JP2004024375A - 歯科技工用鋳造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時劣化に伴う坩堝の破損による事故や作業の遅れを防止する。
【解決手段】鋳込み材料を溶解するための坩堝の上縁部に、管理番号を表す管理コードを焼結する。鋳造作業時には、その坩堝と組になるリングの焼成に先立って、坩堝のホルダ70に収容し、モータ71による駆動で回転させながら光学センサ73で管理コードを読み取る。そのコードから管理番号を復元し、坩堝識別部751では使用履歴記憶部752のテーブルを参照してその坩堝の過去の使用回数を読み出す。使用回数判定部753でその使用回数が閾値以上であるか否かを判定し、閾値以上である場合には、その坩堝を用いた鋳込み作業を見送り、次のリングと坩堝に対する作業を継続する。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インレー、クラウン(金属冠)、金属床、インプラント、インプラント上部構造等の各種の歯科補綴物を貴金属又は非貴金属から作製するための歯科技工用鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、歯科補綴物を貴金属や非貴金属から作製するために、ロストワックス法と呼ばれる鋳造方法が用いられている。図12は、ロストワックス法による歯科鋳造の一連の工程を示すフローチャートである。
【0003】
まず、歯科医師等によって患者の口腔内や歯の形状に合わせた型取りが行われ(ステップS1)、その陰型の印象の中へ石膏等の模型材を流し込んで硬化させることで陽型の模型を作製する(ステップS2)。次に、その模型上で、インレー、クラウン等の目的に応じて鋳造原型を加熱昇華性材料であるワックス等で形成する(ステップS3)。そして、鋳造原型の適宜の箇所に、湯道を形成するためのスプル線をワックスで取り付け(ステップS4)、その後、鋳造原型を模型から取り外し、スプル線の一端をゴム製のクルーシブルフォーマに植立する(ステップS5)。
【0004】
図13は、一般的なクルーシブルフォーマに鋳造原型を植立した状態を示す外観正面図である。クルーシブルフォーマ100の中央部には略円錐形状の植立台101が形成され、その頂部にはスプル線104を挿入するための挿入穴102が設けられている。加熱により軟化させたワックスを挿入穴102に詰め、一端に鋳造原型103を固着したスプル線104の他端をそこに挿入することで植立を行う。
【0005】
この鋳造原型103が内側に収納されるようにクルーシブルフォーマ100に円筒形状の金属製リングを嵌め込み、石膏又はリン酸塩系などの埋没材を金属製リングに流し込み鋳造原型103を埋没材中に埋没させる(ステップS6)。埋没材を硬化させた後、クルーシブルフォーマ100をリングから取り外すとともにスプル線104を引き抜き、リングを高温に加熱する。すると、埋没材中に埋没していたワックスが焼却され、スプル線104及び鋳造原型103に相当する部分が空洞として残り、鋳型が完成する(ステップS7)。
【0006】
この鋳型を所定温度に加熱し、クルーシブルフォーマの植立台の形状に応じて形成されたクルーシブル(逆円錐状の窪み)に溶融金属を注ぎ込み、スプル線に対応する管状の空洞である湯道を通して内部の空洞部に溶融金属を流し入れることにより、鋳込みを行う(ステップS8)。鋳込んだ金属が冷えて固化したならば、埋没材を崩して内部の鋳造物を取り出し(ステップS9)、湯道に沿って固化した金属など不要部分を除去し、更に鋳造物の表面を研磨する等の所定の後処理を行う(ステップS10)。このようにして補綴物が完成する。
【0007】
従来、上記一連の作業の中のステップS7において、リングを加熱することによりワックスを焼却するとともに鋳型を所定温度まで加熱するには、リングファーネスと呼ばれる電気炉が利用され、ステップS8の鋳込みを行うには、例えば反転式加圧鋳造装置が利用される(特開2000−176629号公報など参照)というように、複数の装置が利用されており、リングや合金を溶解するための坩堝の搬送は作業者自身が行っている。そのため、多数の異なった形状の補綴物を作製する必要がある場合には、上記一連の作業に掛かる手間は大変面倒なものであった。また、リングの焼成温度や焼成時間、鋳込み金属の溶融温度や溶融時間などは、埋没材や合金材料などによって適宜に設定する必要があり、このような設定が適正でないと補綴物は所望の仕上がりにならない。手作業によってこれら一連の作業を行う場合、設定のミスや、作業手順のミス、或いは作業の失念などが生じ易く、補綴物に欠損が生じる等、不良の原因となることがあった。
【0008】
これに対し、本出願人は特願2000−279118号(特開2002−85426号公報参照)において、上記のような鋳造に関わる一連の作業を自動的に行う歯科技工用鋳造装置を提案している。このような装置では、作業者は、鋳造原型が埋没した状態の複リングと鋳込み材料である合金インゴットを収容した坩堝とを所定の位置にセットし、所望の鋳造条件を入力設定しさえすれば、所定時間経過後に、鋳込みが完了したリングを得ることができる。これにより、作業者の手間が大幅に軽減されるとともにミスも少なくなり、効率的に補綴物を作製することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした自動化装置ではリングの焼成や鋳込み自体は自動的に行われるものの、この装置にリングや坩堝をセットする等の基本的な作業は人が行うことになるため、その際の作業ミスや作業忘れ、或いはミスとは言えないまでも作業の際に生じる個人差やそのほかの各種のばらつきなどが、補綴物の不良の原因となったり、作業効率を落とす原因となったり、或いは、製作コストを上昇させる原因となったりすることがある。そこで、こうした人為的なミスやそのほかの各種の不良発生要因を低減する、又はそれらをカバーすることができるような機能の付加が強く要望されている。具体的に言うと、次のような問題が考え得る。
【0010】
(1)作業者がリングをリング載置台上に載置する際に載置位置が所定位置からずれていると、リングを把持するためのグリッパによる把持動作が適切に行えず、把持の際にリングを転倒させてしまうおそれがある。上記特開2002−85426号公報に記載の装置では、このようなリングの載置位置のずれを修正するために、リング載置台に移動自在の複数本のピンを立設させ、該ピンの移動動作によってリングを適正な位置まで移動させるようにしている。しかしながら、ピンを移動させるための駆動部が必要となり、その分だけコストの増加要因となるため、より少ないコスト増加でリング載置位置の修正が行われることが望まれる。
【0011】
(2)合金インゴットを溶解するために利用される坩堝としては、比較的低温の加熱を行う用途にはカーボン製坩堝、約1400℃以上の加熱を行う用途にはセラミック製坩堝が用いられる。セラミック製坩堝は使用回数を重ねると徐々に脆くなり、特に20回程度以上繰り返し使用すると、亀裂が生じたり破損に至ったりする確率が急に高くなる。鋳込み作業の途中でこうした不具合が発生すると、単に作業が中断するのみならず、散乱した鋳込み材料を除去する等の余計な作業が必要になる場合もある。
【0012】
(3)リングは昇降台上に載置した状態で焼成されるが、焼成毎にワックスの焼成残滓等のゴミが昇降台上に堆積する。こうした状態で使用を継続すると、リングを昇降台上に載置する際にゴミの上に載って傾き、転倒する等のおそれがある。そこで、作業者は時々昇降台上を掃除してゴミを除去しなければならず、面倒であるととともに、そのゴミの除去を怠ると鋳造作業が中断してしまうおそれがあった。
【0013】
