JP5104783B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

密閉型圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP5104783B2
JP5104783B2 JP2009043368A JP2009043368A JP5104783B2 JP 5104783 B2 JP5104783 B2 JP 5104783B2 JP 2009043368 A JP2009043368 A JP 2009043368A JP 2009043368 A JP2009043368 A JP 2009043368A JP 5104783 B2 JP5104783 B2 JP 5104783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
groove
sealed container
hermetic compressor
wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009043368A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010196610A (ja
Inventor
鶸田  晃
秀樹 村上
力 辻本
敬 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009043368A priority Critical patent/JP5104783B2/ja
Publication of JP2010196610A publication Critical patent/JP2010196610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5104783B2 publication Critical patent/JP5104783B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、空調機、冷凍機、ブロワ、給湯機等に使用される密閉型圧縮機に関するものである。
図11は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機を示すものである。図11に示すように、密閉容器1の内部に、固定子22と回転子24で構成される電動機2とこれによって駆動される圧縮機構部3を配設し、固定子22の外周が密閉容器1の内壁に焼き嵌めなどで固定されている。圧縮機構部3で圧縮された高温高圧の冷媒ガスが、固定子22の外周に設けられた切り欠及び固定子22と回転子24の隙間を通過し、密閉容器1上部に設けられた吐出管5から外部冷却回路に吐出されている。固定子22外周の切欠部及び固定子22内径と回転子24外径との隙間などの電動機2部を通過する冷媒ガスの通路断面積が小さいと電動機2の上部空間7と下部空間8との圧力差が生じ、上部空間7で冷媒ガスから分離されたオイルは密閉容器内底部に戻りにくくなるとともに、吐出管5から冷媒ガスとともに吐出されるオイル量が多くなっていた。そこで通路断面積を大きくすることによって、吐出されるオイル量を少なくし、圧縮機のオイルレベルの確保と冷凍サイクルの熱交換能力の低下を防止していた。
また従来から、外周がほぼ円形の固定子を用いることによって効率のよい電動機を実現していた。
特開昭61−280727号公報 特開2004−197687号公報
しかしながら、特許文献2の構成のように、密閉容器の内壁に溝を設けて、通路断面積を拡大して、更なるオイル吐出量低減を図りつつ、外周がほぼ円形の固定子を用いることによって効率の高い電動機を実現しながら冷媒通路を確保することを考えた場合、以下の
課題が発生する。
すなわち、固定子を密閉容器に焼き嵌めにて固定した場合、運転時に密閉容器内の圧力が上昇すると、溝を形成した密閉容器は溝を形成しない密閉容器と比べて圧力による変形量が大きいので、運転時に固定子と密閉容器の間の保持力が弱まって固定子が脱落するといった問題を有していた。また、圧力による変形量の増大分だけ焼き嵌め代を大きく設定した場合、運転時の固定子の脱落は防止することができるが、固定子にかかる密閉容器の収縮時の応力による鉄損の増加によって電動機の効率が低下するといった問題を有していた。
また、固定子と密閉容器の間を溶接により固定した場合、固定子にかかる密閉容器の収縮時の応力による鉄損の増加は防ぐことができるが、繰り返し変形によって溶接部が剥離し、長期間運転後に固定子が脱落するといった問題を有していた。一方で、密閉容器の厚みを大きくすると、圧力による変形量を小さくすることができるが、圧縮機重量の増大や密閉容器の材料費が上昇するといった問題を有していた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、密閉容器の内壁に溝を設けることによって、通路断面積を拡大して更なるオイル吐出量低減を図り、外周がほぼ円形の固定子を用いることによって効率の高い電動機を実現しながら、冷媒通路を確保することを目的とした場合においても、運転時の固定子の脱落を防ぎながら電動機効率の低下を抑制し、高い効率と高い信頼性を有する密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、中空円筒からなる密閉容器の内部に、固定子と回転子で構成される電動機と前記電動機で駆動される圧縮機構部を配設し、前記固定子の外周が前記密閉容器の内壁に固定される構成において、前記密閉容器の内壁に円筒軸方向に延びる溝を設けるとともに、前記溝をスキューさせ、該溝のスキュー角度を円筒軸方向位置によって変化させたものである。
