JP5104304B2 - カーボンブラックを含有した組成物、着色用組成物及び導電性組成物 - Google Patents

カーボンブラックを含有した組成物、着色用組成物及び導電性組成物 Download PDF

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Description

本発明はフェレ径の個数平均粒径が5〜300nmであるカーボンブラックを含有した組成物、着色用組成物及び導電性組成物に関する。
特には、安定したカーボンブラック一次粒子を有する組成物、着色用組成物及び導電性組成物に関する。
カーボンブラックは、着色性、導電性、耐候性、耐薬品性等に優れるため、例えばプラスチックやエラストマーの補強剤や充填剤等種々の目的で幅広く使用されている。
通常、カーボンブラックは、複数の基本粒子が化学的、物理的に結合した二次粒子、すなわち凝集体(ストラクチャともいう)として存在している(図4)。この凝集体は、不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集構造をとっている。また、凝集体同士がVan der Waals力や単なる集合、付着、絡み合いなどから二次凝集体をも形成するため、十分なミクロ分散構造を得ることは困難であった。また複雑な形状を有しているため、例えば樹脂やゴムなどの媒体に分散しても、均一分散を困難にさせており。当該樹脂を成型しても、着色性にムラが生じたり、それら成型物の表面の光沢度や仕上がりが十分ではなかった。また、カーボンブラックは導電性材料としても使用されるが、従来のカーボンブラックでは、樹脂やゴムに分散した場合、分散が均一化しにくく、抵抗にムラを生じる問題があった。
カーボンブラックは、その形状が粉状または粒状のため、単独で使用されていることが少なく、通常、ゴムや樹脂等の固状の基材または水や溶剤等の液体に均一に分散されてその特性を発揮する。しかし、カーボンブラックは、粒子間の凝集力に比べて他の物質、例えば有機高分子、水および有機溶剤等との親和性が弱いために、通常の混合または分散条件では、均一に混合または分散することが極めて困難であった。この問題を解決するために、カーボンブラッック表面を各種の界面活性剤や樹脂で被覆して、固状の基材または液体との親和性を高めることにより、カーボンブラックの分散性を改良する検討が数多くなされている。
例えば、重合性単量体をカーボンブラック(凝集体)共存下に重合させることにより得られる有機化合物をグラフトしたカーボンブラックは、重合性単量体の種類を適当に選択することにより、親水性および/または親油性を適宜変えることができるため注目されている(例えば、米国特許6,417,283)。しかしながら、従来の方法で得られたカーボンブラックを使用しても、本発明者らが求める均一な着色性や導電性能を得ることができなかった。
カーボンブラックを微細化するには、低ストラクチャ化や凝集体を構成する基本粒子への分解などが考えられる。しかし、低ストラクチャ化だけでは、凝集体としての特性が発揮され、十分な分散性改良には至らなかった。そのため、また、基本粒子への分解は、カーボンブラックの一次粒子の凝集力は非常に強大なため、凝集体を微細化しても、直ちに凝集して凝集体を形成してしまい、安定した一次粒子を得ることが出来なかった。
したがって、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フェレ径の個数平均粒径が所定の範囲である新規なカーボンブラックを含有した組成物、着色用組成物又は導電性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、一次粒子の状態で安定して存在するカーボンブラックを含有した組成物、着色用組成物又は導電性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、着色ムラや導電性ムラが少ない組成物、着色用組成物又は導電性組成物、又は組成物、着色用組成物又は導電性組成物を使用して、画像、部材、成型体などを作成した場合に、それらが均一な着色性、濃度又は導電性を示すことを可能とする組成物、着色用組成物又は導電性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、樹脂などに混合したときに、その成型物の表面仕上がり、表面光沢性が良好とすることが可能な組成物、着色用組成物又は導電性組成物を提供することにある。
上記諸目的は、下記(1)〜(9)により達成される。
(1)フェレ径の個数平均粒径が5〜300nmであり、かつ一次粒子を個数基準で5%以上であるカーボンブラックを含有することを特徴とする組成物。
(2)前記カーボンブラックの表面が有機化合物で表面処理されていることを特徴とする(1)に記載の組成物。
(3)前記有機化合物が、少なくともフェノール系化合物及びまたはアミン系化合物を含むことを特徴とする(2)に記載の組成物。
(4)フェレ径の個数平均粒径が5〜300nmであり、かつ一次粒子を個数基準で5%以上であるカーボンブラックを含有することを特徴とする着色用組成物。
(5)前記カーボンブラックの表面が有機化合物で表面処理されていることを特徴とする(4)に記載の着色用組成物。
(6)前記有機化合物が、少なくともフェノール系化合物及びまたはアミン系化合物を含むことを特徴とする(5)に記載の着色用組成物。
(7)フェレ径の個数平均粒径が5〜300nmであり、かつ一次粒子を個数基準で5%以上であるカーボンブラックを含有することを特徴とする導電性組成物。
(8)前記カーボンブラックの表面が有機化合物で表面処理されていることを特徴とする(7)に記載の導電性組成物。
(9)前記有機化合物が、少なくともフェノール系化合物及びまたはアミン系化合物を含むことを特徴とする(8)に記載の導電性組成物。
本発明者らは少なくとも上記問題点を鑑み、研究を重ねた結果、カーボンブラックの機能を安定に発揮させるためには、カーボンブラックを一次粒子化することが重要であることを見出した。しかし、従来は、カーボンブラック凝集体から一次粒子を安定に調整することが不可能であった。本発明者らは、カーボンブラックの凝集体を微細化しようとしても、カーボンブラック同士の強い凝集力により、再び凝集し、凝集体となってしまっていると推察した。すなわち、凝集体を微細化しても再凝集しないように、再凝集部位をなくし、凝集体の基本粒子同士の接合部分を分解し、最終的に安定した一次粒子を得ることができることを見出した。そのカーボンブラックを使用することで、樹脂中に分散した状態で、均一な着色性や均一な導電性を有する組成物を得ることができたものである。
