JP5097390B2 - 害虫忌避剤 - Google Patents

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Description

本発明は、害虫忌避剤に関する。
現在、有害生物、特に蚊、ブユ、ノミ、サシバエ、ツェツェバエ、サンショウバエなどの吸血性害虫、ダニ類などの刺咬性害虫などによって媒介される病気は、世界的にみると数多く、分布の広さ、罹患率、致死率などの点で危険性の高い疾病として認識される。たとえば、蚊はマラリア、黄熱、デング熱、フィラリア症、西ナイル熱などを媒介する。ブユはオンコセルカ症などを媒介する。ノミはペスト、発疹熱などを媒介する。サシバエはシャガス病などを媒介する。ツツガムシはツツガムシ病を媒介する。これらの害虫の中には、ウィルス、リケッチア、細菌、原虫、線虫などの病原体を生物学的に伝播する特異的な役割を果たすものが多い。生物学的伝播とは、疾病に罹患した動物の血液の吸血、病原体を含む食物の摂取などによって病原体を宿した害虫が再び人、牛、豚などの家畜類、犬などのペット類を吸血または接触して病原体を感染させることであり、その伝播力は計り知れない。特に生物学的伝播をする蚊、ダニ類などによってもたらされる重篤な疾病は、大きな問題になっている。
また、吸血性害虫および刺咬性害虫に刺されると、痛痒を覚え、発疹、皮膚炎などを発症し、害虫によっては比較的多量の血液を失う点においても、これらの害虫による被害は著しい。家畜に対する被害も甚大である。たとえば、鶏は産卵数が減少し、乳牛は乳量が減少する。したがって、吸血性害虫および刺咬性害虫の防除が強く望まれる。また、サシバエ、ツェツェバエ、サンショウバエなどの吸血性ハエ類以外の吸血性および刺咬性を有しないハエ類についても、生物学的伝播を果たす害虫である点では変わりがないので、やはり防除が強く望まれる。害虫の防除には一般に殺虫剤が用いられるけれども、吸血性害虫、刺咬性害虫、ハエ類などの衛生害虫は、発生源が多く、増殖率が高く、生態も複雑であるため、殺虫剤による完全な防除は極めて難しい。そこで、衛生害虫による被害を防ぐために、忌避剤が広く用いられる。
従来から、吸血性害虫および刺咬性害虫、特に蚊に対する害虫忌避成分として、たとえば、N,N−ジエチルトルアミド(以下「DEET」とする)、p−メンタンジオール系化合物などが知られている。これらの中でも、DEETは蚊に対する忌避効果に優れ、有効成分濃度10重量%程度のスプレー製剤、ローション、乳液、チック製剤などに調剤され、随時皮膚に直接噴霧または塗布することによって有効に作用するので、広く用いられている。しかしながら、DEETには、忌避効果の持続時間が短く、残効性が低いという欠点がある。また、DEETは化学合成品であり、高濃度で使用する場合に、神経障害、皮膚への障害などを起こすといった安全性の面での問題が最近になって指摘されている。このため、DEETよりもさらに低毒性の害虫忌避成分として、植物由来の蚊忌避剤が提案されている(たとえば、特許文献1〜6参照)。また、やはり天然物由来のモノテルペノイドであるメントールおよびシトロネラールが、蚊に対して忌避性を示すとの報告がある(たとえば、特許文献7、非特許文献1参照)。しかしながら、これまでDEETに匹敵するような忌避効果を有する害虫忌避成分は提案されていない。
特開昭59−128319号公報 特開昭59−181202号公報 特開2005−170914号公報 特開2005−97294号公報 特開2004−49601号公報 特開2004−51564号公報 特開昭53−86021号公報 稲塚新一:日本農薬学会誌,7(2),145(1982)
本発明の目的は、吸血性害虫、刺咬性害虫、サシバエ以外のハエ類などの有害生物に対して忌避効果が高く、その忌避効果が長時間に亘って持続し、しかも人体に対する安全性の高い害虫忌避剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく吸血性害虫、刺咬性害虫、ハエ類などの有害生物の生態習性と忌避剤について鋭意研究を重ねた。その結果、天然精油であるコパイバオイルおよび/またはその抽出物に他の害虫忌避成分を混合することによって、各種有害生物に対して持続的で高い忌避効果を示す害虫忌避剤を得ることに成功し、本発明を完成した。
本発明は、コパイバオイルおよび/またはその抽出物と、N,N−ジエチルトルアミドおよび/またはビサボロールとを含有することを特徴とする害虫忌避剤である。
