JP5091151B2 - 赤外線ランプ加熱式鋳造装置および鋳造方法 - Google Patents

赤外線ランプ加熱式鋳造装置および鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、歯科技工分野や宝飾加工分野における鋳造装置およびその鋳造方法に関するものである。
歯科技工に用いられている主な鋳造装置を融解熱源の種類で大別すると、バーナー加熱方式、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、アーク加熱方式等がある。
バーナー加熱方式では、アセチレンや都市ガス等の可燃ガスと空気および酸素を混合燃焼できるバーナーの火炎を利用して合金を融解する。
抵抗加熱方式では、垂直な有底円筒状の耐熱性セラミック製部品と、その円筒部と底部を囲繞するように配設された電熱ヒーターとを組み合わせて加熱炉を構成する。さらに、この耐熱性セラミック製部品の円筒の中には、有底円筒状の耐熱性セラミックまたは黒鉛加工品のタンマン管が挿入され、交換可能なルツボとして使用する。そして、タンマン管内部に合金を入れた後に、前記電熱ヒーターに通電し、炉体とタンマン管を加熱し、合金を融解する。
高周波誘導加熱方式では、水冷式銅管でできた高周波誘導コイルの中央にセラミック製ルツボを設け、このセラミック製ルツボの中に合金を入れ、コイルに高周波電流を流して電磁誘導を作用させて、合金内部に励起した渦電流で自己発熱する原理を利用して合金を融解する。
アーク加熱方式では、工業用のTIGアーク溶接電源等を応用し、プラス極側に接続されたルツボの内面底部から外部に貫通電極を持つ非導電性ルツボ、または、電極は付属していない黒鉛加工品や銅製の導電性ルツボに合金を置き、ルツボの上方に設けたマイナス極の放電電極と合金の間に発生させたアーク放電の輻射熱を利用して合金を融解する。
また、鋳造方式としては、遠心鋳造方式、全体加圧鋳造方式、吸引加圧鋳造方式等が実用化されている。
遠心鋳造方式とは、鋳込み口を回転の中心方向に向けた鋳型を回転アームの端に固定して、鋳込み口に隣接したルツボの上に載置した合金をバーナー加熱方式で融解し、融解完了直後に回転アームを始動させ、遠心力を利用して溶湯を鋳型に移行させて鋳込む方式である。なお、バーナーの火炎を熱源とする代わりに高周波誘導加熱方式を導入した装置もある。鋳造後は鋳型を回転アームから取り外し、鋳型を室温近くまで冷却させてから、鋳型を慎重に割って鋳造物を取り出す。
全体加圧鋳造方式とは、密閉装置内で抵抗加熱方式または高周波誘導加熱方式またはアーク加熱方式で合金を融解し、密閉装置全体を80〜200度傾斜または反転させたり、密閉装置を傾斜または反転させずに内部のルツボだけを傾けたり、分割式ルツボの底を開ける。これにより、高温に保たれた鋳型の鋳込み口に溶湯を移行させた後、鋳込み口を含む鋳型周囲の空隙に圧縮空気または不活性ガスを急激に注入させる。このとき、鋳型材の通気性により鋳型内部に浸透する圧力上昇よりも、鋳込み口に直接加わる圧力上昇が早いため、鋳込み口の溶湯が鋳型空洞細部に鋳込まれる。そして、溶湯凝固後に容器内の圧力を外部に放出して鋳造する方式である。なお、鋳造後は密閉装置内から鋳型を取り出し、鋳型を冷却させ鋳型を割って鋳造物を取り出す。
吸引加圧鋳造方式とは、概ね全体加圧鋳造方式と類似した方式であり、溶湯を移行させた後、鋳込み口を含む鋳型周囲の空隙に圧縮空気または不活性ガスを急激に注入させると同時に、シールされた鋳型の底面を減圧または吸引して、鋳型内部の通気方向を一方向に整えることで鋳造性能を向上させようとする方式である。なお、鋳造後は、前記と同様に、鋳型から鋳造物を取り出す。
このようにして鋳造され、鋳型から取り出された鋳造物は、歯牙再現に必要な部位の表面を研磨および清掃した後、付属している鋳込み口や湯道を切断および除去し、切断面を研磨仕上げして補綴物が完成する。
一方、歯科用の鋳造装置に使用される合金には、融点が600℃程度の銀合金系合金から、融点が1000℃前後の貴金属系合金、更に融点が1400℃程度のコバルト・クロム系合金に至るまで広範な種類の歯科鋳造用合金がある。そのため、歯科用鋳造装置には、何れの合金でも融解できる性能が求められる。また、融解量も比重16程度の貴金属合金を例にした場合は、重量換算で最低5g〜150gを超える範囲で極力酸化膜を伴わない良好な融解状態が得られることや、融解中の合金の状態が目視観察可能で、しかも数十秒から数分以内の短時間で融解完了できる性能が求められている。
そして、本発明の鋳造装置に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開2001−355970号公報(公開日:2001.12.26) 実公昭52−039053号公報(公告日:1977.09.05) 実開昭63−032511号公報(公開日:1988.03.02) 特開平6−126422号公報(公開日:1994.05.10) 実開平7−22710号公報(公開日:1995.04.25) 特開平7−132364号公報(公開日:1995.05.23) 特開2000−176629号公報(公開日:2000.06.27)
特許文献1には、コールドチャンバー型ダイカストマシンなどの鋳造装置において、鋳造サイクルに合わせて必要量の原料を適宜溶融して鋳造機へ供給する原料融解装置として、鋳造原料である金属を収容する溶融槽と、この溶融槽の周囲に配置された赤外線ランプと、この赤外線ランプの背後に配置された反射ミラーとを備えたことを特徴とする原料溶融装置が記載されている。
また、引用文献2乃至引用文献7には、抵抗加熱式の加圧鋳造法を利用した歯科用鋳造装置が記載されている。これらの装置は、加熱炉に配設されたルツボと、そのルツボの上面開口部に湯口が対向するように鋳型を配設した鋳造室を有し、この鋳造室を180°回転できる構造を成している。具体的には、まず、ルツボの上面開口が上方を向く状態でルツボ内に合金を収納し、ルツボを取り囲む電熱ヒーターを備えた加熱炉でルツボを加熱して合金を融解させる。ついで、このルツボ上方に800〜900℃程度の高温に加熱した鋳型の湯口をルツボの開口に面して配設し、鋳造室内を真空ポンプで減圧する。これにより鋳型の空洞内部も減圧される。その後、所定のタイミングでルツボの開口が下を向くように鋳造室を180°反転させる。すると、ルツボ内の融解金属は、鋳型の湯口に注ぎ込まれて溜まる。このとき、湯道が塞がれるので空洞内部は低い圧力に保たれる。その後に真空状態を解除して、圧搾空気または不活性ガス等を鋳造室に供給して加圧を行うと、差圧により湯道を通して空洞内部に融解金属が満たされる。このようにして加圧鋳造が達成される構成としている。
なお、一般工業会での鋳造は、鋳造時に鋳込まれる合金量に比べて補給される溶湯の量は充分確保されており、湯道に使われる合金量にも制限は少なく、十分な湯量が有れば酸化物などの異物は溶湯の表面に浮遊する傾向がある。そのため、溶湯を鋳型に注ぎ込む際に、溶湯を汲んだ取り鍋内の溶湯表面の浮遊物を鋳型に注がないように漉し分けたり、大き目の湯口を設けて酸化物などを溶湯表面に浮かせたりすることで、鋳物に巻込むことを避ける方法がある。
一方、歯科技工における鋳造は、貴金属合金を扱う場合が圧倒的に多く、溶湯補給量に比べて実際に鋳造物となる体積比が大きく、所謂少量の湯量で最大の鋳造物を得られるように、湯道部が占める体積を極端に節約する傾向がある。従って、歯科鋳造では、合金溶融段階で発生する浮遊物である酸化物は極力避ける必要がある。このため合金融解の時間は、酸化物の発生を抑制するため短時間で溶融する必要がある。大気雰囲気下では、都市ガスと酸素の混合気体や都市ガスと圧搾空気を併用する火力の強いガスバーナーで合金を加熱して短時間に溶融させる方法や、この間に発生した酸化物はフラックスを溶湯に振り掛けてルツボの辺縁に分散させるなど、溶湯表面に酸化物を広がらせないような注意をして鋳造作業をしている。更に不活性ガス雰囲気下で高周波誘導加熱方式やアーク加熱方式により、合金を短時間で融解させて酸化物の発生を抑制する工夫をしている。
しかしながら、特許文献1に記載の原料溶融装置では、溶融槽は、内部の溶融材料に周りから赤外線が充分に照射されるように、光透過性のセラミックや石英ガラスを使用した円筒形状に形成する必要が有る。また、石英ガラスは900℃以上の雰囲気で使用すると荷重による熱変形が生じるので、アルミ合金ダイカスト等のように融点が700℃程度以下の合金の溶融が対象になっているため、歯科用鋳造で用いられるような、融点が1000〜1100℃程度の高カラットの金合金や、融点が1100〜1260℃程度の低カラットの金合金やパラジウム合金、更に融点が1400℃程度のコバルト・クロム系合金には使用できない。仮に、鋳型に鋳造できる機構を設けたとしても、金属面の面荒れがひどく、歯科鋳造のように微細な構造を有する鋳造には用いることができない。さらに、気泡の巻き込み等も発生し、鋳造金属として利用することは難しい。しかも、溶融槽に直接溶融金属が接触しているため、溶融槽の機械的強度が劣化してひび割れを発生し、破損した場合には、溶融金属が溶融槽の外部に流出して重大な事故を誘発する可能性があり、非常に危険な事態の発生が予見される。
