JP5092061B1 - 作業車両及び作業車両の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、低速度範囲での車速の上限の制限を容易に行うことができると共に、牽引力の低下を抑えることができる作業車両及び作業車両の制御方法を提供することにある。
【解決手段】上限速度制御部は、目標上限速度が通常速度範囲内であるときには、モータ容量制御部によってモータ容量の下限を目標上限速度に応じて制御する。上限速度制御部は、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、パイロット圧制御弁によってパイロット圧の上限を目標上限速度に応じて制御する。また、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部は、駆動回路圧が大きいほどパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁を制御する。
【選択図】図9

Description

本発明は、作業車両及び作業車両の制御方法に関する。
作業車両には、いわゆるHST(Hydro Static Transmission)を搭載しているものがある。HST式の作業車両は、エンジンによって油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプから吐出された作動油によって走行用油圧モータを駆動する。これにより、作業車両が走行する。このようなHST式の作業車両では、エンジン回転速度、油圧ポンプのポンプ容量、走行用油圧モータのモータ容量などを制御することによって、車速および牽引力を制御することができる(特許文献1参照)。
上記の作業車両は、上限速度可変制御を行うことができる。上限速度可変制御は、車速の上限を最高車速よりも低い速度に制限する制御である。上限速度可変制御では、モータ容量の下限を最小容量よりも大きい下限容量に制限する。これにより、車速の上限が最高速度よりも低減される。また、モータ容量の下限を増大させるほど、車速の上限が低減される。これにより、オペレータは、車速の上限を任意の速度に設定することができる。
特開2004−144254号公報
上記の上限速度可変制御では、モータ容量の下限を増大させるほど、車速の上限が低減される。従って、モータ容量の下限が最大容量に達すると、車速の上限をさらに低減させることができなくなる。従来の作業車両では、車速の上限をさらに低減させるために、インチングペダルが操作される。インチングペダルが操作されると、インチングペダルの踏み込み量に応じて、油圧ポンプの傾転角を制御するポンプ容量制御シリンダへのパイロット圧が低減される。これにより、ポンプ容量が低減される。その結果、車速を低減させることができる。
しかし、インチングペダルの操作によって車速を調整する場合、オペレータは、インチングペダルの踏み込み量を、所望の車速に応じた量に、適確に調整しなければならない。また、インチングペダルの操作によってパイロット圧が低減されると、駆動回路圧が小さくなるという問題もある。図4において、L11〜L18は、ポンプ容量制御シリンダへのパイロット圧に応じて変更されるポンプ容量−駆動回路圧特性を示している。パイロット圧が小さくなるほどL11からL18に向かってポンプ容量−駆動回路圧特が変更される。言い換えれば、パイロット圧が小さくなるほど、駆動回路圧に対するポンプ容量が小さくなるように、ポンプ容量−駆動回路圧特性が変更される。これにより、ポンプ容量を低減させることができる。しかし、図4に示すように、L11からL18に向かってポンプ容量−駆動回路圧特が変更されると、駆動回路圧の上限も小さくなる。駆動回路圧が小さくなると、車両の牽引力が低下する。この場合、負荷の増大によって車速が低下し易くなる。車速が低速度範囲内であるときに負荷が増大すると、車両が停止してしまう可能性がある。
従って、オペレータは、インチングペダルによって車速を低減させる場合には、所望の車速が得られるように、インチングペダルの踏み込み量を適確に操作すると共に、負荷の増大によって車両が停止しないように、インチングペダルを操作しなければならない。このような操作は、オペレータの熟練を要するものであり、容易ではない。
本発明の課題は、低速度範囲での車速の上限の制限を容易に行うことができると共に、牽引力の低下を抑えることができる作業車両及び作業車両の制御方法を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る作業車両は、エンジンと、油圧ポンプと、走行用油圧モータと、ポンプ容量制御シリンダと、パイロット油圧源と、パイロット圧制御弁と、モータ容量制御部と、駆動回路圧検出部と、上限速度設定部と、速度範囲判定部と、上限速度制御部とを備える。油圧ポンプは、エンジンによって駆動される。走行用油圧モータは、油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される。ポンプ容量制御シリンダは、油圧ポンプの傾転角を変更することにより油圧ポンプのポンプ容量を変更する。パイロット油圧源は、ポンプ容量制御シリンダを駆動するための作動油を供給する。パイロット圧制御弁は、パイロット圧を制御する。パイロット圧は、パイロット油圧源からポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力である。モータ容量制御部は、走行用油圧モータの傾転角を変更することにより走行用油圧モータのモータ容量を変更する。駆動回路圧検出部は、駆動回路圧を検出する。駆動回路圧は、走行用油圧モータに供給される作動油の圧力である。上限速度設定部は、車速の上限を最高車速よりも低い速度に制限する上限速度可変制御において、目標上限速度を設定する。速度範囲判定部は、目標上限速度が、通常速度範囲内であるのか、又は、低速度範囲内であるのかを判定する。通常速度範囲は、モータ容量の下限を最小容量から最大容量までの間で変更することによって車速の上限を変更可能な速度の範囲である。低速度範囲は、通常速度範囲より低い速度の範囲である。上限速度制御部は、目標上限速度が通常速度範囲内であるときには、モータ容量制御部によってモータ容量の下限を目標上限速度に応じて制御する。上限速度制御部は、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、パイロット圧制御弁によってパイロット圧の上限を目標上限速度に応じて制御する。目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部は、駆動回路圧が大きいほどパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁を制御する。
本発明の第2の態様に係る作業車両は、第1の態様の作業車両であって、上限速度制御部は、目標上限速度が大きくなるほどパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁を制御する。
本発明の第3の態様に係る作業車両は、第1又は第2の態様の作業車両であって、目標上限速度が通常速度範囲内であるときには、上限速度制御部は、目標上限速度に応じたパイロット圧の上限の制限を行わない。
