JP5099147B2 - Ipmモータ用ロータとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石をロータのスロット内に具備するモータ(IPMモータ)と、その製造方法に関するものである。
ブラシレスDCモータをはじめとする各種のモータの中で、ロータコア内部に複数の永久磁石が埋め込まれてなる永久磁石埋込型のロータを具備するモータ(以下、IPMモータという)はよく知られるところである。例えば、ハイブリット車両用のモータには、上記するIPMモータが使用されている。
ところで、上記するIPMモータを製造するモータ製造メーカー(自動車メーカーを含む)では、ロータに埋設される基数分の永久磁石を磁石メーカーから取り寄せ、これをロータコアに形成された磁石用スロット内に挿入固定してロータを製造している。
この磁石製造メーカーから入手された永久磁石には、当然のことながら製品誤差(製品公差)が内包されており、これを重量ベースで簡易的に説明すれば、X(g)の重量の永久磁石に対して、たとえば±0.01X(g)の製品誤差(重量誤差)が存在している場合がある。
ロータコア内に配設される永久磁石の配設態様は、1つの永久磁石で1つの磁極が形成される形態もあれば、特許文献1で開示するように、2つの永久磁石をたとえば平面視Vの字状に配して1つの磁極が形成される形態もある。
ステータ側からロータ側への磁束の流れを勘案して、より効率的で高いリラクタンストルクが得られる上記Vの字配置の永久磁石形態に関して言えば、1つの磁極を形成する2つの永久磁石がそれぞれに上記する固有の製品誤差を有している場合には、1つの磁極当たり、1つの永久磁石の有する製品誤差の2倍の製品誤差(上記する例では、±0.02X(g)の製品誤差(重量誤差)となる)を有することとなってしまう。
そして、製品コストの観点から言えば、1つの磁極を2つの永久磁石が形成する形態において、たとえば1つの永久磁石の入手コストがY(円)とした際に、1つの磁極当たりの永久磁石入手コストは2Y(円)となる。
これに対して、仮に、1つの磁石用スロット内に挿入される永久磁石の2倍の寸法の永久磁石を入手した場合に、この2倍の寸法の永久磁石の入手コストが2Y(円)であることは一般にはあり得ず、たとえば、1.5Y(円)、1.8Y(円)等となるのが物流界の常識である。したがって、この大寸法の永久磁石をモータ製造メーカーが入手し、モータ製造メーカー独自で分割等の加工を施して2つの永久磁石とし、これを1つの磁極を構成する2つの永久磁石とすることで、製品コストを低く抑えることができ、ひいてはモータ製造コストの低減に繋がる。
一方で、上記する製品誤差の倍増は、ロータの重量アンバランスを齎し、このアンバランスは、モータトルクのばらつきや低減に直結することが本発明者等によって特定されている。一般に回転ロータには、その中央開口に駆動シャフトが取り付けられ、この駆動シャフトは、モータの外部で、ベアリングギアで回転自在に固定されるものである。
たとえば、1つの磁極をVの字状に配された2つの永久磁石が形成し、この磁極がロータコアの周方向に8極形成されたIPMモータ用ロータ(したがって、永久磁石は計16基となる)を例に取り上げれば、このロータは、永久磁石の重量誤差:±0.16Y(g)もの重量誤差を内包することとなる。そして、各磁極の永久磁石の重量誤差により、上記する駆動シャフトを回転保持するベアリングギアに過度の偏心荷重を与え、ギア耐久を著しく低下させたり、永久磁石の重量誤差により、磁極ごとにロータ回転時に作用する遠心力が相違する結果、ロータと駆動シャフトの間で振動や騒音を発生させる原因となるといった種々の課題に発展する。なお、この遠心力に関してより詳細に言及すれば、遠心力は、永久磁石の重量とロータ中心から永久磁石の配設位置までの距離の双方に依存することから、永久磁石の重量のみならず、そのスロット位置も精緻に加工される必要があることは勿論のことである。
そこで、実際のモータ製造メーカーでは、ロータコア内に所定基数の永久磁石を挿入固定し、次いで該ロータコアの両端部にエンドプレートでキャップする際に、各磁極ごとの永久磁石の重量のアンバランスを調整するべく、エンドプレートの適所に薄肉部を形成する等して、磁極ごとの永久磁石の重量アンバランスをロータ全体で緩和するような調整が図られる場合もある。
しかし、このような重量調整に多くの作業員と時間を要することは理解に易く、このロータが近時その生産が拡大の一途を辿っているハイブリッド車の駆動用モータに適用される場合などにおいては、この重量調整による製造時間の長期化の問題は急務の解決課題となる。
そこで、上記する種々の問題を解決するべく、2つの永久磁石で1つの磁極が形成される形態のロータに関し、相対的に大寸法の永久磁石を磁石メーカーから購入し、モータ製造メーカーにてこれをカッター等で機械切断して分割片を形成し、これを2つのスロット内に挿入固定する方策が考えられる。
しかし、永久磁石を機械切断する場合には、あらたな別途の課題が問題となる。その1つは、切断刃具自体に固有の幅が存在していること、さらには、その使用頻度によってその幅が変化すること、により、切断刃具の幅分だけ永久磁石が削り取られることを勘案すれば、仮に機械切断にて2つの分割片を製造した場合には、この切断刃具の幅やその誤差が分割片の製品誤差を齎してしまう。したがって、磁石の製品誤差(重量誤差)という観点からすれば、2つの永久磁石をそれぞれ単独で購入した場合から大きな改善が見込めるとは考えられず、むしろ、製品誤差が大きくなる可能性も十分にある、というものである。
また、機械切断によるもう1つの課題は、磁石自体の残留磁束密度や保磁力を低下させる可能性が高い点である。永久磁石であるネオジム磁石等の希土類磁石やフェライト磁石は、該磁石の組織を拡大した図6で示すように、磁化に寄与する主相Sと、保磁力に寄与する粒界相Rからなる金属組織を有している。この永久磁石を機械切断によって分割すると、同図のL1ラインで示す切断ラインに沿って分割片が形成されるが、同図からも明らかなように、このL1ラインは主相Sを切断分割しながら形成されるものであるために、切断された主相Sは切断前に比して小サイズとなり、このことは切断前に比して残留磁束密度:Brを低下させる原因となる。さらに、粒界相Rは、これが被覆する主相Sに対して保磁力を発現するものであるが、切断面に接する主相Sには粒界相Rの被覆が破られているために外部磁場に対して容易に磁化反転を起こし易くなり、この磁化反転相が起点となって磁石全体の保磁力を低下させることになる。
特開2005−57958号公報
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、ロータコア内で1つの磁極を2つの永久磁石が形成してなるIPMモータ用のロータに関し、各磁極の永久磁石の重量誤差が可及的に低減され、しかも、永久磁石を機械切断した際の課題も生じ得ない、IPMモータ用ロータとその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるIPMモータ用ロータは、2つの永久磁石で1つの磁極が形成され、これが複数極ロータコア内に形成されてなるIPMモータ用ロータであって、1つの磁極を形成する2つの前記永久磁石は、該永久磁石に対して相対的に大寸法の1つの永久磁石が割断されてなる2つの割断片からなるものである。
1つの磁極を形成する2つの永久磁石は、たとえば、ロータコア内でVの字状に配設されるものであり、これが、ロータコア内でその周方向に複数極形成されて、本発明のIPM用ロータが構成される。
ここで、この1つの磁極を形成する2つの永久磁石は、各永久磁石のおよそ2倍の寸法の永久磁石を割断してなる割断片から形成するものである。
一般に永久磁石を割断する場合には、これを2以上に割断して、割断面を嵌め合わせて当初形状の永久磁石に復元し、磁石用スロット内に挿入される割断磁石として適用されるものであるが、本発明のロータでは、この割断を適用して、1つの磁極を構成する2つの永久磁石(割断片)を得るものである。
相対的に大寸法の永久磁石の製品誤差(重量誤差)が、既述するように±0.01X(g)の場合に、これを割断して2つの割断片として1つの磁極に適用した際に、この磁極における磁石重量の誤差は依然として±0.01X(g)であり、別途の2つの永久磁石を1つの磁極に適用する際の重量誤差の合計:±0.02X(g)とはならない。
すなわち、相対的に大寸法の永久磁石を割断することで、磁極単位で見た場合の磁石重量誤差を低減でき、このことは、各磁極ごとの永久磁石の重量誤差に起因するロータのアンバランスを低減させ、ロータ回転時の振動、騒音の問題解消に繋がり、さらには、モータのトルク性能の向上にも繋がるものである。また、磁石メーカーからの購入コストも低減されることから、IPMモータ用ロータ、ひいてはIPMモータの製造コストの低減に繋がるものである。
また、大寸法の永久磁石が機械切断されるものでないことから、切断刃具によって齎され得る磁石の重量誤差の問題も生じ得ない。
さらに、割断することで、各割断片の割断面では、その金属組織を構成する主相がその途中で切断されておらず、粒界相を介して割断面が形成されていることより、割断片からなる永久磁石は、磁化性能(残留磁束密度)、保磁力性能の双方に優れた磁石となる。
なお、1つの磁極が2つの永久磁石で形成される形態において、ロータコアの回転中心に対して対称位置にある2つの磁極の全永久磁石、すなわち、4つの永久磁石を、大寸法の1つの永久磁石を4つに割断して形成する形態などであってもよい。