凝集体からこの一次粒子を安定に調整できたことでも画期的であったが、材料中に一次粒子が少なくとも5%存在することによって、着色ムラ、導電性ムラが少なくなることは、予想しえないことであった。この理由はさだかではないが、少なくとも5%の一次粒子が存在することにより、組成物中に均一に分散が可能となり、着色ムラ、導電性ムラを減少させたと推察する。すなわち、微細な一次粒子がある程度存在していることで、樹脂へ分散した際に凝集粒子間に一次粒子が存在できるようになり、分散の均一性が向上するのではないかと推定される。また、例えば樹脂やゴム成型物の表面近傍に一次粒子が存在させることが可能となり、表面物性を向上させたと推察される。
本願でいう一次粒子について説明する。通常のカーボンブラックは凝集体の形態で存在するが、これらの凝集体は複数の基本粒子が化学的/物理的に凝集した形態である。本願でいう一次粒子は、その基本粒子を指す。しかし凝集体を構成する状態の基本粒子を指すものではなく、凝集体から分離して基本粒子の状態で安定して存在している粒子を指す。本願でいう二次粒子とは、基本粒子が凝集してできた凝集体を指す。ここで、凝集体同士が凝集した二次凝集体も本願では、二次粒子と総称する。
図2は二次粒子と基本粒子の関係を説明する図である。基本粒子が凝集してできた状態を二次粒子としている。また、図3は二次粒子を構成する基本粒子が二次粒子から分離され、安定して存在している状態を指し、この基本粒子単体で存在する粒子を一次粒子とする。
以下、詳細に説明する。
<カーボンブラック>
(1)フェレ径の個数平均粒径
本発明のカーボンブラックは、フェレ径の個数平均粒径が5〜300nmの範囲である。好ましくは、10〜100nmであり、特に好ましくは10〜80nmである。
このような範囲をとることによって、例えば樹脂成型物へ全体に分散することができ、特に表面に極度な表面粗さの不均一性をもたらすことが減少するため、表面性を向上させることが可能となる。
ここでフェレ径の個数平均粒径の測定対象は、安定に存在するカーボンブラックの一次粒子と二次粒子である。凝集体として存在するカーボンブラックの場合は、その凝集体が測定の対象となり、凝集体中の基本粒子を計測するものではない。
この個数平均粒径に制御するには、凝集体として存在するカーボンブラックの基本粒子径が上記の範囲に入るものを適宜選択して処理を行うことや、凝集体を一次粒子に分断する製造時の条件を変更することで達成すること出来る。
このフェレ径の個数平均粒径は、電子顕微鏡により観察することができる。
カーボンブラック単体からこのフェレ径の個数平均粒径を求めるときは、走査型電子顕微鏡(SEM)により、10万倍に拡大して撮影し、100個の粒子を適宜選択して算出する。
尚、樹脂などの成型物からカーボンブラックの平均粒径を求める場合は透過型電子顕微鏡(TEM)により10万倍に拡大して撮影し、100個の粒子を適宜選択して算出してもよい。
尚、本発明で用いられるフェレ径とは、上記電子顕微鏡で撮影された複数のカーボンブラック粒子において、各カーボンブラック粒子の任意の一方向における最大長さを表す。最大長さとは、上記任意の一方向に対して垂直で、粒子の外径に接する2本の平行線を引く場合の平行線間の距離をいう。
例えば、図1において、電子顕微鏡によるカーボンブラック粒子200の撮影写真300について任意の一方向201を定める。前記任意の一方向201に対して垂直で各カーボンブラック粒子200に接する2本の直線202の間の距離がフェレ径203である。
本発明のカーボンブラックは、その一次粒子のフェレ径の個数平均粒径が2〜100nmであることが好ましい。特には、3〜80nmである。このような範囲のカーボンブラックを使用することにより、樹脂成型物に分散した場合は、その強度を増させることができる。または、成型物の光沢度を向上させたり、もしくは仕上がり状態を美しくさせることが出来る。一次粒子の個数平均粒径の測定方法は、上記カーボンブラックの個数平均粒径の測定方法に準じる。但し、測定粒子数は一次粒子を100個とする。
(2)一次粒子の割合
本発明のカーボンブラックは、一次粒子をカーボンブラック中に個数基準で、5%以上含有する。上限としては、100%である。これらの割合は、適用する工業分野によって好適な割合が変わるが、一次粒子の存在割合が多いほど、適用する工業分野での製品の性能を良好にすることが可能となる。樹脂成型物であれば、樹脂中への緻密分散を向上させる結果、着色ムラや導電ムラを減少させることに貢献すると共に、成型物の機械的強度、表面光沢性などが向上する。具体的には、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上の順で好ましくなる。一次粒子の割合を測定するときは、上述の電子顕微鏡を用いて同様に行うが、測定粒子数はカーボンブラック粒子1000個中に存在する一次粒子をカウントして計算する。
(3)表面処理
本発明のカーボンブラックは、最終的に安定して存在するカーボンブラック粒子表面が、有機化合物などで表面処理されていることが好ましい。
表面処理とは、吸着及びグラフト化された状態の両方を含むが、確実に、前記有機化合物で表面処理されたときの効果をもたらすためには、有機化合物はグラフト化していることが望ましい。
有機化合物がグラフト化したカーボンブラックのグラフト化率は下記で定義される。
グラフト化率は、反応前有機化合物量をY、抽出された有機化合物をZとするとき、((Y−Z)/Y)×100(%)で表される。
グラフト化率は50%以上が好ましい。またカーボンブラック表面に均一に処理されているほど分散性が向上する。
本発明のカーボンブラックは、後述する活性遊離基を有するかまたは生成することができる有機化合物で少なくともその表面がグラフトされていることが望ましい。このような構成をとることにより、カーボンブラックの一次粒子を安定に存在させることができ、媒体への分散性が向上するばかりか、着色ムラ、導電ムラの解消、機械的強度の向上に大きく寄与することができる。
(4)カーボンブラックの製法
本発明のカーボンブラックの好適な製法について説明する。
本発明で使用できる好適な製法としては、少なくとも以下の工程を有するものである。
(A)活性遊離基を有するかまたは生成することができる有機化合物で少なくとも基本粒子の凝集体(ストラクチャ)からなる二次粒子を含むカーボンブラックの表面を処理する表面処理工程
(B)少なくとも二次粒子を含むカーボンブラックに機械的剪断力を付与して一次粒子化させ、且つ、二次粒子から分離した分離目に有機化合物をグラフト化する工程
以下詳細に(A)、(B)について説明する。
(A)活性遊離基を有するかまたは生成することができる有機化合物で少なくとも基本粒子の凝集体(ストラクチャ)からなる二次粒子を含むカーボンブラックの表面を処理する表面処理工程
本工程では、凝集体からなるカーボンブラックの表面を上記有機化合物で表面処理する工程である。
本工程では、最小凝集単位であるストラクチャの表面上に熱や機械的な力によりラジカルを発生させ、このラジカルを捕捉することが可能である有機化合物で表面処理する。この工程によって、カーボンブラック同士の強い凝集力により、再び凝集していた再凝集部位を効果的に減少させ、ストラクチャやカーボンブラックの一次粒子が凝集付着を防止することができる。
