JP5093523B2 - 撮像装置、表示撮像装置および撮像処理装置 - Google Patents

撮像装置、表示撮像装置および撮像処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、パネルに接触または近接する物体の位置などの情報を取得する撮像装置および表示撮像装置、ならびにそのような撮像装置に適用される撮像処理装置に関する。
従来より、装置表面に接触あるいは近接する物体の位置などを検出する技術が知られている。その中でも代表的で一般に広く普及している技術として、表示面に接触または近接する物体の位置などを検出可能なタッチパネルを備えた表示装置が挙げられる。
このタッチパネルも種々のタイプのものが存在するが、一般に普及しているものとして、静電容量を検知するタイプのものが挙げられる。このタイプのものは、指でタッチパネルに接触することでパネルの表面電荷の変化を捕らえ、物体の位置などを検出するようになっている。したがってこのようなタッチパネルを用いることで、ユーザは直感的に操作することが可能である。
また、本出願人は例えば特許文献1において、画像を表示する表示機能と、物体を撮像(検出)する撮像機能(検出機能)とを有する表示部(表示撮像パネル)を備えた表示装置を提案している。
特開2004−127272号公報
上記特許文献1に記載されている表示装置を利用すれば、例えば表示撮像パネル上に指などの物体を接触または近接させた場合、この物体で反射された表示光を利用することで、撮像した画像に基づいて物体の位置などを検出することも可能である。したがって、この表示装置を利用することで、表示撮像パネル上にタッチパネルなどの部品を別途設けることなく、簡易な構成で物体の位置などを検出することが可能となる。
また、より一般的に、撮像機能のみを有する撮像パネルを備えた撮像装置について考えてみても、上記のように物体で反射された表示光の代わりに外光を利用して物体を撮像することにより、物体の位置などを検出することが可能であると考えられる。
ところで、このようにして撮像画像に基づいて物体の位置などを検出する場合、撮像素子間のオフセットばらつきや、出力アンプおよび増幅アンプ等の周辺回路でのオフセットばらつきなどが問題となる。これらのオフセットばらつきに起因して撮像画像にノイズ(オフセットノイズ)が発生すると、物体の位置などの検出精度が低下したり、検出自体が困難になってしまう場合があるからである。
そこで、撮像素子が露光しないように撮像装置を黒い箱等で覆ったときの撮像画像を記憶しておき、その分を通常の撮像画像から減算することによってオフセットノイズを取り除くという方法が考えられるが、撮像装置周囲を暗状態にしたときの撮像画像を取得する操作をユーザに強制することとなるため、撮像装置の使用方法が非常に煩雑となり、現実的ではない。
また、撮像装置の製造段階において、初期のオフセットノイズを予め画像として記憶させておくことも考えられるが、使用環境の変化や経時的な変化により、そのような画像を用いても十分にオフセットノイズを取り除くことができなくなってしまうと予想される。
このように従来の技術では、装置内のオフセットノイズを簡易に抑え、接触または近接する物体の検出精度を向上させるのは困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、接触または近接する物体の検出精度を容易に向上させることが可能な撮像装置、表示撮像装置および撮像処理装置を提供することにある。
本発明の第1の撮像装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルと、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段とを備えたものである。また、この画像処理手段は、撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像からオフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像と、近接物体の影を撮像して得られる影画像からオフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像との差分画像に基づいて、物体情報を取得する。
本発明の第2の撮像装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルと、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段とを備えたものである。また、この画像処理手段は、近接物体の影を撮像して得られる影画像と、撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、オフセットノイズを考慮して物体情報を取得する。更に、一の影画像の取得処理と一の照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に撮像素子が初期化状態となるように設定されている。そして、上記撮像制御手段は、各単位動作周期において、影画像の取得処理および照射光利用画像の取得処理のうちの一方の処理の前の初期化状態のときにのみオフセットノイズの取得処理が行われるように制御する。
本発明の第3の撮像装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルと、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段とを備えたものである。また、この画像処理手段は、近接物体の影を撮像して得られる影画像と、撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、オフセットノイズを考慮して物体情報を取得する。更に、一の影画像の取得処理と一の照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に撮像素子が初期化状態となるように設定されている。そして、上記撮像制御手段は、複数の単位動作周期内の1回の初期化状態のときにのみオフセットノイズの取得処理が行われるように制御する。
ここで、「撮像素子が初期化された状態」とは、撮像素子に蓄積された電荷が放電され、電荷量が初期化(リセット)された状態を意味する。また、「オフセットノイズ」とは、撮像素子間のオフセットばらつきに起因するノイズのみならず、撮像パネル内の撮像素子の周辺回路に起因するノイズをも含めた固有のノイズを意味する。また、「近接物体」とは、文字通り近接する物体だけではなく、接触状態にある物体をも含む意味である。また、「影画像」とは、外光による影を撮像して得られる画像であり、撮像パネルからの照射光(または表示光)を利用しないで得られる画像を意味する。
本発明の第1の表示撮像装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルと、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と、取得した物体情報が表示撮像パネルに表示されるように表示素子を制御する表示制御手段とを備えたものである。また、この画像処理手段は、表示撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像からオフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像と、近接物体の影を撮像して得られる影画像からオフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像との差分画像に基づいて、物体情報を取得する。
本発明の第2の表示撮像装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルと、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と、取得した物体情報が表示撮像パネルに表示されるように表示素子を制御する表示制御手段とを備えたものである。また、上記画像処理手段は、近接物体の影を撮像して得られる影画像と、表示撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、オフセットノイズを考慮して物体情報を取得する。更に、一の影画像の取得処理と一の照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に撮像素子が初期化状態となるように設定されている。そして、上記撮像制御手段は、各単位動作周期において、影画像の取得処理および照射光利用画像の取得処理のうちの一方の処理の前の初期化状態のときにのみオフセットノイズの取得処理が行われるように制御する。
本発明の第3の表示撮像装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルと、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と、取得した物体情報が表示撮像パネルに表示されるように表示素子を制御する表示制御手段とを備えたものである。また、上記画像処理手段は、近接物体の影を撮像して得られる影画像と、表示撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、オフセットノイズを考慮して物体情報を取得する。更に、一の影画像の取得処理と一の照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に撮像素子が初期化状態となるように設定されている。そして、上記撮像制御手段は、複数の単位動作周期内の1回の初期化状態のときにのみオフセットノイズの取得処理が行われるように制御する。
