との混合液の通常接触角と極小接触角との間には強い相関性があることが確認された。
以上の実験結果から、微小領域の接触角の測定に用いる水類似液体として、多価アルコールと水との混合液が適切であると結論付けられる。多価アルコールとしては、上述したグリセリン及びエチレングリコールの他にもジエチレングリコール(2価のアルコール)などがあるが、水に溶解しやすく、分離しないことが必要である。
(比較例)
以下、比較例として、水酸基を含まず、水素結合が可能でありかつ水に溶解しやすいホルムアルデヒドと水との混合液をプローブ液体として用いた場合について説明する。
図14は、横軸に通常接触角をとり、縦軸に極小接触角をとって、プローブ液体としてホルムアルデヒドと水との混合液を用いたときの両者の相関を調べた結果を示す図である。なお、ホルムアルデヒドと水との混合割合(体積比)は、ホルムアルデヒド:水=1:1である。この図14から直線回帰式を求めたところ、Y=1.1874X−25.795となった。しかし、相関係数Rの2乗値(R2)は0.9693となった。前述したように、接触角を精度良く変換するためには相関係数Rの2乗値(R2)が0.98以上であることが必要と考えられるので、比較例の混合液は微小領域の接触角の測定に適していないということができる。
なお、ホルムアルデヒドと水との混合液の通常接触角と極小接触角との間の相関性が十分ではない理由として、ホルムアミドには多価アルコールや水と同様の水酸基がないためと考えられる。
(表面自由エネルギーの計算方法)
固体試料の表面自由エネルギーをγS、液体試料の表面自由エネルギーをγL、固体試料と液体との接触角をθSL、固体試料と液体との界面自由エネルギーをγSLとすれば下記(2)式に示すYoungの式が成立する。
γS =γL・cosθSL+γSL …(2)
また、液体が固体表面に付着することにより安定化するエネルギーである接着仕事WSLは下記Dupreの式(3)に従う。
γS +γL = WSL+γSL …(3)
以上の2式から下記Young−Dupreの式(4)が導出され、接着仕事は液体の表面自由エネルギーと接触角から求められることになる。
SL =γL(1+cosθSL)…(4)
この接着仕事に対して表面自由エネルギーの各成分の幾何平均則を適用すると、下記(5)式が成り立つ。
SL = 2√(γSd・γLd)+2√(γSh・γLh) …(5)
ここでd、hはそれぞれ分散成分、水素結合成分を意味する。
2種類の液体(i, j)を用いれば接着仕事について次の関係式(6)が成り立つ。
Figure 0005109738
従って、2種類の液体の接触角を実測し接着仕事求めれば次の関係式(7)から固体の表面自由エネルギーを各成分毎に求めることができる。この関係式(7)をFowke式と呼ぶ。またこの関係式(7)より、表面自由エネルギーγ=γd+γhが求められる。
Figure 0005109738
すなわち、水類似液体を用いて求めた極小接触角とジヨードメタンを用いて求めた極小接触角とにより、磁気ヘッドの微小領域の表面自由エネルギーを計算することが可能となる。
(撥水処理)
極小接触角を測定する際には、ガラス製の小径キャピラリを通して、試料の表面へ液体を滴下する。市販されているキャピラリには内径が5μm,30μm,50μm等のものがあるが、内径が5μmのキャピラリを用いてジヨードメタンを滴下しようとすると、図15に示すようにジヨードメタン15がキャピラリ11のガラス壁面に付着し、滴下できない。これは、ジヨードメタンの表面張力が低く、ガラスの表面張力が引力として作用するためである。従って、ガラスの表面に何らかの処理を施し、表面張力を下げる必要がある。
図16は、横軸にベーク温度をとり、縦軸に接触角をとって、フッ素系コーティング剤を塗布したガラスのベーク温度と接触角との関係を示す図である。ここでは、フッ素系コーティング剤としてソフト99社製ガラコ及び3M社製EGC-1720を使用している。ガラスにフッ素系コーティング剤を塗布した後、横軸で示す温度に加熱し、その後ガラス上に水を滴下して接触角を測定した。本願発明者らの実験では、水の接触角が105度以上のときに、内径が5μmのキャピラリからジヨードメタンを滴下することができた。図17に、内径が5μmのキャピラリからジヨードメタンを滴下する直前時の状態を示す。
このことから、極小接触角の測定に用いるキャピラリには撥水剤としてフッ素系コーティング剤を塗布し、所定温度でベークすることが好ましい。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)測定試料の上に多価アルコール又は多価アルコールと水との混合液からなるプローブ液を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、
300ピコリットル以下の前記プローブ液を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の水を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す直線回帰式を使用して前記プローブ液の極小接触角を水の通常接触角に変換する工程と、