ここで、本発明のロータで適用される磁石(永久磁石)は、希土類磁石やフェライト磁石、アルニコ磁石等を包含するものであり、磁化に寄与する主相と保磁力に寄与する粒界相からなる金属組織を有していれば特に限定されるものではない。また、ここでいう「永久磁石」とは、着磁後の前記希土類磁石等のほかに、着磁前の焼結体やただの圧粉体をも含む意味である。希土類磁石としては、ネオジムに鉄とボロンを加えた3成分系のネオジム磁石、サマリウムとコバルトとの2成分系の合金からなるサマリウムコバルト磁石、サマリウム鉄窒素磁石、プラセオジム磁石などを挙げることができる。中でも、希土類磁石はフェライト磁石やアルニコ磁石に比して最大エネルギー積(BH)maxが高いことから、高出力が要求されるハイブリッド車等の駆動用モータへの適用に好適である。
また、本発明によるIPMモータ用ロータの製造方法は、2つの永久磁石で1つの磁極が形成され、これが複数極ロータコア内に形成されてなるIPMモータ用ロータの製造方法であって、前記永久磁石に対して相対的に大寸法の1つの永久磁石を割断して2つの割断片を形成し、この2つの割断片をロータコアに開設された1つの磁極を構成する2つの磁石用スロット内にそれぞれ挿入固定するものである。
本発明の製造方法により、既述する本発明のIPMモータ用ロータが得られる。したがって、この製造方法を適用することで、永久磁石の購入コストの低減、ひいてはロータおよびモータの製造コストの低減を図ることができる。さらに、ロータアンバランスが従来構造のロータに比して格段に低減され、駆動シャフトを回転保持するベアリングギアの耐久性低下が抑制され、ロータと駆動シャフトとの間の振動や騒音も大幅に低減されて、トルク性能に優れたIPMモータ用ロータを製造することができる。
永久磁石の重量誤差に起因するロータのアンバランスが改善されることで、従来製法の際に適用されていた、各磁極ごとの永久磁石の重量アンバランスを調整する工程、より具体的には、ロータコアの両端部にエンドプレートでキャップする場合に、各磁極ごとの永久磁石の重量のアンバランスを調整するべく、エンドプレートの適所に薄肉部を形成する等して、磁極ごとの永久磁石の重量アンバランスをロータ全体で緩和するような調整を廃することができ、そのための多大な時間と作業員を不要とできる。
なお、本発明の製造方法において、ロータコアの回転中心に対して対称位置にある2つの磁極の全永久磁石、すなわち、4つの永久磁石を、大寸法の1つの永久磁石を4つに割断して形成し、対称位置にある2つの磁極の4つの磁石用スロットに4つの割断片を挿入固定するものであってもよい。
上記する本発明によるIPMモータ用ロータ、本発明の製造方法によって製造されたIPMモータ用ロータは、近時その量産が盛んになっており、かつ高い出力性能が期待され、その製造コスト低減が重要課題となっている、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動用モータに好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明のIPMモータ用ロータとその製造方法によれば、予め大寸法の永久磁石を割断してなる割断片を1つの磁極を構成する2つの永久磁石に適用したことで、ロータおよびモータの製造コストの低減、各磁極の永久磁石の重量誤差に起因するロータアンバランスの低減、このロータアンバランスの低減に基づくモータのトルク性能の向上、モータ駆動時の振動や騒音の問題の解消、の全てを実現することができる。
本発明のIPMモータ用ロータの斜視図である。 (a)は、本発明の製造方法の一部を説明した図であり、(b)は、磁石組織と割断ラインを説明した図である。 従来のロータを備えたモータ(比較例)と、本発明のロータを備えたモータ(実施例)とで、1つの磁極当たりの磁石重量のばらつきを比較した実験結果を示すグラフである。 従来のロータを備えたモータ(比較例)と、本発明のロータを備えたモータ(実施例)とで、ロータのアンバランスの程度を比較した実験結果を示すグラフである。 従来のロータを備えたモータ(比較例)と、本発明のロータを備えたモータ(実施例)とで、モータトルクのばらつきの程度を比較した実験結果を示すグラフである。 従来の機械分割された場合における、永久磁石の組織内の分割ラインを説明した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示例は、ロータコア内に8つの磁極を有する形態であるが、ロータコア内に設定される磁極数が図示例に限定されるものでないことは勿論のことである。また、ロータコアの両端部にキャップされるエンドプレートの図示は省略している。
