JP5100242B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に、静磁場発生磁気回路の温度変化に対応して共鳴周波数制御に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号(エコー信号)を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を二次元的に或いは三次元的に画像化する装置である。撮像においては、エコー信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたエコー信号は、二次元又は三次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
上記MRI装置において所望の画像を得るためには、撮像をおこなう際に静磁場強度に対応した共鳴周波数のRFパルスを被検体に照射する必要がある。このRFパルスの共鳴周波数は、静磁場発生磁気回路が発生する静磁場強度に依存し、この静磁場強度は、静磁場発生磁気回路の温度によって変化する。従って、共鳴周波数も静磁場発生磁気回路の温度に依存して変化することになる。
このような静磁場発生磁気回路の温度変化に基づく静磁場強度や共鳴周波数の変化を抑制するために、静磁場発生磁気回路を保温して一定温度に保持たり、補正のための磁場を発生させる回路を静磁場発生磁気回路に付加したりしている。
また、撮像中においては、所定のパルスシーケンスに基づいて傾斜磁場を発生させるために、傾斜磁場コイルに比較的大きな電流を流す必要がある。この電流による傾斜磁場コイルの発熱が静磁場発生磁気回路の温度を変化させ、その結果、静磁場強度の変化による共鳴周波数の変化が生じてしまう場合がある。このような、撮像の前後における共鳴周波数の変化を抑制するために、(特許文献1)では静磁場発生磁気回路の温度を計測し、その値の変化から共鳴周波数の変動を推定している。
特開2005-288025号公報
(特許文献1)に記載の方法では、静磁場発生磁気回路の温度変化に関して、計測したときの傾向と撮像中の傾向とが同様であれば共鳴周波数の補正がうまく行われる。しかし、計測したときの傾向と撮像中の傾向とが異なる場合には共鳴周波数の補正がうまくおこなわれない可能性が未解決のまま残されている。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みておこなわれたもので、撮像の前後であるか否かに係わらず、静磁場発生磁気回路の温度変化による共鳴周波数の変動の補正を精度良く行うことが可能なMRI装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のMRI装置は以下のように構成される。即ち、
静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段の電流を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、撮像の前後において静磁場発生手段の温度変化が上昇方向となるように、非撮像中の少なくとも一部の期間に傾斜磁場発生手段に電流を流すことを特徴とする。
本発明のMRI装置によれば、非撮像時にも傾斜磁場発生手段に電流を流すことにより、静磁場発生手段の温度変化を常に一方方向にすることができるので、撮像の前後であるか否かに係わらず、静磁場発生手段の温度変化に追従して、共鳴周波数の変動補正を精度良く行うことが出来るようになる。その結果、画質が向上する。
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置の一例の全体概要を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、MRI装置は静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えて構成される。
