JP5103421B2 - 波長掃引光源 - Google Patents

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本発明は、リトマン方式の外部共振器型で、且つ、出力光の線幅をノイズ信号により拡げるように構成された波長掃引光源において、波長掃引時に生じうるモードホップを抑制するための技術に関する。
光の基本特性の1つである光波長は、様々な物理的特性の測定に用いることができる。これまでにも光通信、分光分析、表面形状測定や光センシングなど様々な分野で、それを利用したシステムや測定器が開発されてきた。特に、単色性が高く、コヒーレントな高品質の光は、高度なシステム、高精度な測定を可能とするためその利用価値は極めて高い。
そのため、高品質な光を出力できる波長掃引光源が例えば特許文献1に提案されている。図37に光源1の基本構成を示す。
同光源では、半導体レーザ2から出射された光はコリメートレンズ3で平行光にされた後、回折格子4の回折面4aに所定角度で入射する。回折面4aで生じる回折光のうち回折格子4に対向する位置に支持されたミラー5の反射面5aに直交する方向に出射された光は、逆光路で回折格子4に戻され、その戻された光に対して回折面4aで生じる回折光は半導体レーザ2に逆光路で戻される。
ミラー5は回折格子4に対して特定位置Oを中心に回動する構造を有しており、半導体レーザ2の実効共振端面2aから回折格子4を経てミラー5の反射面5aに至る光路長で決まる共振器長および回折格子4における回折光のうち反射面5aに直交する方向に出射する光の波長を、ミラー5の反射面5aの回動により変化させる。これにより、半導体レーザの出射光の波長を所定範囲において連続的に掃引する外部共振型の波長掃引光源が実現されている。
ここで特定位置Oは、回折格子4の回折面4aの延長面H1と、半導体レーザ2の実効共振端面2aの延長面H2と交わる位置にあり、ミラー5はその反射面5aの延長面H3が特定位置Oに交わるように規定される。
この光源は一般的にリトマン方式と呼ばれており、原理的にはシングルモード発振するレーザ光を、モードホップさせることなく所定の波長範囲で連続的に掃引させることが可能である。
しかしながら、この特許文献1に示された実際の波長掃引光源は、大型かつ重量のある金属ブロックに設置されたミラーをモータとベアリングで回転させることで波長掃引を行うので、原理的に高速な波長掃引を行えない。
また、その回転機構の軸安定性が低いためモードホップが発生しやすく、しかも、波長掃引のたびにモードホップの生じる波長が変わってしまうため、その回避には、コリメートレンズや回折格子等の光学部品の複雑な位置制御が必要となる。このようなモードホップは、たとえ光源の温度や半導体レーザの発光領域への注入電流が一定になるよう制御されていたとしても避けられない。
また上記の光学配置の場合、ミラーあるいはそれを支持して一体的に回動する支持部材と、光軸とが交差するので、ミラーあるいはその支持部材に光を通過させるための穴や切欠等を設ける必要があり、それによる剛性低下でミラーあるいはその支持部材が変形しやすくなりモードホップを招く場合もある。
これを制御するにも、コリメートレンズや回折格子の配置を微調整することで光軸を調整するといった非常に複雑な制御が必要となり、波長の高速掃引を困難にする原因にもなっている。
そこで、より安定した回転機構を利用して小型かつ高速な波長掃引を可能とする波長掃引光源が例えば特許文献2で提案されている。この光源で用いられる波長掃引機構は、半導体基板に対するエッチング処理等で精度よく且つ小型に形成された所謂MEMS構造を有しており、矩形のフレームの内側に矩形の反射板が同心に配置され、フレーム上部内縁の中間部から反射板の上辺縁の中間部との間と、フレーム下部内縁の中間部から反射板の下辺縁の中間部との間が、それぞれ捩れ変形可能な連結部によって連結された構造を有し、この反射板の一端あるいは両端に静電的あるいは磁気による力を周期的に付与することで、反射板を連結部の捩れ変形により往復回動させることができる。
この機構の場合、波長掃引のために回転される反射板の運動は極めて安定しているため、この機構をミラー部として用いたリトマン方式外部共振器型の波長掃引光源は、従来にはなく小型で、シングルモードかつモードホップなしの安定した高速波長掃引を可能にしている。
米国特許第5319668号明細書
特開2005−284125号公報
一方、上記した外部共振器型の波長掃引光源から出射される光のスペクトラム線幅は、一般的に周波数換算で1MHz程度またはそれ以下と非常に狭いため、コヒーレンス長が非常に長い。
このようにコヒーレンス長が長い場合、光路中に少なくとも一対の反射面が存在すると、そこで生じる反射波と入射波の干渉により定在波が発生し、出射光のパワーが大きく変動するという問題が生じる。
この問題を解決するために、ノイズ信号により光源の光出力に周波数変調をかけ、その出射光のスペクトラム線幅を拡げる方法が採用されている。
この方法は、例えば、図38の(a)のように、半導体レーザ12への注入電流Iに振幅性のノイズ信号(AMノイズ)Nを加算器10により加算(重畳)する方法と、図38の(b)のように、発光領域12aと位相調整領域12bとを有する半導体レーザ12′に対し、発光領域12aには一定の注入電流Iを供給し、位相調整領域12bに供給するする注入電流I′に振幅性のノイズ信号Nを加算(重畳)する方法とがあった。
上記のように半導体レーザ12へノイズ信号Nを与えることで、出射光のスペクトラムは、例えば図39のSの幅狭の状態からS′の幅広の状態となり、これにより上記した反射波と入射波の干渉によるパワー変動を抑制することができる。
ところが、光のスペクトラム線幅の拡大は、前記したモードホップという点からみると不利な要素となる。
即ち、上記した外部共振器型の波長掃引光源では、図40の実線で示すように、半導体レーザで発振しうる周期的な複数の縦モード(スペクトラム)のうちの1つのみが回折格子の波長選択特性Gにより選択されて、継続的な発振をしており、波長が掃引されても同一の1つの縦モードのみが選択され続けるかぎり、モードホップは生じない。
ところが、波長掃引後の縦モードと波長選択特性Gの中心波長がずれて、隣(この場合左隣)の縦モードが選択され易い状況で、前記したようにノイズ信号Nの供給により、破線のように線幅を広げた場合、簡単に隣の縦モードへ移ってしまいモードホップが生じることになる。
つまり、従来のリトマン方式の外部共振器型の波長掃引光源では、たとえ、MEMS構造の回動ミラーを用いた場合であっても、スペクトラム線幅を拡大するために半導体レーザにノイズ信号を与える場合には、モードホップが発生することになり、線幅の拡大とモードホップの無い状態とを両立させることが困難であった。
本発明は、これらの問題を解決して、モードホップなしの状態で出射光の線幅を拡大することができるリトマン方式外部共振器型の波長掃引光源を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の波長掃引光源は、
基台(21)と、
前記基台上に固定され、少なくとも一方の光出射用の端面が低反射率面の半導体レーザ(22)と、
前記半導体レーザに電流または電圧を供給するための電源(28)と、
前記基台上に固定され、前記半導体レーザの前記低反射率面からの出射光を平行光に変換するコリメートレンズ(23)と、
光を回折するための溝が平行に形成されている回折面(25b)を有し、前記コリメートレンズから出射された光が、前記溝と直交し且つ前記回折面に対して非直交となる所定入射角で所定入射位置に入射される状態で前記基台上に固定された回折格子(25)と、
前記回折格子の回折面と対向する反射面を有し、前記回折格子の溝と平行で特定位置の軸を中心にして前記回折面と直交する平面内で回動可能に形成され、前記コリメートレンズから出射されて前記回折格子の回折面に入射した光に対する回折光のうち前記反射面に直交する光軸に沿った光を反射して逆光路で前記回折格子に戻し、該戻した光を入射光路と同じ光路で前記コリメートレンズを介して前記半導体レーザへ戻させる回動ミラー(30)とを有し、
前記回動ミラーの回動中心から前記回折格子の前記所定入射位置までの距離r、前記回動中心から前記反射面を延長した平面までの距離L2、前記半導体レーザの実効共振端面から前記回折格子の所定入射位置に至る光路長L1および前記回折格子の回折面への光入射角αとの間に、
r=(L1−L2)/sin α
の関係を成立させて、
前記回動ミラーの反射面の角度変化に応じて、前記半導体レーザから前記コリメートレンズおよび前記回折格子の回折面を経て前記回動ミラーの反射面に至る共振器長を変化させ、前記半導体レーザが出射する光の波長を所定範囲内で連続的に変化させるリトマン方式外部共振器型の波長掃引光源において、
