JP5106218B2 - 生体組織に光線を照射するためのコイル状光拡散体及びそれを含む光拡散デバイス - Google Patents

生体組織に光線を照射するためのコイル状光拡散体及びそれを含む光拡散デバイス Download PDF

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Description

本発明は、レーザ光等の光線を生体に照射して生体組織の病変部を治療する技術に関する。詳細には、照射する光を拡散させて広く生体組織に照射するための光拡散体及び光拡散デバイスに関する。
レーザ光等の光線は、生体組織の光化学治療、生体組織の溶着、心血管の経皮的冠状動脈形成術後の再狭窄防止、不整脈等の治療のための心筋組織のアブレーション等の治療に用いられている(特許文献1〜4を参照)。例えば、光化学治療においては、癌組織等の病変部に光増感剤を投与し、該組織にレーザ光を照射することにより病変部を破壊する。また、大動脈解離の解離部にレーザ光を照射することにより解離部を溶着することができる。
レーザ光を生体組織に照射するとき、治療しようとする生体組織が生体の内部に位置する場合、光線を伝送する光ファイバーを含むカテーテルを用いて、光ファイバーを消化器官や血管等の狭隘な管腔臓器内に挿入し、光ファイバーの光線射出部位を生体組織に近接させて光線を照射する。光ファイバーを用いて光線を照射する場合、光線は細い光ファイバー先端から射出するため、光は狭い範囲にしか照射することができない。また、狭隘な管腔臓器に対してレーザ治療を行う際、レーザ光が病変部に対して斜め方向(接線方向)から射出されるため、照射量の絶対値や均一性に問題があった。
このような、光線照射による生体治療の問題点を解消するため、光ファイバー先端から射出する光を拡散させ、広い範囲に照射する技術が開発されている(非特許文献1及び特許文献5を参照)。例えば、光ファイバーの光射出部分を加工して光線を拡散する技術があった(特許文献5を参照)。
国際公開第WO2004/112902号パンフレット 国際公開第WO2005/079690号パンフレット 特開2006-149974号公報 特許第3739038号公報 特開2001-204831 Leonid Vellelov et al., APPLIED OPTICS, Vol.44, No.14, 10 May 2005, pp.2754-2758
本発明は、容易に安価に製造でき、効率的に生体組織にレーザ光等の光線を広範囲に均一に照射し得る光拡散体及びそれを含む光拡散デバイスの提供を目的とする。
上記のように、従来から光線照射による生体治療において、光ファイバー先端から射出する光線を拡散させて、広い範囲に光線を照射するための技術があった。例えば、光ファイバー先端側面に多数の溝を設けるように加工した光拡散照射装置があった。しかしながら、従来技術においては、加工が容易ではなく、製造コストも高くつくという問題があった。製造コストが高くつくため、使い捨てとすることができず、適切な滅菌処理法の適用や耐久性の確保などの新たな問題発生を生じ、その結果安全性に問題が生じることも少なくなかった。また、フレキシビリティに欠けるため、血管内等の複雑な構造を有する生体内組織の任意の場所に光線を照射することは困難であった。
本発明者らは容易に安価に製造でき光拡散効率の大きい光拡散体の開発について鋭意検討を行った。その結果、表面が光を反射し得る線材をコイル状に巻き回して加工し、該線材でできたコイル状の光拡散体を光ファイバー先端に装着することに想到した。該光拡散体を光ファイバー先端に装着した状態で、光拡散体の内部に光線を射出すると、射出した光線がコイル状に加工された線材の表面に当たり反射し、巻き回した線材の隙間から拡散し、光拡散体の周囲の生体組織に広い範囲で均一に照射されることを見出した。さらに、本発明者らは弾性を有する線材を用いることにより生体内の複雑な構造を有する部分で屈曲し、安全に用いることができることを見出した。
本発明者等は、さらに巻き回した線材のピッチや、光ファイバーのNAを変えることにより、拡散光の照射範囲を制御することができることを見出し、生体内の光線を用いた治療において、光ファイバーから射出した光を拡散させ、生体組織において、光照射方向と円周方向の療法に広く、均一に光を照射し得るコイル状光拡散体を作製し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 光ファイバーの光射出端に接合又は着脱可能に装着し、光ファイバーから射出された光を光射出方向以外の方向に拡散させるための、少なくとも表面が光反射性の金属からなる線材を円筒形状に巻回して形成した生体組織に光線を照射するためのコイル状光拡散体であって、光ファイバーに装着するための部位と、光ファイバーから射出された光を拡散させるための部位からなるコイル状光拡散体。
[2] 光ファイバーから射出された光を拡散させるための部位の巻き回した線材の間隔が等ピッチである、[1]のコイル状光拡散体。
