JP5099107B2 - 電解質及び電気化学デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、イオン性化合物を用いた電解質及び電気化学デバイスに関する。
近年、携帯機器類などを筆頭に、電池を電力源とする各種機器の小型軽量化の要求が高まってきており、電池特性がさらに向上した電池が強く求められている。そのため、電池の一構成要素である電解質に対しても高性能化が求められている。
従来より、例えばリチウム電池に使用される電解質塩としては、LiBF4,LiPF6等の無機塩化合物が広く知られている。前掲の無機塩化合物は、単体では流動性を有さないことから、リチウム電池用電解質として用いるための充分なイオン伝導度を得るために、通常、無機塩化合物がプロピレンカーボネート,エチレンカーボネート等の有機溶媒に溶解されてなる電解液が使用される。
しかしながら、上記電解液を使用した場合、カチオン(リチウムイオン)がアニオンよりも移動度が小さいことによってリチウムイオン輸率が不充分となることが、リチウム電池の電気的特性を制限するひとつの要因となっていた。そのため、このような電解質を、例えば電池のように、直流成分の多い用途に用いる電気化学デバイスの電解質として用いると、アノード側(放電時における負極側または充電時における正極側)の塩濃度が上昇し、しかも拡散効果による塩濃度の緩和が充分に期待できないことから、電気化学デバイスの分極が大きくなるといった問題点があった。
そこで、電位勾配下での移動性が低いと考えられる特定構造の双性イオン(Zwitterイオン)化合物とリチウム塩とを併用して、アニオンの移動を抑制することにより、リチウムイオン輸率を上昇させようとする技術が知られている。(非特許文献1参照)
吉澤(Yoshizawa, M.)、平尾(Hirao, M.)、伊藤−秋田(Ito-Akita, K.)、大野(Ohno, H.),「ジャーナル・オブ・マテリアルズ・ケミストリー(Journal of Materials Chemistry)」,(英国),2001年,第11巻,p.1057
しかしながら、上記した従来技術では、キャリアイオンとしてのリチウムイオン源としてリチウム塩を添加しなければならないが、リチウム塩の対アニオンは自由に移動できるため、リチウムイオン輸率はなお充分ではない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、キャリアイオン輸率の高いイオン性化合物を含む電解質、および、電気的特性に優れた電気化学デバイスを提供することである。
前記目的を達成するために、本発明に係る電解質に含まれるイオン性化合物(以下、「 本発明に係るイオン性化合物」と称する)は、同一イオン内に正電荷を有する分子構造部分と負電荷を有する分子構造部分とを有し、正・負いずれかの電荷が過剰に存在する有機イオンと、前記有機イオンの全体としての電荷に対して反対の電荷を有するキャリアイオンとからなる。
このような構成によれば、電位勾配下において、有機イオンの正電荷を有する分子構造部分が移動しようとする方向と、有機イオンの負電荷を有する分子構造部分が移動しようとする方向とが反対となることから、結果として、有機イオンの移動度は極めて小さいものとなる。さらに、キャリアイオンを供給できるイオン性化合物を添加する必要がなく、自由に移動できる“キャリアイオンの対イオン”が存在しないため、キャリアイオン輸率をさらに向上させることができる。
ここでは、前記正電荷を有する分子構造部分と前記負電荷を有する分子構造部分とが、別のイオンとならないように、前記正電荷を有する分子構造部分と、前記負電荷を有する分子構造部分とは、イオン解離しない結合により、少なくとも一カ所で結合されるのが好ましい。これにより、前記機能を発現する有機イオンを安定的に存在させることができる。
また、有機イオンの全体としての電荷が負であることによって、カチオンをキャリアイオンとすることができ、アルカリ金属イオン等のカチオン輸率を優れたものにできる。
より具体的には、本発明に係るイオン性化合物は、下記一般式(I)で表わされるのが好ましい。
Figure 0005099107
