JP2018000867A - カテーテルチューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な加工により、光増感反応による治療で用いられるレーザの光放射効率及び分布を、最適化したカテーテルチューブを提供する。【解決手段】生体内に挿入され、治療対象部位又は検査対象部位に光を照射して該部位の治療又は検査を行う医療用具に設けられるカテーテルチューブ20,20´,30,30´である。光学的に透明性を備えた素材からなり、光拡散体32が挿通される光拡散体挿通孔22と、光拡散体挿通孔22とは異なる1以上の他の孔23〜26と、が、カテーテルチューブ20,20´,30,30´の長手方向に延長するように設けられている。他の孔の内部23〜26には、他の孔23〜26の内壁面に隣接して、空間が存在し、内壁面は、相互に屈折率の異なる素材と空間内の気相あるいは液相との光学的な界面となって、共同して、光拡散体32が発する光の放射分布を調整する反射面を形成している。【選択図】図2

Description

本発明は、治療又は検査対象部位に光を照射する光拡散体を備え、生体内に挿入して使用されるカテーテルチューブに関する。
近年、癌や頻脈性不整脈の治療において、プラスチック光ファイバのクラッド層を研磨することで側面から拡散光を照射する設計の光拡散体を内装したチューブが、光線力学的治療など、光を用いた治療で運用されている。
ここで、光線力学的治療とは、光感受性物質を静脈注射等の方法により投与して、対象組織に光感受性物質を分布させた状態で、レーザ光等の光線を照射し、光感受性物質と光,酸素による光増感反応を起こさせ、この光増感反応で、対象組織の細胞を壊死させることにより、処置する方法である。
光線力学的治療において、チューブの設計に求められる主な性能は、光の放射効率および放射分布の2点である。低放射効率のチューブでは有効な治療エネルギーを与えることができず、エネルギーのロスは熱を発生させるため、組織や血液への熱障害を防止する対策が必要となることから、光の放射効率は重要な性能である。
また、レーザ光等の光線を対象組織に照射することにより、対象組織の細胞を壊死させる一方、対象組織以外の組織や血液等への照射は抑制する必要があるため、光線力学的治療においては、光の放射分布を最適化する対策が望まれる。
そこで、頻脈性不整脈の光線力学的治療で用いるレーザカテーテルにおいて、放射効率及び放射分布を調整する反射層を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1のレーザカテーテル101は、遠位端を円形としてループ状に形成した、ラッソ(lasso)状とも呼ばれる形状のレーザカテーテルにおいて、反射層を設けたものである。
特許文献1のレーザカテーテル101において、レーザエネルギーがカテーテルから側面方向に出力される遠位端のループ状部分の断面を、図15に示す。レーザカテーテル101のループ状部分は、ループ形状を維持するための形状記憶ワイヤ119を挿入する内腔118,2つの長手冷却チャネル120,121,光ファイバ126を備えている。
そして、光ファイバ126を囲むようにして、反射層117で覆われた略V状の溝116が形成され、光ファイバ126が、接着剤128により溝116内に固定されている。光ファイバ126から発せられる光は、ループ形状の外側方向にのみ放射される。
このように構成することにより、ループ形状の径方向外側に向かって、治療が必要な部位にのみ光を放射する一方、径中心方向の血液等へは光が放射されないようにして、血液等の温度上昇等を防ぐことが可能である。
特表2012−510084号公報
しかし、特許文献1のレーザカテーテルでは、溝116を備えたカテーテルを作製した後、溝116の表面に金属メッキ等により反射層117を形成し、更に光ファイバ126を溝116内に固定する必要があり、レーザカテーテルの作製工程が煩雑であると共に、作製工程数が多くなっていた。
更に、レーザカテーテルの細径化の要請が高まっている中、レーザカテーテル中の金属メッキ処理や接着剤による接着処理は、微細な作業であるため、細径レーザカテーテルでは、加工が難しかった。
また、上述した通り、カテーテルチューブの設計において求められる主な性能は放射効率および放射分布の2点であるが、放射分布は治療部位に応じて設計する必要がある。
例えば、光増感反応による不整脈治療では、主な治療対象が肺静脈および上大静脈である。肺静脈における光照射では組織に環状カテーテルチューブの外側からやや前方部分が接触するため、十分な放射照射量を確保するために広範囲への光照射が必要となる。
一方、上大静脈における光照射では、組織に環状カテーテルチューブの外側を接触させることができるため、広範囲への光照射は不要であるだけでなく、光照射部位近傍には洞結節と呼ばれる非常に重要な部位があるため、局所範囲への光照射が必要となる。
しかし、このような、治療部位に応じて放射分布を設計したレーザカテーテルのチューブは、従来知られていない。
さらに、癌治療用の光拡散体を内装したカテーテルチューブでは、放射効率及び放射分布を高めたものは、知られていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡単な加工により、光増感反応による治療で用いられるレーザの光放射効率及び分布を、最適化したカテーテルチューブを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、光増感反応による治療で用いられるレーザの光放射効率及び分布を最適化したカテーテルチューブであって、不整脈治療だけでなく、光増感反応による癌治療でも用いることができるものを提供することにある。
前記課題は、請求項1のカテーテルチューブによれば、生体内に挿入され、治療対象部位又は検査対象部位に光を照射して該部位の治療又は検査を行う医療用具に設けられるカテーテルチューブであって、光学的に透明性を備えた素材からなり、光拡散体が挿通される光拡散体挿通孔と、該光拡散体挿通孔とは異なる1以上の他の孔と、が、前記カテーテルチューブの長手方向に延長するように設けられ、前記他の孔の内部には、前記他の孔の内壁面に隣接して、空間が存在し、前記内壁面は、相互に屈折率の異なる前記素材と前記空間内の気相あるいは液相との光学的な界面となって、共同して、前記光拡散体が発する光の放射分布を調整する反射面を形成していること、により解決される。
このように構成しているので、簡単な構成で、光拡散体を備えたカテーテルチューブからの光の放射分布及び放射効率を自由に調整可能となる。
光拡散体挿通孔とは異なる1以上の他の孔の内壁面は、相互に屈折率の異なる前記素材と前記空間内の空気相との光学的な界面となって、共同して、前記光拡散体が発する光の放射分布を調整する反射面を形成するため、別途ミラーやプリズム等の反射体をカテーテルチューブに設置する必要がなく、カテーテルチューブが固くなることを抑制でき、細径で柔軟な構造を実現できる。その結果、生体内における操作性がよく、かつ、光の放射分布が最適化されたカテーテルチューブを得ることができる。
また、他の孔の配置を調整することにより光の放射分布が調整できるため、既存の押出成形装置の設定を変更するだけで、カテーテルチューブの光の放射分布を簡単に調整できる。その結果、治療や検査の対象部位によって異なる放射分布の要請に、簡単に対応することができ、従来、困難であった対象部位の治療や検査が可能になり、治療や検査の精度を向上することが可能となる。
このとき、癌治療用又は不整脈治療用であってもよい。
また、カテーテルチューブとは異なる素材からなる反射体を備えなくてもよい。
更に、前記カテーテルチューブとは異なる素材からなり放射分布を調整するミラー及びプリズムを備えないミラーレスかつプリズムレスであってもよい。
このように構成すると、異素材からなる反射体,ミラー,プリズム等を備えないカテーテルチューブを構成できるので、カテーテルチューブの製造工程を単純化することが可能となる。また、異素材の物質を省略できるため、カテーテルチューブの更なる細径化が可能となる。更に、異素材物質に起因してカテーテルチューブが固くなることを抑制でき、柔軟で生体内や内視鏡のチャネル内における操作性の高いカテーテルチューブとすることができる。
更に、外力を受けない状態において、一周超分の螺旋形状からなるループ状部と、該ループ状部の近位側の端部で屈曲する屈曲部とを備えた先端部を有し、不整脈治療用であってもよい。
このように、ループ状とすることにより、頻脈性不整脈の主な発生起源である肺静脈や上大静脈などに接触させ、一括で光照射を行うことが可能となり、一回の光照射で遮断ラインを一括で引くことができるカテーテルチューブを提供できる。
前記カテーテルチューブは、前記他の孔として、前記光拡散体挿通孔の中心軸よりも前記カテーテルチューブの中心軸側に設けられた第一乃至第四の孔を有し、第一の前記孔は、前記カテーテルチューブと実質的に同軸となる位置に形成され、第二の前記孔は、前記第一の孔の前記光拡散体挿通孔逆側に形成され、前記光拡散体挿通孔,前記第一の孔,及び前記第二の孔のそれぞれの中心軸が、前記光拡散体挿通孔の中心軸と前記カテーテルチューブの中心軸を通る直線上に並ぶように形成され、第三及び第四の前記孔の中心軸は、前記直線方向において、前記光拡散体挿通孔の前記中心軸と前記第一の孔の前記中心軸との間に位置するように形成されており、光増感反応による肺静脈入口部の頻脈性不整脈治療用又は末梢型肺癌治療用の広角放射カテーテルチューブであってもよい。
