JP5100485B2 - トナー及びその製造方法、並びに画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー及びその製造方法、並びに画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤に使用されるトナー及びトナーの製造方法、並びに該トナーを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
近年、市場からの高画質化に対する強い要求から、それに適した電子写真方式の画像形成装置、及びトナーの開発に拍車がかかっている。高画質化に対応したトナーとしては、粒径の揃ったトナーであることが必須である。トナーの粒径が揃い粒径分布がシャープになると、個々のトナーの現像時の挙動が揃って、微小ドット再現性が著しく向上する。
しかし、小粒径で粒子径の揃ったトナーはクリーニング性に関して困難を生じる。特にブレードクリーニングでは均一かつ小粒径なトナーを安定的にクリーニングすることは困難である。そのため、トナーの改良によってブレードクリーニング性を改善する方法が種々提案されている。その中の一つとしてトナーを球形から異形にかえて対応する方法がある。トナー形状を異形化することによって、トナーの粉体流動性を低下させ、ブレードクリーニングによって堰き止めやすくするものである。ただし、トナーの異形の度合を大きくしすぎると、現像の際などにトナーの挙動が不安定となり、微少ドット再現性が悪化するという問題がある。
このようにトナー形状を異形化することで、確かにブレードクリーニングに対するトナーの信頼性は向上するが、その一方で、定着の面で不具合が生じる。即ち、トナーの形状を異形化すると、定着前の記録媒体上のトナー層における、トナーの充填密度が小さくなり、定着の際にトナー層中での熱伝導度が遅くなり、低温定着性が悪化してしまう。特に、定着の際の圧力が従来に比べて小さい場合は、更に熱伝導度が悪くなり低温定着性が阻害されてしまうことになる。この点を解決するため、例えば特許文献1には、Wadell実用球形度が0.90〜1.00のポリエステル樹脂からなるトナーが提案されているが、実質的に球形であるため、トナーのクリーニング性の課題は解決されていない。
重合トナー工法には、懸濁重合法の他、異型化が比較的容易な乳化重合法、溶解懸濁法などがあるが、乳化重合法の場合にはスチレンモノマーの完全除去、並びに乳化剤及び分散剤の除去は困難である。特に、昨今、環境問題がクローズアップされるに至ってはますますトナーに対する課題は大きくなってきている。また、トナーの形状においても、凹凸状にすることにより流動化剤として添加したシリカの凹部での付着が弱いことや、使用中の凹部へのシリカ移動が原因となって、トナーによる感光体汚染、定着ローラへのトナー付着などの問題が発生する。
一方、前記溶解懸濁法の場合には、低温定着が可能なポリエステル樹脂を使用できるメリットはあるが、オイルレス定着を達成するため、離型幅を広げるための高分子制御と生産の中で樹脂や着色剤を溶剤に溶解又は分散する工程において高分子量成分を加えるため、液粘度が上がり、生産性上の問題が発生する。また、溶解懸濁法では、トナー表面形状を球形かつ凹凸形状にすることによりクリーニング性の改善を図っている(特許文献2参照)が、規則性のない不定形トナーであるため帯電安定性に欠け、更に基本的な耐久性及び離型性を確保するための高分子量設計ができておらず、十分満足できる品質のトナーは得られていない。
また近年、ブレードクリーニング性に優れた形状であり、かつ定着温度幅の広いトナー用樹脂粒子を得る方法が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この提案においても、実際には、ブレードクリーニング性と低温定着性を両立することは不充分である。
したがって低温定着性に優れ、ブレードクリーニングを使用した場合に転写残トナーが少なく、高画質で高い解像度の画像を形成することができるトナー及びトナーの製造方法、並びに該トナーを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジは未だ提供されていないのが現状である。
特開平11−133665号公報 特開平9−15903号公報 特開2005−49858号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、低温定着性に優れ、ブレードクリーニングを使用した場合に転写残トナーが少なく、高画質で高い解像度の画像を形成することができるトナー及びトナーの製造方法、並びに該トナーを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 有機溶剤中に、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液からなる油相を水系媒体中に乳化乃至分散させる水系造粒工程と、
前記水系造粒工程で得られた乳化乃至分散液から一部の有機溶剤を除去する第1の脱溶剤工程と、
前記第1の脱溶剤工程で脱溶剤された乳化乃至分散液を40℃〜60℃に昇温させて加熱する昇温工程と、
前記加熱された乳化乃至分散液を40℃〜60℃で加熱し、熟成する熟成工程と、
前記熟成工程を経た乳化乃至分散液中の有機溶剤を除去する第2の脱溶剤工程と、
前記第2の脱溶剤工程を経た乳化乃至分散液を濾過する濾過工程と、
前記濾過された粒子を洗浄し、乾燥する洗浄工程と、を含むトナーの製造方法により製造されたトナーであって、
前記第1の脱溶剤工程後における乳化乃至分散液中の残留有機溶剤濃度が、該乳化乃至分散液中のトナーに対し10質量%〜33質量%であり、
前記昇温工程における昇温速度が0.3℃/分〜1.5℃/分であることを特徴とするトナーである。
<2> 油相が、変性層状無機鉱物と結着樹脂とを含む混練複合体を含有し、該混練複合体中の変性層状無機鉱物の体積平均粒径が0.1μm〜0.55μmであり、該混練複合体中の粒径1μm以上の変性層状無機鉱物が15体積%以下である前記<1>に記載のトナーである。
<3> トナーの形状係数SF−1が110〜200であり、トナーの形状係数SF−2が110〜300である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 変性層状無機鉱物のトナー中における含有量が、0.1質量%〜5質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 変性層状無機鉱物における有機物イオンが4級アンモニウムイオンである前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> トナーの体積平均粒径が3μm〜7μmであり、該体積平均粒経(Dv)と、個数平均粒経(Dn)との比(Dv/Dn)が1.20以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> トナーのBET比表面積が、1.0m/g〜6.0m/gである前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> 粒径2μm以下の粒子の割合が、1個数%〜10個数%である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> ポリエステル樹脂の結着樹脂における含有量が、50質量%〜100質量%である前記<9>に記載のトナーである。
<11> ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の質量平均分子量が1,000〜30,000である前記<9>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> ポリエステル樹脂の酸価が、1.0mgKOH/g〜50.0mgKOH/gである前記<9>から<11>のいずれかに記載のトナーである。
<13> ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、35℃〜65℃である前記<9>から<12>のいずれかに記載のトナーである。
<14> 活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体の質量平均分子量が3,000〜20,000である前記<1>から<13>のいずれかに記載のトナーである。
<15> トナーの酸価が、0.5mgKOH/g〜40.0mgKOH/gである前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーである。
<16> トナーのガラス転移温度が、40℃〜70℃である前記<1>から<15>のいずれかに記載のトナーである。
<17> 有機溶剤中に、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液からなる油相を水系媒体中に乳化乃至分散させる水系造粒工程と、
前記水系造粒工程で得られた乳化乃至分散液から一部の有機溶剤を除去する第1の脱溶剤工程と、
前記第1の脱溶剤工程で脱溶剤された乳化乃至分散液を40℃〜60℃に昇温させて加熱する昇温工程と、
前記加熱された乳化乃至分散液を40℃〜60℃で加熱し、熟成する熟成工程と、
前記熟成工程を経た乳化乃至分散液中の有機溶剤を除去する第2の脱溶剤工程と、
前記第2の脱溶剤工程を経た乳化乃至分散液を濾過する濾過工程と、
前記濾過された粒子を洗浄し、乾燥する洗浄工程と、を含むトナーの製造方法であって、
前記第1の脱溶剤工程後における乳化乃至分散液中の残留有機溶剤濃度が、該乳化乃至分散液中のトナーに対し10質量%〜33質量%であり、
前記昇温工程における昇温速度が0.3℃/分〜1.5℃/分であることを特徴とするトナーの製造方法である。
<18> 前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとからなること特徴とする二成分現像剤である。
<19> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、転写後に静電潜像担持体表面に残留したトナーをブレードを用いて除去するクリーニング工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記トナーが、前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