これによって、スキュー角度を変化させた位置の溝内壁面に冷媒ガスが衝突して、冷媒ガスと一緒に巻き上げられたオイルを効果的に分離して密閉容器外へのオイル吐出量を減らすことができる。また、スキュー角度が変化させた部分の機械的強度を上げることができるので、圧力による変形量をより小さくして、運転時の固定子の脱落をより効果的に防ぐことができる。
更に、本発明の密閉型圧縮機は、中空円筒からなる密閉容器の内部に、固定子と回転子で構成される電動機と前記電動機で駆動される圧縮機構部を配設し、前記固定子の外周が前記密閉容器の内壁に固定される構成において、前記密閉容器の内壁に円筒軸方向に延びる溝を設けるとともに、前記溝をスキューさせ、前記回転子の回転方向と、前記溝のスキュー方向を反対にしたものである。
これによって、冷媒ガスの旋回流を固定子の回転によって減速させることができるので、特に冷媒ガスの速度が大きい運転条件の場合においても、溝通過前と通過後の冷媒ガスの圧力差を小さくすることができるので、密閉容器内底部へオイルが戻りやすく、結果として密閉容器外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
本発明の密閉型圧縮機は、密閉容器の内壁に溝を設けてこれをスキューさせることで、通路断面積を拡大して更なるオイル吐出量低減を図ることができるとともに、高い効率と信頼性を実現することができる。
第1の発明は、中空円筒からなる密閉容器の内部に、固定子と回転子で構成される電動機と電動機で駆動される圧縮機構部を配設し、固定子の外周が密閉容器の内壁に固定される構成において、密閉容器の内壁に円筒軸方向に延びる溝を設けるとともに、溝をスキューさせ、該溝のスキュー角度を円筒軸方向位置によって変化させたものである。
これによって、スキュー角度を変化させた位置の溝内壁面に冷媒ガスが衝突して、冷媒ガスと一緒に巻き上げられたオイルを効果的に分離して密閉容器外へのオイル吐出量を減らすことができる。また、スキュー角度が変化させた部分の機械的強度を上げることができるので、圧力による変形量をより小さくして、運転時の固定子の脱落をより効果的に防ぐことができる。
第2の発明は、中空円筒からなる密閉容器の内部に、固定子と回転子で構成される電動機と電動機で駆動される圧縮機構部を配設し、固定子の外周が密閉容器の内壁に固定される構成において、密閉容器の内壁に円筒軸方向に延びる溝を設けるとともに、溝をスキューさせ、回転子の回転方向と、溝のスキュー方向を反対にしたものである。
これによって、冷媒ガスの旋回流を固定子の回転によって減速させることができるので、特に冷媒ガスの速度が大きい運転条件の場合においても、溝通過前と通過後の冷媒ガスの圧力差を小さくすることができるので、密閉容器内底部へオイルが戻りやすく、結果として密閉容器外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
第3の発明は、第1または第2の発明の密閉型圧縮機において、固定子の固定部周辺の密閉容器の内壁に溝を設けるとともに、固定子の固定部周辺以外の密閉容器の内壁を中空円筒で構成し、溝が設けられた内壁と、中空円筒で構成された内壁とが滑らかに遷移する溝端部を設けたものである。
これによって、溝通過前と通過後の冷媒ガスの圧力差を小さくすることができるので、密閉容器内底部へオイルが戻りやすく、結果として密閉容器外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明の密閉型圧縮機において、溝が円筒軸方向に複数存在するものである。
これによって、圧力による変形量をより小さくすることができるので、運転時の固定子の脱落をより効果的に防ぐことができる。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明の密閉型圧縮機において、溝の円筒軸方向長さを前記固定子より長く形成したものである。
これによって、溝通過前と通過後の冷媒ガスの圧力差を小さくすることができるので、密閉容器内底部へオイルが戻りやすく、密閉容器外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明の密閉型圧縮機において、固定子の外周形状が円形であるものである。
これによって、円形の固定子を用いることによって効率の高い電動機を実現しながら、冷媒通路を確保することができるので、高い効率の密閉型圧縮機を提供することができる
第7の発明は、第1の発明、または第3から第6のいずれかの発明の密閉型圧縮機において、回転子の回転方向と、溝のスキュー方向を同じにしたものである。