ここで表面処理とは、表面を有機化合物で吸着させる処理、有機化合物をグラフトさせる処理を含んでいる。一次粒子化した後に粒子を安定化させるために、二次粒子から分離した面以外の部分に二次粒子の表面全体に有機化合物がグラフト化されていることが好ましい。後述するグラフト工程後に安定して一次粒子を存在させるために、本工程で、カーボンブラック表面に有機化合物をグラフトさせることが好ましい。
表面処理の方法としては、例えば、カーボンブラック凝集体と活性遊離基を有するかまたは生成することができる有機化合物を混合することによって表面処理が可能である。この表面処理に於いては機械的剪断力を付与する混合工程を含むことが好ましい。すなわち、機械的剪断力を付与する工程にてカーボンブラックの二次粒子の表面が活性化され、さらに、有機化合物自体も剪断力にて活性化され、いわゆるラジカル化された状態となりやすく、結果としてカーボンブラック表面に有機化合物のグラフト化が促進されやすくなるものと推定される。
表面処理工程においては、機械的剪断力を付与できる装置が好ましい。
本発明において表面処理工程に使用される好ましい混合装置については、ポリラボシステムミキサ(サーモエレクトロン社製)、リファイナ、単軸押出機、二軸押出機、遊星軸押出機、錐形軸押出機、連続混練機、密封ミキサー、Z形ニーダーなどを使用することができる。
表面処理工程時に上記装置を使用する場合には、混合機中の混合ゾーンの混合物充満度が80%以上となるように設定することが好ましい。充満度は下記の式により求められる。
Z=Q/A
Z:充満度(%) Q:充填物体積(m) A:混合部空隙量(m
すなわち、混合時に高い充満状態とすることで機械的な剪断力が粒子全体に均一に付与することができる。この充満度が低い場合には剪断力の伝達が不十分となり、カーボンブラックや有機化合物の活性を高くすることができず、グラフト化が進行しにくくなる可能性がある。
混合時は混合ゾーンの温度を、上記有機化合物の融点以上、好ましくは融点+200℃以内、さらには、融点+150℃以内とすることが好ましい。尚、複数種類の有機化合物が混合される場合は最も融点の高い有機化合物の融点に対して温度設定がされることが好ましい。
混合時には、超音波、マイクロ波、紫外線、赤外線などの電磁波の照射、オゾン作用、酸化剤の作用、化学的作用及び/又は機械的剪断力作用などを併用することにより表面処理の程度、工程の時間を変更することが可能である。混合時間は、所望の表面処理の程度にもよるが、15秒から120分程度である。好ましくは1〜100分である。
表面処理に使用する有機化合物は、カーボンブラック100重量部に対して、5〜300重量部の範囲内で添加して表面処理工程を行うことが好ましい。さらに好ましくは、10〜200重量部である。このような範囲で前記有機化合物を添加することにより、カーボンブラック表面に均一に有機化合物を付着させることができ、さらに、二次粒子を形成した時点で生成する分離面に付着できるに充分な量とすることができる。このため、分解された一次粒子が再度凝集することを効果的に防止でき、また、この添加量以上に添加した場合に発生する、出来上がりのカーボンブラックにて過剰に存在する有機化合物によるカーボンブラック固有の特性を喪失させる可能性が低くなる。
(B)少なくとも二次粒子を含むカーボンブラックに機械的剪断力を付与して一次粒子化させ、且つ、二次粒子から分離した分離面に有機化合物をグラフト化する工程
本工程は、上記表面処理工程で再凝集部位が少なくなったカーボンブラックを開裂させ、二次粒子から一次粒子化させると同時に表面に有機化合物にてグラフト化し、安定な一次粒子化する工程である。すなわち、例えば、機械的剪断力を前記有機化合物で表面処理したカーボンブラックに付与し、基本粒子の凝集部に亀裂を生じさせつつその部分に有機化合物をグラフト化させ、カーボンブラックの再凝集を抑制していく。当該カーボンブラックに継続して機械的剪断力を付与することにより亀裂部分を拡大させ、一次粒子化させつつ有機化合物を開裂で生じた分離面にグラフト化させ、最終的に一次粒子として分離した時点では、凝集可能な活性部が存在しない状態とさせることで安定な次粒子として存在させる工程である。この場合、添加されている有機化合物にも同様の機械的剪断力が付与されているため、有機化合物自体も機械的剪断力にて活性化されており、グラフト化が促進される。
上記グラフト工程は、少なくとも亀裂部分に活性遊離基を有するかまたは生成することができる有機化合物をグラフト化させる工程であるが、亀裂部分以外に同時にグラフト化が起こっていてもよい。また、上記の表面処理工程進行中に同時にまたは別工程として実行されても良い。
上記の亀裂をおこすための手段としては、超音波、マイクロ波、紫外線、赤外線などの電磁波の照射、オゾン作用、酸化剤の作用、化学的作用、機械的剪断力作用などさまざまな形態がとりうる。
本発明では、少なくとも機械的剪断力を付与することによって、亀裂を起こさせることが好ましい。有機化合物で表面処理されたカーボンブラック(ストラクチャ)を、機械的剪断力が作用する場におき、表面処理されたカーボンブラックをストラクチャから一次粒子に調整することが望ましい。この機械的剪断力を付与する際には、他の上記に記載された亀裂を起こすための手段を合わせて使用してもよい。
ここでの機械的剪断力とは前述の表面処理工程での機械的剪断力と同様な剪断力を加えることが好ましい。
前述のように、機械的剪断力の作用はカーボンブラックを凝集体から一次粒子に微粒子化させるばかりではなく、カーボンブラック内部の鎖を断裂させて活性遊離基を生成させる事も行うことができる。本発明で使用される遊離基を備えているかまたは生成することができる有機化合物は、例えば機械的剪断力場の作用を受けて断裂して活性遊離基を有するかまたは生成することができる有機化合物を含む。機械的剪断力の作用下だけで十分に活性遊離基が形成できない場合には、超音波、マイクロ波、紫外線、赤外線などの電磁波の照射下、オゾンの作用下、または酸化剤の作用下において、活性遊離基数を補完することができる。
機械的剪断力を与える装置としては、ポリラボシステムミキサ(サーモエレクトロン社製)、リファイナ、単軸押出機、二軸押出機、遊星軸押出機、錐形軸押出機、連続混練機、密封ミキサー、Z形ニーダーなどを使用することができる。なお、この機械的剪断力を付与する条件としては前述の表面処理と同様の条件とすることが機械的剪断力を効果的に付与する観点で好ましい。また、これら装置を使用することにより、効果的、且つ、連続的に機械的エネルギーを粒子全体に均一に付与することができるため、グラフト化を効率的、且つ、均一に行うことができる点で好ましい。
上記の表面処理工程とグラフト工程においては、添加する有機化合物は、有機化合物が所定の量となるように、徐々に連続的又は断続的に添加してもよいし、上記表面工程開始時に予め所定量を添加しておき、グラフト工程まで実行してもよい。
表面処理の材料として表面処理工程に使用される有機化合物とグラフト反応させる材料としてグラフト工程に使用される有機化合物は、同じであっても異なっていても良い。