前記回動ミラーは、
前記基台に固定されたフレーム(31)と、該フレームの内側に配置され一面側に前記反射面が形成された反射板(32)と、該反射板の外縁と前記フレームの内縁との間を連結する捩れ変形可能で前記回折格子の溝と平行な一直線上に並ぶ一対の連結部(33、34)とで一体的に形成され、前記反射板に往復回動するための力を周期的に付与する回動駆動手段(35、36、40)により、前記連結部を中心に前記反射板を往復回動させて波長掃引させ、その波長掃引時にモードホップが生じる状態にあっても該モードホップを高い再現性で同一波長に生じさせる回動安定性をもつMEMS構造を有しており、
さらに、
瞬時振幅が所定範囲内でランダムに変化する振幅性のノイズ信号を発生するノイズ信号発生器(71)と、
前記半導体レーザに供給される電流または電圧に前記ノイズ信号を重畳させて出射光のスペクトラム線幅を拡げるノイズ重畳回路(72)と、
前記基台上に固定され、前記半導体レーザの前記一方の端面と反対の端面から出射される光、または前記半導体レーザから前記回折格子の回折面に入射された光に対する0次回折光のいずれかを受け、該受けた光の強度に応じた電気の信号を出力する受光器(60)と、
前記回動ミラーの反射板の往復回動により前記半導体レーザの出射光波長が掃引されている間、前記受光器の出力を監視し、モードホップによって生じる前記受光器の出力信号の不連続変化を検出するモードホップ検出手段(61)と、
前記モードホップ検出手段によって検出された前記受光器の出力信号の不連続変化が無くなるように、前記ノイズ信号の振幅を可変制御するノイズ振幅制御手段(75)にして、当該ノイズ信号の振幅を所定量変化させて、次の波長掃引を行いモードホップを検出するという処理を繰り返して、モードホップが発生しない範囲でノイズ信号の最大の振幅を見つけ、該振幅を保持する半固定制御処理を行うノイズ振幅制御手段とを設けたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2の波長掃引光源は、請求項1記載の波長掃引光源において、
前記半導体レーザは、n型半導体基板(221)と、該n型半導体基板の上に形成された活性層(223)および該活性層の上に積層された第1p型クラッド層(224)を有し、電流注入を受けて光を発し該光を前記活性層に沿って導波させる発光領域(222)を有し、
前記ノイズ信号は、前記半導体レーザの前記発光領域に供給される注入電流に重畳されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3の波長掃引光源は、請求項1記載の波長掃引光源において、
前記半導体レーザは、
n型半導体基板(221)と、該n型半導体基板の上に形成された活性層(223)および該活性層の上に積層された第1p型クラッド層(224)を有し、前記レーザ用電源から供給される注入電流により光を発し該光を前記活性層に沿って導波させる発光領域(222)と、
前記n型半導体基板上で前記光のエネルギーよりも大きなエネルギーギャップを有し且つ前記発光領域の活性層と光学的に結合された導波路層(231)および該導波路層の上に積層された第2p型クラッド層(232)を有し、前記発光領域からの光に対する屈折率が、前記電源から供給される順方向注入電流または逆バイアス電圧に応じて変化する位相調整領域(230)と含む構造となっており、
前記ノイズ信号は、前記半導体レーザの前記位相調整領域に供給される順方向注入電流または逆バイアス電圧に重畳されることを特徴とする。
また、本発明の請求項4の波長掃引光源は、請求項3記載の波長掃引光源において、
前記半導体レーザの前記位相調整領域の前記導波路層に接する前記第2p型クラッド層の厚さ方向のドーピング濃度が、前記導波路層の上端から所定距離の範囲で極大値をもつように形成したことを特徴とする。
また、本発明の請求項5の波長掃引光源は、請求項4記載の波長掃引光源において、
前記所定距離範囲が25〜150nmであることを特徴とする。
また、本発明の請求項6の波長掃引光源は、請求項3〜5のいずれかに記載の波長掃引光源において、
前記半導体レーザの前記発光領域の第1p型クラッド層と前記位相調整領域の第2p型クラッド層の上に第3p型クラッド層(240)が形成され、該第3p型クラッド層の前記発光領域と前記位相調整領域との境界部分に所定幅の分離溝(251、252)が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7の波長掃引光源は、請求項6記載の波長掃引光源において、
前記第3p型クラッド層の厚さ方向の終点におけるドーピング濃度が厚さ方向の始点におけるドーピング濃度より大きく、且つ1.0×1018(/cm)〜2.5×1018(/cm)の範囲に設定されたことを特徴とする。
また、本発明の請求項8の波長掃引光源は、請求項3〜7のいずれかに記載の波長掃引光源において、
前記半導体レーザの前記発光領域の前記第1p型クラッド層の厚さ方向のドーピング濃度が、前記活性層の上端から50〜250nmの範囲内で極大値をもつように形成したことを特徴とする。
また、本発明の請求項9の波長掃引光源は、請求項3〜8のいずれかに記載の波長掃引光源において、
前記半導体レーザの前記発光領域側の素子端面(220a)と前記活性層を導波する光の光軸線との交差角が非直交であることを特徴とする。
また、本発明の請求項10の波長掃引光源は、請求項1〜9のいずれかに記載の波長掃引光源において、
前記コリメートレンズから出射された光を前記基台上に固定された固定ミラー(24)を介して前記回折格子へ入射させる構造で且つ前記半導体レーザ、前記コリメートレンズ、前記固定ミラーおよび前記回折格子が前記回動ミラーの前記反射板の一面側に配置されるようにし、前記半導体レーザから前記固定ミラーを介して前記回折格子に至る光軸が、前記回動ミラーの前記反射板と非交差状態となるようにしたことを特徴とする。
このように本発明の波長掃引光源では、その回動ミラーの動作が極めて安定しているために従来の光源に比べて不規則なモードホップの発生が格段に少なくなる。
また、半導体レーザに供給する電流または電圧にノイズ信号を重畳してスペクトラム線幅を拡げたことによってモードホップが生じる場合であっても、波長掃引中におけるモードホップによる受光器の出力の不連続変化を検出するモードホップ検出手段を有しているので、その不連続変化がなくなるようにノイズ信号の振幅を可変制御することにより、ある程度の線幅を維持し、且つモードホップのない状態で波長掃引が可能となる。
また、半導体レーザに位相調整領域が設けられている場合においては、その位相調整領域の導波路層に接する第2p型クラッド層の厚さ方向のドーピング濃度を、導波路層から所定距離の範囲で極大となるようにしたので、位相調整領域の導波路層と第2p型クラッド層とのΔEcが小さいことによって生じる電子のオーバーフローを抑制することができ、これにより最大位相調整量を拡大することができる。特に、導波路層から25〜150nmの範囲で極大値となるようにすることで導波路層からオーバーフローする電子を効果的にブロックすることができ、最大位相調整量を大幅に拡大することができ、より広いスペクトラム線幅を実現することができ、それに応じてモードホップ抑圧のための制御範囲を拡大できる。
また、第3p型クラッド層の発光領域と位相調整領域の境界部分に分離溝を設けているため、領域間の分離抵抗を高くすることができ、発光領域から位相調整領域へのリーク電流を大幅に減少させることができる。
また、第3p型クラッド層の厚さ方向の終点(活性層、導波路層から遠い側)におけるドーピング濃度が厚さ方向の始点(活性層、導波路層に近い側)におけるドーピング濃度より大きく、且つ1.0×1018(/cm)〜2.5×1018(/cm)の範囲に設定されたものでは、膜厚方向の直列抵抗を増加させることなく、導波路損失を低減することが可能となる。
また、発光領域の第1p型クラッド層の厚さ方向のドーピング濃度を、活性層から50〜250nmの範囲内で極大値をもつように形成した場合には、発光領域における注入電子のオーバーフローを抑制することができ、発光に寄与しない無駄な電流を流す必要がなくなり、その結果素子全体としての高効率化が実現できる。
また、半導体レーザから出射された光を、固定ミラーを介して回折格子へ入射させる構造で且つ半導体レーザ、固定ミラーおよび回折格子が回動ミラーの反射板の一面側に配置されるようにし、半導体レーザから固定ミラーを介して回折格子に至る光軸が、回動ミラーの反射板と非交差状態となるようにしたので、ミラーの剛性低下がなく、より安定な波長掃引が可能となり、位相調整領域への注入電流あるいは逆バイアス電圧により、より簡単に、より安定してモードホップを抑制できるようになる。
