JP5102097B2 - 樹脂製飲料用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、輸送時や自動販売機での座屈、へこみ等の変形が抑制された飲料用樹脂性容器に関する。
二軸延伸ブロー成形等によって成形されるポリエチレンレテフタレート樹脂製ボトル(所謂、PETボトルといわれている。)をはじめとする合成樹脂製の容器は、比較的簡易な手法で大量に生産することが可能であり、ガラス製の容器と比較して軽量で、取り扱いが容易であることから、飲料等を充填する容器として多用されている。
このような樹脂製容器は、それに使用される樹脂量を極力抑えながらも、所定の形状を保ち、かつ、倉庫保管時において数段以上に積み上げられてもその垂直方向の荷重の負荷によって容易に座屈することが無いように、容器の胴体部分には、剛性を向上させるための縦リブや横リブ等の凹凸が補強構造として付与されている。
例えば、胴体部分を上下で少なくとも2つに区分するウエストを有し、該ウエストにハンドリング用の区画凹所を設け、前記区画凹所と胴体部分の相互に区画凹所の底壁から胴体部分の外表面に向かって段部を段階状に連ねた段差部を設けた合成樹脂製ボトル型容器の提案がある(特許文献1を参照。)。この容器は、容器の胴体部分に不用意に負荷される外力によって生じる変形や胴体部分を把持して内容物を注出するハンドリングの際に生じる変形を確実に復元させようとするものである。
また、容器の胴体部分を極めて肉薄に形成して、胴壁部に四角形をした凹部を対向する一対の角部が上下方向となるように形成すると共に、該凹部を縦方向と周方向に略格子状に整列せしめて形成してなる極薄肉の中空容器の提案がある(特許文献2を参照。)。この容器は、上下方向の外力に対して座屈しにくいと共に、使用済みとなれば押し潰して小さく圧縮できる。
また、肉薄容器の胴体部に四角形の凹部を胴壁部に上下左右方向にそれぞれ等間隔に配列させ、かつ、各凹部の周縁には胴部外接面につながる傾斜壁を設けたポリエステル壜の胴部構造の提案がある(特許文献3を参照。)。
さらに、高温内容物を充填する際の陽圧と冷却後の減圧とを緩和することを目的として、陽圧時には過剰な突出を抑制し、減圧時には元の状態に復元してから更にボトル内側に凹んで減圧を吸収する構造の減圧吸収パネルを備えたプラスチックボトルの提案がある(特許文献4を参照。)。
特開2004‐292039号公報 特開2001‐301729号公報 実開昭53‐25855号公報 特開2007‐186225号公報
特許文献1〜4で記載されているように、樹脂製容器の胴壁部に各種凹部を設けて強度補強を行なっているのが現状である。
ところで、飲料製品は、店頭での陳列販売のみならず、自動販売機にて販売されている。自動販売機は、定期的に巡回によって商品が補充されるが、品切れを防止するため、その内部に商品がストックされている。このとき、商品は横倒しされ、かつ、積み上げられた状態で待機され、下側の商品から順に販売されていく。したがって、商品が自動販売機に入れられるまでは、物流時若しくは保管時において積み上げによる垂直方向の荷重の負荷に対して、座屈しないことが要求され、自動販売機に詰められた後は、胴部の側面に対して略垂直の荷重の負荷がかかることによる耐潰れ性が要求される。
また、自動販売機で販売される飲料製品は、店頭の陳列棚の高さよりも自動販売機の収容空間の高さ(自動販売機に飲料製品をストックする際には、容器を横倒しするため、実際には収容空間の横幅に相当する。)が低いために、自動販売機の収容空間の高さに合わせた容器が使用される。つまり、店頭の陳列棚には、店頭陳列用の容器を使った飲料製品と自動販売機用の容器を使った飲料製品の両方を並べることが可能であるが、自動販売機では、丈の高い店頭陳列用の容器を使った飲料製品を入れることができない。さらに、容器の胴径については、店頭の陳列棚で販売される飲料製品では厳格な制限はないが、自動販売機では、収容空間の大きさの制限を受ける。このように、自動販売機で販売される飲料製品の容器は、高さと胴径の制限があるため、自動販売機用の容器が使われている。