上述のグラフト工程は、使用される有機化合物の融点以上の条件において実施されることが望ましい。温度条件の上限としては特に有機化合物の融点+200℃以内、さらには、融点+150℃以内であることが、グラフト反応、一次粒子の分裂を促進する観点で好ましい。尚、複数種類の有機化合物が混合される場合は最も融点の高い有機化合物の融点に対して温度設定がされることが好ましい。
上述の機械的剪断力作用させる時間は、試料の量やスケールにもよるが、工程を十分に実行するために、1分以上100分以内であることが反応の均一性を向上する観点で好ましい。
上述の製造方法では、カーボンブラックと後述する有機化合物を、溶媒を使用せずに混合させて機械的剪断力を付与することが好ましい。反応として有機化合物の溶融温度以上にて剪断力を付与するため、有機化合物が液状となるため、固体であるカーボンブラック表面に均一になじみ、反応を効果的に進行させることができる。溶媒を使用した場合には、均一性は向上するものの、機械的剪断力を付与する際のエネルギーの伝達が低下するため、活性化のレベルが低下してしまい、グラフト化を効果的に進行させることができにくくなると推定される。
なお、一次粒子の量を調整する方法としては特に限定されるものではないが、前述の機械的剪断力を付与する条件を変化させることで調整することができる。より具体的には剪断力を付与するための混合機中の混合ゾーンの混合物充満度が80%以上となるように調整し、その充満度を変化させることで機械的剪断力を変更でき、一次粒子の存在割合を調整することができる。さらには混合時の攪拌トルクを変化さることでも調整することができ、このトルクを調整する方法として、前述の充満度に加え、攪拌回転数や攪拌温度によっても制御することができる。より具体的には混合時の温度を低くすると溶融状態の有機化合物の粘度が高くなる方向となるため、トルクは高くなり、結果として付与される剪断力は増加する。すなわち、一次粒子の存在量が増加していく。
2)出発原料としてのカーボンブラック
使用可能なカーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等、いずれの市販のものが使用できるが、凝集体構造を有しているカーボンブラックを使用する。この凝集体構造とは、基本粒子である一次粒子が凝集して形成されて、ストラクチャ構造を有するもので、いわゆる一次粒子の凝集体からなる、二次粒子化されたカーボンブラックを意味する。また、カーボンブラックへの有機化合物の表面処理やグラフト反応を円滑にするために、カーボンブラックの表面に十分なカルボキシル基、キノン基、フェノール基やラクトン基などの酸素含有官能基及び層面周縁の活発な水素原子が多く存在していることが望ましい。そのため、本発明で使用されるカーボンブラックについて、酸素含有量が0.1%以上であり、水素含有量は0.2%以上であることが好ましい。特には、酸素含有量が、10%以下、水素含有量は、1%以下である。ここで酸素含有量、水素含有量はそれぞれ、酸素元素数又は水素元素数を全元素数(炭素、酸素、水素の元素の和)で割った値で求められる。
このような範囲を選択することにより、カーボンブラックへの有機化合物の表面処理やグラフト反応を円滑にすることができる。
また、上述の範囲を選択することによって、遊離基を備えているかまたは生成することができる有機化合物を確実にグラフトさせることができ、再凝集防止効果が高くなる。カーボンブラック表面の酸素含有量及び水素含有量が前記範囲を下回る場合には、加熱空気酸化やオゾン酸化などの気相酸化、または硝酸、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、臭素水などによる液相酸化処理によりカーボンブラックの酸素含有量及び水素含有量を増加させてもよい。
3)有機化合物
表面処理工程でカーボンブラックを表面処理するために、もしくはグラフト工程でカーボンブラックにグラフト化するために使用する有機化合物は、遊離基を備えているかまたは生成することができる有機化合物である。
遊離基を生成することができる有機化合物において、遊離基を生成する条件は特に制限がないが、本発明で使用される有機化合物の場合は、グラフト工程中には、遊離基を有している状態となることが必要である。当該有機化合物は、少なくとも電子移動により遊離基を生成可能な化合物、熱分解により遊離基を生成可能な化合物、せん断力等により化合物の構造が断裂された結果、遊離基を生成可能な化合物が好ましい。
本発明で使用される遊離基を備えているかまたは生成することができる有機化合物については、その分子量が50以上であることが好ましく、上限としては1500以下であることが好ましい。このような分子量の範囲の有機化合物を採用することによって、ある程度大きい分子量の有機化合物で表面を置換したカーボンブラックとすることができ、形成された一次粒子の再凝集を抑制することができる。また、分子量として1500以下のものとすることにより、過度な表面改質とならず、表面にグラフト化された有機化合物の特性が過度に発揮されることなく、カーボンブラック自体の保有する特性を十分に発揮させることができる。
上記表面処理工程とグラフト工程で使用される前記有機化合物は同一でも、異なっていても良いし、それぞれの工程に複数種の有機化合物を添加しても良い。反応温度の制御やその他の条件を簡素化するために、表面処理工程とグラフト工程で使用する有機化合物は同一であるほうが望ましい。
前記有機化合物の例としては、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン酸エステル系化合物、チオエーテル系化合物のカーボンブラック表面の遊離基を捕捉することができる有機化合物をあげることができる。
これらの有機化合物としては、いわゆる酸化防止剤、光安定剤が好ましい。さらに好ましくは、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン系をあげることができる。また、リン酸エステル系化合物、チオール系化合物、チオエーテル系化合物の酸化防止剤も使用することができる。これらの有機化合物は複数組み合わせて使用してもよい。その組み合わせにより、表面処理の特性を種々発揮させることもできる。
また、これらの有機化合物は、反応を確実に制御するために、イソシアネート基を持たないことが好ましい。すなわち、過度な反応性を有する有機化合物を使用した場合には均一なグラフト化反応が形成されにくくなってしまい、反応時間や有機化合物量を多量に使用しなくてはならなくなる場合がある。この理由として明確ではないが、前述の様な反応性の高い有機化合物を使用した場合には、表面活性点以外にも反応が進行してしまい、本来の目的である機械的剪断力により形成された活性点への反応が不十分となってしまうためと推定される。
前記有機化合物の具体例を以下に示す。
フェノール系化合物
(有機化合物1〜88)
(有機化合物1)
Figure 0005104304