<20> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、転写後に静電潜像担持体表面に残留したトナーをブレードを用いて除去するクリーニング手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記トナーが、前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<21> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、転写後に静電潜像担持体表面に残留したトナーをブレードを用いて除去するクリーニング手段とを少なくとも有するプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、低温定着性に優れ、ブレードクリーニングを使用した場合に転写残トナーが少なく、高画質で高い解像度の画像を形成することができるトナー及びトナーの製造方法、並びに該トナーを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
(トナー及びトナーの製造方法)
本発明のトナーは、水系造粒工程と、第1の脱溶剤工程と、昇温工程と、熟成工程と、第2の脱溶剤工程と、濾過工程と、洗浄工程と、を含むトナーの製造方法により製造される。
本発明のトナーの製造方法は、水系造粒工程と、第1の脱溶剤工程と、昇温工程と、熟成工程と、第2の脱溶剤工程と、濾過工程と、洗浄工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記水系造粒工程は、有機溶剤中に、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液からなる油相を水系媒体中に乳化乃至分散させる工程である。
前記第1の脱溶剤工程は、前記水系造粒工程で得られた乳化乃至分散液から一部の有機溶剤を除去する工程である。
前記昇温工程は、前記第1の脱溶剤工程で脱溶剤された乳化乃至分散液を40℃〜60℃に昇温させて加熱する工程である。
前記熟成工程は、前記加熱された乳化乃至分散液を40℃〜60℃で加熱し、熟成する工程である。
前記第2の脱溶剤工程は、前記熟成工程を経た乳化乃至分散液中の有機溶剤を除去する工程である。
前記濾過工程は、前記第2の脱溶剤工程を経た乳化乃至分散液を濾過する工程である。
前記洗浄工程は、前記濾過された粒子を洗浄し、乾燥する工程である。
以下、本発明のトナー及びトナーの製造方法について、詳細に説明する。
本発明においては、前記第1の脱溶剤工程後における乳化乃至分散液中の残留有機溶剤濃度が、該乳化乃至分散液中のトナーに対し10質量%〜33質量%である。前記残留有機溶剤濃度が、10質量%未満であると、充分な帯電性能が得られないことがあり、33質量%を超えると、熟成工程にてトナー粒子同士の凝集が起こることがある。
前記残留有機溶剤濃度は、有機溶剤が例えば酢酸エチルの場合には、具体的に次のような手順で測定することができる。
−測定機器条件−
・測定装置:GC-2010(島津製作所製、ガスクロマトグラフ)
・注入量:2.0μL
−試料気化室−
・注入モード:スプリット
・気化室温度:180℃
・キャリアガス:He
・圧力:40.2kPa
・全流量:56.0mL/min
・カラム流量:1.04mL/min
・線速度:20.0cm/sec
・パージ流量:3.0mL/min
・スプリット比:50.0
−カラム−
・カラム名称:ZB-50
・液相の膜厚0.25μm
・長さ30.0m
・内径:0.32mmID
・カラム上限温度:340℃
−カラムオーブン−
・カラム温度:60℃
−カラムオーブン温度プログラム−
60℃ホールド6min→昇温速度60℃/min→230℃ホールド5min
−検出器−
・検出器温度:250℃
・メイクアップガス:N2/Air
・メイクアップ流量:30.0mL/min
・H2流量:47.0mL/min
・Air流量:400mL/min
−測定方法−
・内標準液の調整:トルエン4gをメスフラスコ中に計量して、DMFで500mLに希釈した。
・測定試料の調整:測定分散スラリー1.5gをDMFで約50mLに希釈した後、内標液10mLをホールピペットで採取して投入する。スターラーで測定試料を4分間、400rpmで攪拌した後、測定機器GCのオートサンプラーに試料をセッティングし測定を行う。測定終了後に内標準物質のトルエンと酢酸エチルの比率から、内標準法によりスラリー中の酢酸エチル量を計算し、その値から、下記数式によりスラリー中のトナーに対する酢酸エチル濃度を計算した。
スラリー中のトナーに対する酢酸エチル濃度[%]=GC測定で得られたスラリー100g中の酢酸エチル量/スラリー100g中のトナー量[g]
前記昇温工程における昇温速度は0.3℃/分〜1.5℃/分である必要がある。前記昇温速度が上記範囲から外れたところでは、充分な帯電性能が得られないことがある。
本発明のトナーにおいては、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は、1.20以下が好ましく、1.00〜1.20がより好ましい。これにより、高解像度、高画質のトナーを得ることができる。更に、二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーの粒子径の変動を少なくするとともに、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性を可能とする。前記Dv/Dnが1.20を超えると、個々のトナーの粒径のバラツキが大きく、現像の際などでトナーの挙動にバラツキが発生し、微小ドットの再現性を損なってしまうことになり、高品位な画像は得られなくなる。
本発明のトナーの体積平均粒径(Dv)は、3μm〜7μmであることが好ましい。一般的には、トナーの体積平均粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、前記の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
また、これらの現象は、微粉の含有率が大きく関係し、粒径2μm以下の粒子が110個数%であることが好ましい。粒径2μm以下の粒子が10個数%を超えるとキャリアへの付着や高いレベルで帯電の安定性を図る場合に支障となることがある。逆に、トナーの粒子径が前記範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)が1.20よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
トナーの体積平均粒径及び粒度分布は、例えばカーコールターカウンター法などにより測定することができる。トナーの体積平均粒径及び粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)などが挙げられる。本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用いて、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研株式会社製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC株式会社製)に接続して、測定することができる。
本発明のトナーは、BET比表面積が1.0m/g〜6.0m/gであることが好ましく、2.0m/g〜4.0m/gであることがより好ましい。前記BET比表面積が、1.0m/g未満であると、粗大粒子の存在や添加剤の内包により、また、6.0m/gを超えると、微細粒子の存在、添加剤の浮出し、表面の凹凸により画質に影響が現れやすいことがある。
前記BET比表面積は、BET法により測定された単位質量あたりの比表面積Sb(m/g)と、トナーを真球と仮定した際の質量平均粒径から算出した単位質量あたりの比表面積St(m/g)との比(Sb/St)で表す。前記BET比表面積は、窒素吸着法の多点法で測定され、例えばユアサアイオニクス株式会社製高速比表面積・細孔分布測定装置NOVA1200多点法などで測定できる。
具体的には、以下の条件で測定することができる。
・吸着ガス:チッ素ガス(99.995以上)
・冷媒:液体チッ素
・使用セル:9mmペレットショート(大)
・前処理条件:30℃で12時間(真空排気)
・測定ポイント:相対圧力(P/PO)=0.1〜0.3の3ポイント
本発明においては、小粒径で粒子径の揃ったトナーではブレードクリーニング性に関しては困難を生じるため、トナーの形状係数SF−1の範囲は110〜200、SF−2の範囲は110〜300であることが好ましい。
まず、トナー形状と転写性の関係について述べる。多色現像で転写せしめるフルカラー複写機を用いた場合においては、白黒複写機に用いられる一色の黒トナーの場合と比較し感光体上のトナー量が増加し、従来の不定形トナーを用いただけでは転写効率を向上させることが困難である。更に通常の不定形トナーを用いた場合には、感光体とクリーニング部材との間や中間転写体とクリーニング部材との間、及び/又は、感光体と中間転写体間でのズリ力や摺擦力のために感光体表面や中間転写体表面にトナーの融着やフィルミングが発生して転写効率が悪化しやすい。フルカラー画像の生成においては4色のトナー像が均一に転写されにくく、更に、中間転写体を用いる場合には、色ムラやカラーバランスの面で問題が生じやすく、高画質のフルカラー画像を安定して出力することは容易ではない。
ブレードクリーニングと転写効率のバランスの観点から、トナーの形状係数SF−1は110〜200が好ましく、120〜180がより好ましい。ブレードクリーニング性と転写性はブレードの材質やブレードの当て方にも大きく関係し、また、転写もプロセス条件で異なるので前記したSF−1の範囲の中でプロセスに応じた設計が可能となる。しかしSF−1が110より低下するとブレードではクリーニングが困難になる。またSF−1が200を超えると、前述した転写性の悪化が見られる。この現象は、トナー形状が異形化し、転写の際のトナーの移動(感光体表面〜転写紙、感光体表面〜中間転写ベルト、第一の中間転写ベルト〜第二の中間転写ベルト等)がスムースでなくなり、トナー粒子間でその挙動にバラツキを生じるため、均一かつ高い転写効率が得られなくなる。その他、帯電の不安定や粒子のもろさが発現しはじめる。更に現像剤中での微紛化現象となり現像剤の耐久性低下の要因となってくる。
粉砕トナーの場合、不定形(特定の整った形状でなく、丸みもない形状)で、かつトナーの形状係数SF−1が140を超えているが、一般にトナーの粒度分布がブロードであるため、Dv/Dnを1.20以下にするには効率が悪い工法である。重合方法でトナーを得る場合には、例えば懸濁重合、乳化重合ではまたポリエステル系のトナー化は難しく更なる低温定着に対しては対応できない。特開平11−149180号公報及び特開2000−292981号公報では、イソシアネート基含有プレポリマーを伸長反応及び/又は架橋反応させたトナーバインダー、及び着色剤からなる乾式トナーにおいて、該乾式トナーが、該プレポリマー(A)の水系媒体中でのアミン類(B)による伸長反応及び/又は架橋反応により形成された粒子からなる乾式トナー及びその製法が提案されているが、本発明のトナー形状が得られていないために、転写性とクリーニング性の両立が図れていない。
