JP5092948B2 - マイクロメカニカル構造体とその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明でいうマイクロメカニカル構造体(以下ではMEMSという)とは、成膜技術とエッチング技術に代表される半導体集積回路作成技術を利用し、犠牲エッチング層を含む積層板を選択的かつ局所的にエッチングすることによって実現された3次元の構造体をいう。
具体的に説明すると、図70に示すように、支持板602と支持板表面耐エッチング層604と犠牲エッチング層606を積層した積層板を準備する。支持板602と支持板表面耐エッチング層604を総称して基板600という。犠牲エッチング層606の厚みはHに調整しておく。犠牲エッチング層606には、後で固定部616を製造する部位に側面606aを形成しておく。ついで図71に示すように、内側耐エッチング層608と易エッチング層610と外側耐エッチング層612を積層する。内側耐エッチング層608と易エッチング層610と外側耐エッチング層612は、犠牲エッチング層606の表面のみならず、側面606aにも形成される。なお、易エッチング層610は、後記する貫通孔614の形成範囲では除去しておく。ついで図72に示すように、外側耐エッチング層612と内側耐エッチング層608を貫通して犠牲エッチング層606に達する貫通孔614を穿つ。貫通孔614は、易エッチング層610が除去されている範囲内に形成する。ついで図73に示すように、貫通孔614から犠牲エッチング層606をエッチングして除去する。支持板表面耐エッチング層604で支持板602を保護し、内側耐エッチング層608と外側耐エッチング層610で易エッチング層610を保護した状態でエッチングするために、支持板602と易エッチング層610はエッチングされず、犠牲エッチング層606だけがエッチングされる。図74はその段階で得られるMEMSの平面図を示す。
上記の結果、図73と図74に示すように、基板600の上に、固定部616と可動梁618と揺動板620が形成される。固定部616は、基板600の表面から垂直方向に立ち上がっている。可動梁618は、固定部616に連なっているとともに基板600から間隙H(犠牲エッチング層606の厚みHに等しい)を隔てた高さを基板600に平行に伸びている。揺動板620は、可動梁618の先端に連なっているとともに、可動梁618が変形すると基板600となす角度が変化する。可動梁618は変形しやすいように幅Wが狭く形成されている。
固定部616を構成している導電性の易エッチング層610は、揺動板620の一部を構成する易エッチング層610と基板600の表面に形成されている導電層(図示されていない)を電気的に接続する。
しかしながら、揺動板620の揺動可能角度を大きくするためには、基板600と可動梁618の間の間隙H、あるいは基板600と揺動板620の間の間隙Hを大きくしなければならない。間隙Hを大きくする場合には、深刻な問題が生じる。
一つの問題は、間隙Hが大きくなってくると固定部616の強度が不足し、固定部616が意図に反して変形するために意図した間隙Hを確保できなくなることである。間隙HはMEMSの特性に直接的に影響するために、意図した間隙Hを確保できなければ意図した特性が得られない。内側耐エッチング層608、易エッチング層610あるいは外側耐エッチング層612の厚みを増せば、固定部616の強度を向上させることができるが、今度は可動梁618の剛性が高くなりすぎ、揺動板620を揺動させることが困難となる。固定部616の強度を上げることと可動梁618のしなやかさを確保することはトレードオフの関係にあり、両者を同時に満足することは難しい。
他の一つの問題は、間隙Hを大きくなると、固定部616を通過する導電性の易エッチング層610が断線しやすくするなることである。
本発明の更なる目的は、上記の構造において固定部を通過する導電層の断線を防止する技術を提供することである。
本発明のMEMSは、基板と、基板から垂直方向に立ち上がっている固定部と、固定部に連なっているとともに基板から間隙を隔てた高さを基板に平行に伸びている可動梁と、可動梁の先端に連なっているとともに基板となす角度が変化する揺動板とを備えている。本発明のMEMSは、可動梁が伸びている方向に測定した固定部の幅が、基板に垂直方向に測定した可動梁の厚みよりも大きいことを特徴とする。