(有機化合物2)
Figure 0005104304

(有機化合物3)
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(有機化合物4)
Figure 0005104304

(有機化合物5)
Figure 0005104304

(有機化合物6)
Figure 0005104304

(有機化合物7)
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(有機化合物8)
Figure 0005104304

(有機化合物9)
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(有機化合物10)
Figure 0005104304

(有機化合物11)
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(有機化合物12)
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(有機化合物13)
Figure 0005104304

(有機化合物14)
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(有機化合物15)
Figure 0005104304

(有機化合物16)
Figure 0005104304

(有機化合物17)
Figure 0005104304

(有機化合物18)
Figure 0005104304

(有機化合物19)
Figure 0005104304

(有機化合物20)
Figure 0005104304

(有機化合物21)
Figure 0005104304

(有機化合物22)
Figure 0005104304

(有機化合物23)
Figure 0005104304

(有機化合物24)
Figure 0005104304

(有機化合物25)
Figure 0005104304

(有機化合物26)
Figure 0005104304

(有機化合物27)
Figure 0005104304

(有機化合物28)
Figure 0005104304

(有機化合物29)
Figure 0005104304

(有機化合物30)
Figure 0005104304

(有機化合物31)
Figure 0005104304

(有機化合物32)
Figure 0005104304

(有機化合物33)
Figure 0005104304

(有機化合物34)
Figure 0005104304

(有機化合物35)
Figure 0005104304

(有機化合物36)
Figure 0005104304

(有機化合物37)
Figure 0005104304

(有機化合物38)
Figure 0005104304

(有機化合物39)
Figure 0005104304

(有機化合物40)
Figure 0005104304

(有機化合物41)
Figure 0005104304

(有機化合物42)
Figure 0005104304

(有機化合物43)
Figure 0005104304

(有機化合物44)
Figure 0005104304

(有機化合物45)
Figure 0005104304

(有機化合物46)
Figure 0005104304

(有機化合物47)
Figure 0005104304

(有機化合物48)
Figure 0005104304

(有機化合物49)
Figure 0005104304

(有機化合物50)
Figure 0005104304

(有機化合物51)
Figure 0005104304

(有機化合物52)
Figure 0005104304

(有機化合物53)
Figure 0005104304

(有機化合物54)
Figure 0005104304

(有機化合物55)
Figure 0005104304

(有機化合物56)
Figure 0005104304

(有機化合物57)
Figure 0005104304

(有機化合物58)
Figure 0005104304

(有機化合物59)
Figure 0005104304

(有機化合物60)
Figure 0005104304

(有機化合物61)
Figure 0005104304

(有機化合物62)
Figure 0005104304

(有機化合物63)
Figure 0005104304

(有機化合物64)
Figure 0005104304

(有機化合物65)
Figure 0005104304

(有機化合物66)
Figure 0005104304

(有機化合物67)
Figure 0005104304

(有機化合物68)
Figure 0005104304

(有機化合物69)
Figure 0005104304

(有機化合物70)
Figure 0005104304

(有機化合物71)
Figure 0005104304

(有機化合物72)
Figure 0005104304

(有機化合物73)
Figure 0005104304

(有機化合物74)
Figure 0005104304

(有機化合物75)
Figure 0005104304

(有機化合物76)
Figure 0005104304

(有機化合物77)
Figure 0005104304

(有機化合物78)
Figure 0005104304

(有機化合物79)
Figure 0005104304

(有機化合物80)
Figure 0005104304

(有機化合物81)
Figure 0005104304

(有機化合物82)
Figure 0005104304

(有機化合物83)
Figure 0005104304

(有機化合物84)
Figure 0005104304

(有機化合物85)
Figure 0005104304

(有機化合物86)
Figure 0005104304

(有機化合物87)
Figure 0005104304

(有機化合物88)
Figure 0005104304

アミン系化合物
(有機化合物89〜144)
(有機化合物89)
Figure 0005104304

(有機化合物90)
Figure 0005104304

(有機化合物91)
Figure 0005104304

(有機化合物92)
Figure 0005104304

(有機化合物93)
Figure 0005104304

(有機化合物94)
Figure 0005104304

(有機化合物95)
Figure 0005104304

(有機化合物96)
Figure 0005104304

(有機化合物97)
Figure 0005104304

(有機化合物98)
Figure 0005104304

(有機化合物99)
Figure 0005104304

(有機化合物100)
Figure 0005104304

(有機化合物101)
Figure 0005104304

(有機化合物102)
Figure 0005104304

(有機化合物103)
Figure 0005104304

(有機化合物104)
Figure 0005104304

(有機化合物105)
Figure 0005104304

(有機化合物106)
Figure 0005104304

(有機化合物107)
Figure 0005104304

(有機化合物108)
Figure 0005104304

(有機化合物109)
Figure 0005104304

(有機化合物110)
Figure 0005104304

(有機化合物111)
Figure 0005104304

(有機化合物112)
Figure 0005104304

(有機化合物113)
Figure 0005104304

(有機化合物114)
Figure 0005104304

(有機化合物115)
Figure 0005104304

(有機化合物116)
Figure 0005104304

(有機化合物117)
Figure 0005104304

(有機化合物118)
Figure 0005104304

(有機化合物119)
Figure 0005104304

(有機化合物120)
Figure 0005104304

(有機化合物121)
Figure 0005104304

(有機化合物122)
Figure 0005104304

(有機化合物123)
Figure 0005104304

(有機化合物124)
Figure 0005104304

(有機化合物125)
Figure 0005104304

(有機化合物126)
Figure 0005104304

(有機化合物127)
Figure 0005104304

(有機化合物128)

Figure 0005104304

(有機化合物129)
Figure 0005104304

(有機化合物130)
Figure 0005104304

(有機化合物131)
Figure 0005104304

(有機化合物132)
Figure 0005104304

(有機化合物133)
Figure 0005104304

(有機化合物134)
Figure 0005104304

(有機化合物135)
Figure 0005104304

(有機化合物136)
Figure 0005104304

(有機化合物137)
Figure 0005104304

(有機化合物138)
Figure 0005104304

(有機化合物139)
Figure 0005104304

(有機化合物140)
Figure 0005104304

(有機化合物141)
Figure 0005104304

(有機化合物142)
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(有機化合物143)
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(有機化合物144)
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チオール系及びチオエーテル系化合物
(有機化合物145〜153)
(有機化合物145)
Figure 0005104304

(有機化合物146)
Figure 0005104304

(有機化合物147)
Figure 0005104304

(有機化合物148)
Figure 0005104304

(有機化合物149)
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(有機化合物150)
Figure 0005104304