さらに本発明の害虫忌避剤は、コパイバオイルおよび/またはその抽出物とN,N−ジエチルトルアミドおよび/またはビサボロールとの配合割合が重量比で50:1〜1:50であることを特徴とする。
さらに本発明の害虫忌避剤は、コパイバオイルの抽出物が、ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル(4:4:1)を展開抽出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりコパイバオイルから得られる分画品を、さらにメタノールと混合することによって得られるメタノール不溶画分であることを特徴とする。
さらに本発明の害虫忌避剤は、害虫が飛翔性を有する衛生害虫であることを特徴とする。
本発明の害虫忌避剤は、高い害虫忌避効果を有し、その害虫忌避効果が長時間に亘って持続し、人体に対する安全性が高い。しかも、DEETよりも少量でも充分な害虫忌避効果を示すので、DEETを施用するのに比べて、人体に対する安全性がさらに高い。また、多くの衛生害虫に対して忌避効果を示す点でも有用である。
本発明の害虫忌避剤は、コパイバオイルおよび/またはその抽出物と、N,N−ジエチルトルアミドおよび/またはビサボロールとを含む。本発明の害虫忌避剤は各種害虫に対して有効であり、その中でも特に双翅目昆虫に対して有効である。
コパイバオイル(Copaiba oil)は、常温において、芳香を有しかつ無色乃至淡黄色を呈する油状物(コパイバオイルレクチ)、所謂精油である。コパイバオイルは、たとえば、コパイババルサムノキ(Copaifera L.)から得られる無色流動性の分泌物(オレオレジン)であるコパイバ・バルサム(copaiba balsam)を蒸留することによって得られる。コパイバオイルの芳香はオレオレジンに由来する。コパイババルサムノキは、ブラジル、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、コロンビアなどの南アメリカ北部、特にアマゾン川およびオリノコ川流域に産生するマメ科植物であり、大きな幹と滑らかな樹皮を有する多枝性喬木である。オレオレジンはコパイババルサムノキの生理的副産物であり、樹幹中の柔組織細胞壁の分解によって生じる破生の空洞、離生的脈管などに蓄積される。オレオレジンはコパイババルサムノキの樹幹に髄まで達する穴を開けて採取される。
コパイバオイルをたとえば水蒸気蒸留法にて精製することによって、忌避成分濃度がさらに高い抽出物が得られる。水蒸気蒸留法とは、蒸留する対象を直接加熱して沸点の違いにより物質を分ける通常の蒸留とは違って、供給する水蒸気によって被精製物を加熱する蒸留方法である。この方法は、蒸留釜の内部で飽和状態にある水蒸気によって被精製物を間接的に加熱するため、過熱されることが少なく、有用な成分が破壊、変質しにくいという利点がある。また、実際の沸点よりも遙かに低い温度で蒸留できるので、コパイバオイルの成分を壊しにくいという利点がある。また、反応釜内部の下部に貯めた水を加熱することによって水蒸気を発生させるのではなく、外部のボイラーなどで水蒸気を作り、この水蒸気を反応釜に供給する方法を採るのが好ましい。この方法によって供給される水蒸気の流速は、下部に貯めた水を加熱することによって生成する水蒸気が上昇する流速よりも速いので、コパイバオイルの含有成分が加水分解を受ける時間が少なくなり、有用な成分の破壊、変質が一層少なくなる。
また、コパイバオイルの抽出物は、シリカゲルクロマトグラフィーを利用して得ることができる。たとえば、まず、コパイバオイルを、ヘキサンを展開抽出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで処理する。処理後のコパイバオイルの残渣について、ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル(4:4:1)を展開抽出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで処理して分画品を得る。次いで、この分画品をメタノールと混合することによって、コパイバオイルのメタノール不溶画分が得られる。このメタノール不溶画分は、水およびエタノールにも不溶である。メタノール不溶画分は、主に、テルペン類が重縮合した分子量700程度のワックス状成分を含有する。このメタノール不溶画分を皮膚に塗布するとワックス状成分が被膜を形成し、害虫忌避成分の皮膚表面から急激な揮散が防止されるとともに、ワックス状成分の重縮合による結合の一部が経時的に切れ、この部分から害虫忌避成分が徐々に揮散し、害虫忌避効果が持続する。したがって、このメタノール不溶画分は、害虫忌避効果の持続性を高める上で特に有効である。
