JP5097591B2 - 既設の防舷材の補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶を係留させる岸壁やケーソンなどの壁面に設ける防舷材、及び防舷材の補強方法に関するものである。
従来、船舶を接舷する際の衝撃を緩和させるために、岸壁などに防舷材を取り付けることが知られている(特許文献1,2など参照)。
この特許文献1,2に開示された防舷材は、円筒状の外殻部がゴム等の弾性体で形成されており、船舶が接触する受衝板によって外殻部の前面が塞がれ、外殻部の内側の中空部に封入された空気とゴム製の外殻部が緩衝材となって、船舶から岸壁に作用する衝撃を緩和させる。
また、このような防舷材は、作用させることが可能な許容外力が設計によって定められている。
特開2000−64253号公報 特開平11−152728号公報
しかしながら、係船設備の使用条件が変更されるなどして、想定される外力が大きくなった場合や既設の防舷材が劣化した場合に、既設の防舷材の性能(許容反力、吸収エネルギー)では不足することがある。このような場合には、既設の防舷材を性能が大きな大型の防舷材に取り替えるか、または防舷材を追加しなければならない。
他方、防舷材を取り付ける岸壁の取付け面の形状及び構造は、既設の防舷材の形状及び取付け間隔に合わせて形成される場合が多く、大型の防舷材に付け替える場合も、新たに防舷材を追加する場合も、取付け面を再度、構築し直さなければならない場合が多い。
そこで、本発明は、既存の防舷材の性能を容易に増加させることが可能な防舷材、及び防舷材の補強方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の防舷材は、外力が作用する受衝部とその受衝部の変位によって伸縮する外殻部とを備えるとともに、前記受衝部と前記外殻部と前記受衝部に対向する不動部とによって中空部が形成される防舷材であって、前記中空部の内部の前記不動部に端部が固定される気密弾性袋部と、その気密弾性袋部の内圧を調整する圧力調整手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記圧力調整手段は、前記気密弾性袋部の内部に連通されて外部に導かれる給排気管と、その給排気管に設けられるバルブとによって構成することができる。また、前記圧力調整手段は、空気圧縮装置を備えたものであってもよい。
また、前記受衝部の前記中空部側に、前記気密弾性袋部に当接させる補強部を設けることができる。
さらに、前記気密弾性袋部は、ゴム製の袋部を備えた構成とすることができる。また、前記気密弾性袋部は、周方向に環状補強材を備えているものであってもよい。
また、本発明の防舷材の補強方法は、外力が作用する受衝部とその受衝部の変位によって伸縮する外殻部とを備えるとともに、前記受衝部と前記外殻部とによって中空部が形成される防舷材の補強方法であって、前記中空部と外部とを連通させる開口工程と、気密弾性袋部の端部を不動部に固定するとともに、その気密弾性袋部の内圧を調整する圧力調整手段を設置する配置工程と、前記外部と連通された開口を塞いで使用可能状態にする復旧工程とを有している。
このように構成された本発明の防舷材は、受衝部と外殻部と不動部とによって形成される中空部の内部に、気密弾性袋部を設けることによって防舷材の性能(許容反力、吸収エネルギー)を増加させる。
このため、新たな取付け面を構築しなくても容易に防舷材の性能を増加させることができる。
また、圧力調整手段で気密弾性袋部の内圧を調整することによって、防舷材の許容反力などの性能を所望する値に容易に調整することができる。
例えば、圧力調整手段を気密弾性袋部の内部に連通されて外部に導かれる給排気管と、その給排気管に設けられるバルブとによって構成することで、バルブを開ける度合いによって給排気速度を制御することができ、その結果、防舷材の反力を調整することができる。さらに、バルブの開閉度合いによって、防舷材の変形量に関わらず反力が略一定となる定反力型に近い挙動で吸収エネルギー量を増加させることもできる。
また、圧力調整手段として空気圧縮装置を備えることで、気密弾性袋部の内圧を増加させ、許容反力などの防舷材の性能を向上させることができる。また、空気圧縮装置を備えることによって、時間の経過とともに内圧が低下するなどしても防舷材の性能回復が容易なうえに、一時的に許容反力を増加させるなどの調整も容易になる。