このように構成しているので、簡単な構成で光の放射角が広角となったカテーテルチューブを作製でき、光の広角放射が望ましい病態である肺静脈入口部の頻脈性不整脈治療及び末梢型肺癌治療に適したカテーテルチューブを提供できる。
前記カテーテルチューブは、前記他の孔として、前記光拡散体挿通孔の中心軸よりも前記カテーテルチューブの中心軸側に設けられた第一乃至第四の孔を有し、第一の前記孔は、前記カテーテルチューブと実質的に同軸となる位置に形成され、第二の前記孔は、前記第一の孔の前記光拡散体挿通孔逆側に形成され、前記光拡散体挿通孔,前記第一の孔,及び前記第二の孔のそれぞれの中心軸が、前記光拡散体挿通孔の中心軸と前記カテーテルチューブの中心軸を通る直線上に並ぶように形成され、第三及び第四の前記孔は、前記直線方向において、前記第二の孔の前記中心軸と前記第一の孔の前記中心軸との間に位置するように形成されており、光増感反応による上大静脈の頻脈性不整脈治療用又は中心型肺癌治療用,脳幹腫瘍治療用或いは外科術後残留腫瘍治療用の狭角放射カテーテルチューブであってもよい。
このように構成しているので、簡単な構成で光の放射角が狭角となったカテーテルチューブを作製でき、光の狭角放射が望ましい病態である光増感反応による上大静脈の頻脈性不整脈治療,中心型肺癌治療,脳幹腫瘍治療,及び外科術後残留腫瘍治療用に適したカテーテルチューブを提供できる。
特に、脳幹腫瘍治療や外科術後残留治療においては、従来の他の代替治療法がなかったところ、外科的治療等の他の治療法と組み合わせて本発明のカテーテルチューブを補完的に使用することにより、画期的な治療が可能となったものである。
本発明によれば、簡単な構成で、光拡散体を備えたカテーテルチューブからの光の放射分布及び放射効率を調整可能となる。
光拡散体挿通孔とは異なる1以上の他の孔の内壁面は、相互に屈折率の異なる前記素材と前記空間内の空気相との光学的な界面となって、共同して、前記光拡散体が発する光の放射分布を調整する反射面を形成するため、別途ミラーやプリズム等の反射体をカテーテルチューブに設置する必要がなく、カテーテルチューブが固くなることを抑制できる。その結果、生体内における操作性がよく、かつ、光の放射分布が最適化されたカテーテルチューブを得ることができる。
また、他の孔の配置を調整することにより光の放射分布が調整できるため、既存の押出成形装置の設定を変更するだけで、カテーテルチューブの光の放射分布を簡単に調整できる。その結果、治療や検査の対象部位によって異なる放射分布の要請に、簡単に対応することができ、従来、困難であった対象部位の治療や検査が可能になり、治療や検査の精度を向上することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るカテーテルチューブの外観説明図である。 一般的な肺静脈の構造を示す模式説明図である。 図1のA−A断面図であって、本発明の実施の形態1に係るカテーテルチューブの断面説明図である。 図1のA−A断面に該当する箇所であって、本発明の実施の形態2に係るカテーテルチューブの断面説明図である。 図1のA−A断面に該当する箇所であって、本発明の実施の形態3に係るカテーテルチューブの断面説明図である。 図1のA−A断面に該当する箇所であって、本発明の実施の形態4に係るカテーテルチューブの断面説明図である。 図1のA−A断面に該当する箇所であって、本発明の実施形態の他の変形例に係るカテーテルチューブの断面説明図である。 放射分布の実測を行った4ルーメンのカテーテルチューブ(a)及び5ルーメンのカテーテルチューブ(b)の断面と、4ルーメンのカテーテルチューブの放射分布(c)及び5ルーメンのカテーテルチューブの放射分布(d)である。 光拡散体を内装したカテーテルチューブからの放射分布を実測する実験系を示す説明図である。 電極ワイヤ用ルーメンの配置の検討に関する説明図である。 電極ワイヤ用ルーメンの配置と放射照度、放射角度、放射効率の関係に関する検討結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態2,4に係るカテーテルチューブからの放射分布を示す図である。 本発明の実施の形態2,4に係るカテーテルチューブからの光放射時における組織内放射照度分布を示す図である。 図1のA−A断面に該当する箇所であって、本発明の実施形態の他の変形例に係るカテーテルチューブの断面説明図と、それぞれに対応する放射分布の計算結果である。 従来例に係るレーザカテーテルのループ状部分の断面図を示す説明図である。
本実施形態では、カテーテルチューブとして、レーザカテーテル1及び内視鏡のチャネルに挿通される態様について説明するが、これに限定されるものではなく、シース,静脈導管,動脈導管,気管枝鏡,膀胱鏡,カルパスコープ(culpascope),結腸鏡,トロカール,腹腔鏡や、その他の医療用チューブ等、生体内の治療対象組織まで導入されるカテーテルチューブであればよい。
また、本明細書における実施形態では、本発明のカテーテルチューブを、光増感反応による光線力学的治療による癌治療、及び、異常電気伝導遮断ラインを作成する不整脈治療に用いる例について説明するが、これに限定されるものでなく、例えば、感染症,動脈硬化等の光線力学的治療や、レーザカテーテルを用いた血栓症の治療等に用いることができる。また、胆道内視鏡(外径1〜3mm)、膵臓内視鏡(外径1〜2.5mm)のような極細の細径内視鏡を用いた膵臓,胆道における癌に対する内視鏡下の光線力学的治療など、各種治療に用いることができる。
本発明のカテーテルチューブは、レーザカテーテル1や内視鏡に代表される光放射プローブを備えた医療用具を用い得る病態であれば、用いることができ、レーザ照射、レーザ計測を行うすべての場合に、用いることができる。
本明細書において、カテーテルチューブ近位側とは、カテーテルチューブを生体内に挿入した状態において、生体外側、つまり、施術者側をいい、カテーテルチューブ遠位側とは、生体内に挿入された部分の先端側,つまり、治療対象組織側をいう。
<実施の形態1:不整脈治療に用いられるカテーテルチューブ20>
以下、本発明の一実施形態に係るカテーテルチューブ20と、このカテーテルチューブ20が適用されるレーザカテーテル1について説明する。
本実施形態のレーザカテーテル1は、図1で示すように、レーザカテーテル1の遠位端に設けられたカテーテルチューブ20と、カテーテルチューブ20に連結され、カテーテルチューブ20の近位に設けられた長尺の管状部10とを備え、管状部10のカテーテルチューブ20逆側の近位部には、不図示の公知の制御ハンドルが連結されている。制御ハンドルの管状部10逆側の近位部には、不図示の公知のコネクタが設けられ、このコネクタにより、カテーテルチューブ20からの励起光レーザ照射や、戻り励起光及び励起光が照射されたPDT薬剤が発する蛍光の計測等の制御を行う不図示の公知の制御装置に接続されている。
本実施形態のレーザカテーテル1は、治療対象組織内の細胞外の間質,血管中に光感受性物質(以下、PDT薬剤)を充分量分布させて行う細胞外光線力学的治療(Extra-cellular PDT)を実施するための不図示の制御装置に接続して用いるとよい。
本実施形態の細胞外光線力学的治療は、PDT薬剤が、生体の細胞外すなわち細胞外液及び/又は細胞通過液に分布すると共に血管透過性により持続供給される状況において実施される。
本実施形態では、レーザカテーテル1は、不整脈の治療に用いるが、治療対象組織内の細胞外の間質,血管中にPDT薬剤を充分量分布させて行う細胞外光線力学的治療又は検査であればよく、感染症に対する光線力学的治療等、他の治療又は検査にも用いることができる。PDT薬剤が治療対象組織の細胞内に集積する癌治療(消化器内科,呼吸器外科,脳外科,皮膚科,産婦人科,眼科を含む),循環器内科における動脈硬化の治療,泌尿器科の尿道疾患治療,前立腺治療等であっても、治療対象組織内の細胞外の間質,血管中に、PDT薬剤及び酸素が充分量持続供給される限り、用いることができる。また、血管形成術に用いてもよい。
本実施形態のレーザカテーテル1を用いて治療が行われる不整脈は、特に、頻脈性不整脈(tachyarrhythmia)のうち異常電気伝導部位又は異常興奮発生部位の存在に起因する不整脈であって、従来、高周波アブレーション治療が行われてきたすべての頻脈性不整脈を含む。具体的には、発作性心房細動(paroxysmal AF),持続性心房細動(persistent AF),永続性心房細動(permanent AF)を含む心房細動(AF:atrial fibrillation)や、心房粗動(AFL:atrial flutter)、また、房室回帰性頻拍(AVRT:atrioventricular reciprocating tachycardia),房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT:atrioventricular nodal reentrant tachycardia),心房頻拍(AT:atrial tachycardia)を含む発作性上室頻拍に用いることができる。
また、感染症としては、MRSA感染症,歯肉炎,歯周炎,インプラント周囲炎,ヘルペス,口内炎,カンジダ炎等を含む。
本実施形態で用いるPDT薬剤は、光感受性物質である。