(4)作業者がリング載置台にリングを置く際に、誤って上下を逆さまに載置してしまうと、適切に鋳込みが行えないから、作業時間の無駄であるのみならず、鋳込み材料も無駄にしてしまう。
【0014】
(5)過去に使用経験のある鋳込み材料の場合には、その材料を溶融させるのに適切な温度や時間は既知であるが、使用経験のない鋳込み材料の場合には、こうした溶融温度や溶融時間を知るため、坩堝内で合金インゴットが確実に溶融しているか否かを目視で確認したい場合がある。また、特に作業経験の浅い作業者では、溶融温度等の設定ミスなどが無いか否かを確認するために、坩堝内での合金インゴットの溶融状態を目視で確認したい場合がある。しかしながら、従来の装置では、作業者が身を乗り出して坩堝を覗き込む必要があり、面倒であるとともに安全性の点でも問題がある。
【0015】
本発明はかかる点に鑑みて成されたものであり、その主たる目的とするところは、作業者の手間を軽減したり作業ミスや作業のばらつきなどを補ったりすることにより、不良品の発生を防止し、作業効率を改善するとともに、不要なコスト上昇を回避することができる歯科技工用鋳造装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された第1発明に係る歯科技工用鋳造装置は、
a)加熱昇華性材料から成る鋳造原型が埋没した状態である複数のリングを載置しておくための平面台状のリング載置部と、
b)前記各リングに対応した鋳込み材料が収容された複数の有底筒状の坩堝を起立保持しておくための坩堝保持部と、
c)上面に前記リングが載置される上下動自在の昇降台、及び、該昇降台が上昇した状態で前記リングを囲繞し該リングを加熱して鋳型を形成する焼成炉、を含む焼成手段と、
d)前記坩堝を内部に収容可能であって且つ該坩堝を加熱する容器と、該容器内に収容された坩堝の開口上方に湯口が面するように前記鋳型を配した状態で該鋳型を押さえる蓋体とから成るチャンバ、及び、該坩堝内で鋳込み材料を溶融させた後に前記チャンバを上下反転させて鋳込みを行うチャンバ駆動手段、を含む鋳造手段と、
e)前記リングと坩堝とを把持するための把持手段、該把持手段を昇降させる昇降駆動手段、及び、前記把持手段を水平面内で移動させる水平駆動手段を含み、前記リング載置部、坩堝保持部、焼成手段及び鋳造手段間でリング及び坩堝を搬送する搬送手段と、
を備え、該搬送手段は、前記リング載置部からリングを把持して搬送する動作に先立って、前記把持手段を該リングの底面に近接する高さまで下降させた状態で一旦把持動作を行うことにより、該リングの載置位置のずれを修正する位置ずれ修正動作を行うことを特徴としている。
【0017】
また、上記課題を解決するために成された第2発明に係る歯科技工用鋳造装置は、鋳込み材料が収容された有底筒状の坩堝を起立保持しておくための坩堝保持部と、前記坩堝を内部に収容可能であって且つ該坩堝を加熱する容器を含む鋳造手段と、前記坩堝保持部から前記容器まで坩堝を搬送する搬送手段と、具備する歯科技工用鋳造装置において、前記坩堝の上部には予め管理用コードを標識しておくとともに、
a)前記坩堝を起立保持しつつ、該坩堝の略中心の垂直軸の周りに所定回転速度で回転させる起立回転駆動手段と、
b)該起立回転駆動手段により回転される坩堝の前記管理用コードを、その回転に伴って読み取るコード読み取り手段と、
c)該コード読み取り手段により読み取られた管理用コードに基づいて各坩堝の使用履歴を管理する使用履歴管理手段と、
d)該使用履歴により、使用しようとする坩堝の使用回数が所定回数に達したか否かを判定し、その結果に基づいて該坩堝を使用した鋳造動作の実行の可否を決定する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0018】
また、上記課題を解決するために成された第3発明に係る歯科技工用鋳造装置は、
a)加熱昇華性材料から成る鋳造原型が埋没した状態であるリングを載置しておくためのリング載置部と、
b)上面に前記リングが載置される上下動自在の昇降台、及び、該昇降台が上昇した状態で前記リングを囲繞し該リングを加熱して鋳型を形成する焼成炉、を含む焼成手段と、
c)鋳込み材料が収納されている坩堝を内部に収容可能であって且つ該坩堝を加熱する容器と、該容器内に収容された坩堝の開口上方に湯口が面するように前記鋳型を配した状態で該鋳型を押さえる蓋体とから成るチャンバ、及び、該坩堝内で鋳込み材料を溶融させた後に前記チャンバを上下反転させて鋳込みを行うチャンバ駆動手段、を含む鋳造手段と、
d)前記リング載置部、焼成手段及び鋳造手段間でリングを搬送する搬送手段と、
を具備し、前記焼成手段にあって前記昇降台は、
略水平な軸を中心に回動自在である台座部と、外力を受けないときに前記台座部を略水平状態に維持する姿勢維持手段と、前記台座部が所定位置まで下降したときに該台座部に干渉して外力を与える姿勢変更手段と、を備えることを特徴としている。
【0019】
また、上記課題を解決するために成された第4発明に係る歯科技工用鋳造装置は、
a)加熱昇華性材料から成る鋳造原型が埋没した状態のリングであって、その一端面が円錐状に窪んだクルーシブルとして形成されているリングを載置しておくためのリング載置部と、
b)上面に前記リングが載置される上下動自在の昇降台、及び、該昇降台が上昇した状態で前記リングを囲繞し該リングを加熱して鋳型を形成する焼成炉、を含む焼成手段と、
c)鋳込み材料が収納されている坩堝を内部に収容可能であって且つ該坩堝を加熱する容器と、該容器内に収容された坩堝の開口上方に湯口が面するように前記鋳型を配した状態で該鋳型を押さえる蓋体とから成るチャンバ、及び、該坩堝内で鋳込み材料を溶融させた後に前記チャンバを上下反転させて鋳込みを行うチャンバ駆動手段、を含む鋳造手段と、
d)前記リングと坩堝とを把持するための把持手段、該把持手段を昇降させる昇降駆動手段、及び、前記把持手段を水平面内で移動させる水平駆動手段を含み、前記リング載置部、坩堝保持部、焼成手段及び鋳造手段間でリングを搬送する搬送手段と、
e)前記搬送手段により把持されたリングが所定高さまで下降されたときに、該リングの前記クルーシブルでないほうの端面で押圧される可動体、及び、該可動体の動作を検知する検知手段、を含むリング逆さ置き検知手段と、
を備えることを特徴としている。
【0020】
更にまた、上記課題を解決するために成された第5発明に係る歯科技工用鋳造装置は、
a)鋳込み材料が収容された有底筒状の坩堝を内部に収容可能な容器と、該容器内に収容された坩堝の開口上方に湯口が面するように鋳型を配した状態で該鋳型を押さえる蓋体とから成るチャンバ、前記容器に収容された坩堝を加熱して該坩堝内で鋳込み材料を溶融させる坩堝加熱手段、及び、該坩堝内の鋳込み材料が溶解した後に前記チャンバを上下反転させて鋳込みを行うチャンバ駆動手段、を含む鋳造手段と、
b)鋳込み前の坩堝を搬送して前記容器内に収容するとともに、該容器内に収容された坩堝の上部に鋳型を搬送する搬送手段と、
c)前記鋳造手段及び搬送手段を内装する箱状の筐体と、
d)前記容器内に収容された坩堝の上部に前記鋳型が配される以前に、該坩堝が所定角度だけ傾斜した状態となるように前記チャンバの回転位置を保持する傾斜位置決め手段と、
e)該傾斜した坩堝の内部を覗く位置に設けられた少なくとも1個の反射鏡、該反射鏡に投影された像を拡大するためのレンズ、前記傾斜した坩堝の内部を照明する照明手段、及び、前記レンズによる拡大像を見るために前記筐体の外側に開口した覗き開口部、から成る坩堝内部観察手段と、
を備えることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態、及び効果】