また、特許文献2乃至特許文献7の鋳造装置において、熱源がバーナー加熱方式の場合、アセチレンや都市ガスなどの可燃ガスを使用しているので、管理を誤るとガス中毒やガス爆発などの惨事を招く虞がある。また、専用バーナーやトーチを使用して作業するが、直接火炎を扱うため、溶融作業中に混合ガス燃焼に伴う不快な騒音が発生する。しかも、加熱開始時点から融解が完了するまで溶融状態を凝視する必要がある。そのため、赤熱した合金やルツボからの輻射熱を防御したり、遮光眼鏡を着用したりすることが必須である。さらに、不注意による火傷事故などの危険を伴うことなど、労働環境上の安全に配慮する必要がある。
熱源が抵抗加熱式の加圧鋳造法を利用した場合、電熱ヒーターの加熱炉によりルツボ全体を加熱してルツボ内の合金を溶融させるまでの所要時間が、およそ10〜20分間(高周波誘導加熱方式やアーク加熱方式の場合と比較して10〜20倍)を要する。そして、10〜20分間もの長期間にわたり、合金を大気雰囲気下で加熱すると著しく空気酸化される。また、この間を不活性ガス雰囲気下に保つには、不活性ガスを鋳造時間中である10〜20分間流し続けなければならず、多量のガスが必要となり非常に不経済である。さらに、加熱炉に配設されたルツボの上面開口部に湯口が対向するように鋳型を配するため、鋳型がルツボの開口部を覆い、ルツボ内部の合金が融けていく過程の観察や、完全に溶融したかどうか、また異物が溶湯表面に混入していないかどうか等、注ぎ込む直前の溶湯表面の重要な情報を目視確認できないという決定的な不便さがある。
熱源が高周波誘導加熱方式の場合、通電された高周波誘導コイルで生じたコイルの中心軸に沿う磁力線を、ルツボ内の合金である導体が遮ることで導体内部に渦電流が励起され、導体が渦電流の電気抵抗損失により自己発熱して融解する原理である。そのため、少量の合金を融解する場合には、コイルの内径に比べて合金の体積が小さいので、磁力線を遮る面積が少ない状態となり、渦電流の発生も減り、結果的に非常に加熱および融解し難い状態となる。即ち、合金量が減るほど、高周波コイルの入力パワーが必要となるばかりでなく、融解時間も極端に延びるという不都合がある。さらに、合金形状が厚み1ミリ程度で縦1センチ横1センチ程度の薄板小片状の場合には、高周波コイルに通電する前に、磁力線を遮る面積を増やす目的で複数の薄板小片を水平に載置していても、通電と同時にコイル中心軸方向に沿って発生した磁力線の方向と同じ垂直方向に薄板小片が向きを揃える。しかも、小片が相互に磁性反発力でそれぞれに隙間を生じるので、殆ど磁力線を遮ることができずに溶解不可能な状態を招くという問題がある。
熱源がアーク加熱方式の場合、電気アークが数千℃から数万℃あるとされ、広く電気溶接に利用されているが、融点が600℃から700℃程度の歯科鋳造用銀合金を融解する熱源としてはあまりに高温すぎて不適当であり、融解時に合金をオーバーヒートさせ易く、金属蒸気およびガス等により鋳造装置内部が汚染され易い等の問題がある。
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、構造が簡単で作業性および操作性を向上させることができる鋳造装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明の赤外線ランプ加熱式鋳造装置は、赤外線光を出力する赤外線ランプと、前記赤外線ランプからの赤外線光を集光させる反射鏡と、前記反射鏡によって集光した赤外線光が照射され、内部に配設した金属が融解されるルツボと、前記ルツボ内で融解された溶融金属が鋳込まれる鋳型と、を備える構成としている。
このように構成した鋳造装置は、金属が赤外線ランプからの赤外線エネルギーで直接加熱され、ルツボの周囲には加熱を必要とする構造物が不要であるため、熱エネルギーの損失が無く、効率的に金属を融解できる。その結果、融解期間に溶融金属の酸化を防止する目的で不活性ガスを使用しても、ガスの消費量を飛躍的に削減できる。また、鋳型がルツボの開口部を覆わないので、ルツボ内部の金属が融けていく過程の観察や、完全に溶融したかどうか、また異物が溶湯表面に混入していないかどうか等の注ぎ込む直前の溶湯表面の重要な情報を随時目視確認できる。
さらに、ルツボは、石英ガラスなどの光透過性耐熱材料を使用する必要が無く、石英ガラスよりも高温域で使用可能な不透明なセラミック製ルツボを使用できる。そのため、歯科鋳造で用いられている融点が1000〜1100℃程度の高カラットの金合金や、融点が1100〜1300℃程度の低カラットの金合金やパラジウム合金、更に融点が1400℃程度のコバルト・クロム系合金に適用できる。
そして、一般工業で使用する鋳造装置においては、大量の溶融金属を得るために溶融炉と鋳造装置とを分離した構成であるが、本発明は、口腔内に納める小さいサイズの鋳造物を製作するに適した溶融金属量であれば良い。そのため、工業的な場合と比較して小規模な量の溶融金属量であるため、金属を融解する熱源とルツボ部分とを同一装置内に収め、更に溶融金属を鋳型に移行させる手段、および、加圧鋳造方式または吸引加圧鋳造方式などの構造を備えた一体型鋳造装置が実現できる。
この鋳造装置は、ルツボと鋳型を収容した気密容器内を空気以外のガスに置換したり、空気または他のガスで加圧したりできる気密機構を有する。例えば排気孔と加圧孔があり、排気孔から中の空気を抜取り、加圧孔からガスを注入してガス置換する機構である。
具体的には、第1の鋳造装置としては、前記ルツボを横方向に分割した分割式ルツボで構成する一方、前記分割式ルツボの下部に前記鋳型が位置するようにこれらを内部に配設する密閉可能な気密容器と、前記気密容器内の分割式ルツボの一方を所定角度で傾斜させる傾斜手段と、前記気密容器の内部を加圧する加圧手段とを設け、前記分割式ルツボ内で融解させた溶融金属を、前記傾斜手段により一方の分割式ルツボを傾斜させることにより溶融金属を前記鋳型の湯口に注ぎ、前記加圧手段により気密容器内を昇圧させることにより溶融金属を鋳型内に鋳込む構成としている。このようにすれば、ルツボから鋳型へ落下するように、最短距離で最短時間に溶融金属を移行できるため、溶融金属の温度低下を最小限に抑えることができる。
第2の鋳造装置としては、前記ルツボの下部に前記鋳型が位置するようにこれらを内部に配設する密閉可能な気密容器と、前記気密容器内のルツボを所定角度で傾斜させる傾斜手段と、前記気密容器の内部を加圧する加圧手段とを設け、前記ルツボ内で融解させた溶融金属を、前記傾斜手段によりルツボを傾斜させることにより溶融金属を前記鋳型の湯口に注ぎ、前記加圧手段により気密容器内を昇圧させることにより溶融金属を鋳型内に鋳込む構成としている。このようにすれば、ルツボから鋳型への溶融金属の移行の経過が、柄杓によって穏やかに注ぐような傾注効果をもたらす。そのため、溶融金属に気泡などが混入するリスクを減少でき、鋳巣や鋳造欠陥の発生確率を減少させることができる。
第3の鋳造装置としては、互いの湯口が横方向に隣接するように前記ルツボと鋳型とを内部に配設する密閉可能な気密容器と、前記ルツボの下部に鋳型が位置するように前記気密容器を所定角度で傾斜させる傾斜手段と、前記気密容器の内部を加圧する加圧手段とを設け、前記ルツボ内で融解させた溶融金属を、前記傾斜手段により気密容器を傾斜させることにより前記ルツボから溶融金属を鋳型の湯口に注ぎ、前記加圧手段により気密容器内を昇圧させることにより溶融金属を鋳型内に鋳込む構成としている。
これら第1から第3の鋳造装置は、前記鋳型内を減圧する減圧手段を更に設けことが好ましい。このようにすれば、鋳込み中に鋳型で発生する内部ガスが鋳型から排出される。そのため、鋳巣などの鋳造欠陥の発生要因を抑制できる。
また、前記気密容器は、前記赤外線ランプに対向する面に、赤外線光を透過する耐圧性および耐熱性を有する照射窓を備えることが好ましい。このようにすれば、気密容器内の雰囲気を外部と遮断した状態で赤外線ランプの光線を内部に導入できる。そのため、内部雰囲気を減圧させ、不活性ガスの雰囲気に保つことができ、空気による溶融金属の酸化の防止を図ることができる。
さらに、前記気密容器は、前記ルツボ内の金属の溶融状態を確認する耐圧性および減光性を有する覗き窓を備えることが好ましい。このようにすれば、気密容器の内部雰囲気が減圧状態および加圧状態の何れの場合にも、照射窓以外の方向から覗き窓を通して内部を観察できる。そのため、金属の融解状態の推移を監視し、最適な融解時期の目視判断や鋳造工程の監視を行うことができる。