本発明の第4の態様に係る作業車両は、第1から第3の態様のいずれかの作業車両であって、パイロット圧が所定のパイロット圧力値に固定されているときには、ポンプ容量と駆動回路圧とは、ポンプ容量と駆動回路圧との関係を規定する第1のポンプ容量−駆動回路圧特性に従って変化する。目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部は、ポンプ容量と駆動回路圧とが第2のポンプ容量−駆動回路圧特性に従って変化するように、駆動回路圧に応じてパイロット圧の上限を変更する。第2のポンプ容量−駆動回路圧特性でのポンプ容量に対する駆動回路圧の変化率の絶対値は、第1のポンプ容量−駆動回路圧特性でのポンプ容量に対する駆動回路圧の変化率の絶対値よりも大きい。
本発明の第5の態様に係る作業車両は、第4の態様の作業車両であって、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部は、パイロット圧の上限を所定の第1パイロット圧より小さい値に設定する。第1パイロット圧は、駆動回路圧が平地走行時の負荷相当の圧力であるときのポンプ容量が油圧ポンプの最大容量になり、駆動回路圧が平地走行時の負荷相当の圧力より大きくなるとポンプ容量が油圧ポンプの最大容量よりも小さくなる第1のポンプ容量−駆動回路圧特性が得られるパイロット圧である。
本発明の題6の態様に係る制御方法は、作業車両の制御方法である。作業車両は、エンジンと、油圧ポンプと、走行用油圧モータと、ポンプ容量制御シリンダと、パイロット油圧源と、パイロット圧制御弁と、モータ容量制御部と、駆動回路圧検出部と、上限速度設定部とを備える。油圧ポンプは、エンジンによって駆動される。走行用油圧モータは、油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される。ポンプ容量制御シリンダは、油圧ポンプの傾転角を変更することにより油圧ポンプのポンプ容量を変更する。パイロット油圧源は、ポンプ容量制御シリンダを駆動するための作動油を供給する。パイロット圧制御弁は、パイロット圧を制御する。パイロット圧は、パイロット油圧源からポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力である。モータ容量制御部は、走行用油圧モータの傾転角を変更することにより走行用油圧モータのモータ容量を変更する。駆動回路圧検出部は、駆動回路圧を検出する。駆動回路圧は、走行用油圧モータに供給される作動油の圧力である。上限速度設定部は、車速の上限を最高車速よりも低い速度に制限する上限速度可変制御において、目標上限速度を設定する。本態様に係る制御方法は次のステップを備える。第1ステップでは、目標上限速度が、通常速度範囲内であるのか、又は、低速度範囲内であるのかを判定する。通常速度範囲は、モータ容量の下限を最小容量から最大容量までの間で変更することによって車速の上限を変更可能な速度の範囲である。低速度範囲は、通常速度範囲より低い速度の範囲である。第2ステップでは、目標上限速度が通常速度範囲内であるときに、モータ容量制御部によってモータ容量の下限を目標上限速度に応じて制御する。第3ステップでは、目標上限速度が低速度範囲内であるときに、パイロット圧制御弁によってパイロット圧の上限を目標上限速度に応じて制御する。また、第3ステップでは、駆動回路圧が大きいほどパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁を制御する。
本発明の第1の態様に係る作業車両では、上限速度制御部は、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、パイロット圧の上限を目標上限速度に応じて制御する。これにより、モータ容量の制御では車速の上限を変更することができない低速度範囲においても、車速の上限を変更することができる。従って、従来の作業車両のようにインチングペダルを操作することなく、低速度範囲での車速の上限の制限を容易に行うことができる。また、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部は、駆動回路圧が大きいほどパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁を制御する。これにより、所定の目標上限速度に対してパイロット圧の上限が所定値に固定される場合と比べて、駆動回路圧が小さくなることを抑えることができる。従って、低速度範囲での上限速度可変制御中に牽引力が低下することを抑えることができる。
本発明の第2の態様に係る作業車両では、上限速度制御部は、パイロット圧の上限を増大させることによって、車速の上限を増大させる。これにより、車速の上限を上限速度設定部によって設定された目標上限速度に設定することができる。
本発明の第3の態様に係る作業車両では、通常速度範囲での上限速度可変制御中には、パイロット圧の上限の制限を行わない。これにより、上限速度可変制御を精度よく行うことができる。
本発明の第4の態様に係る作業車両では、低速度範囲での上限速度可変制御において、上限速度制御部は、ポンプ容量と駆動回路圧とが第2のポンプ容量−駆動回路圧特性に従って変化するように、駆動回路圧に応じてパイロット圧の上限を変更する。第1のポンプ容量−駆動回路圧特性におけるポンプ容量に対する駆動回路圧の変化率は、作業車両の機械的な構造によって定まる一定値である。従って、作業車両の稼働中に、この変化率を変更することは実質的に不可能である。そこで、本態様に係る作業車両では、見かけ上、第1のポンプ容量−駆動回路圧特性よりも変化率の絶対値が大きい第2のポンプ容量−駆動回路圧特性に沿ってポンプ容量と駆動回路圧とが変化するように、駆動回路圧に応じてパイロット圧の上限を変更する。これにより、低速度範囲での上限速度可変制御中に牽引力が低下することを抑えることができる。
本発明の第6の態様に係る作業車両の制御方法では、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、パイロット圧の上限が目標上限速度に応じて制御される。これにより、モータ容量の制御では車速の上限を変更することができない低速度範囲においても、車速の上限を変更することができる。従って、従来の作業車両のようにインチングペダルを操作することなく、低速度範囲での車速の上限の制限を容易に行うことができる。また、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、駆動回路圧が大きいほどパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁が制御される。これにより、所定の目標上限速度に対してパイロット圧の上限が所定値に固定される場合と比べて、駆動回路圧が小さくなることを抑えることができる。従って、低速度範囲での上限速度可変制御中に牽引力が低下することを抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る作業車両の側面図。 作業車両に搭載された油圧駆動機構の構成を示すブロック図。 エンジンの出力トルク線を示す図。 ポンプ容量−駆動回路圧特性の一例を示す図。 モータ容量−駆動回路圧特性の一例を示す図。 作業車両の車速−牽引力線図の一例を示す図。 パイロット圧制限情報の一例を示す図。 駆動回路圧に応じたポンプ容量−駆動回路圧特性の変化を示す図。 第2のポンプ容量−駆動回路圧特性を示す図。 上限車速可変制御の処理を示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態に係る作業車両50について、図面を用いて説明する。図1は、作業車両50の側面図である。作業車両50は、ホイールローダである。作業車両50は、車体51と、作業機52と、複数のタイヤ55と、キャブ56と、を備えている。作業機52は、車体51の前部に装着されている。作業機52は、ブーム53とバケット54とリフトシリンダ19とバケットシリンダ26とを有する。ブーム53は、バケット54を持ち上げるための部材である。ブーム53は、リフトシリンダ19によって駆動される。バケット54は、ブーム53の先端に取り付けられている。バケット54は、バケットシリンダ26によってダンプおよびチルトされる。キャブ56は、車体51上に載置されている。