さらに、受衝部と気密弾性袋部とが衝突する際の荷重が大きく、受衝部が損傷するおそれがあるときは、補強部を受衝部の中空部側に設けることで、容易に補強することができる。
また、ゴム製の袋部で気密弾性袋部を形成すれば簡単な構成で防舷材を補強することができる。
さらに、気密弾性袋部を周方向の環状補強材によって補強すれば、外力を受けた気密弾性袋部が周方向に膨らんで、外殻部の内側に過大な荷重が作用するのを防ぐことができる。
また、本発明の防舷材の補強方法は、既設の防舷材の中空部に気密弾性袋部を配置する方法であるため、防舷材を大型にしたり、別の位置に新たな防舷材を取り付けたりしなくても、防舷材の性能(許容反力、吸収エネルギー)を増加させることができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の防舷材1の構成を一部破断して示した斜視図である。また、図2は防舷材1の構成を説明する断面図である。
まず、防舷材1の構成について説明すると、この防舷材1は岸壁5に取り付けられるものであって、外力Pが作用する受衝部としての受衝パネル2と、その受衝パネル2の変位によって伸縮する外殻部としての本体ゴム部3と、本体ゴム部3の端部を取り付ける不動部としてのベースプレート4と、本体ゴム部3の内部に配置する気密弾性袋部6と、その気密弾性袋部6の内圧を調整する圧力調整手段7とによって主に構成される。
この受衝パネル2は、平面視略正方形の鋼板及び鋼製枠材などによって形成されるもので、必要に応じて船舶などが接触する外力Pの作用面側に、衝突時の損傷を防止するための樹脂板や保護パッドなどが貼り付けられる。
また、本体ゴム部3は、内部に円柱状の中空部31が形成される円筒状の外殻で、受衝パネル2に外力Pが作用して岸壁5側に変位すると軸方向に縮み、外力Pが緩和されて受衝パネル2が当初の位置に向けて変位すると伸びるような弾性材料によって形成される。例えば、本体ゴム部3は、ゴム、積層ゴム、タイヤコードなどによって形成される。
さらに、図2に示すように、本体ゴム部3の受衝パネル2側の端部とベースプレート4側の端部は、鍔状に拡幅されてフランジ32,33が形成されている。
また、ベースプレート4は、本体ゴム部3のフランジ33の形状に合わせて形成された円形板で、岸壁5の壁面にボルト(図示省略)などで固定される。
すなわち、本体ゴム部3の一方のフランジ32には受衝パネル2を取り付け、他方のフランジ33にはベースプレート4を取り付けることによって、外部から遮断されて空気が封入された中空部31が形成される。
そして、この中空部31には、気密弾性袋部6を配置する。この気密弾性袋部6は、円筒状の袋部61と、その袋部61の受衝パネル2側に取り付けられる円板状の形状保持プレート62と、袋部61の膜材の中に螺旋状又はリング状に配置される環状補強材63とによって主に構成される。
この袋部61は、ゴム材などの気密性の高い弾性材料を袋状に成形した部材であって、図2に示すように、端面には内空に空気が充填できるように連通孔71aが形成されている。
また、袋部61の一端に取り付けられる形状保持プレート62によって、袋部61の形状が円筒状に保持される。また、この形状保持プレート62を取り付けておけば、受衝パネル2との接触面を保護することができる。
さらに、袋部61を構成する膜材の内部には、図2に示すように、袋部62の軸方向に間隔を置いて複数の環状補強材63,・・・が内蔵されている。この環状補強材63は鋼線などで螺旋状又はリング状に形成されるもので、気密弾性袋部6の周方向の変形(換言すると軸直交方向の変形)を抑制する。
そして、このように構成された気密弾性袋部6は、ボルト(図示せず)又は接着剤などによって端部がベースプレート4に固定される。
また、受衝パネル2の中空部31側には、中空部31の直径より小さな平面視略円形の補強鋼板21が、受衝パネル2の補強部として取り付けられる。この補強鋼板21は、受衝パネル2が変位して形状保持プレート62に当接されると、気密弾性袋部6側から反力を受ける部分で、この反力によって受衝パネル2が変形しないように保護する目的で設けられる。
一方、この気密弾性袋部6には、圧力調整手段7が接続される。この圧力調整手段7は、気密弾性袋部6の内部に連通されて外部に導かれる給排気管71と、その給排気管71に設けられるバルブ72と、給排気管71の圧力を計測する圧力計73とによって主に構成される。