本発明のMEMSは、製造方法を改良することによって、可動梁が伸びている方向に測定した固定部の幅が、基板に垂直方向に測定した可動梁の厚みよりも大きいという結果を実現している。
上記の関係を備えているMEMSによると、固定部の強度を上げるのと同時に、可動梁のしなやかさを維持することが可能となる。可動梁のしなやかさを維持しながら、基板と可動梁の間の間隙、あるいは基板と揺動板の間の間隙を大きくすることができ、揺動板の揺動可能角度を大きくとることができる。
追加易エッチング層は、MEMSの製造工程で利用する犠牲エッチング層を同一材料で形成されていてもよい。また上記でいう耐エッチング層とは、犠牲エッチング層をエッチングするエッチング剤に対して耐性を有することを意味し、犠牲エッチング層をエッチングして除去した状態で残存するものをいう。また易エッチング層とは、犠牲エッチング層をエッチングするエッチング剤によるエッチング速度が速いことを意味し、耐エッチング層で被覆しておかなければ犠牲エッチング層のエッチングの際に消失してしまうものをいう。さらにここでいう「追加」は、可動梁と揺動板を構成する積層には見られない層であることを示している。
この場合、可動梁を構成している易エッチング層と、固定部を構成している追加易エッチング層が、可動梁と固定部の間に位置している内側耐エッチング層に形成された孔を通して導通している構造を実現することができる。
この場合、揺動板と基板の間の間隙を大きくし、揺動板の揺動可能角度を十分に確保することができる。
この製造方法では、支持板と支持板表面耐エッチング層と間隙形成層と内側耐エッチング層と易エッチング層と外側耐エッチング層が積層されている積層板を用意する。
この積層板には、可動梁の内側に位置する間隙に固定部が面する位置において、間隙形成層を貫通する追加耐エッチング層を形成しておく。また、固定部の一部を形成する追加易エッチング層となる間隙形成層を、追加耐エッチング層と外側耐エッチング層で取り囲んでおく。
この製造方法では、その積層板をエッチングする。このとき、支持板表面耐エッチング層で支持板を保護し、追加耐エッチング層と外側耐エッチング層で固定部の一部を構成する追加易エッチング層となる間隙形成層を保護し、内側耐エッチング層と外側耐エッチング層で易エッチング層を保護した状態で、犠牲エッチング層をエッチングする。すなわち、耐エッチング層で保護されていない間隙形成層をエッチングして除去する。
この結果、基板と可動梁の間ならびに基板と揺動板の間に存在していた犠牲エッチング層が除去され、基板と可動梁の間ならびに基板と揺動板の間に間隙が形成される。
固定部を形成する部位では、追加耐エッチング層と外側耐エッチング層によって間隙形成層が取り囲まれているために、取り囲まれている範囲の間隙形成層はエッチングされないで残存する。それによって固定部の一部が形成される。
本方法によると、強度が高い固定部を形成することが可能となる。
可動梁を内側耐エッチング層と易エッチング層と外側耐エッチング層の積層構造で形成する場合、固定部を追加耐エッチング層と追加易エッチング層で形成することができる。この場合、追加易エッチング層の幅(可動梁が伸びている方向に測定した距離)を自在に調整することができ、固定部の太さを自在に調整することができる。
固定部を形成する追加易エッチング層を導電体で形成することもでき、その場合には、追加易エッチング層を配線の一部に利用することができる。基板と可動梁の間隙を大きくしても配線が断線することがない。
本発明のマイクロメカニカル構造体は、犠牲エッチング層を利用することによって、共通基板に複数個のマイクロメカニカル構造体が配置されている構造を実現することができる。この場合、各々の揺動板の外側表面に反射面を形成することによって、明るいを画像を提供する画像形成装置を構成することができる。
本発明の最良の形態では、間隙形成層の一部をエッチングから保護して残存させることによって固定部を形成する。
本発明の最良の形態では、間隙形成層に多結晶シリコンを用い、固定部を形成する多結晶シリコンを配線の一部に用いる。
本発明の最良の形態では、揺動板と基板の間に電極対を設け、その電極対の間に吸引力を発揮させることで揺動板を揺動させる。
本発明の一つの形態では、揺動板の両サイドを捩れ梁で支える。