本発明の実施形態の全体構成図 実施形態の光学部の平面図 実施形態の要部の分解斜視図 実施形態の駆動信号と波長変化との関係を示す図 波長を連続的に掃引するための条件を説明するための図 モードホップがないあるいは抑制された場合と、モードホップがある場合の波長対光出力の特性をおよびその時間変化の絶対値を示す図 縦モードと共振器の選択特性との関係を示す図 モードホップがある場合にそれを位相調整領域に対するダイナミック制御により抑制する場合の注入電流あるいは逆バイアス電圧の変化パターンの例を示す図 要部の変形例を示す図 要部の変形例を示す図 光学部の配置の変形例を示す図 光学部の配置の変形例を示す図 本発明の実施形態に好適な半導体レーザの外観図 図13の半導体レーザの平面図 図14のA−A線断面図 位相調整領域のp型クラッド層のドーピング濃度分布図 位相調整領域への注入電流と位相調整量との関係を示す図 発光領域のp型クラッド層のドーピング濃度分布図 第3p型クラッド層のドーピング濃度分布図 第3p型クラッド層のドーピング濃度分布図の別の例 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 図13の半導体レーザの製造工程を説明するための図 導波路層と素子端面とを非直交で交差する半導体レーザの構造例を示す図 リトマン方式外部共振器型の波長掃引光源の基本構成図 スペクトラム線幅を広くするためのノイズの印加方法を示す図 ノイズの印加による出射光のスペクトラム変化を示す図 スペクトラム線幅とモードホップの関係を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態の波長掃引光源20の全体構成図、図2は光学部の平面図、図3は光学部の要部の構造を示している。
図1、図2に示しているように、この波長掃引光源20は、上面が互いに平行な高段部21a、21a′と低段部21bとを有する基台21上に構成され、その高段部21aには、低段部21bの上面に平行な光を低反射率の素子端面220a(低反射率面)から出射する半導体レーザ22と、半導体レーザ22から出射された光を平行光に変換するコリメートレンズ23と、コリメートレンズ23から出射された平行光を高段部21aの上面に垂直な反射面24aで受け、後述する回折格子25の回折面25aに向けて反射する固定ミラー24とが固定されている。なお、半導体レーザ22には、レーザ用電源28から電流または電圧が供給される。
固定ミラー24の反射光は、基台21の低段部21bに垂直に立てられた回折格子25の回折面25aの所定入射位置に非直交で所定の入射角αで入射される。回折格子25の回折面25aには、光を回折するための回折溝25bが低段部21bに垂直な向きで平行に設けられており、固定ミラー24で反射された回折溝25bに対して直交し且つ回折面25aに対して入射角αで入射される平行光は、回折溝25bにより波長に応じた方向に回折される。なお、光軸や各部材の向きに関して、基台21の上面を基準として説明するが、各部の位置は相対的に規定されるものであり、この実施形態の配置に限定されるものではない。
回折格子25で回折された光は回動ミラー30に入射される。回動ミラー30は、固定ミラー24から入射される平行光に対して回折格子25が出射する回折光のうち、垂直に入力された波長成分の光を、逆光路で回折格子25の回折面25aへ反射して半導体レーザ22へ戻すための反射面32aを有している。
この回折格子25の回折面25aに対する反射面32aの角度を所定角度範囲で周期的に変化させることで、回動ミラー30の反射面32aにより半導体レーザ22に逆光路で戻される光の波長が連続的に且つ周期的に変化し、これによって波長掃引光源20から出射される光の波長も連続的に且つ周期的に変化する。
この回動ミラー30は、図1〜図3に示しているように、導電性を有する基板(例えばシリコン基板)に対するエッチング処理等によって形成され、例えば図示しているように上板31a、下板31b、横板31c、31dで横長矩形枠状に形成されたフレーム31と、フレーム31の内側に同心状に配置され、少なくとも一面側に光を反射するための反射面32aが形成された横長矩形の反射板32と、フレーム31の上板31a、下板31bの互いに対向する内縁中央から反射板32の上縁中央および下縁中央まで上下に一直線上に並ぶようにそれぞれ延びてフレーム31の上板31a、下板31bと反射板32との間を連結し、捩れ変形して反射板32を回動させる一対の連結部33、34とを有している。
反射板32の反射面32aとしては、例えば素材表面に対する鏡面仕上げ、高い反射率を示す金属膜の蒸着、あるいは誘電体多層膜で形成することができる。また、回動ミラー30がレーザ光に対して高い反射率を示す材質である場合には、反射膜や反射シートを設けなくても、その素材表面を反射面とすることができる。
ただし、回動ミラー30が導電性を持たない場合には、後述する静電駆動力確保のため、ミラー材として導電性の金属膜を蒸着する必要がある。
連結部33、34の幅および長さは、連結部33、34自体がその長方向に沿って捩じれ変形でき、その変形に対して自ら元の状態に戻るための復帰力を生じるように設定されている。
また、この回動ミラー30のフレーム31の横板31c、31dの一方(ここでは横板31c)の両面には、反射板32に静電的に外力を与えるための電極板35、36がそれぞれ絶縁性を有するスペーサ37を介して取り付けられている。電極板35、36は、反射板32の一端側(ここでは左端側)の両面にスペーサ37の厚み分の隙間を開けた状態でオーバラップしている。なお、ここではスペーサ37を縦長矩形状にしているが、フレーム31全体の補強のために、スペーサ37をフレーム31と重なり合う矩形枠状に形成してもよい。
この回動ミラー30は、反射板32の回動中心(連結部33、34の中心を結ぶ線)が、回折格子25の回折面25aを延長した面上で且つ回折溝25bと平行となる状態で、基台21上に固定されている。
なお、回動ミラー30は、電極板35、36およびスペーサ37を含めて前記したようにシリコン基板のエッチング処理等で形成されるが、その製造方法は任意である。
例えば、単層基板で回動ミラー30のフレーム31、反射板32および連結部33、34をエッチング形成し、別の基板でスペーサ37、37と、電極板35、36を形成して、これらを貼り合わせて構成する方法、あるいは、SOI基板等の3層基板を用い、その上層基板に、回動ミラー30のフレーム31、反射板32、連結部33、34をエッチング形成し、その下層基板にスペーサ37をエッチング形成し、別の工程で製造された電極板35を貼付けて一方の電極を形成する等、種々の方法で製造可能である。
図1に示しているミラー駆動装置40は、図2のように、回動ミラー30のフレーム31を基準電位として2つの電極板35、36に対して例えば図4の(a)、(b)のように位相が180度ずれた信号V1、V2を印加して、電極板35、36と反射板32の端部との間に静電的な吸引力を交互に生じさせ、反射板32を往復回動させる。
この信号V1、V2の周波数は、回動ミラー30の反射板32の形状、重さおよび連結部33、34の捩れバネ定数等によって決まる反射板32の固有振動数に等しくなるように設定されているので、少ない駆動電力で反射板32を大きな角度で往復回動させることができる。
この反射板32の往復回動により、外部共振器の共振器長および回折面25aに対する反射面32aの角度が変化して、半導体レーザ22から出射されるレーザ光の波長が図4の(c)のように、連続的に且つ周期的に変化する。
ただし、この波長掃引光源20のように、一面側に反射面32aが形成されている反射板32自体を回動させるという単純化された構造の場合、その回動中心は、連結部33、34の中心を結ぶ線上、即ち、反射板32の内部にあって反射面32aを延長した面上にはなく、前記した従来のリトマン方式の条件を満たさない。
そこで、この実施形態の波長掃引光源20では、次の特許文献3に開示された技術を適用して波長を連続的に可変している。
特許第3069643号公報
即ち、上記特許文献3は、図5の点線で示すように固定ミラー24を用いずにレーザ光が反射板32を透過するとした仮想的な配置において、回折格子25の回折面25aを延長した平面をH1、半導体レーザ22の内部の屈折率を考慮した実効共振端面22aを延長した平面をH2、反射板32の反射面32aを延長した平面をH3とし、反射面32aの回動中心と回折格子との間の位置で平面H1と平面H3とが交わる場合、回動中心Oから回折格子25の所定入射位置Gまでの距離をr、所定入射位置Gから半導体レーザ22の実効共振端面22aまでの実効光路長をL1、回動中心Oから平面H3までの距離をL2、回折格子25に対する光の入射角αとすると、
r=(L1−L2)/sin α