本実施形態では、癌への光線力学的治療の場合と異なり、組織に薬剤を集積させる必要がないため、薬剤投与後光照射までの間のDrug Light intervalを、数分〜数十分程度の短い時間として、薬剤投与後短時間で治療を開始する。従って、静脈注射等の投与後速やかに間質中に分布し、排泄性が速い水溶性の光感受性物質を用いるのが好ましい。
具体的には、クロリン骨格を有するクロリン系薬剤であるATX−S10(670nm)(Iminochlorin aspartic acid誘導体、(東洋薄荷工業株式会社、平成12年株式会社光ケミカル研究所に権利譲渡、特開平6−80671号公報)、NPe6(664nm)(タラポルフィンナトリウム、レザフィリン(登録商標)、mono-L-aspartyl chlorin e6、特許第2961074号公報)、mTHPC(652nm)、SnET2(660nm)(tin etiopurpurin、ミラバント・メディカル・テクノロジーズ)、AlPcS(675nm)(chloro aluminium sulphonated phthalocyanine)、BPD−MA(690nm)(benzoporphyrin derivative monoacid ring A、QLT社)、Lu−tex(732nm)(Lutetium Texaphyrin)等が挙げられる。この中でもタラポルフィンナトリウムが好ましい。
本実施形態の不整脈に対する光線力学的治療では、PDT薬剤投与後早期、すなわち、PDT薬剤が細胞内よりも細胞外(間質腔)に分布しているタイミングでの光増感反応を、治療に利用する。
まず、PDT薬剤を静脈注射等により投与すると、PDT薬剤は、細胞外である間質,血管中に高濃度で分布する。このとき、細胞外では、PDT薬剤と酸素が、血流により、常に充分に持続供給される状態となっている。PDT薬剤は、血管から間質への透過性により、供給される。
投与後光照射までのDrug Light intervalを、数分から数時間程度の短時間として、経カテーテル的に、標的部位に、レーザ光を照射すると、血流によりPDT薬剤と酸素が充分に供給されると同時に、レーザ光により反応に必要なエネルギーが供給され、PDT薬剤と光,酸素による光増感反応が起こる。
光増感反応では、PDT薬剤が光線照射により励起する。この励起されたPDT薬剤のエネルギーは、細胞外に存在する酸素に移乗し、活性な一重項酸素(活性酸素)を生成する。
一重項酸素の産生総量は、単位時間当たりの一重項酸素量の照射時間積分値である。
励起一重項酸素が産生されると、この一重項酸素の強力な酸化力により、PDT薬剤が結合した蛋白の破壊,励起一重項酸素の三重項基底酸素への変換,薬剤ブリーチングが起こり、治療効果として、イオンチャネル及び細胞膜の酸化傷害による心筋細胞の電気伝導性消失及び細胞壊死(ネクローシス)などの即時的な細胞死が得られる。
ここで、薬剤ブリーチングとは、一重項酸素により、PDT薬剤である光感受性物質が破壊される現象である。
<<カテーテルチューブ20の構成>>
以下、実施の形態1に係るレーザカテーテル1及びカテーテルチューブ20を、図1,図3に示す。
本実施形態のカテーテルチューブ20は、例えば、広角の放射が可能で、頻脈性不整脈治療における、図2に示す肺静脈入口部の異常電気伝導の遮断に用いられるカテーテルチューブである。
カテーテルチューブ20の形状は、図1に示すように、ラッソ(lasso)状とも呼ばれ、厳密には閉じた環状ではないが、中心Cを中心とした擬似環状であるため、リング状,環状とも呼ばれている。カテーテルチューブ20は、遠位の先端部20tから屈曲部20bに至るまで、螺旋状を描くループ状部20cを備え、屈曲部20bの近位側で管状部10に連結している。
図1のカテーテルチューブ20のA−A線断面図を、図3に示す。
カテーテルチューブ20は、柔軟性透明素材から公知の方法で押し出し成形された透明チューブ21を備えている。透明チューブ21は、図3に示すように、長孔からなる5つのルーメン、つまり、光拡散体用ルーメン22,形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24,電極ワイヤ用ルーメン25,26を備えている。これらのルーメン22〜26は、カテーテルチューブ20の遠位側先端部20t近傍から全長に亘って伸びており、管状部10内部にもそれぞれ形成された不図示のルーメンに連続している。
透明チューブ21は、ポリエーテルブロックアミド共重合体(Pebax(登録商標),アルケマ社製)等からなる軟質の中空円筒状の透明チューブである。例えば、Pebax(登録商標) 55Dを用いることができる。透明チューブ21は、そのほか、ポリエチレンフタレート(PET)、またはポリ塩化ビニル(PVC)、フッ素樹脂熱収縮チューブ(FEP)等の光学的に透明なポリマー性電気非伝導性材料を用いてもよい。
光拡散体用ルーメン22には、図3に示すように、光拡散体32が挿通されている。
光拡散体32は、管状部10内を挿通される不図示の光ファイバケーブルからクラッド及び被覆が除去されて、所定長に亘り、コアが露出した不図示の光拡散体から構成されている。なお、光拡散体32はコアが露出した不図示の光拡散体の外周が不図示の樹脂層により被覆されて構成されてもよい。
光拡散体32は、管状部10内に挿通される不図示の光ファイバケーブルのコアと一体からなり、サンドブラスト加工を施して形成され、光拡散体32の長さ方向に対して角度を持った側方への出射光が均一化されている。なお、これに限定されるものではなく、光拡散体32は、中央に中空部を設けてその内面に光反射ミラーを設けたり、内面に刻み目を設けたりすることによって、側方への出射光が均一化されていてもよい。また、化学的処理により凹凸を設けることで均一化されてもよい。
光拡散体32の不図示の樹脂層は、例えば、石英微粉末を分散させたアクリル系紫外線硬化樹脂に塗布し、紫外光で硬化させることにより形成される。
管状部10内の不図示の光ファイバケーブルの光拡散体32逆側の端部には、不図示のコネクタが固定されており、このコネクタにより、不図示のレーザ発生源を内蔵した不図示の制御装置に連結可能に構成されている。
光拡散体32を構成する方式としては、大きく分けて、不図示の光ファイバケーブルのコアを延長させて光拡散体32を構成する場合と、コアとは別体の光拡散体32を設ける場合と、に大別され、いずれも、本実施形態の光拡散体32として用いることができる。
前者では、コアが拡散物質自体を構成する場合と構成しない場合とがある。具体的には、伝送光漏洩方式(クラッドに細かい傷をつけて一部コアを露出する方式、曲げにより漏洩を構成する方式など)と、拡散物質を用いる方式に大別される。
伝送光漏洩方式としては、キズ加工(サンドブラスト、スタンピング、溶剤処理など)、ファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating:FBG)、マイクロベンディングなどがある。
また、拡散物質を用いる方式としては、コア/クラッド内に拡散物質を入れる方式、コアを露出させて被覆内に拡散物質を入れる方式などがある。なお、サンドブラストは、細かい粒子を吹き付ける方法であるため、この拡散物質を用いる方式にも当てはまる。
後者の、コアとは別体の光拡散体32を設ける場合としては、光拡散体32として、コアとは別の光学素子を用いる場合が当てはまる。例えば、光拡散体として、多面体プリズム、セルフォック(登録商標)レンズ(屈折率分布型レンズ)等の光学素子を用いる場合である。
光拡散体32は、カテーテルチューブ20の全長に亘って伸びており、治療対象組織の形状にもよるが、不整脈の光線力学的治療に用いる場合、図1の螺旋形状の直径は、5〜50mm,好ましくは10〜30mmが適正であるため、光拡散体32の全長は、1.5〜17cm,好ましくは3〜11cm程度からなる。
光拡散体32の直径は、0.1〜1.0mm,好ましくは0.13〜0.5mmである。
本実施形態では、光拡散体32を1本のみ備えている例について説明した。このとき、一本の光拡散体を用い、照射する時間帯と受光する時間帯とを時間軸で切り替えて照射及び受光を行ってもよい。但し、これに限られず、光源からの光を、治療対象部位に照射するために用いられる照射用光拡散体と、戻り蛍光を受光し、傷害程度に関する情報を計測するために用いられるモニタ用光拡散体との2本を備えていてもよい。
照射用光拡散体とモニタ用光拡散体とは、隣接しているため、相互に接触したり擦れたりすると、それぞれから漏れた信号の干渉(クロストーク)による信号劣化が生じる恐れがある。そこで、照射用光拡散体とモニタ用光拡散体とを、透明の接着剤で相互に接着したり、相互の間に透明のスペーサを設けたりしてもよい。
形状記憶ワイヤ用ルーメン23には、形状記憶ワイヤ33が挿通されている。
形状記憶ワイヤ33は、断面略円形のニッケルチタン合金から形成され、形状記憶特性を備えたワイヤである。形状記憶ワイヤ33には、鉄-マンガン-ケイ素合金等の鉄系形状記憶合金や、熱膨張率が異なる2枚の金属板を貼り合わせたバイメタル等を用いてもよい。
形状記憶ワイヤ33は、外力を受けない状態において、図1,図3のカテーテルチューブ20の形状を維持するように、湾曲した1.1周程度の螺旋形状の一端が、直角以上の角度で屈曲した形状を維持するように形成されている。
形状記憶ワイヤ33の遠位側の端部は、先端電極29Tに固定され、近位側の端部は、管状部10に固定されている。
