JP5102721B2 - 携帯型電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、移動電話機,携帯情報端末(PDA),ノートパソコン等の携帯型の電子装置(以下「移動電話機等」)に関する。詳しくは、鞄やポケット等に入れて持ち歩く際等にキーが人体や物体等に触れることで誤動作してしまうことを防止する誤動作防止機能を備えた移動電話機等に関する。
上記の誤動作を防止するための従来の機構もしくは機能としては、例えば、下記の(1)〜(3)が知られている。
(1)所定のキー操作に応じて、キー操作無効モードを設定し、又は、解除する機能。例えば、キー操作有効モードに於いて特定のキーを5秒間押し続けるとキー操作無効モードに切り換え、一方、キー操作無効モードに於いて上記特定のキーを5秒間押し続けるとキー操作有効モードに復帰する機能である。
(2)折り畳み型の移動電話機。折り畳むことで全てのキーをケース体内に収納するようにした機構である。上記(1)と比較すると、キー操作無効モードの設定/解除のための操作が不要であるという利点がある。
(3)一部のキーが折り畳み時にも露出される折り畳み型の移動電話機。常時露出されるキーに関して、キー操作無効モードの設定/解除を、前記(1)と同様に可能とした移動電話機である。
下面側に静電容量感知プレートを設けたキーマットを用いてキーパッドを構成することにより、従来と同様のキー入力機能を持ち、さらに、タッチパッドとしての入力機能をも併せ持たせたユーザインターフェース装置(移動電話機等のユーザインターフェース装置)が開示されている(特許文献1参照)。
特開2002−196856。
前記(1)や(3)の機能では、キー操作無効モードを設定/解除するための操作が余分に必要となるため、設定操作を忘れたために誤動作が生じたり、解除操作をしないまま通常の入力操作を試みてしまう等の不具合がある。
前記(2)の機構は、非折り畳み型の装置には適用できない。また、折り畳み型の装置であっても、折り畳まないままで取り扱うような場合には、誤動作防止機能を発揮できないという不具合がある。
本発明は、移動電話機等に於いて、キー操作無効モードの設定/解除のような余分な操作を必要とせず、また、折り畳み型/非折り畳み型にかかわりなく、確実に誤動作を防止できるようにすることを目的とする。
本発明の構成を、下記[1]に示す。
[1] 操作入力信号に応じて動作する携帯型電子装置であって、
前記携帯型電子装置のケース体の表面又は表面近傍の少なくとも一部に面状に設けられたインピーダンス感知手段と、
前記インピーダンス感知手段で検出された面積が任意に設定された所定領域に於ける指先での接触もしくは近接面積に相当する所定面積範囲内に入るか否かを判定する面積検査手段と、を有し、
前記面積検査手段が同時に機能キーに対応するキートップ文字の表示部位と文字入力キーに対応するキートップ文字の表示部位についてそれぞれが前記所定面積範囲内に入ると判定した場合は当該判定した複数のキートップ文字の表示部位に対応する複数の文字入力信号を生成して前記機能キーに対応する機能入力の下で前記文字入力キーに対応する文字入力処理を行い、前記面積検査手段が前記所定面積内に入ると判定した部位がキートップ
文字の表示部位でない場合は当該判定した部位に対応する位置を示す操作入力信号を生成して表示処理を行うか又は蓄積処理を行うことを特徴とする携帯型電子装置。

インピーダンス感知手段としては、例えば、静電容量感知手段を挙げることができるが、静電容量感知手段に限定されない。抵抗変化を感知する手段等の公知のインピーダンス感知手段を適宜に用いてもよい。静電容量感知手段の一具体例については、実施の形態の項にて詳述する。
インピーダンス感知手段は、携帯型電子装置のケース体の表面又は表面近傍の全部又は一部に面状に設けられる。面状とは、平面形状ばかりでなく、ケース体の表面に沿う等の曲面形状をも含む。インピーダンス感知手段は、プレート状でもよく、可撓性を有するフィルム状でもよい。
所定面積範囲とは、例えば、人の指先程度の面積範囲である。所定面積範囲を人の指先程度の面積範囲とすると、人の指先が接触した場合に入力信号生成手段が操作入力信号を生成するように構成できる。なお、インピーダンス感知手段が静電容量感知手段である場合には、1mm程度まで接近した状態でも、接触した場合と同様の変化が検出される。以下、この場合も含めて「接触」という。
所定面積範囲を具体的にどの程度の面積に設定するかは、例えば、入力信号生成手段が生成する操作入力信号の機能に応じて決めることとする
記の構成に於いて、
複数のキーを有するキーパッドを更に有し、
前記インピーダンス感知手段は、前記キーパッドの下方に設けられた静電容量感知手段である、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