が成り立つようにすることで、モードホップを発生することなく、波長を連続的に可変できるというものである。
ただし、この実施形態のように半導体レーザ22から回折格子25に至る光路を固定ミラー24を介して折り曲げた場合、所定入射位置点Gから半導体レーザ22の実効共振端面22aまでの実効光路長L1は、半導体レーザ22の実効共振端面22aと固定ミラー24までの光路長L3と、固定ミラー24から所定入射位置Gまでの光路長L4との和で表される(L1=L3+L4)。
よって、次の式が成り立つように各部を配置することで、図4の(c)に示しているように、モードホップのない連続波長掃引が可能となる。
r=(L3+L4−L2)/sin α
また、固定ミラー24を介して回折格子25に光を入射して、半導体レーザ22、コリメートレンズ23、固定ミラー24および回折格子25を反射板32の一面側に配置させ、反射板32と光路とを交差させない構造であるので、反射板32自体に光通過用の穴などを設ける必要がなく、その剛性低下による変形が起こらず、薄い板でも安定で再現性の高い高速な波長掃引が行える。
このように実施形態の波長掃引光源20では、反射板32の反射面32aを延長した平面と回折面25aを回動中心方向に延長した面ではさまれた空間内で、且つ回動中心と回折面25aの所定入射位置との間に固定ミラー24を配置し、回動ミラー30の反射板32の反射面32aを延長した面で区切られてなる2つの空間のうち、回折格子25が含まれる方の空間に半導体レーザ22とコリメートレンズ23を配置し、その半導体レーザ22からコリメートレンズ23を介して固定ミラー24に光を入射し、その反射光を回折格子25の回折面25aの所定入射位置に入射している。
このため、光路とは無関係に、反射面32aを有する反射板32自体を往復回動させるという極めて単純な構造で回動ミラーを構成することができ、高速で精度の高い波長可変が行える。
ただし、上記のような外部共振器型の波長掃引光源の場合、その出射光のスペクトラム線幅が非常に狭いので、コヒーレンス長が長く、光路中に少なくとも一対の反射面が存在すると、そこで生じる反射波と入射波の干渉によって定在波が生じ、出射光のパワーが大きく変動するという問題が生じる。
これを解決するために、実施形態においては、図1に示しているように、レーザ用電源28から半導体レーザ22に供給される電流または電圧に対して、ノイズ信号発生器71から出力されたノイズ信号Nをノイズ重畳回路72によって重畳し、これによる光周波数の変調効果を用いて出射光のスペクトラム線幅を拡げる方法を採用している。
なお、ノイズ信号Nは、瞬時振幅が所定範囲内でランダムに変化する振幅性のノイズ信号であって、レーザ用電源28から半導体レーザ22に供給される電流に重畳される場合、電流の瞬時振幅がランダムに変化する信号であり、レーザ用電源28から半導体レーザ22に供給される電圧に重畳される場合、電圧の瞬時振幅がランダムに変化する信号となる。
ただし、ここでは、半導体レーザ22として、発光領域と位相調整領域を有するもので且つその位相調整範囲が従来より格段に広い半導体レーザを用いて、より広いスペクトラム線幅を実現するとともに、その広いスペクトラム線幅であっても、モードホップの無い波長掃引を可能にしている。
即ち、実施形態で用いている半導体レーザ22としては、図1に示しているように、レーザ用電源28から供給される注入電流Iにより光を発し、その光を内部の活性層に沿って導波させる発光領域222と、発光領域222の活性層と光学的に結合された導波路層を内部に有し、発光領域222からの光の波長に対する屈折率がレーザ用電源28から供給される順方向注入電流I′または逆バイアス電圧Vrに応じて変化する位相調整領域230とを含む構造のものを用いている。
この位相調整領域230を有する半導体レーザ22の一般的な構造としては、n型半導体基板と、そのn型半導体基板の上に形成された活性層およびその活性層の上に積層された第1p型クラッド層を有し、所定の注入電流により内部に発生させた光を活性層に沿って導波させる発光領域と、前記n型半導体基板上で、発光領域により発生した光のエネルギーよりも大きなエネルギーギャップを有し且つ発光領域の活性層と光学的に結合された導波路層およびその導波路層の上に積層された第2p型クラッド層を有し、発光領域からの光に対する屈折率が順方向注入電流または逆バイアス電圧に応じて変化する位相調整領域と含む構造となっている。なお、位相調整範囲を一般の半導体レーザより拡大したより好適な構造例については後述する。
このように位相調整領域230を有する半導体レーザ22の場合、位相調整領域にキャリアを注入すると屈折率が減少するというプラズマ効果が知られている。屈折率が減少すると外部共振器長は短尺化し、光波長は負(短波長)に変化することになるため、キャリアの注入、つまり順方向注入電流I′を変化させることにより出射光の位相を変化させることができ、その変化を、振幅がランダムのノイズ信号を順方向注入電流I′に重畳することによって、出射光の位相をランダムに変調することが可能となり、これにより出射光のスペクトラム線幅を拡げることが可能となる。
また、位相調整領域230に対して逆バイアス電圧Vrを印加し、これを可変することによっても屈折率を変化させることができる。この場合、逆バイアス電圧Vrの絶対値を大きくすると、屈折率が増加して外部共振器長は長尺化し、光波長は正(長波長)に変化することになり、この逆バイアス電圧に前記したノイズ信号を重畳させることによっても、出射光のスペクトラム線幅を拡げることができる。
つまり、順方向注入電流I′と逆バイアス電圧Vrの可変を併用することでよりより広い範囲での位相制御が可能となり、それにノイズ信号を重畳させることで出射光のスペクトラム線幅を拡げることができる。
なお、ここでは、半導体レーザ22の発光領域に供給される注入電流I、位相調整領域に供給される順方向注入電流I′または逆バイアス電圧Vrは、モードホップが起こりにくいほぼ適正な値に調整されているものとする。
また、モードホップの発生を検知するために、回折格子25への入射光に対してその入射角αと対称な方向に出射される0次回折光を受けてその光の強度に応じた大きさの電気の信号を出力する受光器60を高段部21a′上に固定しており、制御部100内には、前記したミラー駆動装置40の他に、受光器60の出力に基づいてモードホップの有無を検出するモードホップ検出手段61と、その検出されたモードホップが抑圧されるように、ノイズ信号発生器71から出力されるノイズ信号Nの振幅を可変制御するノイズ振幅制御手段75が設けられている。
なお、この実施形態では、光源としての出力光である波長掃引光を半導体レーザ22の位相調整領域230側の素子端面222bから出射することを考慮して回折格子25の0次回折光を受光器60で受けているが、この0次回折光の代わりに半導体レーザ22の素子端面220bから出射される光を受光器60で受け、0次回折光を光源としての出力光である波長掃引光として出射する場合もある。
モードホップ検出手段61は、回動ミラー30の反射板32の往復回動により半導体レーザ22の出射光波長が掃引されている間、受光器60の出力を監視し、モードホップによって生じる受光器60の出力信号の不連続変化を検出する。
ここで、例えば光波長が1500nmから1600nmの間で掃引される場合を考える。モードホップが生じていない場合、受光器60で検出される回折格子25からの0次光のパワーPの波長依存性(掃引時の経時変化)は図6の(a)のように、連続で滑らかになり、受光器60の出力信号の時間に対する微分の絶対値|dP/dt|も緩やかな変化となる。ここで、波長掃引時に光のパワーPが変化しているのは、各光部品の特性に波長依存性があるためである。
これに対して、例えば波長λhpにてモードホップが生じた場合、同パワーPの波長依存性は図6(b)のように波長λhpにおいて不連続に変化し、受光器60の出力信号そのものの急激な変化|ΔP|もしくはその時間に対する微分の絶対値|dP/dt|は急峻に且つ大きな値に変化する。ただし、いずれの例においても、光源の温度は一定とする。
したがって、受光器60の出力信号そのものの急激な変化|ΔP|もしくはその時間に対する微分の絶対値|dP/dt|を計算すれば、モードホップの有無が判る。
前記したモードホップ検出手段61は受光器60の出力信号に対して上記演算を行い、得られた|ΔP|もしくは|dP/dt|の値と予め設定したそれぞれのしきい値との比較によりモードホップの発生の有無と、その発生タイミングを検出する。この発生タイミングは、掃引のための駆動信号の立ち上がりや立ち下がり等を基準として計測する。
