JP5093357B2 - 血球変形能計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、血球変形能計測装置に関する。
近年、健康に対する関心の高まりとともに、健康のバロメータとして血液の流動性が注目されるようになっている。この血液の流動性を調べる方法としては、微細な溝を有するフィルタに血液を通過させて、通過に要する時間を計測する方法が知られている。
ところで、血液の流動性には、血液中の血球の変形能(変形し易さ)や凝集度,粘性などの複数のパラメータが複合的に作用している。したがって、血液の流動性をより詳細に評価するためにはこれら各パラメータの定量化が必要となるが、なかでも代表的なパラメータである血球の変形能を定量化する方法は確立されていなかった。
そこで、浸透圧又は粘度の異なる複数の血液試料液を混合して平衡状態に至る様子を撮像し、その回析像から楕円形状の赤血球の長径及び短径を用いて変形指数を定義することで、当該変形指数を赤血球の変形能の定量値として算出する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平8−122328号公報 特開平9−318523号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に記載の方法は、楕円形状を保持する赤血球のみに適用し得る方法であり、様々な形状に変形可能なアメーバ状の白血球には適用できなかった。
また、血球径より狭い幅の流路を使用していないため、血球が毛細血管を通過するときの変形能は計測できなかった。
加えて、移動する血球を画像表示できるものの、画像上は血球が一様な速度で流れているため、血球が変形しつつ移動する様子を視覚的に捉えにくかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、赤血球及び白血球が毛細血管を通過するときの各変形能を計測できるとともに、血球が変形しつつ移動する様子を視覚的に捉え易い血球変形能計測装置の提供を課題とする。
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
血球径よりも広い幅の上流テラスから血球径よりも狭い幅のゲートへ向けて血液を流し、当該血液中の血球の変形能を計測する血球変形能計測装置であって、
前記上流テラス及び前記ゲートを通過する血液の流れを撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記上流テラス又は前記ゲートを通過する血球の速度を算出する速度算出手段と、
前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記ゲートを通過する血球の体積を算出する体積算出手段と、
前記血球の速度及び前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出する変形能算出手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の血球変形能計測装置であって、
前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(1)又は式(2)を満たすD又はDを算出することを特徴とする。
=α/(S×V) …(1)
=1/(S×V)/(1/(S×V)) …(2)
(但し、
α:所定の係数
S:前記上流テラス又は前記ゲートを通過する血球の速度
V:前記ゲートを通過する血球の体積
:所定の基準血液を前記上流テラス又は前記ゲートへ通過させたときの当該血液中の血球の速度
:所定の基準血液を前記ゲートへ通過させたときの当該血液中の血球の体積)
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の血球変形能計測装置であって、
前記速度算出手段は、前記血球の速度として、前記血球が前記ゲートを通過するのに要する通過時間の逆数を算出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の血球変形能計測装置であって、
前記撮影手段によって得られた血流画像を表示画面に表示する血流画像表示手段を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の血球変形能計測装置であって、
前記ゲートは複数であり、
前記速度算出手段により得られた血球の速度がゼロである前記血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を算出する閉塞状態算出手段を備え、
前記変形能算出手段は、前記ゲートの閉塞割合及び前記体積算出手段が算出した前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の血球変形能計測装置であって、
前記閉塞状態算出手段は、前記血球の体積別に当該体積の血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を算出し、
前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(3)を満たすDを算出することを特徴とする。
=α2/∫CdV …(3)
(但し、
α2:所定の係数
C:前記ゲートの閉塞割合
V:前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積)
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の血球変形能計測装置であって、
複数の前記ゲートは、血流方向に複数配設されるとともに血流方向上流側から下流側に向けて除々に狭くなるように複数の異なる幅に形成されるか、或いは血流方向に直交する方向に複数配設されるとともに複数の異なる幅で形成されており、
前記閉塞状態算出手段は、前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートの幅のうち最大のものを最大閉塞幅として検出し、
前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積算出手段が算出した前記最大閉塞幅に対応する前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5又は6に記載の血球変形能計測装置であって、
複数の前記ゲートは幅毎に複数の組を形成しており、
前記閉塞状態算出手段は、前記血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を前記ゲートの幅別に求め、当該閉塞割合が最大となる前記ゲートの幅を最大閉塞幅として検出し、
前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積算出手段が算出した前記最大閉塞幅に対応する前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項5又は6に記載の血球変形能計測装置であって、
前記閉塞状態算出手段は、前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートにおける当該血球の閉塞位置での当該ゲートの幅を最大閉塞幅として検出し、
前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積手段が算出した前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7から9のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置であって、
前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(4)又は式(5)を満たすD又はDを算出することを特徴とする。