前記水の通常接触角への変換結果を基に前記測定試料の表面状態を評価する工程と
を有することを特徴とする表面状態の評価方法。
(付記2)前記直線回帰式を、
表面エネルギーが相互に異なる複数の標準化試料の上に前記プローブ液を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定し、前記複数の標準化試料の上に水を1マイクロリットル以上の容量で滴下して通常接触角を測定し、前記極小接触角の測定結果及び前記通常接触角の測定結果を直線回帰分析して得ることを特徴とする付記1に記載の表面状態の評価方法。
(付記3)測定試料の上に炭化水素系液体を300ピコリットルの容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、
300ピコリットル以下の前記炭化水素系液体を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の前記炭化水素系液体を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す直線回帰式を使用して前記炭化水素系液体の極小接触角を通常接触角に変換する工程と、
前記炭化水素系液体の通常接触角への変換結果を基に前記測定試料の表面状態を評価する工程と
を有することを特徴とする表面状態の評価方法。
(付記4)前記直線回帰式を、
表面エネルギーが相互に異なる複数の標準化試料の上に前記炭化水素系液体を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定し、前記複数の標準化試料の上に前記炭化水素系液体を1マイクロリットル以上の容量で滴下して通常接触角を測定し、前記極小接触角の測定結果及び前記通常接触角の測定結果を直線回帰分析して得ることを特徴とする付記3に記載の表面状態の評価方法。
(付記5)測定試料の上に多価アルコール又は多価アルコールと水との混合液からなるプローブ液を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、
300ピコリットル以下の前記プローブ液を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の水を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す第1の直線回帰式を使用して前記プローブ液の極小接触角を水の通常接触角に変換する工程と、
前記測定試料の上に炭化水素系液体を300ピコリットルの容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、
300ピコリットル以下の前記炭化水素系液体を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の前記炭化水素系液体を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す第2の直線回帰式を使用して前記炭化水素系液体の極小接触角を通常接触角に変換する工程と、
前記第1の直線回帰式により変換した前記水の通常接触角と前記第2の直線回帰式により変換した前記炭化水素系液体の通常接触角とを用いて前記測定試料の表面自由エネルギーを求める工程と
を有することを特徴とする表面状態の評価方法。
(付記6)前記炭化水素系液体が、ジヨードメタン又はヘキサデカンであることを特徴とする付記3乃至5のいずれか1項に記載の表面状態の評価方法。
(付記7)300ピコリットル以下の液体の滴下に、表面における水の接触角が105度以上のキャピラリを使用することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の表面状態の評価方法。
(付記8)前記キャピラリの表面に撥水処理が施されていることを特徴とする付記7に記載の表面状態の評価方法。
(付記9)磁気記録装置用磁気ヘッドにおいて、
磁気記録媒体に対向する対向面の表面自由エネルギーが、前記付記5に記載の方法により測定したときに15mN/m乃至30mN/mとなるように制御されていることを特徴とする磁気ヘッド。
図1は、接触角の測定方法を示す模式図である。 図2(a)は磁気ヘッドの側面図、図2(b)は同じくその磁気ヘッドの下面図である。 図3は、試料の上に滴下したプローブ液体を示す模式図である。 図4は、液滴の半径の経時変化を示す図である。 図5は、液滴の接触角の経時変化を示す図である。 図6は、グリセリンと水との混合比が異なる3種類の液体について、極小接触角の経時変化を測定した結果を示す図である。 図7は、グリセリンと水との混合比が異なる3種類の液体において、液滴の高さの経時変化を測定した結果を示す図である。 図8は、グリセリンと水との混合比が異なる3種類の液体において、液滴の半径の経時変化を測定した結果を示す図である。 図9は、グリセリンと水との混合液の極小接触角と通常接触角との関係を示す図である。 