このプロセスの全ての詳細は、まだ正確にわかっていないが、プロテアーゼで活性化されたG−タンパク質共役型レセプターー(PAR)のシグナリングは、その他のGPCRのために確立された古典的パラダイムに従って応答を惹起する。出願人は、以下の記載により制限されることを望むものでは全くないが、シグナリング機序全体は少なくとも次の4つのステップを含むものとして記載することができる:すなわち、1)プロテアーゼアゴニストが、連結リガンドとして機能する新しいアミノ酸末端を生成するレセプターーの細胞外アミノ末端に位置設定された特定の部位を分割するレセプターー活性化ステップ;2)アンマスクされた連結リガンドが、レセプターーの第2の細胞外ループ内に位置設定されたリガンド結合ドメインに結合し、結果としてヘテロマーGタンパク質との細胞内相互作用を促進する分割済みPARの立体配座変更がもたらされるリガンド結合ステップ;3)大部分のGPCRと共通して、PAR−Gタンパク質複合体が、時間的及び空間的にさまざまなGq−、Gi及びGβγ−媒介型シグナリング経路を通してシグナリングするシグナル変換ステップ;及び4)レセプターー脱感作及びレセプターー分解が、活性化された複合体のシグナリングを停止させるシグナル終結ステップ(図1)、例えばホアン・トレホ(Joann Trejo)、「Protease−Activated Receptors:New Concepts in Regulation of G Protein−Coupled Receptor Signaling and Trafficking」第307(2)号J.Pharmacol.Exp.Ther.437−442頁(2003年);及びヴァレリア・S・オソヴスカヤ(Valeria S.Ossovskaya)及びナイジェル・W・ベネット(Nigel W.Bennett),「Protease−Activated Receptors:Contribution to Physiology and Disease」、第84(2)号、Physiol.Rev.579−621頁(2004年)を参照のこと。
レセプターー活性化の不可逆的機序にも関わらず、活性化されたPARにより開始されるシグナリングは急速かつ効率良く終結されるように思われる。シグナリング終結は、PAR惹起された細胞応答の規模、持続時間及び忠実度を調節するために特に重要であり、次の2つのプロセスにより支配されると思われる。第1の機序は、G−タンパク質レセプターキナーゼ(GRK)及びその他のキナーゼによる活性化されたPARの酵素リン酸化反応がその付随するG−タンパク質及びシグナリングエフェクタの脱共役する、レセプターの脱感作である。PAR開始型シグナル終結の第2の機序は、原形質膜上の細胞表面プロテアーゼ及びリソソーム小胞内の細胞内プロテアーゼによる活性化されたPARのタンパク質分解分割が、活性化されたレセプターを破壊する、レセプター分解である。PAR活性化が不可逆的な性質を有することから、活性化されたPARの内在化及びリソソームに対するそれらの後続選別は、シグナル終結にとって支配的なプロセスであると思われる。活性化されたPARの内在化は、Gタンパク質及びシグナリングエフェクタから活性化レセプターを除去すること又はタンパク質分解が活性化レセプターを有効に不活性化するリソソーム小胞まで活性化レセプターを導くことの両方によって、シグナル終結に貢献する。活性化レセプターのエンドサイトーシスに加え、PARは又タンパク質分解活性化の不在下で構成性エンドサイトーシスをも受ける。従って、PAR活性化の例外的で不可逆的な様式は、エンドサイトーシス及びリソソーム分解を用いて活性化PARにより惹起されるシグナリング事象を終結させる非常に迅速で効率の良い手段を生み出した。
本発明は、活性化PARシグナル終結に関与するプロセスを開発利用することにより循環系から急速に除去され得る修飾クロストリジウム毒素を開示している。PARリガンドドメインを含有するクロストリジウム毒素は、PARを結合することができ、かかる修飾毒素の内在化及び分解を開始させる。心臓血管系及びリンパ系の数多くの組織が、PARを発現する細胞を含む。PARリガンドドメインを含む修飾クロストリジウム毒素が循環系の中に拡散した状況下では、この修飾毒素はPAR発現細胞により有効に内在化され、リソソーム内部でプロテアーゼにより分解され得る(図2)。かくして、PARにより惹起されたシグナル終結に関与するプロセスを利用することで、循環系からのクロストリジウム毒素は減少するか又は除去され、かくして望ましくない場所へのクロストリジウム毒素の拡散に付随する望ましくない副作用は削減又は防止されることになる。