ここで、モードホップの発生原理について簡単に説明する。モードホップが生じないときは、図7の(a)のように、半導体レーザ22で発振しうる縦モードのうち特定の1つの縦モード(実線:ファブリペロモード)の波長変化に対して、外部共振器による選択特性Fの中心波長が追従変化することで、その特定の縦モードが選択され続けている。
これに対して、モードホップが生じるときは、縦モードと外部共振器による選択特性Fの中心波長がずれてしまい、図7の(b)のように、ある波長λhpにおいて、選択特性Fによって選択される縦モードが所望のもの(実線)から1つ隣のモード(破線)に飛んでしまう。
このずれは、前記した半導体レーザ22の発光領域へ供給される注入電流Iの調整、あるいは位相調整領域へ供給される順方向注入電流I′あるいは逆バイアス電圧Vrの調整により軽減することができるが、スペクトラム線幅を最大限まで拡げた状態では、温度などによる光学部品の僅かな屈折率の変動により、モードホップが発生する確率が高くなる。
そこで、この実施形態の波長掃引光源では、半導体レーザ22へ供給される電流または電圧がほぼ適正に調整された状態において、モードホップが検出された場合に、そのモードホップによる受光器60の出力の不連続変化がなくなるように、ノイズ信号Nの振幅を減少変化させる。
ただし、モードホップが高い再現性を持って同一波長で生じる状況下でなければ、この位相調整領域230へ制御は行えないが、本発明では、前記したように回動ミラー30が安定な動作をしているので、半導体レーザ22に供給される電流または電圧に重畳するノイズ信号Nの振幅制御により、図6の(a)に示したように出力光パワーに飛びのないのない、モードホップフリーの波長掃引を容易に実現することができる。
ここで、半導体レーザ22の位相調整領域230へ供給される電流または電圧の調整(ここではノイズ振幅制御手段75が行うものとするが、別の調整手段で行ってもよく、手動調整であってもよい)としては、始めにノイズ信号Nの振幅をゼロに設定し、この状態でモードホップが検出されないように順方向注入電流I′や逆電圧バイアスVrを設定する。この時、モードホップが検出されない順方向注入電流I′や逆電圧バイアスVrの値には幅があるのでその幅の中心となるように設定する。なお、発光領域に対する注入電流Iは固定とする。
このようにしてレーザ用電源28の出力を調整したのち、位相調整領域230に供給されている順方向注入電流I′または逆電圧バイアスVrに重畳されるノイズ信号Nの振幅を最大値に設定して、モードホップの発生の有無を調べ、モードホップが発生していないときにはその最大振幅のノイズ信号Nに固定する。また、モードホップが発生した場合には、そのモードホップが発生しなくなるまで、ノイズ信号Nの振幅を徐々に小さくし、モードホップが発生しなくなってから、さらに余裕を与えるために所定量(例えば現状値の1/10)だけ小さい振幅に固定する。
これによって、出射光に対して、モードホップを発生させない状態で最大限のスペクトラム線幅を与えることができる。
なお、上記の制御例は、予めモードホップが発生しないノイズ振幅を求め、以後はその振幅で固定して波長掃引を行う半固定制御モードであったが、波長掃引でモードホップが検出された場合、そのモードホップ発生タイミングにおけるノイズ振幅がモードホップを抑制する値となるように掃引中に変化させるダイナミック制御も考えられる。
ダイナミック制御の場合、ノイズ振幅の変化パターンは任意であるが、例えば図8のノイズ振幅aのように、モードホップ発生タイミングt1、t2の少し手前のタイミング毎に段階的に変化するパターンや、ノイズ振幅bのように連続的に変化するパターンでもよい。
なお、モードホップが発生している期間は、外部に文字やランプあるいは音などによってこれを報知する手段を設けてもよい。
このように簡単な制御方法を用いるだけでモードホップを抑制できるのは、MEMS構造の回動ミラー30による波長掃引方式が非常に安定しているためである。たとえノイズを重畳させることでモードホップが起きたとしても極めて再現性がよいため、これをノイズ振幅の制御により抑制することはたやすく、モードホップなしの状態で最大限の広いスペクトラム線幅の高速掃引光を容易に実現できる。
上記実施形態では、反射板32を連結部33、34に対して左右対称に形成し、その一端側を光反射部として用い、他端側で外力を受けるようにしていたが、反射板の形状、外力の付与形態は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図9に示す回動ミラー30の反射板32のように、外力を受けるための他端側の横方向の長さを一端側より短くし、その幅(縦方向の長さ)を広くして、左右の回転モーメントをつりあわせてもよい。この場合、回動ミラー30全体の横幅を小さくすることができる。
また、上記実施形態では、反射板32の一端側に外力を周期的に与えて往復回動させる場合について説明したが、外力を付与する位置は任意であり、例えば、図10のように、反射板32の背面側の両端に電極板35、36を配置し、前記信号V1、V2をそれぞれ印加することで、前記同様に反射板32を往復回動できる。
また、電極板35、36の形状などについても任意であり、前記実施例のような平板状のもの以外に、櫛歯状のものを用いてもよい。
また、外力として前記した静電的な力以外に、電磁石(またはコイル)と磁性体の組合せ、永久磁石と電磁石(またはコイル)の組合せ等により、電磁的に外力を与えることも可能であり、さらには、超音波振動器により、反射板32の固有振動数に等しい周波数の超音波振動を基台21に与えて、反射板32を固有振動数で往復回動させることもできる。なお、このように静電的以外の外力を与える場合、回動ミラー30の材料が導電性を有している必要はない。
また、上記実施形態では、固定ミラー24の反射面24aが回折格子25の回折溝25bと平行で、半導体レーザ22から、コリメートレンズ23、固定ミラー24、回折格子25を経て反射板32に至る光路が同一平面上となるように構成されていたが、これは本発明を限定するものではなく、半導体レーザ22とコリメートレンズ23は、反射板32の反射面32aを延長した平面で隔成される2つの空間のうち回折格子25が含まれる方の空間であれば任意の位置に配置することができ、その位置に合わせて固定ミラー24の反射面24aの向きを設定すればよい。
例えば、図11のように、半導体レーザ22とコリメートレンズ23を、その光軸が回折格子25の回折溝25aと平行となるよう基台21に対して上下に並ぶように配置し、コリメートレンズ23からの光を、基台21の上面に対して45度の角度をなす反射面24aの固定ミラー24で受けて、回折格子25の回折面25aに入射してもよい。なお、半導体レーザ22、コリメートレンズ23および固定ミラー24は支持部材41に支持されている。
また、上記実施形態では、各部の配置を理解しやすいように、基台21上に、回折格子25と回動ミラー30を立てた構造で示しているが、半導体レーザ22、コリメートレンズ23、固定ミラー24を含め、これら各部の支持形態は任意である。
例えば、図12のように、平坦な基台50の上部両端に立設した支持部材51、52で回動ミラー30のフレーム31を支持し、基台50の上部に立設した支持部材53で回折格子25を支持し、さらに、支持部材53の近傍に立設した支持部材54で、半導体レーザ22、コリメートレンズ23および固定ミラー24を支持し、受光器60を支持部材55で支持する構造でもよい。なお、支持部材53〜55は一体化してもよい。
また、図12の点線で示すように、反射板32の他端側にも、半導体レーザ22、コリメートレンズ23、固定ミラー24、回折格子25および受光器60を支持部材53〜55で支持して、波長可変光を2系統出射できるように構成することも可能である。この場合、2系統の波長可変範囲を同一にすれば、2チャネルの波長掃引光源が実現でき、また、2系統の波長可変範囲を変えておけば、より広帯域な波長掃引光源を実現できる。
また、図示しないが、反射板32の反対面側にも半導体レーザ22、コリメートレンズ23、固定ミラー24および受光器60を1組あるいは2組配置して、さらに出射光の系統数を増加させ、多チャネル化、広帯域化されたモードホップのない波長掃引光源を構成することもできる。
上記した波長掃引光源の多チャネル化あるいは広帯域化は、光路が回動ミラー30に交差しないで構造であって、反射板32の反射面の一面側に、回折格子25だけでなく、半導体レーザ22、コリメートレンズ23、固定ミラー24および受光器60をまとめて配置したことによってもたらされる効果である。
上記実施形態において、スペクトラム線幅を広くするには、半導体レーザ22の位相調整領域による位相制御範囲が広いことが要求され、その位相制御範囲が半導体レーザ22の素子特性に依存する。