第1発明に係る歯科技工用鋳造装置を使用するに際し、作業者は、円筒形状の金属製リングの内側に加熱昇華性材料から成る鋳造原型が埋没した状態にあるリングをリング載置部にセットするとともに、鋳込み材料を収容した坩堝を坩堝保持部にセットする。鋳造動作が開始されると、搬送手段においては、水平駆動手段により把持手段がリングを把持可能な位置まで移動され、引き続いて昇降駆動手段により把持手段が所定位置、つまりリングの底面に近接する高さまで降下する。把持手段は例えば複数のグリッパ設けられた構成であり、グリッパが互いに近接するように移動することによって、或いは、内部が空洞である被把持物に対しては、該空洞内に挿入したグリッパを互いに離間するように移動することによって、被把持物を把持することができる。この場合、グリッパがリングの底面に近接する高さまで降下された後に把持動作を行うと、各グリッパが互いに近接することによって、リングの載置位置がずれていた場合には移動するグリッパがリングを押し、グリッパの移動中心となる所定のリング載置位置までリングを移動させる。これにより、リングの載置位置のずれが修正される。
【0022】
上記のように載置位置のずれを修正した後、把持動作を一旦中止して、リングの上部を把持可能な位置まで把持手段を上昇させ、再度把持動作を行うことによりリングを確実に把持する。そして、例えばリングを焼成手段の昇降台上まで搬送して、焼成を実行すればよい。リングの載置位置がずれた状態で、始めからリングの上部を把持する動作を行うと、グリッパに押されてリングが転倒するおそれが高いが、リングの底面近くまでグリッパを降下させた状態で把持動作を行うことにより、リングを転倒させることなく円滑に載置部上を移動させることができる。
【0023】
このように第1発明に係る歯科技工用鋳造装置では、リングの搬送動作に先立ってリングの載置位置のずれが自動的に修正されるため、作業者がリングをリング載置部に置く際にその位置がずれていても、何ら問題なく鋳造作業を遂行することができる。また、リングの載置位置のずれを修正するための手段として、リングや坩堝を搬送するための搬送手段を利用しているため、上記リングの位置ずれ修正機能を付加しても殆どコストの増加を招くことなく、低廉なコストで位置ずれの修正を行うことができる。
【0024】
第2発明に係る歯科技工用鋳造装置では、例えば搬送手段により、坩堝保持部に保持されている坩堝が起立回転駆動手段にセットされ、該坩堝は所定の回転速度で回転される。コード読み取り手段は例えば光学的に反射の有無や反射率の相違を利用した読み取り手段であって、上記回転される坩堝に付されている管理用コードを読み取る。使用履歴管理手段は、各管理用コードに対応して、つまり個別の坩堝毎にその使用履歴を管理しており、その使用回数がわかるようになっている。制御手段は、使用しようとしている坩堝の使用回数の情報を使用履歴管理手段から取得し、使用回数が所定回数に達しているか否かを判定する。ここでの所定回数は、その種類の坩堝の耐久性などのデータや経験に基づいて想定される、破損や亀裂発生の危険性が高くなる使用回数に基づいて予め決められる。そして、制御手段は、その坩堝の使用回数が所定回数に達している場合には、使用の継続の危険性が高いと判断し、その坩堝を使用した鋳造動作を禁止する。具体的に言えば、例えば、その坩堝を坩堝載置部へと戻し、他の坩堝を使用した鋳造動作へと移行する。
【0025】
なお、その坩堝の使用が不可であることは、例えば表示手段や音などによる報知手段により作業者に知らせればよい。こうした報知を受けた作業者はその坩堝を廃棄処分すればよい。
【0026】
このように第2発明に係る歯科技工用鋳造装置によれば、セラミック製の坩堝など特に使用を重ねるに従って劣化が進む坩堝を使用する場合でも、破損や亀裂などの不具合が発生する以前に、そうした不具合の発生の危険性が高まると自動的に坩堝の使用が禁止され、作業者にその旨が報知される。したがって、鋳込み材料の加熱溶解や鋳込み途中などに坩堝が破損し、溶解した鋳込み材料が漏出するような事故を防止することができ、高い安全性を確保することができるとともに無駄な作業が減って鋳造作業の効率化が図れる。更にまた、作業者自身が手作業で坩堝の使用履歴の管理を行う必要もなくなるので、作業量の軽減も図ることができる。
【0027】
第3発明に係る歯科技工用鋳造装置では、台座部が上昇した状態で焼成炉内でリングは加熱される。加熱終了後、台座部が降下して或る位置まで降下したときに、搬送手段によりリングは台座部上から運び去られる。その後、更に台座部が所定位置まで降下すると、台座部の一部は姿勢変更手段により外力を受け、それによって姿勢維持手段による姿勢維持動作は解除されて台座部は傾斜する。この直前には、焼成によって発生したワックスの燃え滓等のゴミ類が台座部上に載っているが、台座部が傾斜することでゴミ類は滑り落ち、台座部上から取り除かれる。それ故に、台座部上がきれいになって、次のリングの焼成を行うべく台座部上にリングが載置される際に、該リングがゴミの上に載って傾いた状態となったり転倒したりすることを防止できる。
【0028】
このように第3発明に係る歯科技工用鋳造装置によれば、リングの焼成が終了する毎に作業者が台座部上を掃除する必要がなくなるので、作業者の負担が軽減される。また、従来、作業者が台座部上の掃除を忘れると、リングが転倒して焼成作業が中断するおそれもあったが、こうしたことも解消され、効率的な補綴物鋳造が可能となる。
【0029】
第4発明に係る歯科技工用鋳造装置では、作業者がリング載置部上にリングを置いた後、該リングを把持した搬送手段により、リング逆さ置き検知手段まで該リングは搬送された後に所定高さまで下降される。クルーシブルが下面に位置している場合には可動体は押されないが、クルーシブルが上面に位置している場合にはリングの下端面によって可動体が押されるので、検知手段はリングの上下が逆さまであることを認識する。これにより、リングを焼成する前に該リングの上下をチェックすることができるので、リングが上下逆さに載置されている場合には、そのリングの焼成を行わない等の適宜の処理を行うことができる。
【0030】
このように第4発明に係る歯科技工用鋳造装置によれば、作業者が誤ってリングを上下逆さに置いてしまった場合でも、無駄な作業を継続することがないので、補綴物鋳造の効率化が図れる。また、そのリングに鋳込む予定であった鋳込み材料を加熱溶解することも停止できるので、鋳込み材料の無駄も省ける。
【0031】
第5発明に係る歯科技工用鋳造装置では、例えば作業者が所定の操作を行うと、傾斜位置決め手段によりチャンバが所定角度だけ回転された位置で停止し、それによって坩堝が斜めになる。このとき、反射鏡による投影像はちょうど坩堝の内側を覗く位置となるから、作業者が覗き開口部からレンズを介して反射鏡を覗くと、坩堝の内側を見通すことができる。これにより、坩堝に収容されている鋳込み材料が加熱溶解して赤熱しているか否かを目視で確認することができる。また、鋳込み材料が加熱によって赤熱しないようなものであっても、照明手段によって坩堝の内側を照明することによって、鋳込み材料が溶解して表面が鏡面であるか否かを容易に確認することができる。
【0032】
したがって第5発明に係る歯科技工用鋳造装置によれば、必要に応じて筐体の外側から坩堝内の鋳込み材料の溶解状態を確認することができるため、例えば溶解条件の不明な又は不確かな鋳込み材料を使用する場合でも、確実に鋳込み材料が溶解した後に鋳込みを行うことができる。また、筐体の外側からこうした確認が行えるので、安全性も非常に高い。
【0033】
【実施例】
以下、第1〜第5発明の一実施例である歯科技工用自動鋳造装置について、図面を参照して説明する。
【0034】