=β×L/V …(4)
=L/L …(5)
(但し、
β:所定の係数
L:前記ゲートの最大閉塞幅
:所定の基準血液を前記ゲートへ通過させたときに、当該血液中の血球で閉塞されたゲートにおける当該血球の体積別の最大閉塞幅のうち、血球の体積が式(4)におけるVであるときの値
V:前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積)
前記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、
血球径より狭い幅に形成された複数のゲートへ血液を流し、当該血液中の血球の変形能を計測する血球変形能計測装置であって、
前記ゲートを通過する血液の流れを撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を算出する閉塞状態算出手段と、
前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積を算出する体積算出手段と、
前記ゲートの閉塞割合及び前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出する変形能算出手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の血球変形能計測装置であって、
前記閉塞状態算出手段は、前記血球の体積別に当該体積の血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を算出し、
前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(3)を満たすDを算出することを特徴とする。
=α2/∫CdV …(3)
(但し、
α2:所定の係数
C:前記ゲートの閉塞割合
V:前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積)
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の血球変形能計測装置であって、
前記撮影手段によって得られた血流画像を表示画面に表示する血流画像表示手段を有することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項11から13のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置であって、
複数の前記ゲートは、血流方向に複数配設されるとともに血流方向上流側から下流側に向けて除々に狭くなるように複数の異なる幅に形成されるか、或いは血流方向に直交する方向に複数配設されるとともに複数の異なる幅で形成されており、
前記閉塞状態算出手段は、前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートの幅のうち最大のものを最大閉塞幅として検出し、
前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積算出手段が算出した前記最大閉塞幅に対応する前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項11から13のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置であって、
複数の前記ゲートは幅毎に複数の組を形成しており、
前記閉塞状態算出手段は、前記血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を前記ゲートの幅別に求め、当該閉塞割合が最大となる前記ゲートの幅を最大閉塞幅として検出し、
前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積算出手段が算出した前記最大閉塞幅に対応する前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項11から13のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置であって、
前記閉塞状態算出手段は、前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートにおける当該血球の閉塞位置での当該ゲートの幅を最大閉塞幅として検出し、
前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積手段が算出した前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項14から16のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置であって、
前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(4)又は式(5)を満たすD又はDを算出することを特徴とする。
=β×L/V …(4)
=L/L …(5)
(但し、
β:所定の係数
L:前記ゲートの最大閉塞幅
:所定の基準血液を前記ゲートへ通過させたときに、当該血液中の血球で閉塞されたゲートにおける当該血球の体積別の最大閉塞幅のうち、血球の体積が式(4)におけるVであるときの値
V:前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積)
請求項1に記載の発明によれば、血球の速度及び血球の体積から血球の変形能を算出するので、楕円形状を保持する赤血球に限定されず、アメーバ状の白血球であってもその変形能を計測することができる。また、血球径より狭い幅のゲートを通過する血球の変形能が算出されるので、ゲートによって毛細血管を模擬して血球が毛細血管を通過するときの変形能を計測することができる。
更に、請求項4、13に記載の発明によれば血球径より狭い幅のゲートを通過する血液の流れが表示画面に表示されるので、ゲートにより速度が低下した血球を確認することができ、画像上は血球が一様な速度で流れていた従来に比べて、血球が変形しつつ移動する様子を視覚的に捉え易くすることができる。
請求項5、11に記載の発明によれば、ゲートの閉塞割合又は最大閉塞幅と血球の体積とから血球の変形能を算出するので、楕円形状を保持する赤血球に限定されず、アメーバ状の白血球であってもその変形能を計測することができる。また、血球径より狭い幅のゲートを通過する血球の変形能が算出されるので、ゲートによって毛細血管を模擬して血球が毛細血管を通過するときの変形能を計測することができる。更に、血球径より狭い幅のゲートを通過する血液の流れが表示画面に表示されるので、ゲートにより速度が低下した血球を確認することができ、画像上は血球が一様な速度で流れていた従来に比べて、血球が変形しつつ移動する様子を視覚的に捉え易くすることができる。
また、請求項8、15に記載の発明によれば、幅毎に複数の組を形成しているゲートを有し、当該ゲートの幅別の閉塞割合が最大となるゲートの幅として求めた最大閉塞幅から血球の変形能を算出するので、より多くのゲートを用いて変形能が算出され、より安定した算出結果が得られる。
また、請求項9、16に記載の発明によれば、血流方向に狭くなる幅に形成されたゲート内の血流画像が表示画面に表示されるので、血球で閉塞されているゲートの幅が視覚的に捉え易い。