上記した一般的な構造の半導体レーザ22の場合、位相調整領域230の導波路層とp型クラッド層との伝導帯バンド不連続ΔEcが小さいために、電子のオーバーフローが生じ易く、このオーバーフローによって最大位相調整量が制限され、その制限により、スペクトラム線幅も限定される。
したがって、半導体レーザ22としてより広い範囲で位相調整ができる特性のものを用いれば、スペクトラム線幅も広がって、より定在波の影響を受けにくくすることができる。
以下、この点を考慮した半導体レーザ22について説明する。
図13は、位相調整領域よる位相調整量を格段に拡げた半導体レーザ22の外観図、図14は平面図、図15は図14のA−A線断面を示している。
これらの図に示しているように、この半導体レーザ22は、InP(インジウム・リン)からなるn型半導体基板221(以下、単に基板221と記す)を有している。基板221は、後述するメサ構造のn型クラッド層も兼ねており、ほぼ一定のドーピング濃度(例えば1×1018/cm)を有している。
基板221の上の一端側(図2、3で右端側)には発光領域222が形成され、他端側(図14、15で左端側)には位相調整領域230が形成されている。
発光領域222には、基板221の上の中央にほぼ一定幅(例えば5μm)でInGaAsP(インジウム・ガリウム・砒素・リン)からなる活性層223が形成され、その上にInPからなる第1p型クラッド層224が所定厚さ(例えば250nm)で形成されている。なお、ここで言う活性層223は、多重量子井戸層(MQW)とそれを挟むSCH層を含むものとする。また、第1p型クラッド層224のドーピング濃度の厚さ方向の分布は一定であってもよいが、後述するように、ある範囲で極大となるような分布にして電流供給時の電子のオーバーフロー等を防ぐ構造であってもよい。
一方、位相調整領域230側の基板221の上の中央には、InGaAsPからなる導波路層231が活性層223と光学的に結合されるように形成されている。ここで、活性層223は、ある波長範囲の光に対して利得を有しており、且つ、長さ方向に光を導波させるように形成されている。一方、導波路層231は、その光に対して主に導波作用を有するが、その光に対して利得を有していてもよい。
なお、導波路層231のエネルギーギャップは、前記光のエネルギーより大きくなるように設定されており、導波路層での前記光の吸収は生じない。
この導波路層231の上には、第2p型クラッド層232が第1p型クラッド層224とほぼ同じ厚さで連続するように形成されている。活性層223と導波路層231の接続位置と、第1p型クラッド層224と第2p型クラッド層232との接続位置は一致している。
そして、第1p型クラッド層224と第2p型クラッド層232の上および側方には、InPからなる第3p型クラッド層240が形成されている。
また、活性層223の側部の基板221の上部にはp型のInPからなる埋め込み層242が形成され、その埋め込み層242の上部にはn型のInPからなる埋め込み層243が形成されている。
そして、第3p型クラッド層240の発光領域222と位相調整領域230の境界部分は、活性層223と光学的に結合された導波路層231とを内部に有する橋渡部250と、その左右の側方の領域に設けられた分離溝251、252から構成されている。橋渡部250は、後述する素子サイズにおいて、例えば長さ50μm、幅15μm、深さ7.5μm程度としている。
この分離溝251、252は、第3p型クラッド層240だけでなく、埋め込み層242、243と基板221との界面よりも深くエッチング処理することにより形成されている。
橋渡部250の長さ方向は、高い分離抵抗を得るために長い方が有利であるが、活性領域長が減少すると発光強度が低下したり、位相調整領域長が減少すると最大位相調整量が減少してしまうため、後述する素子長の下では25μm〜100μmの範囲としている。
また、橋渡部250の幅は、狭い程高い分離抵抗が得られるが、活性層223や導波路層231の幅(後述する素子サイズにおいて例えば5μm)に対して余裕をもたせる必要があり、また光のスポットサイズの大きさなどを考慮して10μm〜20μmの範囲としている。深さについては、基板221と埋め込み層の界面よりも深くエッチングすることで正孔のリークを制限することが可能となるため5μm〜10μmの範囲としている。
分離溝251、252を境にして発光領域222側の第3p型クラッド層240の上には、InGaAsからなるコンタクト層261が形成され、位相調整領域230側の第3p型クラッド層240の上にも、同様にInGaAsからなるコンタクト層262が形成され、それぞれのコンタクト層261、262の上には、金(Au)、白金(Pt)、チタン(Ti)からなる第1の上部電極271、第2の上部電極272が蒸着形成されている。また、基板221の下面側全体に、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)、白金(Pt)からなる下部電極273が蒸着形成されている。
なお、半導体レーザ22の一方の素子端面220aには、素子端面220aでの光の反射を防止するための反射防止膜(図示せず)が形成されている。
ここで、位相調整領域230側の第2の上部電極272と下部電極273との間に順方向に電流を流し、その電流値を例えば0〜数10mAの範囲で変化させることで、導波路層231の屈折率を変化させることができる。また、順方向電流の代わりに、第2の上部電極272と下部電極273の間に逆バイアス電圧Vrを印加し、その電圧を所定範囲(例えば0〜数ボルトまで)変化させることで導波路層231の屈折率を変化させることができる。そして、前記したように、その順方向注入電流I′あるいは逆バイアス電圧Vrにノイズ信号Nを重畳することで、屈折率をランダムに変化させ、出射光のスペクトラム線幅を広くすることができる。
ただし、前記したように、上記のような位相調整領域230を有する半導体発光素子では、導波路層とクラッド層の伝導帯バンド不連続(ΔEc)が小さいために電子のオーバーフローが生じやすく、位相調整できる範囲が狭いという問題があった。
そこで発明者らは、上記構造の半導体レーザ22について種々の実験を行った結果、位相調整領域230における導波路層231の上の第2p型クラッド層232のドーピング濃度にある特徴的な分布、即ち導波路層231から所定距離の範囲で極大をもつ分布を与えることでこの位相調整領域におけるオーバーフローを抑制して無駄な電流を流すことなく最大位相調整範囲を拡大できることを見出した。
これを表したのが図16である。各種実験を行った結果、特性Fのように位相調整領域230の導波路層231に接する第2p型クラッド層232の厚さ方向のドーピング濃度が、導波路層231の上端から所定範囲、特に25〜150nmの範囲内で極大値をもつように形成することで、位相調整領域230における注入電子のオーバーフローの抑制効果が高くなり、屈折率変化に寄与しない無駄な電流を流す必要がなくなり、その結果素子全体としての高効率化が実現できることがわかった。なお、特性F′は実際のドーピング濃度分布の例である。
このように導波路層231に比較的近い位置に極大位置を設定することで無効電流として拡散する電子のブロッキングに効果的であることがわかった。特に高注入領域における効率の改善が確認された。
図17は、その効果を示したもので、横軸を位相調整領域への注入電流Ipc(mA)、縦軸を波長λとし、1つのファブリペロモードに着目し、位相調整領域に電流Ipcを徐々に注入した際の、その波長λの変化を測定したものである。
なお、図17の下側の特性(黒丸でプロットした特性)は、第2p型クラッド層のドーピング濃度が導波路層の上端から35nmの距離で極大値となるように設定したものであり、上側の特性(黒四角でプロットした特性)は、第2p型クラッド層のドーピング濃度を一様にした従来素子のものである。
この図17から明らかなように、ファブリペロモードのシフト量は、ドーピング濃度が一様な従来素子の場合では、Ipcが約5mAにおいて既に飽和しつつあり、最大シフト量が2πであるのに対し、ドーピング濃度の分布で所定距離に極大値を与えた本実施形態の素子では、Ipcが約5mAにおいても飽和せずにより大きなシフト量を示しており、最大シフト量は3πまで改善されていることがわかる。図中Qは逆バイアス電圧Vrの絶対値を注入電流Ipcの増加方向と同一方向に大きくしたときの波長変化の傾向を示すものであり、この逆バイアス電圧Vrを増大させることで波長を長波長方向へ変させることができ、両者を選択的に用いることで波長の変化量(位相の変化量)をさらに広くすることができる。
なお、図16に示したようにドーピング濃度の極大値を7×1017/cm程度にすることで、導波路層231へ拡散するZnを最小限にすることが可能で正孔による損失を最小限に留め、且つ注入電子のオーバーフローを抑制し高い変換効率を得ることができた。
