JP5105617B2 - 手注ぎ式機器 - Google Patents

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本発明は、液体を収容する機器本体が、その機器本体の上方から下方へ向けて延設されたハンドルと、前記機器本体内の液体を加熱する加熱手段への電源からの給電を断続操作するスイッチを備えている手注ぎ式機器に関する。
このような手注ぎ式機器としては、例えば、電気ケトルがあり、従来の電気ケトルでは、給電を断続操作するスイッチが機器本体の上面に設けられたものが多く、この点に改良の余地があった(実際に実施されてはいるが、適切な特許文献などは見当たらない)。
すなわち、この種のスイッチは、それほど頻繁に断続操作するものではなく、できれば、あまり目立たない箇所、例えば、ハンドル下方の機器本体の側部部位に設けて、機器本体の上面については、他の表示機器などを配置するために使用スペースの拡大を図るのが良く、また、外観上からも好ましい。
しかし、従来の電気ケトルでは、ハンドルが機器本体の上方から下方へ向けて延設され、さらに、そのハンドルの下方端部が機器本体に連設されて、スイッチをハンドル下方側の機器本体の側部下方部位に設けるスペースのないものが多く、やむを得ず、機器本体の上面に設けていたのが実情である。
このような問題点を解決するには、機器本体の上方から下方へ向けて延設するハンドルの下方側にスイッチを設けるだけのスペースを確保して、そのスペースにスイッチを設けることが考えられる。
しかしながら、スイッチを機器本体の側部下方部位に設けた場合、ハンドルを手で把持した際などに誤って機器本体をテーブル上などで転倒させると、スイッチがテーブル面に当接して、損傷したり破損するという別の不都合が生じる可能性がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、給電を断続操作するスイッチを機器本体の側部下方部位に配置することを可能にし、それによって、機器本体上面の使用スペース拡大を図り、しかも、スイッチを機器本体の側部下方部位に配置することによる不都合も解消し得る手注ぎ式機器を提供することにある。
本発明の第1の特徴構成は、液体を収容する機器本体が、その機器本体の上方から下方へ向けて延設されたハンドルと、前記機器本体内の液体を加熱する加熱手段への電源からの給電を断続操作するスイッチを備えている手注ぎ式機器であって、前記スイッチが、前記ハンドルの下方側の前記機器本体の側部下方部位に設けられ、そのスイッチが、前記機器本体の平面視において、その機器本体の側方表面と前記ハンドルの側方表面とを結ぶ2本の接線ラインの内側に位置し、かつ、前記機器本体の側面視において、その機器本体の底端部と前記ハンドルの下方表面とを結ぶ1本の接線ラインより機器本体側に位置するように構成してあり、前記スイッチを保護するスイッチガードが、前記スイッチの周囲の一部を覆うように前記機器本体から突設され、そのスイッチガードが、前記機器本体の平面視において、その機器本体の側方表面と前記ハンドルの側方表面とを結ぶ2本の接線ラインの内側に位置し、かつ、前記機器本体の側面視において、その機器本体の底端部と前記ハンドルの下方表面とを結ぶ1本の接線ラインより機器本体側に位置するように構成してあるところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、スイッチが、ハンドルの下方側の機器本体の側部下方部位に設けられているので、機器本体上面の使用スペースの拡大を図ることができるとともに、外観的にもスッキリとした好ましいものとなる。
その反面、例えば、ハンドルを手で把持した際などに誤って機器本体をテーブル上などで転倒させると、スイッチがテーブル面に当接して、損傷したり破損する可能性がある。
しかし、本発明の第1の特徴構成によれば、スイッチが、機器本体の側面視において、機器本体の底端部とハンドルの下方表面とを結ぶ1本の接線ラインより機器本体側に位置するので、スイッチがテーブル面に当接する前に、機器本体の底端部とハンドルの下方表面がテーブル面に当接し、その結果、スイッチがテーブル面に当接することはなく、スイッチの損傷や破損が回避される。
その後、機器本体が横倒しになっても、スイッチが、機器本体の平面視において、機器本体の側方表面とハンドルの側方表面とを結ぶ2本の接線ラインの内側に位置するので、スイッチがテーブル面に当接することはなく、スイッチの損傷や破損は確実に回避され、その結果、機器本体上面の使用スペースの拡大を図り、かつ、スイッチの使用性も確保しながら、スイッチの安全性も確保することが可能となる。