血球変形能計測装置の全体構成を示すブロック図である。 フィルタの断面図である。 図3(a)流路部の平面図であり、図3(b)側断面図である。 実施の形態における変形能計測のフローチャートである。 血球の速度マップの一例を示す図である。 変形能のグラフである。 実施の形態の変形例における変形能計測のフローチャートである。 白血球がゲートを通過する様子を示す図である。 白血球がゲートを通過するときの血流画像の色の濃度の時間変化を示すグラフである。 上流テラス又は下流テラスでの血球の変形例を示す図である。 血球の縦幅及び横幅の各変化を縦軸及び横軸として図11(a)柔らかい血球の計測結果の分布範囲を示したグラフであり、図11(b)硬い血球の計測結果の分布範囲を示したグラフである。 血球の縦幅の変化幅及び面積を縦軸及び横軸として図12(a)柔らかい血球の計測結果を示したグラフであり、図12(b)硬い血球の計測結果を示したグラフである。 第1の変形例における変形能計測のフローチャートである。 閉塞ゲートが検知される際のフローチャートである。 図14の各ステップにおける処理画像の一例を示す図である。図15(a)エッジ抽出処理における処理画像図であり、図15(b)モノクロ・二値化処理における処理画像図であり、図15(c)ノイズ処理における処理画像図であり、図15(d)モルフォロジー処理における処理画像図であり、図15(e)血球滞留部判定処理における処理画像図である。 白血球で一部のゲートが閉塞している様子を示す図である。 血球の体積に対する閉塞割合の変化を示すグラフである。 第2の変形例における流路部を示す図である。 第2の変形例における変形能計測のフローチャートである。 第2の変形例における流路部の別例を示す図であり、図20(a)柔らかい血球を多く含む血液が流された状態を示す図であり、図20(b)硬い血球を多く含む血液が流された状態を示す図である。 第3の変形例における流路部を示す図である。 ゲートの幅に対する閉塞割合の変化を示すグラフである。 ゲートの幅に対する閉塞個数の変化を示すグラフである。 第4の変形例における流路部を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1は、本発明に係る血球変形能計測装置1の全体構成を示すブロック図である。
この図に示すように、血球変形能計測装置1は、血液を供給槽10からフィルタ2に通して排出槽11へ導き、その過程で取得される情報から血液中の血球の変形能を計測するものである。なお、本実施の形態においては、血球とは赤血球及び/又は白血球を指すものとする。
具体的には、血球変形能計測装置1は、主に、フィルタ2と、フィルタ2内の血液の流れを撮影するTVカメラ3と、TVカメラ3で撮影された血流画像に基づいて変形能を計測するパソコン(PC)7と、血流画像を表示するディスプレイ8と、フィルタ2内の血流を制御する差圧制御部9とを備えている。なお、本実施の形態における血球変形能計測装置1には、生理食塩水や生理活性物質などの液体を血液と混合してフィルタ2に導けるよう、ミクサー12を介して流路に連結された複数の溶液びん13等が更に具備されている。そして、生理食塩水や生理活性物質などの液体と混合した血液(以下、血液という)は、差圧制御部9が加圧ポンプ15及び減圧ポンプ16を制御してフィルタ2前後の差圧を調整することにより、フィルタ2内を所望量だけ流れるようになっている。また、上述の差圧制御部9やミクサー12の他、供給槽10のバルブ10a等は、シーケンス制御部17によって統合制御されている。
図2は、フィルタ2の断面図である。フィルタ2は、図2に示すように、ベース板21、シリコン単結晶基板22,22、外側板23及びガラス平板24を含んで構成されている。
ベース板21は、平板状に形成されており、中央近傍の上面と外側面とを連通する導入孔21a、及び一側端寄りの上面と外側面とを連通する排出孔21bを有している。これら導入孔21a及び排出孔21bは、ベース板21の外側面から血液チューブ(図示せず)を介して供給槽10及び排出槽11に連結されている。
2つのシリコン単結晶基板22,22は、いずれも略平板状に形成されており、互いに所定の隙間を介した状態でベース板21の上面に並設されている。この2つのシリコン単結晶基板22,22間の隙間には、ベース板21の導入孔21aが開口している。また、シリコン単結晶基板22,22の上端部には、隆起部22aが当該シリコン単結晶基板22,22の並設方向(図中のX方向)に延在しており、この隆起部22aの上端部には、六角形状の土手部22bが頂面をガラス平板24に当接させてX方向に複数配列されている(図3参照)。
外側板23は、シリコン単結晶基板22,22の周囲を囲んでベース板21の上面端に固定されている。外側板23とシリコン単結晶基板22,22との間には所定の隙間が設けられ、この隙間にベース板21の排出孔21bが開口している。
ガラス平板24は、平板状に形成されており、外側板23の上面に固定されている。また、ガラス平板24の下面と隆起部22aの上面との間には、微細な流路群の流路部25が形成されている。
図3(a),(b)は、流路部25を説明するための図である。図3(a)は流路部25を上面から見た図(平面図)であり、図3(b)は側断面図である。
流路部25は、図3(a),(b)に示すように、隆起部22a上端部の複数の土手部22b,…に挟まれて形成される複数のゲート25aと、当該ゲート25aよりもフィルタ2中央側(図中の上側)の空間である上流テラス25bと、ゲート25aよりもフィルタ2外側(図中の下側)の空間である下流テラス25cとから構成されている。このうちのゲート25aの幅tは、本実施の形態においては、赤血球Rの血球径(約8μm)よりも狭く形成されている。また、ゲート25aの高さhも同様に赤血球Rの血球径(約8μm)よりも狭く形成されている。但し、計測対象の血球が白血球Wのみであれば、当該幅t、高さhは白血球Wの血球径(約10〜20μm)よりも狭く形成されていればよい。また、特に限定はされないが、上流テラス25b,ゲート25a,下流テラス25cにおける隆起部22a幅方向(図中のY方向)の各長さla,lb,lcは、いずれも約30μmに形成されている。なお、上流テラス25bは、通過する血球が大きく変形しないように、血球径よりも広い幅に形成されていればよい。
以上の構成を具備するフィルタ2においては、供給槽10から導入孔21aを通じて導入された血液は、流路部25を通過した後、排出孔21bを通じて排出槽11へ排出されることとなる。そして、より詳細には、流路部25を流れる血液中の血球、例えば赤血球Rは、まず上流テラス25bを通過した後、ゲート25aを変形しながら通過し、最後に下流テラス25cを通過することとなる。
また、フィルタ2の上流及び下流には、図1に示すように、圧力センサE1,E2が設けられており、この圧力センサE1,E2は、計測したフィルタ上流圧力P1,フィルタ下流圧力P2を差圧制御部9へ出力するようになっている。
TVカメラ3は、例えばデジタルCCDカメラであり、血液の流れを撮影するのに十分な解像度を有した高速カメラである。このTVカメラ3は、フィルタ2におけるガラス平板24に対向して設置され、流路部25を通過する血液の流れをガラス平板24超しに撮影する。但し、その撮影範囲は、少なくとも複数のゲート25a及び上流テラス25bを含む範囲であればよい。TVカメラ3によって得られた血流画像は、パソコン7に出力されるとともに、ディスプレイ8に表示されるようになっている。なお、TVカメラ3は、特に限定はされないが、動画が撮影可能なカメラである。
パソコン7は、TVカメラ3と接続されており、当該TVカメラ3が出力した画像情報から複数種類の血液特性をそれぞれ算出可能な演算処理部70を備えている。なお、血液特性とは、血液の性状等を示す種々の特性値であり、血液中の血球の速度や体積の他、血球の変形能といった流動性に関するものを含む。また演算処理部70は、血球が詰まって閉塞したゲート25aを検知できるようになっている。このような演算処理部70としては、従来より公知のものを用いることができる。
ディスプレイ8は、パソコン7と接続されており、TVカメラ3が出力した血流画像や、パソコン7によって算出された血液特性を表示するようになっている。