本発明の第1の撮像処理装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルに適用されるものであって、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段とを備えたものである。また、この画像処理手段は、撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像からオフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像と、近接物体の影を撮像して得られる影画像からオフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像との差分画像に基づいて、物体情報を取得する。
本発明の第2の撮像処理装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルに適用されるものであって、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段とを備えたものである。また、この画像処理手段は、近接物体の影を撮像して得られる影画像と、撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、オフセットノイズを考慮して物体情報を取得する。更に、一の影画像の取得処理と一の照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に撮像素子が初期化状態となるように設定されている。そして、上記撮像制御手段は、各単位動作周期において、影画像の取得処理および照射光利用画像の取得処理のうちの一方の処理の前の初期化状態のときにのみオフセットノイズの取得処理が行われるように制御する。
本発明の第3の撮像処理装置は、複数の撮像素子を含む撮像パネルに適用されるものであって、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように撮像素子を制御する撮像制御手段と、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、オフセットノイズを考慮して近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段とを備えたものである。また、この画像処理手段は、近接物体の影を撮像して得られる影画像と、撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、オフセットノイズを考慮して物体情報を取得する。更に、一の影画像の取得処理と一の照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に撮像素子が初期化状態となるように設定されている。そして、上記撮像制御手段は、複数の単位動作周期内の1回の初期化状態のときにのみオフセットノイズの取得処理が行われるように制御する。
本発明の撮像装置、表示撮像装置および撮像処理装置では、撮像素子が初期化された状態での撮像処理により、オフセットノイズが得られる。そして近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、このオフセットノイズを考慮して近接物体の物体情報が得られる。
このとき、近接物体の影を撮像して得られる影画像に基づき、上記オフセットノイズを考慮して物体情報が取得されることにより、例えば撮像パネルまたは表示撮像パネルから照射光や表示光が射出されないような場合であっても、物体情報を得ることが可能となると共に、照射光や表示光の輝度などによらず、物体情報が得られる。
また、上記影画像と、撮像パネルまたは表示撮像パネルからの照射光を利用して近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、上記オフセットノイズを考慮して物体情報が取得されることにより、例えば周囲が暗くて外光が得られないような場合であっても、物体情報を得ることができる。よって、そのときの使用状況によらず、物体情報を得ることが可能となる。
本発明の撮像装置、表示撮像装置または撮像処理装置によれば、撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得すると共に、近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づきこのオフセットノイズを考慮して近接物体の物体情報を取得するようにしたので、装置内のオフセットノイズを簡易に抑えつつ、近接物体の物体情報を取得することができる。よって、接触または近接する物体の検出精度を容易に向上させることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る表示撮像装置の構成を表すブロック図である。 図1に示したI/Oディスプレイパネルの構成例を表すブロック図である。 各画素の構成例を表す回路図である。 各画素とセンサ読み出し用Hドライバとの接続関係を説明するための回路図である。 バックライトのオン・オフ状態と表示状態との関係について説明するためのタイミング図である。 第1の実施の形態に係る指先抽出処理を表す流れ図である。 図6における各抽出処理について説明するためのタイミング図である。 図7に示した影画像指先検出処理の詳細を表す流れ図である。 影画像指先検出処理の概念について説明するための斜視図である。 影画像指先検出処理による撮像画像の一例を表す摸式図である。 影画像指先抽出処理について説明するための写真構成図である。 図11に続いて影画像指先抽出処理について説明するための写真構成図である。 影画像指先抽出処理による受光信号について説明するための図である。 移動平均画像の生成処理について説明するための図である。 移動平均画像の生成処理について説明するための図である。 移動平均画像の生成処理について説明するための図である。 図7に示した差分画像指先抽出処理の詳細を表す流れ図である。 差分画像指先抽出処理について説明するための写真構成図である。 外光が明るい場合の差分画像指先抽出処理について説明するための図である。 外光が暗い場合の差分画像指先抽出処理について説明するための図である。 差分画像指先抽出処理による受光信号のダイナミックレンジについて説明するための図である。 差分画像指先抽出処理と影画像指先抽出処理とについて比較説明するための図である。 バイアス電圧の一例について説明するための特性図である。 バイアス電圧を加味した場合の効果の一例について説明するための写真構成図である。 バイアス電圧の他の例について説明するための特性図である。 バイアス電圧を加味した場合の効果の他の例について説明するための写真構成図である。 指先抽出処理の結果を利用したアプリケーションの一例について説明するための図である。 指先抽出処理の結果を利用したアプリケーションの他の例について説明するための図である。 指先抽出処理の結果を利用したアプリケーションの他の例について説明するための図である。 指先抽出処理の結果を利用したアプリケーションの他の例について説明するための図である。 第2の実施の形態に係る指先抽出処理を表す流れ図である。 第3の実施の形態に係る指先抽出処理を表す流れ図である。 図32に示した画像合成処理について説明するための写真構成図である。 本発明の変形例に係る移動平均画像の生成処理について説明するための図である。 本発明の変形例に係る移動平均画像の生成処理について説明するための図である。 本発明の変形例に係る表示撮像装置の構成を表すブロック図である。 図36に示した表示撮像装置における各画素の構成例を表す回路図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る表示撮像装置の全体構成を表すものである。この表示撮像装置は、I/Oディスプレイパネル20と、バックライト15と、表示ドライブ回路12と、受光ドライブ回路13と、画像処理部14と、アプリケーションプログラム実行部11とを備えている。
I/Oディスプレイパネル20は、複数の画素が全面に渡ってマトリクス状に配置された液晶パネル(LCD(Liquid Crystal Display))からなり、線順次動作をしながら表示データに基づく所定の図形や文字などの画像を表示する機能(表示機能)を有すると共に、後述するようにこのI/Oディスプレイパネル20に接触または近接する物体を撮像する機能(撮像機能)を有するものである。また、バックライト15は、例えば複数の発光ダイオードが配置されてなるI/Oディスプレイパネル20の光源であり、後述するようにI/Oディスプレイパネル20の動作タイミングに同期した所定のタイミングで、高速にオン・オフ動作を行うようになっている。
表示ドライブ回路12は、I/Oディスプレイパネル20において表示データに基づく画像が表示されるように(表示動作を行うように)、このI/Oディスプレイパネル20の駆動を行う(線順次動作の駆動を行う)回路である。
受光ドライブ回路13は、I/Oディスプレイパネル20において受光データが得られるように(物体を撮像するように)、このI/Oディスプレイパネル20の駆動を行う(線順次動作の駆動を行う)回路である。各画素での受光データは、例えばフレーム単位でフレームメモリ13Aに蓄積され、撮像画像として画像処理部14へ出力されるようになっている。また、この受光ドライブ回路13は、撮像素子(後述する受光センサ31c等)が初期化された状態(リセット状態)での撮像処理によってオフセットノイズ(初期化画像R)が得られるように撮像素子を制御するようになっている。なお、このリセット画像Rおよびオフセットノイズの取得処理の詳細については、後述する。
画像処理部14は、受光ドライブ回路13から出力される撮像画像に基づいて所定の画像処理(演算処理)を行い、I/Oディスプレイパネル20に接触または近接する物体に関する情報である物体情報(位置座標データ、物体の形状や大きさに関するデータなど)を検出し、取得するものである。なお、この検知する処理の詳細については後述する。