図2は、作業車両50に搭載された油圧駆動機構30の構成を示すブロック図である。油圧駆動機構30は、主として、エンジン1、第1油圧ポンプ4、第2油圧ポンプ2、チャージポンプ3、走行用油圧モータ10、エンジンコントローラ12a、車体コントローラ12、駆動油圧回路20を有している。油圧駆動機構30では、第1油圧ポンプ4がエンジン1によって駆動されることにより作動油を吐出する。走行用油圧モータ10が、第1油圧ポンプ4から吐出された作動油によって駆動される。そして、走行用油圧モータ10が上述したタイヤ55を回転駆動することにより、作業車両50が走行する。すなわち、油圧駆動機構30では、いわゆる1ポンプ1モータのHSTシステムが採用されている。
エンジン1は、ディーゼル式のエンジンであり、エンジン1で発生した出力トルクが、第2油圧ポンプ2、チャージポンプ3、第1油圧ポンプ4等に伝達される。油圧駆動機構30には、エンジン1の実回転速度を検出するエンジン回転速度センサ1aが設けられている。また、エンジン1には、燃料噴射装置1bが接続されている。後述するエンジンコントローラ12aは、燃料噴射装置1bを制御することにより、エンジン1の出力トルク(以下、「エンジントルク」と呼ぶ)と回転速度とを制御する。
第1油圧ポンプ4は、エンジン1によって駆動されることにより作動油を吐出する。第1油圧ポンプ4は、可変容量型の油圧ポンプである。第1油圧ポンプ4から吐出された作動油は、駆動油圧回路20を通って走行用油圧モータ10へと送られる。具体的には、駆動油圧回路20は、第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとを有する。作動油が、第1油圧ポンプ4から第1駆動回路20aを介して走行用油圧モータ10に供給されることにより、走行用油圧モータ10が一方向(例えば、前進方向)に駆動される。作動油が、第1油圧ポンプ4から第2駆動回路20bを介して走行用油圧モータ10に供給されることにより、走行用油圧モータ10が他方向(例えば、後進方向)に駆動される。
駆動油圧回路20には、駆動回路圧検出部17が設けられている。駆動回路圧検出部17は、第1駆動回路20a又は第2駆動回路20bを介して走行用油圧モータ10に供給される作動油の圧力(以下、「駆動回路圧」)を検出する。具体的には、駆動回路圧検出部17は、第1駆動回路圧センサ17aと第2駆動回路圧センサ17bとを有する。第1駆動回路圧センサ17aは、第1駆動回路20aの油圧を検出する。第2駆動回路圧センサ17bは、第2駆動回路20bの油圧を検出する。第1駆動回路圧センサ17aと第2駆動回路圧センサ17bとは、検出信号を車体コントローラ12に送る。また、第1油圧ポンプ4には、第1油圧ポンプ4の吐出方向を制御するためのFR切換部5とポンプ容量制御シリンダ6とが接続されている。
FR切換部5は、車体コントローラ12からの制御信号に基づいてポンプ容量制御シリンダ6への作動油の供給方向を切り換える電磁制御弁である。FR切換部5は、ポンプ容量制御シリンダ6への作動油の供給方向を切り換えることにより、第1油圧ポンプ4の吐出方向を切り換える。具体的には、FR切換部5は、第1油圧ポンプ4の吐出方向を第1駆動回路20aへの吐出と第2駆動回路20bへの吐出とに切り換える。これにより、走行用油圧モータ10の駆動方向が変更される。ポンプ容量制御シリンダ6は、ポンプパイロット回路32を介して作動油を供給されることにより駆動され、第1油圧ポンプ4の傾転角を変更する。これにより、ポンプ容量制御シリンダ6は、第1油圧ポンプ4の容量(以下、「ポンプ容量」と呼ぶ)を変更する。
ポンプパイロット回路32には、パイロット圧制御弁7が配置されている。パイロット圧制御部7は、ポンプ容量制御シリンダ6をポンプパイロット回路32と作動油タンクとのいずれかに接続する。パイロット圧制御弁7は、車体コントローラ12からの制御信号に基づいて制御される電磁制御弁である。パイロット圧制御弁7は、ポンプ容量制御シリンダ6内の作動油の圧力を制御することにより、第1油圧ポンプ4の傾転角を調整する。このように、パイロット圧制御弁7は、ポンプ容量制御シリンダ6内の作動油の圧力(以下、「ポンプパイロット圧」と呼ぶ)を制御する。
ポンプパイロット回路32は、カットオフ弁47を介してチャージ回路33と作動油タンクとに接続されている。カットオフ弁47のパイロットポートは、シャトル弁46を介して第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとに接続されている。シャトル弁46は、第1駆動回路20aの油圧と第2駆動回路20bの油圧とのうち大きい方をカットオフ弁47のパイロットポートに導入する。すなわち、カットオフ弁47のパイロットポートには駆動回路圧が印加される。カットオフ弁47は、駆動回路圧が所定のカットオフ圧より低いときには、チャージ回路33とポンプパイロット回路32とを連通させる。これにより、作動油がチャージ回路33からポンプパイロット回路32に供給される。カットオフ弁47は、駆動回路圧が所定のカットオフ圧以上になると、ポンプパイロット回路32を作動油タンクに連通させて、ポンプパイロット回路32の作動油を作動油タンクに逃がす。これにより、ポンプパイロット回路32の油圧、すなわち、ポンプパイロット圧が低下することにより、ポンプ容量が低減され、駆動回路圧の上昇が抑えられる。
