JP5108251B2 - 絶縁電線およびこれを用いた電気コイル - Google Patents

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Description

本発明は、モータのコイル等に用いられる絶縁電線、および当該絶縁電線により形成される電気コイルに関する。
従来、モータ等の回転電機のコイル用巻線等として使用される絶縁電線においては、高電圧が印加された状態で使用される際に、絶縁皮膜表面で激しい部分放電(コロナ放電)が発生する。そして、当該部分放電が発生すると、局部的な温度上昇や発生したオゾンやイオンの作用により、絶縁層が加速度的に劣化し、結果として、機器の寿命が短くなるという問題が生じていた。
特に、近年においては、小型かつ高出力のモータを得るために、コイルに印加される電圧の上昇が望まれているため、部分放電が発生しやすくなるという問題が生じている。従って、部分放電の抑制がより強く望まれている。
そこで、部分放電を抑制すべく、導体上に、例えば、導電性酸化物を含有するポリイミド樹脂等のワニスからなる導電層を形成した絶縁電線を巻回した電気コイルが開示されている。より具体的には、当該電気コイルは、ポリイミド樹脂に四酸化三鉄、タルク、およびシリカを混合してなる絶縁塗料を焼付塗布した導電層を使用したものであり、ポリイミド樹脂の含有量を100質量部とすると、四酸化三鉄、タルク、シリカの含有量は、5〜100質量部に設定されている。そして、この構成によれば、導体の放電電荷量が抑制されるため、耐コロナ性が向上すると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
また、導体上に形成された絶縁層上に、所定の表面抵抗値を有する導電層が形成された絶縁電線を用いた電気コイルが開示されている。より具体的には、当該絶縁電線においては、導体上にポリアミドイミドからなる絶縁層が形成されるとともに、当該絶縁層上に、導電性フィラーとしてカーボンブラックを混合した油性エナメルからなり、表面抵抗が1kΩ〜1MΩに設定されている導電層が形成されている。そして、この構成によれば、絶縁電線間の空気の破壊電圧に比し、当該絶縁電線の表面の電位差を低くできるため、部分放電の発生を防止できると記載されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−41122号公報 特開2004−254457号公報
しかし、上記特許文献1に記載の電気コイルにおいては、導電性酸化物の比重が大きいため、導電層における導電性酸化物の分散性が低下するとともに、導電性酸化物が絶縁層中で凝集し、絶縁電線の機械的特性(可とう性)が低下するという問題があった。
また、上記特許文献2に記載の電気コイルにおいては、部分放電開始電圧は向上するが、上述のごとく、導電層の表面抵抗が、1kΩ〜1MΩに設定されているため、絶縁電線により形成された電気コイルの静電容量が大きくなる。その結果、交流通電時の漏れ電流が大きくなり、絶縁電線の表面が発熱(ジュール熱の発生)のため劣化するという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、部分放電の発生を効果的に防止できるとともに、発熱による劣化を防止でき、かつ、機械的特性に優れた絶縁電線およびこれを用いた電気コイルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、導体と、導体上に形成される絶縁層と、絶縁層上に形成される半導電層とを有する絶縁電線であって、半導電層は、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成されるとともに、半導電層の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であることを特徴とする。なお、ここでいう「表面抵抗」とは、半導電層の材料固有の抵抗値をいい、半導電層を厚み5μmで設けた絶縁電線の幅1cmあたりの抵抗値(単位はΩ)をいう。また、この表面抵抗は、直径が1.0mmの導体と、当該導体上に形成された厚み30μmの絶縁層と、当該絶縁層上に形成された厚み5μmの半導電層とを有する絶縁電線の表面に、電極間隔を1mmとして、電極幅が1cmとなるように銀ペーストを塗布して3個の電極を形成し、各電極間の抵抗値を測定して、算出することができる。
同構成によれば、半導電層の表面抵抗が1012Ω未満であるため、電気コイルを形成する絶縁電線間において、半導電層間の等電位状態を保持することが可能になる。従って、高電圧を負荷した場合の、絶縁電線間における電界の集中が緩和され、絶縁電線間に存在する空気に電圧が加わらないため、部分放電開始電圧が高くなり、部分放電の発生を効果的に防止できることになる。その結果、部分放電による絶縁破壊の発生を効果的に防止することが可能になる。
また、半導電層の表面抵抗が10Ω以上であるため、電気コイルを形成する絶縁電線間の静電容量が小さくなり、交流通電時に絶縁電線間を流れる漏れ電流を小さくすることが可能になる。その結果、絶縁電線の半導電層が発熱により劣化するのを効果的に抑制することが可能になる。