アプリケーションプログラム実行部11は、画像処理部14による検知結果に基づいて所定のアプリケーションソフトに応じた処理を実行するものであり、例えば検知した物体の位置座標を表示データに含むようにし、I/Oディスプレイパネル20上に表示させるものなどが挙げられる。アプリケーションプログラム実行部11で生成される表示データは、表示ドライブ回路12へ供給される。なお、このアプリケーションプログラム実行部11によるアプリケーションプログラムの実行例の詳細については、後述する。
次に、図2を参照してI/Oディスプレイパネル20の詳細構成例について説明する。このI/Oディスプレイパネル20は、表示エリア(センサエリア)21と、表示用Hドライバ22と、表示用Vドライバ23と、センサ読み出し用Hドライバ25と、センサ用Vドライバ24とを有している。
表示エリア(センサエリア)21は、バックライト15からの光を変調して表示光を出射すると共にこのエリアに接触または近接する物体を撮像する領域であり、発光素子(表示素子)である液晶素子と、後述する受光素子(撮像素子)とが、それぞれマトリクス状に配置されている。なお、これら複数の表示素子および複数の撮像素子はそれぞれ、例えば、シリコン(Si)基板や、非シリコン基板などの基板上に形成されている。なお、非シリコン基板としては、例えば、ガラス基板やプラスチック基板などが挙げられる。
表示用Hドライバ22は、表示ドライブ回路12から供給される表示駆動用の表示信号および制御クロックに基づいて、表示用Vドライバ23と共に表示エリア21内の各画素の液晶素子を線順次駆動するものである。
センサ読み出し用Hドライバ25は、受光ドライブ回路13から供給される受光駆動用の信号および制御クロックに基づいて、センサ用Vドライバ24と共に表示エリア21内の各画素の受光素子を線順次駆動し、受光信号(受光データ)を取得するものである。
次に、図3を参照して、表示エリア21における各画素の詳細構成例について説明する。この図3に示した画素31は、表示素子である液晶素子と、受光素子(撮像素子)とから構成されている。
具体的には、表示素子側には、水平方向に延在するゲート電極31hと垂直方向に延在するドレイン電極31iとの交点に薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)などからなるスイッチング素子31aが配置され、このスイッチング素子31aと対向電極との間に液晶を含む画素電極31bが配置されている。そしてゲート電極31hを介して供給される駆動信号に基づいてスイッチング素子31aがオン・オフ動作し、オン状態のときにドレイン電極31iを介して供給される表示信号に基づいて画素電極31bに画素電圧が印加され、表示状態が設定されるようになっている。
一方、表示素子に隣接する受光素子側には、例えばフォトダイオードなどからなる受光センサ31cが配置され、電源電圧VDDが供給されるようになっている。また、この受光センサ31cにはリセットスイッチ31dおよびコンデンサ31eが接続されており、リセットスイッチ31dがオン状態になって過去の撮像処理の際の受光量に対応するコンデンサ31eでの蓄積電荷がリセット(初期化、放電)された後、その後の撮像処理の際の受光量に対応した電荷が、コンデンサ31eに蓄積されるようになっている。そして蓄積された電荷は、読み出しスイッチ31gがオン状態となるタイミングでバッファアンプ31fを介して信号出力用電極31jに供給され、外部へ出力される。また、リセットスイッチ31dのオン・オフ動作はリセット電極31kにより供給される信号により制御され、読み出しスイッチ31gのオン・オフ動作は、読出し制御電極31mにより供給される信号により制御される。
なお、本実施の形態の表示撮像装置では、リセットスイッチ31dがオンとなって受光センサ31cがリセットされた状態においても、所定の場合には読み出しスイッチ31gがオン状態となるように制御される。このようなリセット状態での撮像画像(前述のリセット画像R)が取得されることにより、リセット状態での撮像信号、すなわち、受光センサ31c自身のオフセットばらつきを始め、その周辺回路に対応するバッファアンプ31fなどのオフセットばらつきなどに起因するオフセットノイズが随時得られるようになっている。
次に、図4を参照して、表示エリア21内の各画素とセンサ読み出し用Hドライバ25との接続関係について説明する。この表示エリア21では、赤(R)用の画素31と、緑(G)用の画素32と、青(B)用の画素33とが並んで配置されている。
各画素の受光センサ31c,32c,33cに接続されたコンデンサに蓄積された電荷は、それぞれのバッファアンプ31f,32f,33fで増幅され、読み出しスイッチ31g,32g,33gがオンになるタイミングで、信号出力用電極を介してセンサ読み出し用Hドライバ25へ供給される。なお、各信号出力用電極には定電流源41a,41b,41cがそれぞれ接続され、センサ読み出し用Hドライバ25において感度良く受光量に対応した信号が検出されるようになっている。
ここで、I/Oディスプレイパネル20およびバックライト15が本発明における「表示撮像パネル」および「撮像パネル」の一具体例に対応する。また、受光ドライブ回路13が本発明における「撮像制御手段」の一具体例に対応し、表示ドライブ回路12が本発明における「表示制御手段」の一具体例に対応し、画像処理部14が本発明における「画像処理手段」の一具体例に対応する。また、受光ドライブ回路13および画像処理部14が本発明における「撮像処理装置」の一具体例に対応する。
次に、本実施の形態の表示撮像装置の動作について詳細に説明する。
まず、この表示撮像装置の基本動作、すなわち画像の表示動作および物体の撮像動作について説明する。
この表示撮像装置では、アプリケーションプログラム実行部11から供給される表示データに基づいて、表示ドライブ回路12において表示用の駆動信号が生成され、この駆動信号により、I/Oディスプレイパネル20に対して線順次表示駆動がなされ、画像が表示される。また、このときバックライト15も表示ドライブ回路12によって駆動され、I/Oディスプレイパネル20と同期した点灯・消灯動作がなされる。
ここで図5を参照して、バックライト15のオン・オフ状態とI/Oディスプレイパネル20の表示状態との関係について説明する。
まず、例えば1/60秒のフレーム周期で画像表示がなされている場合、各フレーム期間の前半期間(1/120秒間)にバックライト15が消灯し(オフ状態となり)、表示が行われない。一方、各フレーム期間の後半期間には、バックライト15が点灯し(オン状態となり)、各画素に表示信号が供給され、そのフレーム期間の画像が表示されるようになっている。
このように、各フレーム期間(単位動作周期の期間)の前半期間は、I/Oディスプレイパネル20から表示光が出射されない無光期間である一方、各フレーム期間の後半期間は、I/Oディスプレイパネル20から表示光が出射される有光期間となっている。
ここで、I/Oディスプレイパネル20に接触または近接する物体(例えば、指先など)がある場合、受光ドライブ回路13による線順次受光駆動により、このI/Oディスプレイパネル20における各画素の受光素子においてその物体が撮像され、各受光素子からの受光信号が受光ドライブ回路13へ供給される。受光ドライブ回路13では、1フレーム分の画素の受光信号がフレームメモリ13Aに一時的に蓄積される。この際、後述するオフセットノイズを取り除くノイズ処理がなされ、このノイズ処理がなされた後の撮像画像(後述するノイズ処理画像)が、画像処理部14へ出力される。
そして画像処理部14では、このノイズ処理画像に基づいて、以下説明する所定の画像処理(演算処理)が行われ、これによりI/Oディスプレイパネル20に接触または近接する物体に関する情報である物体情報(位置座標データ、物体の形状や大きさに関するデータなど)が検出・取得される。
次に、図6〜図22を参照して、本発明の特徴的部分の1つである、画像処理部14による指先等のI/Oディスプレイパネル20に接触または近接する物体(近接物体)の抽出処理(指先抽出処理)について詳細に説明する。ここで図6は、この画像処理部14による指先抽出処理を流れ図で表したものであり、図7は、この指先抽出処理の一部をタイミング図で表したものである。
図7から分かるように、単位動作周期の期間である表示1フレーム期間は、バックライト15がオフの期間である前半期間(タイミングt0〜t2:無光期間)と、バックライト15がオンの期間である後半期間(タイミングt2〜t4:有光期間)とに大きく分けられる。また、これら無光期間および有光期間にはそれぞれ、画像の読み取り(撮像処理の取得)期間の前に、撮像素子がリセット状態となる期間(タイミングt0〜t1,t3〜t4)が設定され、それまでの受光信号(撮像信号)がリセット(初期化)されるようになっている。
まず、無光期間のうちのタイミングt0〜t1の期間において、I/Oディスプレイパネル20によりリセット状態での撮像処理がなされ、画像R(リセット画像)が取得される(図6のステップS10)。これにより、リセット状態での撮像信号、すなわちオフセットノイズが取得される。
次に、無光期間のうちのタイミングt1〜t2の期間において、I/Oディスプレイパネル20により近接物体の影が撮像され、これにより画像A(影画像)が取得される(ステップS11)。そしてその後のタイミングt2〜t4の期間(有光期間)において、取得した画像A(影画像)に基づき、後述するオフセットノイズ処理を含む指先抽出処理(影画像指先抽出処理)が、受光ドライブ回路13および画像処理部14によってなされる(ステップS12)。
