JP5090113B2 - エゼクタ式真空ポンプ - Google Patents

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本発明は、エゼクタとポンプ手段を組み合わせたエゼクタ式真空ポンプに関する。エゼクタ式真空ポンプは、ポンプ手段で流体をエゼクタ内に循環させることにより、エゼクタ部で真空吸引力を生じるものであり、低圧蒸気使用装置等からの復水吸引回収装置として従来から用いられている。
従来のエゼクタ式真空ポンプは、渦巻きポンプと、この渦巻きポンプの吐出口と吸込口を結ぶ循環通路と、循環通路の途中に配置したエゼクタ及びタンクとで構成される。
上記従来のエゼクタ式真空ポンプでは、渦巻きポンプを駆動するために電動モータを作動しなければならず、この電動モータの作動に伴って比較的多くの電力を消費してしまう問題があった。
特開平7−253100号公報
解決しようとする課題は、電動モータの作動が不要で、電力を消費することのないエゼクタ式真空ポンプを得ることである。
本発明は、エゼクタのノズルに駆動流体としての液体を供給して、ノズル外周の吸引口から別途の流体を吸引するものにおいて、エゼクタの出口に液体圧送ポンプと液体タンクを順次に配置すると共に、液体タンクをエゼクタより所定距離だけ高い位置に配置して、液体タンクから水頭圧によってエゼクタに流下する液体をノズルへの駆動流体とすると共に、液体圧送ポンプが、液体流入口と液体流出口、及び、高圧圧送流体導入口と高圧圧送流体排出口を有するものである。
本発明は、液体タンクをエゼクタより所定距離だけ高い位置に配置したことにより、この距離に相当する水頭圧でもって液体タンク内の液体をエゼクタのノズルに供給することができ、電力を消費することがない。
本発明は、エゼクタの出口に液体圧送ポンプと液体タンクを順次に配置するものであるが、液体圧送ポンプは、電動モータを使用することなく、高圧の圧縮空気や蒸気を圧送源として液体を圧送することができるものが好適である。
本実施例においては、エゼクタ6と反応釜1を接続して、エゼクタ6の上方に液体タンク8を、エゼクタ6の下方に液体圧送ポンプ4を用いた例を示す。反応釜1の内部に収納した図示しない被熱交換物を、ジャケット部2及び多管式熱交換器3に供給する加熱源としての蒸気や、冷却源としての冷却水によって加熱あるいは冷却するものである。
ジャケット部2の左側に蒸気供給管15を接続し、ジャケット部2の右側に冷却水供給管14を接続する。それぞれの供給管14,15には、供給量を制御するためのバルブ17,18を取り付ける。
反応釜1の外周のほぼ全周にわたりジャケット部2を形成し、ジャケット部2の左下部に排出管19を取り付けてエゼクタ6の吸引口12と接続する。排出管19には、開閉弁20と、蒸気は排出することがなく復水だけを自動的に出口側へ排出することのできる蒸気トラップ21を並行に配置して、エゼクタ6の吸引口12と接続する。吸引口12の内部には図示しないノズルを配置する。エゼクタ6のディフューザ部7をヘッダータンク9に接続する。ヘッダータンク9は、エゼクタ6から吐出される液体と一部蒸気との混合流体を、一時的に溜め置くものである。ヘッダータンク9の下方を通路10で液体圧送ポンプ4と接続する。
液体圧送ポンプ4は、液体流入口25と液体流出口26、及び、高圧圧送流体導入口27と高圧圧送流体排出口28を有し、液体流入口25を通路10によってヘッダータンク9の底部と接続する。通路10には、一方方向の流体の通過のみを許容する逆止弁29を取り付ける。この逆止弁29は、ヘッダータンク9から液体圧送ポンプ4への流体の通過を許容し、反対方向の通過は阻止するものである。
液体圧送ポンプ4の液体流出口26にも逆止弁30を介して液体排出管31を接続すると共に、高圧圧送流体導入口27には高圧蒸気管32を接続する。一方、高圧圧送流体排出口28は均圧管33によってヘッダータンク9の側部と連通する。
液体圧送ポンプ4は、内部に配置した図示しないフロートが下方部に位置する場合に、高圧圧送流体導入口27を閉口し、一方、高圧圧送流体排出口28を開口して、ヘッダータンク9に溜まった液体を逆止弁29と液体流入口25を通して液体圧送ポンプ4内に流下させる。そして、液体圧送ポンプ4内に液体が溜まって図示しないフロートが所定上方部に位置すると、高圧圧送流体排出口28を閉口し、一方、高圧圧送流体導入口27を開口して、高圧蒸気管32から高圧圧送用蒸気を内部に流入させることにより、内部に溜まった液体を液体流出口26と逆止弁30と液体排出管31を通して上方の液体タンク8へ圧送する。
液体が高圧蒸気で圧送されて液体圧送ポンプ4内の液位が低下すると、再度、高圧圧送流体導入口27を閉口し、高圧圧送流体排出口28を開口することにより、液体流入口25から液体を内部へ流下させる。このような作動サイクルを繰り返すことにより、液体圧送ポンプ4はヘッダータンク9からの液体を液体タンク8へ圧送する。