複数のキーは、例えば、携帯型電子装置が移動電話機の場合は、テンキーと少数の機能キーである。インピーダンス感知手段をキーパッドの下方のみに設けてもよく、キーパッドより広く設けてもよい。
インピーダンス感知手段31(32)がキーパッド21(22)の下方に設けられている例を、図4(a)に示す。
記の構成に於いて、
前記入力信号生成手段が操作入力信号を生成している場合にのみ前記キーパッドからのキー入力を有効とするキー入力処理手段を更に有する、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
前記所定面積範囲を人の指先程度の面積範囲とした場合を考える。
指先でキーを押した場合には、前記入力信号生成手段は操作入力信号を生成する。したがって、この場合は、キー入力は有効とされる。
一方、ポケットに入れて運ぶ等していてキーが誤って押されてしまった場合には、前記インピーダンス感知手段が変化を検出する面積は一般に人の指先よりも広いため、前記入力信号生成手段は操作入力信号を生成しない。したがって、この場合にはキー入力は無効とされる。即ち、誤動作が防止される。
記の構成に於いて、更に、
複数のキーを有するキーパッドと、
前記入力信号生成手段が生成する操作入力信号が前記インピーダンス感知手段の所定部位で生じたインピーダンス変化に基づく場合にのみ前記キーパッドからのキー入力を有効とするキー入力処理手段と、
を有することを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
例えば、移動電話機の場合について説明する。
移動電話機には、人が通常の持ち方で持った場合に人指し指・中指・薬指・小指が接触する部位全域に予めインピーダンス感知手段を設けておく。該移動電話機をユーザが購入した時、例えば、該ユーザの小指と中指が接触する各部位を前記所定部位と決めて設定する。すると、当該ユーザは、小指と中指が接触し、且つ、人指し指と薬指が接触しないように持つことにより、キー入力を有効化することができる。即ち、ダイヤル操作等を行うことができる。一方、上記の如く設定した所定部位に関する知識を欠く他人は、当該移動電話機を通常の持ち方で持ってしまうため、キー入力を有効化することができず、したがって、当該電話機を不正に使用することもできない。
前記所定部位の数が増えると、当然ながら、前記所定面積範囲も広い面積の範囲となる。例えば、小指と中指の接触部位を前記所定部位とした場合は、前記所定面積範囲は、指先2本分程度の面積の範囲となる。
記の構成に於いて、
前記インピーダンス感知手段は、前記キーパッドが設けられているケース体の上面部ではなく側面部に設けられている、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
インピーダンス感知手段31(32)が、キーパッド21(22)が設けられているケース体の上面部ではなく側面部に設けられている例を、図4(b)に示す。
記の構成に於いて、
前記所定部位を前記インピーダンス感知手段の1又は2以上の所望の部位に設定するための操作入力手段を更に有する、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
例えば、従前に設定されていた所定部位(=ユーザのみに既知の所定部位)を押しながら所定のキー操作を行うことにより、上記設定を行うためのモードに入るようにした装置である。パスワード変更機能と類似の機能である。
記の構成に於いて、
前記所定部位を前記インピーダンス感知手段の複数の候補部位の中から1又は2以上の部位を選択して設定するための操作入力手段を更に有する、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
記の構成に於いて、
複数のキートップ文字が描かれているキーマットを更に有し、
前記インピーダンス感知手段は前記キーマットの下方に設けられており、
前記キートップ文字が描かれている各部位に対応して生成される操作入力信号は各々当該部位のキートップ文字を指す信号である、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
記の構成に於いて、
前記インピーダンス感知手段には複数のキートップ文字が描かれており、該キートップ文字が描かれている各部位に対応して生成される操作入力信号は各々当該部位のキートップ文字を指す信号である、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
記の構成に於いて、
前記インピーダンス感知手段は、静電容量感知手段である、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