一方、この影画像指先抽出処理と並行して、有光期間のうちのタイミングt2〜t3の期間において、まず撮像素子がリセット状態となり、画像Aの撮像信号がリセットされる。なお、この有光期間のリセット状態においては撮像処理がなされず、リセット画像も取得されないようになっている。これは、この期間においてリセット画像を取得してオフセットノイズを得たとしても、無光期間で得られたオフセットノイズからほとんど変化しておらず、ほぼ同一とみなせるからである。
また、同様に影画像指先抽出処理と平行して、次に有光期間のうちのタイミングt3〜t4の期間において、I/Oディスプレイパネル20により近接物体の撮像処理がなされ、画像B(照射光(表示光)利用画像)が取得される。そしてこの画像Bの取得および後述するオフセットノイズ処理を含む指先抽出処理(後述する差分画像Cに基づく差分画像指先抽出処理)が、受光ドライブ回路13および画像処理部14によってなされる(ステップS13)。
次に、画像処理部14は、ステップS12において差分画像指先抽出処理によって指先が抽出できた(指先等の近接物体の位置、形状または大きさなどの物体情報が取得できたかどうかを判断する(ステップS14)。抽出できたと判断した場合(ステップS14:Y)、画像処理部14は、差分画像指先抽出処理による抽出結果を採用すると決定し(ステップS15)、最終結果をアプリケーションプログラム実行部11へ出力する(ステップS17)。一方、抽出できなかったと判断した場合(ステップS14:N)、画像処理部14は、影画像指先抽出処理による抽出結果を採用すると決定し(ステップS16)、最終結果をアプリケーションプログラム実行部11へ出力する(ステップS17)。
このようにして、差分画像指先抽出処理を主、影画像指先抽出処理を従として、これら両抽出処理を考慮して、最終的に一方の抽出処理による抽出結果が選択されるようになっている。
次に、影画像指先抽出処理および差分画像指先抽出処理の詳細について説明する。
まず、図8〜図16を参照して、影画像指先抽出処理の詳細について説明する。ここで図8は、この影画像指先抽出処理の詳細を流れ図で表したものであり、図9は、影画像指先抽出処理の際の状況を斜視図で表したものであり、図10は、影画像指先検出処理による撮像画像の一例を摸式的に表したものである。また、図11は、以下説明する影画像指先抽出処理のうちのオフセットノイズ処理の際の画像(後述する画像R、画像A、画像A’および画像A”)の一例を写真で表したものであり、図12は、影画像指先抽出処理のうちのオフセットノイズ処理後の画像(後述する画像A”、画像(−A”)、画像(MA”)、画像(−MA”)、画像Dおよび画像E)の一例を写真で表したものであり、図13は、図12で示した画像例の一部分について、画像位置と受光出力電圧との特性図で表したものである。
最初に、オフセットノイズ処理(図8のステップS120,S121、図11)では、受光ドライブ回路13が、まずすでに取得された画像A(影画像)および画像R(リセット画像)に基づき、画像Aと画像Rとの差分画像である画像A’=A−Rを生成する(ステップS120、図11)。すなわち、影画像Aからオフセットノイズに対応するリセット画像Rを取り除くことにより、ノイズ処理画像A’を生成する。次に、受光ドライブ回路13は、このノイズ処理画像A’に対して所定のバイアス値(bias)を加えることにより、ノイズ処理画像A”=A’+biasを生成する(ステップS121、図11)。生成されたこのノイズ処理画像A”は、フレームメモリ13Aに一時的に記憶されたのち、撮像画像として画像処理部14へ出力される。これにより、所定のバイアス値biasを加味したオフセットノイズ処理が完了となる。なお、このバイアス値biasを加味することの意義については、後述する。
次に、オフセットノイズ処理後の本来の影画像指先抽出処理(ステップS122〜S129、図12)がなされる。まず、画像処理部14は、受光ドライブ回路13から取得したノイズ処理画像A”の反転画像(−A”)を生成する(ステップS122、図12)。また、画像処理部14は、もとの画像A”の移動平均画像(MA”)を生成する(ステップS123、図12)。
この移動平均画像(MA”)生成は、具体的には例えば図14(A),(B)に示したように、ノイズ処理画像A”において、一の注目画素30Aおよびその周辺画素からなる画素領域30(この場合、(2a+1)ピクセル×(2a+1)ピクセルの画素領域)において、画素データの平均化演算処理を行うと共に、例えば図15に示したように、その演算結果を次の注目画素を含む画素領域での平均化演算処理に反映させつつ注目画素を順次移動させるようにして、平均化演算処理を撮像画像全体について行う。また、この平均化演算処理の際の画素領域50の大きさ(この場合、(2a+1)ピクセル×(2a+1)ピクセル)は、検出対象の物体として予想される大きさ(ターゲットサイズa)に基づいて設定する(例えば、ターゲットサイズaと同程度の大きさに設定する)のが望ましい。詳細は後述するが、このような大きさとすることで、例えば図10に示した画像20A(後述する画像Dまたは画像Eに対応)のように、近接物体である指先に加えて拳の部分についても検出(符号60Aの部分)されるようなことが回避されるからである。なお、例えば図16に示したように、平均化演算処理の際に必要となる実際の画素領域50の外側の領域51の画素データについては、例えば画素領域50の外周部分の画素データをそのままコピーして適用するようにすればよい。
次に、画像処理部14は、移動平均画像(MA”)から、後に(ステップS127において)利用する所定の閾値THを算出する(ステップS124)。具体的には、移動平均画像(MA”)における最も明るい(最も画素データの大きい)画素の画素データと、もとの画像A”における最も暗い(最も画素データの小さい)画素の画素データとに基づいて(例えば、これらの画素データの平均を取って)閾値THを求める。なお、最も明るい(最も画素データの大きい)画素の画素データについては、表示エリア21の四隅には同時に近接物体が配置されることは通常ないものとして、これら四隅の画素の画素データの平均値を割り当てるようにしてもよい。
次に、画像処理部14は、生成した移動平均画像(MA”)の反転画像(−MA”)を生成し(ステップS125、図12)、もとの画像A“の反転画像(−A”)とこの移動平均画像(MA”)の反転画像(−MA”)との差分画像、すなわち移動平均画像(MA”)ともとの(画像A”)との差分画像である差分画像D=(−A”)−(−MA”)=(MA”)−A”を生成する(ステップS126、図12)。そして画像処理部14は、画像Dの各画素データからステップS124において算出した閾値THを減算した画像E=D−THを生成する(ステップS125、図12)。
ここで、図12に示した画像D,Eおよび図13に示したこれら画像D,Eにおける受光出力電圧波形例Gd,Geのように、ターゲットサイズaと同程度の大きさである指先部分だけが検出される一方、指先よりも大きい拳部分については検出されないようになる。なお、図13に示した受光出力電圧波形例Ga,G(−a),Gma,G(−ma)はそれぞれ、もとの画像A,その反転画像(−A),移動平均画像MA,その反転画像(−MA)における受光出力電圧波形例に対応する。
次に、画像処理部14は、生成された画像Eに基づいて、接触(近接)中心の特定を行う重心計算処理(ステップS128)および接触(近接)中心の特定処理(ステップS129)を行う。これにより、物体に関する位置、形状または大きさなどの物体情報が取得され、影画像指先抽出処理が終了となる。
このようにして影画像指先抽出処理では、まず、外光を利用して物体の影を撮像することにより得られた影画像Aから、撮像素子がリセットされた状態での撮像により得られたリセット画像Rを差し引くことにより、影画像からオフセットノイズが取り除かれ、ノイズ処理画像A’,A”が生成される。
また、このようにしてオフセットノイズ処理がなされることで生成されたノイズ処理画像A”の移動平均画像MA”と、もとのノイズ処理画像A”との差分画像Dに基づいて指先の抽出処理がなされるため、オフセットノイズを考慮した指先抽出処理がなさると共に、前述のようにターゲットサイズと同程度の大きさの物体のみが検出され、これにより表示光が出射されていないような場合(例えば、表示素子である液晶素子が半透過型の液晶素子である場合において屋外で利用する場合のように、バックライト15が常時オフ状態になる場合や、黒画像がI/Oディスプレイパネル20に表示されている場合など)にも、近接物体の物体情報が検出・取得される。
なお、この影画像指先抽出処理では、I/Oディスプレイパネル20の表示エリア21上に同時に配置された複数の接触または近接する物体について、それぞれの物体に関する位置、形状または大きさなどの物体情報が取得できるようになっている。
次に、図17〜図21を参照して、差分画像指先抽出処理の詳細について説明する。ここで図17は、この差分画像指先抽出処理の詳細を流れ図で表したものであり、図18は、差分画像指先抽出処理の際の画像(画像R、画像B、後述する画像B”、画像A”、画像B”および画像C)の一例を写真で表したものである。
まず、前述のように、バックライトがオンの期間である有光期間のうちのタイミングt3〜t4の期間において、I/Oディスプレイパネル20により近接物体の撮像処理がなされ、画像B(照射光(表示光)利用画像)が取得される(図17のステップS130、図18)。
次に、オフセットノイズ処理(図17のステップS131,S132、図18)では、受光ドライブ回路13が、すでに取得された画像B(表示光利用画像)および画像R(リセット画像)に基づき、画像Bと画像Rとの差分画像である画像B’=B−Rを生成する(ステップS131、図18)。すなわち、表示光利用画像Bからオフセットノイズに対応するリセット画像Rを取り除くことにより、ノイズ処理画像B’を生成する。次に、受光ドライブ回路13は、このノイズ処理画像B’に対して所定のバイアス値(bias)を加えることにより、ノイズ処理画像B”=B’+biasを生成する(ステップS132、図18)。生成されたこのノイズ処理画像B”は、フレームメモリ13Aに一時的に記憶されたのち、撮像画像として画像処理部14へ出力される。これにより、所定のバイアス値biasを加味したオフセットノイズ処理が完了となる。なお、このバイアス値biasを加味することの意義については、後述する。