また、スイッチを保護するスイッチガードが、スイッチの周囲の一部を覆うように機器本体から突設されているので、例えば、ハンドルを手で把持する際やハンドルから手を離す際に、手指によってスイッチを誤って操作することが防止される。
そして、そのスイッチガードも、機器本体の平面視において、機器本体の側方表面とハンドルの側方表面とを結ぶ2本の接線ラインの内側に位置し、かつ、機器本体の側面視において、機器本体の底端部とハンドルの下方表面とを結ぶ1本の接線ラインより機器本体側に位置するので、上述したスイッチと同様、たとえ機器本体が転倒しても、スイッチガードがテーブル面に当接することはなく、スイッチガードの損傷や破損が確実に回避される。
本発明の第の特徴構成は、前記スイッチガードが、前記機器本体の平面視において、前記ハンドルの幅内に位置するように構成してあるところにある。
本発明の第の特徴構成によれば、スイッチガードが、機器本体の平面視において、ハンドルの幅内に位置するので、例えば、機器本体が突起物上に転倒しても、スイッチガードとそのスイッチガードにより覆われたスイッチは、ハンドルにより保護されて損傷や破損が回避される。
本発明の第の特徴構成は、前記スイッチガードが、前記スイッチの下方を開放した状態で、その上方と左右の横側方を覆うコの字状に構成してあるところにある。
本発明の第の特徴構成によれば、スイッチガードが、スイッチの下方を開放した状態で、その上方と左右の横側方を覆うコの字状に構成してあるので、手指の接触による誤操作が合理的に回避される。
本発明の第の特徴構成は、前記スイッチガードが、前記機器本体と別体に構成されて機器本体に取り付けられているところにある。
本発明の第の特徴構成によれば、スイッチガードが、機器本体と別体に構成されて機器本体に取り付けられているので、機器本体とスイッチガードを別々に製作して、製作の容易化を図ることができるとともに、例えば、スイッチガードを透明な材料で形成して、スイッチの視認性の向上を図ることが可能となり、また、スイッチガードが破損しても、そのスイッチガードだけを簡単に取り替えることも可能となる。
本発明による手注ぎ式機器の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る手注ぎ式機器としては、例えば、電気ケトルがあり、図1および図2に示すように、電気ケトルは、機器本体としてのケトル本体1と電源プレート2から構成されている。
電源プレート2は、外形が円形のプレートで、その上面の中心部に給電機構3を備え、その下面部は電源ケーブル4の収納部となっている。使用時には、電源プレート2の下面部から電源ケーブル4を引き出し、コンセント(図外)に接続することで、給電機構3を介して、ケトル本体1に給電可能となる。
給電機構3は、電源プレート2の上面より突出して形成されており、図4に示すように、中心穴3aと、その中心穴3aと同心状の環状穴3bを備え、これら穴3a,3bに設けられる電極部(給電用)と、給電機構3の周方向一部に設けられる検知用電極3cを備えている。この検知用電極3cは、電源プレート2とケトル本体1とが給電姿勢にあることを検知する。
電源プレート2上にケトル本体1が載置された給電状態(給電姿勢)では、ケトル本体1に設けられる受電機構5を介して給電が可能となり、その受電機構5は、ケトル本体1の底面から引退して形成され、中心ガイドピン5aと、その中心ガイドピン5aと同心状の内径側環状電極5bと、さらに外径側に設けられる外径側環状電極5cを備えている。これら3つの電極は、受電用の一対の電極と受電姿勢検知用の電極であり、電源プレート2上にケトル本体1が載置された給電状態(給電姿勢)において、給電機構3がケトル本体1内に嵌り込み、互いの電極が電気的に接続されて受電が可能となる。
ケトル本体1は、上側開放の概略容器形状に構成されて、液体の一例である水を収容する本体ボディ6と、その開口を覆う蓋体7とを主な部材として構成されている。
この蓋体7は、図3に示すように、ケトル本体1の上部の一端に設けられた揺動軸7a周りに揺動自在に構成され、蓋体7を上側に揺動させて蓋体7を開放した状態で、本体ボディ6内への注水が可能となり、蓋体7で本体ボディ6の開口を閉止した状態で、湯の加熱が可能となる。