差圧制御部9は、シーケンス制御部17,加圧ポンプ15及び減圧ポンプ16と接続されており、シーケンス制御部17からの制御指令に応じてフィルタ2前後の差圧を制御するようになっている。より詳細には、差圧制御部9は、フィルタ上流圧力P1及びフィルタ下流圧力P2が所定の圧力となるように、フィルタ2上流の加圧ポンプ15とフィルタ2下流の減圧ポンプ16とをそれぞれ制御する。なお、この差圧制御部9やシーケンス制御部17は、パソコン7と一体に構成してもよい。
[実施形態]
続いて、血球変形能計測装置1の動作について、主に図4を参照して説明する。図4は、血球変形能計測装置1による変形能計測のフローチャートである。
まず、図4に示すように、流路部25を通過する血流が撮影される(ステップS1)。具体的には、最初に、供給槽10へ計測対象の血液が注がれるとともに、必要に応じて溶液びん13へ生理食塩水等が加えられる。そして、差圧制御部9によりフィルタ2に所定の差圧が加えられて血液がフィルタ2に流されると同時に、流路部25を通過する血流がTVカメラ3で動画撮影される。撮影された血流画像はディスプレイ8に表示される。
次に、演算処理部70により血流画像が処理され、血球の速度マップが作成される(ステップS2)。ここでは、例えば特開平2−257931号公報、特開平6−18539号公報、特開2001−264318号公報及び特開2006−223761号公報等に記載の公知の方法を用いることで、図5に示すように、上流テラス25bの血流画像上に設定した格子の各交点において血球の検出が行われ、血球が検出された交点での当該血球の速度ベクトルを求めた速度マップが作成される。なお、作成される速度マップは、上流テラス25bを通過する血球の速度ベクトルを求めたものでなくとも、ゲート25aを通過する血球の速度ベクトルを求めたものであってもよい。
次に、図4に示すように、演算処理部70により、速度マップ上で検出された血球の血球種が判別される(ステップS3)。赤血球Rは赤の色相範囲にある白色部分として判別する。白血球Wは、輝度を利用して判別してもよいし、他の血球種より大きいことを利用し、穴の少ない白色部分や単位面積当たりのエッジ数が少ない白色部分として判別してもよい。
また、上述の判別方法以外にも、例えば特開平10−48120号公報、特開平10−90163号公報及び特開平10−274652号公報等に記載の公知の方法を用いて血球種を判別することができる。なお、計測対象の血液が赤血球R及び白血球Wのいずれか一方のみを含むものであれば、この血球種判別ステップは省略される。
次に、演算処理部70により血球の速度Sが算出される(ステップS4)。ここでは、ステップS3で判別された赤血球Rと白血球Wとに分けて、ステップS2で算出された血球の速度ベクトルの各平均値を算出することにより、当該各平均値として赤血球R及び白血球Wの速度Sが算出される。
次に、演算処理部70により血球の体積Vが算出される(ステップS5)。ここでは、例えば特開平5−79970号公報に記載の公知の方法を用いてゲート25aを通過する血球の面積を算出し、この面積にゲート25aの高さhを乗じることで血球の体積Vが算出される。
次に、演算処理部70により血球の変形能が算出される(ステップS6)。ここでは、ステップS4及びステップS5で算出された血球の速度S及び血球の体積Vから、以下の式(1)を満たすDが血球の変形能として算出される。
=α/(S×V) …(1)
ここで、αは、予め行われた計測試験で設定された所定の係数であり、より詳細には、他の装置で計測された赤血球の変形能を正として、血球変形能計測装置1で算出された赤血球の速度S及び血球の体積Vから当該変形能が算出されるよう設定された係数である。なお、予め行われた計測試験において、血球の速度Sと体積Vとの積S×Vに対してαが一定とならない場合には、αを当該積S×Vに対するルックアップテーブルとすればよい。
また、このステップでは、以下の式(2)を満たすDを血球の変形能として算出してもよい。
=1/(S×V)/(1/(S×V)) …(2)
ここで、
:所定の基準血液を上流テラス25b又はゲート25aへ通過させたときの当該血液中の血球の速度、
:所定の基準血液をゲート25aへ通過させたときの当該血液中の血球の体積であり、所定の基準血液とは、標準的な健康度の血液である。
ここで、変形能として算出されたDは、その値が大きいほど血球が硬いことを示す。また、Dは、その値が1のときに血球が標準的な硬さであることを示し、1より大きいほど硬く、小さいほど柔らかいことを示す。Dが算出された場合には、標準的な健康度の血球に対する相対値として変形能が示されるので、血球の体積Vによらず一意に変形能の程度を理解することができる。
そして、変形能として算出されたD又はDは、図6に示すように、血球の体積Vに関するグラフとして整理され、赤血球R及び白血球Wの各血球種についての当該グラフがディスプレイ8に表示される。なお、図6は、2種類の血液A,Bについての計測結果を併せて表示した例である。
以上のように、血球変形能計測装置1によれば、血球の速度S及び血球の体積Vから血球の変形能を算出するので、楕円形状を保持する赤血球Rに限定されず、アメーバ状の白血球Wであってもその変形能を計測することができる。また、血球径より狭い幅のゲート25aを通過する血球の変形能が算出されるので、ゲート25aによって毛細血管を模擬して血球が毛細血管を通過するときの変形能を計測することができる。更に、血球径より狭い幅のゲート25aを通過する血液の流れがディスプレイ8に表示されるので、ゲート25aにより速度Sが低下した血球を確認することができ、画像上は血球が一様な速度で流れていた従来に比べて、血球が変形しつつ移動する様子を視覚的に捉え易くすることができる。
[第1の変形例]
続いて、上記実施の形態に係る血球変形能計測装置1の第1の変形例としての血球変形能計測装置1Aについて説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
血球変形能計測装置1Aは、図1に示すように、上記実施の形態におけるパソコン7に代えてパソコン7Aを備えており、パソコン7Aは、演算処理部70に代えて演算処理部70Aを備えている。演算処理部70Aは、血液中の血球の速度Sに代えて、血球がゲート25aを通過するのに要する通過時間Tを計測可能に構成されている。また血球変形能計測装置1Aは、図1に示すように、上記実施の形態におけるフィルタ2に代えてフィルタ2Aを備えており、フィルタ2Aは、図2に示すように、流路部25に代えて流路部25Aを備えている。但し、流路部25Aの形状は流路部25と同等である。
続いて、血球変形能計測装置1Aの動作について、主に図7を参照して説明する。
図7は、血球変形能計測装置1Aによる変形能計測のフローチャートである。
まず、図7に示すように、流路部25を通過する血流が撮影される(ステップT1)。このステップは、上記実施の形態におけるステップS1と同様に行われる。
次に、演算処理部70Aにより血流画像が処理され、血球が検出される(ステップT2)。ここでは、例えば特開2001−264318号公報に記載の公知の方法を用いて、上流テラス25bを流れる血球を検出して追尾する。
次に、演算処理部70Aにより、ステップT2で検出された血球の血球種が判別される(ステップT3)。このステップは、上記実施の形態におけるステップS3と同様に行われる。
次に、演算処理部70Aにより血球の体積Vが算出される(ステップT4)。このステップは、上記実施の形態におけるステップS5と同様に行われる。
次に、演算処理部70Aにより、血球がゲート25aを通過するのに要する通過時間Tが計測される(ステップT5)。ここでは、ゲート25a内の画像色の濃度変化を検知することにより通過時間Tが計測される。
この通過時間Tの具体的な計測方法について、図8,9を参照して説明する。図8(a)〜(d)は白血球Wがゲート25aを通過する様子を示す図であり、図9はそのときの血流画像の色の濃度の時間変化を示すグラフである。