(有機化合物151)
Figure 0005104304

(有機化合物152)
Figure 0005104304

(有機化合物153)
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リン酸エステル系化合物
(有機化合物154〜160)
(有機化合物154)
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(有機化合物155)
Figure 0005104304

(有機化合物156)
Figure 0005104304

(有機化合物157)
Figure 0005104304

(有機化合物158)
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(有機化合物159)
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(有機化合物160)
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フェノール系有機化合物
(有機化合物161)
Figure 0005104304
<組成物、着色用組成物、導電性組成物>
組成物、着色用組成物、導電性組成物について説明する。以下、特段の説明がない限り、カーボンブラック組成物とは、上記組成物、着色用組成物、導電性組成物を指すものとする。
カーボンブラック組成物は、本発明のカーボンブラックと媒体とを含む組成物であり、媒体としては特定の材料に限られるものではなく、一般に入手可能な媒体を利用可能である。カーボンブラック組成物の具体的な形態は、その媒体が例えば、液相状、固相状、ガラス相状など適用される工業分野によってさまざまな相状態をとることができる。媒体が固相状或いはガラス相状である場合、カーボンブラック組成物の形状は、粉状、顆粒状、フィルム状、板状、繊維状、線状、管状、棒状、等の所望の形状とすることができる。最終的な形態形状への加工は、適用される工業分野で通常利用されている方法を採用することができる。
カーボンブラック組成物は、カーボンブラック組成物自体を所望の形状に成形し、適用する工業分野の物品の部材又は部品としてそのまま適用することができる。さまざまな形状の物体への成形は、公知の方法を採用できる。また、固体状カーボンブラック組成物を静電的に支持体上に付着後、定着させてカーボンブラック組成物層を形成しても良いし、支持体上に薄膜に成形したカーボンブラック組成物でラミネートしてもよい。
また、液状のカーボンブラック組成物については、例えば、樹脂、金属、紙などの支持体上に液状カーボンブラック組成物層を形成する場合には、塗布装置を用いて支持体上に液状カーボンブラック組成物層を形成する方法、液状カーボンブラック中に支持体を浸漬して塗布層を形成する方法などを、液状カーボンブラック組成物を定着させる場合には、液状カーボンブラック組成物を支持体に射出して定着させる方法などを利用可能である。
上記カーボンブラック組成物自体を成形して使用する場合に、最終的なカーボンブラック組成物の成型物は均一な着色性や導電性を示す。また、着色用組成物の場合、その着色用組成物を適用して最終的に得られる画像、塗布物などの着色物は均一な着色性を示すことができる。導電性組成物の場合、最終的に得られる物体は、均一な導電性を奏することが可能となる。
カーボンブラックを分散する媒体としては、水、水系媒体、有機溶媒、公知の天然樹脂、合成樹脂を選択可能である。
水系媒体としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し得る有機溶媒を含む水溶液が挙げられる。
また、水又は水系媒体には、界面活性剤を含ませても良い。
公知の天然樹脂、合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、エラストマー系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等の熱可塑性樹脂に用いることができる。
具体的には、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、オレフィンの単独もしくは共重合体の他、他のモノマーとの共重合体などを含み、例えば高、中、低圧法により製造された高、中、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ−1,2−プタジエン樹脂、エチレン−ブテン共重合体、エチル−、プロピル−、ブチル−の各アクリレートもしくはメタクリレートとの共重合体、またこれらをそれぞれ塩素化したもの、あるいはこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の中でも、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂が好ましい。
また、エラストマー系熱可塑性樹脂としては、エチレンプロピレン系エラストマー、EPDM系エラストマー等のオレフィン系エラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン等のスチレン系エラストマー、ポリアミド系、ウレタン系熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、ポリスチレン系熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ABS、AS、AAS樹脂等が挙げられる。その他汎用樹脂としては、PVC、EEA、EVA、AES、エチレンビニルアルコール樹脂等が挙げられる。
また、エンジニアリングプラスチックとしては、6−、6,6−、6,10−、12−、MXD−ナイロン樹脂等のポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。また、スーパーエンジニアリングプラスチックスとしては、ポリサルフォン樹脂、変性ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
その他、ポリオキシアルキレン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリル樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、繊維素系樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。上記樹脂は、これらを単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、カーボンブラック組成物を構成する樹脂は、官能基を有することが好ましい。官能基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホウ酸基、アミノ基等が挙げられる。官能基は、表面処理したカーボンブラックを使用する場合に、カーボンブラックの表面処理剤との親和性を向上させることが可能となり、カーボンブラックの分散性を向上させることの他、分散工程をより容易に行うことができる。
カーボンブラック組成物における樹脂の含有量は、表面処理カーボンブラック100重量部に対して1〜200重量部であることが好ましく、5〜50重量部であることがより好ましい。
また、カーボンブラック組成物には、表面処理カーボンブラックに対する樹脂の吸着の促進、および組成物の低粘度化を目的として、有機溶剤を含有させてもよい。有機溶剤としては、芳香族炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、グリコールエーテル類、脂環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類等を用いることができる。
カーボンブラック組成物は、上記カーボンブラックと上記媒体とを混合撹拌することにより製造することができる。混合撹拌の方法には特に制限はなく、乾式分散法または湿式分散法により行うことができる。乾式分散法による製造に用いる粉砕機または分散機としては、せん断応力によりカーボンブラック粒子を微分散させる3本ロールミルや2本ロールミル、高速気流中でカーボンブラック粒子同士またはカーボンブラック粒子と樹脂や分散機壁面の衝突力により分散させるハイブリダイゼーションシステム、強力な圧縮力の中で強いせん断力により微分散させるメカノヒュージョンシステムやシータコンポーザー、ガラスビーズやジルコニアビーズなどのメディアの衝撃力によりカーボンブラック粒子を微分散させるボールミルやアトライター、CFミルなどを挙げることができる。
また、特に熱可塑性樹脂を用いる場合には、本発明のカーボンブラックと熱可塑性樹脂とを樹脂の溶融温度以上で混練し、冷却後、ペレット状、粉末状、塊状等、適当な形状に成形する方法が挙げられる。混練装置としては、単軸押出機、二軸押出機、二本ロールミル、バンバリーミキサー、インターミックス、加圧ニーダー等の公知の装置が挙げられる。また、インジェクション成形、真空成形、ブロー成形、インフレーション成形等公知の成形法により成形することにより、シート状、フィルム状、板状、異形状等用途に応じた形状の導電性熱可塑性樹脂成形体、フィルムまたはシートが得られ、各種用途に用いられる。
カーボンブラック組成物の形態の加工方法は特に制限がなく、公知の方法を使用可能である。
また、湿式分散法による製造に用いる粉砕機または分散機としては、前記3本ロールミルや2本ロールミル、ボールミル、アトライターの他ガラスビーズやジルコニアビーズなどのメディアの衝撃力によりカーボンブラック粒子を微分散させるサンドミル、バスケットミル、ペイントコンディショナーなどや、せん断応力、キャビテーション、衝突力、ポテンシャルコアなどを発生させるような回転羽根によって微分散させるディスパー、ホモジナイザー、ジーナス、クレアミックス(R)や、カーボンブラック粒子同士またはカーボンブラック粒子と樹脂や分散機壁面の衝突力やせん断力によって微分散させるニーダー、エクストルーダー、ジェットミルなどや、超音波により微分散させる超音波分散機などを挙げることができる。
カーボンブラック組成物には、耐熱性、寸法安定性、剛性、靱性、耐衝撃性、機械的強度を向上させるために、マイカ、ガラス繊維、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ステンレス、酸化銅、ニッケル、酸化ニッケル、珪酸ジルコニア等の無機充填剤を配合することもできる。
また、熱可塑性樹脂と本発明のカーボンブラックの混練時や経時の劣化や成形性を改良する目的で、公知のフェノール系、リン系等の酸化防止剤、金属石鹸、脂肪酸アマイド誘導体等の滑剤、等の成形、加工助剤や用途に応じて公知の難燃剤や可塑剤等を用いることもできる。