形状記憶ワイヤ33は、弾力性を備えており、外部からの圧力を受けている状態では、その圧力に応じて変形可能である。従って、カテーテルチューブ20が、血管内にあるときには、血管の側壁からの圧力により、血管の形状に沿った緩やかな曲線等の形状を描く。
形状記憶ワイヤ用ルーメン23の内面と形状記憶ワイヤ33との間には、隙間が設けられており、形状記憶ワイヤ用ルーメン23の内面が、カテーテルチューブ20と形状記憶ワイヤ用ルーメン23内の気相との間の界面を形成している。なお、カテーテルチューブ20が、生体内で動くことにより、形状記憶ワイヤ33と形状記憶ワイヤ用ルーメン23の内面が接触するときもあるが、形状記憶ワイヤ33と形状記憶ワイヤ用ルーメン23の内面とは、常時接触又は密着しないため、形状記憶ワイヤ用ルーメン23の内面は、カテーテルチューブ20と形状記憶ワイヤ用ルーメン23内の気相との間の界面となる。
テンションワイヤ用ルーメン24には、不図示の公知の制御ハンドルに連結され、術者の手元における制御ハンドルを用いた牽引操作により、カテーテルチューブ20の遠位側端部を屈曲させるためのテンションワイヤ34が挿通されている。
テンションワイヤ用ルーメン24の内面とテンションワイヤ34との間には、隙間が設けられており、テンションワイヤ用ルーメン24の内面が、カテーテルチューブ20とテンションワイヤ用ルーメン24内の気相との間の界面を形成している。なお、カテーテルチューブ20が、生体内で動くことにより、テンションワイヤ34とテンションワイヤ用ルーメン24の内面が接触するときもあるが、テンションワイヤ34とテンションワイヤ用ルーメン24の内面とは、常時接触又は密着しないため、テンションワイヤ用ルーメン24の内面は、カテーテルチューブ20とテンションワイヤ用ルーメン24内の気相との間の界面となる。
なお、テンションワイヤ34を備えず、テンションワイヤ用ルーメン24内に固体の物質が挿通されないように構成してもよい。このように構成することにより、テンションワイヤ用ルーメン24の内面には、固体の物質が当接することがなく、テンションワイヤ用ルーメン24の内面が、常時、カテーテルチューブ20とテンションワイヤ用ルーメン24内の気相又は液相との間の界面を形成することとなる。
また、電極ワイヤ用ルーメン25,26には、それぞれ、電極ワイヤ35,36が挿通されている。電極ワイヤ35,36は、一般的な電極カテーテルで用いられるリード線からなり、10本の電極ワイヤ35,36のそれぞれが、カテーテルチューブ20の外周に形成された9個のリング状電極29R及び1個の先端電極29Tに、公知の方法により、かしめて接続されている。
電極ワイヤ用ルーメン25,26の内面と電極ワイヤ35,36との間には、隙間が設けられており、電極ワイヤ用ルーメン25,26の内面が、カテーテルチューブ20と電極ワイヤ用ルーメン25,26内の気相との間の界面を形成している。なお、カテーテルチューブ20が、生体内で動くことにより、電極ワイヤ35,36と電極ワイヤ用ルーメン25,26の内面が接触するときもあるが、電極ワイヤ35,36と電極ワイヤ用ルーメン25,26の内面とは、常時接触又は密着しないため、電極ワイヤ用ルーメン25,26の内面は、カテーテルチューブ20と電極ワイヤ用ルーメン25,26内の気相との間の界面となる。
なお、電極ワイヤ35,36を備えず、電極ワイヤ用ルーメン25,26内に何も挿通されないように構成してもよい。このように構成することにより、電極ワイヤ用ルーメン25,26の内面には、固体の物質が当接することがなく、電極ワイヤ用ルーメン25,26の内面が、常時、カテーテルチューブ20と電極ワイヤ用ルーメン25,26内の気相又は液相との間の界面を形成することとなる。
形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24,電極ワイヤ用ルーメン25,26の内面は、カテーテルチューブ20と各ルーメン23〜26内の気相との間の界面となる。カテーテルチューブ20の屈折率と、各ルーメン23〜26内の気相とは、屈折率が異なるため、各ルーメン23〜26の壁面は、屈折率の界面となって、光拡散体32から拡散された光を反射させる反射体としての機能を果たすこととなる。
このように、各ルーメン23〜26の壁面が、光拡散体32から拡散された光を反射させる反射体としての機能を果たすため、本実施形態のカテーテルチューブ20は、放射効率や放射分布の調整を目的としてミラーやプリズムを備える必要がない。従って、ミラーレスでかつプリズムレスのカテーテルチューブ20とすることができ、柔軟性が高く、生体内での操作性の良いカテーテルチューブ20を構成可能となる。
なお、各ルーメン23〜26には、生理食塩水等の液体を充填してもよく、この場合には、各ルーメン23〜26の内面は、液相との間の界面となる。
本実施形態のカテーテルチューブ20は、ループ状部20cの半径方向及びカテーテルチューブ20の延長方向に垂直な方向に沿って切断した断面において、図3に示すように、光拡散体用ルーメン22,形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24が、各ルーメン22〜24の中心がループ状部20cの半径方向の同一直線上にのるように配置されている。そして、一対の電極ワイヤ用ルーメン25,26は、形状記憶ワイヤ用ルーメン23の中心よりもループ状部20cの外周側に、ループ状部20cの半径方向の直線に関して線対称となるよう、形状記憶ワイヤ用ルーメン23を挟んで両側に配置されている。
本実施形態では、テンションワイヤ用ルーメン24の直径は、例えば、350μmである。電極ワイヤ用ルーメン25,26の中心は、光拡散体用ルーメン22,形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24のそれぞれの中心を結ぶ直線方向において、カテーテルチューブ20の中心軸よりも300μm光拡散体用ルーメン22側に位置している。更に、電極ワイヤ用ルーメン25,26の中心は、光拡散体用ルーメン22,形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24のそれぞれの中心を結ぶ直線に垂直な方向において、カテーテルチューブ20の中心軸よりも400μm外周側に位置している。
図3においてループ状部20cの半径方向をy軸、y軸及びカテーテルチューブ20の延長方向に対して垂直な方向をx軸としたとき、本実施形態によれば、y軸からの角度θを広角とすることができる。
本実施形態のカテーテルチューブ20は、頻脈性不整脈治療における、図2に示す肺静脈入口部の異常電気伝導の遮断に用いることができる。
肺動脈入口部は、上大静脈と共に、頻脈性不整脈の中で最も多くの患者数を占める心房細動の治療対象の一つである。
肺静脈は、図2に示すように、左上肺静脈(LSPV)、左下肺静脈(LIPV)、右上肺静脈(RSPV)、右下肺静脈(RIPV)の4つがある。これらの組織に対して光照射する場合、カテーテルチューブ20のループ状部20cの外側が組織に接触するのではなく左心房壁にループ状部20cを押し当てた状態で光照射する。LSPV、LIPVの右側には図2に示すridge Rがあり上手く押し当てることができない例もあり、カテーテルチューブと組織の接触角が不安定になる。以上のことから、肺静脈入口部では、図2に示す角度θを大きくする、つまり広範囲への光照射が必要となる。
従って、広角の放射が可能な本実施形態のカテーテルチューブ20は、肺静脈入口部の異常電気伝導の遮断に、好適に用いることができる。
<実施の形態2:癌治療等に用いられるカテーテルチューブ20´>
以下、実施の形態2に係るカテーテルチューブ20´について説明する。
本実施形態のカテーテルチューブ20´は、光増感反応による癌治療用のカテーテルチューブである。頻脈性不整脈治療に用いられる実施の形態1のカテーテルチューブ20とは異なり、ループ状でなく直線状に形成され、必要に応じて電極を備えてもよい。カテーテルチューブ20´は、広角の放射が可能であるため、癌の中でも、例えば、末梢型肺癌治療に好適に用いられる。
癌治療において、本実施形態のカテーテルチューブ20´は、不図示の内視鏡のチャネ
ルに挿入され、内視鏡的に生体内に挿入して用いられる。
本実施形態のカテーテルチューブ20´は、実施の形態1に係るカテーテルチューブ20の変形例であって、図4に示す通り、形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24,電極ワイヤ用ルーメン25,26に、ワイヤが挿通されていない点で相違する。
カテーテルチューブ20´は、形状記憶ワイヤ33を備えていないため、直線状に形成されている。また、カテーテルチューブ20´の周囲に、電極が設けられていない点でも、図1とは異なる。
本実施形態のカテーテルチューブ20´は、各ルーメン23〜26の壁面が、屈折率の界面となって、光拡散体32から拡散された光を反射させる反射体としての機能を果たす。本実施形態のカテーテルチューブ20´は、放射効率や放射分布の調整を目的としてミラーやプリズムを備える必要がない。従って、ミラーレスでかつプリズムレスのカテーテルチューブ20´とすることができ、柔軟性が高く、生体内及び内視鏡のチャネル内での操作性が良い。