図1は、本発明のIPMモータ用ロータの一実施の形態を斜視図で示したものである。
図1で示すIPMモータ用ロータ10は、円盤状の電磁鋼板1,…が積層され、これらがかしめ等されることで形成されるものであり、その中央位置において駆動シャフトスロット11が開設されており、その周縁部には、1つの磁極20当たり2つの永久磁石21,21が該駆動シャフトスロット11に沿う方向に延びるそれぞれに固有の磁石用スロットに挿入され、たとえば該スロットと永久磁石21の間に固定用樹脂が充填されてそのスロット内固定が補償され、これがロータコアの周方向に8磁極分形成されてその全体が構成されている。
1つの磁極20を構成する2つの永久磁石21,21は、平面視でVの字状に配設されている。なお、図示を省略するが、平面視が略環状のヨークと、該ヨークから径方向内側に突出するティースと、からなり、電磁鋼板,…が積層されて形成されてなるステータの内側に図示するロータ10が配設され、ロータ10に開設された駆動シャフトスロット内に不図示の駆動シャフトが挿通固定され、この駆動シャフトがロータの外部でたとえば2つのベアリングギアにて回転自在に固定されて、IPMモータが構成される。
なお、ロータ10、不図示のステータはともに、電磁鋼板を積層した形態以外にも、鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−窒素系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素系合金、鉄−ホウ素系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−リン系合金、鉄−ニッケル−コバルト系合金および鉄−アルミニウム−シリコン系合金などの軟磁性金属粉末、もしくは軟磁性金属酸化物粉末がシリコーン樹脂等の樹脂バインダーで被覆された磁性粉末などからなる圧粉磁心にて成形されるものであってもよい。
ロータコア内に開設された磁石用スロット内に挿入固定される各磁極20を構成する永久磁石21,21は、図2aで示すように、永久磁石21に対して相対的に大寸法の1つの永久磁石、より具体的には、永久磁石21の2倍の大きさの寸法の磁極磁石形成用の永久磁石20’を割断してなる割断片からなるものである。
この割断に際しては、たとえば図示例のように、永久磁石20’の一側面に割断起点となる切欠き20a’を形成しておくのが割断精度、割断効率の観点から望ましい。
そして、この大寸法の磁極磁石形成用の永久磁石20’は磁石メーカーから購入されるものであり、当然に製品誤差、より詳細には重量誤差を内包している。しかし、1つの磁極単位で見た場合に、本発明のロータ10では、1つの磁極20を構成する2つの永久磁石21,21が1つの磁極磁石形成用の永久磁石20’を割断して形成されたものであることから、形成された割断片である2つの永久磁石21,21が有する重量誤差は永久磁石20’と同じ重量誤差である。このことはすなわち、1つの磁極単位で見た場合に、永久磁石21,21を別体で磁石メーカーから購入する際に、磁極における2つの永久磁石の重量誤差が1つの永久磁石の重量誤差の2倍となるのに対して、磁極単位での重量誤差はその半分となることを示すものである。
しかも、別体の2つの永久磁石21,21を購入するよりも、大寸法の磁極磁石形成用の永久磁石20’を購入して割断する方が、当然に購入コストは安価となり、このことは、ロータ製造コストの低減、ひいてはIPMモータ製造コストの低減に繋がる。
特に、ハイブリッド車、電気自動車等の駆動用モータを構成するロータ内に埋設される永久磁石においては、ジスプロシウム、テルビウム等のレアメタルが多分に内包されるものであることから、その購入単価は極めて高価であること、近時のハイブリッド車等の需要の急拡大によるロータ増産を勘案すれば、この永久磁石購入コストの低減効果は、自動車メーカーをはじめとするモータ製造メーカーにとって寄与の度合いが極めて高い。
また、各磁極当たりの永久磁石の重量誤差が低減されることで、この磁極ごとの永久磁石の重量に起因するロータのアンバランスが解消され、このロータのアンバランスに起因するロータと駆動シャフトとの間の振動や騒音の問題、駆動シャフトを回転保持するベアリングギアの耐久低下の問題も一度に解消される。