本発明において、コパイバオイルおよび/またはその抽出物と併用するDEET、ビサボロールのうち、ビサボロールは、たとえば、キャンディア精油、カミツレ油、ラベンダー油などから抽出などによって得られる。また、化学的に合成できる。ビサボロールは保湿作用、抗菌・消炎・鎮痛作用などの目的で化粧品などに広く使用される。また、ビサボロールを含有するとされているカミツレ油、ラベンダー油などは、蚊などの害虫に対する忌避効果を有することが知られている。害虫忌避成分は1種を単独で使用できまたは併用できる。
コパイバオイルおよび/またはその抽出物と、N,N−ジエチルトルアミドおよび/またはビサボロール(以下、これら二つの害虫忌避成分を総称して、それ以外の害虫忌避成分ということがある)との使用割合は特に制限されないけれども、好ましくは重量比で50:1〜1:50である。それ以外の害虫忌避成分がDEETである場合、コパイバオイルおよび/またはその抽出物:DEET(重量比)がより好ましくは5:1〜1:50、さらに好ましくは2:1〜1:20、特に好ましくは1:1〜1:10である。それ以外の害虫忌避成分がビサボロールである場合、コパイバオイルおよび/またはその抽出物:ビサボロール(重量比)がより好ましくは50:1〜1:10、さらに好ましくは20:1〜1:5、特に好ましくは10:1〜1:2である。コパイバオイルおよび/またはその抽出物とそれ以外の害虫忌避成分とを前記のような割合で使用することによって、害虫に対する忌避効果が充分に発揮されるとともに、忌避効果が高い水準で長時間にわたって持続する害虫忌避剤が得られる。コパイバオイルおよび/またはその抽出物の使用量が前記割合よりも少ないと、忌避効果の持続性が低下するおそれがある。一方、コパイバオイルおよび/またはその抽出物の使用量が前記割合よりも多いと、他の害虫忌避成分との共用効果が低下するおそれがある。
本発明の害虫忌避剤は、殺虫成分、天然成分、植物精油などから選ばれる1種または2種以上を含有してもよい。殺虫成分としては、たとえば、ピレトリン、シネリン、ジャスモリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、イミブロトリン、シフェノトリン、トラロメトリン、エトフェンプロックス、プラレトリン、シフルトリン、シラフルオフェン、ビフェントリン、フルメトリン、フルバリネート、デルタメスリン、エンペントリン、メトフルトリン、トランスフルスリンなどのピレスロイド剤が挙げられる。これらの中でも、コパイバオイルとの併用によって効果の長期持続性および殺虫性の向上を考慮すると、エンペントリン、ピレトリン、イミプロトリン、プラレトリン、メトフルトリン、トランスフルスリンなどが好ましい。殺虫成分は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。天然成分としては、害虫忌避効果、殺虫効果などを有する天然成分が好ましく、たとえば、p−メンタン−8−エン−1,2−ジオール、カラン−3,4−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、2,3,4,5−ビス(△2−ブチレン)テトラヒドロフルフラール、ジ−n−プロピルイソシンコロネート、ジ−n−ブチルサクシネート、2−ヒドロキシオクチルスルフィド、(N−カルボ−sec−ブチロキシ)−2−(2’−ヒドロキシエチル−ピペリディンα−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リナロール、カジノールなどが挙げられる。これらの中でも、天然成分の持つ速効性と本発明の害虫忌避剤の持続性とを相互補完を考慮すると、p−メンタン−8−エン−1、2−ジオール、p−メンタン−3、8−ジオール、シトロネラールなどが好ましい。天然成分は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。植物精油としては、たとえば、ティーツリーオイル、マツ、ヒノキ、クスノキ、ヒバ、シトロネラ、ローズ、ゲラニューム、セダーウッド、ラベンダー、アニス、スペアミント、ナツメグ、ペパーミント、シナモン、クローブ、ユーカリ、ガーリック、マージョラム、パルマローザ、クミン、コリアンダー、オリガナム、ハッカ、レモンピール、ローズマリー、ヒソップ油などが挙げられる。植物精油は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。殺虫成分、天然成分および植物精油の使用量は、本発明の害虫忌避剤の効果が損なわれない範囲であれば特に制限されないけれども、たとえば、(コパイバオイルおよび/またはその抽出物):(それ以外の害虫忌避成分、殺虫成分、天然成分および植物精油の合計量)が重量比で好ましくは50:1〜1:50になるように用いればよい。