本発明の他の一つの形態では、揺動板の中心近傍に一対のスリットを設け、そのスリットの内側部分を可動梁に利用する。
(特徴1)可動梁は、シリコンの熱酸化膜と多結晶シリコン層とシリコンの熱酸化膜の積層構造で形成されている。
(特徴2)固定部を高さ方向に観察すると、シリコン基板の表面に形成されている熱酸化膜と、多結晶シリコン層と、シリコンの熱酸化膜の積層構造で形成されている。シリコンの熱酸化膜は、可動梁の内側耐エッチング層を形成しているシリコンの熱酸化膜でもある。
(特徴3)シリコン基板の表面近傍に不純物が注入されている配線部が形成されている。シリコン基板の表面に形成されている熱酸化膜に開口が形成され、固定部を形成している多結晶シリコン層とシリコン基板の表面近傍に形成されている配線部が導通している。
(特徴4)可動梁の内側耐エッチング層を形成しているシリコンの熱酸化膜に開口が形成され、固定部を形成している多結晶シリコン層と可動梁を形成している多結晶シリコン層が導通している。
(特徴5) 揺動板の中心近傍に固定部が形成されており、固定部から両サイドに可動梁が伸びており、一対の可動梁の先端に揺動板が連なっている。逆に説明すると、揺動板の中心近傍に一対のスリットが形成されており、一対のスリットとスリットの間が可動梁となっている。固定部は、一対のスリットとスリットの間に配置されている。
(特徴6)基板に凹所が形成されており、揺動板の可動範囲が拡大している。
(特徴7)基板と凹所の境界から、揺動板が基板に衝突する際の衝撃を緩和する膜が伸びている。
図1は、第1実施例のマイクロメカニカル構造体200の平面図を示し、図2は、図1のE−F線断面図を示し、図3は、図1のG−H線断面図を示している。図1は、理解のために、種々の高さにおける平面図を重畳して図示しており、同一の高さで全部の部材が視認されるものでない。図1から図3は、1個のマイクロメカニカル構造体200のみを示しているが、実際には、図68と図69に示すように、共通基板10の上に多数のマイクロメカニカル構造体200がマトリクス状に配置されている。各々のマイクロメカニカル構造体200の上面に反射面161が形成されている。図68において、各々の反射面161は、YとZを結ぶ方向に揺動可能である。複数のマイクロメカニカル構造体200が配置されている範囲の周囲には、マイクロメカニカル構造体200ごとに設けられている電極対に加える電圧を調整する駆動回路500が設けられている。駆動回路500は、電極対に加える電圧を他の電極対から独立に調整することができる。駆動回路500と、マトリクス状に配置されているマイクロメカニカル構造体200の配列によって、セル毎に明暗を切換えて画像を提供する画像表示装置が実現されている。
第1固定電極20aは、第1固定電極配線21a、第1固定電極コンタクト140a(第1絶縁膜40に形成されているコンタクトウインド)、第1固定電極端子150aを介して第1固定電極用接続部151aに接続されている。第2固定電極20bは、第2固定電極配線21b、第2固定電極コンタクト140b(第1絶縁膜40に形成されているコンタクトウインド)、第2固定電極端子150bを介して第2固定電極用接続部151bに接続されている。可動電極配線30は、第1可動電極コンタクト130(第1絶縁膜40に形成されているコンタクトウインド)、可動電極端子150cを介して可動電極用接続部151cに接続されている。第1固定電極端子150a、第2固定電極端子150b、可動電極端子150cのそれぞれはアルミニウムで形成されている。第1固定電極端子150aは、第1固定電極端子保護膜152aで保護されている。第2固定電極端子150bは、第2固定電極端子保護膜152bで保護されている。可動電極端子150cは、可動電極端子保護膜152cにより保護されている。第1固定電極端子150aと第2固定電極端子150bと可動電極端子150cは、酸化膜で形成されている電極端子保護膜152で保護されている。第1固定電極用接続部151aは、第1固定電極端子保護膜152aから露出し、第2固定電極用接続部151bは、第2固定電極端子保護膜152bから露出し、可動電極用接続部151cは、可動電極端子保護膜152cから露出している。
固定部材62の幅Lが十分にあるので、固定部113の高さを高くして前記間隙Hを大きくしても、固定部材62が断線することがない。間隙Hを大きくしても、可動電極115と可動電極配線30の間で断線することがない。