次に、オフセットノイズ処理後の本来の差分画像指先抽出処理(ステップS133〜S135、図18)がなされる。まず、画像処理部14は、生成されたノイズ処理画像B”と、影画像指先抽出処理のステップS121においてすでに生成されたノイズ処理画像A”との差分画像C=B”−A”を生成する(ステップS133、図18)。
そして画像処理部14は、生成された差分画像Cの重心を判定する演算処理を行い(ステップS134)、接触(近接)中心の特定を行う(ステップS135)。
このようにして差分画像指先抽出処理では、表示光を利用した画像Bからオフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像B”と、表示光を利用しないで外光を利用した画像Aからオフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像A”との差分画像Cに基づいて、指先の抽出処理がなされる。したがって、差分画像Cにおいても、オフセットノイズが取り除かれていることになる。また、このような差分画像Cに基づく指先抽出処理により、図18に示した差分画像Cの写真画像例のように、外光の明るさの影響が除去され、この外光の明るさに影響されずに近接物体の検出がなされる。
具体的には、例えば図19(A)に断面図で示したように、入射する外光が強い場合には、バックライト15を点灯させた状態での受光出力電圧Von1は、図19(B)に示したように、指で触れた個所以外では、外光の明るさに対応した電圧値Vaとなり、指で触れた個所では、そのときに触れた物体(指)の表面で、バックライトからの光を反射させる反射率に対応した電圧値Vbに低下する。これに対して、バックライト15を消灯させた状態での受光出力電圧Voff1は、指で触れた個所以外では、外光の明るさに対応した電圧値Vaとなる点は同じであるが、指で触れた個所では、外光が遮断された状態であり、非常にレベルの低い電圧値Vcとなる。
また、図20(A)に断面図で示したように、入射する外光が弱い(ほとんどない)状態では、バックライト15を点灯させた状態での受光出力電圧Von2は、図20(B)に示したように、指で触れた個所以外では、外光がないために非常にレベルの低い電圧値Vcとなり、指で触れた個所では、そのときに触れた物体(指)の表面で、バックライトからの光を反射させる反射率に対応した電圧値Vbに上昇する。これに対して、バックライト15を消灯させた状態での受光出力電圧Voff2は、指で触れた個所とそれ以外の個所のいずれでも、非常にレベルの低い電圧値Vcのままで変化がない。
このように、図19および図20を比較すると分かるように、パネルの表示エリア21に接触していない個所では、外光がある場合とない場合とで、受光出力電圧が大きく異なっている。ところが、指が接触している個所では、外光の有無に関係なく、バックライトの点灯時の電圧Vbと、バックライトの消灯時の電圧Vcとが、ほぼ同じような状態となっている。よって、バックライト15の点灯時の電圧と消灯時の電圧との差を検出して、電圧Vbと電圧Vcとの差のように、一定以上の差がある個所が、接触した個所又は近接した個所であると判断することができ、パネルに入射する外光が強い場合でも、外光が殆どない場合でも、均一な条件で良好に接触または近接が検出される。
また、図21(A),(B)に示したように、受光出力電圧の検出に必要なダイナミックレンジについては、以下のように決定される。ここで、図21(A)は、パネルの表示エリア21の接触状態を示したもので、指fでパネル表面を触れているとともに、反射率がほぼ100%の円形の物体mを、表示エリア21に載せた状態としてある。この状態で、指fと物体mの双方を走査するラインでの受光出力電圧は、図21(B)に示す状態となる。また、図21(B)において、電圧Von3はバックライトを点灯させた状態での受光出力電圧であり、電圧Voff3はバックライトを消灯させた状態での受光出力電圧であ
る。
図21(B)に示すように、反射率がほぼ100%の物体mがある個所で、バックライト点灯時に検出される電圧Vdよりも高い電圧は観測不要なレベルVyであり、そのレベル以下の範囲Vxが、検出に必要なダイナミックレンジである。よって、観測不要なレベルVyの信号については、オーバーフローさせてしまって、同一の強度とみなすようにすればよいことが判る。
なお、この差分画像指先抽出処理においても、I/Oディスプレイパネル20の表示エリア21上に同時に配置された複数の接触または近接する物体について、影画像指先抽出処理の場合と同様に、それぞれの物体に関する位置、形状または大きさなどの情報が取得できるようになっている。
このようにして本実施の形態の表示撮像装置では、以上説明した影画像指先抽出処理および差分画像指先抽出処理を考慮して、これらのうちの一方による近接物体の検出結果が最終結果として画像処理部14からアプリケーションプログラム実行部11へ出力される。
図22は、これら影画像指先抽出処理および差分画像指先抽出処理による指先抽出処理の特徴を比較して表したものである。この図において、「○」はその条件下での指先抽出が得意であることを、「△」はその条件下での指先抽出処理が状況によって得意・不得意が変動することを、「×」はその状況下では原則として指先抽出処理が不得意であることを、それぞれ表している。この図から判るように、周囲が明るい環境のときには影画像指先抽出処理のほうが指先抽出処理が得意であることから影画像指先抽出処理による抽出結果が採用されると考えられる一方、バックライト15が消灯していて表示光が出射されていない場合や黒表示状態のときには、差分画像指先抽出処理では抽出ができない場合が生じ、その場合には影画像指先抽出処理による抽出結果が採用されると考えられる。
また、本実施の形態の表示撮像装置では、外光または表示光を利用して近接物体を撮像することにより得られた影画像Aおよび表示光利用画像Bから、撮像素子がリセットされた状態での撮像により得られたリセット画像Rを差し引くことにより、影画像Aおよび表示光利用画像Bからそれぞれオフセットノイズが取り除かれ、ノイズ処理画像A’,B’が生成される。そしてこれらノイズ処理画像A’,B’に基づき、オフセットノイズを考慮しつつ近接物体の物体情報が得られる。
また、本実施の形態の表示撮像装置ではさらに、上記ノイズ処理画像A’,B’に対して所定のバイアス値(bias)が加味されたノイズ処理画像A”,B”に基づき、近接物体の物体情報が得られるようになっている。したがって、以下説明するように、ノイズ処理画像をフレームメモリ13Aに記録する際に、ある画素の撮像データが丸め込まれて0となってしまう(ある画素の撮像データが欠落してしまう)のが回避可能となっている。
具体的には、影画像Aや表示光利用画像Bからリセット画像Rを差し引いた場合に、通常は正の値になると考えられるが、画素によっては負の値となってしまうことがある。この原因は、主に露光時間中に発生する撮像素子(受光センサ31c)の暗電流ばらつきによるものと考えられる。一方、フレームメモリ13Aは、正の値のみを格納することが多く、負の値が発生した場合、0に丸めを行うことになる。このとき、最終的に取り出したい信号のレベルが微小で、ドリフトなどの影響で0に丸められてしまった場合、処理結果に影響が出てしまうことになる。特に影響が大きいのが差分画像Cの信号を取り出す処理の場合であり、本来、ノイズ処理画像B’(=B−R)とノイズ処理画像B’(=B−R)との差分画像Cは、C=B’−A’=B−Aであることから、ノイズ処理前の画像B,Aの差分画像(=B−A)と等しくなるはずである。しかしながら、ノイズ処理画像B’,A’において上記のような丸め込みの処理が発生した場合、画素によっては信号の有無に関わらず0となってしまうことがある。
ここで図23〜図26を参照して、ノイズ処理画像A’,B’に対して所定のバイアス値(bias)を加味することの意義について詳細に説明する。
ある画素に注目し、リセット画像Rにおける画素の信号出力電圧をNr、影画像Aおよび表示光利用画像Bの露光中に画素に発生するノイズをそれぞれNa,Nb、影画像Aおよび表示光利用画像Bにおける画素の信号出力電圧をそれぞれSa,Sb、およびバックライト15がオンのときに近接物体からの反射により得られる信号成分をSとすると、信号出力電圧Sa,Sbは、それぞれ以下の(1)式および(2)式で表される(図23(A),図25(A))。なお、信号成分Sは、極めて微小な信号とする。
Sa=Nr+Na+0 …(1)
Sb=Nr+Nb+S …(2)
通常、信号出力電圧Nrのばらつきが非常に大きく、信号出力電圧Na,Nbのばらつきは、信号出力電圧Nrに比べて非常に小さい。そのため、(1)式中の(Nr+Na)および(2)式中の(Nr+Nb)はそれぞれ、常に正の値となるよう設計されている。ここで、表示光利用画像Bと影画像Aとの差分画像(=B−A)について考えると、ある画素での信号出力電圧値は、以下の(3)式のようになり、ノイズとしては(Nb−Na)が残ることになる。ただし、表示光利用画像Bおよび影画像Aの取得の際の露光時間がほぼ同一となるように設定されている場合には、それぞれの場合に発生する暗電流もほぼ同一となるため、ノイズ成分である(Nb−Na)はほぼ0となり、最終的に微小な信号成分Sを取り出すことが可能である。
Sb−Sa=S+(Nb−Na) …(3)