静磁場発生系2は、垂直磁場方式であれば、被検体1の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に均一な静磁場を発生させる静磁場発生磁気回路を備えて、被検体1の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成る。後述のシ−ケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1にRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル(送信コイル)14aとから成る。高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を計測するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1の応答のNMR信号が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで計測され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ20とを有し、受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18等に記録する。
操作部25は、MRI装置の各種制御情報や上記信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール又はマウス23、及び、キーボード24から成る。この操作部25はディスプレイ20に近接して配置され、操作者がディスプレイ20を見ながら操作部25を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
なお、図1において、送信側の高周波コイル14aと傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体1に対向して、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、或いは取り囲むように設置されている。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を二次元もしくは三次元的に撮像する。
次に、上記MRI装置において、静磁場発生磁気回路の温度計測法について説明する。
静磁場発生磁気回路に直接温度センサを配置して温度計測を行うのが最も簡単確実であるが、ここでは、エコー信号の周波数から静磁場発生磁気回路の温度を推定する方法を説明する。即ち、シーケンサ4は、送信系5と受信系6とを制御して、送信系5により周波数を変化させながらRFパルスを照射させ、受信系6によりエコー信号を計測させる。そして、CPU8は受信系6により受信された各エコー信号を解析してその信号強度が最大となったときの周波数を求める。この周波数が、その静磁場発生磁気回路が発生する静磁場強度に対応する共鳴周波数である。また、静磁場発生磁気回路の温度と共鳴周波数との対応データを予め測定して磁気ディスク18に記憶しておき、CPU8はその対応データを参照して、求められた共鳴周波数からそのときの静磁場発生磁気回路の温度を求める。
次に、上記MRI装置において、上記静磁場発生磁気回路の温度計測法を用いて、従来行われていた単純な静磁場発生磁気回路の温度計測を行う場合の課題について、図3に基づいて説明する。図3は、静磁場発生磁気回路の温度変化の実測値と推定値、及び実測値と推定値の差分の時間変化を示すグラフである。
静磁場発生磁気回路の温度の実測値(-◆-)は、最初の非撮像時では傾斜磁場コイルに通電が行われていないので、傾斜磁場コイルの発熱が無いことにより、徐々に低下していく(301)。その後、撮像が開始されると、所定のパルスシーケンスに基づいて傾斜磁場コイルに通電されるので、傾斜磁場コイルの発熱により静磁場発生磁気回路の温度が上昇する(302)。しかし、撮像が終了すると再び静磁場発生磁気回路の温度が低下していく(303)。
再度、撮像が開始されると、静磁場発生磁気回路の温度が上昇していく(304)。
一方、このような静磁場発生磁気回路の温度変化に追従して共鳴周波数を補正するべく、CPU8は、前述の静磁場発生磁気回路の温度計測法に基づいて、静磁場発生磁気回路の温度変化を推定する(-■-)。最初の非撮像時では、静磁場発生磁気回路の実測温度の低下に追従して精度良く静磁場発生磁気回路の温度を推定している(311)。しかし、撮像が開始されて静磁場発生磁気回路の温度が上昇しても、推定値はその変化に追従できずに静磁場発生磁気回路が相変わらず温度低下するものと推定している。その後、静磁場発生磁気回路の温度上昇に追従して推定値も上昇している(312)。しかし、撮像が終了して、傾斜磁場コイルへの通電が停止されて静磁場発生磁気回路の温度が低下し始めても、推定値はその変化に追従できずに静磁場発生磁気回路が相変わらず温度上昇するものと推定している。その後、静磁場発生磁気回路の温度低下に追従して推定値も減少し(313)、実測値と推定値が一致した以降は精度良く実測値に追従して温度を推定している(314)。