[3] 光ファイバーから射出された光を拡散させるための部位の巻き回した線材の間隔を手元側は狭く、先端側は広くなるように不等ピッチで設計した、[1]のコイル状光拡散体。
[4] コイル状光拡散体の線材が金属製であるか、又は線材の表面を光反射性の金属でコーティングしてなる、[1]〜[3]のいずれかのコイル状光拡散体。
[5] コイル状光拡散体が、体液の進入を防ぐための光透過性樹脂皮膜にて覆われている[1]〜[4]のいずれかのコイル状光拡散体。
[6] コイル状光拡散体の先端にX線透視用金属マーカー及び/又は生体電位測定用電極を含む搭載してなる[1]〜[5]のいずれかのコイル状光拡散体。
[7] [1]〜[6]のいずれかのコイル状光拡散体を含む光拡散デバイス。
[8] [1]〜[6]のいずれかのコイル状光拡散体を先端に装着してなる生体治療用光ファイバー。
本発明のコイル状光拡散体及びそれを含む光拡散デバイスを用いると、生体組織の光化学治療、生体組織の溶着、心血管の経皮的環状動脈形成術後の再狭窄防止、不整脈などの治療のための心筋組織のアブレーション等の治療に用いることができ、治療する病変部にレーザ光等の光線を効率的に広範囲に均一に照射することができる。また、本発明のコイル状光拡散体は、金属線材等を巻き回してコイル状に加工することにより製造できるので、容易に安価に製造することができ、使い捨て要素として生体に対して安全に用いることができる。さらに、線材をコイル状に加工する技術が発達しているため、巻き回した隣合う線材の間隔等の光拡散体のサイズを自由に設計し、製造することができ、拡散光が照射される範囲を、目的に応じて自由に制御することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、光線を用いた生体組織の治療において、光ファイバーから射出された光線を拡散させて、治療しようとする生体組織の広い範囲に光線を均一に照射させるための光拡散体である。光ファイバーから射出される光は、そのままでは射出方向のみに多少の広がりをもって照射される。この場合、生体組織の照射される範囲は狭く、また、狭隘な管腔臓器では光線が接線照射となることから、光照射量、光照射の均一性に問題が生じ、治療効果は必ずしも高くなかった。本発明のコイル状光拡散体を用いることにより、光ファイバーから射出された光線は、光拡散体により拡散されて射出方向だけではなく、射出方向に対する直角方向にも円周状に拡散、すなわち円周方向に拡散し、周囲の生体組織を照射する。本発明において、拡散光の照射方向について、光ファイバーからの射出方向をz軸方向といい、射出方向に対する円周方向をθ方向という。すなわち、本発明のコイル状光拡散体を用いることにより、光ファイバーから射出した光線は、z軸方向だけでなく、θ方向にも拡散し、生体組織を広く均一に照射する。光ファイバーから射出された光線が広く均一に生体組織を照射するか否かは、例えば、横軸にファイバー端面の光線が射出する面からのz軸方向への距離をとり、縦軸にファイバー中心線からの一定の距離における拡散光強度をとり、z軸方向に対する拡散光の強さの分布を調べればよい。
本発明の光拡散体は、形状がコイル状すなわち螺旋状であり、コイルばねに類似した形状、好ましくは円筒コイル状形状を有する。すなわち、線材を円筒形状に巻き回して、すなわち線材を螺旋巻きとして形成される円筒コイルばねに類似した形状を有する。以下の本発明の光拡散体の各部分やサイズの説明において、該光拡散体の形状がコイルばねの形状に類似しているため、光拡散体の各部分やサイズを規定する用語はコイルばねで一般的に用いられる用語を用いる(図1A及び図1B)。ただし、コイルばねで用いられる用語を用いたとしても本発明のコイル状の光拡散体は、弾性を有し屈曲した状態で用いることがあったとしても、ばねとして用いることは意図しておらず、ばねとは区別されるべき要素である。
本発明のコイル状光拡散体は、線材を右巻き(図1A)に巻き回して形成されていても、左巻き(図1B)に巻き回して形成されていてもよい。
本発明のコイル状光拡散体の自由長(自由高さ)は、光線を照射しようとする生体組織の種類により適宜設定することができるが、好ましくは10〜200mm、さらに好ましくは20〜100mmである。例えば、血管内に光線を照射する場合、20〜100mmである。コイル状光拡散体のコイル外径は、光線を照射しようとする生体組織の種類により適宜設定することができるが、好ましくは0.2〜5mm、さらに好ましくは0.5〜3mmである。例えば、血管内に光線を照射する場合、0.5〜3mmである。また、コイル外径は、一定であることが望ましいが、長さ方向で可変であってもよい。例えば、光ファイバーに装着する部分から先端に向けて外径が漸減又は漸増したテーパ構造を有していてもよい。