これによって、冷媒ガスの旋回流を回転子の回転によって加速させることができるので、特に冷媒ガスの速度が小さい運転条件の場合においても、冷媒とオイルを遠心力によって分離して密閉容器外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明の密閉型圧縮機において、固定子を焼き嵌めにて密閉容器に固定したものである。
これによって、圧力による変形量を小さくすることができるので、固定子にかかる密閉容器の収縮時の応力による鉄損の増加を抑制し、運転時の固定子の脱落を防止しながら電動機の効率低下を最小限にすることができる。
第9の発明は、第1から第7のいずれかの発明の密閉型圧縮機において、固定子を溶接にて密閉容器に固定したものである。
これによって、圧力による変形量を小さくすることができるので、繰り返し変形によって溶接部が剥離することを防いで、長期間運転後に固定子が脱落することを防ぐことができる。
第10の発明は、第9の発明の密閉型圧縮機において、固定子を溶接にて密閉容器に固定したとき、溝の近傍の圧力による変形量が小さい個所を溶接個所とするものである。
これによって、長期間運転による繰り返し変形によって溶接部が剥離することを防いで長期間運転後に固定子が密閉容器から脱落することを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における密閉型圧縮機の縦断面図であり、図2は、同密閉型圧縮機の密閉容器の斜視図である。
図1において圧縮機は、底部にオイルの貯溜されたオイル溜り6を有する密閉容器1で、この容器内には上側に電動機2が、下側に圧縮機構部3がそれぞれ収納されている。電動機2は回転軸31に装着された回転子24と、外周に切欠部28を形成した固定子22とで構成されている。圧縮機構部3は、シリンダ30と、回転軸31の偏芯部31aによりシリンダ30内を回転するピストン32とこのピストン32に接してシリンダ30内を分けるベーン(図示せず)とシリンダ30の開口を封じる上軸受部34と下軸受部35と、この上軸受部34に取り付けられた吐出弁(図示せず)と、この吐出弁を覆うカップマフラー37とで構成されており、回転子24からの駆動によりシリンダ30内をピストン32が回転し冷媒が圧縮される構造となっている。また、図2に示すように、密閉容器1の内壁にスキューした溝部9を設けている。ここで、図1の断面図においては、図2中のB−B´で示す、図1の切断断面に沿って切断した縦断面図としている。なお、同切断断面は図2に示すように、溝部9については溝部9中央に沿って切断している。
図3は、本発明の第1の実施の形態における図1中のA−A´で示した位置での電動機
部の上部空間から見た横断面図を示している。図3に示すように、固定子22の外周が密閉容器1の内壁に固定されている。
図1及び図2に示すように、密閉容器1内の空間が、電動機2を挟んで上部空間7と下部空間8の大きく二つに分離される密閉型圧縮機において、密閉容器1の内壁に設けた溝部9を固定子の縦(積厚)寸法と同等以上の長さで密閉容器1の円筒軸方向に形成し、かつ固定子上部空間7と下部空間8の両方に開口する構成としている。
図1において、圧縮された冷媒は、カップマフラー37より密閉容器1内に吐出され、固定子22と密閉容器1内壁で形成された切欠部28と、固定子22と密閉容器1の内壁で形成された溝部9および、電動機2のエアギャップ26を通って、電動機2の上部空間7に送り出され、冷媒吐出管5から密閉容器1の外に吐出される。矢印は、冷媒の流れを示す。
図4に本実施の形態におけるスキュー角度の定義を、図5及び図6にスキュー角度と圧力による変形量の関係を示す。図4に示すように、本実施の形態においては、円筒軸方向と溝部9の中心線がなす角度をスキュー角度と定義する。図5は、溝部9がない従来の密閉容器(base)と図4で定義されたスキュー角度を0deg、30deg、45degと変化させたときの圧力による変形量をFEM解析した結果を示している。なお、解析結果として、固定子22の外周が密閉容器1に固定されている内壁平面のみに着目し、密閉容器1の内壁に1MPaの圧力を作用させた結果を示している。
図5を見ても分かるように、スキュー角度を大きくしていくと、圧力による変形量が小さくなることが分かる。また、溝部9がない従来の密閉容器(base)は変形が一様であるが、溝部9がある場合は、固定子22の外周が密閉容器1に固定されている内壁平面の中でも変形量が大きい個所と小さい個所があることが分かる。すなわち、溝部9付近は変化量が小さく、溝が形成されていない円筒部は圧力による変化量が大きい。
ここで、本実施の形態においては、固定子22を焼き嵌めにて密閉容器1に固定している。運転時に圧力が作用したときには、密閉容器1は図5で示されるように変形するので、圧力による変形量が小さい個所にて固定子22が保持されることになる。