チャージポンプ3は、エンジン1によって駆動され、駆動油圧回路20へと作動油を供給するためのポンプである。チャージポンプ3は、チャージ回路33に接続されている。チャージポンプ3は、チャージ回路33を介してポンプパイロット回路32に作動油を供給する。すなわち、チャージポンプ3は、ポンプ容量制御シリンダ6を駆動するための作動油を供給するパイロット油圧源に相当する。チャージ回路33は、第1チェック弁41を介して第1駆動回路20aに接続されている。第1チェック弁41は、チャージ回路33から第1駆動回路20aへの作動油の流れを許容するが、第1駆動回路20aからチャージ回路33への作動油の流れを規制する。また、チャージ回路33は、第2チェック弁42を介して第2駆動回路20bに接続されている。第2チェック弁42は、チャージ回路33から第2駆動回路20bへの作動油の流れを許容するが、第2駆動回路20bからチャージ回路33への作動油の流れを規制する。また、チャージ回路33は、第1リリーフ弁43を介して第1駆動回路20aに接続されている。第1リリーフ弁43は、第1駆動回路20aの油圧が所定の圧力より大きくなったときに開かれる。チャージ回路33は、第2リリーフ弁44を介して第2駆動回路20bに接続されている。第2リリーフ弁44は、第2駆動回路20bの油圧が所定の圧力より大きくなったときに開かれる。また、チャージ回路33は、低圧リリーフ弁45を介して作動油タンクに接続されている。低圧リリーフ弁45は、チャージ回路33の油圧が所定のリリーフ圧より大きくなったときに開かれる。これにより、駆動回路圧が所定のリリーフ圧を越えないように調整される。また、低圧リリーフ弁45の所定のリリーフ圧は、第1リリーフ弁43のリリーフ圧、及び、第2リリーフ弁44のリリーフ圧と比べて、かなり低い。従って、駆動回路圧がチャージ回路33の油圧より低くなったときには、第1チェック弁41又は第2チェック弁42を介して、作動油がチャージ回路33から駆動油圧回路20へ供給される。
第2油圧ポンプ2は、エンジン1によって駆動される。第2油圧ポンプ2から吐出された作動油は、作業機用油圧回路31を介してリフトシリンダ19に供給される。これにより、作業機52が駆動される。第2油圧ポンプ2の吐出圧は、吐出圧センサ39によって検出される。吐出圧センサ39は、検出信号を車体コントローラ12に送る。作業機用油圧回路31には、作業機制御弁18が設けられている。作業機制御弁18は、作業機操作部材23の操作量に応じて駆動される。作業機制御弁18は、パイロットポートに印加されるパイロット圧に応じて、リフトシリンダ19に供給される作動油の流量を制御する。作業機制御弁18のパイロットポートに印加されるパイロット圧は、作業機操作部材23のパイロット弁23aによって制御される。パイロット弁23aは、作業機操作部材23の操作量に応じたパイロット圧を作業機制御弁18のパイロットポートに印加する。これにより、作業機操作部材23の操作量に応じてリフトシリンダ19が制御される。作業機制御弁18のパイロットポートに印加されるパイロット圧は、PPC圧センサ21によって検出される。また、リフトシリンダ19に供給される作動油の圧力は、ブーム圧センサ22によって検出される。PPC圧センサ21及びブーム圧センサ22は、検出信号を車体コントローラ12に送る。また、リフトシリンダ19には、ブーム角度検出部38が設けられている。ブーム角度検出部38は、後述するブーム角度を検出する。ブーム角度検出部38は、ブーム53の回転角度を検出するセンサである。或いは、ブーム角度検出部38は、リフトシリンダ19のストローク量を検出し、ストローク量からブーム53の回転角度が演算されてもよい。ブーム角度検出部38は、検出信号を車体コントローラ12に送る。なお、バケットシリンダ26も、リフトシリンダ19と同様に、制御弁によって制御されるが、図2においては図示を省略している。
走行用油圧モータ10は、可変容量型の油圧モータである。走行用油圧モータ10は、第1油圧ポンプ4から吐出された作動油によって駆動され、走行のための駆動力を生じさせる。走行用油圧モータ10には、モータシリンダ11aと、モータ容量制御部11bとが設けられている。モータシリンダ11aは、走行用油圧モータ10の傾転角を変更する。モータ容量制御部11bは、車体コントローラ12からの制御信号に基づいて制御される電磁制御弁である。モータ容量制御部11bは、車体コントローラ12からの制御信号に基づいてモータシリンダ11aを制御する。これにより、モータ容量制御部11bは、走行用油圧モータ10の容量(以下、「モータ容量」と呼ぶ)を変更する。モータシリンダ11aとモータ容量制御部11bとは、モータパイロット回路34に接続されている。モータパイロット回路34は、チェック弁48を介して第1駆動回路20aに接続されている。チェック弁48は、第1駆動回路20aからモータパイロット回路34への作動油の流れを許容するが、モータパイロット回路34から第1駆動回路20aへの作動油の流れを規制する。モータパイロット回路34は、チェック弁49を介して第2駆動回路20bに接続されている。チェック弁49は、第2駆動回路20bからモータパイロット回路34への作動油の流れを許容するが、モータパイロット回路34から第2駆動回路20bへの作動油の流れを規制する。チェック弁48,49により、第1駆動回路20aと第2駆動回路20bとのうち大きい方の油圧、すなわち駆動回路圧の作動油が、モータパイロット回路34に供給される。モータ容量制御部11bは、車体コントローラ12からの制御信号に基づいて、モータパイロット回路34からモータシリンダ11aへの作動油の供給方向および供給流量を切り換える。これにより、車体コントローラ12は、モータ容量を任意に変えることができる。また、走行用油圧モータ10の上限容量及び下限容量を任意に設定することができる。
油圧駆動機構30には、車速センサ16が設けられている。車速センサ16は、車速を検出する。車速センサ16は、検出信号を車体コントローラ12に送る。車速センサ16は、例えば、タイヤ駆動軸の回転速度を検出することにより、車速を検出する。
作業車両50は、アクセル操作部材13aと、前後進切換操作部材14と、上限速度設定部15と、インチング操作部27とを備えている。
アクセル操作部材13aは、オペレータがエンジン1の目標回転速度を設定するための部材である。アクセル操作部材13aは、例えばアクセルペダルであり、オペレータによって操作される。アクセル操作部材13aは、アクセル操作量センサ13と接続されている。アクセル操作量センサ13は、ポテンショメータなどで構成されている。アクセル操作量センサ13は、アクセル操作部材13aの操作量(以下、「アクセル操作量」と呼ぶ)を示す検出信号をエンジンコントローラ12aへと送る。オペレータは、アクセル操作量を調整することによって、エンジン1の回転速度を制御することができる。
前後進切換操作部材14は、オペレータによって操作され、前進位置と後進位置と中立位置とに切り換えられる。前後進切換操作部材14は、前後進切換操作部材14の位置を示す検出信号を車体コントローラ12に送る。オペレータは、前後進切換操作部材14を操作することによって、作業車両50の前進と後進とを切り換えることができる。
上限速度設定部15は、例えばダイヤル型のスイッチである。上限速度設定部15は、オペレータによって操作され、上限速度可変制御の目標上限速度を設定するために操作される。上限速度可変制御は、作業車両50の車速の上限を最高車速よりも低い速度に制限する制御である。上限速度設定部15は、選択された目標上限速度を示す検出信号を車体コントローラ12に送る。