従って、実測値と推定値の誤差(-▲-)は、撮像開始の前後及び撮像終了の前後で大きくなる(320)。
以上のように、従来方法では、静磁場発生磁気回路の温度の推定値が実際の値に遅れて追従していたので、共鳴周波数がずれて画像劣化の原因となっていた。そのため、静磁場発生磁気回路の、特に撮像開始又は終了の前後における、温度変化に精度良く追従して共鳴周波数を制御するためには、さらなる工夫が必要であった。この従来方法の課題を解決するのが以下に説明する本発明である。
次に、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、非撮像時にも傾斜磁場コイルに電流を流して傾斜磁場コイルの発熱を維持することにより、静磁場発生磁気回路の温度変化を一方方向、つまり、静磁場発生磁気回路の温度が上昇または一定となるようにして、温度の上昇と下降の変動を繰り返すことによる、静磁場発生磁気回路温度の推定誤差を低減する。以下、図2,4に基づいて本実施形態を説明する。
最初に、本実施形態の傾斜磁場コイル電流制御を行うための構成を図2に示すブロック図に基づいて説明する。本傾斜磁場コイル電流制御に関係するブロックは、シーケンサ4と傾斜磁場発生系3なので、この2つのみ示し、他の説明は省略する。また、図2では、傾斜磁場発生系3の内のX軸用傾斜磁場発生部のみを示しているが、他のY軸、Z軸用傾斜磁場発生部も同様である。
シーケンサ4からは、2つの信号が傾斜磁場発生系3に出力される。
その一つの信号は、撮像前に選択されたパルスシーケンスに基づいて、傾斜磁場発生系3に傾斜磁場パルスを発生させるための撮像時傾斜磁場波形信号である。この信号はシーケンサ4から傾斜磁場発生系3に直接出力される。
他の一つの信号は、本実施形態に係る信号であり、撮像時傾斜磁場波形信号に基づいて傾斜磁場発生系3に傾斜磁場パルスを発生させるか否かを制御する波形出力制御信号である。この波形出力制御信号は、シーケンサ4からI/O201を介して、演算ユニット202に出力される。シーケンサ4は、この波形出力制御信号を撮像中にONにし非撮像中にOFFにする。
演算ユニット202は、この波形出力制御信号に基づいて、傾斜磁場発生系3に撮像時傾斜磁場波形信号に則った傾斜磁場パルスを発生させるか否かを制御する。具体的には、シーケンサ4からの波形出力制御信号をそのまま傾斜磁場発生系3に出力する。また、非撮像時に傾斜磁場コイルの温度変化を制御するための非撮像時温度制御用傾斜磁場波形信号を傾斜磁場発生系3に出力する。この非撮像時温度制御用傾斜磁場波形信号は、傾斜磁場コイルに流される電流が所定の一定値又は、所定の周期で時間的に変化する値となるような波形信号である。時間的に変化させる理由は、一定電流を長時間流すことによる電気・電子素子の特性の偏在を防止するためである。周期は数秒から数時間程度の長い周期でよい。
傾斜磁場発生系3は、上記3つの信号が入力される制御ユニット203を備えて、これら3つの信号に基づいて、傾斜磁場の発生を行う。具体的には、制御ユニット203は、波形出力制御信号がONのときには、シーケンサ4からの撮像時傾斜磁場波形信号をそのまま傾斜磁場電源に出力して、傾斜磁場パルスを発生する。一方、波形出力制御信号がOFFのときには、演算ユニット202からの非撮像時温度制御用傾斜磁場波形信号をそのまま傾斜磁場電源に出力して、温度制御用傾斜磁場を発生する。この温度制御用傾斜磁場は、X,Y又はZ軸コイルのいずれか一つ以上の傾斜磁場コイルに供給すれば良いが、好ましくは3軸の傾斜磁場コイルに同時に供給する。
以上迄が、本実施形態の傾斜磁場コイル電流制御を行うための構成の説明である。
次に、本実施形態の、傾斜磁場コイル電流制御を行うことによる、静磁場発生磁気回路の温度変化を一方方向にするための制御フローを、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、非撮像時における傾斜磁場コイルの温度変化を制御する温度制御電流を所定の一定値として説明するが、本実施形態はこの限りではない。以下、各処理ステップを詳細に説明する。
ステップ401で、シーケンサ4は、撮像中か否かをチェックする。撮像中であれば、ステップ402へ移行し、撮像中でなければ、ステップ403に移行する。
ステップ402で、撮像中なので、シーケンサ4は、その撮像で実施されるパルスシーケンスに基づいて傾斜磁場コイルの電流制御を行う。即ち、シーケンサ4は、波形出力制御信号をONにし、撮像時傾斜磁場波形信号を傾斜磁場発生系3に出力する。傾斜磁場発生系3はその波形信号に基づいて傾斜磁場パルスを発生する。再びステップ401に移行する。