本発明のコイル状光拡散体を形成する線材の断面の形状は、限定されず、真円、楕円等の円形、半円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形等の種々の形状を採用し得る。線材の断面形状は、光ファイバーから射出され、本発明のコイル状光拡散体の表面に当たり、反射・拡散する際の拡散方向や反射効率により選択すればよい。この際、光ファイバーから射出された光線がコイル状光拡散体に当たり反射するときの入射角と反射角が等しいことに基づいて、線材の断面形状を設計することができる。線材のサイズは、例えば断面形状が円形の場合の直径(線型)が0.02〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.3mmである。また、線材の総巻き数は、4〜10000、好ましくは8〜7000である。
断面形状が四角形の場合、線材の厚さ0.02〜0.5mmに対し線材の幅0.02〜3mmとなり、線材の幅部分がコイルの内外面を形成するように成形される。さらに好ましくは、線材の厚さ0.05〜0.3mmに対し線材の幅0.05〜2mmとなる。また、線材の総巻き数は、4〜10000、好ましくは4〜6000である。
本発明のコイル状光拡散体は、光を伝送する光ファイバーに装着するための部位と、射出された光を拡散させるための部位を連続して有する。図2Aに本発明のコイル状光拡散体の図を示す。図2A中、Xで示される部位が光を伝送する光ファイバーに装着するための部位であり、Yで示される部位が射出された光を拡散させるための部位である。光を伝送する光ファイバーに装着するための部位は光ファイバーに本発明のコイル状光拡散体を固定する作用を担い、射出された光を拡散させるための部位は、光線を反射させる素材を有し、かつ拡散光線が通る隙間があり、光ファイバーから光拡散体内部に射出された光線を拡散して外に出すという作用を担う。図2A中、a、b及びcは各部位の長さを示す。図2Bは、本発明のコイル状光拡散体を光ファイバーに装着した状態を示す図である。
光ファイバーに装着するための部位は、コイル状光拡散体の一端に設けられる。該部位は、例えばコイル状光拡散体の一端を密着巻きとすることにより設けられる。密着巻き部位とは、コイル状光拡散体の端部に設けられる隣合う巻き線の間隔(ピッチ)を実質的に0にした巻き線部分をいう。該光を伝送する光ファイバーに装着するための部位を光ファイバーの先端に装着、例えば嵌装する。コイル状光拡散体の光ファイバー先端への装着は、取り外しできない固定した接合であっても着脱可能な装着であってもよい。光を伝送する光ファイバーに装着するための部位の自由長方向の長さ(図2A中のa)は、自由長の1〜50%(図2A中のa+b+cの長さに対するaの割合)、好ましくは1.5〜30%であり、実際の長さは光線を照射しようとする生体組織の種類により異なるが、0.1〜100mm、好ましくは0.15〜30mmである。図1Bには、本発明のコイル状光拡散体を装着した光ファイバーを示す。また、光を伝送する光ファイバーに装着するための部位は、円筒状の金属等でできた部位であってもよく、この場合は、該円筒状の部位を光ファイバーの先端に装着すればよい。該円筒状の部位と線材を巻き回して形成されたコイル状の部位を溶接等により結合させ一体化させればよい。
本発明のコイル状光拡散体の光ファイバー先端への装着は、接着剤を用いてもよいし、溶接により行なってもよい。
本発明のコイル状光拡散体の射出された光を拡散させるための部位(図2AのY部位)においては、隣合う巻き線の間から光が周囲に拡散し周囲の生体組織に照射される。該部位のピッチが狭いほど、光ファイバーから射出された光線は、巻き線の間から拡散しにくく、光拡散体の先端まで届き拡散し得るので、生体組織のより広い範囲を照射することができる。ここで、ピッチとは、コイル状光拡散体の中心線を含む断面で、互いに隣り合うコイルの中心線に平行な材料断面の中心間距離をいう(図1A)。例えば、射出された光を拡散させるための部位のピッチは、0.005〜1.5mm、好ましくは0.01〜0.75mmである。丸線の線径が0.02〜0.5mmの場合、ピッチは線材の線径の110〜500%、好ましくは130〜300%である。また、断面形状が四角形の線材の場合、ピッチは線材の幅の110〜500%、好ましくは130〜300%である。
該光を拡散させるための部位は、ピッチが均一な等ピッチを有していてもよい。すなわち、光を拡散させるための部位の巻き回した線材の間隔が等しくてもよい。生体組織への拡散光の均一かつ広範囲な照射を考慮するとピッチが不均一な不等ピッチを有するのが望ましい。本発明のコイル状光拡散体の光を拡散させるための部位において、光ファイバーに装着される側、すなわち、光ファイバーに装着するための部位に隣接した側で巻き線が密に巻かれピッチが狭く、光ファイバーに装着される側から離れた部分で巻き線が疎に巻かれピッチが広い。すなわち、光を拡散させるための部位の巻き回した線材の間隔を手元側は狭く、先端側は広くなるように設計すればよい。ここで、手元側とは光ファイバーに装着される側をいう。この際、ピッチを段階的又は連続的に狭から広へと変化させてもよい。この場合、ピッチは光ファイバーへの装着部位から先端にかけて漸増する。また、途中まで狭い一定のピッチとし、途中から広い一定のピッチとしてもよい。いずれにしろ、不等ピッチを有するコイル状光拡散体においては、光ファイバーの最も近くにある巻き回した線材と線材の隙間の間隔が、光ファイバーから最も離れた巻き回した線材と線材の隙間の間隔より狭い。例えば、図2Aは、本発明のコイル状光拡散体の一例として、途中まで狭い一定のピッチとし、途中から広い一定のピッチとした光拡散体を示す。図2A中Y1で表される部位がピッチが狭く巻き線が密に巻かれた部位であり、Y2で表される部位がピッチが広く巻き線が疎に巻かれた部位である。Y1の長さbは、例えばYの長さb+cの5〜50%、好ましくは10〜35%である。また、Y1の部分のピッチは、Y2の部分のピッチの10〜50%、好ましくは20〜45%である。