ケトル本体1は、その上部側に湯を注ぐための注口8を備え、この注口8のケトル本体横断方向反対側には、ケトル本体1を傾けて注口8から湯を注ぐために手で把持するハンドル9を備え、さらに、注口8とハンドル9との間に、注口8側から、蓋体7の開閉のための蓋体開閉操作部10を備えるとともに、蒸気口11を備えている。
注口8の内部側には、給湯制御用の弁12が設けられており、この弁12が、給湯操作ボタン13の操作状況に応じて上下方向に移動制御されて、ケトル本体1を傾けても、給湯操作ボタン13が押し込み姿勢に無い限り、注口8から湯がでることがないように構成されている。
ハンドル9は、ケトル本体1の上方から下方に向けて延設され、本体ボディ6内の水を加熱する加熱手段としての電気ヒータ14が、図4に示すように、ケトル本体1の下部に円周状を成して配置されている。
そして、電気ヒータ14への電源からの給電を断続操作するスイッチ15が、ハンドル9の下方遊端部9aの近傍に位置してケトル本体1の下部に設けられている。つまり、スイッチ15が、ハンドル9の下方側のケトル本体1の側部下方部位に設けられ、図4において一点鎖線で示すように、このスイッチ15を下側に押下げ操作することで、電気ヒータ14による加熱を開始し、かつ、加熱を継続することができ、図4において実線で示すように、スイッチ15が上側位置にあると、加熱開始操作を待機する(加熱しない状態で待機する)。
スイッチ15と受電機構5とは、電気ケトルにおいて広く使用されている連動ユニット16で連結され、その連動ユニット16は、受電機構5と一体に外周方向に延びる固定腕部16bを備えたユニット本体16aと、その固定腕部16bの上部側に設けられ、ユニット本体16aに対して上下方向に揺動自在な揺動腕部16cを備えて構成されている。
前記固定腕部16bの外周側端には、ケトル本体1の上部から導かれる蒸気を検知する蒸気検知具17(具体的には蒸気感応板からなり、蒸気に感応して変形する)が備えられ、揺動腕部16cの先端は、スイッチ15が連結されている。
ケトル本体1に設けられる受電機構5が、電源プレート2に設けられる給電機構3から電気の供給を受けられる状態で、かつ、蒸気検知具17が蒸気を検知していない状態で、スイッチ15は、図4の実線で示す待機姿勢に保たれる。スイッチ15が押し下げ操作されると、揺動腕部16cが下方に揺動されて電気ヒータ14へ給電され、水の加熱が開始される(加熱維持姿勢)。
加熱により本体ボディ6内の水が沸騰すると、その蒸気がケトル本体1内の側部に設けられた蒸気路18を介して蒸気検知具17に到達し、この蒸気検知具17の蒸気検知に伴って、下方に揺動姿勢保持されていた揺動腕部16cの姿勢保持が解除され、上方に揺動復帰されて電気ヒータ14への給電が停止される。同時に、スイッチ15は、加熱維持姿勢から待機姿勢に復帰する。
そのスイッチ15の外周には、図1、図5、図6などに示すように、スイッチ15の周囲のうち、下方を開放した状態で、その上方と左右の横側方を覆うコの字状のスイッチガード19が、ケトル本体1から突設されている。スイッチガード19は、スイッチ15を保護して、ハンドル9を手で把持する際などに、誤って手指などによりスイッチ15を誤操作するのを防止するためのもので、ケトル本体1とは別体に、例えば、透明の合成樹脂などで構成されて、ケトル本体1に取り付けられている。
スイッチ15とスイッチガード19は、図5(スイッチ15やスイッチガード19とハンドル9との関係が解りやすいように底面図で示されている)に示すように、両者とも、ケトル本体1の平面視において、ハンドル9の基端部の幅D内に位置するように、さらに、ケトル本体1の側方表面とハンドル9の側方表面とを直線状に結ぶ2本の接線ラインL1,L2の内側に位置するように構成されている。
それに加えて、スイッチ15とスイッチガード19は、両者とも、ケトル本体1の側面視において、図3に示すように、ケトル本体1の下部の底端部1aとハンドル9の下方表面である下方遊端部9aとを直線状に結ぶ1本の接線ラインL3よりケトル本体1側に位置するように構成されている。
したがって、例えば、ハンドル9を手で把持した際などに誤ってケトル本体1をテーブル上に倒しても、スイッチ15とスイッチガード19が接線ラインL3よりケトル本体1側に位置するので、図6に示すように、スイッチ15やスイッチガード19がテーブル面に当接する前に、ケトル本体1の底端部1aとハンドル9の下方遊端部9aがテーブル面に当接することになり、スイッチ15やスイッチガード19がテーブル面に当接することが回避される。