本実施形態のカテーテルチューブ20´は、広角の放射が可能であるため、例えば、末梢型肺癌治療に用いることができる。末梢型肺癌は、治療対象部位が広範囲に及ぶ場合があり、かつ、肺癌の中でも、拡散光を照射した光増感反応による治療後に狭窄が起こるおそれが少ないため、拡散光を広角に放射する本実施形態のカテーテルチューブ20´が好適に用いられる。
<実施の形態3:不整脈治療に用いられるカテーテルチューブ30>
実施の形態3に係るカテーテルチューブ30を、図5に示す。
本実施形態のカテーテルチューブ30は、例えば、狭角の放射が可能で、頻脈性不整脈治療における、上大静脈の異常電気伝導の遮断に用いられるカテーテルチューブである。
レーザカテーテル1の外観は、実施の形態1と同様であり、カテーテルチューブ30は、図1に示すように、ループ状部20cを形成している。
図1のA−A線断面に該当する箇所におけるカテーテルチューブ30の断面図を、図5に示す。
カテーテルチューブ30は、一対の電極ワイヤ用ルーメン25,26が、形状記憶ワイヤ用ルーメン23の中心よりもループ状部20cの内周側、つまり中心C側に、ループ状部20cの半径方向の直線に関して線対称となるよう、形状記憶ワイヤ用ルーメン23を挟んで両側に配置されている点を除いては、カテーテルチューブ20と同様の構成からなる。
本実施形態では、テンションワイヤ用ルーメン24の直径は、例えば、350μmである。電極ワイヤ用ルーメン25,26の中心は、光拡散体用ルーメン22,形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24のそれぞれの中心を結ぶ直線方向において、カテーテルチューブ20の中心軸よりも300μm光拡散体用ルーメン22逆側に位置している。更に、電極ワイヤ用ルーメン25,26の中心は、光拡散体用ルーメン22,形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24のそれぞれの中心を結ぶ直線に垂直な方向において、カテーテルチューブ20の中心軸よりも400μm外周側に位置している。
図5においてループ状部20cの半径方向をy軸、y軸及びカテーテルチューブ20の延長方向に対して垂直な方向をx軸としたとき、本実施形態によれば、y軸からの角度θを狭角とすることができる。
本実施形態のカテーテルチューブ20は、頻脈性不整脈治療における、上大静脈の異常電気伝導の遮断に用いることができる。
上大静脈は、血管内での光照射であるため、ループ状部20cの外側を組織に接触させた状態で治療を行うことができる。また治療部位近傍には心臓内の刺激伝導系の初端である洞結節があり、これを障害しないために角度θを小さくする、つまり局所範囲への光照射が必要となる。
従って、狭角の放射が可能な本実施形態のカテーテルチューブ30は、上大静脈の異常電気伝導の遮断に、好適に用いることができる。
<実施の形態4:癌治療等に用いられるカテーテルチューブ30´>
以下、実施の形態4に係るカテーテルチューブ30´について説明する。
本実施形態のカテーテルチューブ30´は、光増感反応による癌治療用のカテーテルチューブである。頻脈性不整脈治療に用いられる実施の形態3のカテーテルチューブ30とは異なり、ループ状でなく直線状に形成され、電極も備えていない。狭角の放射が可能であり、例えば、中心型肺癌、悪性脳腫瘍のうち特に脳幹腫瘍、外科術後残留腫瘍等の治療に用いられる。
癌治療において、本実施形態のカテーテルチューブ30´は、不図示の内視鏡のチャネルに挿入され、内視鏡的に生体内に挿入して用いられる。
本実施形態のカテーテルチューブ30´は、実施の形態3に係るカテーテルチューブ30の変形例であって、図6に示す通り、形状記憶ワイヤ用ルーメン23,テンションワイヤ用ルーメン24,電極ワイヤ用ルーメン25,26に、ワイヤが挿通されていない点で相違する。
カテーテルチューブ30´は、形状記憶ワイヤ33を備えていないため、図1の螺旋形状ではなく、直線状に形成されている。また、カテーテルチューブ20´の周囲に、電極が設けられていない点で、図1とは異なる。
本実施形態のカテーテルチューブ30´は、各ルーメン23〜26の壁面が、屈折率の界面となって、光拡散体32から拡散された光を反射させる反射体としての機能を果たすこととなる。本実施形態のカテーテルチューブ30´は、放射効率や放射分布の調整を目的としてミラーやプリズムを備える必要がない。従って、ミラーレスでかつプリズムレスのカテーテルチューブ30´とすることができ、柔軟性が高く、生体内での操作性の良いカテーテルチューブ30´を構成可能となる。
本実施形態のカテーテルチューブ30´の悪性脳腫瘍への使用について説明する。
近年、悪性脳腫瘍については、外科的手術で取り除くことができなかった残存腫瘍細胞に対して、光線力学的治療が行われるようになった。つまり、脳腫瘍を手術により摘出すると、摘出腔という穴が残るが、この摘出腔の周囲には、正常脳に湿潤した腫瘍細胞が残存する。従来の光線力学的治療では、体外に設けられた照射ユニットを用いて、この摘出腔内に向かってレーザ光を照射している。悪性脳腫瘍組織は健常組織と比較して薬剤の代謝速度が遅く、結果的に腫瘍組織のみに光感受性薬剤が集積するため、腫瘍組織のみを選択的に治療することが可能となり、従来の集学的治療への上乗せ効果により生存率を向上させることができる。
しかし、このような現状の光照射デバイスでは、摘出腔の壁面に十分な放射照射量を与えることができない。また、脳内の腫瘍組織周辺には重要な血管や脳組織が多くアプローチできない箇所への腫瘍も存在する。
それに対し、本実施形態のカテーテルチューブ30´は、摘出腔へ十分な照射量が担保でき、現状ではアプローチできない箇所へも内視鏡的に光照射することが可能となる。
本実施形態のカテーテルチューブ30´は、例えば、フッ素樹脂熱収縮チューブ(FEP)製で、外径約800μmとすることができる。
<他の実施の形態>
上記実施の形態1〜4以外の本発明のカテーテルチューブの変形例の横断面の構成を、図7(a)〜(e)に示す。図7(a)〜(e)のカテーテルチューブは、癌への光線力学的治療用のカテーテルチューブであって、不図示の内視鏡のチャネルに挿入され、内視鏡的に生体内に挿入して用いられる。
図7(a)〜(e)のカテーテルチューブは、すべて、光拡散体用ルーメン22と、内部に何も挿通されない1つ以上の反射用ルーメン27とを備え、光拡散体用ルーメン22の中心とカテーテルチューブの中心とを結ぶ直線に対して、線対称に構成されている。
図7(a)〜(e)のカテーテルチューブのその他の構成は、上記実施の形態2,4に係るカテーテルチューブ20´,30´と同様である。
図7(a)〜(e)のカテーテルチューブは、光拡散体32から放射された光が、反射用ルーメン27の壁面の界面で反射することにより、光の放射分布がそれぞれ調整される。
以下、本発明に係るカテーテルチューブの放射特性の実証実験及びシミュレーションについて、説明する。
以下の実験及びシミュレーションでは、モデルとなるカテーテルチューブからの放射分布を実測し、これを説明できる計算モデルを作製した。作製したモデルを用いて、所望の光放射効率および放射分布を備えた本発明の実施形態に係る各カテーテルチューブを設計した。
<4,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,50bからの放射分布実測>
本実測では、本発明の実施形態に係るカテーテルチューブの放射分布を確認することを目的として、モデルとして、図8(a)(b)の4ルーメン及び5ルーメンのカテーテルチューブ50a,50bを用い、放射分布を計測した。
・カテーテルチューブからの放射分布実測系の作製
まず、光拡散体を内装したカテーテルチューブからの放射分布を実測するために、図9に示すような実験系を作製した。測定用光ファイバ61として、コア径:200 μm、NA(開口数):0.43のものを使用した。測定用光ファイバ61を移動、回転させるために不図示の自動ステージ (SHOT-GS、シグマ光機) を使用した。長軸および周囲方向の分解能はそれぞれ0.1 mmおよび0.5°であった。レーザ光源62は、光感受性薬剤talaporfin sodiumのQ帯に発振波長域を有する中心波長663 nmの半導体レーザ (Rouge-LD、Cyber laser) を用いた。光強度の測定には、シリコンフォトダイオード63(OP-2 VIS、Coherent) を用いた。作製したこの実験系の精度を評価するために、安定した光照射ができる光拡散体が内装されたカテーテルチューブ50として、既に製品化されているCylindrical Light Diffuser (Medlight SA社)を用いて、根元から20 mmにおける放射照度分布を10回測定した。平均値に対する標準偏差の割合は5%未満となり、非常に高精度にカテーテルチューブ50からの放射照度分布を測定できる実験系が作製できたと言える。
・4,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bからの放射分布実測
この実験系を用いて、4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bからの放射分布を実測した。実測に使用した4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,b断面の概略図を図8(a)(b)に示す。
4ルーメンのカテーテルチューブ50aにおいて、光拡散体用ルーメン22の直径および電極ワイヤ用ルーメン25,26の直径は350 μm、形状記憶ワイヤ用ルーメン23の直径は450 μmであった。