[式中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。Mはアルカリ金属イオンを示す。nは3以上18以下の整数である。]
また、より具体的には、本発明に係るイオン性化合物は、下記一般式(IV)で表わされるのが好ましい。
Figure 0005099107
[式中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。Mはアルカリ金属イオンを示す。i、jは、それぞれ独立して、3以上18以下の整数である(ただし、i=jである場合は除く)。]
本発明者らは、イミダゾリウム系イオン性化合物に見られるように、4価の窒素原子を有する四級アンモニウムカチオン構造が低い融点を有するイオン性化合物を与え、場合によっては常温溶融塩となることに注目し、これを本発明に係るイオン性化合物に採用した。
上記した本発明に係るイオン性化合物によれば、アニオンがイミダゾール環を有しており、カチオンであるアルカリ金属イオンと比較して嵩高いので、アルカリ金属イオンの移動度を大きく、対アニオンの移動度を小さくできる。
さらに、本発明に係るイオン性化合物のアニオンは、2つのスルホン酸アニオンと、1つのイミダゾリウムカチオンとを有するトリプルイオン型アニオンとなっており、電位勾配下において、スルホン酸アニオンが移動しようとする方向と、イミダゾリウムカチオンが移動しようとする方向が反対となることから、結果として、トリプルイオン型アニオンの移動度は極めて小さいものとなる。
さらに、アルカリ金属イオン源として、アルカリ金属塩を添加する必要がなく、自由に移動できる対アニオンが存在しないため、アルカリ金属イオン輸率をさらに向上させることができる。
よって、本発明に係るイオン性化合物によれば、アルカリ金属イオン輸率の高いイオン性化合物とすることができる。
ここで、R1及びR2の少なくとも一方は、メチル基であるのが好ましく、これにより、特に、イオン伝導性を優れたものにできる。
したがって、本発明に係る電解質は、上記した本発明に係るイオン性化合物を含有するので、アルカリ金属イオン輸率の高い電解質とすることができる。
本発明に係る電気化学デバイスは、本発明に係る電解質を備えるので、電気的特性に優れた電気化学デバイスとすることができる。
本発明に係る電解質によれば、キャリアイオン輸率の高いイオン性化合物を含有するので、キャリアイオン輸率の高い電解質を提供できる。
本発明に係る電気化学デバイスによれば、本発明に係る電解質を備えるので、電気的特性に優れた電気化学デバイスを提供できる。
以下に、本発明の実施形態を例示するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るイオン性化合物は、同一イオン内に正電荷を有する分子構造部分と負電荷を有する分子構造部分とを有し、正・負いずれかの電荷が過剰に存在する有機イオンと、前記有機イオンの全体としての電荷に対して反対の電荷を有するキャリアイオンとからなる。ここでは、前記有機イオンの、前記正電荷を有する分子構造部分と前記負電荷を有する分子構造部分とは、イオン解離しない結合により、少なくとも一カ所で結合されるのが好ましい。また、有機イオンの全体としての電荷が負とする形態を好適に例示できる。
より具体的には、本発明の実施形態に係るイオン性化合物は、下記一般式(I)で表わされるのが好ましい。
Figure 0005099107
[式中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。Mはアルカリ金属イオンを示す。nは3以上18以下の整数である。]
また、本発明の実施形態に係るイオン性化合物は、下記一般式(IV)で表わされるのが好ましい。
Figure 0005099107
[式中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示す。Mはアルカリ金属イオンを示す。i、jは、それぞれ独立して、3以上18以下の整数である(ただし、i=jである場合は除く)。]
特に、R1及びR2の少なくとも一方は、メチル基であるのが好ましく、これにより、イオン伝導性を優れたものにできる。また、R1及びR2の少なくとも一方がメチル基とされたイオン性化合物は、特に還元側の電位窓が広くなるため、これらのイオン性化合物を含有する電解質は、高起電力の電気化学デバイスに適用することができる。