必要であれば、H>L>Tの関係を実現することができる。固定部材62の幅Lが十分に大きいので、固定部113の高さをその幅L以上に高くして大きな間隙Hを実現しても、固定部113が変形することがない。
図4以降に、第1実施例のマイクロメカニカル構造体200の製造方法を示す。図4以降は、図1のE−F断面を示している。以下、図面に即して説明する。
(図13)第2絶縁膜90の表面上に、減圧CVD法によって、可動電極115となる多結晶シリコン層110を厚さ200nmに形成する。
(図14)可動電極115となる多結晶シリコン層110に、イオン注入法(熱拡散でもよい)を用いて、不純物であるリンを添加して拡散し、高濃度にリンを含有するために高伝導度を有するn型半導体に改質する。そして、フォトエッチングにより、多結晶シリコン層110と第2絶縁膜90をエッチングして、多結晶シリコン層110と第2絶縁膜90を、揺動板111、第1捩れ梁112a、第2捩れ梁112b、並びに固定部113の形状にパターニングする。多結晶シリコン層110は、導電性であり、耐エッチング層で保護しておかなければ、後で犠牲エッチング層61をエッチングする際にエッチングされてしまう。多結晶シリコン層110は、易エッチング層ということができる。
(図18)次に、電極端子形成部材150の不要な領域をフォトエッチングにより除去し、第1固定電極端子150a(図1、図3参照)、第2固定電極端子150b(図1、図3参照)、可動電極体端子150cを形成する。
(図20)次に、電極端子保護膜152の不要な領域をフォトエッチングにより除去し、第1固定電極端子保護膜152a(図1、図3参照)、第2固定電極端子保護膜152b(図1、図3参照)、可動電極端子保護膜152cを形成する。
(図22)次に、反射面部材160の不要な領域をフォトエッチングにより除去し、反射面161を形成する。
XeF2ガスは、アルミニウムと熱酸化膜(耐エッチング層)をエッチングしないので、3次元構造を有するマイクロメカニカル構造体200を安定して製造することを可能とする。
可動梁112a,112bを構成している易エッチング層110と固定部113を構成している追加易エッチング層62は、可動梁112a,112bと固定部113の間に位置している内側耐エッチング層90に形成された孔50を通して導通している。図68に示すように、固定部113と可動梁112a,112bと揺動板111で構成される単位構造の複数個が共通基板10に配置されている。
図25から図27に、第2実施例の揺動反射面161を備えているマイクロメカニカル構造体200の構造を示す。第1実施例と対応する部材には同一符号を付した。第1実施例との違いは、揺動板111の中央の位置において単一の固定部113が基板10に固定されており、その固定部113から両側に可動梁112a,112bが伸び、その2本の可動梁112a,112bの先端に揺動板111が連なっていることである。
図28から図30に、第3実施例の揺動反射面161を備えているマイクロメカニカル構造体200の構造を示す。第2実施例と対応する部材には同一符号を付した。第2実施例との違いは、反射面161をさらに大きく傾かせるため、揺動板111が基板10の表面に接触する領域に、フォトエッチングで所望の深さの溝11a,11bを形成したことである。溝11a,11bを形成したために、揺動板111の揺動可能角度が拡大されている。
図31から図33に、第4実施例の揺動反射面161を備えているマイクロメカニカル構造体200の構造を示す。第3実施例と対応する部材には同一符号を付した。第3実施例との違いは、揺動板111が溝11a,11bのコーナーに接触する際の衝撃を緩和する衝撃緩和部材15a,15bを形成したことである。これにより、マイクロメカニカル構造体200の長寿命化が実現できる。
図34と図35に揺動板111の傾き動作と、衝撃緩和部材15aの変形状況を示す。第1固定電極用接続部151a(図3参照)と可動電極用接続部151c(図2参照)との間に所望の電圧を印加する。すると、第1固定電極20aと揺動板111との間に静電引力が発生し、揺動板111が第1固定電極20a側へ引き寄せられて傾く。そして、揺動板111が第1衝撃緩和部材15aに接触し(図34)、さらに、揺動板111が衝撃緩和部材15aを変形させながら傾く(図35)。このように衝撃緩和部材15aがクッションとなり揺動板111に加われる衝撃は緩和され、揺動反射面161を含むマイクロメカニカル構造体200の長寿命化が図れる。