ステップ403で、撮像中でなければ、シーケンサ4は、傾斜磁場コイルに温度制御電流を供給する。即ち、シーケンサ4は、波形出力制御信号をOFFにする。これにより、演算ユニット202は、非撮像時温度制御用傾斜磁場波形信号を傾斜磁場発生系3に出力し、傾斜磁場発生系3はその波形信号に基づいて温度制御用傾斜磁場を発生する。その結果、傾斜磁場コイルのコイル電流による発熱が継続するので、静磁場発生磁気回路の温度は、上昇又は一定の一方方向変化となる。再びステップ401に移行する。
以上迄が、傾斜磁場コイル電流制御を行うことによる、静磁場発生磁気回路の温度変化を一方方向にするための制御フローの説明である。
この制御フローに基づく静磁場発生磁気回路の温度変化の一例を図5に示す。
非撮像時では、シーケンサ4は、傾斜磁場電源10を介して、傾斜磁場コイルに温度制御電流を供給して、その傾斜磁場コイルにおいて一定の発熱が持続するように制御する。その結果、静磁場発生磁気回路の温度は上昇を継続する(501)。その温度上昇に追従して、CPU8は、前述の静磁場発生磁気回路の温度計測法に基づいて、静磁場発生磁気回路の温度変化を推定する(511)。
この状態で撮像が開始されると、シーケンサ4は、傾斜磁場発生系3を制御して、パルスシーケンスに基づいて傾斜磁場コイルに電流を供給させるので、この電流による傾斜磁場コイルの発熱により静磁場発生磁気回路の温度の急上昇が生じる(502)。その温度上昇502は、直前の非撮像時の温度変化501と同じ方向、つまり温度上昇方向であるが、温度上昇の変化率が増大している。
一方、推定値は、同じ上昇率で静磁場発生磁気回路の温度を推定しているので、実際の温度と推定値との間に誤差が生じている。しかし、この誤差は、図3に示す従来方法における誤差と比較して少なくなっている。これは、静磁場発生磁気回路の温度変化方向が撮像の前後で同じ方向になっていることによる。つまり、非撮像中も傾斜磁場コイルに温度制御電流が供給されて、傾斜磁場コイルの発熱が継続される事により、撮像開始の前後で共に静磁場発生磁気回路の温度が上昇を継続することによる。
次に、推定値の温度が、静磁場発生磁気回路の温度上昇に遅れて追従して急上昇する(512)。なお、この急上昇は、撮像が終了しても暫く継続する。そのため、静磁場発生磁気回路の実際の温度と推定値との誤差が再度生じる。しかし、この誤差は、図2に示す従来方法における誤差と比較して少なくなっている。これは、以下に説明するように、シーケンサ4が傾斜磁場発生系3に撮像終了後も傾斜磁場コイルに温度制御電流を供給させ続けるので、静磁場発生磁気回路の温度が上昇を継続するためである。
次に、撮像が終了すると、シーケンサ4は、傾斜磁場発生系3を制御して、再び傾斜磁場コイルに温度制御電流を供給させるので、静磁場発生磁気回路の温度は、撮像終了時の温度状態から相変わらず上昇を継続する。ただし、傾斜磁場コイルに供給される電流量は、撮像時の電流量と比較して、非撮像時の温度制御電流が少ないので、傾斜磁場コイルの発熱量が撮像時よりも非撮像時の方が低下する。そのため、静磁場発生磁気回路の温度上昇率は、傾斜磁場コイルにこの温度制御電流を流すことによる発熱に基づく温度上昇率に低下する(503)。この温度上昇に追従して、推定値も精度良く静磁場発生磁気回路の温度に追従している(514)。
再度、撮像が開始されて静磁場発生磁気回路の温度は急上昇を開始する(504)が、推定値は撮像開始前と同じ上昇率で追従しており、静磁場発生磁気回路の実際の温度との誤差が生じている。この誤差は上述の通りであるので、説明を省略する。
なお、図5は、静磁場発生磁気回路の温度が永久に上昇することを示しているように見受けられるかもしれないが、実際はそうならない。撮像時は静磁場発生磁気回路の温度が上昇しつづけるが、長時間(2時間以上)撮像しないときに、傾斜磁場コイルに電流を流すのを停止するので、静磁場発生磁気回路の温度が低下する。また、夜間等装置を使用していないときにも、傾斜磁場コイルへの通電を停止するので、静磁場発生磁気回路の温度が低下する。MRI装置を使用し始めれば、静磁場発生磁気回路の温度が再び上昇し始める。従って、長い時間幅で見れば、静磁場発生磁気回路の温度は上昇と下降を繰り返すが、少なくとも装置が使用されている間は、静磁場発生磁気回路に温度が上昇又は一定の値を維持し続けることになる。