5ルーメンのカテーテルチューブ50bにおいて、光拡散体用ルーメン22の直径、電極ワイヤ用ルーメン25,26の直径、テンションワイヤ用ルーメン24の直径は350 μm、形状記憶ワイヤ用ルーメン23の直径は450 μmであった。
実測の際、4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bには直径250 μmの光拡散体32を内装し、その他のルーメン23〜26には、金属ワイヤは内装せず内部を空気とした。使用した4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bでは、各ルーメン22〜26内壁への加工は行っていない。
まず、4ルーメンのカテーテルチューブ50a,5ルーメンのカテーテルチューブ50bで、光拡散体32(直径250 μm)の光拡散体用ルーメン22(直径350 μm)内における偏心が放射分布に影響を与えないか調査した。
この調査ではまず、光拡散体32を不図示の1ルーメンのチューブ (直径350 μm) 内に挿入し、根元から35 mmの位置における周囲方向の放射分布を測定した。光拡散体32の表面放射照度は30 mW/cm2に設定した。この測定を30回繰り返し行ったときの平均値および標準偏差を算出した。
放射照度の平均値は12.25 mW/cm2、標準偏差は0.53 mW/cm2であり、平均値に対する標準偏差の割合は4.3%であった。よって光拡散体32の光拡散体用ルーメン22内における偏心は放射照度分布に影響を与えないと判断した。
次いで、多孔の4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,50bからの周囲方向におけるnear-fieldの放射分布を実測した。不図示のガスケット構造のある医療用具を用いて、4ルーメンのカテーテルチューブ50aおよび5ルーメンのカテーテルチューブ50bの両端を固定し、測定用光ファイバ61(コア径:200 μm、NA(開口数):0.43) を不図示の自動ステージ (SHOT-GS、シグマ光機) でカテーテルチューブ50a,50bの長軸方向 (l方向) および周囲方向 (θ方向) にそれぞれ0.1 mm、0.5°の分解能で移動、回転させることで、根元から35 mmの位置におけるカテーテルチューブ50a,50bからの周囲方向の放射照度を実測した。カテーテルチューブ50a,50bの光拡散体用ルーメン22に内装した光拡散体32には発光長70 mmのものを用い、出力を0.5 mW/cmに設定した。本測定を4ルーメンおよび5ルーメンのカテーテルチューブ50a,50bを用いて10回行い、平均値を算出した。10回の測定で標準偏差は平均値の5%未満であったことから、作製した実験系はカテーテルチューブからの放射分布を高精度で測定することができると判断した。
4ルーメンおよび5ルーメンのカテーテルチューブ50a,50bからの周囲方向におけるnear-fieldの放射照度分布実測結果をそれぞれ図8(c)(d)に点で示す。
<4,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,50bの放射分布計算>
・Monte-Carlo法による光線追跡シミュレーション
次いで、既存のシミュレーションソフトを使用して、Monte-Carlo法による光線追跡シミュレーションにより、多孔透明のカテーテルチューブからの放射分布を計算した。Monte-Carlo法は、シミュレーション内で一様な乱数を発生させ、光照射、吸収および散乱などの事象を確率的に予測する方法であり、光波の進行方向および光路の決定が可能である。多孔透明のカテーテルチューブのように複雑な断面構造を有した物質内での光の挙動を計算可能である。
Monte-Carlo法では光源から照射される光束を多数の粒子の集まりと考え、光子のステップ長とステップの方向をランダムに解析する(S. L. Jacques et al., Optical-thermal response of laser-irradiated tissue, pp. 72-83, 1995; L. Wang et al., Computer Methods and Programs in Biomedicine, vol. 47, pp. 131-146, 1995.)。
光子のステップ長Lは粒子との衝突後に別の衝突が起きるまでに光子が進む距離であり、R (0 < R < 1) を乱数、吸収係数をμa、散乱係数をμsとすると以下のように表される。
Figure 2018000867
また光子は伝搬距離z (Lの積算) と実効的な減衰係数μeffを用いると、以下の式で表されるように指数関数的に強度減衰がおき、ある値になると消滅する。
Figure 2018000867
光子の新たなステップ長は位相関数P (θ) に従う。複合的な多重散乱を扱う際には以下の式で表されるHenyey-Greenstein関数(M. J. C. V. Gemert et al., IEEE Transactions on biomedical engineering, vol. 36, pp. 1146-1154, 1989.)を用いることが多い。
Figure 2018000867
gは異方性パラメータと呼ばれ、散乱角度を示す位相関数の平均で、全角度で位相関数を積分した以下の様な式で表される(山田 幸生, Medical imaging technology, vol. 10, pp. 490-496, 1992.)。
Figure 2018000867
gは1 (完全な前方散乱) 〜-1 (完全な後方散乱) の値をとり、0の場合は完全な等方散乱を示す。一般に生体組織では、0.80〜0.97とほぼ前方散乱を示す値となる。物質内で強い前方散乱が生じている場合、組織内で何度も散乱を繰り返すことで見かけ上等方散乱に似た状態が観測される。そこで等方散乱と見なした場合の等価散乱係数μs を以下のように表す(小原 實ら, レーザ応用工学, コロナ社, pp. 167-177, 1998.)。
Figure 2018000867
本シミュレーションでは、Monte-Carlo法による光線追跡シミュレーションを用いてカテーテルチューブからの放射分布を計算した。Monte-Carlo法による光線追跡シミュレーションを用いてカテーテルチューブ内での光の挙動を計算するためには物質の吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’が必要になる。
・チューブ素材の透過率、反射率測定
そこで、カテーテルチューブからの放射分布を計算するために、カテーテルチューブの波長663 nmにおける吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’を実測した。
カテーテルチューブの素材であるPebax(登録商標) (55D) の波長663 nmにおける吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’を算出するために、バルク状で厚さ1 mmのPebax(登録商標) (55D) を5つ用意し、それぞれの透過率および反射率を積分球 (ISR-3100, SHIMADZU) 付き分光光度計 (UV-3600, SHIMADZU) で測定した。
・Inverse Adding Doubling法によるチューブ光学定数の算出
得られたPebax(登録商標)(55D)の透過率および反射率を基に、Inverse Adding Doubling法(S. A. Prahl et al., Applied optics, vol. 32, pp. 559-568, 1993.)でチューブの吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’を算出した。
Inverse Adding Doubling法はAdding Doubling法に基づいた吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’の算出方法である。
Adding Doubling法のプロセスに関して述べる。吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’が既知の均質な薄い一層のレイヤーを作製し、その透過率および反射率を計算する。これを基に同じ層を重ね合わせたとき (adding)、異なる層を重ね合わせたとき (doubling) の透過率および反射率を計算する。所望の厚さになるまでこのプロセスを繰り返し、最終的に求めたい試料の透過率および反射率を算出する。
Inverse Adding Doubling法はこのAdding Doubling法の逆問題であり、まず試料の吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’を推定する。推定した吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’からAdding Doubling法により透過率および反射率を算出する。算出した値と実測値を比較し、両者が一致するまでこのプロセスを繰り返す。