この給排気管71は、一端が気密弾性袋部6の連通孔71aに接続されるとともに、ベースプレート4の内部を通って他端は外部に向けた開放口71bとなっている。
また、この開放口71bよりも気密弾性袋部6側には、給排気管71の内部を流れる気体の量を開閉度合いによって調整するバルブ72が設けられている。さらに、このバルブ72よりも気密弾性袋部6側には圧力計73が接続されている。
そして、バルブ72を開けて開放口71bから圧縮された空気を注入することによって、気密弾性袋部6を膨張させ、内部を圧力計73によって所望の圧力に調整することができる。
なお、バルブ72を閉めて内部の空気が抜けないようにしただけの気密弾性袋部6であっても、防舷材1の反力を増加させることができる。
次に、受衝パネル2と本体ゴム部3とから構成されて岸壁5に取り付けられた既設の防舷材を、本実施の形態の防舷材1に補強する方法について説明する。
まず、本体ゴム部3のフランジ32から受衝パネル2を外し、岸壁5とフランジ33の連結も解除して、本体ゴム部3を岸壁5から外す。この開口工程によって中空部31が外部と連通するようになる。なお、この開口工程は、例えば受衝パネル2を付けたまま本体ゴム部3を岸壁5から外す、というものであってもよい。また、受衝パネル2の略中央には、補強鋼板21を取り付ける。
そして、ベースプレート4の略中央に気密弾性袋部6の袋部61の端部を当接させて固定する。このベースプレート4には、給排気管71が配管されており、その端部は連通孔71aに接続されている。また、ベースプレート4から突出する給排気管71の他端を、岸壁5の上面まで延設させ、バルブ72と圧力計73が岸壁5の上から操作又は確認できるようにする。
続いて、本体ゴム部3の中空部31にベースプレート4に取り付けられた気密弾性袋部6が収容されるように本体ゴム部3を設置し、本体ゴム部3のフランジ33をベースプレート4に固定する。
さらに、本体ゴム部3のフランジ32には、補強鋼板21が中空部31に収容される向きで受衝パネル2を当接させ、当初と同じ箇所でフランジ32と受衝パネル2とをボルトなどで連結する。
このように既設の防舷材の反力が不足するようになっても、中空部31に気密弾性袋部6を配置する補強方法であれば、防舷材を大型にしたり、別の位置に新たな防舷材を取り付けたりしなくても、防舷材1の性能(許容反力及び吸収エネルギーの少なくとも一方)を増加させることができる。
次に、本実施の形態の防舷材1の作用について説明する。
ここで、図2では、受衝パネル2は、外力Pが作用していないときには実線の位置にあり、変位量も0で反力も発生していない。他方、二点鎖線で示した受衝パネル2は、外力Pによる変位が許容される変位限界位置を示している。
そして、外力Pが作用して受衝パネル2が変位すると、本体ゴム部3及び中空部31に配置された気密弾性袋部6が変形するので、防舷材1の反力は、本体ゴム部3によって発生する反力に気密弾性袋部6の変形によって発生する反力を加えたものになる。
例えば、係船設備の使用条件が変更されて作用する外力Pが増加した場合、本体ゴム部3の反力だけでは、必要な反力を満たすことができないことがある。また、本体ゴム部3は、温度や経年劣化によって軟化することがある。
他方、本実施の形態の防舷材1は、外力Pの作用によって受衝パネル2が変位すると本体ゴム部3が縮んで反力が発生するとともに、補強鋼板21によって形状保持プレート62が押されて気密弾性袋部6の反力が加わることになる。
すなわち、本体ゴム部3と気密弾性袋部6の両方の反力の合計が、設計許容反力を満たすように気密弾性袋部6の内圧を調整すればよい。
このように構成された本実施の形態の防舷材1は、受衝パネル2と本体ゴム部3とベースプレート4とによって形成される中空部31の内部に、気密弾性袋部6を設けることによって防舷材1の性能を増加させる。
このため、新たな取付け面を構築しなくても容易に防舷材1の性能を増加させることができる。
また、圧力調整手段7で気密弾性袋部6の内圧を調整することによって、防舷材1の許容反力などの性能を所望する値に容易に調整することができる。
例えば、圧力調整手段7を気密弾性袋部6の内部に連通されて外部に導かれる給排気管71と、その給排気管71に設けられるバルブ72とによって構成することで、バルブ72を開ける度合いによって給排気速度を制御することができる。