ここで、1〜2リットルの大型容器を販売することに対応した自動販売機はあるが、自動販売機内にストックできる本数が少ないため、店舗から離れた場所に設置されていると、他の小型容器を用いた飲料製品と同程度の頻度での巡回では販売管理することが難しい。また、1リットルを超える容器では、開栓時に飲みきるには量が多すぎ、携帯する場合にも重くてかさばるという問題点があった。一方、従来の充填液量500mlまでの容器を用いた製品では、大容量のニーズに応えられない場合があり、500mlを超え、1リットル未満の容量の容器が求められている。
そこで、充填液量500mlを超える容量を満足するためには、容器の大型化が必要であるが、自動販売機における前記高さと胴径の制限を受け入れつつ、垂直方向の荷重の負荷に対する耐座屈性と、胴部の側面における耐潰れ性を充分に付与する必要がある。ここで、容器を大型化させたとしても強度を確保するために容器の樹脂使用量を増やすことは経済面及び環境面から望ましくなく、500ml容器用のプリフォームから大容量容器を形成することが望まれる。すなわち、容量あたりを基準として、容器を軽量化しつつ、強度も確保することが求められる。
なお、従来の自動販売機や冷・温蔵庫等の陳列棚を改造して、収容空間の高さ又は幅を変更することも可能ではあるが、その手間と管理を考慮すると、これらの改造なしに対応できる大容量容器が望まれる。
特許文献1又は4の技術では、容器の凹み部分が大きく、十分な容器の容積を確保することができない。特許文献4の技術では、凹部分の深さを減らし胴部の直径を調整することによって、容器の容積をある程度確保することは可能であるが、自動販売機用の容器として胴部の側面における耐潰れ性がない。また、特許文献2又は3の胴部構造では、凹部の深さを減らし胴部の直径を調整することによって、容器の容積をある程度確保することは可能であるが、自動販売機用の容器として胴部の側面における耐潰れ性がなく、かつ、潰れに対して復元性が弱く、また、当該文献の凹部では減圧吸収力がないという欠点があった。
本発明では、従来の自動販売機や冷・温蔵庫等の陳列棚の改造無しに、従来の充填液量500ml飲料用容器の自動販売機での販売や販売管理が可能で、500ml容器用のプリフォームから形成することができ、従来容器よりも肉厚が薄くなるにも関わらず、十分な容器強度を有する500mlを超えることが可能な容器を提案することを目的とする。
本発明者は、樹脂製飲料用容器において、輸送時において縦方向の荷重の負荷がかけられたときの耐座屈性と自動販売機にストックされているときにおいて横方向の荷重の負荷がかけられたときの耐潰れ性を確保するため、基本強度を確保する部位と、減圧吸収を確保する部位と、容量確保兼応力分散をする部位とをバランスよくもたせることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る樹脂製飲料用容器は、熱可塑性合成樹脂をブロー成形して得られ、飲み口となる口部と、該口部から拡径した肩部と、胴部と、底部とが順に連接されてなる円筒状の形状を有する樹脂製飲料用容器において、前記胴部は、減圧吸収パネルを配した減圧吸収部位と容量確保兼応力分散用部位とを有し、前記胴部の側壁は、少なくとも、前記肩部と前記胴部との境界と、前記減圧吸収部位と前記容量確保兼応力分散用部位との境界と、前記胴部と前記底部との境界とに、円筒の周方向に沿って凹条のリブを有し、かつ、前記容量確保兼応力分散用部位は、側壁に、凹部と、該凹部を中心として該凹部を囲む位置に交互に配置された凹部及び平坦部とを繰り返し単位とし、かつ、前記凹部同士はそれぞれつながっていない凹部−平坦部複合構造を有することを特徴とする。ここで、本発明に係る樹脂製飲料用容器は、自動販売機で販売される飲料製品用容器である場合が含まれる。