図6に、各スキュー角度における、最大変位量と最小変位量を溝部9がない従来の密閉容器1の変形量と比較したものを示す。図6を見ても分かるように、前述の固定子22の保持に関係する最小変位量に着目すると、スキュー角度を大きくすると溝部9のない従来の密閉容器(base)とほぼ同じ量まで低減することができる。つまり、溝部9のない従来の密閉容器(base)とスキュー角度45degの密閉容器1では、焼き嵌め代はほぼ同じ値に設定できることを意味している。よって、固定子22にかかる密閉容器1の収縮時の応力による鉄損の増加によって電動機の効率を低下させることが無いので、運転時の固定子22の脱落を防ぎながら、効率の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
なお、固定子22を溶接にて密閉容器1に固定した場合(図示せず)、図5で示されている溝部9近傍の圧力による変形量が小さい個所を溶接個所とすることが好ましい。この構成によれば、長期間運転による繰り返し変形によって溶接部が剥離することを防いで長期間運転後に固定子22が密閉容器1から脱落することを防ぐことができる。
なお、密閉容器1は内圧によって円筒半径方向に変形するが、溝部9が円筒軸方向に複数存在すれば、溝部9がリブとなって、溝部9に囲まれた密閉容器1の平面の変形を抑制することができる。図4はスキュー角度を45degにした場合の溝部9の位置を示しているが、図4を見ても分かるように溝部9が円筒軸方向に2個所存在していることがわか
る。例えば、本実施例のようにスキュー角度を調節することによって、円筒軸方向の溝部9の存在個所を増やすと、圧力による密閉容器1の変形量を抑制することができる。
さらに、溝部9を設けることで、冷媒の通路断面積が増加し、吐出された冷媒ガスが下部空間8から上部空間7に移動する時の流速が遅くなるため、上部空間7と下部空間8の圧力差が減少する。よって、冷媒から分離されたオイルが自重により、上部空間7から下部空間8のオイル溜り6に戻りやすくなるため、圧縮機のオイルレベルが確保できる。また、上部空間7のオイルが少なくなるため、吐出冷媒とともに巻き上げられるオイルも少なくなって、圧縮機本体から吐出されるオイル量も減少し、冷凍サイクルの熱交換能力の低下を防止することができる。
また、溝部9はスキューさせているので、溝部9を通過する冷媒ガスが旋回流となる。結果、冷媒より密度の高いオイルを遠心力によって分離して、密閉容器1の内壁への付着を促進させることができるので、上部空間7でのオイル分離効果を高めて、密閉容器1外へのオイル吐出量を更に低減させることができる。
また、固定子22の固定部周辺の密閉容器1の内壁に溝部9を設けるとともに、固定子22の固定部周辺以外の密閉容器1の内壁は円筒で構成し、溝部9が設けられた内壁と、円筒で構成された内壁を滑らかに遷移する溝端部を設けている。この構成によれば、冷媒ガスの通路を滑らかに変化させることができるので、溝部9通過前と通過後の冷媒ガスの圧力損失を防ぐことができる。結果、溝部9通過前と通過後の冷媒ガスの圧力差を小さくすることができるので、密閉容器1内底部へオイルが戻りやすく、結果として密閉容器1外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
また、溝部9の円筒軸方向長さを固定子22より長く形成している。この構成によれば、固定子22の上部及び下部のコイルエンド部においても圧力損失を防ぐことができる。結果、溝部9通過前と通過後の冷媒ガスの圧力差を小さくすることができるので、密閉容器内底部へオイルが戻りやすく、結果として密閉容器1外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
なお、回転子24の回転方向と、溝部9のスキュー方向を同じにすると、冷媒ガスの旋回流を回転子24の回転によって加速させることができるので、特に冷媒ガスの速度が小さい運転条件の場合においても、冷媒とオイルを遠心力によって分離して密閉容器1外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
また、回転子24の回転方向と、溝部9のスキュー方向を反対にした場合には、冷媒ガスの旋回流を固定子24の回転によって減速させることができるので、特に冷媒ガスの速度が大きい運転条件の場合においても、溝部9通過前と通過後の冷媒ガスの圧力差を小さくすることができるので、密閉容器内底部へオイルが戻りやすく、結果として密閉容器外へのオイル吐出量を効果的に減らすことができる。
なお、溝部9を複数個設けることで、冷媒ガスの通路断面積をさらに大きくすることができるため、上部空間7と下部空間8の圧力差を小さくすることが可能となる。
なお、図7に示すように、密閉容器1内の下側に電動機2が、上側に圧縮機構部3が収納されている場合も、本実施の形態におけるスキューさせた溝部9を設けることで、同等の効果が得られることは明らかである。
(実施の形態2)
図8は本発明の第2の実施の形態における密閉型圧縮機の電動機部2を上部空間から見
た横断面図である。図8に示すように、固定子22の外周をほぼ円筒形の構成をしている。
電動機2外周に切り欠きを設けている時と比べて、固定子22の鉄損や磁気抵抗が増加する要因を排除出来ることで電動機2の効率が向上させている。ここで、密閉容器1内壁には溝部9を設けているため、電動機2の外周に切り欠きを設けている時と同様の冷媒の通路断面積を確保できることから、吐出されるオイル量を少なくすることが出来る。よって本実施の形態の密閉型圧縮機は、電動機2の効率を向上させると同時に吐出されるオイル量を電動機1の切り欠きがあった時と同等に維持することが可能となる。