また、半導電層の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であるため、電気コイルを形成する絶縁電線間において、高い部分放電開始電圧と、交流通電時の小さい漏れ電流を両立させることが可能になる。
なお、半導電層の表面抵抗が1012Ω以上である場合、電気コイルを形成する絶縁電線間において、半導電層間の等電位状態を保持することができない。従って、コイルを形成する絶縁電線間の部分放電開始電圧が1kV以下に低下してしまう。そのため、高電圧を負荷した場合に、絶縁電線間における電界の集中を緩和することができなくなり、当該絶縁電線間に存在する空気で部分放電が発生し、絶縁層の劣化が加速度的に進行してしまい、結果として、機器の寿命が短くなる。また、半導電層の表面抵抗が10Ω未満である場合、電気コイルを形成する絶縁電線間の静電容量が大きくなり、交流通電時に絶縁電線間に流れる漏れ電流が大きくなる。従って、絶縁電線の半導電層が発熱により劣化し、結果として、機器の寿命が短くなる。
また、樹脂に対する分散安定性に優れたカーボンブラックを使用することにより、カーボンブラックが、半導電層中において凝集するのを回避することができる。従って、絶縁電線の機械的特性(可とう性)を向上させることが可能になる。
なお、高電圧を負荷するモータや電気コイル等の幅広い用途に適用するとの観点から、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の絶縁電線であって、導体の直径が、0.1mm〜3.0mmであることが好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の絶縁電線を巻回して成ることを特徴とする電気コイルである。同構成によれば、請求項1または請求項2に記載の絶縁電線を備える構成としているため、請求項1に記載の絶縁電線と同じ効果を得ることが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電気コイルであって、絶縁電線間に、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される他の半導電層が設けられるとともに、他の半導電層の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であることを特徴とする。なお、ここでいう「表面抵抗」とは、半導電層の材料固有の抵抗値をいい、請求項1に記載の表面抵抗と同様に、半導電層を厚み5μmで設けた絶縁電線の幅1cmあたりの抵抗値(単位はΩ)をいう。また、この表面抵抗は、直径が1.0mmの導体と、当該導体上に形成された厚み30μmの絶縁層と、当該絶縁層上に形成された厚み5μmの半導電層とを有する絶縁電線の表面に、電極間隔を1mmとして、電極幅が1cmとなるように銀ペーストを塗布して3個の電極を形成し、各電極間の抵抗値を測定して、算出することができる。
同構成によれば、電気コイルの絶縁電線間に、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される、表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満である他の半導電層が設けられているため、電気コイルを形成する絶縁電線間の接触が不十分である場合においても、高い部分放電開始電圧と、交流通電時の小さい漏れ電流を両立することが可能になる。
なお、電気コイルの絶縁電線間に、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される、表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満である他の半導電層が設けられていない場合であって、電気コイルを形成する絶縁電線間の接触が不十分である場合、電気コイルを形成する絶縁電線間において、半導電層の等電位状態を保持することができない。従って、コイルを形成する絶縁電線間の部分放電開始電圧が1kV以下に低下することになる。その結果、高電圧を負荷した場合に、絶縁電線間における電界の集中を緩和することができず、絶縁電線間に存在する空気で部分放電が生じて、絶縁層の劣化が加速度的に進行し、結果として、機器の寿命が短くなる。
請求項5に記載の発明は、導体と、導体上に形成される絶縁層とを有する絶縁電線を巻回して成る電気コイルであって、絶縁電線間に、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される半導電層が設けられるとともに、半導電層の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であることを特徴とする。
同構成によれば、電気コイルの絶縁電線間に、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される、表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満である半導電層が設けられているため、電気コイルを形成する絶縁電線間の接触が不十分である場合においても、高い部分放電開始電圧と、交流通電時の小さい漏れ電流を両立することが可能になる。