図2bは、永久磁石を割断した際の割断ラインを説明した図であって、永久磁石の内部組織をともに示した図である。永久磁石を割断することにより、同図で示すような割断ラインL2に沿って割断されて、割断片が形成される。ここで、永久磁石の金属組織は、磁化に寄与する主相S間を保磁力に寄与する粒界相Rが介在することで形成されている。従来方法のごとくこれを機械切断すると、図6のごとく主相Sを分断するような切断ラインL1となる一方で、永久磁石を割断することにより、主相Sに対して相対的に低強度の粒界相Rに沿って割断ラインL2が形成されるため、主相Sは当初の大きさを保持しながらその外周を粒界相Rで保護された姿勢で割断片が形成されることになる。このことにより、機械切断された分割磁石に比して、割断磁石は残留磁束密度も保磁力もともに高い磁石となるのである。
[従来のロータを備えたモータ(比較例)と、本発明のロータを備えたモータ(実施例)とで、1つの磁極当たりの磁石重量のばらつきを比較した実験、ロータのアンバランスの程度を比較した実験、およびモータトルクのばらつきの程度を比較した実験と、それらの結果]
本発明者等は、1つの磁極が2つの永久磁石からなり、これを8極有するロータを備えたIPMモータを試作し、その中で、1つのモータは、各磁極の各スロットごとに別体で購入した永久磁石を挿入固定した従来構造のもの(比較例)を、他の1つのモータは、図1で示す本発明の構造のロータを備えたモータ(実施例)としてそれぞれ試作した。
まず、磁極サイズの磁石を製作し、その重量を測定し、双方の結果を比較したものを図3に示している。なお、同図では、磁石重量のばらつきに関し、比較例の測定値を100として、実施例をこれに対する比率で示している。
また、ロータ構成部品の寸法、重量の実公差から一定の幅をもつロータバランス(単位:g・cm)、モータトルクのばらつきをそれぞれ算出し、双方の結果を比較したものをそれぞれ図4、図5に示している。なお、このロータのアンバランス、モータトルクのばらつきの程度に関しても、比較例の測定値を100として、実施例をこれに対する比率で示している。
図3より、この実験における磁極数条件においては、磁極当たりの磁石重量のばらつきの程度は、0.1%程度低減することが実証されている。そして、この数値より、低減効果が低いようにも考えられるが、図4のロータアンバランスの程度を比較した結果においては、実施例は、比較例に対して40%以上ものアンバランス低減を期待できることが実証されており、これは、図5で示すモータトルクのばらつきを0.03%低減できることに繋がっている。
これらの実験結果より、モータ駆動時のロータ性能上の効果が十分に奏されることが実証されている。そして、このロータ性能向上効果に加えて、既述する別途の効果、すなわち、永久磁石の購入を含むロータおよびモータ製造コストの低減を図ることができ、各磁極の永久磁石の重量誤差に起因するロータアンバランスを調整するためにエンドプレートに加工調整を加えるといった時間を要する作業を廃することができ、もって所望品質を満足するモータの製造時間の短縮を図ることができるものである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…電磁鋼板、10…IPMモータ用ロータ、11…ロータ軸(回転軸)、20…磁極、21…永久磁石(割断片)、20’…磁極磁石形成用の永久磁石、20a’…切欠き、S…主相、R…粒界相、L2…割断ライン

Claims (4)

  1. 2つの永久磁石で1つの磁極が形成され、これが複数極ロータコア内に形成されてなるIPMモータ用ロータであって、
    1つの磁極を形成する2つの前記永久磁石は、該永久磁石に対して相対的に大寸法の1つの永久磁石が割断されてなる2つの割断片である、IPMモータ用ロータ。
  2. 2つの永久磁石で1つの磁極が形成され、これが複数極ロータコア内に形成されてなるIPMモータ用ロータであって、
    ロータの回転中心に対して対称の位置にある2つの磁極を形成する4つの前記永久磁石は、該永久磁石に対して相対的に大寸法の1つの永久磁石が割断されてなる4つの割断片である、IPMモータ用ロータ。
  3. 2つの永久磁石で1つの磁極が形成され、これが複数極ロータコア内に形成されてなるIPMモータ用ロータの製造方法であって、
    前記永久磁石に対して相対的に大寸法の1つの永久磁石を割断して2つの割断片を形成し、この2つの割断片をロータコアに開設された1つの磁極を構成する2つの磁石用スロット内にそれぞれ挿入固定する、IPMモータ用のロータの製造方法。
  4. 2つの永久磁石で1つの磁極が形成され、これが複数極ロータコア内に形成されてなるIPMモータ用ロータの製造方法であって、
    前記永久磁石に対して相対的に大寸法の1つの永久磁石を割断して4つの割断片を形成し、この4つの割断片をロータの回転中心に対して対称の位置にある2つの磁極を形成する4つの磁石用スロット内にそれぞれ挿入固定する、IPMモータ用のロータの製造方法。
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