本発明の態様は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素を提供している。本仕様書の修飾クロストリジウム毒素内のPARリガンドドメインの場所は、これに制限されないが、クロストリジウム毒素酵素ドメインのアミノ末端;クロストリジウム毒素転移ドメインのアミノ末端;及びクロストリジウム毒素結合ドメインのアミノ末端を含む、自由アミノ末端に位置設定されるものと予測されている。かくして、実施形態においては、修飾クロストリジウム毒素はPARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、ここでPARリガンドドメインはクロストリジウム毒素酵素ドメインのアミノ末端に位置設定されている。その他の実施形態においては、修飾クロストリジウム毒素はPARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、PARリガンドドメインはクロストリジウム毒素転移ドメインのアミノ末端に位置設定されている。さらにその他の実施形態においては、修飾クロストリジウム毒素はPARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、ここでPARリガンドドメインはクロストリジウム毒素結合ドメインのアミノ末端に位置設定されている。
本発明のその他の実施形態は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を提供する。本明細書のポリヌクレオチド分子によりコードされる修飾クロストリジウム毒素のPARリガンドドメインの場所は、これに制限されないが、クロストリジウム毒素酵素ドメインのアミノ末端;クロストリジウム毒素転移ドメインのアミノ末端;及びクロストリジウム毒素結合ドメインのアミノ末端を含めた自由アミノ末端に位置設定されるものと予測されている。かくして、実施形態においては、該ポリヌクレオチド分子は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、PARリガンドドメインがクロストリジウム毒素酵素ドメインのアミノ末端に位置設定されている修飾クロストリジウム毒素をコードした。その他の実施形態においては、該ポリヌクレオチド分子は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン;及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、PARリガンドドメインがクロストリジウム毒素転移ドメインのアミノ末端にある修飾クロストリジウム毒素をコードした。さらにその他の実施形態においては、該ポリヌクレオチド分子は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン;及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、PARリガンドドメインがクロストリジウム毒素結合ドメインのアミノ末端にある修飾クロストリジウム毒素をコードした。
本発明のその他の態様は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素を産生する方法において、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を1つの細胞内で発現するステップを含む方法を提供している。本発明のその他の態様は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン;及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素を1つの細胞内で産生する方法において、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン;及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を含む発現構成体を細胞内に導入するステップ及び該発現構成体を該細胞内で発現させるステップを含む方法を提供する。
本発明の態様は、一部には、クロストリジウム毒素を提供している。本書で使用されている「クロストリジウム毒素」という用語は、クロストリジウム毒素がニューロン内に入り神経伝達物質放出を抑制しかつ低又は高親和性レセプター複合体に対するクロストリジウム毒素の結合、毒素/レセプター複合体の内在化、細胞質内へのクロストリジウム毒素軽鎖の転移及びクロストリジウム毒素基質の酵素修飾を包含するようにする全体的細胞機序を実施できるあらゆるポリペプチドを意味する。B型ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、破傷風病菌(Clostridium tetani)、F型ボツリヌス菌(Clostridium baratii)及びC型ボツリヌス菌(Clostridium butyricum)により産生されるクロストリジウム毒素が、人間及びその他の哺乳動物の治療的及び美顔的処置において最も広く用いられている。