本発明の害虫忌避剤を使用する場合、使用目的に応じて、コパイバオイルおよび/またはその抽出物と、それ以外の害虫忌避成分と、必要に応じて殺虫成分、天然成分、植物精油などの有効成分混合物をそのまま使用できる。また、使用上の便、忌避効果の助長または安定、適用方法への対応などを図るために、有効成分混合物に補助剤を添加し、ローション、乳剤、油剤、クリーム剤、エアゾール剤、粒剤、樹脂剤、石鹸などの各種形態に製剤化できる。たとえば有効成分混合物をアルコール類に溶解または分散させ、得られる溶液または分散液を、そのまま害虫忌避が要求される区域などに散布などによって直接適用できる。
補助剤としては、この分野で常用されるものをいずれも使用でき、たとえば、担体(液体希釈剤または固体希釈剤)、界面活性剤などが挙げられる。担体のうち液体希釈剤としては、たとえば、トルエン、キシレン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類、イソプロパノール、グリコールなどのアルコール類、酢酸ブチルなどのエステル類、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキサイドなどのスルホキサイド類、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、ケロシンなどの石油留分、ジブチルエーテルなどのエーテル類、クロルベンゼンなどの塩素系炭化水素類、動植物油、脂肪酸およびそのエステル類、水などが挙げられる。液体希釈剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。担体のうち固体希釈剤としては、たとえば、クレー、カリオン、タルク、珪藻土、シリカ、炭酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、長石、石英、アルミナなどが挙げられる。固体希釈剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
界面活性剤は、たとえば、展着剤、乳化剤、湿潤剤、分散剤、崩壊剤などとして使用される。その具体例としては、たとえば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、リグニンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリルベタインなどの陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤が挙げられる。さらに、ひまし油、オリーブ油、パーム油、やし油などの植物油、オクタノール、オクタデカノールなどの長鎖脂肪族アルコール、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジルなどのベンゼン環を有する化合物、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、BDG、PFDG、ブチルグリコール、HeDG、DEDGなどグリコール類なども好ましく使用できる。さらに、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸イソプロピルなどの長鎖脂肪族のエステル類、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フェニルグリコール、フェニルジグリコールなどの芳香族化合物、ソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテルなどの植物油系界面活性剤、パラフィン系有機溶剤などがさらに好ましく使用できる。界面活性剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