そこで、本発明では、プレポリマー(A)とアミン類(B)との反応を用いるトナーの製法において、層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した変性層状無機鉱物をトナー中で適正な分散状態にするための該変性層状無機鉱物と結着樹脂との混練複合工程及び該混練複合体を溶解乃至分散させることにより、トナーの形状係数SF−1が110〜200で、トナーの形状係数SF−2が110〜300であるトナーを容易に得ることができるが、従来の懸濁重合、乳化重合では、このような形状制御は困難である。
ここで、本発明に用いられる円形度である形状係数SF−1、SF−2は、日立製作所製FE−SEM(S−4200)により測定して得られたトナーのSEM像を300個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェイスを介してニレコ株式会社製画像解析装置(LuzexAP)に導入して解析を行い、下数式より算出し得られた値をSF−1、SF−2と定義した。SF−1及びSF−2の値は上記Luzexにより求めた値が好ましいが、同様の解析結果が得られるのであれば特に上記FE−SEM装置、画像解析装置に限定されない。
SF−1=(L2/A)×(π/4)×100
SF−2=(P2/A)×(1/4π)×100
ただし、前記数式中、Lはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積、Pはトナーの最大周長を表す。
真球であればSF−1、及びSF−2のいずれも100となり、100より値が大きくなるにつれて球形から不定形になる。前記SF−1はトナー全体の形状(楕円や球等)を表し、前記SF−2は表面の凹凸程度を示す形状係数である。
本発明のトナーの酸価は、0.5mgKOH/g〜40.0mgKOH/gであることが好ましく、5mgKOH/g〜20mgKOH/gがより好ましい。前記トナー酸価が、40.0mgKOH/gを超えると、変性ポリエステルの伸長又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性に影響が見られることがあり、0.5mgKOH/g未満では、製造時の塩基化合物による分散安定効果が得られず、変性ポリエステルの伸長又は架橋反応が進みやすく、製造安定性に問題が生じることがある。
前記トナーの酸価は、JIS K0070に準拠した方法による。ただしサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はTHF等の溶媒を用いる。
本発明のトナーのガラス転移温度は、低温定着性、耐熱保存性、及び高耐久性を得るために40℃〜70℃が好ましい。前記ガラス転移温度が、40℃未満では現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生し易くなり、70℃を超えた場合には低温定着性が悪化しやすくなる。
本発明のトナーは、有機溶剤中に、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物を含むトナー材料を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液からなる油相を水系媒体中に乳化乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られる。
−接着性基材−
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマー、及び結着樹脂を含んでなる。
前記接着性基材の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1,000以上が好ましく、2,000〜10,000,000がより好ましく、3,000〜1,000,000が特に好ましい。
前記質量平均分子量が、1,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材の貯蔵弾性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、測定周波数20Hzにおいて10,000dyne/cmとなる温度(TG’)が、通常100℃以上であり、110℃〜200℃が好ましい。該(TG’)が100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材の粘性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、測定周波数20Hzにおいて1,000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下であり、90℃〜160℃が好ましい。該(Tη)が180℃を超えると、低温定着性が悪化することがある。
したがって、耐ホットオフセット性と低温定着性との両立を図る観点から、前記(TG’)は前記(Tη)よりも高いことが好ましい。即ち、(TG’)と(Tη)との差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。該差は大きければ大きいほどよい。
また、低温定着性と耐熱保存性との両立を図る観点からは、前記(TG’−Tη)は0℃〜100℃が好ましく、10℃〜90℃がより好ましく、20℃〜80℃が更に好ましい。
前記接着性基材の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水系媒体中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下(1)から(10)、即ち、(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、等が好適に挙げられる。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等、が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
なお、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることができる。該反応停止剤を用いると、前記接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、前記イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適に挙げられる。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合物における、前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜100:10が好ましく、100:0.01〜100:1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物における前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜100:10が好ましく、100:0.01〜100:1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、前記ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記ポリオール(PO)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプローラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、該ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、該水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1であるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、前記ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の質量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜20,000が好ましい。前記質量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、20,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。
即ち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05質量%〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東ソー株式会社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)が好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、即ち、互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の質量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記質量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあるので、上述したように前記質量平均分子量(Mw)が1,000未満である成分の含有量は、8〜28質量%であることが必要である。一方、前記質量平均分子量(Mw)が30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、35℃〜65℃が好ましく、35℃〜50℃がより好ましい。前記ガラス転移温度が、35℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、65℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g〜120mgKOH/gがより好ましく、20mgKOH/g〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、1.0mgKOH/g〜50.0mgKOH/gが好ましく、1.0mgKOH/g〜45.0mgKOH/gがより好ましく、15.0mgKOH/g〜45.0mgKOH/gが更に好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
ここで、酸価(AV)及び水酸基価(OHV)は、具体的には、次のような手順で決定される。
・測定装置:電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
・使用電極 :DG113−SC(メトラー・トレド社製)
・解析ソフト:LabX Light Version1.00.000
・装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
・測定温度:23℃
測定条件は以下のとおりである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
At maximum volume[mL] 10.0
At potential No
At slope No
After number EQPs Yes
n=1
comb. Termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
−酸価の測定方法−
前記酸価は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して、以下の条件で測定することができる。
試料調製:トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更に、エタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は上記記載の装置にて計算することができるが、具体的には次のように計算する。
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量
(ただし、Nは、N/10KOHのファクター)
−水酸基価の測定方法−
前記水酸基価は、JIS K0070−1966に記載の測定方法に準拠して、以下の条件で測定することができる。
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後、100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次いで、分解を完全にするため、再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁をよく洗う。この液を前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行って、水酸基価を求める。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナーに含有させる場合、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と該未変性ポリエステル樹脂(PE)との混合質量比(RMPE/PE)としては、5/95〜20/80が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがあり、20未満であると、光沢性が悪化することがある。
前記結着樹脂における前記未変性ポリエステル樹脂の含有量としては、例えば、50質量%〜100質量%が好ましく、70質量%〜95質量%がより好ましく、80質量%〜90質量%が更に好ましい。該含有量が50質量%未満であると、低温定着性や画像の光沢性が悪化することがある。
−変性層状無機鉱物−
前記変性層状無機鉱物は、スメクタイト系の基本結晶構造を持つ層状無機鉱物を該層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性されたものが好ましい。このような有機物イオンで変性される層状無機鉱物としては、例えばモンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、などが挙げられる。
前記有機物イオンとしては、例えば第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が好ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、例えばトリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、などが挙げられる。
前記変性層状無機鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えばELEMENTIS社製のBENTONE34、BENTONE52、BENTONE38、BENTONE27、BENTONE57、BENTONE SD1、BENTONE SD2、BENTONE SD3等;SCP社製のCRAYTONE34、CRAYTONE40、CRAYTONE HT、CRAYTONE2000、CRAYTONE AF、CRAYTONE APA、CRAYTONE HY等;HOJUN社製のエスベン、エスベンE、エスベンC、エスベンNZ、エスベンNZ70、エスベンW、エスベンN400、エスベンNX、エスベンNX80、エスベンNO12S、エスベンNEZ、エスベンNO12、エスベンWX、エスベンNE等;クニミネ工業株式会社製のクニビス110、クニビス120、クニビス127、などが挙げられる。
前記変性層状無機鉱物と結着樹脂との混練複合体(即ちマスターバッチ)は結着樹脂と有機カチオンで変性した変性層状無機鉱物とを高せん断力をかけて混合し、混練してマスターバッチを得ることができる。この際、前記変性層状無機鉱物と結着樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる前記変性層状無機鉱物と水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、該変性層状無機鉱物を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法もウェットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
前記変性層状無機鉱物と結着樹脂との混練複合体(即ちマスターバッチ)中において、変性層状無機鉱物の体積平均粒径が0.1μm〜0.55μmであり、かつ体積平均粒径1μm以上の変性層状無機鉱物の割合が15体積%以下を満たすことが好ましい。前記体積平均粒径が0.55μmを超えるか、又は粒径1μm以上の割合が15堆積%を超えるとトナー形状及びトナー帯電性能への効果が低下することがある。
前記変性層状無機鉱物のトナー中での含有量は、0.1質量%〜5質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、トナー形状及びトナー帯電性の効果が低下することがあり、5質量%を超えると、定着性能が悪化することがある。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウェットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。
前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60℃〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0質量%〜40質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(いずれも、日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−樹脂微粒子−
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられるが、これらの中でも、ビニル系樹脂が特に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」、三洋化成工業株式会社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20m/g〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.01質量%〜5.0質量%がより好ましい。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーとしては、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物を含む前記トナー材料を有機溶剤に溶解させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られるトナーが好適に挙げられる。
−トナー溶液−
前記トナー溶液の調製は、前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解させることにより行うことができる。
−−有機溶剤−−
前記有機溶剤としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が更に好ましい。
−分散液−
前記分散液の調製は、前記トナー溶液を水系媒体中に分散させることにより行う。
前記トナー溶液を前記水系媒体中に分散させると、該水系媒体中に、前記トナー溶液からなる分散体(油滴)が形成される。
−−水系媒体−−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナー溶液は、前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。
前記分散の方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速剪断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体(油滴)の粒径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速剪断式分散機が好ましい。
前記高速剪断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分が好ましく、前記分散温度は、加圧下において0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は、高温である方が一般に分散が容易である。
前記トナーの製造方法の一例として、前記接着性基材を粒子状に生成させてトナーを得る方法を以下に示す。
前記接着性基材を粒子状に生成させてトナーを造粒する方法においては、例えば、水系媒体相の調製、前記トナー溶液の調製、前記分散液の調製、前記水系媒体の添加、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成等)を行う。
前記水系媒体相の調製は、例えば、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記トナー溶液の調製は、前記有機溶剤中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記着色剤、前記離型剤、前記層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