図1は本実施例の全自動鋳造装置の要部の正面外観図である。図2は本実施例の全自動鋳造装置の要部の上面外観図である。図3は本実施例の全自動鋳造装置における搬送手段の構成を示す上面図(A)及び側面図(B)である。図4は本実施例の全自動鋳造装置における焼成手段の左側面図である。図5は本実施例の全自動鋳造装置における鋳造手段の右側面図である。図6は本実施例の全自動鋳造装置におけるリング逆さ置き検知手段の概略構成図である。図7は本実施例の全自動鋳造装置におけるチャンバの略縦断面図である。図8は本実施例の全自動鋳造装置における坩堝内観察手段の概略構成図である。図9は本実施例の全自動鋳造装置における坩堝使用履歴管理手段の全体構成図であり、図10はその履歴管理のために坩堝に貼付される管理コードの一例を示す図である。
【0035】
まず、図1及び図2に基づいて、本実施例による歯科技工用自動鋳造装置の概略構成を説明する。
【0036】
本装置は、全体として縦に細長い箱形状であり、その下半分は、機械的及び電気的動作を制御するための制御回路や、圧搾空気供給・遮断機構などを内装する箱体2になっている。該箱体2の上面はテーブル3となっており、後述するように各種作業を行うための手段が設けられる。テーブル3の上部は前面に図示しない透明なドアが設けられたカバー1で覆われており、これによって作業者の安全を確保するとともに、テーブル3上に異物やゴミなどが落下することを防止している。
【0037】
テーブル3上面にあって、最も手前側には、最大6個までのリングAを載置可能であるとともに同じく最大6個までの坩堝Bを保持可能なリング/坩堝載置台Cが設けられ、その奥には、リングA及び坩堝Bの把持・搬送を行う搬送手段Dが設けられている。更に、その奥の左側には、最大2個のリングAを同時に且つ独立に温度制御可能に加熱する焼成手段Eが設けられ、右側には坩堝Bを加熱して該坩堝Bに収容されている合金を溶解するとともに、焼成されて鋳型が形成されたリングAに鋳込みを行う鋳造手段Fを備えている。リング/坩堝載置台C、搬送手段D、焼成手段E及び鋳造手段Fが主要な構成要素であるが、それ以外に、焼成手段Eと鋳造手段Fとの間には、坩堝Bの使用回数を管理するための坩堝使用履歴管理手段G、リングの逆さ置きを検知するための逆さ置き検知手段Hなども設けられている。また、テーブル3上方には、鋳造手段Fにおける坩堝Bの内部を観察するための坩堝内観察手段Jも設けられている。
【0038】
更にまた、テーブル3上には鋳込みが終わった後のリングを回収するために、リングの重量による押圧力で開放するドアが設けられたリング回収口6が設けられ、該リング回収口6から落下されたリングは落下通路5内を通って、その底部の回収槽4に集積される。この回収槽4は箱体2の前面から引き出すことができる。
【0039】
なお、以下の説明では、上述したように埋没材が固化してクルーシブルフォーマを除去したあとの状態、及びこれを焼成してワックスを焼却したあとの状態を共にリングと呼ぶこととするが、図中では、焼成する前の状態をリングA1、焼成したあとの状態をリングA2として、符号を使い分ける。また、坩堝Bについても、固体である合金インゴットが収容された状態を坩堝B1、加熱により合金が溶融した状態を坩堝B2として、符号を使い分けるものとする。
【0040】
上記各部の構成の詳細及び動作について説明する。
【0041】
(1)リング/坩堝載置台C(図1及び図2参照)
リング/坩堝載置台Cには、図2に示すように、6本の坩堝Bを起立状態で保持するための保持穴11が横方向に所定間隔を保って穿孔されている。その保持穴11に坩堝Bを挿入したとき、坩堝Bの上端はその周囲の水平面よりも低くなるように構成され、各坩堝(厳密に言えば各坩堝に収容される鋳込み材料)に対応付けて、その上部にそれぞれリングAを載置する載置部10が設けられる。また、リング/坩堝載置台Cの前面には、各リング/坩堝に対応して6個の表示器12が設けられており、該表示器12の点灯によって、それに対応付けられたリング/坩堝の搬送動作が行われていることを確認できるようになっている。
【0042】
(2)搬送手段D(図1、図2及び図3参照)
搬送手段Dは、リングAや坩堝Bを把持するための把持部22を上部に備えた走行体21を含む。この走行体21は、互いに平行で水平に架設された2本のガイドレール23を貫通し、このガイドレール23に沿ってスライド移動自在であるベース211と、そのベース211を垂直方向に貫通して伸縮自在の脚部212と、その脚部212の上端に固定された支持台213と、その支持台213から垂直上方に延伸して回転自在の主軸214と、その主軸214の上端に固定され水平に延伸するアーム215と、を含んで成り、そのアーム215の端部に把持部22が設けられている。ベース211はモータ25により巻回されるチェーンベルト24に固定されており、モータ25の回転動作に応じてガイドレール23に沿って往復動する。
【0043】
把持部22は、一端がアーム215に固定されたエアシリンダ221と、そのエアシリンダ221の他端に連結された連結片222と、その連結片222を介した動作によって、アーム215に軸支された垂直軸を中心に回転する主ギア223と、主ギア223に噛合してそれぞれ垂直軸を中心に回転する4個の副ギア224と、その副ギア224の中心に固定され、下部にグリッパ226を有する可動体225と、を含んで構成される。主ギア223が回転するとき4個の副ギア224は同期して回転するから、その回転方向に応じて、4本のグリッパ226は互いに近接する又は離間するように移動する。なお、本明細書では、グリッパ226の移動方向とは無関係に、リングAや坩堝Bを搬送する際に保持することを「把持」という。
【0044】
したがって、搬送手段Dは、エアシリンダ221の駆動による4本のグリッパ226の移動によってリングA及び坩堝Bの把持動作を達成し、脚部212の伸縮によりグリッパ226(つまり把持部22)の昇降動作を達成し、ガイドレール23に沿ったベース211のスライド移動、及び、主軸214の回転によるアーム215の旋回運動、により水平面内でのグリッパ226の移動を達成する。更にまた、搬送手段Dは、リングA及び坩堝Bの搬送を担うのみならず、後述するように、リングAを把持するに先立ってリング/坩堝載置台Cの上でリングAの載置位置を修正する位置修正動作を行う。
【0045】
なお、走行体21のスライド移動はモータ25の回転駆動力により遂行されるが、脚部212の伸縮によるアーム215の上下動、主軸214の回転によるアーム215の旋回、及び、グリッパ226の把持・解放動作は、何れも空気圧を利用したエアモータ又はエアシリンダにより遂行される。もちろん、本発明はこれに限るものではなく、電気駆動力など他の駆動力を利用した機構を用いてもよい。
【0046】
(3)焼成手段E(図1、図2及び図4参照)
焼成手段Eにあって、支柱31の上部には、上記ガイドレール23の延伸方向に並んで2個の焼成炉32a、32bが設けられている。各焼成炉32a、32bの下方には、垂直方向に延伸するガイドレール33a、33bに沿ってそれぞれ独立にスライド移動する昇降台34a、34bが設けられている。例えば昇降台34aは、ガイドレール33aを貫通する昇降体341と、前後方向に延伸する水平軸342と、該水平軸342を中心に左右に回転自在である回動体343とを含み、図示しないバネの付勢力によって、外力が加わらないときには回動体343は水平に保持される。
【0047】
支柱31の側方には、昇降台34a、34bとの接触によって閉成・開成する3個のスイッチが所定高さ位置に設けられており、それによって昇降台34a、34bがその3段階の位置に達したことが検知される。一番上のスイッチは昇降台34a、34bが最高位置まで到達したことを検知するものであり、このときには昇降台34a、34bにより焼成炉32a、32bの下側開口は閉塞され、昇降台34a、34b上に載置されたリングAを内包して炉内は略密閉される。
【0048】