(実施の形態3)
図9、図10は本発明の第3の実施の形態における密閉型圧縮機の密閉容器1の斜視図及び横から見た図である。
図9及び図10に示すように、溝部9のスキュー角度を円筒軸方向のある位置で変化させている。スキュー角度を変化させた位置の溝部9内壁面には冷媒ガスが衝突して溝部9の壁面への付着を促進することで、冷媒ガスと一緒に巻き上げられたオイルを効果的に分離して密閉容器外へのオイル吐出量を減らすことができる。また、スキュー角度が変化させた部分に着目すると、密閉容器1の平面は溝部9に囲まれているので、溝部9がリブとなって変形を抑制することができる。すなわち、本実施の形態の密閉型圧縮機においては、圧力による変形量をより小さくして、運転時の固定子の脱落をより効果的に防ぐことができる。
以上のように、本発明の密閉型圧縮機は、密閉容器の内壁に溝を設けることによって、通路断面積を拡大して更なるオイル吐出量低減が図れるとともに、外周がほぼ円形の固定子を用いることによって効率の高い電動機を実現しながら冷媒通路を確保すること運転時の固定子の脱落を防ぎながら電動機効率を確保することができるので、HFC系冷媒やHCFC系冷媒を用いたエアーコンディショナー用圧縮機のほかに、自然冷媒(二酸化炭素など)を用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機などの用途にも適用できる。
本発明の第1の実施の形態における上側に電動機、下側に圧縮機構部を配置する密閉型圧縮機の縦断面図 本発明の第1の実施の形態における密閉容器の斜視図 本発明の第1の実施の形態における電動機部の上部空間から見た横断面図 本発明の第1の実施の形態における密閉容器を横から見た図とスキュー角度の定義を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるスキュー角度を変化させたときの圧力による変形量を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるスキュー角度を変化させたときの最大変位量と最小変位量を示す図 本発明の第1の実施の形態における上側に圧縮機構部、下側に電動機を配置する密閉型圧縮機の縦断面図 本発明の第2の実施の形態における電動機部の上部空間から見た横断面図 本発明の第3の実施の形態における密閉容器の斜視図 同密閉容器を横から見た図 従来の密閉型圧縮機の断面図
1 密閉容器
2 電動機
3 圧縮機構部
4 上シェル
5 冷媒吐出管
6 オイル溜り
7 上部空間
8 下部空間
9 溝部
22 固定子
24 回転子
26 エアギャップ
28 切欠部
30 シリンダ
31 回転軸
31a 偏芯部
32 ピストン
34 上軸受部
35 下軸受部
37 カップマフラー

Claims (10)

  1. 中空円筒からなる密閉容器の内部に、固定子と回転子で構成される電動機と前記電動機で駆動される圧縮機構部を配設し、前記固定子の外周が前記密閉容器の内壁に固定される構成において、
    前記密閉容器の内壁に円筒軸方向に延びる溝を設けるとともに、前記溝をスキューさせ、該溝のスキュー角度を円筒軸方向位置によって変化させたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 中空円筒からなる密閉容器の内部に、固定子と回転子で構成される電動機と前記電動機で駆動される圧縮機構部を配設し、前記固定子の外周が前記密閉容器の内壁に固定される構成において、
    前記密閉容器の内壁に円筒軸方向に延びる溝を設けるとともに、前記溝をスキューさせ、前記回転子の回転方向と、前記溝のスキュー方向を反対にしたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  3. 固定子の固定部周辺の前記密閉容器の内壁に前記溝を設けるとともに、前記固定子の固定部周辺以外の前記密閉容器の内壁を中空円筒で構成し、前記溝が設けられた内壁と、前記中空円筒で構成された内壁とが滑らかに遷移する溝端部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記溝が円筒軸方向に複数存在する請求項1〜3のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記溝の円筒軸方向長さを前記固定子より長くしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  6. 前記固定子の外周形状が円形であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記回転子の回転方向と、前記溝のスキュー方向を同じにしたことを特徴とする請求項1、または請求項3〜6のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  8. 前記固定子を焼き嵌めにて密閉容器に固定したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  9. 前記固定子を溶接にて密閉容器に固定したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  10. 前記固定子を溶接にて密閉容器に固定したとき、前記溝の近傍の圧力による変形量が小さい個所を溶接個所とすることを特徴とする請求項に記載の密閉型圧縮機。