記の構成に於いて、
前記携帯型電子装置は移動電話機である、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
記の構成に於いて、
前記携帯型電子装置は携帯情報端末(PDA)である、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
記の構成に於いて、
前記携帯型電子装置はノートパソコンである、
ことを特徴とする携帯型電子装置としてもよい
前記[1]は、操作入力信号に応じて動作する携帯型電子装置であって、前記携帯型電子装置のケース体の表面又は表面近傍の少なくとも一部に面状に設けられたインピーダンス感知手段と、前記インピーダンス感知手段で検出された面積が任意に設定された所定領域に於ける指先での接触もしくは近接面積に相当する所定面積範囲内に入るか否かを判定する面積検査手段とを有し、前記面積検査手段が同時に機能キーに対応するキートップ文字の表示部位と文字入力キーに対応するキートップ文字の表示部位についてそれぞれが前記所定面積範囲内に入ると判定した場合は当該判定した複数のキートップ文字の表示部位に対応する複数の文字入力信号を生成して前記機能キーに対応する機能入力の下で前記文字入力キーに対応する文字入力処理を行い、前記面積検査手段が前記所定面積内に入ると判定した部位がキートップ文字の表示部位でない場合は当該判定した部位に対応する位置を示す操作入力信号を生成して表示処理を行うか又は蓄積処理を行うことを特徴とする携帯型電子装置であるため、面積検査手段が同時に複数のキートップ文字の部位についてそれぞれが所定面積範囲内に入ると判定した場合は同時複数のキートップ文字入力に対応する処理を行うことができ、判定部位がキートップ文字の部位でない場合はその位置を示すための処理を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の携帯型電子装置を、移動電話機として具体化した実施の形態を説明する。
[A]第1の実施の形態(図1〜図7):
図1は第1の実施の形態の移動電話機の構成を示すブロック図である。図2は第1及び第2の実施の形態の移動電話機の外観図(a)と、外観図(a)内のB−B線部分の主要構成の模式的断面図(b)である。図2内で括弧で示す符号を付記した部材は第1と第2の実施の形態で異なる部材であり、括弧で示す符号が第2の実施の形態の場合である。図3は第1の実施の形態の場合の図2(b)を分解して示す模式的斜視図である。図4はインピーダンス感知手段(静電容量センサ)とキーパッドの位置関係を示し、(a)はキーパッド21の下方にインピーダンス感知手段(静電容量センサ31,32)を設けた例、(b)はキーパッド21,22とは別の部位にインピーダンス感知手段(静電容量センサ31,32)を設けた例を示す。図5〜図7はインピーダンス感知手段(静電容量センサ)による検出結果に応じて操作入力信号を生成等する処理手順を示すフローチャートである。
図2(a)及び図4(a)(b)に例示する移動電話機は、液晶ディスプレイ60、キーパッド20の構成要素であるキーマット21上に設けられたテンキーやファンクションキー21a,21b,,,等のキー群、音声入力装置(マイクロフォン)72、音声出力装置(受話口)71、アンテナ50、等の各種の部材を有し、これらが、ケース内又はケース外に一体に組付けられている。また、不図示のバッテリーが、着脱自在に設けられている。なお、図4(b)では液晶ディスプレイやテンキー等の図示を省略する等、適宜、部材の図示を省略しているが、これは、例えば、図4(b)がキーパッドとインピーダンス感知手段(静電容量センサ)との位置関係の説明を企図する図であるためである。
キーパッド20は、図2(b)及び図3に示すように、キーマット21と可撓性基板22とを有し、該キーマット21と該可撓性基板22との間に、インピーダンス感知手段の具体例である静電容量センサ30(31,32)が挟み込まれて、接着層11,13により接着されている。なお、図2(b)や図3に示す構成は、図4(a)の如くキーパッドの下に静電容量センサを設ける場合の一構成を例示するものであり、キーパッドが無い構成や、キーパッドとは別の部位に静電容量センサを設ける構成では、図2(b)や図3に示す構成とは異なる構成を採用する。また、図4(a)の如くキーパッドの下に静電容量センサを設ける場合であっても、必ずしも図2(b)や図3のように構成する必要は無く、キーパッドの下に静電容量センサを位置させ得る構成であれば、適宜に採用してよいことは勿論である。また、キーマット21と可撓性基板22との間に静電容量センサを挟み込む場合についても、接着層11,13を必ずしも介在させる必要はなく、キーマット21と可撓性基板22との間に静電容量センサを挟み込み得る構成を、適宜に採用してよいことは勿論である。