インチング操作部27は、インチング操作部材27aとインチング操作センサ27bとを有する。インチング操作部材27aは、オペレータによって操作される。インチング操作部材27aは例えばペダルである。インチング操作部材27aは、後述するようにインチング操作の機能と、プレーキ操作の機能とを兼ねる。インチング操作センサ27bは、インチング操作部材27aの操作量(以下、「インチング操作量」と呼ぶ)を検出して、検出信号を車体コントローラ12に送信する。インチング操作部材27aが操作されと、車体コントローラ12は、インチング操作センサ27bからの検出信号に基づいてパイロット圧制御弁7を制御する。車体コントローラ12は、インチング操作部材27aの操作量に応じてポンプパイロット回路32の油圧を低下させる。これにより、第1油圧ポンプ4へのポンプパイロット圧が低下して、第1油圧ポンプ4のポンプ容量が低減される。その結果、駆動回路圧が低下して、走行用油圧モータ10の回転速度が低下する。インチング操作部27は、例えば、エンジン1の回転速度を上昇させたいが走行速度の上昇は抑えたいときなどにおいて使用される。すなわち、アクセル操作部材13aの操作によってエンジン1の回転速度を上昇させると、ポンプパイロット回路32の油圧も上昇する。このとき、インチング操作部材27aを操作することにより、ポンプパイロット回路32の油圧の上昇を制御することができる。これにより、ポンプ容量の増大を抑え、走行用油圧モータ10の回転速度の上昇を抑えることができる。言い換えれば、インチング操作部材27aは、エンジン回転速度を低下させずに、車速を低減させるために操作される。
また、インチング操作部材27aには、ブレーキ弁28が連結されている。ブレーキ弁28は、油圧ブレーキ装置29への作動油の供給を制御する。インチング操作部材27aは油圧ブレーキ装置29の操作部材を兼ねている。インチング操作部材27aの操作量が所定量に達するまではインチング操作センサ27bからの検出信号に基づいて上述したインチング操作のみが行われる。そして、インチング操作部材27aの操作量が所定量に達すると、ブレーキ弁28の操作が開始され、これにより油圧ブレーキ装置29において制動力が発生する。インチング操作部材27aの操作量が所定量以上では、インチング操作部材27aの操作量に応じて油圧ブレーキ装置29の制動力が制御される。
エンジンコントローラ12aは、CPUなどの演算装置や各種のメモリなどを有する電子制御部である。エンジンコントローラ12aは、設定された目標回転速度が得られるように、エンジン1を制御する。図3にエンジン1の出力トルク線を示す。エンジン1の出力トルク線は、エンジン1の回転速度と、各回転速度においてエンジン1が出力できる最大のエンジントルクの大きさとの関係を示す。図3において、実線L100は、アクセル操作量が100%であるときのエンジン出力トルク線を示している。このエンジン出力トルク線は、例えばエンジン1の定格又は最大のパワー出力に相当する。なお、アクセル操作量が100%とは、アクセル操作部材13aが最大に操作されている状態を意味する。また、破線L75は、アクセル操作量が75%であるときのエンジン出力トルク線を示している。エンジンコントローラ12aは、エンジントルクがエンジン出力トルク線以下となるようにエンジン1の出力を制御する。このエンジン1の出力の制御は、例えば、エンジン1への燃料噴射量の上限値を制御することにより行われる。
車体コントローラ12は、CPUなどの演算装置や各種のメモリなどを有する電子制御部である。車体コントローラ12は、各検出部からの検出信号に基づいて各制御弁を電子制御することにより、ポンプ容量とモータ容量とを制御する。
具体的には、車体コントローラ12は、エンジン回転速度センサ1aが検出したエンジン回転速度に基づいて指令信号をパイロット圧制御弁7に出力する。これにより、ポンプ容量と駆動回路圧との関係が規定される。図4に、ポンプ容量−駆動回路圧特性の一例を示す。ポンプ容量−駆動回路圧特性は、ポンプ容量と駆動回路圧との関係を示す。図中のL11〜L18は、エンジン回転速度に応じて変更されるポンプ容量−駆動回路圧特性を示すラインである。具体的には、車体コントローラ12が、エンジン回転速度に基づいてパイロット圧制御弁7の流量を制御することにより、ポンプ容量−駆動回路圧特性がL11〜L18に変更される。これにより、ポンプ容量がエンジン回転速度及び駆動回路圧に対応した大きさに制御される。なお、ポンプ容量−駆動回路圧特性L11−L18の傾きは、作業車両50の機械的な構造によって定まるものである。例えば、ポンプ容量−駆動回路圧特性L11−L18の傾きは、第1油圧ポンプ4の機械的特性によって定まる。
車体コントローラ12は、エンジン回転速度センサ1aおよび駆動回路圧検出部17からの検出信号を処理して、モータ容量の指令信号をモータ容量制御部11bに出力する。ここでは、車体コントローラ12は、車体コントローラ12に記憶されているモータ容量−駆動回路圧特性を参照して、エンジン回転速度の値と駆動回路圧の値とからモータ容量を設定する。車体コントローラ12は、この設定したモータ容量に対応する傾転角の変更指令をモータ容量制御部11bに出力する。
図5に、モータ容量−駆動回路圧特性の一例を示す。図中の実線L21は、エンジン回転速度がある値の状態における、駆動回路圧に対するモータ容量を定めたラインである。ここでのモータ容量は、走行用油圧モータ10の傾転角に対応している。駆動回路圧がある一定の値以下の場合までは傾転角は最小(Min)である。その後、駆動回路圧の上昇に伴って傾転角も次第に大きくなる(実線の傾斜部分L22)。そして、傾転角が最大(Max)となった後は、駆動回路圧が上昇しても傾転角は最大傾転角(Max)を維持する。傾斜部分L22は、駆動回路圧の目標圧力を規定している。すなわち、車体コントローラ12は、駆動回路圧が目標圧力よりも大きくなるとモータ容量を増大させる。また、駆動回路圧が、目標圧力よりも小さくなるとモータ容量を低減させる。目標圧力は、エンジン回転速度に応じて定められる。すなわち、図5に示す傾斜部分L22は、エンジン回転速度の増減に応じて上下するように設定される。具体的には、傾斜部分L22は、エンジン回転速度が低ければ、駆動回路圧がより低い状態から傾転角が大きくなり、駆動回路圧がより低い状態で最大傾転角に達するように制御される(図5における下側の破線の傾斜部分L23参照)。反対にエンジン回転速度が高ければ、駆動回路圧がより高くなるまで最小傾転角(Min)を維持し、駆動回路圧がより高い状態で最大傾転角(Max)に達するように制御される(図5における上側の破線の傾斜部分L24参照)。これにより、図6に示すように、作業車両50は、牽引力と車速とが無段階に変化して、車速ゼロから最高速度まで変速操作なく自動的に変速することができる。なお、図5において傾斜部分L22は、理解の容易のために、傾斜を強調して示しているが、実際には略水平である。従って、駆動回路圧が、目標圧力に達すると、モータ容量は、最小値(或いは最小制限値)と、最大値(或いは最大制限値)との間で切り換わる。ただし、駆動回路圧が目標圧力に達したときに即時に指令値が変更されるのではなく、時間遅れが生じる。この時間遅れが、傾斜部L22が存在する理由である。
車体コントローラ12は、上限速度設定部15が操作されることにより、上限速度可変制御を実行する。図2に示すように、車体コントローラ12は、速度範囲判定部61と上限速度制御部62とを有する。速度範囲判定部61は、上限速度設定部15によって設定された目標上限速度が、通常速度範囲内であるのか、又は、低速度範囲内であるのかを判定する。