本発明に係る樹脂製飲料用容器には、満注容積が525〜650mlであり、前記熱可塑性合成樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂であり、樹脂使用量が16〜23gである形態が含まれる。本発明は、従来から用いられている500ml容器用のプリフォーム又はこれよりもさらに軽量化したプリフォームを用いて形成された、満注容積が525〜650mlの大容量容器である場合が含まれる。
本発明に係る樹脂製飲料用容器では、前記胴部の最大径Aと最小径Bとの比B/Aが0.92〜1であることが好ましい。容器胴部を寸胴としても、上記の3つの部位があることによって耐座屈性と耐潰れ性とが付与されており、同時に満注容積を多くすることが出来る。
本発明に係る樹脂製飲料用容器では、前記肩部の表面は、水平面を基準として、50〜70°の傾斜面となっていることが好ましい。縦方向の荷重の負荷がかけられたときの耐座屈性が得られやすい。
ボトルの基本強度を確保する部位、減圧吸収確保を主目的とする部位及び容量確保兼応力分散を主目的とする部位をバランスよく配置することによって、従来の充填液量500ml容器よりも肉薄の状態で、輸送・保管時の座屈、自販機でのストック時のつぶれ、冷蔵した場合の減圧変形等の容器変形を効果的に抑制することができた。すなわち、500ml容器用のプリフォームから500mlを超える樹脂製飲料用容器を形成することができ、従来容器よりも肉厚が薄くなるにも関わらず、十分な容器強度が確保されている。そして、従来の自動販売機や冷・温蔵庫等の陳列棚の改造無しに、従来の500ml飲料用容器の自動販売機での販売や販売管理を可能とできた。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
図1は、本実施形態に係る樹脂製飲料用容器の一形態を示す概略図であり、側面の正面視図である。図1に示すように、本実施形態に係る樹脂製飲料用容器100は、熱可塑性合成樹脂をブロー成形して得られ、飲み口となる口部1と、口部1から拡径した肩部2と、胴部3と、底部6とが順に連接されてなる円筒状の形状を有する。ここで本実施形態に係る樹脂製飲料用容器は、店頭陳列によって販売される飲料製品の容器であってもよいが、主として、自動販売機で販売される飲料製品用の樹脂製飲料用容器を対象とする。そして、胴部3は、減圧吸収パネル10を配した減圧吸収部位4と、容器設計において容器容積の最終調整部位となり、かつ、縦及び横方向からの応力を分散させる部位となる容量確保兼応力分散用部位5とを有する。また胴部3の側壁は、少なくとも、肩部2と胴部3との境界と、減圧吸収部位4と容量確保兼応力分散用部位5との境界と、胴部3と底部6との境界とに、円筒の周方向に沿って凹条のリブ7,8,9を有している。さらに容量確保兼応力分散用部位5は、その側壁に、凹部21と、凹部21を中心として凹部21を囲む位置に交互に配置された凹部22,24,26,28及び平坦部23,25,27,29とを繰り返し単位とし、かつ、凹部同士21,22,24,26,28はそれぞれつながっていない凹部−平坦部複合構造30を有する。
樹脂製飲料用容器100を成形する熱可塑性合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、シクロオレフィンコポリマ樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ‐4‐メチルペンテン‐1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、又は、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂を例示することができる。この中で、PET樹脂が好ましい。これらの樹脂を用いて、一般的なブロー成形、例えば二軸延伸ブロー成形によって樹脂製飲料用容器100を成形する。