キーマット21の上面には、図3に示すように、テンキー21a,21b,,,やファンクションキー等のキー群が設けられており、これらのキー群に対応付けて、可撓性基板上にそれぞれ金属コンタクト22a,22b,,,が設けられている。ユーザが所望のキーを押圧すると、該キーに加えた押圧力が静電容量センサ30(31,32)を介して直下位置の金属コンタクトに伝わり、これにより、当該金属コンタクトが、電気信号をキーパッドインターフェース回路201へ出力する。即ち、キーの押圧が検出される。
キー押下時のクリック感(金属ノック感)を出すために、テンキー21a,21b等の各キーの下部中央部分に突起を設けるとともに、中間に位置する静電容量センサ31,32等の対応部位に穴をあけておき、上記突起を金属コンタクト22a,22b等まで貫通させるように構成してもよい。
静電容量センサ30は、第1プレート31と第2プレート32から成り、接着層12により接着されて一体化されている。両プレート31,32にはそれぞれストライプ状の電極(例:ITO電極)が形成されており、このストライプ状の電極が直交方向を成すように(=グリッド状を成すように)、第1プレート31と第2プレート32が設けられる。指先等の人体の部位が接触(又は近接)すると、該接触(又は近接)部位付近の第1プレート31の電極と、第2プレート32の電極との間の静電容量が変化し、これが、静電容量インターフェース301へ出力される。即ち、静電容量の変化が検出される。なお、かかる構成は静電容量センサの一例を示すものであり、上記以外の他の構成の静電容量センサであっても、適宜に採用してよいことは勿論である。
本移動電話機の回路は、図1に示すように、音声入力装置72から入力される電気信号(音声信号)を符号化して無線インターフェース回路82へ与えるとともに、無線インターフェース回路82から与えられるデータ(音声データ等;音声データ以外のデータについては説明を省略する)を復号して電気信号(音声信号)として音声出力装置71へ出力することにより音声を出力させるコーデック回路81と、コーデック回路81から与えられるデータを電気信号に変換してアンテナ50から出力するとともに、アンテナ50にて受信された電気信号をデータ(音声データ等;音声データ以外のデータについては説明を省略する)に変換してコーデック回路81へ出力する無線インターフェース回路82と、コーデック回路81や無線インターフェース回路82の動作を制御等するコントローラ83と、コントローラ83が必要に応じて使用するメモリ84を有する。コーデック回路81、無線インターフェース回路82、コントローラ83、メモリ84により、従来公知の移動電話機回路80が構成される。
コントローラ83には、上記コーデック回路81や無線インターフェース回路82以外に、キーパッド20のキー21a,21b,,,の押圧によって生成された電気信号(押圧検出信号)が、キーパッドインターフェース回路201でデータ(押圧検出データ)に変換されて、入力される。また、コントローラ83には、人体の接触(又は近接)に応じて静電容量センサ30にて検出された静電容量の変化が、静電容量センサインターフェース回路301でデータに変換されて入力される。
以下、これらの入力の処理を、フローチャートを参照して説明する。
(1)図5のフローチャート:
静電容量センサ30からのデータを取り入れるタイミングになると(S01でYES)、該静電容量センサ30からの検出データを取り込み(S02)、静電容量センサ30で検出された面積(人体等の接触もしくは近接により静電容量の変化が検出された面積)が、所定範囲(図示の例では所定値a以上で、且つ、所定値b以下)内に入るか否かチェックする(S03)。
その結果、所定範囲内に入る場合は(S03でYES)、操作入力信号を生成する(S05)。一方、所定範囲を外れている場合は(S03でNO)、操作入力信号を生成しない(S07)。なお、本明細書中で「操作入力信号」とは、静電容量センサ30での検出に対応する操作入力信号の意味であり、キーの押圧に対応する信号は含まない。
次に、操作入力信号が生成されているか否かチェックし(S11)、生成されている場合は(S11でYES)、該操作入力信号に応じた処理を実行する(S21)。このステップS21の処理(操作入力信号に応じた処理)は、予め決めてあるものとする。この処理としては、例えば、キー入力を有効/無効にする処理(図6,図7参照)や、静電容量変化の検出部位(検出した領域内の例えば重心位置)を、液晶ディスプレイ60上にポインタで示したり、又は軌跡の構成要素(座標)として蓄積(プロット)等したりする処理(図10参照)を挙げることができる。