目標上限速度が通常速度範囲内であるときには、上限速度制御部62は、走行用油圧モータ10の下限容量を最小容量Minから最大容量Maxまでの間で変更することによって、車速の上限を変更する。例えば、図5に示すように、下限容量を最小容量MinからMa,Mb,Mcのいずれかに変更するように、上限速度制御部62は、モータ容量制御部11bに指令信号を出力する。下限容量がMaに変更されると、車速−牽引力特性は図6のラインFaのように変化する。これにより、車速の上限が、速度Vaに変更される。すなわち、作業車両50の最高速度Vmaxと比べて、車速の上限が低下する。下限容量がMbに変更されると、車速−牽引力特性はラインFbのように変化する。これにより、車速の上限が、Vaよりも小さい速度Vbに変更される。また、下限容量がMcに変更されると、車速−牽引力特性はラインFcのように変化する。これにより、車速の上限が、Vbよりも小さい速度Vcに変更される。従って、上限速度設定部15によって目標上限速度がVaに設定されたときには、上限速度制御部62は、下限容量がMaになるように、モータ容量制御部11bを制御する。上限速度設定部15によって目標上限速度がVbに設定されたときには、上限速度制御部62は、下限容量がMbになるように、モータ容量制御部11bを制御する。上限速度設定部15によって目標上限速度がVcに設定されたときには、上限速度制御部62は、下限容量がMcになるように、モータ容量制御部11bを制御する。
走行用油圧モータ10の下限容量が最大容量Maxに設定されると、モータ容量は、最大容量Maxに固定される。走行用油圧モータ10の下限容量が最大容量Maxに設定されたときの車速−牽引力特性は、図6においてFdで示される。図6に示すように、走行用油圧モータ10の下限容量が最大容量Maxに設定されたときの車速の上限は、Vdである。図6に示すように、通常速度範囲は、Vd以上Vmax以下の範囲である。すなわち、通常速度範囲は、モータ容量の下限を最小容量Minから最大容量Maxまでの間で変更することによって車速の上限を変更可能な速度の範囲である。一方、低速度範囲は、通常速度範囲よりも小さな速度範囲である。すなわち、低速度範囲は、モータ容量の下限を変更することでは車速の上限を変更することが不可能な速度の範囲である。具体的には、低速度範囲は、上述した車速Vdよりも小さな速度の範囲である。以下、速度Vdを、閾速度Vdと呼ぶ。
目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部62は、パイロット圧制御弁7によってポンプパイロット圧の上限を目標上限速度に応じて制御する。図7は、目標上限速度と駆動回路圧とパイロット圧制限率との関係を示すパイロット圧制限情報の一例を示している。パイロット圧制限情報は、車体コントローラ12に記憶されている。パイロット圧制限情報は、テーブル或いはマップなどの形式で車体コントローラ12に記憶されている。パイロット圧制限率は、上限速度可変制御におけるポンプパイロット圧の上限に対応している。ポンプパイロット圧は、パイロット圧制御弁7を制御することによって設定される。
図7において、L1は、駆動回路圧がP1であるときの目標上限速度とパイロット圧制限率との関係を示している。L2は、駆動回路圧がP1より大きいP2であるときの目標上限速度とパイロット圧制限率との関係を示している。L3は、駆動回路圧がP2より大きいP3であるときの目標上限速度とパイロット圧制限率との関係を示している。図7に示すように、パイロット圧制限情報では、駆動回路圧を一定とした場合、目標上限速度が大きいほど、パイロット圧制限率は大きくなる。従って、上限速度制御部62は、目標上限速度が大きくなるほどポンプパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁7を制御する。なお、目標上限速度が上述した閾速度Vd以上であるときには、パイロット圧制限率は100%である。すなわち、目標上限速度が通常速度範囲内であるときには、上限速度制御部62は、ポンプパイロット圧の上限の制限を行わない。
パイロット圧制限情報では、目標上限速度を一定とした場合、駆動回路圧が大きいほどパイロット圧制限率が大きくなる。例えば、目標上限速度がVfであり且つ駆動回路圧がP1であるときのパイロット圧制限率はR1である。目標上限速度がVfであり且つ駆動回路圧がP2であるときのパイロット圧制限率はR1より大きいR2である。目標上限速度がVfであり且つ駆動回路圧がP3であるときのパイロット圧制限率はR2より大きいR3である。従って、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部62は、駆動回路圧が大きいほどポンプパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁7を制御する。
図8は、駆動回路圧に応じたポンプ容量−駆動回路圧特性の変化を示している。具体的には、図8(a)は、目標上限速度がVfであり且つ駆動回路圧がP1であるとき(図7のA1参照)、すなわち、パイロット圧制限率がR1に設定されたときのポンプ容量−駆動回路圧特性を示している。このとき、L16で示すポンプ容量−駆動回路圧特性が得られる。また、駆動回路圧はP1である。従って、図8(a)において、点B1で示すような、ポンプ容量と駆動回路圧との関係が得られる。ライン図8(b)は、目標上限速度がVfであり且つ駆動回路圧がP2であるとき(図7のA2参照)、すなわち、パイロット圧制限率がR2に設定されたときのポンプ容量−駆動回路圧特性を示している。このとき、L15で示すポンプ容量−駆動回路圧特性が得られる。また、駆動回路圧はP2である。従って、図8(b)において点B2で示すような、ポンプ容量と駆動回路圧との関係が得られる。図8(c)は、目標上限速度がVfであり且つ駆動回路圧がP3であるとき(図7のA3参照)、すなわち、パイロット圧制限率がR3に設定されたときのポンプ容量−駆動回路圧特性を示している。このとき、L14’で示すポンプ容量−駆動回路圧特性が得られる。また、駆動回路圧はP3である。従って、図8(c)において点B3で示すような、ポンプ容量と駆動回路圧との関係が得られる。
図8に示す点B1,B2,B3のように、駆動回路圧の増大に応じてパイロット圧制限率を増大させたときのポンプ容量と駆動回路圧との関係を重ね合わせると、図9においてLfで示すポンプ容量−駆動回路圧特性となる。同様に、目標上限速度がVeであるときに、駆動回路圧の増大に応じてパイロット圧制限率を増大させたときのポンプ容量と駆動回路圧との関係は、図9においてLeで示される。図9においてLe,Lfで示すように、駆動回路圧の増大に応じてパイロット圧制限率を増大させることによって得られるポンプ容量と駆動回路圧との関係を第2のポンプ容量−駆動回路圧特性と呼ぶ。また、上述したL11−L18のように、ポンプパイロット圧をそれぞれ一定としたときに得られるポンプ容量−駆動回路圧特性を第1のポンプ容量−駆動回路圧特性と呼ぶ。従って、ポンプパイロット圧の上限が所定のパイロット圧力値に固定されているときには、ポンプ容量と駆動回路圧とは、所定のパイロット圧力値に対応する第1のポンプ容量−駆動回路圧特性を上限として変化する。上述したように、第1のポンプ容量−駆動回路圧特性L11−L18の傾きは、作業車両50の機械的な構造によって定まる。図9に示すように、第2のポンプ容量−駆動回路圧特性Le,Lfの傾きは、第1のポンプ容量−駆動回路圧特性L11−L18の傾きよりも急である。すなわち、第2のポンプ容量−駆動回路圧特性でのポンプ容量に対する駆動回路圧の変化率の絶対値は、第1のポンプ容量−駆動回路圧特性でのポンプ容量に対する駆動回路圧の変化率の絶対値よりも大きい。従って、駆動回路圧の上昇時にポンプ容量の低下を抑えることができる。