樹脂製飲料用容器100は、図1に示すように、大きく分類すると、飲み口となる口部1と、口部1から拡径した肩部2と、胴部3と、底部6とが順に連接されてなる円筒状の形状を有している。口部1には、ネックサポートリング11とキャップを装着するためのネジ部12が設けられている。樹脂製飲料用容器100は、主として、充填前に飲料とボトルを別々に殺菌し、無菌室内で、常温で充填後、殺菌したキャップで密封する方式(アセプティック充填)が採られるアセプティック充填用ボトルであり、非耐熱型ボトルである。そして、自動販売機で販売される飲料製品用の樹脂製飲料用容器とするために、樹脂製飲料用容器は、輸送時において縦方向の荷重の負荷がかけられたときの耐座屈性と自動販売機にストックされているときにおいて横方向の荷重の負荷がかけられたときの耐潰れ性の両方が必要とされる。さらにこの樹脂製飲料用容器は、自動販売機にストックされるため、ストック用の収容空間に収まる必要がある。このため、高さ207mm、胴径69mmをそれぞれの上限とした上で、満注容積を525ml以上、好ましくは、525mlを超えて650ml以下、より好ましくは、540〜625mlとなるよう設計される。このとき、プリフォーム(例えばPET樹脂製)を16〜23gとすることが望まれる。現状の500ml容器用のプリフォームの重さは、略23gであり、少なくともこれと同じか、或いはさらに軽量のプリフォームを用いることが好ましい。現状では略23gのプリフォームを用いて500mlのPETボトル(満注容積525ml)を得ているため、このプリフォームを用いて例えば満注容積625mlのPETボトルを成形すれば、約25%(23gのプリフォームを用いて得た500mlのPETボトルを基準として、グラムあたりの製品液量(ml/g)で比較した場合)の軽量化を達成することとなる。さらに16gのプリフォームを用いて例えば満注容積625mlのPETボトルを成形すれば同様の比較で、約80%の軽量化を達成することができる。このように軽量化を図る場合、容器が当然薄肉化されるため、前記耐座屈性と耐潰れ性の低下が見込まれる。そこで、本実施形態に係る樹脂製飲料用容器では、基本強度を確保する部位と、減圧吸収を確保する部位と、容量確保し、応力を分散させる部位とをバランスよくもたせる。以下、順に説明する。
基本強度を確保する部位としては、まず肩部2がある。ここで、耐座屈性を最大化するために、肩部2の表面は、水平面を基準として、50〜70°の傾斜面、好ましくは55〜65°の傾斜面、さらに具体的には60°の傾斜面とする。傾斜面の角度が70°を超えると、容量確保が困難になる。一方、傾斜面の角度が50°未満であると、耐座屈性が低下する。なお、図1において、肩部2の表面が水平面を基準としてなす角度をαとして表記した。
基本強度を確保する部位としては、円筒の周方向に沿って設けた凹条(リブ)がある。凹条のリブは、垂直荷重の負荷がかかったときに適度にたわむ箇所となって応力を吸収し、一方、横方向の押し潰しの荷重の負荷がかかったときには、当該荷重の負荷を支える箇所の一つとなる。本実施形態に係る樹脂製飲料用容器では、胴部3の側壁に、少なくとも、肩部2と胴部3との境界に、円筒の周方向に沿って凹条のリブ7を設ける。また、減圧吸収部位4と容量確保兼応力分散用部位5との境界に円筒の周方向に沿って凹条のリブ8を設ける。さらに、胴部3と底部6との境界に円筒の周方向に沿って凹条のリブ9を設ける。凹条のリブ7,8,9は、円筒の周方向に沿って全周にわたって環状に設ける形態、又は一部に設ける形態(つまり断片環状形態)のいずれでもよいが、全周にわたって環状に設ける形態が耐潰れ性を維持する上で好ましい。図1に係る樹脂製飲料用容器100では、凹条のリブを3本設けた形態を示したが、1箇所のリブについてもう1本リブを隣り合わせに並べて4本としても良い。