C.ボツリナムの菌株は、ヒト(BoNT/A、/B、/E及び/F)、動物(BoNT/C1及び/D)におけるボツリヌス菌の発生を調査することによって同定されたか又は土壌から単離された(BoNT/G)、7つの抗原的に全く異なるタイプのボツリヌス毒素(BoNT)を産生する。BoNTは、互いに約35%のアミノ酸同一性を有し、同じ機能的ドメインの組織及び全体的な構造的アーキテクチャを共有する。当業者は、クロストリジウム毒素の各々のタイプ内に、そのアミノ酸配列のみならずこれらのタンパク質をコードする核酸が幾分か異なっているサブタイプが存在し得る、ということを認めている。例えば、現在、BoNT/A1、BoNT/A2、BoNT/A3及びBoNT/A4の4つのBoNT/Aサブタイプが存在し、特定的サブタイプは、もう1つのBoNT/Aサブタイプに比べてほぼ89%のアミノ酸同一性を示す。7つのBoNT血清型は全て類似の構造及び薬理学的特性を有するものの、各々は同様に不均一な細菌学的特性も示している。これとは対照的に、破傷風毒素(TeNT)は、C.テタニの均一グループにより産生される。2つのその他のクロストリジウム種であるC.バラティ及びC.ブチリカムも同様にそれぞれBoNT/F及びBoNT/Eに類似した毒素を産生する。
クロストリジウム毒素は、例えば環境内で産生される天然に発生するプロテアーゼ又は内因性クロストリジウム毒素プロテアーゼといったような天然に発生するプロテアーゼによりジスルフィドグループ内部でタンパク質分解切断によりその後分割される約150kDaの1本鎖ポリペプチドとして各々翻訳される。この翻訳後プロセッシングは、単一のジスルフィド結合及び非共有相互作用により併せて保持される約100kDaの重鎖(HC)及び約50kDaの軽鎖(LC)を含む2鎖分子を生成する。各々の成熟2鎖分子は、次の機能的に全く異なる3つのドメインを含む;1)神経伝達物質放出器官のコア構成要素を特定的にターゲティングする亜鉛依存性エンドペプチダーゼ活性を含有するメタロプロテアーゼ領域を含むLC内に位置設定された酵素ドメイン(表1);2)標的細胞の細胞質内への細胞内小胞からのLCの放出を容易にするHC(HN)のアミノ末端半分内に含まれる転移ドメイン(表1);及び3)標的細胞の表面に位置設定されたレセプター複合体に対する毒素の結合特異性及び結合活性を決定するHC(Hc)のカルボニル末端半分内に見出される結合ドメイン(表1)。
これら3つの機能的ドメインの結合、転移及び酵素活性は全て毒性に必要なものである。このプロセスの全ての詳細はまだ正確にわかっていないが、クロストリジウム毒素がニューロン内に入り神経伝達物質の放出を抑制するようにする全体的細胞中毒機序は、タイプの如何に関わらず同様である。出願人は、以下の記載により制限されることを全く望んでいないが、該中毒機序は、少なくとも次の4つのステップを含むものとして記載することができる;1)レセプター結合、2)複合体内在化、3)軽鎖転移及び4)酵素標的修飾(図1参照)。該プロセスは、クロストリジウム毒素のHcドメインが標的細胞の原形質膜表面上に位置設定された毒素特異的レセプター複合体に結合する場合に開始される。レセプター複合体の結合特異性は、一部には、各々のクロストリジウム毒素レセプター複合体を区別して含むように思われるタンパク質レセプター及びガングリオシドの特異的組み合わせによって達成されるものと考えられている。ひとたび結合されると、毒素/レセプター複合体は、エンドサイトーシスにより内在化され、内在化された小胞は特異的細胞内経路へと選別される。転移ステップは、小胞区画の酸化性により誘発されるように思われる。このプロセスは、疎水性を増大させ毒素の2鎖形状の形成を促進する2つの重要なpH依存性構造再配置を開始するものと思われる。ひとたび活性化されると、毒素の軽鎖エンドペプチターゼは、細胞内小胞から細胞質ゾル内に放出され、ここで、それは、神経伝達物質放出器官の3つの既知のコア構成要素の1つを特異的にターゲティングする。これらのコアタンパク質、小胞関連膜タンパク質(VAMP)/シナプトブレビン、25kDaのシナプトソーム関連タンパク質(SNAP−25)及びシンタキシンは、神経末端でのシナプス小胞のドッキング及び融合に必要であり、可溶性N−エチルマレイミド−感受性因子−付着タンパク質−レセプター(soluble N−ethylmaleimide−sensitive factor−attachment protein−receptor)(SNARE)ファミリーの成員を構成する。BoNT/A及びBoNT/Eは、カルボキシル末端領域においてSNAP−25を分割し、それぞれに9又は26アミノ酸セグメントを放出し、かつBoNT/Clは同様にカルボキシル末端近くのSNAP−25を分割する。