算定した5つの試料の吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’の平均値はそれぞれ1.27×10-2 mm-1、1.27×10-1mm-1であった。それぞれの標準偏差は2.24×10-3 mm-1、4.73×10-3 mm-1で、平均値の1.76%、3.73%であった。吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’の標準偏差は平均値よりも非常に小さかったため、計算モデルに入力する吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’はそれぞれの平均値1.27×10-2 mm-1、1.27×10-1mm-1とした。
・4ルーメンおよび5ルーメンのカテーテルチューブ50a,50bからの放射分布計算
実測したPebax(登録商標)(55D)の吸収係数μaおよび等価散乱係数μs’を用いて、実測で使用したものと同寸法の4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bからの放射分布を計算できるモデルを作製した。本シミュレーションにおける計算モデルは、生体内放射照度分布計算への適応も構想しているため、Monte-Carlo法による光線追跡シミュレーターを使用した。3D-CADソフトウェアとしてSolid works (Dassault Systems Solidworks)、光線追跡ソフトウェアとしてOptis works (Optis)を用いた。OPTIS worksは、部品の設計から組み立てを行うことができる3D-CADソフトであるSolid works上で設計されたモデルデータに吸収係数、等価散乱係数、異方性パラメータといった光学定数を入力することで光学解析を行うことができるソフトウェアである。
本シミュレーターでは、光源より照射される光線の本数を設定することができる。光線の本数は、Monte-Carlo法では計算回数に相当するものであり、本数が多いほどより精度の高い計算を行うことができる。本シミュレーションではカテーテルチューブ内での吸収、散乱や各ルーメン界面における反射など複雑な光伝播を扱うため、光線の本数を100万本と多くした。実測値との比較を行うため、実測で使用したNA:0.43の光ファイバを模擬できるような吸収体を受光面の周囲に設置した。光拡散体からの出力および波長は、実測と同様に0.5 mW/cmおよび663 nmとした。
作製した計算モデルを用いて、4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bからの放射照度分布を計算したところ図8(c)(d)の実線のようになった。実測と同様に、0°における放射照度が最大となり、90°における放射照度は180°における放射照度よりも小さく最小値であった。
・放射分布実測結果と計算結果の比較
次に、4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bからの放射分布の実測結果と計算結果を比較し、作製した計算モデルの妥当性を検証した。
4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bからの放射分布において、0, 30, 60, 90, 120, 150, 180°方向の放射照度実測値および計算値を表1,表2に示す。
Figure 2018000867
Figure 2018000867
表1の通り、4ルーメンのカテーテルチューブ50aでは、60°および120°における実測値と計算値の誤差が、医療機器の許容測定誤差である20%を上回ったが、その他の角度における誤差は3%未満であった。同様に表2の通り、5ルーメンのカテーテルチューブ50bでは、60°および90°における実測値と計算値の誤差が、医療機器の許容測定誤差である20%を上回ったが、その他の角度における誤差は15%未満であった。以上まとめると、4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bにおける表面放射照度の実測値と計算値では、一部を除いて全体的に放射分布形状は一致していた。
放射角度の実測値と計算値を比較するため、カテーテルチューブ表面における放射照度が最大値の30%、50%、70%となる角度を求めた。4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bにおける放射角度を表3,表4に示す。
Figure 2018000867
Figure 2018000867
表3,表4より、4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bからの定義した放射角度の実測値と計算値の誤差は、全ての条件における放射角度で20%未満であった。以上のことから放射角度の実測値および計算値は高い整合性を有していると判断した。
4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,bの放射効率の実測値と計算値を比較するため、図8(c)(d)に示すグラフのプロットを直線で結び0°から180°まで積分した。4ルーメンのカテーテルチューブ50aの放射分布実測値の積分値は70.8 mW/cm2、計算値の積分値は71.1 mW/cm2であり、実測値と計算値の誤差は0.42%であった。5ルーメンのカテーテルチューブ50bの放射分布実測値の積分値は51.6 mW/cm2、計算値の積分値は60.0 mW/cm2であり、実測値と計算値の誤差は14%であった。4ルーメン,5ルーメンのカテーテルチューブ50a,b両者において、実測値と計算値の放射効率の誤差は20%未満であり高い整合性を有していると判断した。
以上のことから放射分布形状、表面放射照度、放射角度、放射効率の実測値と計算値はほぼ一致したと言える。今回計算モデルで模擬したチューブは無機物であり光学定数のばらつきはほぼないと考えられるため、本シミュレーションでは光学定数の調整を行わず入力した吸収係数μa、等価散乱係数μs’を採用した。すなわち作製した計算モデルを妥当と判断した。以下の表5に本シミュレーションで作製した計算モデルの入力パラメータをまとめる。
Figure 2018000867
・電極ワイヤ用ルーメン25,26の配置の検討
次いで、実施の形態1〜4及び図8(b)の電極ワイヤ用ルーメン25の位置を移動させたときの光放射特性を調査した。光拡散体32の位置をチューブ壁厚0.1 mmの位置で固定し、電極ワイヤ用ルーメン25を図10のx方向およびy方向に0.1 mm間隔で移動させた。y方向は、カテーテルチューブの縦断面上において、カテーテルチューブの中心軸から光拡散体用ルーメンの中心軸に向かう直線方向、x方向は、カテーテルチューブの縦断面上において、y方向に垂直であって、カテーテルチューブの中心軸からカテーテルチューブの外周方向に向かう直線方向である。0.1 mmは、実際のチューブ開発における貫通孔の最低位置分解能である。
変化範囲は、x:0 mmのとき、 y: -0.4〜0.1 mmの範囲、x:0.1 mmのとき、y: -0.4〜0.1 mmの範囲、x:0.2 mmのとき、y: -0.4〜0.2 mmの範囲、x:0.3 mmのとき、y: -0.4〜0.3 mmの範囲、x:0.4 mmのとき、y: -0.3〜0.3 mmとした。
このとき、電極ワイヤ用ルーメン25内壁は金メッキ塗布を想定して反射率を95%とした。金メッキは、電極ワイヤ35の温度上昇を防ぐため反射率を高めることと、金属ワイヤを成形する際の焼き入れ温度によってワイヤ吸収、反射スペクトルが異なる可能性があることから、電極ワイヤ用ルーメン25内壁に塗布される。電極ワイヤ用ルーメン25配置との関係性を調査した光放射特性は、チューブ表面における最大放射照度、放射角度、放射効率の3点である。放射角度は、放射照度が最大放射照度の50%となる角度とした。
作製した計算モデルを用いて得られた電極ワイヤ用ルーメン25位置と各光放射特性の関係を図11に示す。
図11(a)に示すように、最大放射照度は電極ワイヤ用ルーメン25のx方向位置が小さいほど大きくなり、x方向位置が0.3, 0.4 mmのとき以外は、y方向位置の増加とともに増加傾向を示した。x方向位置が0.3 mmのときにはy方向位置が0.1 mmのときに、x方向位置が0.4 mmのときにはy方向位置が0.2 mmのときに最大となった。
図11(b)に示すように、放射角度はx方向位置には依存せず、y方向位置の増加とともに増加傾向を示した。放射効率に関しても同様にy方向位置の増加とともに増加傾向を示した。放射角度に関しては、光拡散体32から電極ワイヤ用ルーメン25が遠ざかる程、ルーメン壁への光の入射角が小さくなり反射角も小さくなるため、カテーテルチューブから照射される光の放射角度も小さくなると考えられる。
図11(c)について、放射照度および伝送率に関しては、光拡散体32近傍にもう一方のルーメンを配置することで、カテーテルチューブ内での光の平均自由行程が小さくなることから、この結果は妥当であると考えられる。一般的に高効率かつ局所範囲への光照射が可能なデバイスが必要とされるが本カテーテルチューブの設計では、上大静脈における光照射 (SVCI) を想定したとき放射効率は放射角度と二律背反であると推定された。すなわち放射効率が大きくなるようなルーメン配置では放射角度も大きくなると考えられる。
以上の検討結果より、図4,図6のカテーテルチューブ20´,30´を計算モデル内で作成し、放射分布を計算した。