その後、ケトル本体1が横倒しになっても、スイッチ15とスイッチガード19が2本の接線ラインL1,L2の内側に位置するので、スイッチ15やスイッチガード19がテーブル面に当接することはなく、スイッチ15はもとより、スイッチガード19がテーブル面に当接して破損するようなことはない。
〔別実施形態〕
(1)先の実施形態では、手注ぎ式機器の一例として、ケトル本体1と電源プレート2から構成された電気ケトルを示したが、電源プレート2を備えていない電気ケトル、つまり、電源プレート2に設けられた必要部品などをケトル本体1側に設けた型式の電気ケトルにも適用することができ、さらに、電気ケトル以外にも、各種の手注ぎ式の電気ポットなどにも適用可能である。
また、ハンドル9として、その下方端部がケトル本体1に連設されることなく、ケトル本体1から離れた構成のハンドルを示したが、ハンドル9の下方端部をケトル本体1に連設し、かつ、その下方端部よりも下方にスイッチ15とスイッチガード19を設けるだけのスペースを確保し、そのスペースにスイッチ15とスイッチガード19を設けて実施することもできる。
その場合、スイッチ15とスイッチガード19は、ケトル本体1の下部の底端部1aとハンドル9の下方表面9aとを直線状に結ぶ接線ラインL3よりケトル本体1側に位置するように構成することになる。
(2)先の実施形態では、スイッチ15の外周にコの字状のスイッチガード19を突設した例を示したが、スイッチ15の上方のみを覆うスイッチガードを設けたり、スイッチ15の左右の横側方のみを覆うスイッチガードを設けて実施することもできる
して、スイッチガード19を設けるのであれば、必ずしもケトル本体1と別体に構成する必要はなく、ケトル本体1と一体的に構成することもでき、さらに、そのスイッチガード19を不透明な材料で構成することもできる。
以上説明したように、給電を断続操作するスイッチを機器本体の側部下方部位に配置することを可能にし、それによって、機器本体上面の使用スペース拡大を図り、しかも、スイッチを機器本体の側部下方部位に配置することによる不都合も解消し得る手注ぎ式機器を得ることができる。
電気ケトルの斜視図 電気ケトルの使用状態を示す斜視図 電気ケトルの一部縦断側面図 電気ケトルの給電機構と受電機構を示す縦断面図 電気ケトルの底面図 電気ケトルの転倒過程を示す斜視図
符号の説明
1 ケトル本体(機器本体)
1a ケトル本体の底端部
8 注口
9 ハンドル
9a ハンドルの下方遊端部(下方表面)
14 加熱手段
15 スイッチ
19 スイッチガード
D ハンドルの幅
L1〜L3 接線ライン

Claims (4)

  1. 液体を収容する機器本体が、その機器本体の上方から下方へ向けて延設されたハンドルと、前記機器本体内の液体を加熱する加熱手段への電源からの給電を断続操作するスイッチを備えている手注ぎ式機器であって、
    前記スイッチが、前記ハンドルの下方側の前記機器本体の側部下方部位に設けられ、そのスイッチが、前記機器本体の平面視において、その機器本体の側方表面と前記ハンドルの側方表面とを結ぶ2本の接線ラインの内側に位置し、かつ、前記機器本体の側面視において、その機器本体の底端部と前記ハンドルの下方表面とを結ぶ1本の接線ラインより機器本体側に位置するように構成してあり、
    前記スイッチを保護するスイッチガードが、前記スイッチの周囲の一部を覆うように前記機器本体から突設され、そのスイッチガードが、前記機器本体の平面視において、その機器本体の側方表面と前記ハンドルの側方表面とを結ぶ2本の接線ラインの内側に位置し、かつ、前記機器本体の側面視において、その機器本体の底端部と前記ハンドルの下方表面とを結ぶ1本の接線ラインより機器本体側に位置するように構成してある手注ぎ式機器。
  2. 前記スイッチガードが、前記機器本体の平面視において、前記ハンドルの幅内に位置するように構成してある請求項に記載の手注ぎ式機器。
  3. 前記スイッチガードが、前記スイッチの下方を開放した状態で、その上方と左右の横側方を覆うコの字状に構成してある請求項またはに記載の手注ぎ式機器。
  4. 前記スイッチガードが、前記機器本体と別体に構成されて機器本体に取り付けられている請求項のいずれか1項に記載の手注ぎ式機器。
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