カーボンブラック組成物の利用分野としては、着色による遮光性、漆黒性等が要求される分野や導電性の制御を要求される分野、例えば、グラビアインキ、オフセットインキ、磁気記録媒体用バックコート、電子写真用材料、自動車用塗料、繊維・プラスチック形成材料、電磁波シールド材、高圧ケーブルの被覆材、イグニッションコード、面状発熱体、面状スイッチ、電極等の導電性材料の他、電子機器やIC等の包装材料や試験用の保持材への応用など多くの分野に利用することができるが、特には画像形成用着色材料や画像形成装置を構成する部材への適用が好ましい。
以下においては実施例に基づき本発明について更に記述する。本実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
カーボンブラック(N220、三菱化学株式会社製:フェレ径の個数平均粒径=210nm)と同カーボンブラックに対して100重量部に対して有機化合物48(分子量=741、融点=125℃)50重量部を添加し、二軸押し出し機に投入した。この二軸押し出し機は、2本のスクリューにて混合するもので、PCM−30(池貝製作所製)を使用した。連続式に混練できる構成とはせず、出口を密閉し2本のスクリューにて攪拌することができるように改造したものである。両者を充満度が94%となるように装置内に投入後、第一温度(Tp1)160℃(融点+35℃)に加熱した状態で、攪拌を行った。
攪拌条件において、第一攪拌速度(Sv1)は、スクリュー回転を毎分30回転として、第一処理時間(T1)として10分間設定し、攪拌処理を実施した。攪拌処理後、サンプリングをし、ソックスレー抽出にてグラフト化の状態を確認すると、約30%のグラフト化率であることがわかった。すなわち、カーボンブラック表面にグラフト化が進行している状態となっていることが確認された。
ついで、混合装置の攪拌条件として第二攪拌速度(Sv2)をスクリューの回転数で毎分50回転とし、第二温度(Tp2)を180℃(融点+55℃)とし、より機械的剪断力が高い条件へ変更し、第二処理時間(T2)を60分間とし処理を行った。その後、冷却し、処理されたカーボンブラックを取り出した。そのカーブンブラックの表面には前記有機化合物が91%のグラフト化率でグラフト化されていた。また、一次粒子が65個数%存在していた。また、カーボンブラックのフェレ径の個数平均粒径は42nmであった。このカーボンブラックを「カーボンブラック1」とする。
カーボンブラック組成物の製造方法
20部のカーボンブラック1および100部のポリエチレン樹脂(高密度ポリエチレン樹脂(HDPE):日本ポリオレフィン製、ジェイレクス HD KM568A(MFR:19g/10min,JIS−K6924−2))を、溶融混練し、ストランド化し、冷却後ペレッタイザーを用いて円柱状のカーボンブラック含有ポリエチレン樹脂(No.1)を得た。
[実施例2〜4]
実施例1において、条件を、表1及び表2に示す通りとした以外は同様にしてカーボンブラック2,3,4を得た。また、これらのカーボンブラックをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.2〜4)を得た。
[実施例5]
カーボンブラック(N220、三菱化学株式会社製)100重量部と、同カーボンブラックに対して有機化合物47(分子量=784、融点=221℃)80重量部を充満度が94%となるように、実施例1で使用したバッチ式二軸押し出し機に投入した。ついで、240℃(融点+19℃)(Tp1)に加熱した状態で、攪拌を行った。攪拌は、攪拌速度(Sv1)をスクリュー回転で毎分35回転とし、15分間(T1)攪拌処理を実施した。攪拌処理後、サンプリングをし、ソックスレー抽出にてグラフト化の状態を確認すると、約32%のグラフト化率であることがわかった。すなわち、表面にグラフト化が進行している状態となっていることが確認された。ついで、攪拌条件として、攪拌速度(Sv2)をスクリューの回転数で毎分55回転とし、加熱温度(第二温度Tp2)を270℃(融点+49℃)とし、より機械的剪断力が高い条件へ変更し、処理時間(T2)として70分間、処理を行った。その後、冷却し、処理されたカーボンブラックを取り出した。表面には前記有機化合物が72%のグラフト化率でグラフト化されていた。また、一次粒子が53個数%存在していた。また、フェレ径の個数平均粒径は48nmであった。このカーボンブラックを「カーボンブラック5」とする。このカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.5)を得た。
[実施例6および参考例1〜3
実施例1において、条件を、表1及び表2に示す通りとした以外は同様にしてカーボンブラック6〜9を得た。また、これらのカーボンブラックをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.6〜9)を得た。
[実施例
実施例1において、カーボンブラック(N220、三菱化学株式会社製)の代わりにRaven1035(コロンビア化学工業社製)とし、その他の条件を、表1及び表2に示す通りとした以外は同様にしてカーボンブラック10を得た。このカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.10)を得た。
[実施例
実施例5において、カーボンブラック(N220、三菱化学株式会社製)の代わりにRaven1035(コロンビア化学工業社製)とし、その他の条件を、表1及び表2に示す通りとした以外は同様にしてカーボンブラック11を得た。このカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.11)を得た。
[実施例10
実施例1において、条件を表1及び表2に示す通りとした以外は同様にしてカーボンブラック12〜13を得た。また、これらのカーボンブラックをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.12〜13)を得た。
[比較例1]
表面処理及びグラフト工程を受けていないカーボンブラック(N220、三菱化学株式会社製)をカーボンブラック14とする。このカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.14)を得た。
[比較例2]
実施例1において、第一処理時間(T1)1分経過後、試料を取り出した。このものをカーボンブラック15とする。このカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.15)を得た。
[比較例3]
実施例1において、有機化合物を、遊離基が発生しないステアリン酸(分子量=284、融点=70℃)(比較化合物1)に変更した以外は、同様に処理した。このものをカーボンブラック16とする。このカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.16)を得た。
[比較例4]
比較例3のカーボンブラック16において、出発材料のカーボンブラックをフェレ径の個数平均粒径が500μmのカーボンブラックに、変更した以外は、同様に処理した。この処理したカーボンブラック200部を、100部のカーボンブラック1に、に混合して、フェレ径の個数平均径が320μm、一次粒子の個数割合15%のカーボンブラックを作成した。このものをカーボンブラック17とする。このカーボンブラックを用いた以外は、実施例1と同様にカーボンブラック組成物(No.17)を得た。
各カーボンブラック1〜17におけるカーボンブラックのフェレ径の個数平均粒径、一次粒子の個数割合を表3に示した。
Figure 0005104304
Figure 0005104304
[評価]
評価1)体積抵抗値のムラ
上記で得られたカーボンブラック組成物1〜17をそれぞれ、200℃にてプレス成形することにより、10cm×10cm×0.2cmの評価用サンプルを作製した。
評価用サンプル10点の体積固有抵抗値を日本ゴム協会SRIS−2301に準じて測定し、導電性のばらつきについて評価した。
評価基準は以下の通りである。
A:10サンプルの体積固有抵抗値のばらつきが±1%未満
B:10サンプルの体積固有抵抗値のばらつきが±1%以上5%未満
C:10サンプルの体積固有抵抗値のばらつきが±5%を越えるもの
評価2)着色ムラ評価
上記で得られたカーボンブラック組成物1〜17をそれぞれ、200℃にてプレス成形することにより、30cm×30cm×0.1cmの評価用サンプルを10点ずつ作製した。
これらをサクラ濃度計PDA−62(コニカミノルタ株式会社製)にて、透過濃度を測定し、各組成物のサンプル同士の差を測定した。評価結果はその差の最大値を採用した。透過濃度の差が0.10以上となると、濃度ムラが目立つため、実用的ではなくなる。
評価3)光沢度ムラ評価
上記で得られたカーボンブラック組成物1〜17をそれぞれ、200℃にてプレス成形することにより、10cm×10cm×0.2cmの評価用サンプルを作製した。
これらのサンプルを用いて光沢度のばらつきを光沢計(日本電色工業株式会社製)を用いて評価をおこなった。尚、表面光沢度を測定角20°で測定した。
評価基準は以下の通りである。
A:10サンプルの光沢度のばらつきが±3%以内
B:10サンプルの光沢度のばらつきが±3を越え6%以内
C:10サンプルの光沢度のばらつきが±6%を越えるもの
これら評価1)、2)の結果を表3に示す。
これらの結果を表3に示す。
Figure 0005104304
表3から理解される通り、実施例1〜10および参考例1〜3では、比較例1〜4に比べて、導電性ムラ、着色性ムラ、光沢ムラ共に改善していた。
[実験2]
[実施例11
実施例1で作製されたカーボンブラック1、20質量部、分散剤(Solsperse17000(Avecia製)) 5部、媒体(IsoparL(エクソン社製))75部を超音波分散し、カーボンブラック組成物18を作製した。このカーボンブラック組成物18をスプレー塗布し、紙を着色した。
[比較例5〜8]
実施例11において、カーボンブラック14〜17をそれぞれ使用した以外は、同様にカーボンブラック組成物19〜22を作製し、また同様に紙を着色した。
これらの着色紙について、濃度ムラを目視判定した。
A:濃度ムラは全く見られない
B:僅かに濃度ムラが見られる。
C:明らかに濃度ムラが見られ、大部分の人が確認できる。
D:顕著な濃度ムラが見られる。
Figure 0005104304
上記の結果のように、液状のカーボンブラック組成物を用いた場合でも、実施例11では良好な着色性が得られたが、比較例5〜8は良好な効果を得ることはできなかった。