コイル状光拡散体の射出された光を拡散させるための部位のピッチを不等ピッチとすることにより、光ファイバーからコイル状光拡散体内部に射出された光線は、ピッチが狭い部分で光拡散体の外部に拡散し過ぎず、光拡散体の先端まで届き拡散し得るので、生体組織のより広い範囲を照射することができる。
本発明のコイル状光拡散体のピッチ角は、5〜70度、好ましくは14〜60度である。
本発明のコイル状光拡散体を形成する線材は、表面が光を反射させ、少なくとも表面に光を反射する光反射性物質を含む。光を反射する物質として、金属やガラス、マイカ、シリカ等の無機物が挙げられる。この際、全体が同じ物質で形成されていてもよいし、基体となる線状物質でコイル形状を形成し、その表面に光を反射する物質をコーティングしてもよい。本発明のコイル状光拡散体は、生体内で組織に接触し、屈曲した状態で使用することがあるため、基体となる物質は、複雑な管腔組織に挿入したときに先端が屈曲するように、弾性を有していることが望ましい。
具体的には、コイル状光拡散体の全体が金属で形成されていてもよいし、樹脂等の物質で形成され表面を金属でコーティングしてもよい。さらに、表面を金属粉末でコーティングし、金属膜を形成させてもよい。金属薄膜を表面に形成するには、メッキ、スパッタリング、蒸着等の方法により行うことができる。また、無電解ニッケル-リンメッキにより厚膜(例えば、膜厚5〜20μm)を形成させることもできる。基体となる線材の表面に凹凸がある場合、この方法により金属の厚膜を形成させるのが好ましい。金属としては、光の反射率が高いものが好ましく、金、白金、ステンレス鋼(sus304、sus316等)、アルミニウム、タンタル、ニッケル、タングステン、銅、真鍮、ピアノ線、ニッケルチタン等やこれらの合金が挙げられる。この中でも、光の反射率、成形性、形状保持性、生体親和性、コスト等の観点からステンレス鋼、白金合金等が好ましい。なお、線材の表面は、光が鏡面反射するように光沢を有するように処理してもよいし、光が拡散反射するように表面に粗さが残るように処理してもよいが、実用的な拡散領域をz軸方向に確保するために、鏡面反射するように処理することが好ましい。本願発明においては、光ファイバーから射出された光がコイル状光拡散体に当たり、反射して射出方向以外の方向に反射することを光が拡散するといい、拡散した光には鏡面反射した光も拡散反射した光も含まれる。
本発明のコイル状光拡散体は、例えばコイリングマシンを用いて製造することができる。また、MIM(Metal injection molding)成型により成形することもできる。MIM成型は金属粉末を混ぜた樹脂で射出成型し、焼結により樹脂を完全除去して金属単体成型物とする方法であり、複雑な形状を有する光拡散体の成形に適している。線材が金属ではなく樹脂の場合は、射出成型で製造するのが好ましい。
本発明のコイル状光拡散体は、光線射出部の位置をモニタするためのマーカー及び/又は生体電位測定用電極を備えていてもよい。該マーカーとしては、X線透視用マーカーを用いればよい。外部からX線透視下で観察することにより、コイル状光拡散体の先端部の存在位置がわかり、該コイル状光拡散体を治療部位に適切に位置させることが可能になる。X線不透視マーカーとしては、X線に不透過性の金属を用いることができ、生体への親和性という観点から白金、金、イリジウム、タングステン、タンタル等やこれらの合金が好ましい。あるいは、樹脂にこれらの金属粉末を混合したものを用いることもできる。マーカーは、例えばコイル状光拡散体の光ファイバーに装着される端の反対側の端に密着巻き部位を設け、そこに装着すればよい。
光拡散体から拡散する光の照射範囲及び均一性は、用いる光ファイバーからの出射ビームの開口数(NA)によっても制御することができる。この出射ビームの開口数は、光ファイバーの入口での受光角度(θ)で変化させることができ、その上限は光ファイバーで伝送可能な開口数で決まる。光線は図3に示すように、光ファイバーに角度θ(受光角度)で入射し、ファイバー中を伝播する。この場合、nsinθをファイバーのNAという。ここで、nはファイバーの設置されている外界屈折率をいう。nは空気中で用いるときは1であり、血液等の液体中で用いる場合は、液体の屈折率である。NAはファイバーの光の受光角度を変えることにより制御することができる。NAが大きいほど、拡散光の照射範囲は狭くなり、NAが小さいほど拡散光の照射範囲はより広くなる。これは、NAが小さいほど光線がコイル状光拡散体に対し、浅い角度(接線方向)で射出されるので、射出した光線が光拡散体の内部を進み、途中で光拡散体の外に漏れにくく、光拡散体の先端まで届くためである。NAは0.01〜1.0、好ましくは、0.02〜0.4である。NAは光ファイバーを構成する芯材(コア)とそれを覆う被覆材(クラッド)の屈折率により決まるので、特定のNAを有する光ファイバーを選択することができる。あるいは、レーザビームエキスパンダーを用いて光線のビーム形を変えること等により任意の値に設定することができる。