中間のスイッチは、上記搬送手段Dの把持部22によって昇降台34a、34b上にリングAが載置されたり又は運び出されたりする位置(以下「搬送位置」という)に達したことを検知するものである。更にまた、一番下のスイッチは、昇降台34a、34bが最低位置まで下降したことを検知するものである。この最低位置よりも少し上方には昇降台34a、34bの回動体343の端部に干渉するように突設された突設片35a、35bが設けられており、昇降台34a、34bが上記搬送位置から最低位置まで下降する途中で、昇降台34a、34bの回動体343の端部は突設片35a、35bに接触する。すると、突設片35a、35bによる押圧によって、バネの付勢力に抗して回動体343は水平軸342を中心に回動し、昇降台34a、34bは斜めに大きく傾く。これによって、昇降台34a、34bの台上に焼結屑などのゴミが載っていた場合でも、ゴミは傾斜に沿って滑り落ち、下方のゴミ集積部36へと溜まる。
【0049】
(4)鋳造手段F(図1、図2、図5及び図7参照)
鋳造手段Fの主要構成要素であるチャンバは、有底円筒形状の容器40と、該容器40の上面開口を閉塞し且つ完全に分離可能な蓋体50とから成る。容器40の上端外側には、容器40と僅かな間隙を有して容器40の周囲に回転自在の環状体41が設けられている。容器40の内部には、断熱材から成る支持基体42が配設されており、その中央の略円柱形状に窪んだ凹部43の内周面にはヒータ44が周設されている。このヒータ44の内側には、有底円筒形状のセラミック製の坩堝レトルト45が嵌挿され、坩堝Bはその坩堝レトルト45の内側に着脱自在に遊嵌される。坩堝レトルト45の上端には外側に突出したフランジが形成され、フランジを押え付るように耐火材から成る上部支持体46が設けられている。これによって、チャンバの倒立時にも坩堝レトルト45は凹部43から脱落しない。
【0050】
容器40の側面には水平に延伸する回転軸47が固着されており、この回転軸47はモータ48の回転駆動力により回転される。また、回転軸47は容器40内に通じる中空体であり、チャンバ内部と図示しない真空ポンプやガス導入弁とを連通する給排気路49として機能する。
【0051】
蓋体50内側の天面にはコイルばね等から成る押圧部51が設けられており、円錐形状のクルーシブル111を下向きにした状態で装着されたリングA2の上端面を押圧部51でもって押圧することにより、上部支持体46上面とリングA2の下面との密着性を向上させるようにしている。
【0052】
蓋体50は、支柱53に沿って上下方向にスライド移動する蓋体昇降部54に着脱自在である。すなわち、蓋体50の上面には垂直上方に突出して2本の傘状のツメ52が設けられ、一方、蓋体昇降部54の下面にはこのツメ52が挿入される穴55が設けられ、その内側には、穴55に挿入されたツメ52と係合可能な係合板56が進退自在に設けられている。係合板56は、図示しないエアシリンダにより水平方向に移動自在であって、ツメ52が穴55に充分に挿入された状態で係合板56が進出すると、係合板56がツメ52に係合して蓋体50は蓋体昇降部54に懸吊される。また、係合板56が後退するとツメ52との係合が解除され、蓋体50は蓋体昇降部54から離脱可能となる。
【0053】
また、図5に示すように、支柱53内部には左右方向に延伸する水平軸58を中心に回動自在の坩堝開口閉塞部57が設けられ、容器40内に坩堝B1が収容され且つ蓋体50が閉鎖していない状態で、坩堝開口閉塞部57が前方に倒れると、該坩堝開口閉塞部57は坩堝B1の上面開口を覆う。これによって、坩堝B1内は外気と遮断されるため、後述のように坩堝B1内の合金インゴットが加熱溶融されるときに不所望の酸化を防止することができる。
【0054】
(6)坩堝使用履歴管理手段G(図1、図9及び図10参照)
本装置で使用される坩堝Bには、主としてセラミック製の坩堝とカーボングラファイト製の坩堝とがあるが、特に前者は使用回数が20回を超えると急激に劣化が進行し、亀裂が入ったり割れたりし易くなる。搬送途中や加熱途中にこうした不具合が発生すると作業効率を落とす大きな原因となるため、本鋳造装置では、坩堝使用履歴管理手段Gにより特にセラミック坩堝の使用履歴を自動的に管理し、破損が生じ易くなる以前に使用できないようにしている。
【0055】
坩堝の使用履歴の管理のために、使用対象の坩堝には予め(新品の時点で)管理番号を付与する。ここで使用する管理管理を表す管理コードは、図10に示すような擬似的なバーコードである。すなわち、管理番号は4桁の数字であって、0000〜8191までの数字を2進数に変換して13ビットのバイナリコードで表す。そして、後述の信号の読み取り方向に対して、「0」を幅d、「1」を幅2dの線又は線間の空白として定義する。例えば、管理番号3475は2進数で表現すると0110110010011となり、この管理コードは図10に示すようになる。ここでdは読み取り性能に応じて適宜に決めることができるが、一例としては、2.5mm程度とするとよい。
【0056】
上記のような管理コードを各坩堝に書き込む好適な方法の一例として、セラミック製の薄膜粘着シールに耐熱性インクで管理コードを印刷し、該シールを坩堝の所定位置に貼り付けた後に該坩堝を焼成することによって、シールと坩堝と一体化させるという方法を利用することができる。
【0057】
図9に示すように、坩堝使用履歴管理手段Gは、坩堝を起立保持するためのホルダ70と、軸72を介してホルダ70を回転させるモータ71と、ホルダ70の上端から突出した坩堝の上縁部に書き込まれている管理コードを読み取るための光学センサ73と、該光学センサ73による出力信号を受けて管理番号を復調するコード読み取り部74と、その管理番号に基づいて坩堝の使用履歴を判断する履歴管理部75と、制御部76と、モータ駆動部77とを含む。
【0058】
コード読み取り部74は管理コードの線又は線間の最小幅dよりも充分に小さな所定のサンプリング周期で信号のレベルを判定することにより、2値を判定する。また、坩堝B1が回転するに伴って光学センサ73で読み取られる管理コードは、例えば図9に示すように、或る一定期間の空白が存在した後に管理コードが続く。管理コード中の最大空白の長さは2dであり、上記空白期間はこれよりも長いため、坩堝が最大1周する間に上記空白期間を検知することにより、管理コードの先頭を見つけることができる。
【0059】
こうして読み取られた管理番号は、履歴管理部75の坩堝識別部751へと与えられる。坩堝識別部751には使用履歴記憶部752が付設されていて、管理番号に対応付けて使用回数が例えばテーブル形式で格納されている。そこで、坩堝識別部751は、コード読み取り部74から管理番号を受け取ると、使用履歴記憶部752の記憶データを検索し、その管理番号が付与されている坩堝の使用回数を調べる。もし、該当する管理番号が見当たらなければ、新規の坩堝であると判断できるから、新たにその管理番号をテーブルに追加する。
【0060】
こうして検索された使用回数情報が、坩堝識別部751から使用回数判定部753へと与えられると、使用回数判定部753はそのときの坩堝の使用回数が閾値以上であるか否かを判定する。例えば、使用回数が20回を超えると急に破損が起き易くなる場合には、安全を見込んで閾値を15と設定しておく。使用回数判定部753で使用回数が閾値未満であると判定されると、その判定結果を受けて制御部76は、例えばそのままその坩堝を用いた鋳込み作業を継続する。他方、使用回数判定部753で使用回数が閾値以上であると判定されると、その判定結果を受けて制御部76は、例えばその坩堝をそのままリング/坩堝載置台Cへと戻し、次のリング/坩堝に対する鋳込み作業へ移行する。
【0061】
使用回数が閾値以上であったことを例えば表示等により報知することにより、作業者は後でその坩堝の廃棄を行うことができる。これにより、亀裂や破損が生じ易くなっている坩堝を継続して使用することがなくなり、搬送途中や鋳込み途中での破損事故を効果的に防止することができる。