以上のように、非撮像時にも傾斜磁場コイルに電流を供給することにより、静磁場発生磁気回路の温度変化を常に一方向にすることができるので、静磁場発生磁気回路の温度の実際の値と推定値との誤差を、特に撮像の開始又は終了の前後において、従来方法よりも少なくすることができるようになる。その結果、静磁場発生磁気回路の温度変化に基づく静磁場変動に共鳴周波数を精度良く容易に追従させることが可能になる。
最後に、本実施形態の共鳴周波数の補正方法について説明する。
撮像は、一般的には、本計測に使用する共鳴周波数やRFパルス強度の最適値を求めるための前計測と、画像用のエコー信号の計測を行う本計測とで構成される。従来では、前計測で取得された共鳴周波数やRFパルス強度の最適値を用いて本計測を行っていた。即ち、
(本計測に使用する共鳴周波数) = (前計測で取得された共鳴周波数)
とする。
一方、本実施形態では、共鳴周波数の補正精度を向上させるために、前計測で取得された共鳴周波数に対して、前回の前計測で取得された共鳴周波数との差分を引いた値とする。即ち、
(本計測に使用する共鳴周波数) = (前計測で取得された共鳴周波数)−
[(前回の前計測で取得された共鳴周波数)−
(前計測で取得された共鳴周波数)]
とする。これにより、前回の撮像時における静磁場発生磁気回路の温度に対応した共鳴周波数との差分に相当する周波数を、撮像前に取得された共鳴周波数に追加することで、その撮像時の共鳴周波数を静磁場発生磁気回路の温度に精度良く対応させることができる。以上の様にして、前計測で取得された共鳴周波数を補正して、その補正された共鳴周波数のRFパルスを照射する。
以上説明したように、本実施形態によれば、非撮像時にも傾斜磁場コイルに電流を供給することにより、静磁場発生磁気回路の温度変化を、常に一方方向にすることができるので、撮像の前後であるか否かに係わらず、静磁場発生磁気回路の温度変化に追従して、共鳴周波数の変動補正を精度良く行うことが出来るようになる。その結果、画質が向上する。
本発明に係るMRI装置の一実施例における全体基本構成の斜視図。 本発明に係る傾斜磁場コイルの電流制御に係る部分のブロック図。 従来の静磁場発生磁気回路の温度変化に関する実測値と推定値、及びそれらの差の時間変化を示すグラフ。 本発明の傾斜磁場コイル電流制御の制御フローを示すフローチャート。 本発明に係る静磁場発生磁気回路の温度変化に関する実測値と推定値、及びそれらの差の時間変化を示すグラフ。
符号の説明
1 被検体、2 静磁場発生系、3 傾斜磁場発生系、4 シーケンサ、5 送信系、6 受信系、7 信号処理系、8 中央処理装置(CPU)、9 傾斜磁場コイル、10 傾斜磁場電源、11 高周波発信器、12 変調器、13 高周波増幅器、14a 高周波コイル(送信コイル)、14b 高周波コイル(受信コイル)、15 信号増幅器、16 直交位相検波器、17 A/D変換器、18 磁気ディスク、19 光ディスク、20 ディスプレイ、21 ROM、22 RAM、23 トラックボール又はマウス、24 キーボード、51 ガントリ、52 テーブル、53 筐体、54 処理装置

Claims (3)

  1. 静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、前記傾斜磁場発生手段の電流を制御する制御手段と、
    前記静磁場発生手段の温度を計測する温度計測手段と、
    前記計測された温度を用いて前記静磁場発生手段の温度を推定する温度推定手段と、
    を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、撮像の前後において前記静磁場発生手段の温度変化が上昇方向となるように、非撮像中の少なくとも一部の期間に前記傾斜磁場発生手段に電流を流し、
    前記温度推定手段は、温度上昇中の前記静磁場発生手段の計測温度に基づいて該静磁場発生手段の温度を推定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記電流は、所定の周期で時間的に変化する電流であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    本計測に使用する共鳴周波数を、前計測で取得された共鳴周波数に対して、前回の前計測で取得された共鳴周波数との差分を引いた値とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置
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