本発明のコイル状光拡散体は、光透過性の樹脂で覆われていてもよい。コイル状光拡散体の内部に血液等の体液が入ったり、表面に接触した場合、光拡散体の表面の反射率が変わり、光の拡散効率が変化してしまうことがある。本発明においては、光拡散体内部に体液が入ったり、光拡散体表面に体液が接触することを体液が進入するという。前記被膜により血液等の体液がコイル状光拡散体内部に進入するのを防ぐことができる。光拡散体を覆う樹脂としては、例えば透明シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。樹脂は線材の表面にコーティングされ、線材が樹脂被膜で覆われていればよい。例えば、線材又はコイル状に成形されたコイル状光拡散体を樹脂溶液中に浸し、乾燥させることによりコイル状光拡散体を樹脂で覆うことができる。また、インサート成形によっても樹脂で覆われたコイル状光拡散体を製造することができる。ここで、インサート成形とは、プラスチック成形体に埋め込む金属部品などの異種材料の部品をあらかじめ金型内に設置しておいて、そこに樹脂を射出成形などによって充填する成形法をいう。さらに、コイル状光拡散体全体に樹脂でできた膜状の保護チューブを被せることにより、光拡散体を樹脂で覆ってもよい。本発明においては、いずれの場合も光拡散体が、光透過性樹脂被膜にて覆われているという。
以上のように、本発明のコイル状光拡散体を用いた場合、光ファイバーから射出され、本発明のコイル状光拡散体に当たって拡散する光線の拡散の状態は、主に射出された光を拡散させるための部位のピッチ、射出された光を拡散させるための部位を不等ピッチとした場合のピッチの分布、光ファイバーから射出する光のNAにより制御することができる。すなわち、射出された光を拡散させるための部位のピッチを狭くするほど拡散光の照射範囲が広く均一になり、不等ピッチとし、光ファイバーに装着するための部位に近接した側のピッチが狭く、光ファイバーに装着される側から離れた部分のピッチが広い場合に拡散光の照射範囲が広く均一になる。さらに、NAを小さくした場合に、拡散光の照射範囲が広く均一になる。その他、線材の径、線材の断面形状、ピッチ角、線材の材質等を変えることにより、照射範囲や照射の均一性を変えることができる。本発明のコイル状光拡散体は上記のように設計により拡散した光が照射される範囲を自由に制御することができる。本発明は、コイル状光拡散体のサイズや材質を調節し、光照射範囲や光照射の均一性を制御する方法も包含する。
本発明のコイル状光拡散体により拡散された光ファイバーから射出された光が生体組織を広く均一に照射し得るかどうかは以下のようにして調べることができる。光ファイバーから射出した光線は図4に示すように、射出方向(z軸方向)に進むとともに、光拡散体で拡散され円周方向(θ方向)に拡散し、広がって照射される。
横軸にファイバー端面の光線が射出する面からのz軸方向への距離をとり、縦軸にファイバー中心線からの一定の距離における拡散光強度をとり、z軸方向に対する拡散光の強さの分布を調べる。ここで、z軸方向の距離は、コイル状光拡散体の自由長から光ファイバーに装着した場合に、光ファイバーと重なる部位の長さを引いた距離である。z軸方向の距離によって、各位置の拡散光強度の変化が少ない場合、生体組織に広く均一に照射し得る。例えば、z軸方向に対する拡散光強度の分布を測定した場合に、光線を照射しようとする生体組織の広さに対応した任意の一定区間において、最小の拡散光強度が最大の拡散光強度の10%以上、25%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。
本発明のコイル状光拡散体は、変形させないで用いた場合、全周方向に光を拡散させ得る。ただし、生体組織中で用いる場合、例えば血管等の管腔組織は複雑な構造をしており、光拡散体の先端を血管の壁に接触させ、コイル状光拡散体を屈曲させた状態で用いる場合がある。上記のように、本発明のコイル状光拡散体は、屈曲させた状態での使用を想定し、線材として弾性を有する物質を用いるのが好ましい。この場合、屈曲の内側においては、隣合う線材の間の隙間が狭くなる。一方、屈曲の内側と反対側においては、隣合う線材同士の間隔が広くなる。光ファイバーから射出された光線は屈曲されたコイル状光拡散体の屈曲の内側と反対側に主に拡散され、その方向に存在する生体組織に主に光を照射することができる。このように、本発明のコイル状光拡散体は、生体組織と接触させ屈曲させることにより、任意の方向に拡散光を照射させることができる。例えば、管腔組織の内壁の一部にのみ光線を照射して治療しようとする部位が存在する場合に、コイル状光拡散体の屈曲の程度を調節することにより、特定の生体組織部位のみに光を照射することができる。