第4の鋳造装置としては、駆動手段により回転可能としたアームを設け、該アームに対して、前記ルツボを湯口が回転軌跡の径方向外向きに位置するように配設するとともに、前記鋳型を湯口が前記ルツボの湯口と対向するように外側に配設し、前記ルツボ内で融解させた溶融金属を遠心力で湯口から振り出し、前記鋳型に鋳込む構成としている。
第1から第4の鋳造装置では、前記反射鏡の反射面は赤外線光の反射率が高く、その形状は前記赤外線ランプを笠状に覆う回転楕円面であることが好ましい。このようにすれば、反射鏡による集光効率を上げることができるため、金属の融解性能を向上できる。
また、第1から第3の鋳造装置による鋳造方法は、(a)金属を配置したルツボと鋳型とを、気密容器内に密閉する密閉工程と、(b)前記気密容器内の気体を排気する排気工程と、(c)前記気密容器内が大気圧より高い圧力になるようにガスを供給するガス供給工程と、(d)赤外線ランプから赤外線光を出力させ、反射鏡により集光させて前記ルツボ内の金属を融解させる融解工程と、(e)前記気密容器内にガスを更に供給しながら、該気密容器内の余剰ガスを排気するガスフロー工程と、(f)前記気密容器内を排気して大気圧より低い圧力に減圧させる減圧工程と、(g)気密容器内の減圧状態を維持し、前記ルツボ内で融解した溶融金属を鋳型に流し込む鋳込み工程と、(h)前記気密容器内にガスを供給し、大気圧より高い圧力に加圧する加圧工程と、(i)前記気密容器内を自然排気し、大気圧状態にする開放工程と、(j)前記気密容器の密閉状態を解除する密閉解除工程と、を備え、(k)前記減圧工程から開放工程のいずれかの工程で、前記赤外線ランプによる融解工程を停止するものである。
このように、気密容器は、内部雰囲気を減圧状態や加圧状態の何れの状態にも保つことができる。そのため、排気工程を経て不活性ガスを導入すれば融解時の溶融金属の酸化を防止でき、鋳造工程において加圧鋳造方式を採用できる利点が有る。また、前記鋳造装置を、前記密閉工程から消灯工程を含む密閉解除工程に到る一連の工程を含むように制御することで、鋳造欠陥の少ない品質の良い鋳造物を製作することができる。
好ましくは、外部に通じるガス経路として吸引孔を気密容器に設けておき、鋳型の底部を吸引または減圧できる構造とする。更に加圧工程と同期して、鋳型の底部の吸引または減圧を開始させ、加圧開放工程と同期して吸引または減圧を終了させる工程を追加する。このようにすれば、優れた吸引加圧鋳造を実現できるため、更に鋳造欠陥の少ない品質の良い鋳造物を製作することができる。
更に好ましくは、赤外線ランプの近傍、または、気密容器内におけるルツボ上の焦点近傍、または、ルツボ自体に温度検出手段を配設する。更に本鋳造装置の操作パネル上にその観測温度を表示し、事前に鋳造装置の制御装置に入力していた設定温度と比較演算させて、設定温度と観測温度が接近したり一致したりすると、使用者に報知する構成とする。そして、設定温度と観測温度が一致したことに基づいて自動的に鋳込み操作を行うように構成する。このようにすれば、熟練した鋳造作業担当者が事前に設定温度を入力しておけば、複数または経験不足の鋳造作業担当者が目視で鋳込み時期を判定する場合に生じる鋳込み温度のばらつきを最小限に抑えることができ、融解温度の過不足による鋳造欠陥を回避できる。
本発明の鋳造装置では、金属が赤外線ランプからの赤外線エネルギーで直接加熱され、ルツボの周囲には加熱を必要とする構造物が不要であるため、熱エネルギーの損失が無く、効率的に金属を融解できる。その結果、融解期間に溶融金属の酸化を防止する目的で不活性ガスを使用しても、ガスの消費量を飛躍的に削減できる。
また、鋳型がルツボの開口部を覆わないので、ルツボ内部の金属が融けていく過程の観察や、完全に溶融したかどうか、また異物が溶湯表面に混入していないかどうか等の注ぎ込む直前の溶湯表面の重要な情報を随時目視確認できる。さらに、石英ガラスなどの光透過性耐熱材料を使用する必要が無く、石英ガラスよりも高温域で使用可能な不透明なセラミック製ルツボを使用できる。そのため、歯科鋳造で用いられている高融点の合金に適用できる。
しかも、バーナー加熱方式を利用した鋳造装置と比べると、アセチレンや都市ガスなどの可燃ガスを使用しないので、ガス中毒やガス爆発などの危険が無い。また、直接火炎を扱わないため、溶融作業中にガス燃焼に伴なう不快な騒音が無く、集中的に金属を加熱できるので、赤熱したルツボ周辺部材からの輻射熱が減少し、火傷事故などの危険性を著しく軽減でき、労働環境上の安全性を向上できる。
また、抵抗加熱式の鋳造装置と比べると、金属の融解時間を1/10から1/20の極めて短時間に短縮できる。
また、高周波誘導加熱方式の鋳造装置のように、融解する金属量が減っても赤外線ランプの入力パワーを増やす必要が無く、融解時間が延長することも無い。さらに、金属を薄板小片状とした場合には、水平に載置していた小片が磁力線の影響で垂直方向に向きを揃え、複数小片が磁性反発力でそれぞれの間に隙間を生じて融解不可能となっていたが、このような問題が生じることも無い。
また、アーク加熱方式と比べると、熱源温度が低いので、融点が600℃から700℃程度の歯科鋳造用銀合金を融解する熱源として使用でき、融解時に合金をオーバーヒートさせたり、金属蒸気およびガス等により鋳造装置を汚染させたりすることがない。
本発明に係る第1実施形態の鋳造装置を示す断面図である。 図1の鋳造装置を他の角度から見た断面図である。 第1実施形態の変形例を示す断面図である。 第2実施形態の鋳造装置を示す断面図である。 第3実施形態の鋳造装置を示す断面図である。 (A),(B)は第3実施形態の鋳造装置の動作を示す断面図である。 第4実施形態の鋳造装置を示す正面図である。 第4実施形態の鋳造装置を示し、(A)は平面図、(B)は右側面図である。
符号の説明
1…近赤外線ランプ
2…反射鏡
2a…反射面
3…融解室
3a…融解部
4,4a,4b…ルツボ
5…覗き窓
6…鋳型室
6a…鋳型部
7…鋳型
8…歯科用鋳造用合金
9…照射窓
9a…天板
10…排気孔
11…加圧孔
12…気密容器
15…外部シリンダー
23…モータ(傾斜手段)
24…揺動ロッド(傾斜手段)
30…給気部
36…真空ポンプ
45…制御装置
100…融解室
100a…融解部
102…ルツボ
103…湯口
107…排気孔
108…加圧孔
109…鋳型室
109a…鋳型部
114…鋳型
114b…湯口
115…照射窓
115a…固定枠
116…気密容器
150…アーム
151…回転軸
154…駆動モータ
159…バランスウエイト
160…ルツボ
162…湯口
163…鋳型
163b…湯口
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る歯科用の鋳造装置であり、既に鋳造用の金属8と鋳型7とが所定の位置に収納され鋳造運転を開始できるスタンバイ状態を示す。この鋳造装置は、近赤外線ランプ1、反射鏡2、融解室3、ルツボ4、覗き窓5、鋳型室6および鋳型7を備えている。前記融解室3および鋳型室6は、開放可能な気密容器12となる。
そして、本実施形態の鋳造装置は、近赤外線ランプ1が発生した熱線(赤外線光)を反射鏡2で集光してルツボ4上に照射させ、該ルツボ4上に載置される合金を加熱融解し、鋳型室6に設置される鋳型7に鋳込むようにしたものである。
具体的には、近赤外線ランプ1は、反射鏡2の内部に配設された状態で、気密容器12の上部に配設されている。この近赤外線ランプ1は、ハロゲンランプやキセノンランプ等、2000〜2800℃程度の光を放射するものが適用可能である。この近赤外線ランプ1のピーク波長は約1μm(0.001mm)であり、0.5〜3μm程度の範囲に分布する。例えば、定格電圧AC90V、1800W程度のランプが適用可能である。商用電源は、100Vでは最大1500Wが限界であるため、200V以上の電源設備からランプ電圧制御回路を経由して給電する。
反射鏡2は、内部に回転楕円形状をなす反射面2aを形成したものである。この反射鏡2の反射面2aの上側頂部には、近赤外線ランプ1を装着するとともに電気的に接続する接続部2bが設けられている。これにより、近赤外線ランプ1は、反射面2aにより笠状に覆われた状態で装着される。この反射面2aには、高反射率と耐食性を維持するため、金メッキ処理が施されている。これにより反射面2aは、通常では47%程度の反射率であるが、赤外線領域では90%以上の高い反射率が得られるように構成している。
前記反射鏡2は、近赤外線ランプ1を装着した状態で、特にこれらを囲むような部材を配設することなく、図示しない枠体に固定される。そして、本実施形態では、反射鏡2の反射面2aは、近赤外線ランプ1のフィラメント中央と、後述する融解室3のルツボ4の中央を直線的に結ぶ延長線を光軸とし、フィラメント中央の位置を第1焦点とする回転楕円鏡を構成する。そして、近赤外線ランプ1から出力された光線は、融解室3の対向する面である上部の照射窓9を透過して、融解室3の内部の分割ルツボ4の中央上面で第2焦点を結ぶように反射鏡2の光学系を構成している。なお、焦点距離は50〜150ミリメートル、好ましくは90ミリメートル前後とする。