これらの補助剤を用いて得られる各種製剤は、実際の使用に際して、そのまま使用してもよく、また、水などの適切な溶剤で所望の濃度に希釈して使用してもよい。製剤は製剤全量の30〜95重量%の水を含有できる。水の電気伝導率は特に制限されないけれども、好ましくは250μS/cm以下、さらに好ましくは50μS/cm以下、特に好ましくは10μS/cm以下である。250μS/cmを超えると長期間の保存で沈殿、腐敗などによる有効成分の分解などが起こるおそれがある。
本発明の害虫忌避剤における有効成分混合物の含有量は特に制限されず、製剤形態、適用方法などに応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、たとえば、ローション、エアゾールなどの液剤、クリーム剤などとして用いる場合、基材に含浸させて用いる場合などには、好ましくは製剤全量の0.01〜50重量%、さらに好ましくは0.1〜30重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%である。また、エアゾール剤として用いる場合、噴射剤の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは80重量%である。噴射剤としては、液化石油ガス(以下「LPG」とする)、ジメチルエーテル(以下「DME」とする)などが挙げられる。また、エアゾール用の液体としては、有効成分混合物をアルコール類、パラフィン系有機溶剤などに溶解させた溶液が好ましい。アルコール類およびパラフィン系有機溶剤の中でも、臭気などを考慮するとエタノールが好ましい。エアゾール用液体における有効成分混合物の含有量は、好ましくはエアゾール用液体全量の10〜40重量%、さらに好ましくは20〜30重量%である。エアゾール用液体におけるコパイバオイルおよびその抽出物の含有量は、好ましくはエアゾール用液体全量の1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%である。コパイバオイルをエタノールに入れると沈殿が生じるが、LPG、DMEなどの噴射剤と混合し、加圧することで沈殿なく溶解させ得る。
また、本発明の害虫忌避剤の処理量は、製剤の種類、対象の害虫種、その密度、使用時刻、気象条件または使用する人の年令などに応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、1つの目安を示せば、通常皮膚の面積1cm当たり、有効成分混合物(コパイバオイルおよび/またはその抽出物と、その他の害虫忌避成分と、必要に応じて配合される殺虫成分、天然成分、植物精油との混合物)が0.01〜2mg、好ましくは0.05〜1mg含まれる量である。この量は、有効成分混合物に補助剤を配合せずにそのまま用いる場合にも適用される量である。
本発明の害虫忌避剤を人に適用する場合には、たとえば、腕、首筋などの皮膚露出部にクリーム剤、ローション剤などを直接塗布するかまたはエアゾール剤、水性剤などを噴霧すればよい。また、直接皮膚に適用しない場合でも、適用箇所、対象にする忌避害虫、適用方法などに応じて適切な補助剤とを用い、適切な有効成分濃度で用いればよい。また、本発明の害虫忌避剤を、たとえば、天然素材、合成素材などからなる織物、編み物、不織布、皮革、フェルト、紙などのシート状物に噴霧または含浸することによって、害虫忌避シートが得られ、台所や洋服ダンスなどにおける害虫忌避に利用できる。また、ペットなどに適用する場合には、本発明の害虫忌避剤を樹脂製首輪に練り込むかまたは含浸させて用いればよい。
本発明の害虫忌避剤は、繊維、皮革、木材、建材、塗料・接着剤、プラスチック・フィルム、日用品、電気製品、紙・パルプ、油剤、食品など様々な用途に、様々な形態で実用に供することができる。以下にその例をあげる。メラミン、ウレタン、ゼラチン、シリカなどをカプセル化剤とするマイクロカプセルの形態や、シリカゲル、ゼオライトなどの無機物に担持させた形態や、シクロデキストリンや層状無機化合物に包接させ形態、もしくは溶液の形態で本発明の害虫忌避剤をポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、レーヨン、キュプラ、綿、麻、絹などの繊維に付着させ、害虫忌避性の繊維製品が得られる。たとえばストッキングに応用すれば、下肢が蚊に刺されるのを効果的に防止できる。蚊 帳に応用するのも効果的である。