図10は、グリセリンと水との混合液の接触角と水の接触角との相関を調べた結果を示す図である。 図11は、ジヨードメタンの通常接触角及び極小接触角の測定結果を示す図である。 図12は、エチレングリコールと水との混合液の通常接触角と水の通常接触角との相関を調べた結果を示す図である。 図13は、エチレングリコールと水との混合液の通常接触角と極小接触角との相関を調べた結果を示す図である。 図14は、ホルムアルデヒドと水との混合液の通常接触角と極小接触角との相関を調べた結果を示す図である。 図15は、ジヨードメタンがキャピラリのガラス壁面に付着して滴下できない状態を示す図である。 図16は、フッ素系コーティング剤を塗布したガラスのベーク温度と接触角との関係を示す図である。 図17は、内径が5μmのキャピラリから水を滴下する直前の状態を示す図である。
符号の説明
1〜4…凸部
5…記録・再生素子、
6…スライダ、
10…試料、
11…キャピラリ、
12…液滴、
13…光源、
14…カメラ、
15…ジヨードメタン、
30…磁気ヘッド。

Claims (5)

  1. 測定試料の上に多価アルコール又は多価アルコールと水との混合液からなるプローブ液を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、
    300ピコリットル以下の前記プローブ液を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の水を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す直線回帰式を使用して前記プローブ液の極小接触角を水の通常接触角に変換する工程と、
    前記水の通常接触角への変換結果を基に前記測定試料の表面状態を評価する工程と
    を有することを特徴とする表面状態の評価方法。
  2. 前記直線回帰式を、
    表面エネルギーが相互に異なる複数の標準化試料の上に前記プローブ液を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定し、前記複数の標準化試料の上に水を1マイクロリットル以上の容量で滴下して通常接触角を測定し、前記極小接触角の測定結果及び前記通常接触角の測定結果を直線回帰分析して得ることを特徴とする請求項1に記載の表面状態の評価方法。
  3. 測定試料の上に炭化水素系液体を300ピコリットルの容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、
    300ピコリットル以下の前記炭化水素系液体を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の前記炭化水素系液体を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す直線回帰式を使用して前記炭化水素系液体の極小接触角を通常接触角に変換する工程と、
    前記炭化水素系液体の通常接触角への変換結果を基に前記測定試料の表面状態を評価する工程と
    を有することを特徴とする表面状態の評価方法。
  4. 前記直線回帰式を、
    表面エネルギーが相互に異なる複数の標準化試料の上に前記炭化水素系液体を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定し、前記複数の標準化試料の上に前記炭化水素系液体を1マイクロリットル以上の容量で滴下して通常接触角を測定し、前記極小接触角の測定結果及び前記通常接触角の測定結果を直線回帰分析して得ることを特徴とする請求項3に記載の表面状態の評価方法。
  5. 測定試料の上に多価アルコール又は多価アルコールと水との混合液からなるプローブ液を300ピコリットル以下の容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、
    300ピコリットル以下の前記プローブ液を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の水を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す第1の直線回帰式を使用して前記プローブ液の極小接触角を水の通常接触角に変換する工程と、
    前記測定試料の上に炭化水素系液体を300ピコリットルの容量で滴下して極小接触角を測定する工程と、
    300ピコリットル以下の前記炭化水素系液体を用いて測定したときの極小接触角と1マイクロリットル以上の前記炭化水素系液体を用いて測定したときの通常接触角との相関関係を示す第2の直線回帰式を使用して前記炭化水素系液体の極小接触角を通常接触角に変換する工程と、
    前記第1の直線回帰式により変換した前記水の通常接触角と前記第2の直線回帰式により変換した前記炭化水素系液体の通常接触角とを用いて前記測定試料の表面自由エネルギーを求める工程と
    を有することを特徴とする表面状態の評価方法。
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