また、本実施形態の近赤外線ランプ1と反射鏡2とは、水冷により異常昇温を防止できるように構成している。具体的には、図2に示すように、この水冷構造は、冷却水タンク16を配設し、該タンク16の底部の水を送水管を介して送水ポンプ17により反射鏡2および近赤外線ランプ1に供給する。そして、反射鏡2内の図示しない流路を通過することにより、反射鏡2および近赤外線ランプ1の熱を吸熱した水は、冷却水タンク16に戻る循環式構造をなす。また、反射鏡2から冷却水タンク16への還水管には、冷却水の流れを監視する流量センサー18が設けられている。さらに、還水管には、冷却水タンク16内の温度上昇を抑制させるために放熱器20が介設され、該放熱器20に送風するように強制冷却ファン19が配設されている。
気密容器12は、融解室3を構成する融解部3aと、鋳型室6を構成する鋳型部6aと、融解部3aの上端開口を閉塞する天板9aとを備えている。そして、この気密容器12は、上端開口の外部シリンダー15の内部に上向きに移動可能に配設されることにより、内部を気密にできる。
融解部3aは、その両側がガイドレール3bに支持され、水平方向に平行移動可能としたもので、その中央にはルツボ4が配設されている。鋳型部6aは、ガイドレール6bに両側が支持された外部シリンダー15を介してガイドレール6bに支持され、外部シリンダー15とともに水平方向に平行移動可能としたもので、その内部には鋳型7が配設されている。天板9aは、アッパーフレーム22に固定され、その内部には厚手の照射窓9が嵌め込まれて配設されている。この照射窓9は透明ガラス製、具体的には透明な耐熱ガラスや石英ガラスが望ましい。なお、天板9aも融解部3aおよび鋳型部6aと同様に、両側がガイドレールで支持し、水平方向に平行移動可能に構成してもよい。
このように構成した気密容器12は、図示のように、反射鏡2の下部に位置させた鋳造可能状態で、反射鏡2によって集光させた光線の光軸上に、照射窓9の中心線と、融解室3の中心線と、鋳型室6の中心線とが一致した状態をなす。そして、天板9aに対して融解部3aを移動させることにより、融解部3a内のルツボ4を露出させ、該ルツボ4内に加工前の金属(以下「歯科鋳造用合金8」と称する)を容易に配置できる。また、融解部3aに対して鋳型部6aを移動させることにより、鋳型部6a内に鋳型7を容易に着脱できる。
融解部3a内に形成される融解室3には、反射鏡2の光軸と一致し、位置決めジグ4c,4dにより開閉できる構造をなす分割式のルツボ4(4a,4b)が配設されている。このルツボ4は、閉じられた状態で上端開口の箱形状をなすものである。このルツボ4は、保温性が高く溶融金属(溶湯)の温度を逃さない熱伝導率の低い(保温効果を有する)素材が適し、ムライト質で気孔率の高いセラミック焼成品やセラミックファイバー成形品が適している。なお、位置決めジグ4c,4dには、ルツボ4a,4bを配設した状態で、これらが容易に脱落しないように固着手段を設けることが好ましい。
また、融解室3の側面には覗き窓5が設けられ、融解室3の外部からルツボ4の中央に配置した歯科鋳造用合金8を観察可能としている。この覗き窓5は、筒体の内部に、耐熱性および耐圧性を有する厚手の透明な耐圧ガラス5aと、濃色の減光フィルター5bとが組み込まれている。耐圧ガラス5aの材質としては、耐熱ガラスや石英ガラスを用いることが望ましい。減光フィルター5bは濃緑系から濃青系の色調であり、光を減光する耐熱性の樹脂板、更に適するのは、溶接作業用の遮光ガラスまたは液晶応用の遮光フィルターを用いることが望ましい。この覗き窓5により、融解室3内部の真空圧やガス圧に耐えることができ、近赤外線ランプ1の点灯中に強烈な光線に曝された合金8の融解状況を観察可能としている。
鋳型部6a内に形成される鋳型室6は、鋳造加工時には融解部3a内の融解室3とOリングによって気密に連通することにより、1つの気密容器12を構成する。この鋳型室6を構成する鋳型部6aは有底筒状であり、Oリングを介して外部シリンダー15と摺動可能な気密状態に組み合わされている。この鋳型室6には、上端開口の容器からなる断熱部材13を介して鋳型7が着脱可能に配設される。この鋳型7は、内部に蝋型を埋没し、加熱炉で700℃以上に加熱して蝋型を溶融および焼却させ、鋳造物となるべき空洞7aを設けたものである。この鋳型7は、空洞7aの開口である湯口7bを上方に向け、ルツボ4と干渉しない程度に接近させた状態で、ルツボ4の直下に位置するように配置される。
外部シリンダー15は、内部のシリンダー空間15aに通じる継手15bに、昇降用電磁弁35を経由して圧縮空気または高圧の不活性ガスを導入する増圧手段に接続し、シリンダー空間15aの容積を増加できるように構成している。なお、外部シリンダー15の下方への移動は、ベースフレーム21で制限されているため、圧縮空気または不活性ガスを導入すると鋳型室6が上昇し、Oリングを介して融解室3を押し上げる。融解室3を構成する融解部3aが押し上げられると、Oリングを介して天板9aと照射窓9を押し上げ、照射窓9がOリングを介してアッパーフレーム22に当接することで、照射窓9と天板9aと鋳型室6と融解室3とは1つの気密容器12となる。これら溶解部3aおよび天板9aの上方への移動は、これらを移動可能に支持するガイドレール3b,6bと溶解部3aおよび鋳型部6aとの遊び程度である。また、外部シリンダー15の継手15bには、昇降用電磁弁35を経由して減圧手段を接続し、鋳型室6を下降させて、順次融解室3と天板9aと照射窓9とを下降させ気密状態を解除できるように構成している。
この図1に示す融解室3と鋳型室6の内部を気密にできる機構が気密機構の一例であり、外部シリンダー15の代替手段として機械的な方法で鋳型室6を上昇および下降させてもよい。
融解部3aと鋳造部6aは、気密に耐えられる素材であり、その隙間から内部の気体と外部の気体が混合しない構成である。勿論、本発明では、減圧や加圧をすることが多いため、融解部3aと鋳造部6aは耐圧性を有する。そして、この気密容器12は、溶融金属の酸化を防ぐために、融解室3中の雰囲気を不活性ガスに置換したり、鋳造時の気泡の巻き込みを防ぐために、融解室3中の雰囲気を真空としたり、加圧鋳造のために不活性ガスを導入するなどの機構が設けられている。
具体的に説明すると、融解室3には、内部の空気やガスを排出するための排気孔10と、内部に不活性ガスを供給する加圧孔11が設けられている。なお、排気孔10は鋳型室6に設けてもよい。
排気孔10に接続する配管経路は、途中のダストフィルター41を経由して排気電磁弁40と真空電磁弁39に分岐配管されている。排気電磁弁40の出口は、鋳造装置外部に開放される。真空電磁弁39は、鋳造装置外部の真空ポンプ36に接続されている。真空電磁弁39と真空ポンプ36の中間には、減圧速度を高めるために真空タンク37が設けられている。本実施形態の鋳造装置の非稼動時には、真空タンク37の内部を大気圧に戻すために大気開放弁38が設けられている。また、真空ポンプ36は、真空タンク37および昇降用電磁弁35を介して外部シリンダー15の継手15bに接続され、シリンダー空間15a内の気体を排気することにより、気密容器12の気密状態を解除するための減圧手段も構成する。さらに、真空タンク37の容積は、気密容器12の容積以上に設計することが望ましい。
加圧孔11に接続する配管経路は、大口径の加圧電磁弁34と小口径のガスフロー電磁弁33に分岐配管されている。加圧電磁弁34は、鋳造装置外部の不活性ガスまたは圧縮空気を供給する加圧手段である給気部30に接続される。ガスフロー電磁弁33には、給気部30から絞り弁33aを経て小流量のガスが供給される。給気部30には、加圧速度を高めるために与圧タンク31が接続されている。そして、これらの中間位置に、前記加圧電磁弁34が接続されている。なお、給気部30は、外部シリンダー15の継手15bに接続され、シリンダー空間15aに気体を供給することにより、気密容器12を構成する融解室3および鋳型室6を気密状態とする増圧手段も構成する。また、給気部30と与圧タンク31との間には、給気部30からの規定圧力を超える供給を防止するための安全弁32が接続されている。
このように、気密容器12は、内部雰囲気を減圧状態や加圧状態の何れの状態にも保つことができる。そして、給気部30により、真空工程を経て不活性ガスを導入することで、融解時の溶融金属の酸化を防止でき、鋳造工程において加圧鋳造方式を実現できる。なお、これら給気部30および真空ポンプ36により気密容器12内を不活性なガスに置換できる機構がガス置換機構の一例である。
次に、図1に示す鋳造装置による鋳造方法を説明する。なお、この鋳造装置の操作スイッチは操作パネル46に設けられており、運転開始スイッチを操作した後、融解ステージとして後述の密閉工程からガスフロー工程に至る一連の工程までは、制御装置45によって自動的に実行される。