JP2009043368A 2009-02-26 2009-02-26 密閉型圧縮機 Expired - Fee Related JP5104783B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009043368A JP5104783B2 (ja) 2009-02-26 2009-02-26 密閉型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009043368A JP5104783B2 (ja) 2009-02-26 2009-02-26 密閉型圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010196610A JP2010196610A (ja) 2010-09-09
JP5104783B2 true JP5104783B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=42821569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009043368A Expired - Fee Related JP5104783B2 (ja) 2009-02-26 2009-02-26 密閉型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5104783B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013245640A (ja) * 2012-05-29 2013-12-09 Panasonic Corp 密閉型圧縮機

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62258182A (ja) * 1986-05-02 1987-11-10 Hitachi Ltd 密閉形スクロ−ル圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010196610A (ja) 2010-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4841536B2 (ja) モータ及びそれを備えた冷媒圧縮機
JP6521048B2 (ja) スクロール圧縮機
JP6388715B2 (ja) 圧縮機
EP3343065A1 (en) Inertia adjuster and rotary compressor
CN102570716A (zh) 密闭型电动压缩机
JP5079670B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP6109063B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP6548915B2 (ja) 圧縮機
JP5152385B1 (ja) 圧縮機
JP5104783B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4172514B2 (ja) 圧縮機
JP2007205227A (ja) 圧縮機
JP3992071B1 (ja) 圧縮機
KR102320908B1 (ko) 압축기 및 냉동 사이클 장치
JP6407432B2 (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP2011179453A (ja) ロータリ圧縮機
JP4552910B2 (ja) 圧縮機
WO2015068308A1 (ja) スクロール圧縮機
JP5789581B2 (ja) スクロール型圧縮機
JP2018102039A (ja) 電動機のロータ、圧縮機
KR101474019B1 (ko) 전동기구 및 이를 적용한 압축기
JP5100471B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2016089625A (ja) ロータリ圧縮機
JP2010037973A (ja) ロータリ圧縮機
JP5358591B2 (ja) ロータリ圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120917

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5104783

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees