JP5100248B2 - 原子間力顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、原子間力を利用した走査型のプローブ顕微鏡である原子間力顕微鏡に関するものである。
原子間力顕微鏡は、微細な探針を備えた片持ち梁(カンチレバー)を被検物表面に沿って走査させ、探針と被検物との間に作用する原子間力によるカンチレバーの変位量を検出することで被検物表面の微細構造を計測することができる装置である。その原理は、特許文献1に開示されている。特許文献1ではトンネル電流を検知することでカンチレバーの変位量を検出しているが、光テコ法や光干渉法を利用した方法も提案されている。
しかしながら、一般的な原子間力顕微鏡では、カンチレバー変位を測定する際、被検物の変位情報を取得していない。特許文献1に開示されている原子間力顕微鏡も同様であり、振動や温度変化等の外乱によりカンチレバーと被検物との相対位置が変動した場合、その変動量が計測結果に重畳されてしまう問題があった。例えば、カンチレバーを共振周波数付近で振動させながら計測を行なうACモードでは、探針と被検物間の距離によって変化する原子間力を振幅変化により検出する。このとき探針と被検物間の距離は被検物の表面形状により変化することを仮定しているが、カンチレバーと被検物との相対位置変動が発生すれば、仮定が成り立たず誤差が発生することになる。
カンチレバーと被検物との相対位置変動の影響を軽減可能な原子間力顕微鏡としては、特許文献2が提案されている。特許文献2では、二重焦点レンズを含む光学系を利用した光ヘテロダイン法によりカンチレバーの変位量を検出しており、その構成は図5に示す通りである。
この装置では、偏波面が直交し、周波数がわずかに異なる2種類の直線偏光を含むレーザー光を出力可能なレーザー光源装置110を使用している。レーザー光源装置110から出力された2種類の直線偏光は二重焦点レンズ122に入射し、一方の直線偏光は平行光となり、被検物130の比較的広い範囲に照射される。他方の直線偏光は集束光となってカンチレバー126の背面へと集光される。カンチレバー背面からの反射光と被検物表面からの反射光は、計測用光センサ136へと入射する。ここで、カンチレバー背面からの反射光は、原子間力によるカンチレバー126の変位量に伴って光路長が変化するため、周波数変化を受ける。従って、計測用光センサ136で検出された光干渉のビート信号からカンチレバー126の変位量を算出することができる。
特許文献2にACモードによる計測を適用した場合、被検物表面を基準としてカンチレバー変位の極大値と極小値を計測し振幅を求めることになる。従ってカンチレバーと被検物との相対位置変動が発生した場合でも、カンチレバー変位の極大値と極小値が相対位置変動分だけ等しく変化し、振幅計測結果に影響を与えない。このため、カンチレバーと被検物との相対位置変動の影響を軽減することが可能となる。
特開昭62−130302号公報 特許第2998333号公報
しかしながら、特許文献2で開示されている原子間力顕微鏡の場合、カンチレバーと被検物との相対位置変動の影響を軽減することはできるが、以下の3つの要因によりカンチレバー変位の計測精度が劣化する問題があった。
計測精度が劣化する第1の要因は、レーザー光源装置から出力された2種類の直線偏光が、カンチレバー背面及び被検物表面で反射し二重焦点レンズに再入射するまでの間、異なる光路を通る点である。光路が異なれば、温度や気圧等の変動に伴う大気屈折率変動によって2種類の直線偏光の光路長差が変動し、カンチレバー変位の計測誤差となる。
計測精度が劣化する第2の要因は、二重焦点レンズに入射した後平行光となり被検物に照射される光のうち、一部はカンチレバー背面上で反射して計測用光センサに入射し、計測ノイズとなる点である。この点に関して特許文献2では、カンチレバーを光軸に対してある程度傾けることにより、カンチレバー背面上で反射した不要光が計測用光センサに到達しないように構成するとしている。しかしながら、平行光として入射しカンチレバー背面で反射した光が計測用光センサに到達しないならば、カンチレバー変位の計測光としてカンチレバー背面に集束する光の主光線もまた計測用光センサに到達せず、計測が成立しない。従ってカンチレバーを傾けるだけではカンチレバー背面上で反射した不要光による計測ノイズの発生を回避することができない。
計測精度が劣化する第3の要因は、特許文献2で開示されている原子間力顕微鏡では、カンチレバーに入射する直線偏光と被検物に入射する直線偏光との光量比を調節できないことである。従って、カンチレバーと被検物とで反射率が異なる場合、計測用光センサ36で検出される干渉縞のコントラストが低下し、カンチレバー変位の計測精度が劣化する。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、カンチレバーと被検物との相対位置変動の影響を軽減し、かつカンチレバー変位の計測をより一層高精度に実施可能な原子間力顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の原子間力顕微鏡は、探針を備えるカンチレバーを被検物に接近させ、前記探針と前記被検物の間に発生する原子間力を検出し、前記原子間力を保ちつつ走査することにより、前記被検物の面形状を計測する原子間力顕微鏡において、光源と、前記光源からの光を2種類の偏光光に分割する偏光光学素子と、前記2種類の偏光光のうちの一方を、前記カンチレバーに集光させるとともに、他方の偏光光を前記被検物に集光させ、それぞれ反射させて得られた2種類の反射光による干渉縞を得る光学系と、前記干渉縞から前記カンチレバーの変位を検出する検出手段と、を有し、前記カンチレバーは前記被検物に集光する前記他方の偏光光の光路外に配されており、前記2種類の偏光光がなす角度と、前記被検物に対する前記カンチレバーの傾斜角度が等しいことを特徴とする。
被検物表面を位置基準としてカンチレバー変位を計測することが可能となるため、カンチレバーと被検物との相対位置変動が計測結果に及ぼす影響を軽減することができる。
また、偏光光学素子により分割された2種類の偏光光は、カンチレバー先端及び被検物表面において共に頂点反射する。これにより光源から偏光光学素子で分割されるまでの光路と、カンチレバー先端及び被検物表面で反射し、偏光光学素子に再入射した後の光路を共通化することができる。
さらに、偏光光学素子により分割された2種類の偏光光の射出方位が異なるため、被検物表面へ入射させる偏光光の光路を避けてカンチレバーを配置することが可能となる。これにより、被検物表面へ入射させる偏光光の一部がカンチレバー背面で反射することもなくなり、従来技術において問題となっていた計測ノイズをなくすことができる。
カンチレバーと被検物とで反射率が異なる場合であっても、光量比を調節する手段を用いることで検出手段において検出される干渉縞を高コントラストに保つことが可能となる。
このように本発明では、共通光路部分が多く、不要光による計測ノイズの発生も回避でき、被検物の反射率によらず干渉縞を高コントラストに保つことが可能であるため、カンチレバー変位の計測を従来よりも高精度に実施可能である。
また、さらに高精度にカンチレバー変位を計測するため、カンチレバー変位量に対する検出信号変動量の感度を実測する感度情報取得手段を備えている。感度は検出手段で検出される干渉縞の状態によって変化し、カンチレバー変位の計測結果に影響を与えるが、感度情報取得手段を用いて実測した感度情報を用いて校正を行うことで感度低下による計測誤差を軽減することができる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施例1による原子間力顕微鏡の構成を示す。この装置は、針状の探針の原子と被検物1の表面の原子間に発生する原子間力を検出し、前記原子間力を一定に保ちつつ走査するもので、除振台2aを介して地面に固定されたベース2に、XYZステージ3とティップティルトステージ4を備えている。ティップティルトステージ4には被検物1が固定されており、XYZステージ3にはハウジング6が固定されている。ハウジング6には各種光学部品やセンサ類が内蔵されており、さらにXY方向の微動機構としてXYスキャナ7が固定されている。また、XYスキャナ7にはZ方向の微動機構としてチューブスキャナ8が固定されている。チューブスキャナ8には、カンチレバーユニット取り付けブロック9、加振用ピエゾアクチュエータ10、カンチレバーホルダー11を介して、前記探針を有するカンチレバー12が取り付けられている。カンチレバー12の先端部の背面には反射面が形成されている。
以上説明した各種駆動機構を用いた計測動作を説明する。まず、被検物1をティップティルトステージ4に固定し、XYZステージ3とティップティルトステージ4を用いて被検物1とカンチレバー12との相対位置関係を調節する。その後チューブスキャナ8を用いて、被検物1とカンチレバー先端に設けた探針(不図示)との間に原子間力が働く程度までカンチレバー12を被検物1へと接近させる。そして原子間力を一定に保ちながらXYスキャナ7を用いてカンチレバーを走査し、被検物1の表面の面形状を計測する。原子間力を一定に保つために、本実施例では光干渉を利用してカンチレバー先端の変位を計測している。なお、本実施例では加振用ピエゾアクチュエータ10を備えており、ACモードによる計測も可能である。
次に、本実施例における原子間力顕微鏡の光学系と、この光学系によるカンチレバー先端変位の計測方法について説明する。
光源21から出力された光は、光ファイバ22を通ってハウジング6の内部へと導かれ、コリメータ23により平行光へと変換される。このとき射出される平行光は、直線偏光となるように調節されている。その後2分の1波長板24及びハーフミラー26を透過した光は、ダイクロイックミラー27で反射して、偏光光学素子であるローションプリズム28へと入射する。ローションプリズム28は複屈折材料(例えば方解石)でできており、入射光を、互いに直交する2種類の偏光光(S偏光とP偏光)に分離した上で異なる方向へと射出する。S偏光は集光レンズ29によってカンチレバー12の背面に設けられた反射面へ集光され、頂点反射する。その後は入射光路と同一光路を通りローションプリズム28へ再入射する。一方P偏光は被検物1の表面へ集光され、頂点反射する。その反射光は同一光路を通りローションプリズム28に再入射する。ローションプリズム28を透過したS偏光とP偏光は共に平行光として共通光路を通り、ダイクロイックミラー27及びハーフミラー26で反射する。そして4分の1波長板30、2分の1波長板31、ハーフミラー33、ハーフミラー34を透過し、偏光ビームスプリッタ35へ到達する。偏光ビームスプリッタ35において再びS偏光とP偏光に分割され、フォトディテクタ36とフォトディテクタ37へと入射する。2つのフォトディテクタでは光の強度情報が取得され演算装置38へと伝達される。演算装置38では2種類の強度情報を解析し、干渉縞によるカンチレバー変位量を算出する。
演算装置38における解析内容についてさらに詳細を説明する。フォトディテクタ36で取得された光情報をA1とし、フォトディテクタ37で取得された光情報をA2とすると、次式のように表すことができる。
Figure 0005100248
Figure 0005100248
ここで、Aは光情報の大きさを定義する定数であり、λは使用している光の波長、ΔLはカンチレバー12と被検物1の間の相対的な変位情報、αはローションプリズム28で分離したS偏光とP偏光の光路長差から決まる初期位相である。Vは位相変化に対する光情報変化の感度を表す感度係数であり、0以上1以下の値をとる。また、Φは2分の1波長板31を回転させる回転機構32の回転角度に応じて変化する位相である。
演算装置38内において、これら2種類の信号を以下のように処理し、変位情報Sを得る。
Figure 0005100248
ここでΦがαを打ち消すように2分の1波長板31の回転角度を調整し、かつ、ΔLは非常に微小量であるとすると、変位情報Sは次式のように近似できる。
Figure 0005100248
このようにして求められた変位情報Sを用いると、次式が得られる。
Figure 0005100248
上式よりカンチレバー12と被検物1との間の相対的な変位情報を得ることができる。上式に含まれる感度係数Vは、S偏光とP偏光の重ね具合の良し悪しにより変化する値である。干渉縞がいわゆる縞一色状態であり、かつ高コントラストであれば、干渉縞の感度係数Vは1に近づく。
後述するように、本実施例は、干渉縞の感度係数Vを1に近づけるための調整機構を備えているが、高精度な測定のためには干渉縞の感度係数Vを正確に実測し、それを用いて変位情報を計算することが望ましい。
干渉縞の感度係数Vの正確な値を得るため、2分の1波長板31を回転機構32により回転させながらフォトディテクタ36の強度情報を取得する。2分の1波長板31を回転させることにより、強度情報を表す次式に含まれる位相αが変化する。
Figure 0005100248
位相Φの変化に伴って強度情報が強弱し、最小強度Aminと最大強度Amaxを知ることができる。最低強度Aminと最大強度Amaxの値を用いると、干渉縞の感度係数Vは次式で求めることができる。
Figure 0005100248
上式により求めた感度係数Vの実測値を用いて変位情報Sを計算することで、カンチレバー12の変位を高精度に計測することができる。なお、感度係数Vの計測はフォトディテクタ37より得られる強度情報により実施してもよい。
次に、高精度計測を行なうために必要な各種調整機能について説明する。
本実施例において高精度計測を行なうためには、フォトディテクタ36及びフォトディテクタ37において検出される干渉縞が、いわゆる縞一色状態であることが望ましい。フォトディテクタ37において検出される干渉縞は、フォトディテクタ36で検出される干渉縞に対し位相が180度ずれた状態であるため、いずれか一方を縞一色状態とすれば他方も縞一色状態となる。
そこで本実施例では、干渉縞を縞一色状態に調整するためのセンサとしてCCDセンサ53を備えている。CCDセンサ53には、ハーフミラー34で分割され、偏光ビームスプリッタ51を透過し、ビームエクスパンダ52により拡大された光が入射する。従ってCCDセンサ53により観察される干渉縞は、フォトディテクタ36により検出される干渉縞と同じになる。このため、CCDセンサ53により観察される干渉縞が縞一色状態となるようにティップティルトステージ4を調整することで、フォトディテクタ36及びフォトディテクタ37において検出される干渉縞を縞一色状態とすることができる。
ただし、被検物1が大きく傾いて固定された場合には、CCDセンサ53において干渉縞を観察できない可能性がある。そこで本実施例では、ポジションセンサ55を備えている。ポジションセンサ55には、ハーフミラー33により分割された光が入射する。従ってポジションセンサ55には、カンチレバー12からの反射光と被検物1からの反射光が入射することになる。そして、ポジションセンサ55において観察される2つの輝点が重なるようにティップティルトステージ4を調整する。これにより、カンチレバー12からの反射光と被検物1からの反射光が、ほぼ共通光路を取るように調整することができる。このため、CCDセンサ53において干渉縞が観察できる状態となり、干渉縞が縞一色状態となるように調整することができるようになる。
また、本実施例はカメラ56を備えており、カンチレバー先端部分の様子を観察することができる。このカメラ56を用いることで、集光レンズ29により集光された光がカンチレバー背面の所定の場所に照射されるように調整することが可能となる。
以上説明した本実施例と図5に示す従来例との相違点は、被検物1に入射する光が集束光である点である。その結果、S偏光とP偏光が異なる光路を通る範囲は、ローションプリズム28を透過してからカンチレバー12及び被検物1で反射し再度ローションプリズム28に入射するまでとなり、従来よりも共通光路部分が多い。そのため、従来よりも温度や気圧等の変動に伴う大気屈折率変動の影響を軽減することが可能であり、カンチレバー12の変位計測を高精度化することができる。
また、S偏光とP偏光の主光線が異なる光路を取る点も本実施例が従来例と異なる点である。その結果、P偏光が被検物1に入射する光路中にカンチレバー12を配置しない構成を取ることができ、計測ノイズの発生を抑制することができる。
なお、S偏光とP偏光がローションプリズム28により分離される角度は、被検物1に対するカンチレバー12の傾き(傾斜角度)に応じて設計することが望ましい。より具体的には、カンチレバー12近傍の拡大図である図2において、θ1とθ2が等しくなるようにローションプリズム28及び集光レンズ29を設計することが望ましい。ここでθ1は、カンチレバー12の背面に入射するS偏光の主光線と、被検物1に入射するP偏光の主光線とがなす角である。またθ2は、カンチレバー12の背面に設けた反射面と被検物1とのなす角度の設計値である。一般的には、カンチレバーホルダー11と被検物1との機械的干渉を避けるため、ある程度の角度をθ2に持たせて装置設計しており、本実施例においてもθ2を10度としている。本実施例ではP偏光の主光線が被検物1に垂直入射するようにアライメントして計測するため、θ1とθ2が異なり必要以上にθ1が小さい場合には、カンチレバーホルダー11と被検物1とが機械的干渉を起こす危険性がある。
さらに本実施例は、ローションプリズム28により分離されるS偏光とP偏光の光量比を調節する手段として、2分の1波長板24と、回転機構25を備えている。ここで回転機構25は、コリメータ23により射出された平行光の光軸を回転軸として2分の1波長板24を回転する機構である。回転機構25により2分の1波長板24を回転させると、2分の1波長板24に入射する直線偏光の偏光方向を自由に変更し射出することができる。これは、射出される直線偏光に含まれるS偏光とP偏光の割合を自由に変更可能であることを意味しており、結果としてローションプリズム28により分離されるS偏光とP偏光の光量比を自由に調節することができる。
この光量比調節機構を用いると、カンチレバー12と被検物1とで反射率が異なっている場合でも、カンチレバー12からの反射光の光量と被検物1からの反射光の光量を同等にすることができる。そのため、フォトディテクタ36及びフォトディテクタ37で検出される干渉縞のコントラストを高くすることができ、図5に示す従来例よりもカンチレバー12の変位計測を高精度化することができる。
なお、本実施例では偏光光学素子としてローションプリズムを用いているが、代わりにウォラストンプリズムを使用しても同様の効果を得ることができる。また、本実施例ではS偏光をカンチレバー背面に照射しP偏光を被検物に照射するとしているが、S偏光とP偏光を逆にしてもよい。
図3は、実施例2による原子間力顕微鏡の構成を示す図である。実施例1と異なる点は、4分の1波長板30及び2分の1波長板31の位置と、ハーフミラー33の位置が逆転し、さらに、ハーフミラー33とポジションセンサ55との間に、偏光ビームスプリッタ54を挿入している点である。ポジションセンサ55には被検物1からの反射光のみが入射し、カンチレバー12からの反射光は入射しない構成となる。そして観察される1つの輝点の位置情報を用いて、干渉縞が縞一色状態となるようにティップティルトステージ4を調整する。すなわち、干渉縞が縞一色状態となる輝点の理想位置を予め把握しておき、理想位置に輝点が移動するようにティップティルトステージ4を調整する。
本実施例の特徴は、ポジションセンサ55において検出される輝点がひとつしかないため、計算機による演算で輝点位置をより正確に算出可能な点である。このため、被検物1のアライメント状態を計算機のみで精度よく求めることができ、自動測定に適した形態である。
図4は、実施例3による原子間力顕微鏡の構成を示す図である。実施例1、2と異なる点は、干渉縞検出用のフォトディテクタを1つに減らした点である。この場合の演算装置38における解析内容について説明する。フォトディテクタ36で取得された光情報をA1とすると、実施例1において説明したように次式で表される。
Figure 0005100248
ここで、Aは光情報の大きさを定義する定数であり、λは使用している光の波長、ΔLはカンチレバー12と被検物1の間の相対的な変位情報、αはローションプリズム28で分離したS偏光とP偏光の光路長差から決まる初期位相である。Vは干渉縞の感度係数であり0以上1以下の値をとる。また、Φは2分の1波長板31を回転させる回転機構32の回転角度に応じて変化する位相である。
ここでΦがαを打ち消すように2分の1波長板31の回転角度を調整し、かつ、ΔLは非常に微小量であるとすると、光情報A1は次式のように近似できる。
Figure 0005100248
このようにして求められた光情報A1を用いると、次式が得られる。
Figure 0005100248
上式より、カンチレバー12と被検物1との間の相対的な変位情報を得ることができる。上式に含まれる光情報の大きさAと干渉縞の感度係数Vは、2分の1波長板31を回転機構32により回転させながらフォトディテクタ36の強度情報を取得し、最小強度Aminと最大強度Amaxを求めることで次式のように計算することができる。
Figure 0005100248
Figure 0005100248
なお、本実施例の場合、カンチレバー変位の符号がわからない欠点がある。しかしながら、カンチレバーの振幅情報を用いて計測を行なうACモードではカンチレバー変位の符号情報を必要としないため、本実施例を適用することができる。
実施例1による原子間力顕微鏡の構成を示す模式図である。 カンチレバー周辺部を拡大した図である。 実施例2による原子間力顕微鏡の構成を示す模式図である。 実施例3による原子間力顕微鏡の構成を示す模式図である。 一従来例を示す模式図である。
符号の説明
1 被検物
2 ベース
3 XYZステージ
4 ティップティルトステージ
6 ハウジング
7 XYスキャナ
8 チューブスキャナ
9 カンチレバー取り付けブロック
10 加振用ピエゾアクチュエータ
11 カンチレバーホルダー
12 カンチレバー
21 光源
22 光ファイバ
23 コリメータ
24 2分の1波長板
25 回転機構
26 ハーフミラー
27 ダイクロイックミラー
28 ローションプリズム
29 集光レンズ
30 4分の1波長板
31 2分の1波長板
32 回転機構
33 ハーフミラー
34 ハーフミラー
35 偏光ビームスプリッタ
36 フォトディテクタ
37 フォトディテクタ
51 偏光ビームスプリッタ
52 ビームエクスパンダ
53 CCDセンサ
54 偏光ビームスプリッタ
55 ポジションセンサ
56 カメラ

Claims (5)

  1. 探針を備えるカンチレバーを被検物に接近させ、前記探針と前記被検物の間に発生する原子間力を検出し、前記原子間力を保ちつつ走査することにより、前記被検物の面形状を計測する原子間力顕微鏡において、
    光源と、
    前記光源からの光を2種類の偏光光に分割する偏光光学素子と、
    前記2種類の偏光光のうちの一方を、前記カンチレバーに集光させるとともに、他方の偏光光を前記被検物に集光させ、それぞれ反射させて得られた2種類の反射光による干渉縞を得る光学系と、
    前記干渉縞から前記カンチレバーの変位を検出する検出手段と、を有し、
    前記カンチレバーは前記被検物に集光する前記他方の偏光光の光路外に配されており、前記2種類の偏光光がなす角度と、前記被検物に対する前記カンチレバーの傾斜角度が等しいことを特徴とする原子間力顕微鏡。
  2. 前記2種類の偏光光の光量比を調節する手段を有することを特徴とする請求項記載の原子間力顕微鏡。
  3. 前記光量比を調節する手段が、前記光源からの光の偏光方向を変更する波長板と、前記光の光軸のまわりに前記波長板を回転させる回転機構と、を有することを特徴とする請求項記載の原子間力顕微鏡。
  4. 前記検出手段が、前記干渉縞から光路長差を算出する際に用いる感度情報を取得する感度情報取得手段を有することを特徴とする請求項1ないしいずれか1項記載の原子間力顕微鏡。
  5. 前記感度情報取得手段が、前記2種類の偏光光の共通光路に配置された4分の1波長板と、2分の1波長板と、前記2分の1波長板を回転させる回転機構と、を有することを特徴とする請求項記載の原子間力顕微鏡。
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