液体タンク8の上部に液体補給管13を接続すると共に、液体タンク8の下部に管路11を接続してエゼクタ6の吸引口12内部のノズルと接続する。液体タンク8に溜まった液体が、エゼクタ6までの高さに相当する水頭圧によってエゼクタ6のノズル内を流下して、その速度エネルギーに応じた真空吸引力を発生し、吸引口12からジャケット部2内の所定の流体を吸引するものである。
反応釜1の内部に熱交換部材としての直管状の多管式熱交換器3を配置する。多管式熱交換器3の上端は蒸気供給管15及び冷却水供給管14と接続し、一方、下端はジャケット部2内に開口する。この多管式熱交換器3は、銅パイプ等のように、伝熱効率に優れた材料で製作する。
反応釜1内側端部で、多管式熱交換器3に対向する位置の上下方向に、下方に向かうにつれて高さが低くなる凸状の抵抗板5を取り付ける。また、反応釜1内の中心部に、反応釜1内の被熱交換物を攪拌する攪拌翼16を取り付ける。攪拌翼16は、下方の攪拌翼22ほど直径を大きくして吐出力も大きくし、上方の攪拌翼23ほど直径を小さくして吐出力も小さくなるように配置する。
反応釜1内の被熱交換物を加熱又は冷却する場合は、攪拌翼16を回転駆動して、被熱交換物を攪拌するのであるが、被熱交換物は反応釜1内部を水平方向に旋回されると共に、下方の攪拌翼22を大きくし上方の攪拌翼23を小さくしたことによって反応釜1内部を垂直方向にも旋回される。このように、攪拌翼16,22,23により、被熱交換物を水平方向と垂直方向に旋回することで、被熱交換物は効率良く確実に旋回される。
攪拌翼16,22,23で旋回される被熱交換物は、抵抗板5に衝突して乱流状態となることによって、多管式熱交換器3外表面、及び、ジャケット部2側との接触機会が増加して熱交換効率を向上することができる。
下方の攪拌翼22を大きくし上方の攪拌翼23を小さくすると共に、下方に向かうにつれて高さが低くなる凸状の抵抗板5を取り付けたことにより、被熱交換物が抵抗板5に衝突して発生する乱流の発生量を、反応釜1内の上下方向で均一化することができ、被熱交換物への伝熱ムラを防止することができる。
反応釜1内の被熱交換物を加熱する場合は、蒸気供給管15から加熱に適した温度の蒸気をジャケット部2、並びに、多管式熱交換器3へ供給することによって、蒸気が反応釜1内の被熱交換物に熱を与えて加熱する。加熱により蒸気の凝縮した復水及び凝縮しなかった蒸気の一部は、排出管19と蒸気トラップ21あるいは開閉弁20を通ってエゼクタ6の吸引口12に吸引されヘッダータンク9に至る。
一方、反応釜1内の被熱交換物を冷却する場合は、冷却水供給管14から冷却に適した温度の冷却水をジャケット部2、並びに、多管式熱交換器3へ供給すると共に、液体タンク8からエゼクタ6へ液体を流下させてエゼクタ6で吸引力を発生させることにより、ジャケット部2内並びに多管式熱交換器3内を所定の圧力状態、例えば、大気圧以下の真空状態、とすることにより、冷却水が反応釜1内の被熱交換物の熱を奪って蒸発することにより、その蒸発潜熱によって被熱交換物を気化冷却することができるものである。
ジャケット部2並びに多管式熱交換器3で被冷却物の熱を奪って蒸発気化した気化蒸気及び冷却水の残りは、開閉弁20並びに蒸気トラップ21からエゼクタ6に吸引されヘッダータンク9に至る。
反応釜1の外周並びに内部の双方に、熱交換部材としてのジャケット部2並びに多管式熱交換器3を配置したことにより、熱交換するための面積を増大することができ、単位時間当りの熱交換量を十分に確保して、熱交換効率を向上させることができる。
液体タンク8内の液体を水頭圧によってエゼクタ6内を流下させることにより、電動モータを駆動する必要がなく、従って、電力を消費することがない。
本発明のエゼクタ式真空ポンプの実施例を示す構成図。
符号の説明
1 反応釜
2 ジャケット部
3 多管式熱交換器
4 液体圧送ポンプ
5 抵抗板
6 エゼクタ
8 液体タンク
9 ヘッダータンク
12 吸引口
14 冷却水供給管
15 蒸気供給管
16,22,23 攪拌翼
31 液体排出管

Claims (1)

  1. エゼクタのノズルに駆動流体としての液体を供給して、ノズル外周の吸引口から別途の流体を吸引するものにおいて、エゼクタの出口に液体圧送ポンプと液体タンクを順次に配置すると共に、液体タンクをエゼクタより所定距離だけ高い位置に配置して、液体タンクから水頭圧によってエゼクタに流下する液体をノズルへの駆動流体とすると共に、液体圧送ポンプが、液体流入口と液体流出口、及び、高圧圧送流体導入口と高圧圧送流体排出口を有することを特徴とするエゼクタ式真空ポンプ。
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