図8(a)〜(d)に示すように、例えば白血球Wがゲート25aを通過するときの、ゲート25a内の任意の位置に設定された計測ラインPでの血流画像の色の濃度の時間変化を計測すると、図9に示すようなグラフが得られる。
より詳細には、まず、図8(a)に示すように白血球Wが計測ラインPよりも上流にあるときには、血流画像の色は薄い(図9の点C)。そして、白血球W前縁が計測ラインPに差し掛かると色は濃くなりだし(図9の点C)、図8(b)に示すように白血球W前縁が計測ラインPを通過しきると色は少し薄くなる(図9の点C)。これは、白血球Wを包む膜の方が白血球W内部よりも色が濃いためである。続けて、図8(c)に示すように白血球W後縁が計測ラインPに差し掛かると再び色が濃くなり(図9の点C)、白血球W後縁が計測ラインPを通過するにつれて今度は色が薄くなっていく。そして、白血球W後縁が計測ラインPを通過し終えるところで濃度の変化が殆ど無くなり(図9の点C)、図8(d)に示すように白血球W後縁が計測ラインPを完全に通過しきると、濃度の変化が完全に無くなるとともに白血球W通過前の濃度まで回復する(図9の点C)。
以上の色の濃度の変化点のうち、白血球W前縁が計測ラインPに差し掛かる点Cから、白血球W後縁が計測ラインPを通過し終える点Cまでの時間として、通過時間Tが計測される。なお、血流画像にエッジを強調する処理を施しておくと、血球通過時の色の濃度変化をより顕著にすることができる。また、赤血球Rの通過時間Tを計測する場合には、赤の色相の変化を検知すればよく、この検知によりステップT3における赤血球Rの判別を兼ねることもできる。
次に、図7に示すように、演算処理部70Aにより血球の変形能が算出される(ステップT6)。ここでは、ステップT4及びステップT5で算出された血球の体積V及び通過時間Tから、以下の式(30)を満たすDが血球の変形能として算出される。
=β×T/V …(30)
ここで、βは、予め行われた計測試験で設定された所定の係数であり、上述の式(1)におけるαと同様に設定された係数である。
また、このステップでは、以下の式(40)を満たすDを血球の変形能として算出してもよい。
=T/V/(T/V) …(40)
ここで、Tは、所定の基準血液中の血球がゲート25aを通過するのに要する通過時間である。
ここで、式(30),(40)から算出されるD,Dは、上記実施の形態での式(1),(2)に対し血球の速度Sに代えて通過時間Tの逆数を代入したときのD,Dに他ならない。したがって、D,Dは、D,Dと同様に変形能の評価に用いることができる。
そして、変形能として算出されたD又はDは、図6に示すように、血球の体積Vに関するグラフとして整理され、赤血球R及び白血球Wの各血球種についての当該グラフがディスプレイ8に表示される。なお、計測対象の血液が赤血球R及び白血球Wのいずれか一方のみを含むものであれば、ステップT4〜T6での各算出値を、ステップT1で検出された全ての血球の平均値としてもよい。
以上のように、血球変形能計測装置1Aによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、ゲート25aを通過する血球の体積V等から変形能を算出するものとして記載したが、上流テラス25b又は下流テラス25cを通過するときの血流画像から変形能を求めることもできる。上流テラス25b又は下流テラス25cを通過する血球は、例えば図10(a)〜(c)に示すように、その変形能に応じて様々に形状を変化させる。そこで、この血球の縦幅及び横幅の変化を血流画像から算出し、図11(a),(b)に示すように、複数の血球それぞれのデータに対応する縦軸及び横軸の座標にプロットとしたグラフを作成する。そして、このグラフにプロットした各データの分布範囲から、血球の縦幅及び横幅の各変化幅が交差する部分(図中のハッチング部で分布範囲)の面積を変形能として算出することで、当該変形能が小さいほど硬い血球として評価することができる。なお、血球の縦幅及び横幅は、例えば流路部25のY方向及びX方向の長さとすればよい。
その他にも、例えば図12(a),(b)に示すように、上流テラス25b又は下流テラス25cを通過する血球の縦幅の変化幅、及び当該血球の面積を、縦軸及び横軸としたグラフを作成してもよい。このグラフから、例えば、図12(b)よりも血球の縦幅の変化幅が大きい図12(a)の方が、より柔らかい血球を示しているとして変形能を評価することができる。なお、縦軸の血球の縦幅は、血球の横幅としてもよい。
また、その他の点についても、本発明は上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
[第2の変形例]
続いて、上記実施の形態に係る血球変形能計測装置1の第2の変形例としての血球変形能計測装置1Eについて説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
血球変形能計測装置1Eは、図1に示すように、上記実施の形態におけるパソコン7に代えてパソコン7Eを備えており、パソコン7Eは、演算処理部70に代えて演算処理部70Eを備えている。演算処理部70Eは、血球の速度Sがゼロであるゲート25aを閉塞したゲート25aと判断し、閉塞した割合を算出可能に構成されている。
続いて、血球変形能計測装置1Eの動作について、主に図13,図14を参照して説明する。
図13は血球変形能計測装置1Eによる変形能計測のフローチャートであり、図14は閉塞しているゲート25aが検知される際のフローチャートである。
まず、図13に示すように、計測対象の血液がフィルタ2Eへ流される(ステップS10)。具体的には、供給槽10へ計測対象の血液が注がれるとともに、必要に応じて溶液びん13へ生理食塩水等が加えられる。そして、差圧制御部9によりフィルタ2Eに所定の差圧が加えられて血液がフィルタ2Eに流される。
次に、流路部25Eを通過する血流が撮影され、血流画像が採取される(ステップS20)。ここでは、流路部25Eを通過する血流がTVカメラ3で動画撮影される。撮影された血流画像はディスプレイ8に表示される。
次に、演算処理部70Eにより血流画像が処理され、ゲート25a内で滞留している血球が検出されることにより、血球が詰まって閉塞しているゲート25aが検知される(ステップS30)。このステップは、図14及び図15(a)〜(e)に示す各ステップ及び処理画像を経て行われる。ここで、図15(a)〜(e)は、図14の各ステップにおける処理画像の一例を示す図である。但し、図15(a)〜(e)は、当該ステップでの処理の理解を容易にするためのものであり、ゲート25a内の血流画像を処理したものではない。
図14に示すように、まず、採取された血流画像に対し垂直及び水平の両方向へSobelフィルタをかけることで、滞留している血球部分(以下、血球滞留部という)のエッジが抽出される(ステップS31)。そして、この画像がグレースケール化されるとともに所定の閾値で二値化され、血球滞留部が白色で表示される(ステップS32)。
二値化の後、血球滞留部のエッジとして誤認識されたノイズや血流の影が白色部分から除去される(ステップS33)。ここでは、予め設定した閾値より小さい面積の白色部分をノイズとするとともに、X方向とY方向との長さの比が所定範囲外となる白色部分を血流の影として、それぞれ黒色化する。
ノイズ等が除去された画像は、モルフォロジー処理により膨張伸縮処理されて、白色部分の隙間が塗り潰される(ステップS34)。そして、ここまで残った白色部分が血球滞留部として判定される(ステップS35)。
こうして血球滞留部が検出され、当該血球滞留部のあるゲート25aが、閉塞しているゲート25aとして検知される。
次に、図13に示すように、演算処理部70Eにより血球滞留部の体積Vが算出される(ステップS40)。ここでは、例えば特開平5−79970号公報に記載の公知の方法を用いてゲート25a内の血球滞留部の面積を算出し、この面積にゲート25aの高さhを乗じることで、ゲート25aを閉塞させている血球滞留部の体積Vが算出される。