なお、電気コイルの絶縁電線間に、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される、表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満である半導電層が設けられていない場合であって、電気コイルを形成する絶縁電線間の接触が不十分である場合、電気コイルを形成する絶縁電線間において、半導電層の等電位状態を保持することができない。従って、コイルを形成する絶縁電線間の部分放電開始電圧が1kV以下に低下することになる。その結果、高電圧を負荷した場合に、絶縁電線間における電界の集中を緩和することができず、絶縁電線間に存在する空気で部分放電が生じて、絶縁層の劣化が加速度的に進行し、結果として、機器の寿命が短くなる。
本発明によれば、絶縁電線において、部分放電による絶縁破壊の発生を効果的に防止することが可能になる。また、絶縁電線の表面が、発熱により劣化するのを効果的に抑制することが可能になる。また、絶縁電線の機械的特性(可とう性)を向上させることが可能になる。
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る電気コイルを形成する絶縁電線の構造を示す断面図である。
図1に示すように、絶縁電線1は、導体2と、当該導体2上に形成された絶縁層3と、当該絶縁層3上に形成され、樹脂とカーボンブラック等の導電性フィラーとの混合物で構成される半導電層4とを有している。そして、図2に示すように、当該絶縁電線1を巻回することにより、例えば、モータ等の回転電機用の電気コイル5が形成される。
ここで、導体2としては、必要な送電容量が確保できるものであれば良く、特に材質・構成が限定されるわけではないが、材質としては、例えば、銅線、錫めっき銅線、アルミ線、アルミ合金線、鋼心アルミ線、カッパーフライ線、ニッケルめっき銅線、銀めっき銅線、銅覆アルミ線などが挙げられる。なお、導体2の直径は、高電圧を負荷するモータや電気コイル等の幅広い用途に適用するとの観点から、0.1mm〜3.0mmであることが好ましい。
また、絶縁層3に用いる樹脂としては、絶縁性が高く、耐熱性が高い樹脂であれば特に限定されないが、長期絶縁耐熱温度が150℃以上の樹脂が好ましく、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、およびH種ポリエステル樹脂等が好適に使用できる。絶縁層3の長期絶縁耐熱温度を150℃以上とすることにより、高温での長期使用に耐えることができる絶縁電線を得ることが可能になる。なお、これらの樹脂は、単独で使用しても構わないし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
また、ここで言う長期絶縁耐熱温度とは、JISC3003−1999の耐熱指標により示される耐熱温度であり、所定の温度で20000時間熱処理した後の絶縁破壊電圧が、所定の試験電圧(皮膜の厚みが、0.071〜0.090mmの場合は、1kV)であるときの当該所定の温度を言う。
また、本実施形態における半導電層4は、樹脂と導電性フィラーとの混合物で構成されている。ここで、半導電層4を構成する樹脂としては、長期絶縁耐熱温度が150℃以上であり、加熱により接着性を有する樹脂であれば、特に限定されない。より具体的には、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、およびH種ポリエステル樹脂等例示される。なお、これらの樹脂は、単独で使用しても構わないし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
これらの樹脂において、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂を用いた場合、高い絶縁性、固着力が得られるのみならず、高い加水分解特性も得られる。また、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂を用いた場合、半導電層4と導体2との導通を防ぐために必要な、電気コイル5の端末部における半導電層4の除去処理が有機溶剤により容易に行うことが可能となり、電気コイル5やモータの生産性が高くなる。
なお、半導電層4を構成する樹脂は、その特性を損なわない範囲で、加熱による接着性を向上させるために可塑成分を加えても良いし、ポリマーアロイ化しても良い。また、加熱による融着後の耐熱性を向上させるために硬化成分を加える構成としても良い。
また、半導電層4は、上述の樹脂に、導電性フィラーを混練した混練物(導電性材料)により形成される。そして、当該導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金、銀等の金属粒子等の、導電性を有するものが挙げられるが、本発明においては、カーボンブラックが好適に使用される。これは、導電性のカーボンブラックは、金属粒子からなる導電性フィラーに比し、樹脂に対する分散安定性が良好であるため、導電性フィラー同士の凝集防止のための攪拌工程が簡便、または不要になり、半導電層4を安価に製造することが可能になるからである。また、導電性フィラーとして、カーボンブラックを使用することにより、上述のごとく、当該カーボンブラックは、樹脂に対する分散安定性に優れているため、導電性フィラーが、半導電層4中において凝集するのを回避することができる。従って、絶縁電線1の機械的特性(可とう性)を向上させることが可能になる。