しかし、5本以上すると、垂直荷重の負荷がかかったときにたわみ過ぎて(垂直方向に縮む)、耐座屈性が低下しやすいため、凹条のリブは3〜4本が好ましく、3本がより好ましい。一方、凹条のリブが2本以下では、耐潰れ性が充分でない。また、凹条のリブは、略等間隔で設けることが好ましい。例えば、リブ間隔の一つの長さを1とすると、他のリブ間隔を1±0.1の割合の長さとすることが好ましい。リブ間隔を略等間隔とすることによって、減圧吸収部位4と容量確保兼応力分散部位5とは略同高さとなる。ここで、減圧吸収部位4の高さが大きくなり、容量確保兼応力分散部位5の高さが小さくなると、減圧吸収能力は大きくなる一方、容器の満注容積が小さくなる。一方、減圧吸収部位4の高さが小さくなり、容量確保兼応力分散部位5の高さが大きくなると、容器の満注容積が大きくできるが減圧吸収能力は不足する。したがって、減圧吸収部位4と容量確保兼応力分散部位5とを略同高さとすれば、減圧吸収能力を確保しつつ、容器の満注容積を大きくでき、バランスがよい。
図1に係る樹脂製飲料用容器100では、胴部3において、上から減圧吸収部位4、容量確保兼応力分散用部位5の順に縦列させているが、上から容量確保兼応力分散用部位5、減圧吸収部位4の順に縦列させてもよい。
減圧吸収部位4は、減圧吸収パネル10を胴部3の周方向に並列させた状態で有している。減圧吸収パネル10は、窪み底面の面積が大きい窪み形状をしている。窪みの底面は円筒側面に沿った曲面とするか、或いは、図2に示すように窪みの底面から胴部3の壁面を超えない範囲で再度凸面形状を設けてもよい。図2は、図1のA‐A断面図であり、減圧吸収パネルの断面形状の一形態を示している。減圧吸収パネル10はいずれにしても減圧吸収パネル10によって陽圧時には過剰な突出を抑制し、減圧時には元の状態に復元してから更にボトル内側に凹んで減圧を吸収する構造であればよい。ここで図1に係る樹脂製飲料用容器100では、減圧吸収パネル10の高さは減圧吸収部位4の高さの約75%に相当する。また、周方向には、8個の減圧吸収パネル10が並列して設けられている。本実施形態に係る樹脂製飲料用容器では、減圧吸収パネル10の高さを減圧吸収部位4の高さの70〜80%とし、周方向には、6〜8個の減圧吸収パネルを並列して設けることが好ましい。減圧吸収パネル10の高さを減圧吸収部位4の高さの70〜80%とすると、容器の高さ方向について減圧吸収パネル10を1段しか設けることができないが、当該割合を50%未満として減圧吸収パネル10を2段以上設けると、減圧吸収能力が劣る。また、周方向に5個以下の減圧吸収パネルを並列して設けると、円筒形状を維持できず、多角筒型の容器形状となる。一方、周方向に9個以上の減圧吸収パネルを並列して設けると、減圧吸収能力が劣り、かつ、容器の満注容積が少なくなる。
容量確保兼応力分散部位5は、限られた胴径で必要な満注容積を確保する部位であり、容器形状設計において、容量確保兼応力分散部位5にて容積を最終調整する。満注容積を単に最大化するには完全な円筒形状、すなわち容器主軸の横断面における形状を円形とする。しかし、この場合、横方向からの荷重の負荷に対して耐潰れ性がほとんどない。したがって、自動販売機用の容器としては不適当である。そこで、本実施形態に係る樹脂製飲料用容器では、例えば図1で示すように、容量確保兼応力分散用部位5には凹部−平坦部複合構造30を設ける。凹部−平坦部複合構造30を設けることで容量確保兼応力分散部位5は縦及び横方向からの応力を分散させる部位を兼ねることとなる。凹部−平坦部複合構造30では、側壁に、凹部21と、凹部21を中心として凹部21を囲む位置に、凹部22、平坦部23、凹部24、平坦部25、凹部26、平坦部27、凹部28、平坦部29のように交互に配置された周辺の凹部及び平坦部との組み合わせを繰り返し単位とする。なお、この繰り返し単位の設定は、凹部と平坦部を一部重複して行なうことができる。したがって、例えば図1において、正面の上から1〜3段を繰り返し単位として設定したが、正面の上から2〜4段を繰り返し単位として設定することも許容される。さらに凹部−平坦部複合構造30において、凹部同士21,22,24,26,28はそれぞれつながっていない。後述するように、応力を分散させるためである。なお、凹部の周縁は金型の作製及び成形性を考慮して傾斜面とすることが好ましい。