【0062】
(6)リング逆さ置き検知手段H(図1及び図6参照)
作業者がリング/坩堝載置台C上に誤ってリングを上下逆さまに置いてしまうと、当然のことながら正常な鋳込みが行えなくなる。そこで、搬送手段Dはリング/坩堝載置台C上からリングA1を把持して焼成手段Eの昇降台34a又は34b上に置く前に、リング逆さ置き検知手段Hにおいて逆さ置きのチェックを行う。リング逆さ置き検知手段Hでは、所定の高さの可動ピン90が立設されており、テーブル3下面には可動ピン90を可動片とするスイッチ91が設けられている。
【0063】
上記搬送手段Dは、リングA1をリング/坩堝載置台C上で把持して焼成手段Eの昇降台34a、34b上に載置するに先立って、リング逆さ置き検知手段Hの可動ピン90の上方まで搬送して図6中の降下位置まで一旦下降させる。リングA1が正常に載置されていた場合には、図6(A)に示すようにリングA1中のクルーシブが下面に位置しているため、埋没材は可動ピン90に接触しない。これに対し、リングA1が上下逆さに載置されていた場合には、図6(B)に示すようにリングA1中の下端面は埋没材で充填されているため、可動ピン90が押圧されてスイッチ91が作動する。これにより、このスイッチ91の作動・非作動に応じてリングA1の逆さ置きを検知することができる。
【0064】
(7)坩堝内観察手段J(図1及び図8参照)
鋳込み材料としては、低融点金属から高融点金属まで各種の金属が利用される。過去に利用の経験がない材料の場合、加熱温度や加熱時間などの諸条件が不明確であることがあり、坩堝内で金属が完全に溶解したか否かを目視で確認したいことがある。坩堝内観察手段Jは、そのような場合のために設けられている。坩堝内観察手段Jは、チャンバの斜め右上方に取り付けられた82と、反射鏡82からほぼ真っ直ぐ前方のカバー1の前面枠体に設けられたレンズ81と、該レンズ81を内装する覗き口80とを含む。また、反射鏡82の近傍には、チャンバの容器40内に収容された坩堝B内を照明する光源83が設けられている。
【0065】
坩堝B1が容器40内で加熱されるとき坩堝B1は起立状態である。この状態から、作業者が操作部に設けられている坩堝内部の視認を行う旨の指示ボタンを押すと、制御部の制御の下に、まず、坩堝B1の上面を閉塞していた坩堝開口閉塞部57が引き上げられ、坩堝B1の上面開口が露出する。そして、モータ48により容器40が回動され、坩堝B1が所定角度だけ傾斜した状態で停止する。すなわち、このときには反射鏡82には坩堝B1の内部が写し出され、覗き口80から中を覗くと、レンズ81により拡大された像が見える。例えば高融点金属は溶解すると赤熱するため、坩堝B1内部で溶解しているか否かを容易に確認することができる。一方、低融点金属では赤熱しないものの、溶解すると表面が鏡面状になるため、光源83からの光が当たると容易に確認することができる。
【0066】
このようにして、鋳込み動作前であれば必要に応じていつでも、坩堝B1内の鋳込み材料が溶解したか否かを、作業者は目視でカバー1の外側から確認することができる。
【0067】
次に、上記構成を有する本実施例による歯科技工用鋳造装置の全体的な動作を、図11を参照しつつ作業順序に従って説明する。なお、以下の説明では、2個の鋳造を行う場合について述べる。図11は全体の流れを示す制御シーケンスの一例である。
【0068】
まず、作業者はリングA1と、このリングA1に対応した鋳込み材料(金属のインゴット)を収納した坩堝B1とをリング/坩堝載置台Cにセットする。このとき組になる坩堝B1の上部にリングA1を重ねて置く。リング/坩堝載置台Cに載置されるリングA1は、例えば図12に示したステップS1〜S6の作業により作製されたものである。
【0069】
作業者は動作開始の指示に先立って、操作パネルより各種の鋳造条件を設定する。この装置では、歯科技工で使用される一般的な埋没材の材料や鋳込み材料などに適した温度プロファイル等の条件が予め組み込まれており、作業者はその材料の名称などを選択するだけで、適切な鋳造条件が設定されるようになっている。また、作業者自身が細かい鋳造条件を入力することもできるし、このような入力した条件を記憶させておき、次回以降の鋳造の際に利用することもできる。
【0070】
作業者によるスイッチ操作に応じて、制御回路が動作開始の指示を受けると、搬送手段Dは1個目のリングA1の搬送動作を実行するが、それに先だって、該リングA1の載置位置の修正動作を実行する。
【0071】
すなわち、まず、モータ29が駆動されてチェーンベルト28が巻回され、搬送手段Dの走行体21が所定位置までスライド移動する。なお、走行体21の初期位置としては例えば図1及び図2で最も右側の位置とする。このとき把持部22のグリッパ226は最も開いた状態にあり、グリッパ226がリングA1の上方にくるようにアーム215が旋回したあと、グリッパ226の下端がリング/坩堝載置台Cの上面から僅かに離れた所定高さまで下降させる。そして、エアシリンダ221を駆動することにより4本のグリッパ226をほぼ同時に中央側に移動させる。これにより、リングA1の中心が載置位置の中心からずれていた場合であっても、グリッパ226に押されてほぼ中央に位置が修正される。なお、リングの寸法は予め決まっており、リングが載置部10上に存在する場合には、各グリッパ226が最内周位置まで到達することはあり得ない。そこで、各グリッパ226が最内周位置まで到達したことを検知する検知機構を設け、該検知出力が得られた場合にはその載置部10にはリングが載置されていないと判断することができる。
【0072】
上記のように一旦グリッパ226を狭める動作を行った後グリッパ226を開き、グリッパ226を所定高さだけ上昇させてから、再びグリッパ226の間隔を狭めることによってリングA1の上部を挟持する。そして、脚部212が伸張することによりアーム215は上昇し、主軸214を中心に約180°旋回する。そして、リング逆さ置き検知手段Hの可動ピン90の上方で上述したように一旦所定高さまで下降させて正常であるか否かを判別し、正常である場合にはそのまま動作を継続し、搬送手段Dは中間位置に待機している焼成手段Eの昇降台34a上にリングA1を載置する。そして、アーム25は旋回して昇降台34a上から退避する。一方、リング逆さ置き検知手段Hの可動ピン90が押圧され、それによってリングA1が上下逆さ置きであることが検知されると、制御回路はこの検知信号を受け、搬送手段Dによりそのリングをそのままリング/坩堝載置台Cへと戻し、次のリングに対する搬送動作に移行する。
【0073】
図4中の実線位置のように昇降台34a上にリングA1が載置された状態から、昇降台34aは上昇し、リングA1を焼成炉32aの内部に収納するとともに、その下面開口を閉塞する。そのあと、焼成炉32aのヒータ(図示せず)に通電が開始され、温度は所定の温度プロファイルに従って上昇される。具体的は、例えば図11(C)に示すように、約2時間かけて700〜900℃まで段階的に昇温される。
【0074】
搬送手段Dは、上述したように1個目のリングA1を焼成炉32aに収容したあと暫く待機するが、所定時間が経過すると再び動作を開始し、上述した動作と同様に、2個目のリングA1を第2焼成炉32bに収容する。第2焼成炉32bは、リングA1が収容されたあと、第1焼成炉32aと同様の温度プロファイルで加熱される(但し、これは両者の焼成条件が同一である場合であって、例えば埋没材の材料が相違する場合には、それぞれに適した温度プロファイルが設定される)。
【0075】
上記焼成により、リングA1内の埋没材中に埋没しているワックスが焼却され、鋳造原型に対応した空洞ができあがり鋳型となる。リングA2は、図7に示したように側周を円筒形状の金属製リング110で覆われており、その内部にはクルーシブル111の頂点に開口した湯口112に連通する湯道113と、鋳型原型に対応した空洞部114とが形成されている。