ここでは位相調整領域230の第2p型クラッド層232のドーピング濃度に特徴的な分布を与えて変換効率を向上させているが、発光領域222側の第1p型クラッド層224についても、例えば図18の特性G(実際には例えば特性G′)のように、活性層から50nm〜250nmの範囲で極大となるような分布を与えることで、発光効率を向上させることができ、上記した位相調整領域230のドーピング濃度分布と併用することで高効率が実現できる。
ただし、上記した位相調整領域230の第2p型クラッド層232のドーピング濃度の分布は発光領域222の濃度分布に依存しないので、発光領域222の構造によらずに上記効果を奏するものである。
また、上記したように発光領域222と位相調整領域230の境界部分の第3p型クラッド層240に、活性層223と導波路層231とが光学的に結合された橋渡部250を残すようにして分離溝251、52を設けているため、領域間の分離抵抗を高くすることができ、発光領域222から位相調整領域230へのリーク電流を大幅に低減しつつ、橋渡部250を導波される光の反射を極めて少なくすることができる。
また、第3p型クラッド層240のドーピングプロファイルは、直列抵抗と導波路損失を決定するため重要である。
発光領域の膜厚方向の直列(シリーズ)抵抗が高いと、モードホップが起こり易い。これは電流注入で生じるジュール熱により屈折率が変化して長波化するために起こる現象である。電流を注入しファブリペロモードの中の一つのモードから隣のモード変わるまでの電流差分をモードホップ電流ΔIhop と呼ぶが、このモードホップ電流ΔIhop が高いほど、一つのモードにおける安定動作の範囲が広くなるため好ましい。
つまりモードホップ電流ΔIhop を高くするためには、ドーピング濃度を高く設定し直列抵抗を下げることが望まれる。その一方、活性層223、導波路層231に近い下層領域(厚さ方向の始点部分)のドーピング濃度を高く設定すると、活性層223と導波路層231近傍の光吸収損失が増加する。
よって、第3p型クラッド層240のドーピングプロファイルは、活性層、導波路層に近い下層領域(厚さ方向の始点部分)では低く設定しつつ、第3p型クラッド層全体の直列抵抗をモードホップが起こりにくい所定範囲になるように調整する必要がある。
その一つのドーピングプロファイルの特性を図19に示す。この特性Hでは、ドーピング濃度を、活性層、導波路層に近い下層領域(厚さ方向の始点部分)から活性層、導波路層から遠い上層領域(厚さ方向の終点部分)に向かって、3.0×1017、8.5×1017、1.8×1018(/cm)と段階的に大きくなるようにしている。この結果、前記直列抵抗値0.5Ωが得られている。経験的に言えばこの直列抵抗としては0.7Ω以下が望ましく、そのためには、厚さ方向の終点におけるドーピング濃度を、1.0×1018(/cm)〜2.5×1018(/cm)の範囲にすればよいことを確認している。
さらに、その層厚tを2μm〜3.2μmの範囲に制限することで、導波路層231の近傍の損失を低減しつつ、発光領域222から位相調整領域230への分離抵抗を1kΩにすることができた。なお、第3p型クラッド層240の層厚tをより小さくすれば分離抵抗をさらに大きくできるが、出射端面のスポットサイズより小さくなってしまい、損失が増加したり、導波できなくなる。また、層厚を3.2μmより大きくすると第3p型クラッド層240の抵抗が減少して領域間の分離抵抗が小さくなってしまうので、上記層厚の範囲が好ましい。
なお、図19において、ドーピング濃度を3段階で大きくしていたが、変化段数は2段でも4段以上でもよく、また、図20の特性H′のように直線的に大きくしてもよく、段階的な変化と直線的変化を併用してもよい。
次に、前記半導体レーザ22の製造方法について説明する。
始めに、図21のように、ドーピング濃度1×1018(/cm)のn型のInPからなる基板121を用意し、その上に、図22のように、MOVPE法により、InGaAsPからなる活性層122を成長形成する、さらにその上に第1p型クラッド層123を積層させる。なお、ここで言う活性層122は、多重量子井戸層(MQW)とそれを挟むSCH層を含むものとする。また、第1p型クラッド層123の厚さは例えば250nmであり、そのドーピング濃度の厚さ方向の分布は一定であってもよいが、前記したようにある範囲で極大となるような分布にして電流供給時の電子のオーバーフロー等を防ぐ構造であってもよい。
次に、図23のように、第1p型クラッド層123の上にSiOまたはSiNxからなる絶縁膜125をプラズマCVD法等により数10nm堆積し、さらにその上にレジスト126を塗布する。
続いて、フォトリソグラフィにより、図24のように、位相調整領域の作製部分のレジストを取り除き、図25のようにエッチング処理により、レジスト126′で覆われていない領域の絶縁膜を除去する。
さらに、図26のように、残っているレジスト126′を剥離して、絶縁膜125′をマスクとするエッチング処理により、図27のように、絶縁膜125′に覆われていない領域の第1n型クラッド層123および活性層122を除去する。ここで、第1n型クラッド層123のInPに対しては例えば塩酸リン酸エッチャント、活性層122に対しては塩酸+過酸化水素+水を用いてエッチング処理する。
次に、図28のように、上記エッチング処理された部分の基板121の上に、InGaAsPからなる導波路層131を、活性層122′と連続するように成長形成し、その上にInPからなる第2p型クラッド層132を第1p型クラッド層123′とほぼ同一高さとなるように積層する。
次に、残った絶縁膜125′を剥離してから、図29のように新たに絶縁膜140を全面に堆積させ、その上にレジスト141を塗布する。
そして、メサ構造を作製するために、図30のようにフォトリソグラフィによりレジスト141の中央部を残し、その両側を除去する。
さらに、一定幅の線状に残ったレジスト141′をマスクとして、図31のように、絶縁膜140の両側をエッチング処理により除去する。
続いて残ったレジスト141′を剥離除去して、絶縁膜140′をマスクとするエッチングを行い、図32のように、断面がほぼ台形状(メサ構造)に連続した活性層122′(223)と導波路層131′(231)と、その上に台形状に連続した第1p型クラッド層123′(224)と第2p型クラッド層132′(232)を形成する。
次に、図33のように、活性層224および導波路層231の両側にp型InPからなる埋め込み層142(242)とn型InPからなる埋め込み層143(243)を形成する。そして、その上に、図34のように、InPからなる第3p型クラッド層145(240)を成長形成し、さらにその上にInGaAsからなるコンタクト層146を形成する。
そして、図35のように、コンタクト層146の上で発光領域222を形成する部分に、Au、Ti、Ptからなる第1の上部電極171を蒸着し、位相調整領域230を形成する部分にも、Au、Ti、Ptからなる第2の上部電極172を蒸着し、さらに、基板121の下面側を研磨してAu、Ge、Ptからなる下部電極173を蒸着する。
そして、最後に、前記した橋渡部250、分離溝251、252を形成するためのエッチング処理を行うことにより、図13に示した半導体レーザ22が完成する。
なお、この処理については詳述しないが、フォトリソグラフィ行程によりレジストをマスクとしてエッチング処理を行うものであり、コンタクト層146に対しては、例えば硫酸系エッチャント(選択エッチャント)を用いて第3p型クラッド層(InP)145(240)をエッチストップ層としてエッチングを行う。また、また、第3p型クラッド層145、各埋め込み層142、143および基板121に対しては、例えば塩酸リン酸エッチャントを用いてエッチングする。これにより、長さ1000μm、幅400μm、厚さ100μmの素子が完成する。
図36に示す半導体レーザ22′の基本構造は前記半導体レーザ22と同じであるが、発光領域側の端面反射成分を抑圧するために、活性層223と第1p型クラッド層224をふくむメサ型の導波路の先端側が素子端面220aに対して非直交状態で斜めに交差するように形成して(言い換えれば、素子端面220aと活性層223を導波する光の光軸線とが非直交状態で交差するようにして)、素子端面での反射成分が活性層223に戻ることを防止している。
また、上記実施形態では、半導体レーザ22として発光領域だけでなく位相調整領域を有するものを用い、その位相調整領域へ供給する電源に対してノイズ信号Nを重畳していたが、位相調整領域の有無に関わらず、半導体レーザ22の発光領域に供給される注入電流Iに対して前記ノイズ重畳回路72によりノイズ信号Nを重畳して、スペクトラム線幅を拡げる構成の波長掃引光源においても、前記実施例と同様にモードホップ検出手段61によりモードホップを検出して、そのモードホップが無くなるようにノイズ振幅制御手段75がノイズ信号発生器71から出力されるノイズ信号Nの振幅を制御することも可能である。