本発明は、さらに生体組織の治療に用い得る光ファイバーであって、先端に上記のコイル状光拡散体が装着された生体治療に用いられる医療用光ファイバーを含む。
本発明で用いられる光ファイバーとして、石英ファイバーを用いればよい。光ファイバーは、直径0.05〜0.3mm程度のきわめて細いものから、可視的な太さのものまで用いることができ、治療しようとする生体組織により選択すればよい。例えば、血管中に挿入して用いる場合、そのままで血管中に挿入されるか、あるいはカテーテルの中に収めて血管中に挿入され、光線を伝送できる限り、広く種々の径のものを用いることができる。
本発明は、さらに本発明のコイル状光拡散体を装着したデバイスを包含する。該デバイスは、本発明のコイル状光拡散体を含む光拡散デバイスである。ここで、デバイスには、カテーテルや内視鏡処置具、光治療装置等の複数の部品を組み立ててなる装置等をいう。該デバイスとして、本発明のコイル状光拡散体を先端に装着してなる光ファイバーを含む生体治療用(医療用)カテーテル、カテーテル状生体治療装置、内視鏡装置等が挙げられる。これらのデバイスは、レーザ光等の光線を利用する生体の治療や診断に用いることができる医療用デバイスである。カテーテルは、通常用いられているものを使用することができ、その径等は限定されない。治療する病変部に応じて適したカテーテルを用いることができる。例えば、動脈硬化を治療する場合には、血管用カテーテルを用いればよく、前立腺癌や前立腺肥大を治療する場合には、尿道カテーテルを用いればよい。
本発明のデバイスにおいて治療や診断のために照射する光線の種類は限定されないが、連続若しくはパルスレーザ光線又は波長可変のオプティカルパラメトリックオッシレーター(OPO; Optical Parametric Oscillator)により発生する光線が望ましい。なお、本発明においては、これらの光線を総称してレーザ光線ということがある。照射する波長は施行する治療の内容により適宜選択できる。レーザとしては、半導体レーザ、エキシマダイレーザ、色素レーザ、可変波長近赤外レーザの二逓倍波等を適宜用いることができる。光線はパルスレーザ等のパルス光線でも連続レーザ等の連続光線でもよい。ここで、パルス光線とは、パルス幅が1ms以下のものをいう。また、連続光は、ライトチョッパーを用いて断続させ、パルス光線として照射することもできる。本発明の装置で用いる光線は、好ましくは連続レーザかつ半導体レーザである。
本発明のコイル状光拡散体、該コイル状光拡散体を装着した光ファイバー、該コイル状光拡散体を含むデバイスは例えば以下のようにして使用する。
本発明のコイル状光拡散体を装着した光ファイバーをカテーテル内に配置し、一端を光線発生手段(光線発生装置)と連結する。カテーテルを生体内に挿入し光線射出部位を生体組織の治療しようとする病変部まで運び、そこで光線をコイル状光拡散体の内部に射出することにより行なう。
本発明のコイル状光拡散体は、生体組織の光化学治療、生体組織の溶着、心血管の経皮的冠状動脈形成術後の再狭窄防止、不整脈等の治療のための心筋組織のアブレーション等の治療に用いることができ、治療する病変部にレーザ光等の光線を広範囲に均一に照射することができる。生体組織は限定されないが、消化器官、血管、心臓、肺、尿道、食道等が挙げられる。消化器官等の空気環境下でも、血管等の液体環境下でも用いることができる。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1 等ピッチを有するコイル状光拡散体の拡散光計測
以下のコイル状光拡散体を用いた。
線材材質:ステンレス鋼sus304
線材断面:円形
寸法:内径0.75mm、自由長43mm(ファイバーとの嵌装部3mm、光が射出する照射部40mm)、線径0.18mm
照射部のピッチ:0.09mm、0.18mm、0.27mmの3種類
図5に実験系を示す。コイル状光拡散体1を光ファイバー2(ST600F, NA=0.22, 三菱電線)の先端に装着し、He-Neレーザ3(632.8nm, 3mW, 05LHR111, Mlles Griot)をファイバー伝送してコイル状光拡散体内部に射出した。伝送の際NA=0.038となるようレーザビームエキスパンダー4(LBE-5, シグマ光機)と球面平凸レンズ5(SLB-30-40P, シグマ光機)を設置した。コイル状光拡散体下部に注射針6(23G, 内径650μm, テルモ)を挿入し芯出しを行い、自動回転ステージ7(SGSP-80YAW, シグマ光機)で光ファイバーごとコイル状光拡散体を回転させ、レーザ光照射方向に対する直角方向の拡散光強度を高感度光学センサー8(OP-2VIS, Coherent)で計測した。更に自動Z軸ステージ(高剛性・精密型自動ステージ)9(SGSP26-100(Z), シグマ光機)で高感度光学センサーを移動させ、コイル状光拡散体のレーザ光照射方向の拡散光強度を計測した。