なお、前記トナー材料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、前記水系媒体相調製において、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させる際に該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記トナー溶液を前記水系媒体相に添加する際に、該トナー溶液と共に前記水系媒体相に添加してもよい。
前記分散液の調製は、先に調製した前記トナー溶液を、先に調製した前記水系媒体相中に乳化・分散させることにより行うことができる。そして、該乳化・分散の際、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させると、前記接着性基材が生成する。
前記接着性基材(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記トナー溶液を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体相中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記トナー溶液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記トナー溶液を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、分散体を形成し、該水系媒体相中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記乳化乃至分散により、前記接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましく、反応温度としては、0℃〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体相中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記分散体を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体相中に、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物、前記未変性ポリエステル樹脂等の前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解乃至分散させて調製した前記トナー溶液を添加し、剪断力により分散させる方法、等が挙げられる。なお、前記分散の方法の詳細については上述した通りである。
前記分散液の調製においては、必要に応じて、前記分散体(前記トナー溶液からなる油滴)を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子株式会社製);フローラドFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、フルオロアルキル基を有する陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。前記フルオロアルキル基を有する陽イオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子株式会社製);フローラドFC−135(住友3M株式会社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クローライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クローライド類としては、例えば、アクリル酸クローライド、メタクリル酸クローライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、等が挙げられる。
得られた分散液(分散スラリー)から有機溶剤を、分散スラリー中の残留有機溶剤濃度がトナーに対し10質量%〜33質量%になるまで脱溶剤を行う(第1の脱溶剤工程)。
次に、第1の脱溶剤工程を経た反応液を昇温速度1℃/分で50℃まで昇温し(昇温工程)、50℃で2時間熟成させた(熟成工程)。次いで、分散液から有機溶剤を除去し(第2の脱溶剤工程)、濾別(濾過工程)、洗浄、乾燥(洗浄工程)し、次いで風力分級し、トナー母体を作製する。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、離型剤、前記帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像剤担持体としての現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
−キャリア−
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10μm〜200μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばアミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
前記二成分現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1質量部〜10.0質量部が好ましい。
<トナー入り容器>
本発明で用いられるトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、クリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図1に示すように、静電潜像担持体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図1中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図1に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段と、クリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。これらの中でも、ブレードクリーナが特に好ましい。クリーニングブレードは作像中は常に感光体に当接し、感光体の回転に伴って磨耗する。クリーニングブレードが磨耗すると、感光体面の残留トナー除去機能が低下し、複写画像品質が劣化する。また、磨耗しなくともトナーが真球に近く流動性が粉砕型トナーに比べ改善されると転写性は向上するもののクリーニングにおいては設置されたブレードを通り抜けクリーニング不良が発生しやすく重合トナーの問題とされる。この問題に対し本発明のトナーを用いることにより、良好にクリーニングすることができる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレード90が配置されており、また、記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、この現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図2に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図3を参照しながら説明する。図3に示す画像形成装置100は、図2に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図2に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図3においては、図2におけるものと同じものは同符号で示した。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図4を参照しながら説明する。図4に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図4中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図5に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図5中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、低温定着性に優れ、ブレードクリーニングを使用した場合に転写残トナーが少なく、高画質で高い解像度の画像を形成することができる本発明の前記トナーを用いているので、高画質画像が効率よく形成できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−樹脂微粒子分散液1の作製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液1]を作製した。
得られた[樹脂微粒子分散液1]を粒度分布計(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は105nmであった。得られた[樹脂微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は59℃であり、質量平均分子量は150,000であった。
(製造例2)
−低分子ポリエステル1(結着樹脂)の合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル1]を合成した。
得られた[低分子ポリエステル1]は、THF可溶分の質量平均分子量が5,200、ガラス転移温度(Tg)が45℃、酸価が20mgKOH/gであった。
(製造例3)
−プレポリマー1(活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体)の合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795質量部、イソフタル酸200質量部、テレフタル酸65質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、窒素気流下で、常圧下、210℃にて8時間縮合反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170質量部と2時間反応を行い、[プレポリマー1]を得た。得られた[プレポリマー1]の質量平均分子量は5,000であった。
(製造例4)
−マスターバッチ1の作製−
水1200質量部、ELEMENTIS社製BENTONE57(有機変性ベントナイト、4級アンモニウムカチオン変性処理品)174質量部、及び前記[低分子ポリエステル1]1,570質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、[マスターバッチ−1]を作製した。
得られたマスターバッチについて、以下のようにして測定した変性層状無機鉱物の分散粒径は0.4μmであり、粒径1μm以上の変性層状無機鉱物の割合は2体積%であった。
<変性層状無機鉱物の分散粒径(体積平均粒径)及び粒径1μm以上の変性層状無機鉱物の割合>
−測定試料の調製−
マスターバッチ中の有機カチオン変性層状無機鉱物量/マスターバッチに使用した結着樹脂量=1/10になるような比率でマスターバッチと結着樹脂を分散剤(BYK Chemie社製、Disperbyk−167)が5質量%溶解した酢酸エチル中に投入した。このときマスターバッチ量と結着樹脂量の総量が5質量%になるように調整した。調製した試料は12時間攪拌した。
−分散粒径及び粒度分布の測定−
前記調製試料をレーザードップラー粒度分布測定器(nanotrac UPA−150EX、日機装株式会社製)を用いて測定した。測定方法は下記の通りである。
(1)測定器の測定条件
分布表示:体積
チャンネル数:52
測定時間:15sec
粒子屈折率:1.54
温度:25℃
粒子形状:非球形
粘度(cP):0.441
溶媒屈折率:1.37
溶媒名:酢酸エチル
(2)測定するサンプル希釈液は、測定器のsample Loadingを見ながら(1〜100)に入るようにスポイト又は注射器を使用して加えた。
(調製例1)
−トナー材料油性分散液1の調製−
ビーカー内に、[プレポリマー1]23.4質量部、[低分子ポリエステル1]123.6質量部、[マスターバッチ1]20質量部、及び酢酸エチル80質量部を入れ、攪拌溶解した。
次いで別途、離型剤としてのカルナバワックス15質量部、カーボンブラック20質量部、及び酢酸エチル120質量部をビーズミルに入れ、30分間分散した。
2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分間攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソフォロンジアミン2.9質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分間攪拌して、[トナー材料油性分散液1]を調製した。
(調製例2)
−トナー材料油性分散液2の調製−
ビーカー内に、[プレポリマー1]23.4質量部、[低分子ポリエステル1]141.6質量部、及び酢酸エチル80質量部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤としてのカルナバワックス15質量部、カーボンブラック20質量部、及び酢酸エチル120質量部をビーズミルに入れ、30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分間攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン2.9質量部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分間攪拌して、[トナー材料油性分散液2]を調製した。
(調製例3)
−トナー材料油性分散液3の調製−
ビーカー内に、[プレポリマー1]23.4質量部、[低分子ポリエステル1]141.6質量部、オルガノシリカゾル(MEK−ST、固形分濃度30質量%、平均一次粒子径15nm、日産化学工業株式会社製)7質量部、及び酢酸エチル64質量部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15質量部、カーボンブラック20質量部、及び酢酸エチル120質量部をビーズミルに入れ、30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分間攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン2.9質量部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分間攪拌して、[トナー材料油性分散液3]を調製した。
(実施例1)
−トナー1の作製−
ビーカー内にイオン交換水529.5質量部、[樹脂微粒子分散液1]70質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部を入れ、TK式ホモミキサーで10,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に前記[トナー材料油性分散液1]405.1質量部を加え、5分間攪拌を続けながら反応させて、分散スラリーを得た。続いて、冷却管を設置したフラスコに得られた分散スラリーを移し、該分散スラリー中から酢酸エチルを、該分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度が23質量%になるまで脱溶剤を行った(第1の脱溶剤工程)。なお、分散スラリー中の酢酸エチル濃度は下記のようにして測定した。
次に、第1の脱溶剤工程を経た反応液を昇温速度1℃/分で50℃まで昇温し(昇温工程)、50℃で2時間熟成させた(熟成工程)。次いで、分散液から有機溶剤を除去し(第2の脱溶剤工程)、濾別(濾過工程)、洗浄、乾燥(洗浄工程)し、次いで風力分級し、トナー母体を作製した。
得られたトナー母体100質量部、及び帯電制御剤(オリエント化学株式会社製、ボントロンE−84)0.25質量部をQ型ミキサー(三井鉱山株式会社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。更に、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5質量部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒間混合1分間休止を5サイクル実施し、[トナー1]を作製した。
<分散スラリー中の酢酸エチル濃度>
分散スラリー中の酢酸エチル濃度は、具体的に次のような手順で測定した。
−測定機器条件−
・測定装置:GC-2010(島津製作所製、ガスクロマトグラフ)
・注入量:2.0μL
−試料気化室−
・注入モード:スプリット
・気化室温度:180℃
・キャリアガス:He
・圧力:40.2kPa
・全流量:56.0mL/min
・カラム流量:1.04mL/min
・線速度:20.0cm/sec
・パージ流量:3.0mL/min
・スプリット比:50.0
−カラム−
・カラム名称:ZB-50
・液相の膜厚0.25μm
・長さ30.0m
・内径:0.32mmID
・カラム上限温度:340℃
−カラムオーブン−
・カラム温度:60℃
−カラムオーブン温度プログラム−
60℃ホールド6min→昇温速度60℃/min→230℃ホールド5min
−検出器−
・検出器温度:250℃
・メイクアップガス:N2/Air
・メイクアップ流量:30.0mL/min
・H2流量:47.0mL/min
・Air流量:400mL/min
−測定方法−
・内標準液の調整:トルエン4gをメスフラスコ中に計量して、DMFで500mLに希釈した。
・測定試料の調整:測定分散スラリー1.5gをDMFで約50mLに希釈した後、内標液10mLをホールピペットで採取して投入する。スターラーで測定試料を4分間、400rpmで攪拌した後、測定機器GCのオートサンプラーに試料をセッティングし測定を行う。測定終了後に内標準物質のトルエンと酢酸エチルの比率から、内標準法によりスラリー中の酢酸エチル量を計算し、その値から、下記数式によりスラリー中のトナーに対する酢酸エチル濃度を計算した。
スラリー中のトナーに対する酢酸エチル濃度[%]=GC測定で得られたスラリー100g中の酢酸エチル量/スラリー100g中のトナー量[g]
(実施例2)
−トナー2の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を10質量%とした以外は、実施例1と同様にして、トナー2を作製した。
(実施例3)
−トナー3の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を33質量%とした以外は、実施例1と同様にして、トナー3を作製した。
(実施例4)
−トナー4の作製−
実施例1において、昇温工程における昇温速度を0.3℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー4を作製した。
(実施例5)
−トナー5の作製−
実施例1において、昇温工程における昇温速度を1.5℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー5を作製した。
(実施例6)
−トナー6の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を33質量%とし、昇温工程における昇温速度を1.5℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー6を作製した。
(実施例7)
−トナー7の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を33質量%とし、昇温工程における昇温速度を0.3℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー7を作製した。
(実施例8)
−トナー8の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を10質量%とし、昇温工程における昇温速度を1.5℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー8を作製した。
(実施例9)
−トナー9の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を10質量%とし、昇温工程における昇温速度を0.3℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー9を作製した。
(比較例1)
−トナー10の作製−
実施例1において、[トナー材料油性分散液1]405.1質量部を[トナー材料油性分散液2]405.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー10を作製した。
(比較例2)
−トナー11の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を8質量%とした以外は、実施例1と同様にして、トナー11を作製した。
(比較例3)
−トナー12の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を8質量%とし、昇温工程における昇温速度を1.5℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー12を作製した。
(比較例4)