一方、本実施の形態の表示撮像装置では、信号出力電圧Sa,Sbからそれぞれノイズ成分Nrを差し引いてノイズ処理画像A’,B’としたのち、それぞれの差分画像C(=B”−A”)を求めるようにしている。ここで、ノイズ処理画像A’,B’における画素での信号出力電圧は、それぞれ以下の(4)式および(5)式のように表される(図23(B),図25(B))。ノイズ成分Na,Nbはそれぞれ微小であるが、画素によって正の値または負の値を示すため、丸め込みの処理後の値は、(4)式においては0からNaまでの範囲内の値(1/2程度の確率で0)となり、(5)式においては、信号成分Sの振幅がノイズ成分Nbの振幅と同等だとすると、0から(S+Nb)までの範囲の値となる。したがって、ノイズ処理画像A’,B’において、画素位置によっては信号出力電圧が0となってしまい、図24中の画像A’1および図26中の画像B’1にそれぞれ示したように、画素位置によっては信号が欠落してしまうことになる。また、ノイズ処理画像A’,B’の差分画像における画素での信号出力電圧((Sa−Nr)−(Sb−Nr))の値は、0から(S+(Nb−Na))≒Sまでの範囲に分布することとなるため、画素によって0からSまでの範囲の値をとることになり、ばらつきが生じることとなる。このようなばらつきが生じると、影画像指先抽出処理や差分画像指先抽出処理において、物体情報の検出精度が低下してしまうことになる。
Sa−Nr=Na …(4)
Sb−Nr=Nb+S …(5)
そこで本実施の形態の表示撮像装置では、以上の問題を回避するため、以下の(6)式および(7)式にそれぞれ示したように、ノイズ処理画像A’,B’に対して丸め込み処理による信号の欠落を防止するのに十分な値のバイアス値(bias)を加算したノイズ処理画像A“,B”を用いるのが好ましい。なお、このような一定のバイアス値(bias)は、図23(B)および図25(B)における各画素位置の信号が常に正となるような値、すなわち、表示撮像装置の周囲が暗状態のときの撮像処理により得られた暗状態画像からオフセットノイズを取り除いて得られる画像に基づいて設定するようにすればよい。
ノイズ処理画像A”=A’+bias=A−R+bias …(6)
ノイズ処理画像B”=B’+bias=B−R+bias …(7)
また、ノイズ処理画像A“,B”における画素での信号出力電圧は、それぞれ以下の(8)式および(9)式のようになり、いずれも正の値を示す(丸め込みの処理が生じない)ようになる(図24中の画像A”1および図26中の画像B”1)。よって、差分画像C(=B”−A”)における画素での信号出力電圧は、以下の(10)式のようになり、(3)式で示した表示光利用画像Bと影画像Aとの差分画像(=B−A)におけるものと同一となる。よって、この差分画像Cに基づく差分画像指先抽出処理において、丸め込み処理による物体情報の検出精度の低下が回避されると共に、(3)式と(10)式とを比べると分かるように、バイアス値(bias)を加えたことによる影響を受けず同一の結果が得られる。
Sa−Nr+bias=Na +bias>0 …(8)
Sb−Nr+bias=Nb+S+bias>0 …(9)
(Nb+S+bias)−(Na+bias)=S+(Nb−Na) …(10)
一方、影画像指先抽出処理については、前述のように、ノイズ処理画像A”、その移動平均画像(MA”)および所定の閾値THに基づく画像E(=(MA”)−A”−TH)によって物体情報の検出がなされる。ここで、移動平均画像(MA”)におけるバイアス値(bias)の影響を考えると、撮像画像全体に均等に加算されるバイアス値(bias)は、移動平均画像(MA”)においても均等にバイアス値(bias)分だけ加算されることになるため、画像Eにおいて、バイアス値(bias)を加えたことによる影響はなくなる。また、もちろんこの影画像指先抽出処理においても、丸め込みの処理が生じないノイズ処理画像A”に基づいて物体情報の検出がなされるため、丸め込み処理による物体情報の検出精度の低下が回避される。
次に、図27〜図30を参照して、これまで説明した指先抽出処理によって検出された物体の位置情報等を利用した、アプリケーションプログラム実行部11によるアプリケーションプログラムの実行例について、いくつか説明する。
まず、図27(A)に示した例は、I/Oディスプレイパネル20の表面を指先61で触れて、その触れた個所の軌跡を描画ライン611として画面に表示させるようにした例である。
また、図27(B)に示した例は、手の形を用いたジェスチャ認識のものである。具体的には、I/Oディスプレイパネル20に触れた(または近接した)手62の形状を認識して、その認識した手の形を画像として表示させ、その表示オブジェクトの移動621で、何らかの処理を行うようにしたものである。
また、図28に示した例は、閉じた状態の手63Aから、開いた状態の手63Bに変化させて、それぞれの状態の手の接触または近接をI/Oディスプレイパネル20で画像認識させて、その画像認識に基づいた処理を実行させるようにしたものである。これらの認識に基づいて処理を行うことで、例えばズームインなどの指示を行うことができる。また、このような指示ができることで、例えばI/Oディスプレイパネル20をパーソナルコンピュータ装置に接続して、そのコンピュータ装置上でコマンドを切り替えている操作などを、これらの画像認識で、より自然な形で入力することができる。
また、例えば図29に示したように、I/Oディスプレイパネル20を複数台用意して、その複数台のI/Oディスプレイパネル20を何らかの伝送手段で接続することで、接触または近接を検出した画像を、相手のI/Oディスプレイパネル20に伝送して表示させて、両ディスプレイパネルを操作するユーザ間でコミュニケーションをとるようにしてもよい。すなわち、図29に示したように、2つのI/Oディスプレイパネル20を用意して、一方のパネルで画像認識した手65の手形を相手に送信して、他方のパネルに手形642を表示させたり、他方のパネルを手64で触れて表示された軌跡641を、相手のパネルに送って表示させる等の処理が可能になる。このようにして、描画している状態が動画で伝達され、手書きの文字や図形などを相手に送ることで、新しいコミュニケーションツールの可能性がある。このような例としては、例えば、I/Oディスプレイパネル20を携帯電話端末の表示パネルに適用すること等が想定される。
また、例えば図30に示したように、筆66を使用してI/Oディスプレイパネル20の表面で文字を書くように触れさせて、その筆66が触れた個所をI/Oディスプレイパネル20に画像661として表示させることで、毛筆による手書きの入力が可能になる。この場合には、毛筆の細かいタッチまで認識して実現することが可能である。従来の手書き認識の場合には、例えば一部のデジタイザにおいて、特殊なペンの傾きを電界検出で実現していたが、本例では、本物の毛筆の接触面そのものを検知することにより、より現実的な感覚で情報入力を行える。
以上のように本実施の形態では、撮像素子が初期化された状態(リセット状態)での撮像処理によりオフセットノイズ(リセット画像R)を取得すると共に、近接物体を撮像して得られる撮像画像(影画像Aや表示光利用画像B)に基づきこのオフセットノイズを考慮して近接物体の物体情報を取得するようにしたので、装置内のオフセットノイズを簡易に抑えつつ、近接物体の物体情報を取得することができる。よって、接触または近接する物体の検出精度を容易に向上させることが可能となる。
また、表示光を利用した近接物体の撮像により得られる画像B(表示光利用画像)と、近接物体の影の撮像により得られる画像A(影画像)との差分画像Cを生成すると共に、これら画像A(影画像)および差分画像Cを考慮して近接物体の物体情報を検出するようにしたので、例えば周囲の状況や表示光の輝度などのそのときの使用状況によらず、物体の検出を行うことが可能となる。
また、従来より表示1フレーム期間内に存在していたリセット状態の期間を利用してリセット画像(オフセットノイズ)を取得しているので、従来のものから制御タイミングの変更などを行う必要がない。よって、電子の易動度がSi基板と比べて小さい非Si基板を用いた本実施の形態の場合であっても、画像A,B,Rの読み取り期間および指先抽出期間を十分に確保することが可能となる。
また、ノイズ処理画像A’,B’に対して所定のバイアス値(bias)を加算したノイズ処理画像A“,B”を用いて指先抽出処理を行うようにしたので、丸め込み処理による信号の欠落を回避することができ、物体情報の検出精度をより向上させることが可能となる。
また、ノイズ処理画像A”に基づいて移動平均画像MA”を生成し、この移動平均画像MA”ともとの画像A”との差分画像D、そしてこの差分画像Dの各画素データから閾値THを減算した画像Eを利用して検出すると共に、平均化演算処理の際の画素領域50の大きさを、検出対象の物体として予想される大きさ(ターゲットサイズ)と同程度としたので、例えばターゲットサイズと同程度の大きさである指先部分だけを検出するようにし、指先よりも大きい拳部分については検出されないようにすることができ、より確実な検出処理を行うことが可能となる。
また、一の動作周期(1表示フレーム期間)内において、画像A”(影画像)の取得を画像B”(表示光利用画像)の取得よりも先に行うようにしたので、例えば図7に示したように、差分画像指先抽出処理を行うまでに演算処理に時間を要する移動平均画像(MA”)の演算を行う時間を確保することができ、逆に画像Bの取得を画像Aの取得よりも先に行うように構成した場合と比べ、全体として短時間で処理を行うことが可能となる。
さらに、単位動作周期の期間である表示1フレーム期間において、バックライト15がオフの期間である無光期間およびバックライト15がオンの期間である有光期間にそれぞれ存在するリセット状態のうち、一方のリセット状態(具体的には、本実施の形態では無光期間内のリセット状態)のときにのみリセット画像R(オフセットノイズ)の取得処理を行うようにしたので、両方のリセット状態において取得処理を行うようにした場合と比べ、装置の消費電力を抑えることが可能となる。