まず、前工程として、作業者(操作者)は、融解室3内のルツボ4に原料となる歯科鋳造用合金8を配置するとともに、鋳型室6内に鋳型7を配置し、近赤外線ランプ1に対して、照射窓9、融解室3および鋳型室6が垂直方向に直線的に位置するように移動させる。この状態で、運転開始スイッチを操作することにより、制御装置45による自動制御が開始される。
a.密閉工程
昇降用電磁弁35を与圧タンク31の側に開き、継手15bを介してシリンダー空間15aに圧縮空気または高圧の不活性ガスを導入する。これにより、鋳型室6が上昇して融解室3と照射窓9が圧接した状態でアッパーフレーム22に当接する。その結果、鋳型室6と融解室3とが密閉(気密)状態になり、その状態を維持する。
b.排気工程
次に、真空電磁弁39を開き、鋳型室6と融解室3を有する気密容器12内の気体(空気やガス)を排気孔10から真空ポンプ36により装置外部に強制的に排気する。この際、予め真空ポンプ36により真空タンク37内を真空状態としておくことにより、気密容器12内の真空到達時間の短縮を図る。
c.ガス供給工程
次に、真空電磁弁39を閉じ、排気孔10からの強制的排気を停止する。その後、ガスフロー電磁弁33を開き、加圧孔11から少流量の不活性ガスを気密容器12の内部に供給し続ける。これにより、鋳型室6と融解室3の内部は、大気圧より高い圧力の不活性ガス雰囲気に置換される。なお、ガス置換精度を向上させるには、このガス置換工程を複数回行うことが望ましい。
d.融解工程
次に、近赤外線ランプ1を点灯する。これにより、反射鏡2の反射面2aにより、出力された近赤外線光が集光され、照射窓9を透過した近赤外線光の熱でルツボ4上の歯科鋳造用合金8が融解する。この際、近赤外線ランプ1は、温度制御回路47を介して制御装置45によって加熱温度が制御される。なお、近赤外線ランプ1による加熱の温度制御には、特に速い応答性が求められるためPID制御が望ましい。また、近赤外線ランプ1は、フィラメントの寿命を延ばすため、定格電圧に対して10%程度の低い電圧で通電を開始し、自己加熱でフィラメントの抵抗値の増大にあわせ定格電圧まで、印加電圧を次第に上昇させて定常の点灯状態で保持させる。この場合、点灯開始から定常状態まで5〜10秒程度の時間を要するが、歯科鋳造用合金8に対する影響は全くない。さらに、この融解工程では、ガス供給工程にて実行された不活性ガスの供給は継続されている。
e.ガスフロー工程
次に、排気電磁弁40を開き、ガス供給工程から継続してガスフロー電磁弁33を介して気密容器12の内部に新たな不活性ガスを供給しながら、気密容器12内の余剰の不活性ガスを排気孔10から自然排気する。これにより不活性ガス雰囲気中で歯科鋳造用合金8の酸化が抑制される。
以上の工程までは、制御装置45により自動的に行われる。そして、このガスフロー工程が終了した状態では、ルツボ4の歯科鋳造用合金8は完全には融解していない。そのため、近赤外線ランプ1は点灯し続けられている。また、ガスフロー電磁弁33および排気電磁弁40も開状態が維持され、少流量の不活性ガスが供給し続けられている。
この状態で、作業者が覗き窓5から歯科鋳造用合金8が完全に融解したのを確認すると、操作パネル46の鋳造スイッチを操作する。そうすると、鋳造装置は、鋳造ステージとして後述する減圧工程から消灯工程に至る一連の工程を、制御装置45によって自動的に実行させる。
f.減圧工程
まず、ガスフロー電磁弁33を閉じ、加圧孔11からの不活性ガスの供給を停止すると同時に、排気電磁弁40を閉じ、排気孔10からの自然排気を停止する。その後、所定のタイムラグを設けて、真空電磁弁39を開き、排気孔10から真空タンク37に向けて気密容器12内を強制的に排気する。これにより、気密容器12内はごく短期間に大気圧以下に減圧される。
g.鋳込み工程
次に、所定のタイムラグを設けて、真空電磁弁39を閉じ、排気孔10からの強制排気を停止する。その後、減圧状態で融解室3の融解状態の合金をルツボ4から鋳型7に流し込む。なお、この溶融金属の鋳込み機構については、後で詳細に説明する。
h.加圧工程
次に、所定のタイムラグを設けて、加圧電磁弁34を開き、加圧孔11から高圧の不活性ガスを供給する。不活性ガスの圧力は2〜7MPaの範囲が好ましい。これにより、気密容器12内は、所定期間大気圧以上の圧力状態に保持される。そして、溶融金属は、鋳型7内部の空洞7aに充満された後、溶融温度以下に自然冷却して凝固する。なお、溶融金属が鋳型7の空洞7aに充満される作用は、気密容器12の内部が高圧の不活性ガスで満たされるため、ガスの圧力で鋳型7の湯口7bに溜まっている溶融金属の表面を押し下げるためである。そして、この作用は、溶融金属と鋳型7との間の表面張力も作用することにより、鋳型7の空洞7aにガスが浸入する時間より、溶融金属が鋳込まれる時間の方が短いため、鋳込みが可能になっていると考えられている。
i.開放工程
次に、加圧電磁弁34を閉じ、加圧孔11からの不活性ガスの供給を停止する。その後、気密容器12内に充満した不活性ガスや鋳造時に発生したガスが、排気孔10とダストフィルター41を経て、排気電磁弁40から排気され、気密容器12内が大気圧状態に戻る。
j.密閉解除工程
次に、昇降用電磁弁35を真空ポンプ36の側に開き(切り換え)、継手15bを介してシリンダー空間15aを減圧し、鋳型室6と融解室3との圧接状態を解除する。これにより、気密容器12の密閉状態が解除される。
k.消灯工程
前記鋳込み工程の実行中に、近赤外線ランプ1を消灯し、融解工程を停止する。なお、この消灯工程は、鋳込み工程の実行中に限られず、減圧工程から密閉解除工程のいずれかの工程で行えばよい。
全ての工程が終了すると、作業者は、外部シリンダー15とともに鋳型部6aをガイドレール6bに沿って融解室3の直下から水平に移動させ、開放した鋳型室6内から鋳型7を取り出す。この際、鋳型7は、融解室3やその他の部品に干渉することなく、支障無く取り出すことができる。また、制御装置45は、鋳型室7の位置を検知することにより、一連の鋳造運転を完了する。さらに、作業者は、取り出した鋳型7が略室温になるまで冷却してから、鋳型7を割って鋳造物を取り出す。
なお、鋳型室6には、外部に通じるガス経路として吸引孔(図示せず)を設け、鋳型7の底部を吸引または減圧できる構造(吸引加圧鋳造方式)とすることができる。この場合、加圧工程において、鋳型7の上面の湯口7bに滴下した溶融金属の表面にガスの加圧力が作用している状態で、加圧工程と同期して鋳型7の底部から吸引または減圧を開始させる。その後、加圧開放工程と同期して減圧を終了させる。このようにすることで、鋳込み中に鋳型7で発生する内部ガスが鋳型7の底部から排出される。これにより、鋳巣などの鋳造欠陥の発生要因を抑制できる。その結果、これらの工程を経ない鋳造方法より、優れた品質の良い鋳造物を製作することができる。
また、密閉工程(a)から、消灯工程(k)を含む密閉解除工程(j)までの全ての工程を、制御装置45によって自動的に実行させることも可能である。この場合、図1に示すように、反射鏡2で覆われた近赤外線ランプ1の近傍に、熱電対または白金温度センサーからなる温度検出手段48を配設し、検出温度を操作パネル46に表示する構成とする。さらに、事前に設定温度を制御装置45に入力し、該制御手段45で検出温度と設定温度とを比較演算させる構成とする。そして、設定温度と検出温度と一致すると、音または光で使用者に報知し、融解ステージから鋳造ステージに自動的に移行する構成とする。なお、温度検出手段48は、近赤外線ランプ1の近傍に限られず、融解室3の内部に配設されたルツボ4の近傍や側面、または、位置決めジグ4c,4dに接触するように配設してもよい。このようにすれば、熟練した鋳造作業担当者が事前に設定温度を入力しておけば、複数または経験不足の鋳造作業担当者が目視で鋳込み時期を判定する場合に生じる鋳込み温度のばらつきを最小限に抑えることができ、融解温度の過不足による鋳造欠陥を回避できる。
次に、鋳込み工程において、融解室3で融解した溶融金属をルツボ4から鋳型7に流し込む第1実施形態の機構について、具体的に説明する。
図1および図2に示すように、第1実施形態では、中央で横方向に2分割した略鏡像形のルツボ4a,4bを適用している。これらルツボ4a,4bは、位置決めジグ4c,4dの上に交換可能な状態で載置されている。そのうち、一方のジグ4cは、融解室3の外側面を貫通した揺動ロッド24に連結されている。この揺動ロッド24は、駆動手段であるモータ23の出力軸に連結されている。揺動ロッド24は、融解室3を貫通する部分で気密シールされている。これらモータ23および揺動ロッド24が、ルツボ4aの傾斜手段を構成する。
そして、密閉工程(a)では、閉じた状態の分割式ルツボ4a,4b上に合金8を載置する。このルツボ4a,4bを閉じた状態では、これらの分割面に隙間を生じることなく一対のルツボ4a,4bからなる底面は水平状態を保持した姿勢で静止している。