また、図1では、凹部の形状を正面視で正方形としたが、長方形、三角形若しくは五角形以上の多角形としてもよい。図3に凹部−平坦部複合構造の繰り返し単位の他形態を示した。図3(a)は凹部−平坦部複合構造44において、凹部が正面視で円形であり、一つの凹部31の周りを6個の凹部32,34,36,38,40,42と6個の平坦部33,35,37,39,41,43とが交互に取り囲んでいる場合、(b)は凹部−平坦部複合構造60において、凹部が正面視で五角形又は六角形であり、一つの凹部51(五角形)の周りを4個の凹部52,54,56,58(六角形)と4個の平坦部53,55,57,59とが交互に取り囲んでいる場合を示した。
減圧吸収部位4を設けているため、容量確保兼応力分散部位5における凹部は減圧吸収能力を持つ必要はなく、凹部の各大きさは減圧吸収パネル10よりも小さいことが好ましい。例えば、容量確保兼応力分散部位5の高さ方向について、凹部を三段以上設けることが好ましい。図1では凹部を五段設けた場合を示している。このように、凹部の各高さは容量確保兼応力分散部位5の高さの10〜30%とすることが好ましい。凹部の横方向の長さは、例えば凹部の高さを1とした場合、凹部の横方向の長さを0.5〜2の長さとすることが好ましく、その凹部の各高さと略同じとなる0.9〜1.1とすることがより好ましい。ここで容量確保兼応力分散部位5における凹部は、具体的には、容器の満注容積を所望量に最終的に調節する手段として用いられ、凹部底面の面積、凹部の深さ及び凹部の個数によって、容積を減らす程度が決定される。
図4は、容器に荷重の負荷がかけられたときの応力が分散する様子を説明するための概念図であり、(a)は垂直方向に荷重の負荷がかけられた場合、(b)は胴部の横方向から荷重の負荷がかけられた場合を示した。図4中、矢印は応力が伝わる方向を概念的に示している。凹部−平坦部複合構造30を設けることによって、図4(a)に示すように、縦方向にかかる荷重の負荷に対して、応力は、凹部21,22,24,26,28を避けるようにつながりあった平坦部を下方に伝わる。このとき、応力は、分散させられる。また、図4(b)に示すように、横方向にかかる荷重の負荷に対しても同様に、応力は、凹部21,22,24,26,28を避けるようにつながりあった平坦部を横方向に伝わる。このとき、応力は、分散させられる。斜めから荷重の負荷がかかった場合においても同様に応力が分散させられる。
なお、凹部を格子状に配置すると、平坦部が直線状につながり、その方向に対する耐変形性は向上するが、応力が分散しづらくなり、耐変形方向の指向性が高くなってしまい、また、限界荷重において突然変形を生じるような挙動を示し復元性が弱い。本実施形態における凹部−平坦部複合構造30は、耐座屈性と耐潰れ性のいずれも付与することができ、特に、自動販売機の販売時において下の飲料製品が売られて抜けることでストックの収容空間内を波状下方向に製品が移動するときに容器胴体の側壁に多様な方向から荷重の負荷がかかるところ、このような荷重の負荷に対しても耐潰れ性を有している。また凹部によってすべりも抑制され、飲用時のホールド感が良好となる。
樹脂製飲料用容器100において、胴部3の最大径Aと最小径Bとの比B/Aが0.92〜1であることが好ましい。容器胴部を寸胴としても、基本強度を確保する部位、減圧吸収部位4及び容量確保兼応力分散部位5の三つの部位があることによって耐座屈性と耐潰れ性が付与されており、同時に満注容積を多くすることが出来る。