特に、R1がメチル基、R2が水素原子である場合、R1が水素原子、R2がメチル基である場合が、高いイオン伝導度を発現する観点から好ましい。
化学式(I)において、nは3以上18以下であることが好ましく、または化学式(IV)において、iおよびjはそれぞれ3以上18以下であることが好ましい。なお、n,i,jが3未満であると、正電荷を有する分子構造部分と、負電荷を有する分子構造部分が近接しすぎるため、イオン内での静電作用が強くなり、イオン性化合物の融点およびガラス転移点温度が上昇するため、好ましくない。また、n,i,jが18を超えると、イオン性化合物の分子量が大きくなりすぎるため、イオン性化合物の融点およびガラス転移点温度が上昇し、好ましくない。
アルカリ金属イオンとしては、特に、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、セシウムイオン(Cs)を好適に挙げることができる。
以下に、一般式(I)で表わされるイオン性化合物の好ましい具体例を例示する。
Figure 0005099107
Figure 0005099107
以下に、一般式(I)で表わされるイオン性化合物の好適な製造方法について説明する。
[Mがリチウムイオンである場合]
先ず、下記一般式(II)で表わされるイミダゾール化合物(R1,R2は、一般式(I)と同様。以下同様。)と、水素化リチウム(LiH)とを、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、室温(0℃〜30℃)で、N,N−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性溶媒中、1時間〜2時間で混合し、次いで、この溶液に、一般式(III)で表わされるスルトン化合物(nは一般式(I)と同様。以下同様。)を添加し、10時間以上混合する。ここで、一般式(II)で表わされるイミダゾール化合物と、水素化リチウムと、一般式(III)で表わされるスルトン化合物とは、ほぼ等モル量とされるのが好ましい。生成物をアセトン等の有機溶媒で数回洗浄し、減圧下、60℃〜80℃の温度で乾燥する。得られた物質をジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒に溶解し、この溶液に、上記得られた物質に対して130重量%〜140重量%の一般式(III)で表わされるスルトン化合物を添加し、室温(0℃〜30℃)で、48時間〜96時間で混合する。生成物をエタノール等の有機溶媒で数回洗浄し、減圧下、60℃〜80℃の温度で乾燥することによって、一般式(I)で表わされるイオン性化合物(M=リチウムイオン)が得られる。なお、必要に応じて、反応後の溶液をアセトン等の貧溶媒に滴下することによって析出させた沈殿物を上記生成物として有機溶媒で洗浄することもできる。
Figure 0005099107
Figure 0005099107
一般式(II)で表わされるイミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールを挙げることができ、東京化成工業社製などの市販品を入手可能である。
一般式(III)で表わされるスルトン化合物としては、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン等を挙げることができ、東京化成工業社、関東化学社製などの市販品を入手可能である。
[Mがリチウムイオン以外のアルカリ金属イオンである場合]
一般式(II)で表わされるイミダゾール化合物と、化学式CH3CH2OM(Mはリチウム以外のアルカリ金属)で表わされるアルカリ金属エトキシドとを、窒素等の不活性ガス雰囲気下、室温(0℃〜30℃)で、エタノール等の極性溶媒中、1時間〜2時間で混合し、次いで、この溶液に、一般式(III)で表わされるスルトン化合物(nは一般式(I)と同様。以下同様。)を添加し、10時間以上で混合する。ここで、一般式(II)で表わされるイミダゾール化合物と、アルカリ金属エトキシドとは、ほぼ等モル量とされるのが好ましく、一般式(III)で表わされるスルトン化合物は、一般式(II)で表わされるイミダゾール化合物に対して、2倍モル量以上とされるのが好ましい。生成物をエタノール等の有機溶媒で数回洗浄し、減圧下、60〜80℃の温度で乾燥することによって、一般式(I)で表わされるイオン性化合物(M=リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン)が得られる。なお、必要に応じて、反応後の溶液をアセトン等の貧溶媒に滴下することによって析出させた沈殿物を上記生成物として有機溶媒で洗浄することもできる。