上記のように処理が行われる結果、ユーザは、静電容量センサ30が設けられている領域内の何れかの部位に、指先等のような所定面積で接触している場合にのみ、有効に入力を行うことができる。換言すれば、移動電話機をポケット等に入れている時等には、静電容量センサ30の大部分が衣服等との接触状態となるのであるが、その場合には、静電容量センサ30による検出面積が前記bを越えてしまうため操作入力信号は生成されず、したがって、操作入力信号に応じて実行されるべき処理(S21)も行われない。即ち、誤動作が防止される。
(2)図6のフローチャート:
ステップS01〜S11は、前記図5と同じである。なお、閾値a,bは、図5の場合と同じでも良く、異なっていてもよい。
図6では、操作入力信号が生成されている場合に(S11でYES)、キー入力を有効にする(S31)。また、操作入力信号が生成されていない場合は(S11でNO)、キー入力を無効にする(S33)。
したがって、ユーザは、静電容量センサ30が設けられている領域内の何れかの部位に、指先等のような所定面積で接触している場合にのみ、有効にキー入力を行うことができる。例えば、キーパッド20の下方に静電容量センサ30を配した構成では、キーを指先等(所定面積)で押圧した場合には当該キー入力は有効とされるのであるが、ポケットに入れている時等にいくつかのキーが誤って押されてしまったような場合には、静電容量センサ30による検出面積が前記bを越えてしまうため操作入力信号は生成されず、したがって、当該キー入力も無効とされる。即ち、誤動作が防止される。
(3)図7のフローチャート:
ステップS01〜S11、及び、ステップS31〜S33は、前記図6と同じである。なお、閾値a,bは、図5或いは図6の場合と同じでも良く、異なっていてもよい。
図7では、操作入力信号が生成されており(S11でYES)、且つ、該操作入力信号が静電容量式センサ30の所定部位での静電容量変化の検出に基づくものである場合に(S13でYES)、キー入力を有効にする(S31)。
操作入力信号が生成されていない場合や(S11でNO)、操作入力信号が生成されている場合でも(S11でYES)、該操作入力信号が所定部位での静電容量変化の検出に基づくものでない場合には(S13でNO)、キー入力を無効にする(S33)。
図7のフローチャートは、静電容量センサ30が設けられている領域内の特定の部位に、指先等のような所定面積で接触している場合にのみ、有効にキー入力を行い得るようにしたものである。例えば、ユーザの小指と中指が接触する部位を上記特定の部位(前記所定部位)として予め設定しておくことにより、該ユーザの小指と中指が静電容量センサ30に接触しており、且つ、親指と人指し指と薬指が静電容量センサ30から離れている場合にのみキー入力が有効となるようにしたものである。
上記特定の部位(=前記所定部位)は、工場出荷時前に移動電話機毎に決めておいてもよいが、ユーザが購入時に適宜に決めるようにしてもよい。また、その場合、1又は2以上の任意の部位を上記特定の部位として決めるように構成してもよく、いくつかの候補部位の中から1又は2以上の所望の部位を選択するように構成してもよい。所望の部位を特定の部位として決めたり、複数の候補の中から所望の部位を選択する処理は公知であるため、説明は省略する。
[B]第2の実施の形態(図2,図8〜図10):
第1の実施の形態の移動電話機はキーを備えたキーパッドと静電容量センサとを有する構成であったが、第2の実施の形態の移動電話機はキーを備えたキーパッドを持たず、代わりに、キートップと同様の文字が描かれたキーマットを有する。以下、第1の実施の形態と異なる構成を説明し、第1の実施の形態と同じ構成については図内に同じ符号を付して示し、説明は省略する。
図8は第2の実施の形態の移動電話機の構成を示すブロック図である。図2は第1及び第2の実施の形態の移動電話機の外観図(a)と、外観図(a)内のB−B線部分の主要構成の模式的断面図(b)である。図2内で括弧で示す符号を付記した部材は第1と第2の実施の形態で異なる部材であり、括弧で示す符号が第2の実施の形態の場合である。図9は第2の実施の形態の場合の図2(b)を分解して示す模式的斜視図である。図10はインピーダンス感知手段(静電容量センサ)による検出結果に応じて操作入力信号を生成等する処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、第2の実施の形態の移動電話機にはキーを備えたキーパッドが無く、キーパッドに代えて、キートップ文字210a,210b,,,等が描かれたキーマット210が設けられている。また、キーを持たないため、当然ながら、可撓性基板220上にも金属コンタクトは無く、したがって、可撓性基板220から電気信号を取り出すための回路も無い(図8参照)。
図10のフローチャートを参照して説明する。
ステップS01〜S11は、第1の実施の形態の図5のフローチャートと同じである。なお、閾値a,bは、図5〜図7の何れかの場合と同じでも良く、何れとも異なっていてもよい。