次に、演算処理部70Eにより、血球滞留部の血球種が判別される(ステップS50)。赤血球Rは赤の色相範囲にある白色部分として判別する。白血球Wは、輝度を利用して判別してもよいし、他の血球種より大きいことを利用し、穴の少ない白色部分や単位面積当たりのエッジ数が少ない白色部分として判別してもよい。
なお、計測対象の血液が赤血球R及び白血球Wのいずれか一方のみを含むものであれば、この血球種判別ステップは省略される。
次に、演算処理部70Eによりゲート25aの閉塞割合Cが算出される(ステップS60)。ここでは、血球滞留部の体積V別に当該体積Vの血球滞留部で閉塞されたゲート25aの割合が、閉塞割合Cとして算出される。なお、閉塞割合Cはゲート25aの総数に対する割合とするのが好ましいが、血流画像に全てのゲート25aが含まれていない場合には、血流画像に含まれているゲート25a数に対する割合としてもよい。
また、このステップでは、閉塞割合Cを所定範囲の体積V別に算出してもよいし、体積V別に算出せずに全ての血球滞留部についての平均を算出してもよい。後者の場合において、例えば図16に示すように、18個のゲート25aのうちの8個が白血球Wに閉塞されているときには、閉塞割合C=8/18=0.44と算出される。
次に、演算処理部70Eにより血球の変形能が算出される(ステップS70)。ここでは、ステップS40及びステップS60で算出された血球滞留部の体積V及び閉塞割合Cから、それぞれを横軸及び縦軸とした図17に示すようなグラフが描かれ、当該グラフの閉塞割合Cを積分した値の逆数に所定の係数を乗じることにより血球の変形能が算出される。つまり、以下の式(3)を満たすDが血球の変形能として算出される。
=α2/∫CdV …(3)
ここで、α2は、予め行われた計測試験で設定された所定の係数であり、より詳細には、他の装置で計測された赤血球の変形能を正として、血球変形能計測装置1Eで算出された赤血球の体積V及び閉塞割合Cから当該変形能が算出されるよう設定された係数である。なお、予め行われた計測試験において、体積Vに関する閉塞割合Cの積分値に対してα2が一定とならない場合には、当該積分値に対するルックアップテーブルとすればよい。
また、ステップS60で、全ての血球滞留部について平均した閉塞割合Cを算出していた場合には、以下の式(3a)を満たすD1Aを血球の変形能として算出してもよい。
1A=α2/C …(3a)
ここで、α2は、予め行われた計測試験で設定された所定の係数であり、上述の式(3)におけるα2と同様に設定された係数である。
ここで、変形能として算出されたD又はD1Aは、その値が大きいほど血球が柔らかく変形能が高いことを示す。
以上のように、血球変形能計測装置1Eによれば、ゲート25aの閉塞割合Cと血球滞留部の体積Vとから血球の変形能を算出するので、楕円形状を保持する赤血球Rに限定されず、アメーバ状の白血球Wであってもその変形能を計測することができる。また、血球径より狭い幅のゲート25aを通過する血球の変形能が算出されるので、ゲート25aによって毛細血管を模擬して血球が毛細血管を通過するときの変形能を計測することができる。更に、血球径より狭い幅のゲート25aを通過する血液の流れがディスプレイ8に表示されるので、ゲート25aにより速度が低下した血球を確認することができ、画像上は血球が一様な速度で流れていた従来に比べて、血球が変形しつつ移動する様子を視覚的に捉え易くすることができる。
[第3の変形例]
続いて、上記実施の形態に係る血球変形能計測装置1Eの第3の変形例としての血球変形能計測装置1Fについて説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
血球変形能計測装置1Fは、図1に示すように、上記実施の形態におけるフィルタ2Eに代えてフィルタ2Fを備えており、フィルタ2Fは、図2に示すように、流路部25Eに代えて流路部25Fを備えている。
流路部25Fは、図18に示すように、配列間隔が異なる複数の土手部22bF,…に挟まれて形成される複数のゲート25aFを有している。この複数のゲート25aFの幅は、血球径よりも狭いとともに互いに異なっており、本第3の変形例においては、土手部22bFの配列方向に徐々に変化している。
続いて、血球変形能計測装置1Fの動作について、主に図19を参照して説明する。
図19は、血球変形能計測装置1Fによる変形能計測のフローチャートである。
まず、図19に示すように、計測対象の血液がフィルタ2Fへ流され(ステップT1)、流路部25Eの血流画像が採取される(ステップT2)。これらのステップは、上記実施の形態におけるステップS10及びステップS20と同様に行われる。
次に、演算処理部70Eにより血流画像が処理され、異なる幅ごとにゲート25aFの血流画像を抽出する(ステップT3)。本第3の変形例においては、各ゲート25aFで血流画像を分割して抽出する。
次に、演算処理部70Eにより、血球滞留部で閉塞されているゲート25aFが検知された後(ステップT4)、当該血球滞留部の体積Vが算出され(ステップT5)、次いで、当該血球滞留部の血球種が判別される(ステップT6)。これらのステップは、上記実施の形態におけるステップS30〜S50と同様に行われる。
次に、演算処理部70Eにより、血球滞留部で閉塞されているゲート25aFの幅のうち最大のものが最大閉塞幅Lとして検出される(ステップT7)。
次に、演算処理部70Eにより血球の変形能が算出される(ステップT8)。ここでは、ステップT7で算出された血球滞留部の最大閉塞幅L、及び当該最大閉塞幅Lに対応するゲート25aFを閉塞させた血液滞留部の体積Vから、以下の式(4)を満たすDが血球の変形能として算出される。
=β×L/V …(4)
ここで、βは、予め行われた計測試験で設定された所定の係数であり、上述の式(3)におけるα2と同様に設定された係数である。
また、このステップでは、以下の式(5)を満たすDを血球の変形能として算出してもよい。
=L/L …(5)
ここで、Lは、所定の基準血液をゲート25aFへ通過させたときに、当該血液中の血球で閉塞されたゲート25aFにおける当該血球の体積別の最大閉塞幅Lのうち、血球の体積が式(4)におけるVであるときの値であり、所定の基準血液とは、標準的な健康度の血液である。
ここで、変形能として算出されたDは、その値が大きいほど血球が硬いことを示す。また、Dは、その値が1のときに血球が標準的な硬さであることを示し、1より大きいほど硬く、小さいほど柔らかいことを示す。Dが算出された場合には、標準的な健康度の血球に対する相対値として変形能が示されるので、血球滞留部の体積Vによらず一意に変形能の程度を理解することができる。
以上のように、血球変形能計測装置1Fによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本第3の変形例においては、ゲート25aFは、土手部22bFの配列方向に徐々に変化する幅を有するものとして記載したが、例えば図20(a),(b)に示すように、血流方向(図中のY方向)に徐々に狭くなる各幅を有する複数段のゲート25a,…を設けてもよい。図20(a),(b)に示す例では、各段で配列間隔の異なる4段の土手部22b〜22bにそれぞれ挟まれて形成されるゲート25a〜25aが、血流方向への段毎に徐々に狭くなる幅をそれぞれ有している。このようなゲート25a〜25aを用いた場合には、より上流で多くの血球を滞留させている方が硬い血球を多く有する血液として評価することができる。なお、図20(a)は、柔らかい血球を多く含む血液が流された状態を示す図であり、図20(b)は、硬い血球を多く含む血液が流された状態を示す図である。
[第4の変形例]
続いて、上記実施の形態に係る血球変形能計測装置1Eの第4の変形例としての血球変形能計測装置1Bについて説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