使用した上記実験機材の使用目的(機材の型番)は、以下のとおりである。
(2)光ファイバー(ST600F, NA=0.22, 三菱電線)
He-Neレーザ光をコイル状光拡散体内部に照射する。
(3)He-Neレーザ(632.8nm, 3mW, 05LHR111, Mlles Griot)
拡散光計測の光源として使用する。
(4)レーザビームエキスパンダー(LBE-5, シグマ光機)
He-Neレーザ光のビーム径を拡大してファイバー入射することでNAを設定する。
(5)球面平凸レンズ(SLB-30-40P, シグマ光機)
He-Neレーザ光を集光してファイバーに入射する。
(6)注射針(23G, 内径650μm, テルモ)
回転中のコイル状光拡散体の芯出しに用いる。
(7)自動回転ステージ(SGSP-80YAW, シグマ光機)
サンプルコイルのレーザ光放射方向と直角方向の拡散光計測でコイル状光拡散体を回転させる。
(8)高感度光学センサー(OP-2VIS, Coherent)
コイル状光拡散体の拡散光を検出する。
(9)高剛性・精密型自動ステージ(SGSP26-100(Z), シグマ光機)
コイル状光拡散体のレーザ光放射方向の拡散光計測で高感度光学センサーを移動させる。
(10-1)FC型光ファイバーホルダー(FOP-1, シグマ光機)
FCコネクタの光ファイバーを固定する。
(10-2)光ファイバーホルダー(OFH-1, シグマ光機)
光ファイバーを固定する。
(11)アダプター
アクリル製、実験機材を設置する。
(12)ピンホール(S71-500, 穴径φ500μm, 駿河精機)
拡散光計測の空間分解能を高める。
(13)L型ブラケット(LBR-4053, シグマ光機)
高剛性・精密型自動ステージに高感度光学センサーを設置する。
(14)ロッド及びロッドスタンド(RO及び RSシリーズ, シグマ光機)
実験機材を定盤に固定する。
(15)ズーム式レーザビームエキスパンダー(LBEZ, シグマ光機)
実施例3で使用。
He-Neレーザ光を連続的に拡大することで光ファイバーに入射する際のNAを調整した。
ピッチ間隔の異なるコイルの拡散光分布を図6に示す。等ピッチを有するコイル状光拡散体の拡散光はコイル状光拡散体を装着していない状態と比較して拡散光の絶対値が増えることを確認した。各コイル状光拡散体はファイバー端面から約7.5mmで拡散光が最大となり、これはレーザビームの広がり角から計算されるコイル状光拡散体内での反射の位置とほぼ一致する。本実験よりピッチ間隔を狭くするほど、コイル状光拡散体の外側に漏れる光が減り、レーザ光がコイル状光拡散体先端まで届くことを確認した。
実施例2 不等ピッチを有するコイル状光拡散体の拡散光計測
以下のコイル状光拡散体を用いた。
線材材質:ステンレス鋼sus304
線材断面:円形
寸法:内径0.75mm、自由長43mm(ファイバーとの嵌装部3mm、光が射出する照射部40mm)、線径0.18mm
照射部のピッチ:ピッチ0.09mm長さ10mm+ピッチ0.18mm長さ30mm
ピッチ0.09mm長さ15mm+ピッチ0.18mm長さ25mm
ピッチ0.09mm長さ15mm+ピッチ0.27mm長さ25mm
図5に示す実験系を使用した。コイル状光拡散体1を光ファイバー2(ST600F, NA=0.22, 三菱電線)の先端に装着し、He-Neレーザ3(632.8nm, 3mW, 05LHR111, Mlles Griot)をファイバー伝送してコイル状光拡散体内部に放射した。伝送の際NA=0.038となるようレーザビームエキスパンダー4(LBE-5, シグマ光機)と球面平凸レンズ5(SLB-30-40P, シグマ光機)を設置した。コイル状光拡散体下部に注射針6(23G, 内径650μm, テルモ)を挿入し芯出しを行い、自動回転ステージ7(SGSP-80YAW, シグマ光機)で光ファイバーごとコイル状光拡散体を回転させ、レーザ光照射方向に対する直角方向の拡散光強度を高感度光学センサー8(OP-2VIS, Coherent)で計測した。更に自動Z軸ステージ9(SGSP26-100(Z), シグマ光機)で高感度光学センサーを移動させ、コイル状光拡散体のレーザ光照射方向の拡散光強度を計測した。
拡散光分布を図7に示す。等ピッチを有するコイル状光拡散体と比較して不等ピッチを有するコイル状光拡散体はレーザ光がコイル状光拡散体先端側まで届き、コイル状光拡散体先端側で拡散光強度の絶対値が増えていることを確認した。これはコイル状光拡散体の先端側でピッチが疎になることで、コイル状光拡散体先端まで届いた光がコイル状光拡散体外側に多く漏れたためであると考えられる。本実施例よりファイバー端面からピッチを密から疎にすることでレーザ光をコイル状光拡散体先端まで届くよう設計し、コイル状光拡散体先端側でも拡散光強度の絶対値を増やせることを確認した。
実施例3 射出レーザビームのNAを変化させた場合の均等ピッチを有するコイル状光拡散体の拡散光計測
以下のコイル状光拡散体を用いた。