【0076】
一方、上述したように焼成炉32aでリングA1が焼成される前に、搬送手段Dにより、そのリングに対応した坩堝B1がリング/坩堝載置台Cから坩堝使用履歴管理手段Gへと搬送される。そして、上述したように坩堝使用履歴管理手段Gにおいてその坩堝の使用回数がチェックされた後に、坩堝は一旦リング/坩堝載置台Cへと戻される。このとき使用回数が閾値未満であった場合には、上述したようにリングに対する焼成が開始され、所定時間が経過したときに、搬送手段Dにより、坩堝B1はチャンバの容器40の坩堝レトルト45内に収容される。一方、使用回数が閾値以上であった場合には、その坩堝はそれ以上使用されないため、焼成手段Eの昇降台34aの上に一旦載せられたリングは搬送手段Dによって再びリング/坩堝載置台Cへと戻され、リング逆さ置き検知時と同様に、そのリングと坩堝の組に対する鋳込み作業は見送られる。
【0077】
図11(F)に示すように、チャンバのヒータ44には動作開始時点から加熱電流が供給され、坩堝B1が容器40内に収容される時点では所定温度に安定して維持されるようにしている。坩堝B1が容器40内に収容されると、後方に待避していた坩堝開口閉塞部57が前方へと倒れ込み、坩堝B1の上面開口を閉塞するとともにアルゴンガスを供給する。これにより、鋳込み材料の酸化を防止することができる。ヒータ44への加熱電流は増加され、金属が充分に溶解する温度(貴金属では1000℃程度、非貴金属では1400℃程度)まで上昇され、所定時間その温度が維持される。この間に、坩堝内でインゴットは溶解して液化する。
【0078】
所定時間が経過して金属インゴットが充分に熔解して鋳込みに最適な状態になると、坩堝開口閉塞部57は後方に待避し、リングAが焼成手段Eから鋳造手段Fへと搬送される。すなわち、焼成手段Eの昇降台34aがリングA2を上に載置したまま中間位置まで下降する。搬送手段Dのグリッパ226はこのリングA2を挟持し、スライド移動して容器40の坩堝B2の上に載置する。アーム215は旋回して容器40の上方から退避すると、蓋体昇降部54が蓋体50を保持したまま下降し、蓋体50が容器40の上に乗った位置で降下は停止する。
【0079】
次いで、図示しないガス導入弁が閉鎖されるとともに真空ポンプが作動される。これにより、チャンバ内部の空気は給排気路49を介して外部へ排出される。図示しない圧力センサによりチャンバ内の圧力はモニタされ、この圧力が所定値(例えば−0.1MPa)に達すると、蓋体昇降部54にあっては係合板56が後退してツメ52との係合が解除され、蓋体昇降部54は上昇し、蓋体50は容器40の上面開口を閉塞した状態で残される。引き続き、制御回路の指示によりモータ48は駆動され、チャンバは正立位置から正転方向に約180°回転される。このチャンバの回転に伴い蓋体50はロックされる。
【0080】
坩堝B1内の溶融金属の流動性が高い場合には、チャンバが或る程度傾くと、傾斜した坩堝B1から流れ出した溶融金属がリングA1のクルーシブル111の中に注がれ始める。チャンバが倒立位置に到達したあと、又はその手前の適宜の時点で、真空ポンプの動作を停止するとともにガス導入弁を開放させて加圧を開始する。すると、給排気路49を介してチャンバ内部へと圧搾空気(又は不活性ガス)が急速に流入し、坩堝B2の開口端面とリングA2との間隙を介してクルーシブル111内側に空気が流れ込む。すなわち、坩堝B2から流れ出た溶融金属がクルーシブル111の中に流れ込んで湯口112を完全に閉塞した直後に、空気による圧力がその上面に加わる。ガス導入の直前までチャンバ内部は真空雰囲気に維持されるため、溶融金属で閉塞された湯道113及び空洞部114内部は真空状態となっており、上面側の空気圧との差圧により湯口112付近の溶融金属は湯道113を通って空洞部114へと押し込まれる。
【0081】
チャンバが倒立位置に達すると、制御回路の指示によりモータ48は停止され、それから所定時間経過後にヒータ44への通電も停止される。ヒータ44への通電が停止されると、チャンバ内部は自然冷却され、リングA2の空洞部114内に充填された溶融金属は固化し始める。所定時間、加圧を継続して溶解金属がほぼ固化したあと、再びガス導入弁を閉鎖して真空ポンプを動作させる。これにより、蓋体50を容器40に吸着させる。そして、制御回路の指示によりモータ48は再び駆動され、先の正転方向とは逆方向にチャンバを倒立位置から正立位置まで回転させる。
【0082】
チャンバが正立位置に達すると、モータ48は停止される。そのあと蓋体昇降部54は、蓋体50のツメ52が穴55に挿入される位置にまで降下して停止する。そして、真空ポンプの動作が停止されることにより、チャンバ内には徐々に空気が流入して真空状態が解除され、外気圧との差が縮小する。圧力差が充分に小さくなった後、蓋体昇降部54内の係合板56がツメ52と係合した状態で、蓋体昇降部54は蓋体50を懸吊したまま上昇し、蓋体50を開放する。そのあと、搬送手段Dが動作して鋳込みの終了したリングを挟持して、焼成手段Eの下方に設けられているリング回収口6から落下させる。更に、搬送手段Dは、坩堝を容器40内から取り出してリング/坩堝載置台Cへと戻す。
【0083】
引き続いて、既に焼成炉32bに収容されている2個目のリングに対する鋳造を実行する。すなわち、搬送手段Dは、既に使用回数のチェックが終了している2番目の坩堝B1をリング/坩堝載置台Cから把持して容器40内に収容する。そして、容器40内で坩堝内の金属インゴットが充分に溶解したあとに、搬送手段DはリングA2を焼成炉32bから搬送して容器40内の坩堝B2の上部に載置する。そして、上述した1個目のリングの鋳込みと同様の手順に従って、2個目のリングに鋳込みを行う。
【0084】
本装置において3〜6個のリングの鋳造を行う場合でも、基本的には上述したのと同様の動作により行うことができる。図11を見れば明らかなように、一連の工程の中で最も時間を要するのはリングの焼成である。したがって、各焼成炉32a、32bでのリングの焼成がほぼ切れ目なく行われるように制御シーケンスを組んでおけば、最も効率的に(つまり最短の時間で)6個のリングの鋳造を達成することができる。
【0085】
その後、作業者は回収槽4に回収されたリングが冷えるのを待って、金属製リング110から鋳型を引き抜き、埋没材を粉砕して、鋳込まれた金属つまり補綴物を取り出す。
【0086】
なお、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜修正や変更を行うことができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である全自動鋳造装置の要部の正面外観図。
【図2】本実施例の全自動鋳造装置の要部の上面外観図。
【図3】本実施例の全自動鋳造装置における搬送手段Dの構成を示す上面図(A)及び側面図(B)。
【図4】本実施例の全自動鋳造装置における焼成手段Eの左側面図。
【図5】本実施例の全自動鋳造装置における鋳造手段Fの右側面図。
【図6】本実施例の全自動鋳造装置におけるリング逆さ置き検知手段Hの概略構成図。
【図7】本実施例の全自動鋳造装置におけるチャンバの略縦断面図。
【図8】本実施例の全自動鋳造装置における坩堝内観察手段Jの概略構成図。
【図9】本実施例の全自動鋳造装置における坩堝使用履歴管理手段Gの全体構成図。
【図10】履歴管理のために坩堝に貼付される管理コードの一例を示す図。
【図11】本実施例の全自動鋳造装置におけるリング逆さ置き検知手段Hの概略構成図。
【図12】ロストワックス法による歯科鋳造の工程手順を示すフローチャート。
【図13】一般的なクルーシブルフォーマに鋳造原型を植立した状態を示す外観図。