また、繊維の紡糸工程で本発明の害虫忌避剤を繊維に配合し害虫忌避性の繊維製品を得ることもできる。たとえば、ポリエステルやポリアミドなどの合成繊維の紡糸工程で本発明の害虫忌避剤を練り込むかまたはポリウレタンなどの乾式紡糸、レーヨン、キュプラなどの湿式紡糸において紡糸原液に本発明の害虫忌避剤を配合できる。また、塗料に本発明の害虫忌避剤を添加すれば、塗膜に害虫忌避性を付与できる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、ポリエステル、ポリアミドなどのフィルムや樹脂に適用すれば、害虫忌避効果をそれらに付与できる。
本発明の害虫忌避剤をゲル状物などに含浸させたものを居間、浴室、トイレなどに設置すれば、害虫忌避的雰囲気を得ることができる。本発明の害虫忌避剤の用途、使用形態は上記の例以外には何ら限定されず、この他にも様々な用途、使用形態が存在する。
本発明の害虫忌避剤は、各種昆虫の忌避に用いられる。各種昆虫の中でも、衛生害虫に対して特に有効である。衛生害虫としては、たとえば、蚊、ブユ、アブ、サシバエ、ツェツェバエ、サンショウバエ、ノミ、トコジラミ、ダニなどの吸血性衛生害虫・刺咬性衛生害虫、ゴキブリ、ハエ、コバエ、ユスリカなどの非吸血性衛生害虫などが挙げられる。なお、前記の非吸血性害虫は小型の双翅目昆虫でもある。これらの中でも、さらに飛翔性を有する衛生害虫に対して有効であり、蚊に対して特に有効である。
蚊としては、ハマダラカ属(Anopheles)、コブハシカ属(Mimomyia)、ハボシカ属(Culiseta)、ナガスネカ属(Orthopodomyia)、ヌマカ属(Mansonia)、イエカ属(Culex)、ムナゲカ属(Heizmannia)、ヤブカ属(Aedes)、クロヤブカ属(Armigeres)、チビカ属(Uranotaenia)、ナガハシカ属(Tripteroides)、ギンモンカ属(Topomyia)、カギカ属(Malaya)、オオカ属(Toxorhynchites)などが挙げられる。これらの中でも、人と遭遇する頻度も高いハマダラカ属、イエカ属、ヤブカ属、クロヤブカ属などに対して用いると、一層確実に忌避効果が発揮されるので有用である。これらの蚊の具体的な種類としては、上記のハマダラカ属としては、たとえば、シナハマダラカが挙げられる。上記のイエカ属としては、たとえば、ネッタイイエカ、アカイエカ、チカイエカ、コガタアカイエカなどが挙げられる。上記のヤブカ属としては、たとえば、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカなどが挙げられる。上記のクロヤブカ属としては、たとえばオオクロヤブカなどが挙げられる。また、ユスリカとしては、フチグロユスリカ、ウスイロユスリカ、ニッポユスリカ、オオユスリカ、シオユスリカ、ヒシモンユスリカ、セスジユスリカ、ビワカンブトユスリカ、クログリブトユスリカ、ウレシノユスリカ、ヤモンユスリカ、オオヤマチビユスリカ、アカムシユスリカ、ミヤコムモンユスリカ、フタスジツヤユスリカなどが挙げられる。また、コバエとしては、チョウバエ、ショウジョウバエ、ノミバエ、タマバエ、クロバネキノコバエ、キノコバエ、ニセケバエ、ハヤトビバエ、キモグリバエ、ハモグリバエ、ケバエ、ガガンボ、チーズバエ、ツヤホソバエ、アシナガバエ、ヌカカなどが挙げられる。
以下に、参考例、実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1〜6および比較例1〜6)
表1に示す割合(mg)で害虫忌避成分(コパイバオイル、DEET、ビサボロールおよびキャンディア精油)を秤量し、クロロホルムに溶解させて全量を100mlに調整し、本発明および比較品の害虫忌避剤を製造した。
(試験例1)<蚊に対する忌避効果試験>
実施例1〜6および比較例1〜6の害虫忌避剤のそれぞれ2mlを10cm×10cmの綿布(金巾)に含浸させ、室内で2時間乾燥させて試験用検体を作製した。各試験用検体を6cm×6cmの大きさに裁断し、これを甲の部分に5cm×5cmの穴を開けたニトリル手袋の穴の部分に裏から貼り付けた。このニトリル手袋を装着し、拳を握った状態で供試虫の入ったケージの中に5分間差し入れ、時間内に試験用検体の上に飛来し、吸血した個体数を計数した。以上の操作を検体ごとにケージをかえて3反復で実施し、忌避率(%)の平均値を求めた。なお、飛来とは、飛来後翅をたたんで停止または歩行する状態を意味する。また、吸血とは試験用検体に口吻を差し込んだまま停止する状態を意味する。結果を表1に示す。