図10では、操作入力信号が生成されている場合には(S11でYES)、該操作入力信号が生成されるに至ったセンサ検出信号の検出部位応じて決まる処理が行われる。
例えば、「5」というキートップ文字が描かれている部位でセンサが人体の接触を検出していた場合には、「5」という数値入力が行われたものとして処理される。また、「F」というキートップ文字が描かれている部位と「5」というキートップ文字が描かれている部位とで同時にセンサが人体の接触を検出していた場合には、「F」という機能入力の下で「5」という数値入力が行われたものとして処理される。なお、後者のように処理を行い得るようにするためには、閾値a,bを、そのように定める必要がある。
一方、キートップ文字が描かれていない領域でセンサが人体の接触を検出していた場合のステップS41の処理としては、例えば、静電容量変化の検出部位(検出した領域内の例えば重心位置)を、液晶ディスプレイ60上にポインタで示したり、又は軌跡の構成要素(座標)として蓄積(プロット)等したりする処理を挙げることができる。
上記のように処理が行われる結果、ユーザは、静電容量センサ30が設けられている領域内の何れかの部位に、指先等のような所定面積で接触している場合にのみ、有効に入力を行うことができる。換言すれば、移動電話機をポケット等に入れている時等には、静電容量センサ30の大部分が衣服等との接触状態となるのであるが、その場合には、静電容量センサ30による検出面積が前記bを越えてしまうため操作入力信号は生成されず、したがって、操作入力信号に応じて実行されるべき処理(S41)も行われない。即ち、誤動作が防止される。
上述の第1と第2の実施の形態は、何れも、本発明を移動電話機として具体化した例であるが、本発明は移動電話機に限定されず、例えば、携帯情報端末(PDA)や、ノートパソコン等の携帯型電子装置についても、上記と同様に適用することができる。
実施の形態の移動電話機の構成を示すブロック図。 第1及び第2の実施の形態の移動電話機の外観図(a)と、外観図(a)内のB−B一点鎖線部の主要構成部分の模式的断面図(b)。 第1の実施の形態の場合の図2(b)を分解して示す模式的斜視図。 静電容量センサ30(31,32)とキーパッド20(21,22)の位置関係を示し、(a)はキーパッド20(21,22)の下方位置に静電容量センサ30(31,32)を設けた例、(b)はキーパッド20(21,22)と別の部位に静電容量センサ30(31,32)を設けた例を示す。 静電容量センサ30(31,32)による検出結果に応じて操作入力信号を生成等する処理手順を例示するフローチャート。 静電容量センサ30(31,32)による検出結果に応じて操作入力信号を生成等する図5と異なる処理手順を例示するフローチャート。 静電容量センサ30(31,32)による検出結果に応じて操作入力信号を生成等する図5及び図6と異なる処理手順を例示するフローチャート。 第2の実施の形態の移動電話機の構成を示すブロック図。 第2の実施の形態の場合の図2(b)を分解して示す模式的斜視図。 静電容量センサ30(31,32)による検出結果に応じて操作入力信号を生成等する処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
20 キーパッド
21 キーパッドのキーマット
22 キーパッドの可撓性基板
21a,21b キー
22a,22b 金属コンタクト
30 静電容量センサ(インピーダンス感知手段)
31 静電容量センサの第1プレート
32 静電容量センサの第2プレート
11,12,13 接着層

Claims (1)

  1. 操作入力信号に応じて動作する携帯型電子装置であって、
    前記携帯型電子装置のケース体の表面又は表面近傍の少なくとも一部に面状に設けられたインピーダンス感知手段と、
    前記インピーダンス感知手段で検出された面積が任意に設定された所定領域に於ける指先での接触もしくは近接面積に相当する所定面積範囲内に入るか否かを判定する面積検査手段と、を有し、
    前記面積検査手段が同時に機能キーに対応するキートップ文字の表示部位と文字入力キーに対応するキートップ文字の表示部位についてそれぞれが前記所定面積範囲内に入ると判定した場合は当該判定した複数のキートップ文字の表示部位に対応する複数の文字入力信号を生成して前記機能キーに対応する機能入力の下で前記文字入力キーに対応する文字入力処理を行い、前記面積検査手段が前記所定面積内に入ると判定した部位がキートップ文字の表示部位でない場合は当該判定した部位に対応する位置を示す操作入力信号を生成して表示処理を行うか又は蓄積処理を行うことを特徴とする携帯型電子装置。
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