なお、半導電層4の形成方法としては、樹脂を有機溶媒に溶解した溶液に、導電性フィラーを混練したワニスを塗布し、焼付する方法や、樹脂に導電性フィラーを溶融混練した混合物を溶融押出する方法等が挙げられる。また、形成される半導電層4の厚みは、1μm〜10μmが好ましい。
また、絶縁層3および半導電層4の各々について、2種以上の材料を組み合わせた材料を用いても良いが、さらに各々について、異なる材料からなる層を多層積層して構成しても良い。例えば、絶縁層3を2層以上にするとともに、当該絶縁層3の最外層上に半導電層4を形成する構成としても良い。
また、絶縁層3および半導電層4は、潤滑剤等の各種添加剤や少量の無機フィラー等を含んでいても良い。さらに、融着処理後のコロナ抑制効果を低下させない範囲内において、電気コイル5の表面に絶縁性の潤滑層を形成しても良い。絶縁性の潤滑層を形成することにより、絶縁電線1を巻回して、電気コイル5を形成する際の、作業性が向上するとともに、絶縁層3に傷が生じにくくなるので好ましい。
ここで、本実施形態においては、半導電層4が、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成されるとともに、当該半導電層4の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満である点に特徴がある。
このように、半導電層4の表面抵抗を1012Ω未満とすることにより、電気コイル5を形成する絶縁電線1間において、半導電層4間の表面電位差がなくなり、半導電層4間の等電位状態を保持することが可能になる。従って、電気コイル5に高電圧を負荷した場合の、絶縁電線1間における電界の集中が緩和され、絶縁電線1間に存在する空気に電圧が加わらないため、部分放電開始電圧が高くなり、部分放電の発生を効果的に防止できることになる。その結果、部分放電による絶縁破壊の発生を効果的に防止することが可能になる。
また、半導電層4の表面抵抗を10Ω以上にすることにより、電気コイル5を形成する絶縁電線1間の静電容量が小さくなり、交流通電時に絶縁電線1間を流れる漏れ電流を小さくすることが可能になる。その結果、絶縁電線1の半導電層4が、発熱(ジュール熱の発生)により劣化するのを効果的に抑制することが可能になる。なお、ここで言う電気コイル5の漏れ電流Iは、電気コイル5の静電容量をC、電気コイル5への印加電圧をV、および、当該印加電圧Vの周波数をfとした場合、I=2πfCVにより設定される。
また、半導電層4の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であるため、電気コイル5を形成する絶縁電線1間において、高い部分放電開始電圧と、交流通電時の小さい漏れ電流を両立させることが可能になる。
なお、本実施形態においては、上述の部分放電開始電圧は、1kV以上であることが好ましい。これは、上述のごとく、近年においては、小型かつ高出力のモータを得るために、電気コイル5に印加される電圧の上昇が望まれているが、部分放電開始電圧を1kV以上に設定することにより、電気コイル5に印加される電圧を高く設定した場合であっても、部分放電の発生を防止することができるからである。
また、電気コイル5の静電容量は、例えば、2本の絶縁電線1を平行に並べて、巻回してなる電気コイル5においては、2nF未満であることが好ましい。これは、絶縁電線1により形成された電気コイル5に対して、上述の漏れ電流の値により、不良品の検出を行う際に、電気コイル5の静電容量が2nF以下であれば、当該漏れ電流の値も小さくなるため、良品として使用できるからである。
また、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される半導電層4の導電性は、カーボンブラックの特性(pH、1次粒子の平均粒径、DBP吸油量等)により調整することが可能である。
例えば、カーボンブラックの表面官能基は、導電の役割を果たすπ電子を捕捉するため、カーボンブラック配合樹脂の導電性を制御することが可能になる。また、当該カーボンブラックの表面官能基は、カーボンブラックのpHや水素含有量により間接的に評価することができる。なお、カーボンブラックのpHとは、カーボンブラックと蒸留水の混合液を電極メーターで測定した時の値をいう。
また、カーボンブラックの一次粒子の平均粒径が小さくなると、単位質量当たりのカーボンブラック粒子の個数が増大するため、マトリックス樹脂中におけるカーボンブラック粒子間の距離が狭くなる。従って、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される半導電層4の導電性が向上することになる。なお、カーボンブラックの1次粒子の平均粒径は、透過電子顕微鏡を用いた観察による算術平均径により評価することができる。
さらに、使用されるカーボンブラックの、JIS K6217−4に準拠して測定したDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)は、カーボンブラック粒子間の結合に基づく、カーボンブラックの凝集の発達度合いを表すものであるが、当該DBP吸油量が大きくなると、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される半導電層4の導電性が向上することになる。