図36以降に、第4実施例のマイクロメカニカル構造体200の製造方法を示す。この図36以降は、図31のP−O断面である。第1実施例の製造方法と対応する部材には同一符号を付し、重複説明を省略する。
(図38)次に、第1絶縁膜40を被覆形成する。
(図39)次に、第1可動電極コンタクト50をフォトエッチングによって開口形成する。第4実施例では、固定部113を中央に設けるので、第1可動電極コンタクト50を中央に設ける。
(図41)次に、第1間隙形成層60aをケミカルメカニカルポリッシュ(以下、CMPという)により研磨する。第1絶縁膜40が露出するまで第1間隙形成層60aをポリッシュする。
(図43)次に、フォトエッチングによって多結晶シリコン層を衝撃緩和膜13の形状にパターニングする。そして、衝撃緩和膜13を覆うように、厚さ50nmの熱酸化膜からなる第2保護膜14を形成する。
(図44)次に、第2保護膜14の不要な部分をフォトエッチングにより取り除き、第1衝撃緩和部材15aと第2衝撃緩和部材15bを形成する。
(図46)次に、第2間隙形成層60bをCMPにより表面がフラットになるまでポリッシュする。
(図47)次に、第1間隙形成層60aと第2間隙形成層60bに、イオン注入法(熱拡散でもよい)を用いて、不純物であるリンを添加して拡散し、リンを高濃度に含有するために高伝導度を有するn型半導体に改質処理する。
そして、後工程でエッチング除去する犠牲エッチング層61の除去範囲を規定するトレンチ70をフォトエッチングを用いて形成する。
(図49)次に、反応性イオンエッチングあるいはCMPにより、第2間隙形成層60bの表面に形成されている熱酸化膜を除去する。トレンチ70を充填している熱酸化膜(耐エッチング膜)71は除去されない。
そして、犠牲エッチング領域61よりも外側の範囲の第2間隙形成層60bをフォトエッチングにより除去する。
(図51)次に、第2可動電極コンタクト100をフォトエッチングにより開口形成する。
(図52)次に、厚さ200nmの多結晶シリコン層110を形成する。
(図53)次に、イオン注入法(熱拡散でもよい)を用いて、多結晶シリコン層110に不純物であるリンを添加して拡散し、リンを高濃度に含有するために高伝導度を有するn型半導体に改質処理する。そして、フォトエッチングにより、揺動板111、第1可動梁112a(図31参照)、第2可動梁112b(図31参照)、固定部113の形状にパターニングする。
(図56)次に、アルミニウムから成る電極端子形成層150を被覆形成する。
(図57)次に、フォトエッチングにより、第1固定電極端子150a、第2固定電極端子150b、可動電極端子150c(図32)を形成する。
(図58)次に、電極端子保護膜152を形成する。
(図59)次に、フォトエッチングにより、第1固定電極端子保護膜152a、第2固定電極端子保護膜152b、可動電極端子保護膜152c(図32)を形成する。
(図61)次に、反射面形成層160の不要な領域をフォトエッチングにより除去し、反射面161を形成する。
(図62)次に、第1固定電極用接続部151a、第2固定電極用接続部151b、可動電極用接続部151c(図32)をフォトエッチングにより開口形成する
(図64)次に、エッチング孔170に二フッ化キセノン(XeF2)ガスを注入することにより、犠牲エッチング層61の全てをエッチング除去し、間隙80を形成する。
図65から図67に、第5実施例の揺動反射面161を備えているマイクロメカニカル構造体200の構造を示す。第4実施例と対応する部材には同一符号を付した。第4実施例との違いは、揺動板111上に、多結晶シリコンから成る補強部材114を形成した点である。これにより、揺動板111の剛性が高くなるので、傾き動作をする際に揺動板111が湾曲することがない。反射面161がフラットな状態を維持して揺動する。
図68と図69に、第6実施例の可動反射面161を備えているマイクロメカニカル構造体を示す。第1から第5実施例のいずれかに示した単位となるマイクロメカニカル構造体200の複数個を共通基板10上に配置したものである。個々の揺動反射面161は、周辺に形成した駆動回路IC500の信号に基づいて傾き動作を行う。この揺動反射面161の配置と、光学系を組み合わせることにより、プロジェクター等を実現することができる。