その後、排気工程(b)およびガス供給工程(c)を経て融解工程(d)によって融解した後、鋳込み工程(g)では、分割式ルツボ4aが載置されている位置決めジグ4cと連結している揺動ロッド24を揺動させる。これにより、一方のルツボ4aが所定角度で傾斜され、分割式ルツボ4a,4bが開く。その結果、溶融金属が融解室3の下方に位置する鋳型室6に収容された鋳型7の湯口7bに注ぎ込まれる。なお、傾斜手段を構成するモータ23によるルツボ4aの傾斜角度は10度〜180度であり、溶融金属の流動性に基づいて調節することが好ましい。
このように、本発明の鋳造方法では、気密容器12は、内部雰囲気を減圧状態や加圧状態の何れの状態にも保つことができる。そのため、排気工程を経て不活性ガスを導入することにより、融解時の溶融金属の酸化を防止でき、鋳造工程において加圧鋳造方式を採用できる。また、前記鋳造装置を、前記密閉工程から消灯工程を含む密閉解除工程に到る一連の工程を含むように制御することで、鋳造欠陥の少ない品質の良い鋳造物を製作することができる。
また、本実施形態の鋳造装置は、歯科鋳造合金8が近赤外線ランプ1からの赤外線エネルギーで直接加熱され、ルツボ4の周囲には加熱を必要とする構造物が不要であるため、熱エネルギーの損失が無く、効率的に歯科鋳造合金8を融解できる。しかも、本実施形態では、赤外線の反射率が高く、その形状を回転楕円面とした反射面2aを有する反射鏡2により、集光効率を上げることができるため、歯科鋳造合金8の融解性能を向上できる。その結果、融解工程にて溶融金属の酸化を防止する目的で不活性ガスを使用しても、ガスの消費量を飛躍的に削減できる。
また、鋳型7がルツボ4の開口部を覆っていない。しかも、本実施形態では、気密容器12に内部を観察するための覗き窓5を配設している。そのため、ルツボ4内部の歯科鋳造合金8が融けていく過程の観察や、完全に溶融したかどうか、また異物が溶湯表面に混入していないかどうか等の注ぎ込む直前の重要な情報を随時目視確認できる。
また、ルツボ4は、石英ガラスなどの光透過性耐熱材料を使用する必要が無く、石英ガラスよりも高温域で使用可能な不透明なセラミック製ルツボを使用できる。そのため、歯科鋳造で用いられている融点が1000〜1100℃程度の高カラットの金合金や、融点が1100〜1300℃程度の低カラットの金合金やパラジウム合金、更に融点が1400℃程度のコバルト・クロム系合金に確実に適用できる。なお、本実施形態の場合、高融点金属の代表例として挙げられるコバルト・クロム系合金(液相点1350℃)100g程度を、鋳造に適した温度(1400〜1450℃)まで加熱するのに要する加熱時間は、3分間以内である。融点の低い貴金属合金は、更に早く融解させることができるが、近赤外線ランプ1の点灯電圧を加減することで、オーバーヒートを避けたスムーズな加熱を実現できる。
そして、一般工業で使用する鋳造装置においては、大量の溶融金属を得るために溶融炉と鋳造装置とを分離した構成であるが、本発明は、口腔内に納める小さいサイズの鋳造物を製作するに適した溶融金属量であれば良い。そのため、工業的な場合と比較して小規模な量の溶融金属量であるため、歯科鋳造合金8を融解する熱源である近赤外線ランプ1とルツボ4とを同一装置内に収め、更に溶融金属を鋳型7に移行させる手段、および、加圧鋳造方式または吸引加圧鋳造方式などの構造を備えた一体型鋳造装置を実現できる。
さらに、本実施形態では、分割式とした一方のルツボ4aを所定角度で傾斜させ、下方に位置する鋳型7へ落下するように注ぐ構成としているため、最短距離で最短時間に溶融金属を移行できる。よって、溶融金属の温度低下を最小限に抑えることができる。
そして、本発明のように、加熱源として近赤外線ランプ1を適用した鋳造装置は、バーナー加熱方式を利用した鋳造装置と比べると、アセチレンや都市ガスなどの可燃ガスを使用しないので、ガス中毒やガス爆発などの危険が無い。また、直接火炎を扱わないため、溶融作業中にガス燃焼に伴なう不快な騒音が無く、集中的に金属を加熱できるので、赤熱したルツボ周辺部材からの輻射熱が減少し、火傷事故などの危険性を著しく軽減でき、労働環境上の安全性を向上できる。また、抵抗加熱式の鋳造装置に比べると、金属の融解時間を1/10から1/20の極めて短時間に短縮できる。また、高周波誘導加熱方式の鋳造装置のように、融解する金属量が減っても近赤外線ランプ1の入力パワーを増やす必要は無く、融解時間が延長することも無い。さらに、金属を薄板小片状とした場合には、水平に載置していた小片が磁力線の影響で垂直方向に向きを揃え、複数小片が磁性反発力でそれぞれの間に隙間を生じて融解不可能となっていたが、このような問題が生じることも無い。また、アーク加熱方式と比べると、熱源温度が低いので、融点が600℃から700℃程度の歯科鋳造用銀合金を融解する熱源として使用でき、融解時に合金をオーバーヒートさせたり、金属蒸気およびガス等により鋳造装置を汚染させたりすることが無い。
なお、図3は第1実施形態の鋳造装置の変形例を示す。この変形例では、モータ23および揺動ロッド24によって、位置決めジグ4c,4dを介して分割した両方のルツボ4a,4bを、互いに離間するように逆向きに傾斜させるようにした点で、相違している。このようにすれば、溶融金属を下側に位置する鋳型7に鋳込む効率を更に向上することができる。なお、これらルツボ4a,4bの開閉方法には、両方を同時に開く構成と、一方が開いた後、所定の時間差を設けて他方(両方)が開く構成とがある。そして、いずれの方法を採用するかは、溶融金属の落下が穏やかになる機構を選択する事が望ましい。
図4は、第2実施形態の鋳造装置(傾注流下型真空加圧式)を示す。この第2実施形態では、分割していない一体型のルツボ4を適用し、位置決めジグ4c,4dを介してルツボ4全体を傾斜させる構成とした点で、第1実施形態と相違している。具体的には、一体式のルツボ4は、位置決めジグ4c,4dに交換可能な状態で載置されている。このジグ4c,4dは、第1実施形態と同様に、傾斜手段を構成する揺動ロッド24を介してモータ23と連結されている。そして、モータ23を駆動させることにより、ジグ4c,4dを介してルツボ4全体を10度〜180度の範囲で傾斜できるように構成している。
このように構成した第2実施形態の鋳造装置は、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、ルツボ4から下部の鋳型7への溶融金属の移行の経過が、柄杓によって穏やかに注ぐような傾注効果をもたらす。そのため、溶融金属に気泡などが混入するリスクを減少でき、鋳巣や鋳造欠陥の発生確率を減少させることができる。
図5および図6(A),(B)は、第3実施形態の鋳造装置(傾倒型真空加圧式)を示す。この鋳造装置は、第1実施形態と同様に、近赤外線ランプ1、反射鏡2、融解室100を構成する融解部100a、鋳型室109を構成する鋳型部109a、および、照射窓115を備えている。そして、本実施形態では、融解部100aに対して鋳型部109aを回動可能に配設するとともに、これら融解部100aおよび鋳型部109aを近赤外線ランプ1に対して一体的に回動可能とした点で、第1実施形態と大きく相違している。
近赤外線ランプ1および反射鏡2は、第1実施形態と同様の構成であり、約45度の傾斜角度で赤外線光を照射できるように、図示しない枠体に固定されている。反射鏡2には、第1実施形態(図2)と同様の循環水冷機構を設けることが好ましい。
融解部100aは、近赤外線ランプ1と対向する面に照射角度に対して直交方向に延びるように開口する第1開口部100bと、垂直方向に延びるように開口する第2開口部100cとを備え、これらの間を連通させるように融解室100を形成したものである。この融解部100aには、反射鏡2によって集光させた焦点に位置するようにルツボ配設部101が設けられ、このルツボ配設部101にルツボ102が着脱可能に配置される。このルツボ102は、第1実施形態と同様の上端開口の丸皿形状であり、その一側には湯口103が切り欠いて設けられている。即ち、第3実施形態のルツボ102は、側面に湯口103の開口部が位置するように設けられている。
また、本実施形態の融解部100aには、回転軸104が貫通して固着され、図示しない駆動モータの駆動により、図6(A),(B)に示す90度の範囲で回動可能に構成されている。さらに、融解部100aには、垂直方向に延びる第2開口部100cの下部に位置するようにヒンジ接続部105が設けられるとともに、第2開口部100cの上部に位置するように被ロック部106が設けられている。そして、融解部100aには、内部の融解室100に連通する排気孔107と加圧孔108とが、第1実施形態と同様に設けられている。