ボツリヌス菌血清型BoNT/B、BoNT/D、BoNT/F及びBoNT/G及び破傷風毒素は、VAMPの保存された中心部分に対して作用し、細胞質ゾル内にVAMPのアミノ末端部分を放出する。BoNT/C1は、細胞質ゾル膜表面近くの単一の部位でシンタキシンを分割する。シナプスSNAREの選択的タンパク質分解は、インビボでクロストリジウム毒素によりひき起こされる神経伝達物質放出の遮断を説明している。クロストリジウム毒素のSNAREタンパク質標的は、さまざまな非ニューロン型におけるエキソサイトーシスに共通である。これらの細胞においては、ニューロン内と同様、軽鎖ペプチダーゼ活性はエキソサイトーシスを阻害する。例えばヤン・ヒュモー(Yann Humeau)ら、「How Botulinum and Tetanus Neurotoxins Block Neurotransmitter Release」、第82(5)号、Biochimie、427−446頁(2000年);キャサリン・タートン(Kathryn Turton)ら、「Botulinum and Tetanus Neurotoxins:Structure,Function and Therapeutic Utility」、第27(11)号、Trends Biochem.Sci.552−558頁(2002年);ジョヴァンア・ラリ(Giovanna Lalli)ら、「The Journey of Tetanus and Botulinum Neurotoxins in Neurons」、第11(9)号、Trends Microbiol.431−437頁(2003年)を参照のこと。
クロストリジウム毒素は、これに制限されないが、クロストリジウム毒素イソ型及びクロストリジウム毒素サブタイプといったような天然に発生するクロストリジウム毒素変異体;例えば保存的クロストリジウム毒素変異体、非保存的クロストリジウム毒素変異体、クロストリジウム毒素キメラ変異体及びその活性クロストリジウム毒素フラグメントといったような非天然発生のクロストリジウム毒素変異体、又はそれらの組み合わせを含む。本書で記載されているように、「クロストリジウム毒素変異体」という用語は、天然発生又は非天然発生のいずれであれ、開示された基準配列の対応する領域からの少なくとも1つのアミノ酸変更を有し(表1参照)かつその基準配列の対応する領域に対する同一性百分率で描写できるクロストリジウム毒素を意味する。非制限的な例としては、配列番号1のアミノ酸1−1296を含むBoNT/A変異体が、配列番号1のアミノ酸領域1−1296に比べて例えば1つのアミノ酸置換、欠失又は付加といった少なくとも1つのアミノ酸の差を有することになり;配列番号2のアミノ酸1−1291を含むBoNT/B変異体が、配列番号2のアミノ酸領域1−1291に比べて例えば1アミノ酸置換、欠失又は付加といった少なくとも1つのアミノ酸の差を有することになり;配列番号3のアミノ酸1−1291を含むBoNT/C1変異体が、配列番号3のアミノ酸領域1−1291に比べて例えば1アミノ酸置換、欠失又は付加といったような少なくとも1つのアミノ酸の差を有することになり;配列番号4のアミノ酸1−1276を含むBoNT/D変異体が、配列番号4のアミノ酸領域1−1276に比べて例えば1つのアミノ酸置換、欠失又は付加といった少なくとも1つのアミノ酸の差を有することになり;配列番号5のアミノ酸1−1252を含むBoNT/E変異体が、配列番号5のアミノ酸領域1−1252に比べて例えば1アミノ酸置換、欠失又は付加といった少なくとも1つのアミノ酸の差を有することになり;配列番号6のアミノ酸1−1274を含むBoNT/F変異体が、配列番号6のアミノ酸領域1−1274に比べて例えば1アミノ酸置換、欠失又は付加といったような少なくとも1つのアミノ酸の差を有することになり;配列番号7のアミノ酸1−1297を含む、BoNT/G変異体が、配列番号7のアミノ酸領域1−1297に比べて例えば1つのアミノ酸置換、欠失又は付加といった少なくとも1つのアミノ酸の差を有することになり;配列番号8のアミノ酸1−1315を含むTeNT変異体が、配列番号8のアミノ酸領域1−1315に比べて例えば1アミノ酸置換、欠失又は付加といった少なくとも1つのアミノ酸の差を有することになる。
例えばセグメントアプローチ方法といったような包括的方法、局所的方法及びハイブリッド方法を含む(ただしこれらに制限されない)さまざまな配列整列方法のいずれかを用いて、同一性百分率を決定することができる。同一性百分率を決定するためのプロトコルは、本書中の教示に由来し当業者の技術範囲内に入る日常的手順である。