【符号の説明】
1…カバー
2…箱体
3…テーブル
4…回収槽
5…落下通路
6…リング回収口
A…リング
B…坩堝
C…リング/坩堝載置台
10…載置部
11…保持穴
12…表示器
D…搬送手段
21…走行体
211…ベース
212…脚部
213…支持台
214…主軸
215…アーム
22…把持部
221…エアシリンダ
222…連結片
223…主ギア
224…副ギア
225…可動体
226…グリッパ
23…ガイドレール
24…チェーンベルト
25…モータ
E…焼成手段
31…支柱
32a、32b…焼成炉
33a、33b…ガイドレール
341…昇降体
342…水平軸
343…回動体
34a、34b…昇降台
35a…突設片
36…ゴミ集積部
F…鋳造手段
40…容器
41…環状体
42…支持基体
43…凹部
44…ヒータ
45…坩堝レトルト
46…上部支持体
47…回転軸
48…モータ
49…給排気路
50…蓋体
51…押圧部
52…ツメ
53…支柱
54…蓋体昇降部
55…穴
56…係合板
57…坩堝開口閉塞部
58…水平軸
G…坩堝使用履歴管理手段
70…ホルダ
71…モータ
72…軸
73…光学センサ
74…コード読み取り部
75…履歴管理部
751…坩堝識別部
752…使用履歴記憶部
753…使用回数判定部
76…制御部
77…モータ駆動部
H…リング逆さ置き検知手段
90…可動ピン
91…スイッチ
J…坩堝内観察手段
80…覗き口
81…レンズ
82…反射鏡
83…光源

Claims (5)

  1. a)加熱昇華性材料から成る鋳造原型が埋没した状態である複数のリングを載置しておくための平面台状のリング載置部と、
    b)前記各リングに対応した鋳込み材料が収容された複数の有底筒状の坩堝を起立保持しておくための坩堝保持部と、
    c)上面に前記リングが載置される上下動自在の昇降台、及び、該昇降台が上昇した状態で前記リングを囲繞し該リングを加熱して鋳型を形成する焼成炉、を含む焼成手段と、
    d)前記坩堝を内部に収容可能であって且つ該坩堝を加熱する容器と、該容器内に収容された坩堝の開口上方に湯口が面するように前記鋳型を配した状態で該鋳型を押さえる蓋体とから成るチャンバ、及び、該坩堝内で鋳込み材料を溶融させた後に前記チャンバを上下反転させて鋳込みを行うチャンバ駆動手段、を含む鋳造手段と、
    e)前記リングと坩堝とを把持するための把持手段、該把持手段を昇降させる昇降駆動手段、及び、前記把持手段を水平面内で移動させる水平駆動手段を含み、前記リング載置部、坩堝保持部、焼成手段及び鋳造手段間でリング及び坩堝を搬送する搬送手段と、
    を備え、該搬送手段は、前記リング載置部からリングを把持して搬送する動作に先立って、前記把持手段を該リングの底面に近接する高さまで下降させた状態で一旦把持動作を行うことにより、該リングの載置位置のずれを修正する位置ずれ修正動作を行うことを特徴とする歯科技工用鋳造装置。
  2. 鋳込み材料が収容された有底筒状の坩堝を起立保持しておくための坩堝保持部と、前記坩堝を内部に収容可能であって且つ該坩堝を加熱する容器を含む鋳造手段と、前記坩堝保持部から前記容器まで坩堝を搬送する搬送手段と、具備する歯科技工用鋳造装置において、前記坩堝の上部には予め管理用コードを標識しておくとともに、
    a)前記坩堝を起立保持しつつ、該坩堝の略中心の垂直軸の周りに所定回転速度で回転させる起立回転駆動手段と、
    b)該起立回転駆動手段により回転される坩堝の前記管理用コードを、その回転に伴って読み取るコード読み取り手段と、
    c)該コード読み取り手段により読み取られた管理用コードに基づいて各坩堝の使用履歴を管理する使用履歴管理手段と、
    d)該使用履歴により、使用しようとする坩堝の使用回数が所定回数に達したか否かを判定し、その結果に基づいて該坩堝を使用した鋳造動作の実行の可否を決定する制御手段と、
    を備えることを特徴とする歯科技工用鋳造装置。
  3. a)加熱昇華性材料から成る鋳造原型が埋没した状態であるリングを載置しておくためのリング載置部と、
    b)上面に前記リングが載置される上下動自在の昇降台、及び、該昇降台が上昇した状態で前記リングを囲繞し該リングを加熱して鋳型を形成する焼成炉、を含む焼成手段と、
    c)鋳込み材料が収納されている坩堝を内部に収容可能であって且つ該坩堝を加熱する容器と、該容器内に収容された坩堝の開口上方に湯口が面するように前記鋳型を配した状態で該鋳型を押さえる蓋体とから成るチャンバ、及び、該坩堝内で鋳込み材料を溶融させた後に前記チャンバを上下反転させて鋳込みを行うチャンバ駆動手段、を含む鋳造手段と、
    d)前記リング載置部、焼成手段及び鋳造手段間でリングを搬送する搬送手段と、
    を具備し、前記焼成手段にあって前記昇降台は、
    略水平な軸を中心に回動自在である台座部と、外力を受けないときに前記台座部を略水平状態に維持する姿勢維持手段と、前記台座部が所定位置まで下降したときに該台座部に干渉して外力を与える姿勢変更手段と、を備えることを特徴とする歯科技工用鋳造装置。
  4. a)加熱昇華性材料から成る鋳造原型が埋没した状態のリングであって、その一端面が円錐状に窪んだクルーシブルとして形成されているリングを載置しておくためのリング載置部と、
    b)上面に前記リングが載置される上下動自在の昇降台、及び、該昇降台が上昇した状態で前記リングを囲繞し該リングを加熱して鋳型を形成する焼成炉、を含む焼成手段と、
    c)鋳込み材料が収納されている坩堝を内部に収容可能であって且つ該坩堝を加熱する容器と、該容器内に収容された坩堝の開口上方に湯口が面するように前記鋳型を配した状態で該鋳型を押さえる蓋体とから成るチャンバ、及び、該坩堝内で鋳込み材料を溶融させた後に前記チャンバを上下反転させて鋳込みを行うチャンバ駆動手段、を含む鋳造手段と、
    d)前記リングと坩堝とを把持するための把持手段、該把持手段を昇降させる昇降駆動手段、及び、前記把持手段を水平面内で移動させる水平駆動手段を含み、前記リング載置部、坩堝保持部、焼成手段及び鋳造手段間でリングを搬送する搬送手段と、
    e)前記搬送手段により把持されたリングが所定高さまで下降されたときに、該リングの前記クルーシブルでないほうの端面で押圧される可動体、及び、該可動体の動作を検知する検知手段、を含むリング逆さ置き検知手段と、
    を備えることを特徴とする歯科技工用鋳造装置。
  5. a)鋳込み材料が収容された有底筒状の坩堝を内部に収容可能な容器と、該容器内に収容された坩堝の開口上方に湯口が面するように鋳型を配した状態で該鋳型を押さえる蓋体とから成るチャンバ、前記容器に収容された坩堝を加熱して該坩堝内で鋳込み材料を溶融させる坩堝加熱手段、及び、該坩堝内の鋳込み材料が溶解した後に前記チャンバを上下反転させて鋳込みを行うチャンバ駆動手段、を含む鋳造手段と、
    b)鋳込み前の坩堝を搬送して前記容器内に収容するとともに、該容器内に収容された坩堝の上部に鋳型を搬送する搬送手段と、
    c)前記鋳造手段及び搬送手段を内装する箱状の筐体と、
    d)前記容器内に収容された坩堝の上部に前記鋳型が配される以前に、該坩堝が所定角度だけ傾斜した状態となるように前記チャンバの回転位置を保持する傾斜位置決め手段と、
    e)該傾斜した坩堝の内部を覗く位置に設けられた少なくとも1個の反射鏡、該反射鏡に投影された像を拡大するためのレンズ、前記傾斜した坩堝の内部を照明する照明手段、及び、前記レンズによる拡大像を見るために前記筐体の外側に開口した覗き開口部、から成る坩堝内部観察手段と、
    を備えることを特徴とする歯科技工用鋳造装置。
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