供試虫としては、累代飼育中のヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の蛹150個体を腰高シャーレに取り、30cm×30cm×30cmの網製ケージ内で羽化させ、羽化後10日間2%砂糖水のみで飼育し、吸血飢餓状態にした成虫を使用した。
Figure 0005097390
(試験例2)<コバエに対する忌避効果試験>
実施例1、4および比較例2〜3の害虫忌避剤のそれぞれ2mlを10cm×10cmの綿布(金巾)に含浸させ、室内で2時間乾燥させて試験用検体(処理布)を作製した。直径2cm、長さ10cmのアクリルパイプの中央に直径1cmの穴をあけ、パイプの一方の端を前記試験用検体で塞ぎ、もう一方の端を、害虫忌避剤を含浸させない10cm×10cmの綿布(無処理布)で塞いだ。
屋外から採取し、実験室内で飼育中のホシチョウバエ成虫(供試虫)をアクリルパイプの中央の穴からアクリルパイプ内に入れて穴を塞ぎ、全暗条件下で1時間放置した。1時間後に供試虫がアクリルパイプ内の中心からどちらの側に止まっているかを目視観察した。試験は10反復でおこなった。結果を表2に示す。
Figure 0005097390
(試験例3)<ユスリカに対する忌避効果試験>
供試虫としてホシチョウバエ成虫に代えてユスリカ成虫を用いる以外は、試験例2と同様にして試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005097390
(実施例7)
コパイバオイル1重量部およびDEET 1重量部を、エタノール68重量部とパラフィン系溶剤(商品名:IPソルベント、出光興産(株)製)30重量部との混合溶媒に溶解して害虫忌避剤溶液を調製した。この害虫忌避剤溶液20重量部をエアゾール容器に充填し、さらにLPG(噴射剤)80重量部を加圧充填し、エアゾール剤形態の本発明害虫忌避剤を調製した。製品圧力は0.22MPaであった。
(実施例8)
DEET 1重量部に代えてビサボロール1重量部を使用する以外は、実施例7と同様にして、エアゾール剤形態の本発明害虫忌避剤を調製した。
(実施例9)
コパイバオイル1重量部およびビサボロール0.1重量部を、電気伝導率10μS/cmの水93.9重量部と非イオン性界面活性剤(商品名:ニューコール565SC、日本乳化剤(株)製)5重量部との混合物に溶解し、水性剤形態の本発明害虫忌避剤を調製した。
(比較例7)
コパイバオイル1重量部およびDEET 1重量部に代えてDEET 2重量部を使用する以外は、実施例7と同様にして、エアゾール剤形態の比較用害虫忌避剤を調製した。
(比較例8)
コパイバオイル1重量部およびDEET 1重量部に代えてコパイバオイル 2重量部を使用する以外は、実施例7と同様にして、エアゾール剤形態の比較用害虫忌避剤を調製した。
(比較例9)
コパイバオイル1重量部およびビサボロール0.1重量部に代えてDEET 1.1重量部を使用する以外は、実施例9と同様にして、水性剤形態の比較用害虫忌避剤を調製した。
(試験例4)<噴霧による忌避効果試験>
実施例7〜9および比較例7〜9の害虫忌避剤を片手ずつ10秒間噴霧した後、ヒトスジシマカ雌成虫50匹を入れたケージ内に両手を5分間差し入れ、両手に飛来する虫数を計数した。また、2時間後、4時間後にも同様の試験を実施した。なお、水性剤である実施例9および比較例9の害虫忌避剤については、噴霧器に充填して噴霧を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005097390
(試験例5)
実施例9および比較例9を6cm×6cmの大きさの綿布に高さ10cmの位置から1回スプレーし、1時間および5時間室温で放置した。これを甲の部分に5cm×5cmの穴を開けたニトリル手袋の穴の空いた部分に裏から貼り付けた。上記ニトリル手袋を装着し、拳を握った状態でヒトスジシマカ雌成虫50匹の入ったケージの中に5分間差し入れ、時間内に飛来した個体数を計数し、忌避率を算出した。結果を表5に示す。
Figure 0005097390
(試験例6)<忌避剤の溶解性試験>