その結果を、図12に示す。放射分布41は、図4のカテーテルチューブ20´の放射分布、放射分布42は、図6のカテーテルチューブ30´の放射分布を示している。
低放射効率のカテーテルチューブは治療に必要なエネルギーを与えることができないだけでなく、エネルギーの損失分は熱に変わりチューブの温度上昇につながるため、放射効率の設計は重要であるが、Inputを大きくすることで十分な治療エネルギーは得られると考えられる。以上のことから、本発明の実施形態では、放射分布の設計を優先して、図3〜6のカテーテルチューブ20,20´,30,30´の設計としたものである。
図12のように、図4のカテーテルチューブ20´は、放射分布が広角、図6のカテーテルチューブ30´は、放射分布が狭角となり、放射分布に相違があることが分かった。
カテーテルチューブ20´,30´において、放射照度が最大放射照度の50%となる角度は45°、25°程度となった。放射角度はこの範囲で設計可能であると考えられる。カテーテルチューブ20´,30´から心筋組織に対して垂直に接した状態で光照射したときの組織内分布を図13に示す。図13は、光拡散体32からのOutputが50mW/cmのときに組織内放射照度が4.3mW/cm2となる境界を示している。照度4.3mW/cm2は、in vivo動物実験で得られた10分以内の治療に必要な放射照度閾値(薬剤濃度20μg/mL)である。
この場合、図13のグラフのように、治療幅に1-2 mm程度の違いが生じると考えられる。このように組織内分布にも変化が生じることから、本放射分布の設計は有効であることが示唆された。前述したように本カテーテルチューブの設計では放射角度と放射効率は二律背反であり、局所範囲への光照射が可能なチューブの放射効率は小さくなる。今回構造を推定したカテーテルチューブ20´,30´の放射効率を算出したところ、それぞれ74%、61%となった。
また、本発明の他の実施例に係るカテーテルチューブについて、放射分布を実測した結果を、図14に示す。図14ではそれぞれ、上段が、図1のA−A線断面に該当する箇所におけるカテーテルチューブ30の断面図、下段が、そのカテーテルチューブ30における放射分布を表している。
図14(a)のカテーテルチューブ60aは、悪性脳腫瘍に対するPDTにおいて用いることのできる脳外科用2ルーメンカテーテルチューブであって、光線追跡シミュレーター内で作製したものである。カテーテルチューブ外径は1.00 mm、光拡散体32の外径は0.25 mm、形状記憶ワイヤ33の外径は0.43 mmとした。光拡散体用ルーメン22径は0.35 mm、形状記憶ワイヤ用ルーメン23径は0.45 mmとし、形状記憶ワイヤ33の外側は金メッキ塗布を想定し反射率を95%とした。光線の本数は100万本、光拡散体32からの出力は50 mW/cmとして、カテーテルチューブ60a周囲方向における放射照度を計算した。図14(a)下の図より、形状記憶ワイヤ33の影響で、片側照射が十分可能な設計であることがわかる。さらに局所的な光照射が可能な設計にするためには、形状記憶ワイヤ33の径をさらに大きくする必要があるが、耐久性の観点から外径1 mmのチューブでは直径0.45 mmが上限だと考えられる。
図14(b)のカテーテルチューブ60bは、各種ワイヤを内装した5ルーメンカテーテルチューブであって、チューブ外径は1.46 mm、光拡散体32の外径は0.25 mm、電極ワイヤ35,36の外径は0.1 mm、形状記憶ワイヤ33の外径は0.43 mmとした。光拡散体用ルーメン22、電極ワイヤ用ルーメン25,26、テンションワイヤ用ルーメン24径は0.35 mm、形状記憶ワイヤ用ルーメン23径は0.45 mmとし、電極ワイヤ35,36は電極ワイヤ用ルーメン25,26にそれぞれ3本ずつ内装した。形状記憶ワイヤ33の外側は金メッキ塗布を想定し反射率を95%とした。電極ワイヤ35,36は銅を仮定し反射率を60%、テンションワイヤ34はステンレスを仮定し反射率を60%とした。光線の本数は100万本、光拡散体からの出力は50 mW/cmとして、カテーテルチューブ60b周囲方向における放射照度を計算した。
図14(c)のカテーテルチューブ60cは、光拡散体用ルーメン22が、凧型(対角線が直行し、異なる長さを持つ2辺によって作られる2つの向かい合う角の大きさが互いに等しい形状)であって、かつ、角及び辺に丸みを帯びる形状から形成されている。また、形状記憶ワイヤ用ルーメン23は、光拡散体用ルーメン22よりもカテーテルチューブ60c中心軸側に、光拡散体用ルーメン22よりも大きなルーメンとして設けられている。形状記憶ワイヤ用ルーメン23の光拡散体用ルーメン22側の壁面は、光拡散体用ルーメン22の壁面に沿った形状として構成されており、形状記憶ワイヤ用ルーメン23は、三日月型に形成されている。図14(c)下の図に示すとおり、カテーテルチューブ60cからは、光拡散体32側のみでなく、カテーテルチューブ60cの光拡散体32逆側にも光が放射され、片側放射ではなく両側放射が可能である。
C 中心
R ridge
1 レーザカテーテル
10 管状部
20,20´,30,30´,50,60a,60b,60c カテーテルチューブ
20b 屈曲部
20c ループ状部
20t 先端部
21 透明チューブ
22 光拡散体用ルーメン
23 形状記憶ワイヤ用ルーメン
24 テンションワイヤ用ルーメン
25,26 電極ワイヤ用ルーメン
29R リング状電極
29T 先端電極
32 光拡散体
33 形状記憶ワイヤ
34 テンションワイヤ
35,36 電極ワイヤ
41,42 放射分布
50a 4ルーメンのカテーテルチューブ
50b 5ルーメンのカテーテルチューブ
61 測定用光ファイバ
62 レーザ光源
63 シリコンフォトダイオード
64 Yコネクタ

Claims (7)

  1. 生体内に挿入され、治療対象部位又は検査対象部位に光を照射して該部位の治療又は検査を行う医療用具に設けられるカテーテルチューブであって、
    光学的に透明性を備えた素材からなり、
    光拡散体が挿通される光拡散体挿通孔と、該光拡散体挿通孔とは異なる1以上の他の孔と、が、前記カテーテルチューブの長手方向に延長するように設けられ、
    前記他の孔の内部には、前記他の孔の内壁面に隣接して、空間が存在し、
    前記内壁面は、相互に屈折率の異なる前記素材と前記空間内の気相あるいは液相との光学的な界面となって、共同して、前記光拡散体が発する光の放射分布を調整する反射面を形成していることを特徴とするカテーテルチューブ。
  2. 癌治療用又は不整脈治療用であることを特徴とする請求項1記載のカテーテルチューブ。
  3. 前記カテーテルチューブとは異なる素材からなる反射体を備えないことを特徴とする請求項1記載のカテーテルチューブ。
  4. 前記カテーテルチューブとは異なる素材からなり放射分布を調整するミラー及びプリズムを備えないミラーレスかつプリズムレスであることを特徴とする請求項1記載のカテーテルチューブ。
  5. 外力を受けない状態において、一周超分の螺旋形状からなるループ状部と、該ループ状部の近位側の端部で屈曲する屈曲部とを備えた先端部を有し、
    不整脈治療用であることを特徴とする請求項1,3及び4のいずれか記載のカテーテルチューブ。
  6. 前記カテーテルチューブは、前記他の孔として、前記光拡散体挿通孔の中心軸よりも前記カテーテルチューブの中心軸側に設けられた第一乃至第四の孔を有し、
    第一の前記孔は、前記カテーテルチューブと実質的に同軸となる位置に形成され、
    第二の前記孔は、前記第一の孔の前記光拡散体挿通孔逆側に形成され、
    前記光拡散体挿通孔,前記第一の孔,及び前記第二の孔のそれぞれの中心軸が、前記光拡散体挿通孔の中心軸と前記カテーテルチューブの中心軸を通る直線上に並ぶように形成され、
    第三及び第四の前記孔の中心軸は、前記直線の方向において、前記光拡散体挿通孔の前記中心軸と前記第一の孔の前記中心軸との間に位置するように形成されており、
    光増感反応による肺静脈入口部の頻脈性不整脈治療用又は末梢型肺癌治療用の広角放射カテーテルチューブであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のカテーテルチューブ。
  7. 前記カテーテルチューブは、前記他の孔として、前記光拡散体挿通孔の中心軸よりも前記カテーテルチューブの中心軸側に設けられた第一乃至第四の孔を有し、
    第一の前記孔は、前記カテーテルチューブと実質的に同軸となる位置に形成され、
    第二の前記孔は、前記第一の孔の前記光拡散体挿通孔逆側に形成され、
    前記光拡散体挿通孔,前記第一の孔,及び前記第二の孔のそれぞれの中心軸が、前記光拡散体挿通孔の中心軸と前記カテーテルチューブの中心軸を通る直線上に並ぶように形成され、
    第三及び第四の前記孔は、前記直線の方向において、前記第二の孔の前記中心軸と前記第一の孔の前記中心軸との間に位置するように形成されており、
    光増感反応による上大静脈の頻脈性不整脈治療用又は中心型肺癌治療用,脳幹腫瘍治療用或いは外科術後残留腫瘍治療用の狭角放射カテーテルチューブであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のカテーテルチューブ。
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