鋳型部109aは、融解部100aに対して回動可能に装着されるもので、上端開口の有底円筒形状であり、その内部空間は鋳型室109を構成する。この鋳型部109aには、鋳型室109の開口端に融解部100aのヒンジ接続部105に軸着する接続部110が設けられるとともに、該接続部110の反対側にロック部材111が回動可能に配設されている。また、鋳型部109aには、融解部100aに対して回動させるための操作レバー112が設けられている。
このように構成した鋳型部109aは、融解部100aに対して反時計回りに約90度回動させることにより、該融解部100a内の融解室100と鋳型室109とを連続させた1つの気密容器116を構成する。なお、融解部100aの第2開口部100cと鋳型部109aの開口部とは、Oリングによって気密にシールされる。また、鋳型室109の内部には、断熱部材113を介して鋳型114が着脱可能に配設される。この鋳型114は、第1実施形態と同様に、鋳造物の形状に対応する空洞114aを設けたものである。この空洞114aの開口部である湯口114bは、融解部100aに対して鋳型部109aを回動させて気密容器116を形成した状態で、ルツボ102の湯口103に対して横方向に隣接するように配置される。
一方、前記融解部100aにおいて、近赤外線ランプ1と対向する第1開口部100bには、Oリングによって周囲が気密にシールされた状態で、耐熱性および耐圧性を有する透明なガラスからなる照射窓115が配設されている。この照射窓115は、固定枠115aによって融解部100aに対して気密に固定されている。この照射窓115は、融解室100に配置したルツボ102内の歯科鋳造用合金8の溶融状態を確認する覗き窓として兼用できる。但し、正確に観察するには、第1実施形態と同様に専用の覗き窓を設けることが好ましい。
なお、排気孔107に接続する配管経路は、第1実施形態と同様に、ダストフィルター41、排気電磁弁40、真空電磁弁39、大気開放弁38、真空タンク37および真空ポンプ36を備えたものであり、外部シリンダー15の減圧手段を構成しない点でのみ相違する。
また、加圧孔108に接続する配管経路は、加圧電磁弁34、ガスフロー電磁弁33、絞り弁33a、安全弁32、与圧タンク31および給気部30を備えたものであり、外部シリンダー15の増圧手段を構成しない点でのみ相違する。
この第3実施形態の鋳造装置を使用して鋳造作業を行う場合には、まず、図5に示すように、鋳型室109の開口が水平方向に延び、融解室100の第2開口部100cを開放した状態とする。そして、ルツボ配設部101にルツボ102および歯科鋳造用合金8を配置するとともに、鋳型室109に断熱部材113および鋳型114を配置する。
その後、図6(A)に示すように、操作レバー112を反時計回りに回転させ、鋳型部109aを融解部100aに向けて回動させ、融解室100と鋳型室109とを連通させる。そして、ロック部材111を回動させて被ロック部106にロックさせることにより、融解室100と鋳型室109とを密閉状態で連通させた1つの気密容器116を形成する。なお、この状態では、ルツボ102の湯口103に対して横方向に隣接するように鋳型114の湯口114bが位置する。
この前工程が終了すると、図示しない操作パネルの運転開始スイッチを操作することにより、密閉工程(a)、排気工程(b)、ガス供給工程(c)、融解工程(d)、ガスフロー工程(e)および減圧工程(f)を実行する。
次に、鋳込み工程(g)では、真空電磁弁39を閉じて強制排気を停止し、気密容器116内を減圧(真空)状態に維持したまま、図6(B)に示すように、駆動モータを動作させて回転軸104を中心として気密容器116全体を時計回りに90度回動させる。これにより、ルツボ102の下部に鋳型114が位置し、これらの湯口103,114bが上下に位置する。その結果、ルツボ102内で融解した溶融金属が鋳型114の湯口114bに注がれる。なお、気密容器116は、回転軸104を中心として手動により回動させる構成としてもよい。
その後、第1実施形態と同様に加圧工程(h)を実行し、鋳型114内で融解金属が凝固すると、開放工程(i)では、回転軸104を中心として気密容器116を反時計回りに回動させ、図6(A)に示す照射窓9が近赤外線ランプ1と対向した位置に復帰させる。そして、気密容器116内に充満したガスを排気し、気密容器116内を大気圧状態に戻す。なお、減圧工程からこの開放工程のいずれかの工程で融解工程を停止する消灯工程(k)を実行する。
次に、密閉解除工程(j)で、ロック部材111と被ロック部106とのロックを解除し、操作レバー112を時計回りに回転操作することにより、融解部100aに対して鋳型部109aを回動させ、融解室100と鋳型室109との密閉(連通)を解除する。
全ての工程が終了すると、作業者は、開放した鋳型室109から鋳型114を取り出し、鋳型114が略室温になるまで冷却してから、鋳型114を割って鋳造物を取り出す。
このように構成した第3実施形態の鋳造装置は、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
図7および図8(A),(B)は第4実施形態の鋳造装置(遠心鋳造方式)を示す。この鋳造装置は、各実施形態と同様の近赤外線ランプ1および反射鏡2を備えるが、融解室3,100や鋳型室6,109は何ら設けずに、遠心力を利用してルツボ160から鋳型163に溶融金属を鋳込むようにした点で、各実施形態と大きく相違している。
具体的には、第4実施形態の鋳造装置は、ルツボ160および鋳型163を一体的に固定するアーム150を備えている。このアーム150は回転軸151で回転可能に支持され、この回転軸151が軸受け152を介して筐体153に回動可能な状態で保持されている。そして、筐体153を貫通した回転軸151の端部には、回転手段である駆動モータ154が連結されている。
アーム150には、図7中右側に位置するように、ルツボ160を貫通させて位置決めする位置決め孔を有するルツボ配設部155が設けられている。このルツボ配設部155の下部には、ルツボ配設部155より更に外向きに突出するように延び、その外端に鋳型163を位置決め固定する鋳型配設部156が設けられている。この鋳型配設部156の外端部には、配置した鋳型163が遠心力により離脱しないように支持板157が設けられている。
ルツボ配設部155および鋳型配設部156の逆側には、支持棹158が設けられ、この支持棹158にルツボ160、歯科鋳造用合金8および鋳型163の合計重量に見合う重量のバランスウエイト159が装着されている。この支持棹158には雄ネジ加工が施されるとともに、バランスウエイト159には雌ネジ加工が施されている。そして、支持棹158に対してバランスウエイト159を回転させることにより、該バランスウエイト159を支持棹158に対して左右に移動させて所定位置に位置決めできるように構成している。これにより、バランスウエイト159は、鋳型163の大きさや歯科鋳造用合金8の量による重量差を調整し、回転中の重量アンバランスに起因する振動を未然に回避できるように構成している。
なお、以上の回転機構は、従来の遠心鋳造方式の鋳造装置と同様である。そして、本実施形態では、前記アーム150において、ルツボ配設部155に配設するルツボ160の中央底部に焦点を位置させるように、第1実施形態と同様の近赤外線ランプ1および反射鏡2が、垂直下向きに赤外線光を照射できるように、図示しない枠体に固定されている。反射鏡2には、第1実施形態と同様に、冷却水タンク16、送水ポンプ17、流量センサー18、強制冷却ファン19および放熱器20を有する循環水冷機構が設けられている。なお、反射鏡2を含む近赤外線ランプ1は、第3実施形態のように斜め下向きに照射するように配設してもよい。
第4実施形態のルツボ160は、底が浅い逆円錐形状であり、その上端にルツボ配設部155上に載置して位置決めするフランジ部161を設けたものである。このルツボ160には、第3実施形態と同様に、その一側に湯口162が切り欠いて設けられ、側面に開口部を有するように構成されている。そして、この湯口162は、アーム150の回転軌跡の径方向外向きに位置するように、アーム150のルツボ配設部155に位置決めされる。
また、鋳型163は、各実施形態と同様に鋳造物の形状に対応する空洞163aを設けたものである。この鋳型163は、ルツボ160に対してアーム150の回転軌跡の径方向外側に位置するように、アーム150の鋳型配設部156に位置決めされる。かつ、この鋳型163は、空洞163aの開口である湯口163bが、ルツボ160の湯口162と対向するように配置される。また、この鋳型163は、鋳型配設部156に配設した状態で、その上端面が反射鏡2の下端より下側に位置する構成とし、アーム150を回転させても反射鏡2に何ら干渉しないように構成している。