なお、本実施の形態では、差分画像指先抽出処理を主とすると共に影画像指先抽出処理を従とするように構成したが、場合によっては、逆に差分画像指先抽出処理を従とすると共に影画像指先抽出処理を主として構成してもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の表示撮像装置は、所定の指標に基づいて差分画像指先抽出処理および影画像指先抽出処理のうちの一方を選択し、その選択した画像に基づいて指先抽出処理を行うようにしたものである。なお、その他の構成および動作については第1の実施の形態と同様であるので、適宜説明を省略する。
図31は、本実施の形態の指先抽出処理を流れ図で表したものである。この図からわかるように、第1の実施の形態と同様にして画像R(リセット画像)および画像A(影画像)がそれぞれ取得されると(ステップS20,S21)、図22に示した比較表からも判るように、画像処理部14によって、その状況によって指先抽出処理が確実に行われるようなほうの処理が選択的に行われるようになっている(ステップS22〜S26)。
具体的には、バックライトが常時オフ状態のとき、黒画像が表示されているとき、および周囲が暗くない環境の場合には、影画像指先抽出処理(ステップS26)が選択的に実行されて、最終結果が出力される(ステップS27)。なお、周囲が暗いかどうかは、影画像A(またはノイズ処理画像A’やノイズ処理画像A”)での画素データの大小によって判断され、画素データが非常に小さい場合には、周囲が非常に暗い環境であると判断されるようになっている。
一方、逆に、バックライトが常時オフ状態ではないとき、黒画像が表示されていないとき、および周囲が非常に暗い環境の場合には、差分画像指先抽出処理(ステップS25)が選択的に実行されて、最終結果が出力される(ステップS27)。
以上のように本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用により、同様の効果を得ることができる。すなわち、装置内のオフセットノイズを簡易に抑えつつ近接物体の物体情報を取得することができ、接触または近接する物体の検出精度を容易に向上させることが可能となる。
また、所定の指標に基づいて差分画像指先抽出処理および影画像指先抽出処理のうちの一方を選択し、その選択した画像に基づいて指先抽出処理を行うようにしたので、それぞれの指先抽出処理のうちの適したほうを適用することができる。よって、第1の実施の形態と比べてより様々な使用状況に対応することができ、より確実に抽出処理を行うことが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態の表示撮像装置は、どのような場合でも差分画像指先抽出処理および影画像指先抽出処理の両方を行い、画像A(影画像)および差分画像Cの合成画像を利用して、指先抽出処理を行うようにしたものである。なお、その他の構成および動作については第1の実施の形態と同様であるので、適宜説明を省略する。
図32は、本実施の形態の指先抽出処理を流れ図で表したものである。この図からわかるように、第1および第2の実施の形態と同様にして画像R(リセット画像)および画像A(影画像)がそれぞれ取得されると(ステップS30,S31)、重心計算および接触(近接)中心の特定処理を除いて、差分画像指先抽出処理および影画像指先抽出処理がそれぞれ実行される(ステップS32,S33)。
次に、例えば図33に示したように、差分画像指先抽出処理で生成される差分画像Cと、影画像指先抽出処理で生成される画像Eとの合成画像F=α×C+Eが生成される。(ステップS34)なお、αは、所定の重み付け係数を表している。
そして、その後は第1の実施の形態と同様に、重心計算処理(ステップS35)、接触(近接)中心の特定処理(ステップS36)および最終結果の出力処理(ステップS37)がなされる。
以上のように本実施の形態においても、第1および第2の実施の形態と同様の作用により、同様の効果を得ることができる。すなわち、装置内のオフセットノイズを簡易に抑えつつ近接物体の物体情報を取得することができ、接触または近接する物体の検出精度を容易に向上させることが可能となる。
また、どのような場合でも差分画像指先抽出処理および影画像指先抽出処理の両方を行い、差分画像指先抽出処理で生成される差分画像Cと、影画像指先抽出処理で生成される画像Eとの合成画像F=α×C+Eを生成し、この合成画像Fに基づいて指先抽出処理を行うようにしたので、例えば図33に示したように、より鮮明に指先などの画像を検出することができる。よって、第1の実施の形態と比べ、より確実に抽出処理を行うことが可能となる。
以上、第1〜第3の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、フレームメモリ13Aが正の値のみを格納するものである場合について説明したが、仮にフレームメモリが負の値も格納することができるのであって丸め込み処理が発生しないような場合には、ノイズ処理画像A’,B’に対して必ずしもバイアス値(bias)を加算しなくともよい。このように構成した場合には、オフセットノイズ処理をより簡易なものとすることができ、より容易に物体情報の検出処理を行うことが可能となる。
また、上記実施の形態では、画像E(=D−TH)を生成する際に用いる閾値THが一定値である場合について説明したが、例えばこの閾値THがTH=f(MA”)という移動平均画像(MA”)の関数で表されるような場合には、移動平均画像(MA)の関数とした場合と比べてバイアス値(bias)の分が加算されているため、この影響を取り除いてやる(TH=f(MA”−bias)を用いる)ようにすればよい。このように構成すれば、上記実施の形態と同様に、バイアス値(bias)を加えたことによる影響を受けないようにすることができる。
また、上記実施の形態では、各単位動作周期の期間(表示1フレーム期間)においてリセット画像R(オフセットノイズ)の取得処理を行うようにした場合について説明したが、オフセットノイズが経時的に変化してしまわない程度に、複数の単位動作周期の期間内の1回のリセット状態のときにのみ、オフセットノイズの取得処理を行うようにしてもよい。このように構成した場合、上記実施の形態と比べ、装置の消費電力をより抑えることが可能となる。
また、本発明の移動平均画像の生成処理では、平均化画像処理を行い際に、対象とする画素を間引いて演算を行うようにし、処理を軽減するようにしてもよい。例えば図34(A),(B)に示したように、最初に注目画素を一の画素方向に沿って順次移動させつつ、この一の画素方向上の画素に対してのみ平均化演算処理を行い、その後、注目画素を他の一の画素方向に沿って順次移動させつつ、この他の一の画素方向上の画素に対してのみ平均化演算処理を行うようにしてもよい。また、例えば図35(A),(B)に示したような演算回路70〜73を用いて、所定の方向へのドット加算処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、原画像Aから移動平均画像MAを生成すると共に、この移動平均演算処理の際の画素領域50の大きさを検出対象の物体として予想される大きさ(ターゲットサイズa)を基に設定することにより、移動平均画像MAにおいて、画素領域50よりも大きい、すなわち画素領域50よりも空間周波数の高いもの(この場合、指先画像)を除去し、この移動平均画像MAと原画像Aとの差分を取ることにより、最終的に画素領域50よりも空間周波数の低いもの(この場合、影画像)を除去し、空間周波数の高いもの(この場合、指先画像)だけを抽出するようにしている。つまり、上記実施の形態では、このような高域通過フィルタの一例かつ最も簡便かつ高速処理の可能な方法として、移動平均画像MAと原画像Aとの差分を取る方法について説明している。よって、上記実施の形態で説明した方法には限定されず、他の高域通過フィルタを用いて、一度に低域通過フィルタ処理と差分処理の両方の処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、I/Oディスプレイパネル20において、表示素子が液晶素子であると共に受光素子を別個に設ける場合で説明したが、例えば図36および図37に示した表示撮像装置のように、例えば、有機EL(ElectroLuminescence)素子のように、発光動作と受光動作とを時分割に行うことが可能な発光受光素子(表示撮像素子)によって、I/Oディスプレイパネル(I/Oディスプレイパネル80)を構成するようにしてもよい。このように構成した場合でも、上記実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。なお、この場合の表示光が出射されない期間とは、表示撮像素子による発光動作がなされていない期間となる。
さらに、上記実施の形態では、複数の表示素子と複数の撮像素子とを含む表示撮像パネル(I/Oディスプレイパネル20)を有する表示撮像装置について説明したが、本発明は、表示素子を設けずに、複数の撮像素子を含む撮像パネルを有するようにした撮像装置にも適用することが可能である。したがって、差分画像指先抽出処理の際に用いる画像Bは、より一般的には表示光利用画像には限られず、撮像パネルからの照明光を利用した照明光利用画像とすることができる。

Claims (20)

  1. 複数の撮像素子を含む撮像パネルと、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と
    を備え
    前記画像処理手段は、前記撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像と、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像との差分画像に基づいて、前記物体情報を取得する
    撮像装置。
  2. 複数の撮像素子を含む撮像パネルと、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像と、前記撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記物体情報を取得し、