包括的方法は、分子の最初から終りまで配列を整列させ、個々の残基対の評点を加算し空隙ペナルティを課すことで、最高の整列を判定する。制限的意味のない方法としては、例えばCLUSTAL W.[例えばジュリー・D・トンプソン(Julie D.Thompson)ら、「CLUSTAL W:Improving the Sensitivity of Progressive Multiple Sequence Alignment Through Sequence Weighting,Position−Specific Gap Penalties and Weight Matrix Choice」、第22(22)号、Nucleic Acids Research、4673−4680頁(1994年)を参照];及び反復改良[例えば、オサム・ゴトー(Osamu Gotoh)、「Significant Improvement in Accuracy of Multiple Protein Sequence Alignments by Iterative Refinement as Assessed by Reference to Structural Alignments」、第264(4)号、J.Mol.Biol.823−838頁(1996年)を参照]が含まれる。
局所的方法は、入力配列の全てが共有する1つ以上の保存されたモチーフを同定することによって配列を整列させる。制限的意味のない方法としては、例えばMatch−box[例えばエリック・ドピエリュー(Eric Depiereux)及びアーネスト・フェイトマン(Ernest Feytmans)、「Match−Box: A Fundamentally New Algorithm for the Simultaneous Alignment of Several Protein Sequences」、第8(5)号、CABIOS 501−509頁(1992年)を参照];Gibbsサンプリング[例えば、C・E・ローレンス(Lawrence)ら、「Detecting Subtle Sequence Signals:A Gibbs Sampling Strategy for Multiple Alignment」第262(5131)号、Science、208−214頁(1993年)を参照];Align−M[例えば、アイヴォ・ヴァン・ウェール(Ivo Van Walle)ら、「Align−M − A New Algorithm for Multiple Alignment of Highly Divergent Sequences」、第20(9)号、Bioinformatics、1428−1435頁(2004年)を参照]が含まれる。
ハイブリッド方法は、包括的及び局所的の両方の整列方法の機能面を組合わせたものである。制限的意味の無い方法としては、セグメント対セグメント比較[例えば、ブルクハルト・モルゲンシュテルン(Burkhard Morgenstern)ら、「Multiple DNA and Protein Sequence Alignment Based On Segment−To−Segment Comparison、第93(22)号、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、12098−12103頁(1996年)参照」;T−Coffee[例えば、セドリック・ノートルダム(Cedric Notredame)ら、「T−Coffee:A Novel Algorithm for Multiple Sequence Alignment」、第302(1)号、J.Mol.Biol.、205−217頁(2000年)参照];MUSCLE[例えばロバート・C・エドガー(Robert C. Edgar)、「MUSCLE:Multiple Sequence Alignment With High Score Accuracy and High Throughput」、第32(5)号、Nucleic Acids Res.1792−1797頁(2004年)を参照];並びに、DIALIGN−T[例えばアマレンドラン・R・サブラマニアン(Amarendran R Subramanian)ら、「DIALIGN−T:An Improved Algorithm for Segment−Based Multiple Sequence Alignment」、第6(1)、BMC Bioinformatics、66頁(2005年)を参照]が含まれる。
本書で使用されるように「天然に発生するクロストリジウム毒素変異体」という用語は、これに制限されないが、選択的スプライシングによる写しから産生されたクロストリジウム毒素イソ型、自然突然変異により産生されるクロストリジウム毒素イソ型及びクロストリジウム毒素サブタイプを含めた、任意の人的操作の補助無しで産生されたあらゆるクロストリジウム毒素を意味する。クロストリジウム毒素イソ型の制限的意味のない例としては、例えばBoNT/Aイソ型、BoNT/Bイソ型、BoNT/C1イソ型、BoNT/Dイソ型、BoNT/Eイソ型、BoNT/Fイソ型、BoNT/Gイソ型及びTeNTイソ型が含まれる。クロストリジウム毒素サブタイプの制限的意味のない例としては、例えばBoNT/AサブタイプBoNT/A1、BoNT/A2、BoNT/A3及びBoNT/A4;BoNTBサブタイプBoNT/B1、BoNT/B2、BoNT/B2価及びBoNT/B非タンパク質分解;BoNT/C1サブタイプBoNT/C1−1及びBoNT/C1−2;BoNT/EサブタイプBoNT/E1、BoNT/E2、及びBoNT/E3;及びBoNT/FサブタイプBoNT/F1、BoNT/F2、BoNT/F3及びBoNT/F4が含まれる。