アルカリ金属エトキシドとしては、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等を挙げることができ、Aldrich社製などの市販品を入手可能である。
一般式(II)で表わされるイミダゾール化合物、及び、一般式(III)で表わされるスルトン化合物としては、前掲のものを同様に挙げることができる。
一般式(IV)で表わされるイオン性化合物は、例えば、前記した一般式(I)で表わされるイオン性化合物の好適な製造方法(前記[Mがリチウムイオンである場合]参照)において、第一回目のイミダゾール化合物とスルトン化合物との反応では、一般式(III)で表わされるスルトン化合物のnをiに変えたスルトン化合物を使用し、第二回目のイミダゾール化合物とスルトン化合物との反応では、一般式(III)で表わされるスルトン化合物のnをjに変えたスルトン化合物を使用することによって製造できる。
以上に説明した、本発明の実施形態に係るイオン性化合物によれば、アルカリ金属イオン輸率の高いイオン性化合物とすることができる。
イオン性化合物の応用例としては、後述するように、電気化学デバイス等の電解質を好適に挙げることができる。
したがって、本発明の実施形態に係る電解質は、上記した本発明の実施形態に係るイオン性化合物を含有しており、アルカリ金属イオン輸率を高くできる。
本発明の実施形態に係る電気化学デバイスは、本発明の実施形態に係る電解質を備えるので、電気的特性に優れた電気化学デバイスとすることができる。電気化学デバイスとしては、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン電池、燃料電池、電気二重層キャパシタなどを挙げることができる。
本発明の実施形態に係る電気化学デバイスがリチウム電池である場合は、イオン性化合物がキャリアイオンとしてリチウムイオンを有することが好ましいことから、Mがリチウムイオンとされた一般式(I)あるいは一般式(IV)で表わされる化合物を含有するのが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
イミダゾール(3.01g,0.044mol)と、水素化リチウム(0.35g,0.044mol)とをアルゴン雰囲気下、20℃〜30℃で、N,N−ジメチルアセトアミド(60ml)中、10時間混合した。次いで、この溶液に、1,3−プロパンスルトン(5.37g,0.044mol)を添加し、10時間混合した。生成物をアセトンで3回洗浄し、減圧下、60℃の温度で乾燥した。得られた白色粉末(1.03g)をジメチルスルホキシドに溶解し、この溶液に、1,3−プロパンスルトン(0.76g)を添加し、20℃〜30℃で、4日間混合した。生成物をエタノールで2回洗浄し、減圧下、60℃で乾燥することによって、上記化学式(1−1)で表わされる化合物を得た(下記1H−NMR測定結果参照)。化学式(1−1)で表わされる化合物の融点を測定したところ、287℃であった。化学式(1−1)で表わされる化合物を実施例1の電解質とする。
1H−NMR(500MHz,溶媒:D2O)化学シフト(ppm):2.30〜2.36(m,4H),2.94(t,J=7Hz,4H),4.38(t,J=7Hz,4H),7.57(s,2H),8.88(s,1H)
(実施例2)
イミダゾール(4.29g,0.063mol)と、ナトリウムエトキシド(4.29g,0.063mol)とを、窒素雰囲気下、20℃〜30℃で、エタノール(80ml)中、4時間混合した。次いで、この溶液に、1,3−プロパンスルトン(19.2g,0.158mol)を添加し、20℃〜30℃で、2時間混合した。生成物をエタノールで2回洗浄し、減圧下、60℃の温度で乾燥することによって、上記化学式(1−2)で表わされる化合物を得た(下記1H−NMR測定結果参照)。化学式(1−2)で表わされる化合物を実施例2の電解質とする。化学式(1−2)で表わされる化合物の融点を測定したところ、254℃であった。