なお、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部62は、ポンプパイロット圧の上限を所定の第1パイロット圧より小さい値に設定する。第1パイロット圧は、駆動回路圧が平地走行時の負荷相当の圧力P’であるときのポンプ容量が油圧ポンプの最大容量Qmaxになり、駆動回路圧がP’より大きくなるとポンプ容量が油圧ポンプの最大容量Qmaxよりも小さくなる第1ポンプ容量−駆動回路圧特性が得られるポンプパイロット圧である。すなわち、第1パイロット圧は、図9の第1のポンプ容量−駆動回路圧特性L13が得られるポンプパイロット圧である。ポンプパイロット圧の上限を第1パイロット圧よりも大きい範囲で低減させると、例えば、第1ポンプ容量−駆動回路圧特性の上限がL11からL12に変更される。このとき、図9に示すように、駆動回路圧がP’であるときには、第1ポンプ容量−駆動回路圧特性がL11からL12に変更されても、ポンプ容量の上限は第1油圧ポンプ4の最大容量Qmaxで変化しない(図9の点C1参照)。一方、上記のように、ポンプパイロット圧の上限を第1パイロット圧より小さい値に設定すると、例えば、第1ポンプ容量−駆動回路圧特性の上限がL12からL15に変更される。このとき、駆動回路圧がP’であれば、ポンプ容量の上限は、Q’に低減される(図9の点C2参照)。これにより、車速の上限を低減させることができる。なお、平地走行時の負荷相当の圧力P’は、例えば5MPa程度の値である。
図10は、上限速度可変制御の処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、上限速度設定部15が目標上限速度を設定する。上限速度設定部15は、オペレータの操作に基づいて、目標上限速度を設定する。上限速度設定部15は、オペレータによって設定された目標上限速度を示す検出信号を車体コントローラ12に送る。
ステップS2において、駆動回路圧検出部17が駆動回路圧を検出する。駆動回路圧検出部17は、検出された駆動回路圧を示す検出信号を車体コントローラ12に送る。
ステップS3において、速度範囲判定部61は、上限速度設定部15によって設定された目標上限速度Vtaが、上述した閾速度Vdより小さいかを判定する。すなわち、速度範囲判定部61は、目標上限速度Vtaが通常速度範囲内であるのか、又は、低速度範囲内であるのかを判定する。目標上限速度Vtaが、上述した閾速度Vdより小さいときには、ステップS4に進む。すなわち、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、ステップS4に進む。
ステップS4では、上限速度制御部62は、上述したようにポンプパイロット圧の上限を制御する。なお、モータ容量は、Maxに固定されている。具体的には、上限速度制御部62は、上述したパイロット圧制限情報に基づいて、目標上限速度と駆動回路圧とから、パイロット圧制限率を算出する。そして、上限速度制御部62は、パイロット圧制限率に対応する指令信号をパイロット圧制御弁7に送る。これにより、上限速度制御部62は、ポンプ容量と駆動回路圧とが上述した第2のポンプ容量−駆動回路圧特性に従って変化するように、駆動回路圧に応じてポンプパイロット圧の上限を変更する。
例えば、目標上限速度としてVfが設定されると、上限速度制御部62は、ポンプ容量と駆動回路圧とが図9に示す第2のポンプ容量−駆動回路圧特性Lfに従って変化するように、ポンプパイロット圧の上限を変更する。これにより、図6に示す車速−牽引力特性Ffが得られる。すなわち、車速の上限が、目標上限車速Vfに制限される。また、目標上限速度としてVeが設定されると、上限速度制御部62は、ポンプ容量と駆動回路圧とが図9に示す第2のポンプ容量−駆動回路圧特性Leに従って変化するように、ポンプパイロット圧の上限を変更する。これにより、図6に示す車速−牽引力特性Feが得られる。すなわち、車速の上限が、目標上限車速Veに制限される。
ステップS3において、目標上限速度Vtaが、上述した閾速度Vdより小さくないときには、ステップS5に進む。すなわち、目標上限速度が通常速度範囲内であるときには、ステップS5に進む。ステップS5では、上述したように走行用油圧モータ10の下限容量を制御する。これにより、設定された目標上限速度に応じて、図6に示す車速−牽引力特性Va,Vb,Vcが得られる。すなわち、車速の上限が目標上限車速Va,Vb,Vcに制限される。
本実施形態に係る作業車両では、上限速度制御部62は、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、パイロット圧制御弁7によってポンプパイロット圧の上限を目標上限速度に応じて制御する。これにより、モータ容量の制御では車速の上限を変更することができない低速度範囲においても、車速の上限を変更することができる。従って、従来の作業車両のようにインチング操作部材27aを操作することなく、低速度範囲での車速の上限の制限を容易に行うことができる。また、目標上限速度が低速度範囲内であるときには、上限速度制御部62は、駆動回路圧が大きいほどポンプパイロット圧の上限が大きくなるようにパイロット圧制御弁7を制御する。これにより、所定の目標上限速度に対してポンプパイロット圧の上限が所定値に固定される場合と比べて、駆動回路圧が小さくなることを抑えることができる。従って、低速度範囲での上限速度可変制御中に牽引力が低下することを抑えることができる。
例えば、ポンプパイロット圧の上限が、図9の第1ポンプ容量−駆動回路圧特性L16を規定する所定値に固定されると、駆動回路圧の上限はPfmax’となる。この場合、駆動回路圧は、低圧リリーフ弁45のリリーフ圧に相当する最大駆動回路圧Pmaxと比べて非常に小さくなる。この場合、図6の車速−牽引力特性Ff’で示すように、牽引力が大きく低下する。これに対して、図9の第2のポンプ容量−駆動回路圧特性Lfが得られるようにポンプパイロット圧の上限が制御されると、駆動回路圧の上限は、Pfmax’よりも大きいPfmaxとなる。この場合、図6の車速−牽引力特性Ffで示すように、牽引力の低下が抑えられる。
本実施形態に係る作業車両では、目標上限車速が通常車速範囲であるときには、上限速度制御部62は、パイロット圧制限率を100%に設定する。すなわち、上限速度制御部62は、パイロット圧制御弁7の開度の上限を全開とする。これにより、アクセル操作部材13a、或いは、インチング操作部材27aの操作による車速や走行負荷の調整に影響されずに、上限速度可変制御を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、作業車両としてホイールローダが例示されているが、HSTを搭載した他の作業車両であってもよい。
上記の実施形態では、1つの油圧ポンプと走行用油圧モータ10を含む1ポンプ1モータのHSTシステムを搭載した作業車両50を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、1つの第1油圧ポンプと2つの走行用油圧モータを含む、1ポンプ2モータのHSTシステムを搭載した作業車両に対して、本発明を適用してもよい。
上記の実施形態では、インチング操作部材27aは、ブレーキペダルを兼ねている。しかし、ブレーキペダルとは別の部材としてインチング操作部材が設けられてもよい。或いは、インチング操作部材27aが省略されてもよい。