ここで、空気の流速には上限がり、ある一定の流速以上では流れない性質を有しているので、バルブ72を締めることによって流下断面を充分に小さくすると、気密弾性袋部6の内部に充填された圧縮空気が開放口71bから漏れ出す量は内圧の大きさに関わらず略一定になる。このため、気密弾性袋部6の内圧を圧力計73で確認しながらバルブ72の開閉度合いを調整すれば、防舷材1の反力を調整することができる。
また、バルブ72を完全に閉じることなく空気の流れを確保しておけば、防舷材1の反力が過剰に大きくなることがなく、空気が排気される分だけ防舷材1を変形させることができる。
すなわち、変位量が小さく大きな反力が発生するような防舷材にすると、接舷初期の衝突の際のエネルギーが減衰されていないときの船舶に作用する反力が大きくなり、船舶を損傷させるおそれがある。
これに対して開放口71bから空気が漏れ出す範囲で防舷材1が変形するようにしておけば、反力が大きくなり過ぎることがなく、船舶を損傷させることがない。このようにバルブ72の開閉度合いによって、防舷材1の変形量に関わらず反力が略一定となる定反力型に近い挙動で防舷材1の吸収エネルギー量を増加させることができる。
また、上記と同様の効果は、給排気管71に圧力調整弁(図示省略)を設けることによっても得ることができる。すなわち、給排気管71の途中に圧力調整弁を設けるとともにバルブ72を開放しておけば、気密弾性袋部6の内圧が上昇して所定の圧力に達すると、圧力調整弁から内部の空気が流れ出してそれ以上に内圧が上昇しなくなるので、防舷材1の反力にも上限ができ、過大な反力が船舶や岸壁5に作用することがない。なお、圧力調整弁を設ける場合は、バルブ72を設けなくてもよい。
また、本体ゴム部3だけで構成された既設の防舷材では、受衝パネル2の中空部31側から荷重が作用することはないが、本実施の形態の防舷材1は、受衝パネル2に気密弾性袋部6からの荷重が作用する。このような荷重に対しても、補強鋼板21を受衝パネル2の中空部31側に取り付けることで容易に補強することができる。
さらに、外力Pを受けた気密弾性袋部6が軸方向に縮み、その影響で気密弾性袋部6が周方向(言い換えると軸直交方向)に膨張すると、既設の防舷材の本体ゴム部3の内側に過大な荷重が作用することになり、その内圧によって本体ゴム部3が損傷するおそれがある。これに対して、本実施の形態の防舷材1のように、気密弾性袋部6を周方向の環状補強材63,・・・によって補強すれば、袋部61の周方向の膨張が抑えられて、本体ゴム部3の内側に過大な荷重が作用するのを防ぐことができる。
以下、この実施例では、前記した実施の形態とは別の実施の形態について、図3を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例で説明する防舷材1Aは、圧力調整手段7に空気圧縮装置としてのコンプレッサ74が接続されている点で前記実施の形態とは異なっている。
すなわち、この実施例の圧力調整手段7は、給排気管71が途中で分岐され、端部が開放口71bとなる側にはバルブ72が設けられ、他方の分岐管の端部にはコンプレッサ74が接続される。また、このコンプレッサ74の近傍には、圧力計73が取り付けられる。
また、図3に実線で示した気密弾性袋部6は、コンプレッサ74から圧縮空気が送り込まれておらず内圧が大気圧のときの形状を表している。他方、二点鎖線で示した受衝パネル2の位置は、本体ゴム部3の変形の許容限界位置であり、この二点鎖線の受衝パネル2の位置に合わせて気密弾性袋部6は成形されている。
また、コンプレッサ74から圧縮空気を送り込み、気密弾性袋部6を膨張させると、気密弾性袋部6は図3の二点鎖線で示した大きさになる。
このようにコンプレッサ74から圧縮空気を送り込んで二点鎖線の大きさに気密弾性袋部6を膨張させた状態で受衝パネル2に外力Pが作用して変位が生じると、本体ゴム部3の反力が発生するとともに、気密弾性袋部6にも反力が発生して、それらの反力の合計が防舷材1Aの反力になる。
また、防舷材1Aの変形時に、コンプレッサ74から圧縮空気を気密弾性袋部6に強制的に送り込むと、防舷材1Aの変形は減少又は停止して反力が増加することになる。
このように圧力調整手段7がコンプレッサ74を備えることで、気密弾性袋部6の内圧を増加させ、許容反力などの防舷材1Aの性能を向上させることができる。