この第4実施形態の鋳造装置を使用して鋳造作業を行う場合には、まず、アーム150に対して、ルツボ配設部155にルツボ160を配設し、該ルツボ160に歯科鋳造用合金8を配置するとともに、鋳型配設部156に鋳型163を配設する。
この前工程が終了すると、近赤外線ランプ1を点灯させて歯科鋳造用合金8の融解工程を開始する。この際、本実施形態では、ルツボ160の周囲に気密容器を構成する壁が何ら設けられていないため、開口したルツボ160の上方から、歯科鋳造用合金8の融解状況を目視により簡単に確認できる。
そして、作業者が完全に融解したと判断すると、操作パネル46の鋳込みスイッチを操作する。これにより、駆動モータ154が回転を開始することにより、回転軸151を介してアーム150が高速で回転する。そうすると、ルツボ160内の融解金属は、アーム150の回転により生じる遠心力でルツボ160の底からせり上がり、ルツボ160の湯口162から振り出し(飛び出し)て、鋳型163の湯口163bに到達する。その後、溶融金属は、鋳型163の空洞163aの中に遠心力で鋳込まれる。
この鋳込み工程は、アーム150を所定期間回転させ、鋳型163の内部の溶融金属が凝固したと判断すると、作業者が停止させる。その後、作業者は、アーム150から鋳型163を取り外し、鋳型163が略室温になるまで冷却してから、鋳型163を割って鋳造物を取り出す。
なお、ルツボ160には反射鏡2の方向から不活性ガスを吹きつけることが好ましい。更に好ましくは、回転軸151を中空パイプで構成し、該回転軸151の一端に流体用回転継手を配設する。そして、回転軸151の他端から別の流体継手を介してアーム150の上にルツボ160の内部に向けたノズルを装着する。このようにすれば、鋳造装置の外部に固定した不活性ガス供給源から、ルツボ160内にガスを吹き付けることができるため、加熱および融解中の合金の酸化を抑制することができる。
このように構成した第4実施形態の鋳造装置では、前記各実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、加熱源として高周波誘導加熱方式を採用した遠心鋳造方式の鋳造装置と比較すると、高周波コイル昇降装置や電気的な接続構造のような複雑な装置が不要であるため、構造を簡略化でき、コストダウンを図ることができる。また、近赤外線ランプ1は枠体に対して据え付ける構成であるが、反射鏡2を構成する反射面2aの扁平率を変更することにより、容易に焦点位置を変更できるため、回転する鋳型163に干渉しない構成を確実に実現できる。
以上の各実施形態から明らかなように、本発明では、歯科鋳造用合金8を加熱する手段として、近赤外線ランプ1と反射鏡2とを使用している。そして、近赤外線ランプ1からの反射鏡2の焦点距離を適切に設定することにより、熱源となる近赤外線ランプ1とルツボ4との間には、直接的な機械的連結構造および電気的な接続構造を必要としない。その結果、鋳造装置を構成する制約要件が減り設計の自由度を向上でき、遠心鋳造方式、全体加圧鋳造方式および吸引加圧鋳造方式等、種々の鋳造方式に適用できる。
本発明は、歯科技工分野の鋳造に限られず、宝飾加工分野などの鋳造物が小さい分野、言い換えれば、融解させる金属が少量の分野であれば、同様に適用可能である。

Claims (9)

  1. 赤外線光を出力する赤外線ランプと、
    前記赤外線ランプからの赤外線光を集光させる反射鏡と、
    前記反射鏡によって集光した赤外線光が照射され、内部に配置した金属が融解されるルツボと、
    前記ルツボ内で融解された溶融金属が鋳込まれる鋳型と、
    を備え
    前記ルツボを横方向に分割した分割式ルツボで構成する一方、
    前記分割式ルツボの下部に前記鋳型が位置するようにこれらを内部に配設する密閉可能な気密容器と、前記気密容器内の分割式ルツボの一方を所定角度で傾斜させる傾斜手段と、前記気密容器の内部を加圧する加圧手段とを設け、
    前記分割式ルツボ内で融解させた溶融金属を、前記傾斜手段により一方の分割式ルツボを傾斜させることにより溶融金属を前記鋳型の湯口に注ぎ、前記加圧手段により気密容器内を昇圧させることにより溶融金属を鋳型内に鋳込むようにしたことを特徴とする赤外線ランプ加熱式鋳造装置。
  2. 赤外線光を出力する赤外線ランプと、
    前記赤外線ランプからの赤外線光を集光させる反射鏡と、
    前記反射鏡によって集光した赤外線光が照射され、内部に配置した金属が融解されるルツボと、
    前記ルツボ内で融解された溶融金属が鋳込まれる鋳型と、
    を備え
    前記ルツボの下部に前記鋳型が位置するようにこれらを内部に配設する密閉可能な気密容器と、前記気密容器内のルツボを所定角度で傾斜させる傾斜手段と、前記気密容器の内部を加圧する加圧手段とを設け、
    前記ルツボ内で融解させた溶融金属を、前記傾斜手段によりルツボを傾斜させることにより溶融金属を前記鋳型の湯口に注ぎ、前記加圧手段により気密容器内を昇圧させることにより溶融金属を鋳型内に鋳込むようにしたことを特徴とする赤外線ランプ加熱式鋳造装置。
  3. 赤外線光を出力する赤外線ランプと、
    前記赤外線ランプからの赤外線光を集光させる反射鏡と、
    前記反射鏡によって集光した赤外線光が照射され、内部に配置した金属が融解されるルツボと、
    前記ルツボ内で融解された溶融金属が鋳込まれる鋳型と、
    を備え
    互いの湯口が横方向に隣接するように前記ルツボと鋳型とを内部に配設する密閉可能な気密容器と、前記ルツボの下部に鋳型が位置するように前記気密容器を所定角度で傾斜させる傾斜手段と、前記気密容器の内部を加圧する加圧手段とを設け、
    前記ルツボ内で融解させた溶融金属を、前記傾斜手段により気密容器を傾斜させることにより前記ルツボから溶融金属を鋳型の湯口に注ぎ、前記加圧手段により気密容器内を昇圧させることにより溶融金属を鋳型内に鋳込むようにしたことを特徴とする赤外線ランプ加熱式鋳造装置。
  4. 前記鋳型内を減圧する減圧手段を更に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の赤外線ランプ加熱式鋳造装置。
  5. 前記気密容器は、前記赤外線ランプに対向する面に、赤外線光を透過する耐圧性および耐熱性を有する照射窓を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の赤外線ランプ加熱式鋳造装置。
  6. 前記気密容器は、前記ルツボ内の金属の溶融状態を確認する耐圧性および減光性を有する覗き窓を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の赤外線ランプ加熱式鋳造装置。
  7. 赤外線光を出力する赤外線ランプと、
    前記赤外線ランプからの赤外線光を集光させる反射鏡と、
    前記反射鏡によって集光した赤外線光が照射され、内部に配置した金属が融解されるルツボと、
    前記ルツボ内で融解された溶融金属が鋳込まれる鋳型と、
    を備え
    駆動手段により回転可能としたアームを設け、該アームに対して、前記ルツボを湯口が回転軌跡の径方向外向きに位置するように配設するとともに、前記鋳型を湯口が前記ルツボの湯口と対向するように外側に配設し、
    前記ルツボ内で融解させた溶融金属を遠心力で湯口から振り出し、前記鋳型に鋳込むようにしたことを特徴とする赤外線ランプ加熱式鋳造装置。
  8. 前記反射鏡の反射面は赤外線光の反射率が高く、その形状は前記赤外線ランプを笠状に覆う回転楕円面であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の赤外線ランプ加熱式鋳造装置。
  9. a.金属を配置したルツボと鋳型とを、気密容器内に密閉する密閉工程と、
    b.前記気密容器内の気体を排気する排気工程と、
    c.前記気密容器内が大気圧より高い圧力になるようにガスを供給するガス供給工程と、
    d.赤外線ランプから赤外線光を出力させ、反射鏡により集光させて前記ルツボ内の金属を融解させる融解工程と、
    e.前記気密容器内にガスを更に供給しながら、該気密容器内の余剰ガスを排気するガスフロー工程と、
    f.前記気密容器内を排気して大気圧より低い圧力に減圧させる減圧工程と、
    g.気密容器内の減圧状態を維持し、前記ルツボ内で融解した溶融金属を鋳型に流し込む鋳込み工程と、
    h.前記気密容器内にガスを供給し、大気圧より高い圧力に加圧する加圧工程と、
    i.前記気密容器内を自然排気し、大気圧状態にする開放工程と、
    j.前記気密容器の密閉状態を解除する密閉解除工程と、
    を備え、
    k.前記減圧工程から開放工程のいずれかの工程で、前記赤外線ランプによる融解工程を停止するようにしたことを特徴とする鋳造方法。
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