1H−NMR(500MHz,溶媒:D2O)化学シフト(ppm):2.30〜2.36(m,4H),2.94(t,J=7Hz,4H),4.38(t,J=7Hz,4H),7.57(s,2H),8.88(s,1H)
(実施例3)
2−メチルイミダゾール(2.40g,0.029mol)と、ナトリウムエトキシド(1.97g,0.029mol)とを、窒素雰囲気下、20℃〜30℃で、エタノール(80ml)中、2時間混合した。次いで、この溶液に、1,3−プロパンスルトン(8.79g,0.072mol)を添加し、20℃〜30℃で、2時間混合した。生成物をエタノールで2回洗浄し、減圧下、60℃の温度で乾燥することによって、上記化学式(1−3)で表わされる化合物を得た(下記1H−NMR測定結果参照)。化学式(1−3)で表わされる化合物を実施例3の電解質とする。
1H−NMR(500MHz,溶媒:D2O)化学シフト(ppm):2.33〜2.39(m,4H),2.75(s,3H),3.06(t,J=7Hz,4H),4.39(t,J=7Hz,4H),7.56(s,2H)
(実施例4)
4−メチルイミダゾール(2.40g,0.029mol)と、ナトリウムエトキシド(1.97g,0.029mol)とを、窒素雰囲気下、20℃〜30℃で、エタノール(80ml)中、3時間混合した。次いで、この溶液に、1,3−プロパンスルトン(10.6g,0.087mol)を添加し、20℃〜30℃で、1日、混合した。この溶液を該溶液に対して20倍量のアセトンに滴下し、析出した沈殿物をエタノールで2回洗浄し、減圧下、60℃の温度で乾燥することによって、上記化学式(1−4)で表わされる化合物を得た(下記1H−NMR測定結果参照)。化学式(1−4)で表わされる化合物を実施例4の電解質とする。
1H−NMR(500MHz,溶媒:D2O)化学シフト(ppm):2.23〜2.36(m,4H),2.34(s,3H),2.92(t,J=7Hz,2H),2.98(t,J=7Hz,2H),4.32(m,4H),7.32(s,1H),8.76(s,1H)
(比較例1)
LiCF3SO3を10重量%で含有する溶液(溶媒:プロピレンカーボネート−メチルプロピオネート混合溶媒)を比較例1の電解質とする。
(比較例2)
N−エチルイミダゾールとメタンスルホン酸を氷冷下、エタノール中でゆっくりと混合し、1日間撹拌し、反応させた。エタノールをエバポレーションにより除去し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下、60℃の温度で乾燥することによって、下記化学式(A)で表される化合物を得た。化学式(A)で表される化合物とLiN(CF3SO22とを等モルずつ混合し、比較例2の電解質とする。
Figure 0005099107
(比較例3)
N−エチルイミダゾールとプロパンスルトンを氷冷下、窒素下、アセトン中でゆっくりと混合し、5日間撹拌し、反応させた。沈殿物をアセトン、ジエチルエーテル等で洗浄し、減圧下、60℃の温度で乾燥することによって、下記化学式(B)で表される化合物を得た。化学式(B)で表される化合物とLiN(CF3SO22とを等モルずつ混合し、比較例3の電解質とする。
Figure 0005099107
(アルカリ金属イオン輸率の測定)
次に、実施例に係る電解質の電気的特性を評価した。実施例と比較例の電解質を用い、ノンブロッキング電極として、リチウムイオンを吸蔵した一対の炭素電極を設けた電気化学デバイスを作製した。直流分極法によりリチウムイオン輸率を測定した。測定温度はいずれも300℃とした。結果を表1に示す。
Figure 0005099107
表1の結果に示すように、実施例の電解質は、比較例の電解質と比較して、リチウムイオン輸率が向上しており、電気化学デバイス用電解質として十分なリチウムイオン輸率を有していることが確認された。同時に、これを用いた電気化学デバイスは分極が抑えられていることが前記測定によって実証された。