本書で使用されている「非天然発生のクロストリジウム毒素変異体」という用語は、これに制限されないが、無作為突然変異誘発又は合理的設計を用いた遺伝子工学処理により産生されたクロストリジウム毒素及び化学的合成により産生されたクロストリジウム毒素を含め、人的操作を用いて産生されるあらゆるクロストリジウム毒素を意味する。非天然発生のクロストリジウム毒素変異体の制限的意味のない例としては、例えば保存的クロストリジウム毒素変異体、非保存的クロストリジウム毒素変異体、クロストリジウム毒素キメラ変異体及び活性クロストリジウム毒素フラグメントが含まれる。
本書で使用されている「保存的クロストリジウム毒素変異体」という用語は、基準クロストリジウム毒素配列(表1)からのもとのアミノ酸のものと類似した少なくとも1つの特性をもつアミノ酸類似体又はもう1つのアミノ酸により置換された少なくとも1つのアミノ酸を有するクロストリジウム毒素を意味する。特性の例としては、これに制限されないが、類似のサイズ、トポグラフィ、電荷、疎水性、親水性、親油性、共有結合能力、水素結合能力、物理化学的特性など、又はそれらの組み合わせが含まれる。保存的クロストリジウム毒素変異体は、その基礎となっている基準クロストリジウム毒素と実質的に同じ要領で機能することができ、本発明のいずれの態様においても、基準クロストリジウム毒素と置換され得る。保存的クロストリジウム毒素変異体は、その基礎となっている基準クロストリジウム毒素からの1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸、5個以上のアミノ酸、10個以上のアミノ酸、20個以上のアミノ酸、30個以上のアミノ酸、40個以上のアミノ酸、50個以上のアミノ酸、100個以上のアミノ酸、200個以上のアミノ酸、300個以上のアミノ酸、400個以上のアミノ酸又は500個以上のアミノ酸を置換し得る。保存的クロストリジウム毒素変異体は同様に、その基礎となっている基準クロストリジウム毒素と少なくとも50%、65%、75%、85%又は95%のアミノ酸同一性を有する、該保存的クロストリジウム毒素変異体の基礎となっている基準クロストリジウム毒素から少なくとも10個の隣接アミノ酸、少なくとも15個の隣接アミノ酸、少なくとも20個の隣接アミノ酸又は少なくとも25個の隣接アミノ酸を置換することもできる。保存的クロストリジウム毒素変異体の制限的意味の無い例としては例えば、保存的BoNT/A変異体、保存的BoNT/B変異体、保存的BoNT/C1変異体、保存的BoNT/D変異体、保存的BoNT/E変異体、保存的BoNT/F変異体、保存的BoNT/G変異体及び保存的TeNT変異体が含まれる。
本書で使用されている「非保存的クロストリジウム毒素変異体」という用語は、1)少なくとも1つのアミノ酸が、非保存的クロストリジウム毒素変異体の基礎となっている基準クロストリジウム毒素から欠失されているか;2)少なくとも1つのアミノ酸が非保存的クロストリジウム毒素変異体の基礎となっている基準クロストリジウム毒素に付加されているか、又は3)少なくとも1つのアミノ酸が、基準クロストリジウム毒素配列からのもとのアミノ酸のものに類似したいずれかの特性を共有しないアミノ酸類似体又はもう1つのアミノ酸により置換されているクロストリジウム毒素を意味する(表1)。非保存的クロストリジウム毒素変異体は、その基礎となっている基準クロストリジウム毒素と実質的に同じ要領で機能でき、又、本発明のいずれの態様においても基準クロストリジウム毒素と置換され得る。非保存的クロストリジウム毒素変異体は、その基礎となっている基準クロストリジウム毒素から1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸、5個以上のアミノ酸及び10個以上のアミノ酸を欠失させることができる。非保存的クロストリジウム毒素変異体は、その基礎となっている基準クロストリジウム毒素に対して1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸、5個以上のアミノ酸及び10個以上のアミノ酸を付加することができる。