なお、樹脂製飲料用容器100の耐潰れ性は、容器同士の接触箇所を考慮して、例えば、リブ7の位置に荷重の負荷をかける場合、リブ9の位置に荷重の負荷をかける場合及び胴部3の高さ方向全体にわたって平均して荷重の負荷がかかる場合の三つの場合について、所定量の荷重の負荷をかけたときの潰れの有無によって評価される。また、樹脂製飲料用容器100の耐座屈性は、容器天面から垂直方向に所定量の荷重の負荷をかけて、たわみ量及び座屈有りの場合はそのときの荷重の負荷によって評価する。
本実施形態に係る樹脂製飲料用容器の一形態を示す概略図であり、側面の正面視図である。 図1のA‐A断面図であり、減圧吸収パネルの断面形状の一形態を示している。 凹部−平坦部複合構造の繰り返し単位の他形態を示す概略図であり、(a)は凹部が正面視で円形であり、一つの凹部の周りを6個の凹部と6個の平坦部とが交互に取り囲んでいる場合、(b)は凹部が正面視で五角形又は六角形であり、一つの凹部(五角形)の周りを4個の凹部(六角形)と4個の平坦部とが交互に取り囲んでいる場合を示した。 容器に荷重の負荷がかけられたときの応力が分散する様子を説明するための概念図であり、(a)は垂直方向に荷重の負荷がかけられた場合、(b)は胴部の横方向から荷重の負荷がかけられた場合を示した。
符号の説明
100 樹脂製飲料用容器
1 口部
2 肩部
3 胴部
4 減圧吸収部位
5 容量確保兼応力分散用部位
6 底部
7,8,9 凹条のリブ
10 減圧吸収パネル
11 ネックサポートリング
12 キャップを装着するネジ部
21,22,24,26,28,31,32,34,36,38,40,42,51,52,54,56,58 凹部
23,25,27,29,33,35,37,39,41,43,53,55,57,59 平坦部
30,44,60 凹部−平坦部複合構造

Claims (5)

  1. 熱可塑性合成樹脂をブロー成形して得られ、飲み口となる口部と、該口部から拡径した肩部と、胴部と、底部とが順に連接されてなる円筒状の形状を有する樹脂製飲料用容器において、
    前記胴部は、減圧吸収パネルを配した減圧吸収部位と容量確保兼応力分散用部位とを有し、
    前記胴部の側壁は、少なくとも、前記肩部と前記胴部との境界と、前記減圧吸収部位と前記容量確保兼応力分散用部位との境界と、前記胴部と前記底部との境界とに、円筒の周方向に沿って凹条のリブを有し、かつ、
    前記容量確保兼応力分散用部位は、側壁に、凹部と、該凹部を中心として該凹部を囲む位置に交互に配置された凹部及び平坦部とを繰り返し単位とし、かつ、前記凹部同士はそれぞれつながっていない凹部−平坦部複合構造を有することを特徴とする樹脂製飲料用容器。
  2. 自動販売機で販売される飲料製品用の樹脂製飲料用容器であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製飲料用容器。
  3. 満注容積が525〜650mlであり、前記熱可塑性合成樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂であり、樹脂使用量が16〜23gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製飲料用容器。
  4. 前記胴部の最大径Aと最小径Bとの比B/Aが0.92〜1であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の樹脂製飲料用容器。
  5. 前記肩部の表面は、水平面を基準として、50〜70°の傾斜面となっていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の樹脂製飲料用容器。


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