以上のことから、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン電池、燃料電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイスの電解質として本発明に係る電解質を用いると、放電等直流成分の多い用途に用いた場合の分極を小さくできるので、放電性能、繰り返し充放電サイクル性能等電気的特性に優れた高い電気化学デバイスを提供することができる。
本発明に係るイオン性化合物において、次に挙げる方策を行うことにより、融点又はガラス転移点を実施例よりもさらに低いものとすることができ、高いキャリアイオン輸率を保持したままイオン伝導度をさらに良好なものとすることができる。
第一に、正電荷を有する分子構造部分と負電荷を有する分子構造部分の距離をより広くとることにより、イオン伝導度がさらに良好なイオン性化合物を得ることができる。即ち、一般式(I)におけるイオン性化合物のnの値や、一般式(IV)におけるイオン性化合物のiやjの値を4以上(n,i,j=4,5等)とすることにより、結晶化が抑制されるため、イオン性化合物の融点を低下させることができ、イオン伝導度をさらに良好なものとすることができる。
第二に、イオン半径の大きいキャリアイオンを選択することにより、イオン伝導度がさらに良好なイオン性化合物を得ることができる。上記化学式(1−1)で表される化合物と化学式(1−2)で表される化合物の融点の測定結果からも分かるように、Mがナトリウムイオンとされた一般式(I)で表されるイオン性化合物は、Mがリチウムイオンとされた一般式(I)で表わされるイオン性化合物と比較して融点が低い。即ち、アルカリ金属イオン半径はLi<Na<K<Csであるので、Mをリチウム以外のアルカリ金属イオンとすることによって、イオン性化合物の融点を低下させることができ、イオン伝導度をさらに良好なものとすることができる。
本発明者らは、イミダゾリウム系イオン性化合物に見られるように、4価の窒素原子を有する四級アンモニウムカチオン構造が低い融点を有するイオン性化合物を与え、場合によっては常温溶融塩となることに着目し、これを本発明のトリプルイオン型アニオンからなるイオン性化合物に採用した。従って、融点又はガラス転移点を実施例よりもさらに低いものとする上記方策、その他のアプローチは、常温で液体を呈するトリプルイオン型アニオンからなるイオン性化合物を得ることのできるものとなりうる。
なお、正電荷を有する分子構造部分と負電荷を有する分子構造部分を結合する結合基部分の構造や、正電荷、あるいは負電荷を有する分子構造部分自身の構造によっても、イオン性化合物の融点又はガラス転移点を、実施例よりもさらに低いものとすることが可能な場合もある。例えば、一般式(I)におけるイオン性化合物の窒素原子に結合するアルキル基の構造に極性基を導入することによってもイオン性化合物のガラス転移点を大きく低下させることができる。ここで、極性基としては、例えば、エーテル基等が挙げられる。即ち、該アルキル基の少なくとも一部を例えば−(CH2CH2O)−で示されるエーテル構造とすることにより、イオン性化合物のガラス転移点を大きく低下させることができる。また、一般式(I)で表わされるイオン性化合物のR1,R2で表される基に極性基を導入することによっても、イオン性化合物のガラス転移点を低下できる可能性がある。この場合、極性基としては、エーテル基、シアノ基等が挙げられる。

Claims (3)

  1. 同一イオン内に1つのイミダゾリウムカチオン構造部分と2つの負電荷を有する分子構造部分とを有し、前記2つの負電荷を有する分子構造部分が、前記イミダゾリウムカチオ ンの2つの窒素原子にそれぞれ1つずつ、イオン解離しない結合により結合されており、 イオンの全体としての電荷が負の1価である有機イオンと1個のアルカリ金属イオンとが イオン対を成すイオン性化合物を含有し、前記アルカリ金属イオンをキャリアイオンとす る、電解質
  2. 前記負電荷を有する分子構造部分は該負電荷としてスルホン酸アニオンを含む、請求項 1記載の電解質。
  3. 請求項1または2に記載の電解質を備える電気化学デバイス。
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