また、電気コイル5を構成する絶縁電線1間に、上述の、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される他の半導電層(不図示)を設けるとともに、当該他の半導電層の表面抵抗を10Ω以上1012Ω未満に設定する構成としてもよい。このような構成により、電気コイル5を形成する絶縁電線1間の接触が不十分である場合においても、高い部分放電開始電圧と、交流通電時の小さい漏れ電流を両立することが可能になる。
なお、他の半導電層の形成方法としては、例えば、電気コイル5を構成する絶縁電線1を、樹脂を有機溶媒に溶解した溶液にカーボンブラックを混練したワニスに含浸させて、当該ワニスを硬化させることにより、電気コイル5を構成する絶縁電線1間に、他の半導電層を形成する方法が挙げられる。
また、上述の絶縁電線1に半導電層4を設ける代わりに、電気コイルを構成する絶縁電線間に半導電層を設ける構成としても良い。即ち、導体2と、導体2上に形成される絶縁層3とを有する絶縁電線(不図示)を巻回して成る電気コイル(不図示)において、当該絶縁電線間に、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される半導電層(不図示)を設けるとともに、当該半導電層の表面抵抗を10Ω以上1012Ω未満に設定する構成としてもよい。このような構成により、電気コイルを形成する絶縁電線間の接触が不十分である場合においても、高い部分放電開始電圧と、交流通電時の小さい漏れ電流を両立することが可能になる。
以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
(絶縁電線の作製)
1500gのポリエーテルスルホン樹脂(住友化学(株)製、商品名スミカエクセル4800G)と、15gの酸化防止剤(エーピーアイコーポレイション(株)製、商品名Seenox412S)を、4054gの有機系溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解し、固形分27%のポリエーテルスルホン溶液を作製した。なお、溶解時の温度は80℃とし、溶解時間は3時間とした。次いで、作製したポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、比重が1.4、pHが6.5、一次粒子の平均粒径が55nm、およびDBP吸油量が130ml/100gであるカーボンブラック(三菱化学(株)製、商品名#3030B)を13質量部となるように混練し、カーボンブラックが配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製した。なお、ポリエーテルスルホンワニスにおける、カーボンブラックの分散性は良好であり、10日間放置後も、良好な分散性を維持していた。次いで、直径0.996mmの銅導体上に、ポリアミドイミド絶縁ワニス(田岡化学工業(株)製、商品名AE2)を竪型焼付炉にて塗布して絶縁層を形成した後、当該絶縁層上に、上述の、カーボンブラックが配合されたポリエーテルスルホンワニスを塗布、焼付して、絶縁層上に半導電層を形成し、絶縁電線を作製した。なお、絶縁電線の仕上げ外径は1.067mm、絶縁層の厚みは30.5μm、半導電層の厚みは5.0μmであった。また、作製された絶縁電線において、常態における外観の異常等は観察されなかった。
(表面抵抗の測定)
次いで、作製した絶縁電線の表面に、幅1cmの銀ペースト(藤倉化成(株)製、商品名ドータイトD550)を塗布して、電極を、1cm間隔で3個形成した。そして、絶縁抵抗計(横河ヒューレットパッカード(株)製、商品名4329A)、またはデジタルマルチメータ(横河電機(株)製、商品名7544)を用いて、各電極間の抵抗値を測定して、その平均値を算出することにより、半導電層の表面抵抗を測定した。その結果を表1に示す。
(部分放電開始電圧の測定)
次いで、作製した絶縁電線を用いて、JIS C3003−1999に規定された2個撚り法に準拠して、2個撚り線を作製し、当該2個撚り線の部分放電開始電圧を、部分放電試験機(三菱電線工業(株)製、商品名QM−50)を用いて測定した。その結果を表1に示す。なお、部分放電開始電圧の放電量開始閾値は、100pCとした。
(静電容量の測定)
次いで、作製した2本の絶縁電線を平行に並べて、径が60mmの塩化ビニル製のパイプに、絶縁電線同士が互いに接触する様、緊密に20回巻回して、電気コイルを作製し、絶縁電線の端部の半導電層20mmを、N−メチル−2−ピロリドンで除去して、2本の絶縁電線間の静電容量を、LCZメーター(横河ヒューレットパッカード(株)製、商品名4276A)を用いて測定した。その結果を表1に示す。なお、絶縁電線への印加電圧の周波数を、1kHzとして測定した。
(実施例2)
ポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、カーボンブラック(三菱化学(株)製、商品名#3030B)を15質量部となるように混練し、カーボンブラックが配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、絶縁電線を作製した。なお、ポリエーテルスルホンワニスにおける、カーボンブラックの分散性は良好であり、10日間放置後も、良好な分散性を維持していた。また、上述の実施例1と同一条件により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例3)