−トナー13の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を35質量%とした以外は、実施例1と同様にして、トナー13を作製した。
(比較例5)
−トナー14の作製−
実施例1において、昇温工程における昇温速度を0.2℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー14を作製した。
(比較例6)
−トナー15の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を35質量%とし、昇温工程における昇温速度を0.2℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー15を作製した。
(比較例7)
−トナー16の作製−
実施例1において、昇温工程における昇温速度を1.7℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー16を作製した。
(比較例8)
−トナー17の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を10質量%とし、昇温工程における昇温速度を1.7℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー17を作製した。
(比較例9)
−トナー18の作製−
実施例1において、第1の脱溶剤工程における分散スラリー中のトナー1kg当りの酢酸エチル濃度を33質量%とし、昇温工程における昇温速度を1.7℃/分にした以外は、実施例1と同様にして、トナー18を作製した。
(比較例10)
−トナー19の作製−
実施例1において、[トナー材料油性分散液1]405.1質量部を[トナー材料油性分散液3]405.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー19を作製した。
次に、実施例1〜9及び比較例1〜10で作製したトナー1〜19について、以下のようにして諸性状を測定した。結果を表1に示す。
<トナーのBET比表面積>
トナーのBET比表面積は、BET法により測定された単位質量あたりの比表面積Sb(m/g)と、トナーを真球と仮定した際の質量平均粒径から算出した単位質量あたりの比表面積St(m/g)との比(Sb/St)で表す。前記BET比表面積は、窒素吸着法の多点法で測定され、ユアサアイオニクス株式会社製高速比表面積・細孔分布測定装置NOVA1200多点法で測定した。
具体的には、以下の条件で測定した。
・吸着ガス:チッ素ガス(99.995以上)
・冷媒:液体チッ素
・使用セル:9mmペレットショート(大)
・前処理条件:30℃で12時間(真空排気)
・測定ポイント:相対圧力(P/PO)=0.1〜0.3の3ポイント
<トナーの体積平均粒径及び粒度分布の測定>
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加えた。ここで、電解液として1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したISOTON−II(コールター社製)を使用した。次いで、測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
<トナーの形状係数SF−1及びSF−2>
トナーの形状係数SF−1、SF−2は、日立製作所製FE−SEM(S−4200)により測定して得られたトナーのSEM像を300個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェイスを介してニレコ社製画像解析装置(LuzexAP)に導入し解析を行い、下記数式より算出し得られた値をSF−1、SF−2と定義した。
SF−1=(L/A)×(π/4)×100
SF−2=(P/A)×(1/4π)×100
ただし、前記数式中、Lはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積、Pはトナーの最大周長を表す。
<トナーの酸価の測定>
トナーの酸価は、JIS K0070に規定の方法により測定した。ただし、サンプルが溶解しない場合は溶媒にジオキサン又はテトラヒドロフランを用いた。
酸価は具体的に次のような手順で決定される。
・測定装置:電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
・使用電極:DG113−SC(メトラー・トレド社製)
・解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
・装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用した。
・測定温度:23℃
測定条件は、以下の通りである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
At maximum volume[mL] 10.0
At potential No
At slope No
After number EQPs Yes
n=1
comb. Termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
−酸価の測定方法−
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行った。
まず、各トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で10時間撹拌して溶解した。次いで、エタノール30mlを添加して試料溶液とした。
測定は上記記載の装置にて計算することができるが、具体的には次のように計算する。
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求めた。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量
ただし、NはN/10KOHのファクターを表す。
<トナーのガラス転移温度(Tg)の測定>
トナーのガラス転移温度は、理学電機株式会社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定した。
Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず、試料10mgをアルミニウム製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットした。次に、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、室温まで試料を冷却して10分間放置し、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からTgを算出した。
Figure 0005100485
次に、実施例1〜9及び比較例1〜10の各トナーについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表2及び表3に示す。
<画像濃度>
デジタルフルカラー複写機(株式会社リコー製、imagio Color2800;ブレードクリーニングを使用)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを150,000枚ランニング出力した後、ベタ画像を株式会社リコー製6000ペーパーに画像出力後、その画像濃度をXRite(X−Rite社製)により測定し、これを4色単独に行って平均を求め、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
×:画像濃度が1.2未満
△:画像濃度が1.2以上1.4未満
○:画像濃度が1.4以上1.8未満
◎:画像濃度が1.8以上2.2未満
<画像粒状性及び鮮鋭性>
デジタルフルカラー複写機(株式会社リコー製、imagio Color2800;ブレードクリーニングを使用)を用い、単色で写真画像の出力を行い、粒状性及び鮮鋭性の度合を目視にて評価し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:オフセット印刷並
○:オフセット印刷よりわずかに悪い程度
△:オフセット印刷よりかなり悪い程度
×:従来の電子写真画像程度(非常に悪い)
<地汚れ>
デジタルフルカラー複写機(株式会社リコー製、imagio Color2800;ブレードクリーニングを使用)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行った。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れがなく、良好なものから「◎」、「○」、「△」、「×」の順にランク付けした。
<トナー飛散>
デジタルフルカラー複写機(株式会社リコー製、imagio Color2800;ブレードクリーニングを使用)を用い、5万枚の連続印刷後、機内のトナーの汚染度合いを確認した。問題ないレベルを「○」、トナーが見られるものの、使用上問題ないレベルのものを「△」、著しく汚染しており、問題となるものを「×」とした。
<クリーニング性>
ブレードクリーニング後の感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを○(良好)、それを超えるものを×(不良)として評価した。
<帯電量の評価>
(1)15秒撹拌帯電量
各トナー10gとフェライトキャリア100gとを温度28℃、湿度80%RHの環境内で内容積の3割までステンレス製ポットに入れ、100rpmの撹拌速度で15秒間撹拌し、現像剤の帯電量(μC/g)を[東芝ケミカル株式会社製、TB−200]にて測定した。
ブローオフ法にてトナーの帯電量を測定した。
(2)5分間撹拌帯電量
(1)と同様に5分間撹拌したときの帯電量
(3)10分間撹拌帯電量
(1)と同様に10分間撹拌したときの帯電量
<帯電安定性>
(1)高温高湿環境下での帯電安定性
温度40℃、湿度90%RHの環境下、単色モードで7%画像面積の画像チャートをデジタルフルカラー複写機(株式会社リコー製、imagio Color2800;ブレードクリーニングを使用)にて100,000枚ランニング出力する間に、1,000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を評価した。
帯電量の変化が5μc/g以下の場合は○、10μc/g以下の場合は△、10μc/g超える場合は×とした。
(2)低温低湿環境下での帯電安定性
温度10℃、湿度15%RHの環境下、単色モードで7%画像面積の画像チャートをデジタルフルカラー複写機(株式会社リコー製、imagio Color2800)にて100,000枚ランニング出力する間に、1,000枚ごとに現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、帯電安定性を評価した。