    一の前記影画像の取得処理と一の前記照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に前記撮像素子が初期化状態となるように設定され、
    前記撮像制御手段は、各単位動作周期において、前記影画像の取得処理および前記照射光利用画像の取得処理のうちの一方の処理の前の初期化状態のときにのみ前記オフセットノイズの取得処理が行われるように制御する
    撮像装置。
  3. 複数の撮像素子を含む撮像パネルと、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像と、前記撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記物体情報を取得し、
    一の前記影画像の取得処理と一の前記照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に前記撮像素子が初期化状態となるように設定され、
    前記撮像制御手段は、複数の単位動作周期内の1回の初期化状態のときにのみ前記オフセットノイズの取得処理が行われるように制御する
    撮像装置。
  4. 前記画像処理手段は、前記影画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像を用いて、前記物体情報を取得す
    求項2または請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記画像処理手段は、前記ノイズ処理画像に対して所定のバイアス値を加味して得られる画像を用いて、前記物体情報を取得す
    求項に記載の撮像装置。
  6. 前記バイアス値は、装置の周囲が暗状態のときの撮像処理により得られる暗状態画像から前記オフセットノイズを差し引いて得られる画像に基づいて設定され
    求項に記載の撮像装置。
  7. 前記画像処理手段は、前記照射光利用画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像と前記影画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像との差分画像に基づいて、前記物体情報を取得す
    求項2または請求項3に記載の撮像装置。
  8. 前記画像処理手段は、前記照射光利用画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像に対して所定のバイアス値を加味して得られる画像と、前記影画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像に対して前記バイアス値を加味して得られる画像との差分画像に基づいて、前記物体情報を取得す
    求項1または請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記バイアス値は、装置周囲が暗状態のときの撮像処理により得られる暗状態画像から前記オフセットノイズを差し引いて得られる画像に基づいて設定され
    求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記照射光が、前記撮像パネルからの表示光であ
    求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  11. 前記撮像パネルにおいて、前記撮像素子が、非シリコン(Si)基板上に形成されてい
    求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置。
  12. 前記非シリコン基板が、ガラス基板またはプラスチック基板であ
    求項1に記載の撮像装置。
  13. 複数の表示素子および複数の撮像素子を含む表示撮像パネルと、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と、
    取得した物体情報が前記表示撮像パネルに表示されるように前記表示素子を制御する表示制御手段と
    を備え
    前記画像処理手段は、前記表示撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像と、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像との差分画像に基づいて、前記物体情報を取得する
    表示撮像装置。
  14. 複数の表示素子および複数の撮像素子を含む表示撮像パネルと、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と、
    取得した物体情報が前記表示撮像パネルに表示されるように前記表示素子を制御する表示制御手段と
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像と、前記表示撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記物体情報を取得し、
    一の前記影画像の取得処理と一の前記照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に前記撮像素子が初期化状態となるように設定され、
    前記撮像制御手段は、各単位動作周期において、前記影画像の取得処理および前記照射光利用画像の取得処理のうちの一方の処理の前の初期化状態のときにのみ前記オフセットノイズの取得処理が行われるように制御する
    表示撮像装置。
  15. 複数の表示素子および複数の撮像素子を含む表示撮像パネルと、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と、
    取得した物体情報が前記表示撮像パネルに表示されるように前記表示素子を制御する表示制御手段と
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像と、前記表示撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記物体情報を取得し、
    一の前記影画像の取得処理と一の前記照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に前記撮像素子が初期化状態となるように設定され、
    前記撮像制御手段は、複数の単位動作周期内の1回の初期化状態のときにのみ前記オフセットノイズの取得処理が行われるように制御する
    表示撮像装置。
  16. 前記表示撮像パネルにおいて、前記表示素子および前記撮像素子が、非シリコン(Si)基板上に形成されてい
    求項13ないし請求項15のいずれか1項に記載の表示撮像装置。
  17. 複数の撮像素子を含む撮像パネルに適用される処理装置であって、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と
    を備え
    前記画像処理手段は、前記撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像と、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像から前記オフセットノイズを取り除いて得られるノイズ処理画像との差分画像に基づいて、前記物体情報を取得する
    撮像処理装置。
  18. 複数の撮像素子を含む撮像パネルに適用される処理装置であって、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像と、前記撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記物体情報を取得し、
    一の前記影画像の取得処理と一の前記照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に前記撮像素子が初期化状態となるように設定され、
    前記撮像制御手段は、各単位動作周期において、前記影画像の取得処理および前記照射光利用画像の取得処理のうちの一方の処理の前の初期化状態のときにのみ前記オフセットノイズの取得処理が行われるように制御する
    撮像処理装置。
  19. 複数の撮像素子を含む撮像パネルに適用される処理装置であって、
    前記撮像素子が初期化された状態での撮像処理によりオフセットノイズを取得するように前記撮像素子を制御する撮像制御手段と、
    近接物体を撮像して得られる撮像画像に基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記近接物体の位置、形状または大きさの少なくとも1つに関する情報である物体情報を取得する画像処理手段と
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記近接物体の影を撮像して得られる影画像と、前記撮像パネルからの照射光を利用して前記近接物体を撮像することにより得られる照射光利用画像とに基づき、前記オフセットノイズを考慮して前記物体情報を取得し、
    一の前記影画像の取得処理と一の前記照射光利用画像の取得処理とを含んで単位動作周期が構成されると共に各々の画像の取得処理の前に前記撮像素子が初期化状態となるように設定され、
    前記撮像制御手段は、複数の単位動作周期内の1回の初期化状態のときにのみ前記オフセットノイズの取得処理が行われるように制御する
    撮像処理装置。
  20. 前記撮像パネルにおいて、前記撮像素子が、非シリコン(Si)基板上に形成されてい
    求項17ないし請求項19のいずれか1項に記載の撮像処理装置。
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