上述した実施例では、イオン注入法(熱拡散でもよい)を用いて多結晶シリコンに高濃度に不純物を添加、拡散することによって、第1固定電極、第1固定電極配線、第2固定電極、第2固定電極配線、可動電極配線を形成する。これに限らず、高伝導度特性を有するように処理された多結晶シリコンを用いてもよい。
20a:第1固定電極
20b:第2固定電極
21a:第1固定電極配線
21b:第2固定電極配線
30:可動電極配線
40:第1絶縁膜、SiO2膜、熱酸化膜、支持板表面耐エッチング層
42:基板
60:間隙形成層
61:犠牲エッチング層
62:固定部材
70:トレンチ
71:追加のSiO2膜、追加の耐エッチング層
80:間隙
90:第2絶縁膜、SiO2膜、熱酸化膜、内側耐エッチング層
110:多結晶シリコン層、易エッチング層、可動電極層
111:揺動板
112a,112b:捩れ梁、可動梁
113:固定部
120:第3絶縁膜、SiO2膜、熱酸化膜、外側耐エッチング層
115:可動電極
161:反射面
170:エッチング孔、スリット
200:マイクロメカニカル構造体
Claims (5)
- 積層板を構成する特定層が局所的に除去されて形成されているマイクロメカニカル構造体であり、
基板と、
基板から垂直方向に立ち上がっている固定部と、
固定部に連なっているとともに基板から間隙を隔てた高さを基板に平行に伸びている可動梁と、
可動梁の先端に連なっているとともに基板となす角度が変化する揺動板を備えており、
可動梁が伸びている方向に測定した固定部の幅が、基板に垂直方向に測定した可動梁の厚みよりも大きく、
基板に垂直な断面で可動梁と揺動板を観測すると、基板の側から順に、内側耐エッチング層と易エッチング層と外側耐エッチング層が観測され、
基板に垂直であるとともに可動梁が伸びている方向に沿った断面で固定部を観測すると、可動梁の側から順に、追加耐エッチング層と追加易エッチング層が観測され、
可動梁と揺動板を構成している内側耐エッチング層および外側耐エッチング層と、固定部を構成している追加耐エッチング層が絶縁物質で形成されており、
可動梁と揺動板を構成している易エッチング層と固定部を構成している追加易エッチング層が導電物質で形成されており、
可動梁を構成している易エッチング層と固定部を構成している追加易エッチング層が、可動梁と固定部の間に位置している内側耐エッチング層に形成された孔を通して導通していることを特徴とするマイクロメカニカル構造体。 - 基板に垂直方向に測定した固定部の高さが、可動梁が伸びている方向に測定した固定部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1のマイクロメカニカル構造体。
- 固定部と可動梁と揺動板で構成される単位構造の複数個が共通基板に配置されていることを特徴とする請求項1または2のマイクロメカニカル構造体。
- 各々の揺動板の外側表面に反射面が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロメカニカル構造体。
- 間隙形成層を含む積層板を選択的かつ局所的にエッチングして請求項1から4の何れか一項に記載のマイクロメカニカル構造体を製造する方法であり、
支持板と支持板表面耐エッチング層と間隙形成層と内側耐エッチング層と易エッチング層と外側耐エッチング層が積層されており、可動梁の内側の間隙に固定部が面する位置において間隙形成層を貫通する追加耐エッチング層が形成されており、固定部の一部を形成する追加易エッチング層となる間隙形成層が追加耐エッチング層と外側耐エッチング層で取り囲まれている積層板を準備する工程と、
支持板表面耐エッチング層で支持板を保護し、追加耐エッチング層と外側耐エッチング層で固定部の一部を構成する追加易エッチング層となる間隙形成層を保護し、内側耐エッチング層と外側耐エッチング層で易エッチング層を保護した状態で、耐エッチング層で保護されていない間隙形成層をエッチングして基板と可動梁の間ならびに基板と揺動板の間に間隙を形成することを特徴とするマイクロメカニカル構造体の製造方法。
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