[発明の効果]
本発明では、比較的良好な分散性及び相容性を備えているばかりではなく着色性や導電性が均一な組成物又はその組成物を利用した最終形態における着色性や導電性を均一とすることができる組成物を提供することができる。この組成物はさまざまな工業分野への適用が可能である。
フェレ径の説明図 二次粒子と基本粒子の説明図 一次粒子の説明図 従来のカーボンブラックの説明図

Claims (6)

  1. フェレ径の個数平均粒径が5〜300nmであり、かつ一次粒子が個数基準で5%以上であるカーボンブラックを含有する組成物であって、
    前記カーボンブラックの表面が有機化合物で表面処理されており、該有機化合物が分子量50以上1500以下のフェノール系化合物であり、該フェノール系化合物が下記化学構造式を有する化合物から選ばれるものであることを特徴とする組成物。
    Figure 0005104304
  2. 前記カーボンブラックの表面が有機化合物で、無溶媒下、機械的剪断力を付与することによりグラフトされていることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. フェレ径の個数平均粒径が5〜300nmであり、かつ一次粒子が個数基準で5%以上であるカーボンブラックを含有する着色用組成物であって、
    前記カーボンブラックの表面が有機化合物で表面処理されており、該有機化合物が分子量50以上1500以下のフェノール系化合物であり、該フェノール系化合物が下記化学構造式を有する化合物から選ばれるものであることを特徴とする着色用組成物。
    Figure 0005104304
  4. 前記カーボンブラックの表面が有機化合物で、無溶媒下、機械的剪断力を付与することによりグラフトされていることを特徴とする請求項3に記載の着色用組成物。
  5. フェレ径の個数平均粒径が5〜300nmであり、かつ一次粒子が個数基準で5%以上であるカーボンブラックを含有する導電性組成物であって、
    前記カーボンブラックの表面が有機化合物で表面処理されており、該有機化合物が分子量50以上1500以下のフェノール系化合物であり、該フェノール系化合物が下記化学構造式を有する化合物から選ばれるものであることを特徴とする導電性組成物。
    Figure 0005104304
  6. 前記カーボンブラックの表面が有機化合物で、無溶媒下、機械的剪断力を付与することによりグラフトされていることを特徴とする請求項5に記載の導電性組成物。
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