線材材質:ステンレス鋼sus304
線材断面:円形
寸法:内径0.75mm、自由長43mm(ファイバーとの嵌装部3mm、光が射出する照射部40mm)、線径0.18mm
照射部のピッチ: 0.09mm
図5に実験系を示す。コイル状光拡散体1を光ファイバー2(ST600F, NA=0.22, 三菱電線)の先端に装着し、He-Neレーザ3(632.8nm, 3mW, 05LHR111, Mlles Griot)をファイバー伝送してコイル状光拡散体内部に放射した。伝送の際、レーザビームエキスパンダー4(LBE-5, シグマ光機)と球面平凸レンズ5(SLB-30-40P, シグマ光機)とズーム式レーザビームエキスパンダー15(LBEZ, シグマ光機)を使用し、NA=0.038, 0.087, 0.196と変化させた。コイル状光拡散体下部に注射針6(23G, 内径650μm, テルモ)を挿入し芯出しを行い、自動回転ステージ7(SGSP-80YAW, シグマ光機)で光ファイバーごとコイル状光拡散体を回転させ、レーザ光照射方向に対する直角方向の拡散光強度を高感度光学センサー8(OP-2VIS, Coherent)で計測した。更に自動Z軸ステージ9(SGSP26-100(Z), シグマ光機)で高感度光学センサーを移動させ、コイル状光拡散体のレーザ光照射方向の拡散光強度を計測した。
拡散光分布を図8に示す。射出レーザビームのNAが小さいほど拡散光の最大値の検出位置がコイル状光拡散体先端側に移行、コイル状光拡散体先端側でも拡散光の絶対値が増えることを確認した。これはレーザ光がコイル状光拡散体に対し斜め方向(接線方向)に入射することで、レーザ光がコイル状光拡散体先端まで届き、さらにコイル状光拡散体の外側に漏れる光が減ったためであると考えられる。本実験より射出レーザビームのNAを制御することで、コイル状光拡散体先端まで拡散光強度の絶対値を増やせることを確認した。
本発明のコイル状光拡散体及びコイル状光拡散体を含む光拡散デバイスは、レーザ光等の光線を利用した生体の治療に用いる。
本発明のコイル状光拡散体の各部分のサイズの表し方を示す図である。図1Aは右巻きコイル状光拡散体を示し、図1Bは左巻きコイル状光拡散体を示す。 本発明のコイル状拡散体を一例を示す図である。図に示すコイル状光拡散体は、光を伝送する光ファイバーに装着するための部位と、射出された光を拡散させるための部位を有し、射出された光を拡散するための部位は不等ピッチを有する。図2Bは、本発明のコイル状光拡散体を装着した光ファイバーを示す。 光ファイバーの開口数(NA)を示す図である。 本発明のコイル状光拡散体で拡散された光の照射方向を示す図である。 実施例において拡散光計測に用いた実験系を示す図である。 コイル状光拡散体を等ピッチとし、ピッチを変えた場合のレーザビーム入射方向の拡散光強度分布を示す図である。 コイル状光拡散体を不等ピッチとし、ピッチを変えた場合のレーザビーム入射方向の拡散光強度分布を示す図である。 レーザビームのNAを変化させた場合のレーザビーム入射方向の拡散光強度分布を示す図である。

Claims (8)

  1. 光ファイバーの光射出端に装着し、光ファイバーから射出された光を光射出方向以外の方向に拡散させるための、少なくとも表面が光反射性の金属からなる線材を円筒形状に巻回して形成した生体組織に光線を照射するためのコイル状光拡散体であって、光ファイバーに装着するための部位と、光ファイバーから射出された光を拡散させるための部位からなるコイル状光拡散体。
  2. 光ファイバーから射出された光を拡散させるための部位の巻き回した線材の間隔が等ピッチである、請求項1に記載のコイル状光拡散体。
  3. 光ファイバーから射出された光を拡散させるための部位の巻き回した線材の間隔を手元側は狭く、先端側は広くなるように不等ピッチで設計した、請求項1に記載のコイル状光拡散体。
  4. コイル状光拡散体の線材が金属製であるか、又は線材の表面を光反射性の金属でコーティングしてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイル状光拡散体。
  5. コイル状光拡散体が、体液の進入を防ぐための光透過性樹脂被膜にて覆われている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイル状光拡散体。
  6. コイル状光拡散体の先端にX線透視用金属マーカー及び/又は生体電位測定用電極を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイル状光拡散体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のコイル状光拡散体を含む光拡散デバイス。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のコイル状光拡散体を先端に装着してなる生体治療用光ファイバー。
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