上記の実施形態では、低速度範囲の目標上限速度としてVeとVfとが例示されているが、上限速度設定部15によって設定可能な低速度範囲の目標上限速度の数は2つに限らない。上限速度設定部15は、低速度範囲において3つ以上の目標上限速度を設定可能であってもよい。或いは、上限速度設定部15は、低速度範囲において1つの目標上限速度のみを設定可能であってもよい。或いは、上限速度設定部15は、低速度範囲において任意の速度を目標上限速度として設定可能であってもよい。上記の実施形態では、通常速度範囲の目標上限速度としてVa,Vb,Vc,Vdが例示されているが、上限速度設定部15によって設定可能な通常速度範囲の目標上限速度の数は4つに限らない。上限速度設定部15は、通常速度範囲において5つ以上の目標上限速度を設定可能であってもよい。或いは、上限速度設定部15は、通常速度範囲において3つ以下の目標上限速度を設定可能であってもよい。或いは、上限速度設定部15は、通常速度範囲において任意の速度を目標上限速度として設定可能であってもよい。
本発明によれば、低速度範囲での車速の上限の制限を容易に行うことができると共に、牽引力の低下を抑えることができる作業車両及び作業車両の制御方法を提供することができる。
1 エンジン
3 チャージポンプ
4 第1油圧ポンプ
6 ポンプ容量制御シリンダ
7 パイロット圧制御弁
10 走行用油圧モータ
11b モータ容量制御部
15 上限速度設定部
17 駆動回路圧検出部
50 作業車両
61 速度範囲判定部
62 上限速度制御部

Claims (6)

  1. エンジンと、
    前記エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される走行用油圧モータと、
    前記油圧ポンプの傾転角を変更することにより前記油圧ポンプのポンプ容量を変更するポンプ容量制御シリンダと、
    前記ポンプ容量制御シリンダを駆動するための作動油を供給するパイロット油圧源と、
    前記パイロット油圧源から前記ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力であるパイロット圧を制御するパイロット圧制御弁と、
    前記走行用油圧モータの傾転角を変更することにより前記走行用油圧モータのモータ容量を変更するモータ容量制御部と、
    前記走行用油圧モータに供給される作動油の圧力である駆動回路圧を検出する駆動回路圧検出部と、
    車速の上限を最高車速よりも低い速度に制限する上限速度可変制御において、目標上限速度を設定するための上限速度設定部と、
    前記目標上限速度が、前記モータ容量の下限を最小容量から最大容量までの間で変更することによって車速の上限を変更可能な通常速度範囲内であるのか、又は、前記通常速度範囲より低い低速度範囲内であるのかを判定する速度範囲判定部と、
    前記目標上限速度が前記通常速度範囲内であるときには、前記モータ容量制御部によって前記モータ容量の下限を前記目標上限速度に応じて制御し、前記目標上限速度が前記低速度範囲内であるときには、前記パイロット圧制御弁によって前記パイロット圧の上限を前記目標上限速度に応じて制御する上限速度制御部と、
    を備え、
    前記目標上限速度が前記低速度範囲内であるときには、前記上限速度制御部は、前記駆動回路圧が大きいほど前記パイロット圧の上限が大きくなるように前記パイロット圧制御弁を制御する、
    作業車両。
  2. 前記上限速度制御部は、前記目標上限速度が大きくなるほど前記パイロット圧の上限が大きくなるように前記パイロット圧制御弁を制御する、
    請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記目標上限速度が前記通常速度範囲内であるときには、前記上限速度制御部は、前記目標上限速度に応じた前記パイロット圧の上限の制限を行わない、
    請求項1又は2に記載の作業車両。
  4. 前記パイロット圧が所定のパイロット圧力値に固定されているときには、前記ポンプ容量と前記駆動回路圧とは、前記ポンプ容量と前記駆動回路圧との関係を規定する第1のポンプ容量−駆動回路圧特性に従って変化し、
    前記目標上限速度が前記低速度範囲内であるときには、前記上限速度制御部は、前記ポンプ容量と前記駆動回路圧とが第2のポンプ容量−駆動回路圧特性に従って変化するように、前記駆動回路圧に応じて前記パイロット圧の上限を変更し、
    前記第2のポンプ容量−駆動回路圧特性での前記ポンプ容量に対する前記駆動回路圧の変化率の絶対値は、前記第1のポンプ容量−駆動回路圧特性での前記ポンプ容量に対する前記駆動回路圧の変化率の絶対値よりも大きい、
    請求項1から3のいずれかに記載の作業車両。
  5. 前記目標上限速度が前記低速度範囲内であるときには、前記上限速度制御部は、前記パイロット圧の上限を所定の第1パイロット圧より小さい値に設定し、
    前記第1パイロット圧は、前記駆動回路圧が平地走行時の負荷相当の圧力であるときの前記ポンプ容量が前記油圧ポンプの最大容量になり、前記駆動回路圧が平地走行時の負荷相当の圧力より大きくなると前記ポンプ容量が前記油圧ポンプの最大容量よりも小さくなる前記第1のポンプ容量−駆動回路圧特性が得られるパイロット圧である、
    請求項4に記載の作業車両。
  6. エンジンと、
    前記エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される走行用油圧モータと、
    前記油圧ポンプの傾転角を変更することにより前記油圧ポンプのポンプ容量を変更するポンプ容量制御シリンダと、
    前記ポンプ容量制御シリンダを駆動するための作動油を供給するパイロット油圧源と、
    前記パイロット油圧源から前記ポンプ容量制御シリンダに供給される作動油の圧力であるパイロット圧を制御するパイロット圧制御弁と、
    前記走行用油圧モータの傾転角を変更することにより前記走行用油圧モータのモータ容量を変更するモータ容量制御部と、
    前記走行用油圧モータに供給される作動油の圧力である駆動回路圧を検出する駆動回路圧検出部と、
    車速の上限を最高車速よりも低い速度に制限する上限速度可変制御において、目標上限速度を設定するための上限速度設定部と、
    を備える作業車両の制御方法であって、
    前記目標上限速度が、前記モータ容量の下限を最小容量から最大容量までの間で変更することによって車速の上限を変更可能な通常速度範囲内であるのか、又は、前記通常速度範囲より低い低速度範囲内であるのかを判定するステップと、
    前記目標上限速度が前記通常速度範囲内であるときに、前記モータ容量制御部によって前記モータ容量の下限を前記目標上限速度に応じて制御するステップと、
    前記目標上限速度が前記低速度範囲内であるときに、前記パイロット圧制御弁によって前記パイロット圧の上限を前記目標上限速度に応じて制御し、前記駆動回路圧が大きいほど前記パイロット圧の上限が大きくなるように前記パイロット圧制御弁を制御するステップと、
    を備える作業車両の制御方法。
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