血球変形能計測装置1Bは、図1に示すように、上記実施の形態におけるフィルタ2Eに代えてフィルタ2Bを備えており、フィルタ2Bは、図2に示すように、流路部25Eに代えて流路部25Bを備えている。
流路部25Bは、図21に示すように、一定個数毎に配列間隔が変わる複数の土手部22bB,…に挟まれて形成される複数のゲート25aBを有している。この複数のゲート25aBは、血球径より狭い幅に形成されるとともに幅毎に複数の組を形成しており、本第4の変形例においては、3個で組を構成して土手部22bBの配列方向に徐々に変化している。
以上の構成を具備する血球変形能計測装置1Bは、上記第3の変形例における血球変形能計測装置1Fと同様の動作によって、血球の変形能を算出することができる。但し、最大閉塞幅Lを検出するとき(ステップT7)には、図22に示すように、ゲート25aBの閉塞割合Cをゲート25aBの幅別に求め、当該閉塞割合Cが最大となるゲート25aBの幅を最大閉塞幅Lとして検出するのが好ましい。
また、図23に示すように、ゲート25aBの閉塞個数をゲート25aBの幅別に求め、当該閉塞個数で平均を取ったゲート25aBの幅、又は当該閉塞個数が最大となるゲート25aBの幅を最大閉塞幅Lとして検出してもよい。なお図22、図23においてはゲート25aBを流す血液に含まれる血球の大きさは均一ではなく分布ばらつきを持っているために、中間のゲート幅で分布のピークを生じている。
以上のように、血球変形能計測装置1Bによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏するのは勿論のこと、幅毎に複数の組を形成しているゲート25aBを有し、当該ゲート25aBの幅別の閉塞割合Cが最大となるゲート25aBの幅として求めた最大閉塞幅Lから血球の変形能を算出できるので、より多くのゲート25aBを用いて変形能が算出され、より安定した算出結果が得られる。
[第5の変形例]
続いて、上記実施の形態に係る血球変形能計測装置1Eの第5の変形例としての血球変形能計測装置1Cについて説明する。なお、上記実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
血球変形能計測装置1Cは、図1に示すように、上記実施の形態におけるフィルタ2Eに代えてフィルタ2Cを備えており、フィルタ2Cは、図2に示すように、流路部25Eに代えて流路部25Cを備えている。
流路部25Cは、図24に示すように、血流方向(図中のY方向)に先太りする複数の土手部22bC,…に挟まれて形成される複数のゲート25aCを有している。この複数のゲート25aCの幅は、血流方向に徐々に狭くなるとともに血球径よりも狭く形成されている。
以上の構成を具備する血球変形能計測装置1Cは、上記第3の変形例における血球変形能計測装置1Fと同様の動作によって、血球の変形能を算出することができる。但し、最大閉塞幅Lを検出するとき(ステップT7)には、血球滞留部で閉塞されたゲート25aCにおいて、当該血球滞留部が滞留している位置での当該ゲート25aCの幅を最大閉塞幅Lとして検出する。
以上のように、血球変形能計測装置1Cによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏するのは勿論のこと、血流方向に狭くなる幅に形成されたゲート25aC内の血流画像がディスプレイ8に表示されるので、血球滞留部で閉塞されているゲート25aCの幅が視覚的に捉え易い。
なお、本実施の形態及びその変形例においては、赤血球R及び/又は白血球Wの変形能が算出されるものとして記載したが、白血球Wのうち顆粒球、リンパ球及び単球を更に判別し、これらの各変形能が算出されるようにしてもよい。このようにすれば、より詳細の血液診断を行うことができる。顆粒球、リンパ球及び単球の判別は、例えば特開2001−174456号公報に記載の公知の方法を用いればよい。
また、その他の点についても、本発明は上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
1、1A、1B、1C、1E、1F 血球変形能計測装置
3 TVカメラ(撮影手段)
7、7A、7E パソコン(血流画像表示手段)
8 ディスプレイ(表示画面)
25、25A、25B、25C、25E、25F 流路部
25a ゲート
25b 上流テラス
70、70A 演算処理部(速度算出手段、体積算出手段、変形能算出手段)
70E 演算処理部(速度算出手段、体積算出手段、変形能算出手段、閉塞状態算出手段、閉塞割合算出手段、閉塞幅検出手段)
S 血球の速度
T 通過時間
V 血球の体積
C 閉塞割合
L 最大閉塞幅

Claims (17)

  1. 血球径よりも広い幅の上流テラスから血球径よりも狭い幅のゲートへ向けて血液を流し、当該血液中の血球の変形能を計測する血球変形能計測装置であって、
    前記上流テラス及び前記ゲートを通過する血液の流れを撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記上流テラス又は前記ゲートを通過する血球の速度を算出する速度算出手段と、
    前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記ゲートを通過する血球の体積を算出する体積算出手段と、
    前記血球の速度及び前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出する変形能算出手段と、
    を備えることを特徴とする血球変形能計測装置。
  2. 前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(1)又は式(2)を満たすD又はDを算出することを特徴とする請求項1に記載の血球変形能計測装置。
    =α/(S×V) …(1)
    =1/(S×V)/(1/(S×V)) …(2)
    (但し、
    α:所定の係数
    S:前記上流テラス又は前記ゲートを通過する血球の速度
    V:前記ゲートを通過する血球の体積
    :所定の基準血液を前記上流テラス又は前記ゲートへ通過させたときの当該血液中の血球の速度
    :所定の基準血液を前記ゲートへ通過させたときの当該血液中の血球の体積)
  3. 前記速度算出手段は、前記血球の速度として、前記血球が前記ゲートを通過するのに要する通過時間の逆数を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の血球変形能計測装置。
  4. 前記撮影手段によって得られた血流画像を表示画面に表示する血流画像表示手段を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の血球変形能計測装置。
  5. 前記ゲートは複数であり、
    前記速度算出手段により得られた血球の速度がゼロである前記血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を算出する閉塞状態算出手段を備え
    前記変形能算出手段は、前記ゲートの閉塞割合及び前記体積算出手段が算出した前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の血球変形能計測装置。
  6. 前記閉塞状態算出手段は、前記血球の体積別に当該体積の血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を算出し、
    前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(3)を満たすDを算出することを特徴とする請求項5に記載の血球変形能計測装置。
    =α2/∫CdV …(3)
    (但し、
    α2:所定の係数