作製したポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、比重が1.4、pHが6.5、一次粒子の平均粒径が38nm、およびDBP吸油量が135ml/100gであるカーボンブラック(東海カーボン(株)製、商品名トーカブラック#4400)を13質量部となるように混練し、カーボンブラックが配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製するとともに、直径0.997mmの銅導体を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、絶縁電線を作製した。なお、ポリエーテルスルホンワニスにおける、カーボンブラックの分散性は良好であり、10日間放置後も、良好な分散性を維持していた。また、上述の実施例1と同一条件により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリエーテルスルホン溶液に対して、カーボンブラックを混練しないとともに、直径0.993mmの銅導体を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、絶縁電線を作製した。なお、絶縁電線の仕上げ外径は1.065mm、絶縁層の厚みは30.5μm、半導電層の厚みは5.5μmであった。また、上述の実施例1と同一条件により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行った。以上の結果を表2に示す。
(比較例2)
ポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、カーボンブラック(三菱化学(株)製、商品名#3030B)を10質量部となるように混練し、カーボンブラックが配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製したこと、および直径1.000mmの銅導体を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、絶縁電線を作製した。なお、絶縁電線の仕上げ外径は1.074mm、絶縁層の厚みは30.0μm、半導電層の厚みは6.5μmであった。また、ポリエーテルスルホンワニスにおける、カーボンブラックの分散性は良好であり、10日間放置後も、良好な分散性を維持していた。また、上述の実施例1と同一条件により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行った。以上の結果を表2に示す。
(比較例3)
ポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、カーボンブラック(三菱化学(株)製、商品名#3030B)を17質量部となるように混練し、カーボンブラックが配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、絶縁電線を作製した。なお、ポリエーテルスルホンワニスにおける、カーボンブラックの分散性は良好であり、10日間放置後も、良好な分散性を維持していた。また、上述の実施例1と同一条件により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行った。以上の結果を表2に示す。
(比較例4)
ポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン(株)製、商品名トーカブラック#4400)を10質量部となるように混練し、カーボンブラックが配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製したこと、および直径1.000mmの銅導体を使用したこと以外は、上述の実施例3と同様にして、絶縁電線を作製した。なお、絶縁電線の仕上げ外径は1.074mm、絶縁層の厚みは30.0μm、半導電層の厚みは6.5μmであった。また、ポリエーテルスルホンワニスにおける、カーボンブラックの分散性は良好であり、10日間放置後も、良好な分散性を維持していた。また、上述の実施例1と同一条件により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行った。以上の結果を表2に示す。
(比較例5)
ポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、カーボンブラック(東海カーボン(株)製、商品名トーカブラック#4400)を15質量部となるように混練し、カーボンブラックが配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製したこと、および直径0.996mmの銅導体を使用したこと以外は、上述の実施例3と同様にして、絶縁電線を作製した。なお、絶縁電線の仕上げ外径は1.067mm、絶縁層の厚みは30.5μm、半導電層の厚みは5.0μmであった。また、ポリエーテルスルホンワニスにおける、カーボンブラックの分散性は良好であり、10日間放置後も、良好な分散性を維持していた。また、上述の実施例1と同一条件により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行った。以上の結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例1において作製したポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、比重が5.2である四酸化三鉄(和光純薬工業(株)製)を50質量部となるように混練し、四酸化三鉄が配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製した。しかし、作製したポリエーテルスルホンワニスの安定性が悪く、また、ポリエーテルスルホンワニスにおける、四酸化三鉄の分散性が悪く、10日間放置後において、四酸化三鉄が沈殿していた。従って、絶縁電線を作製することができなかった。また、同様の理由により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行うことができなかった。
(比較例7)
作製したポリエーテルスルホン溶液100質量部に対して、比重が2.8であるタルク(日本タルク(株)製、商品名ミクロエースP4)を50質量部となるように混練し、タルクが配合されたポリエーテルスルホンワニスを作製するとともに、直径1.017mmの銅導体を使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、絶縁電線を作製した。なお、絶縁電線の仕上げ外径は1.093mm、絶縁層の厚みは31.5μm、半導電層の厚みは6.5μmであった。また、ポリエーテルスルホンワニスにおけるタルクの分散性が悪く、10日間放置後において、タルクが沈殿していた。また、上述の実施例1と同一条件により、表面抵抗の測定、部分放電開始電圧の測定、および静電容量の測定を行った。以上の結果を表2に示す。
表1に示すように、実施例1〜3においては、いずれの場合も、部分放電開始電圧が高く(1kV以上)、良好な部分放電特性を有することが判る。また、電気コイルの静電容量が小さく(2nF未満)、交流通電時の漏れ電流を小さくすることができることが判る。一方、比較例1、2、4、及び7においては、表2に示すように、いずれの場合も、電気コイルの静電容量が小さい(2nF以下)ものの、部分放電開始電圧が低く(1kV未満)、良好な部分放電特性が得られないことが判る。また、比較例3、5においては、表2に示すように、いずれの場合も、部分放電開始電圧が高く(1kV以上)、良好な部分放電特性を有するものの、電気コイルの静電容量が大きく(2nF以上)、交流通電時の漏れ電流を小さくすることができないことが判る。また、比較例6においては、上述のごとく、作製したポリエーテルスルホンワニスの安定性が悪く、絶縁電線を作製することができなかった。
これは、表1に示すように、実施例1〜3の各々において使用された半導電層が、樹脂(ポリエーテルスルホン樹脂)とカーボンブラックとの混合物で構成されるとともに、当該半導電層の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であるためと考えられる。
本発明の活用例としては、本発明の活用例としては、モータのコイル等に用いられる絶縁電線、および当該絶縁電線により形成された電気コイルが挙げられる。
本実施形態に係る絶縁電線の構造を示す断面図である。 本実施形態に係る絶縁電線により形成された電気コイルの構造を示す斜視図である。
符号の説明
1…絶縁電線、2…導体、3…絶縁層、4…半導電層、5…電気コイル

Claims (5)

  1. 導体と、前記導体上に形成される絶縁層と、前記絶縁層上に形成される半導電層とを有する絶縁電線であって、
    前記半導電層は、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成されるとともに、前記半導電層の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であることを特徴とする絶縁電線。
  2. 前記導体の直径が、0.1mm〜3.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 請求項1または請求項2に記載の絶縁電線を巻回して成ることを特徴とする電気コイル。
  4. 前記絶縁電線間に、前記樹脂と前記カーボンブラックとの混合物で構成される他の半導電層が設けられるとともに、前記他の半導電層の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であることを特徴とする請求項3に記載の電気コイル。
  5. 導体と、前記導体上に形成される絶縁層とを有する絶縁電線を巻回して成る電気コイルであって、
    前記絶縁電線間に、樹脂とカーボンブラックとの混合物で構成される半導電層が設けられるとともに、前記半導電層の表面抵抗が10Ω以上1012Ω未満であることを特徴とする電気コイル。
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