また、想定以上の外力Pが作用しても、コンプレッサ74から圧縮空気を送り込むことによって気密弾性袋部6の内圧を増加させれば、防舷材1Aのそれ以上の変位を抑えることができるので、受衝パネル2もそれ以上に変位することができず、本体ゴム部3も過度に変形して損傷してしまうことがない。
他方、コンプレッサ74から送り込む圧縮空気の量を調整することで、気密弾性袋部6の初期の大きさを図3の実線で示した大きさから二点鎖線で示した大きさの間で調整すると、外力Pが作用する前の状態では、気密弾性袋部6の形状保持プレート62と受衝パネル2の補強鋼板21との間は離隔することになる。
このような状態では、受衝パネル2が形状保持プレート62に接触するまでは、本体ゴム部3の反力だけが防舷材1Aの反力として生じることになる。
そして、外力Pが大きくなって、受衝パネル2の補強鋼板21が形状保持プレート62に当接してからは、気密弾性袋部6の反力が防舷材1Aの反力として加わることになる。
このように気密弾性袋部6と受衝パネル2の補強鋼板21とが外力Pが作用していないときには接触しないように離隔させることによって、初期反力を本体ゴム部3のみによって発生させることができる。すなわち、変位量が小さいときから大きな反力が発生するような防舷材にすると、接舷初期の衝突の際のエネルギーが減衰されていないときの船舶に作用する反力が大きくなり、船舶を損傷させるおそれがある。
これに対して防舷材1Aの変位量が小さいときには本体ゴム部3の反力だけが発生するように補強鋼板21と気密弾性袋部6とを離隔させておけば、本体ゴム部3のみで構成された既設の防舷材と初期反力の大きさを同じにすることができる。
また、時間の経過とともに内圧が低下したり本体ゴム部3が軟化したりするなどしても、コンプレッサ74から圧縮空気を送り込むことによって、防舷材1Aの性能を容易に回復させることができる。さらに、一時的に許容反力を増加したい場合などにも、コンプレッサ74から圧縮空気を送り込むことによって容易に防舷材1Aの性能を増加させることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、初期状態から気密弾性袋部6を受衝パネル2の補強鋼板21に当接させたが、これに限定されるものではなく、気密弾性袋部6と受衝パネル2の補強鋼板21とを離隔させることによって、初期反力を本体ゴム部3のみによって発生させることができ、接舷初期の船舶に作用する衝撃を既存の防舷材と同等にすることができる。
また、前記実施の形態及び前記実施例では、受衝パネル2と本体ゴム部3とベースプレート4とを別部材にしたが、これに限定されるものではなく、受衝部と外殻部、又は外殻部と不動部とを一体の部材として成形することができる。
さらに、本体ゴム部3の形状についても、前記実施の形態及び前記実施例に限定されるものではなく、気密弾性袋部6が配置可能な中空部を備えた形状であればよい。
また、前記実施の形態及び前記実施例では、受衝パネル2に補強鋼板21を取り付けたが、これに限定されるものではなく、受衝パネル2の強度に余裕がある場合は補強部を設けなくてもよい。
本発明の最良の実施の形態の防舷材の構成を一部破断して説明する斜視図である。 本発明の最良の実施の形態の防舷材の構成を説明する断面図である。 実施例の防舷材の構成を説明する断面図である。
符号の説明
P 外力
1,1A 防舷材
2 受衝パネル(受衝部)
21 補強鋼板(補強部)
3 本体ゴム部(外殻部)
31 中空部
4 ベースプレート(不動部)
6 気密弾性袋部
61 袋部
63 環状補強材
7 圧力調整手段
71 給排気管
72 バルブ
73 圧力計
74 コンプレッサ(空気圧縮装置)

Claims (1)

  1. 外力が作用する受衝部とその受衝部の変位によって伸縮する外殻部とを備えるとともに、前記受衝部と前記外殻部とによって中空部が形成される既設の防舷材の補強方法であって、
    前記中空部と外部とを連通させる開口工程と、
    気密弾性袋部の端部を不動部に固定するとともに、その気密弾性袋部の内圧を調整する圧力調整手段を設置する配置工程と、
    前記外部と連通された開口を塞いで使用可能状態にする復旧工程とを有することを特徴とする既設の防舷材の補強方法。
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