    C:前記ゲートの閉塞割合
    V:前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積)
  7. 複数の前記ゲートは、血流方向に複数配設されるとともに血流方向上流側から下流側に向けて除々に狭くなるように複数の異なる幅に形成されるか、或いは血流方向に直交する方向に複数配設されるとともに複数の異なる幅で形成されており、
    前記閉塞状態算出手段は、前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートの幅のうち最大のものを最大閉塞幅として検出し、
    前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積算出手段が算出した前記最大閉塞幅に対応する前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする請求項5又は6に記載の血球変形能計測装置。
  8. 複数の前記ゲートは幅毎に複数の組を形成しており、
    前記閉塞状態算出手段は、前記血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を前記ゲートの幅別に求め、当該閉塞割合が最大となる前記ゲートの幅を最大閉塞幅として検出し、
    前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積算出手段が算出した前記最大閉塞幅に対応する前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする請求項5又は6に記載の血球変形能計測装置。
  9. 前記ゲートは血流方向下流側に向けて狭くなる幅に形成されており、
    前記閉塞状態算出手段は、前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートにおける当該血球の閉塞位置での当該ゲートの幅を最大閉塞幅として検出し、
    前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積手段が算出した前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする請求項5又は6に記載の血球変形能計測装置。
  10. 前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(4)又は式(5)を満たすD又はDを算出することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置。
    =β×L/V …(4)
    =L/L …(5)
    (但し、
    β:所定の係数
    L:前記ゲートの最大閉塞幅
    :所定の基準血液を前記ゲートへ通過させたときに、当該血液中の血球で閉塞されたゲートにおける当該血球の体積別の最大閉塞幅のうち、血球の体積が式(4)におけるVであるときの値
    V:前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積)
  11. 血球径より狭い幅に形成された複数のゲートへ血液を流し、当該血液中の血球の変形能を計測する血球変形能計測装置であって、
    前記ゲートを通過する血液の流れを撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を算出する閉塞状態算出手段と、
    前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積を算出する体積算出手段と、
    前記ゲートの閉塞割合及び前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出する変形能算出手段と、
    を備えることを特徴とする血球変形能計測装置。
  12. 前記閉塞状態算出手段は、前記血球の体積別に当該体積の血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を算出し、
    前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(3)を満たすDを算出することを特徴とする請求項11に記載の血球変形能計測装置。
    =α2/∫CdV …(3)
    (但し、
    α2:所定の係数
    C:前記ゲートの閉塞割合
    V:前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積)
  13. 前記撮影手段によって得られた血流画像を表示画面に表示する血流画像表示手段を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の血球変形能計測装置。
  14. 複数の前記ゲートは、血流方向に複数配設されるとともに血流方向上流側から下流側に向けて除々に狭くなるように複数の異なる幅に形成されるか、或いは血流方向に直交する方向に複数配設されるとともに複数の異なる幅で形成されており、
    前記閉塞状態算出手段は、前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートの幅のうち最大のものを最大閉塞幅として検出し、
    前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積算出手段が算出した前記最大閉塞幅に対応する前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出すことを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置。
  15. 複数の前記ゲートは幅毎に複数の組を形成しており、
    前記閉塞状態算出手段は、前記血球で閉塞された前記ゲートの閉塞割合を前記ゲートの幅別に求め、当該閉塞割合が最大となる前記ゲートの幅を最大閉塞幅として検出し、
    前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積算出手段が算出した前記最大閉塞幅に対応する前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置。
  16. 前記ゲートは血流方向下流側に向けて狭くなる幅に形成されており、
    前記閉塞状態算出手段は、前記撮影手段によって得られた血流画像から、前記血球で閉塞された前記ゲートにおける当該血球の閉塞位置での当該ゲートの幅を最大閉塞幅として検出し、
    前記変形能算出手段は、前記ゲートの最大閉塞幅及び前記体積手段が算出した前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積から、前記血球の変形能を算出することを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置。
  17. 前記変形能算出手段は、前記血球の変形能として、以下の式(4)又は式(5)を満たすD又はDを算出することを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の血球変形能計測装置。
    =β×L/V …(4)
    =L/L …(5)
    (但し、
    β:所定の係数
    L:前記ゲートの最大閉塞幅
    :所定の基準血液を前記ゲートへ通過させたときに、当該血液中の血球で閉塞されたゲートにおける当該血球の体積別の最大閉塞幅のうち、血球の体積が式(4)におけるVであるときの値
    V:前記ゲートを閉塞させた前記血球の体積)
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