20……波長掃引光源、21……基台、22……半導体レーザ、23……コリメートレンズ、24……固定ミラー、25……回折格子、28……レーザ用電源、30……回動ミラー、31……フレーム、32……反射板、32a……反射面、33、34……連結部、35、36……電極板、37……スペーサ、40……ミラー駆動装置、50……基台、51〜55……支持部材、60……受光器、61……モードホップ検出手段、71……ノイズ信号発生器、72……ノイズ重畳回路、75……ノイズ振幅制御手段、221……基板、222……発光領域、223……活性層、224……第1p型クラッド層、230……位相調整領域、231……導波路層、232……第2p型クラッド層、240……第3p型クラッド層、250……橋渡部、251、252……分離溝、261、262……コンタクト層、271……第1の上部電極、272……第2の上部電極、273……下部電極

Claims (10)

  1. 基台(21)と、
    前記基台上に固定され、少なくとも一方の光出射用の端面が低反射率面の半導体レーザ(22)と、
    前記半導体レーザに電流または電圧を供給するための電源(28)と、
    前記基台上に固定され、前記半導体レーザの前記低反射率面からの出射光を平行光に変換するコリメートレンズ(23)と、
    光を回折するための溝が平行に形成されている回折面(25b)を有し、前記コリメートレンズから出射された光が、前記溝と直交し且つ前記回折面に対して非直交となる所定入射角で所定入射位置に入射される状態で前記基台上に固定された回折格子(25)と、
    前記回折格子の回折面と対向する反射面を有し、前記回折格子の溝と平行で特定位置の軸を中心にして前記回折面と直交する平面内で回動可能に形成され、前記コリメートレンズから出射されて前記回折格子の回折面に入射した光に対する回折光のうち前記反射面に直交する光軸に沿った光を反射して逆光路で前記回折格子に戻し、該戻した光を入射光路と同じ光路で前記コリメートレンズを介して前記半導体レーザへ戻させる回動ミラー(30)とを有し、
    前記回動ミラーの回動中心から前記回折格子の前記所定入射位置までの距離r、前記回動中心から前記反射面を延長した平面までの距離L2、前記半導体レーザの実効共振端面から前記回折格子の所定入射位置に至る光路長L1および前記回折格子の回折面への光入射角αとの間に、
    r=(L1−L2)/sin α
    の関係を成立させて、
    前記回動ミラーの反射面の角度変化に応じて、前記半導体レーザから前記コリメートレンズおよび前記回折格子の回折面を経て前記回動ミラーの反射面に至る共振器長を変化させ、前記半導体レーザが出射する光の波長を所定範囲内で連続的に変化させるリトマン方式外部共振器型の波長掃引光源において、
    前記回動ミラーは、
    前記基台に固定されたフレーム(31)と、該フレームの内側に配置され一面側に前記反射面が形成された反射板(32)と、該反射板の外縁と前記フレームの内縁との間を連結する捩れ変形可能で前記回折格子の溝と平行な一直線上に並ぶ一対の連結部(33、34)とで一体的に形成され、前記反射板に往復回動するための力を周期的に付与する回動駆動手段(35、36、40)により、前記連結部を中心に前記反射板を往復回動させて波長掃引させ、その波長掃引時にモードホップが生じる状態にあっても該モードホップを高い再現性で同一波長に生じさせる回動安定性をもつMEMS構造を有しており、
    さらに、
    瞬時振幅が所定範囲内でランダムに変化する振幅性のノイズ信号を発生するノイズ信号発生器(71)と、
    前記半導体レーザに供給される電流または電圧に前記ノイズ信号を重畳させて出射光のスペクトラム線幅を拡げるノイズ重畳回路(72)と、
    前記基台上に固定され、前記半導体レーザの前記一方の端面と反対の端面から出射される光、または前記半導体レーザから前記回折格子の回折面に入射された光に対する0次回折光のいずれかを受け、該受けた光の強度に応じた電気の信号を出力する受光器(60)と、
    前記回動ミラーの反射板の往復回動により前記半導体レーザの出射光波長が掃引されている間、前記受光器の出力を監視し、モードホップによって生じる前記受光器の出力信号の不連続変化を検出するモードホップ検出手段(61)と、
    前記モードホップ検出手段によって検出された前記受光器の出力信号の不連続変化が無くなるように、前記ノイズ信号の振幅を可変制御するノイズ振幅制御手段(75)にして、当該ノイズ信号の振幅を所定量変化させて、次の波長掃引を行いモードホップを検出するという処理を繰り返して、モードホップが発生しない範囲でノイズ信号の最大の振幅を見つけ、該振幅を保持する半固定制御処理を行うノイズ振幅制御手段とを設けたことを特徴とする波長掃引光源。
  2. 前記半導体レーザは、n型半導体基板(221)と、該n型半導体基板の上に形成された活性層(223)および該活性層の上に積層された第1p型クラッド層(224)を有し、電流注入を受けて光を発し該光を前記活性層に沿って導波させる発光領域(222)を有し、
    前記ノイズ信号は、前記半導体レーザの前記発光領域に供給される注入電流に重畳されることを特徴とする請求項1記載の波長掃引光源。
  3. 前記半導体レーザは、
    n型半導体基板(221)と、該n型半導体基板の上に形成された活性層(223)および該活性層の上に積層された第1p型クラッド層(224)を有し、前記レーザ用電源から供給される注入電流により光を発し該光を前記活性層に沿って導波させる発光領域(222)と、
    前記n型半導体基板上で前記光のエネルギーよりも大きなエネルギーギャップを有し且つ前記発光領域の活性層と光学的に結合された導波路層(231)および該導波路層の上に積層された第2p型クラッド層(232)を有し、前記発光領域からの光に対する屈折率が、前記電源から供給される順方向注入電流または逆バイアス電圧に応じて変化する位相調整領域(230)と含む構造となっており、
    前記ノイズ信号は、前記半導体レーザの前記位相調整領域に供給される順方向注入電流または逆バイアス電圧に重畳されることを特徴とする請求項1記載の波長掃引光源。
  4. 前記半導体レーザの前記位相調整領域の前記導波路層に接する前記第2p型クラッド層の厚さ方向のドーピング濃度が、前記導波路層の上端から所定距離の範囲で極大値をもつように形成したことを特徴とする請求項3記載の波長掃引光源。
  5. 前記所定距離範囲が25〜150nmであることを特徴とする請求項4記載の波長掃引光源。
  6. 前記半導体レーザの前記発光領域の第1p型クラッド層と前記位相調整領域の第2p型クラッド層の上に第3p型クラッド層(240)が形成され、該第3p型クラッド層の前記発光領域と前記位相調整領域との境界部分に所定幅の分離溝(251、252)が形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の波長掃引光源。
  7. 前記第3p型クラッド層の厚さ方向の終点におけるドーピング濃度が厚さ方向の始点におけるドーピング濃度より大きく、且つ1.0×1018(/cm)〜2.5×1018(/cm)の範囲に設定されたことを特徴とする請求項6記載の波長掃引光源。
  8. 前記半導体レーザの前記発光領域の前記第1p型クラッド層の厚さ方向のドーピング濃度が、前記活性層の上端から50〜250nmの範囲内で極大値をもつように形成したことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の波長掃引光源。
  9. 前記半導体レーザの前記発光領域側の素子端面(220a)と前記活性層を導波する光の光軸線との交差角が非直交であることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の波長掃引光源。
  10. 前記コリメートレンズから出射された光を前記基台上に固定された固定ミラー(24)を介して前記回折格子へ入射させる構造で且つ前記半導体レーザ、前記コリメートレンズ、前記固定ミラーおよび前記回折格子が前記回動ミラーの前記反射板の一面側に配置されるようにし、前記半導体レーザから前記固定ミラーを介して前記回折格子に至る光軸が、前記回動ミラーの前記反射板と非交差状態となるようにしたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の波長掃引光源。
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