コパイバオイルとDEETまたはビサボロールとの混合物5重量部と、各種溶剤95重量部とを混合し、目視により溶解状態を観察した。評価は、室温下で1週間保存した後に分離および沈殿が発生しない状態を「良く溶ける」とし、混合直後は分離および沈殿が発生しないけれども、室温下での1週間保存によって分離および沈殿が発生する状態を「溶ける」とした。「良く溶ける溶剤」は、オクタノール、オクチルドデカノール、イソステアリン酸2−ヘキシルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、セバシン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、ドデシルベンゼン、ヒマシ油、パーム油、ヤシ油、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、メチルナフタレンおよびジイソプロピルナフタレンであった。「溶ける溶剤」はフェニルグリコール、フェニルジグリコール、オリーブ油、アーモンド油、菜種油および大豆油であった。
(参考例1)<コパイバオイル抽出物の調製>
コパイバオイル100gを、ヘキサン3リットルを展開抽出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填用シリカゲル、商品名:BW−127ZH、350g)で処理した。次に、前記シリカゲルカラムクロマトグラフィー処理後のコパイバオイルの残渣を、ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル(4:4:1)2.4リットルを展開抽出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー(商品名:BW−127ZH、350g)によって処理し、分画品を得た。この分画品5.0gをメタノール50gと混合したところ、白色の浮遊物が生成したので濾去した。この操作を3回繰り返して行い、コパイバオイルの抽出物をメタノール不溶画分として得た。
このメタノール不溶画分の主な物性は、次の通りである。
1)溶媒溶解性:
水、メタノールおよびエタノールに不溶。クロロホルムおよびヘキサンに可溶。酢酸エチルおよびアセトンに難溶。なお、有機溶媒に対する溶解性は、全て25℃で調べた。
2)分子量
マススペクトル(FAB−MS)=m/z 784(M
なお、メタノール不溶画分のイオン化はEI(Electron Ionization)法に従って行った。マススペクトルは質量分析計(商品名:JMS−NS700型、日本電子(株)製)を用い、20℃にてグリセロールをマトリックスとして用いて測定した。
3)赤外線吸収スペクトル(フィルム薄膜法);νmax(cm−1);2950(s,C−H),1450(m,C−H),1380(m),1220(m),720(s)
なお、赤外線吸収スペクトルは、フーリエ変換赤外分光光度計(商品名:FTIR−8200D型、(株)島津製作所製)を用い、25℃にて測定した。
(実施例10)
参考例1で得られたコパイバオイルの抽出物を使用する以外は、実施例1と同様にして本発明の害虫忌避剤を製造した。この害虫忌避剤について、試験例1と同様にして蚊の飛来および吸血に関する忌避率(%)を調べたところ、飛来については実施例1の害虫忌避剤よりもさらに高い忌避効果を示し、吸血については実施例1の害虫忌避剤と同等であった。さらに、実施例1の本発明の害虫忌避剤に比べて、忌避効果の持続時間が延長された。

Claims (4)

  1. コパイバオイルおよび/またはその抽出物と、N,N−ジエチルトルアミドおよび/またはビサボロールとを含有することを特徴とする害虫忌避剤。
  2. コパイバオイルおよび/またはその抽出物と、N,N−ジエチルトルアミドおよび/またはビサボロールとの配合割合が重量比で50:1〜1:50であることを特徴とする請求項1記載の害虫忌避剤。
  3. コパイバオイルの抽出物が、ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル(4:4:1)を展開抽出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりコパイバオイルから得られる分画品を、さらにメタノールと混合することによって得られるメタノール不溶画分であることを特徴とする請求項1または2に記載の害虫忌避剤。
  4. 害虫が飛翔性を有する衛生害虫であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の害虫忌避剤。
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