帯電量の変化が5μc/g以下の場合は○、10μc/g以下の場合は△、10μc/g超える場合は×とした。
上記(1)及び(2)のブローオフ法による帯電量測定は次のようにして行った。
温度20℃、湿度50%RHの試験室で各トナー10gとフェライトキャリア100gとを内容積の3割までステンレス製ポットに入れ、100rpmの撹拌速度で10分攪拌し、現像剤の帯電量(μC/g)を[東芝ケミカル株式会社製、TB−200]にて測定した。
<定着性評価>
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した株式会社リコー製複写機MF2200定着部を改造した装置を用いて、これに株式会社リコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行った。定着温度を変化させて低温定着性(定着下限温度)と、ホットオフセット性(耐ホットオフセット温度)を下記基準いより求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140℃〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2kgf/cm2、ニップ幅3mmとした。高温オフセットの評価条件は、紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0kgf/cm2、ニップ幅4.5mmとした。
〔低温定着性(5段階評価)〕
◎:140℃未満
○:140℃以上150℃未満
□:150℃以上160℃未満
△:160℃以上170℃未満
×:170℃以上
〔ホットオフセット性(5段階評価)〕
◎:201℃以上
○:200℃以上191℃以下
□:190℃以上181℃以下
△:180℃以上171℃以下
×:170℃以下
<耐熱保存性>
各トナーを50℃で8時間保管後、42メッシュのふるいにて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さい。以下の4段階で評価した。
〔評価基準〕
×:30%以上
△:20%以上30%未満
○:10%以上20%未満
◎:10%未満
Figure 0005100485
Figure 0005100485
本発明のトナーは、低温定着性に優れ、ブレードクリーニングを使用した場合に転写残トナーが少なく、高画質で高い解像度の画像を形成することができるので、電子写真方式の画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに好適に用いられる。
本発明の画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジは、本発明の前記トナーを用いており、長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができるので、例えばレーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
図1は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図2は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 図3は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。 図4は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図5は、図4に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
符号の説明
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (21)

  1. 有機溶剤中に、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液からなる油相を水系媒体中に乳化乃至分散させる水系造粒工程と、
    前記水系造粒工程で得られた乳化乃至分散液から一部の有機溶剤を除去する第1の脱溶剤工程と、
    前記第1の脱溶剤工程で脱溶剤された乳化乃至分散液を40℃〜60℃に昇温させて加熱する昇温工程と、
    前記加熱された乳化乃至分散液を40℃〜60℃で加熱し、熟成する熟成工程と、
    前記熟成工程を経た乳化乃至分散液中の有機溶剤を除去する第2の脱溶剤工程と、
    前記第2の脱溶剤工程を経た乳化乃至分散液を濾過する濾過工程と、
    前記濾過された粒子を洗浄し、乾燥する洗浄工程と、を含むトナーの製造方法により製造されたトナーであって、
    前記第1の脱溶剤工程後における乳化乃至分散液中の残留有機溶剤濃度が、該乳化乃至分散液中のトナーに対し10質量%〜33質量%であり、
    前記昇温工程における昇温速度が0.3℃/分〜1.5℃/分であることを特徴とするトナー。
  2. 油相が、変性層状無機鉱物と結着樹脂とを含む混練複合体を含有し、該混練複合体中の変性層状無機鉱物の体積平均粒径が0.1μm〜0.55μmであり、該混練複合体中の粒径1μm以上の変性層状無機鉱物が15体積%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. トナーの形状係数SF−1が110〜200であり、トナーの形状係数SF−2が110〜300である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 変性層状無機鉱物のトナー中における含有量が、0.1質量%〜5質量%である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 変性層状無機鉱物における有機物イオンが4級アンモニウムイオンである請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. トナーの体積平均粒径が3μm〜7μmであり、該体積平均粒経(Dv)と、個数平均粒経(Dn)との比(Dv/Dn)が1.20以下である請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. トナーのBET比表面積が、1.0m/g〜6.0m/gである請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. 粒径2μm以下の粒子の割合が、1個数%〜10個数%である請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9. 結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有する請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
  10. ポリエステル樹脂の結着樹脂における含有量が、50質量%〜100質量%である請求項9に記載のトナー。
  11. ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の質量平均分子量が1,000〜30,000である請求項9から10のいずれかに記載のトナー。
  12. ポリエステル樹脂の酸価が、1.0mgKOH/g〜50.0mgKOH/gである請求項9から11のいずれかに記載のトナー。
  13. ポリエステル樹脂のガラス転移温度が、35℃〜65℃である請求項9から12のいずれかに記載のトナー。
  14. 活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体の質量平均分子量が3,000〜20,000である請求項1から13のいずれかに記載のトナー。
  15. トナーの酸価が、0.5mgKOH/g〜40.0mgKOH/gである請求項1から14のいずれかに記載のトナー。
  16. トナーのガラス転移温度が、40℃〜70℃である請求項1から15のいずれかに記載のトナー。
  17. 有機溶剤中に、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された変性層状無機鉱物を溶解乃至分散させてなる溶解乃至分散液からなる油相を水系媒体中に乳化乃至分散させる水系造粒工程と、
    前記水系造粒工程で得られた乳化乃至分散液から一部の有機溶剤を除去する第1の脱溶剤工程と、
    前記第1の脱溶剤工程で脱溶剤された乳化乃至分散液を40℃〜60℃に昇温させて加熱する昇温工程と、
    前記加熱された乳化乃至分散液を40℃〜60℃で加熱し、熟成する熟成工程と、
    前記熟成工程を経た乳化乃至分散液中の有機溶剤を除去する第2の脱溶剤工程と、
    前記第2の脱溶剤工程を経た乳化乃至分散液を濾過する濾過工程と、
    前記濾過された粒子を洗浄し、乾燥する洗浄工程と、を含むトナーの製造方法であって、
    前記第1の脱溶剤工程後における乳化乃至分散液中の残留有機溶剤濃度が、該乳化乃至分散液中のトナーに対し10質量%〜33質量%であり、
    前記昇温工程における昇温速度が0.3℃/分〜1.5℃/分であることを特徴とするトナーの製造方法。
  18. 請求項1から16のいずれかに記載のトナーと、キャリアとからなること特徴とする二成分現像剤。
  19. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、転写後に静電潜像担持体表面に残留したトナーをブレードを用いて除去するクリーニング工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記トナーが、請求項1から16のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  20. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、転写後に静電潜像担持体表面に残留したトナーをブレードを用いて除去するクリーニング手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記トナーが、請求項1から16のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  21. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、転写後に静電潜像担持体表面に残留したトナーをブレードを用いて除去するクリーニング手段とを少なくとも有するプロセスカートリッジであって、
    前記トナーが、請求項1から16のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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