非保存的クロストリジウム毒素変異体は、その基礎となっている基準クロストリジウム毒素から1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸、5個以上のアミノ酸、10個以上のアミノ酸、20個以上のアミノ酸、30個以上のアミノ酸、40個以上のアミノ酸、50個以上のアミノ酸、100個以上のアミノ酸、200個以上のアミノ酸、300個以上のアミノ酸、400個以上のアミノ酸又は500個以上のアミノ酸を置換することができる。非保存的クロストリジウム毒素変異体は同様に、その基礎となっている基準クロストリジウム毒素に対する少なくとも50%、65%、75%、85%又は95%のアミノ酸同一性を有するその基礎となっている基準クロストリジウム毒素から少なくとも10個の隣接アミノ酸、少なくとも15個、少なくとも20個、又は少なくとも25個の隣接アミノ酸を置換することもできる。非保存的クロストリジウム毒素変異体の制限的意味のない例としては、非保存的BoNT/A変異体、非保存的BoNT/B変異体、非保存的BoNT/C1変異体、非保存的BoNT/D変異体、非保存的BoNT/E変異体、非保存的BoNT/F変異体、非保存的BoNT/G変異体、及び非保存的TeNT変異体が含まれる。
本書で使用される「クロストリジウム毒素キメラ変異体」という用語は、表1の基準クロストリジウム毒素とは異なる特性を少なくとも1つ伴う毒素を形成するべく、クロストリジウム毒素の少なくとも一部分及び少なくとも1つのその他のタンパク質の少なくとも一部分を含む分子を意味する。かかるクロストリジウム毒素キメラ変異体は、例えばクリフォード・C・ショーン(Clifford C.Shone)ら、「組み換え型毒素フラグメント」、米国特許第6,461,617号明細書(2002年10月8日);キース・A・フォスター(Keith A.Foster)ら、「末梢感覚求心性機能を修正することのできるクリストリジュウム毒素誘導体、米国特許第6,395,513号明細書(2002年5月28日);ウェイ・ジン・リン(Wei−Jin Lin)ら、「増強された標的特異性を有する神経毒素」米国特許第2002/0137886号明細書(2002年9月26日);キース・A・フォスターら、「非神経細胞からの分泌抑制」、米国特許第2003/0180289号明細書(2003年9月25日);J.オリバー・ドリー(Oliver Dolly)ら、「活性化可能な組み換え型神経毒素」、国際公開第2001/014570号パンフレット(2001年3月1日);クリフォード・C・ショーンら、「組み換え型毒素フラグメント」、国際公開第2004/024909号パンフレット(2004年3月25日);及びキース・A・フォスターら、「再ターゲティングされた毒素共役体」、国際公開第2005/023309号明細書(2005年3月17日)の中で記載されている。
毒素分子が、その毒素の天然の標的細胞でない細胞に再ターゲティングされ得るということは、充分に立証されている。このように再度ターゲティングされた場合、これらの毒素は、所望の標的細胞に結合する能力を有し、かつ、細胞質ゾル内への後続する転移の後、標的細胞に対するその効果を及ぼす能力をもつ。この点において、結合ドメインは、それが所望の標的細胞に結合し、その後標的細胞内で修飾クロストリジウム毒素からエンドソームへの移行を可能にするような形で選択される。これに制限されないが、非クロストリジウム結合ドメインが修飾クロストリジウム毒素のクロストリジウム結合ドメインにより使用されるもの以外の細胞表面レセプター系に結合することを条件として、リガンド、ホルモン、成長因子、サイトカイン、抗体、アンタゴニスト、アゴニスト及び逆アゴニストを含めあらゆる非クロストリジウム結合ドメインを使用することができるものと予測されている。非クロストリジウム結合ドメインの制限的意味のない例としては、成長因子、例えば神経成長因子(NGF)、白血病抑制因子(LIF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、多頭活性化ペプチド(HHAP)、形質転換成長因子1(TGF−1)、形質転換成長因子2(TGF−2)、形質転換成長因子3(TGF−3)、上皮成長因子(EGF)又は毛様体神経栄養因子(CNTF);サイトカイン、例えば腫瘍壊死因子(TNF−)、インタロイキン−1(IL−1)、インタロイキン−1(IL−1)及びインタロイキン−8(IL−8);アゴニスト、例えば非クロストリジウム毒素結合ドメインがブラジキニン、ダイノルフィン、β−エンドルフィン、エトルフィン、エンドモルフィン−1、エンドモルフィン−2、Leu−エンケファリン、Met−エンケファリン、ガラニン、ロフェンタニル又はノシセプチン及びオピオイド;そして抗体、例えば後根神経節ニューロンの表面上に見出されるラクト系炭水化物エピトープ(lactoseries carbohydrate epitope)に対する抗体(例えばモノクローナル抗体1B2及びLA4)、上述のリガンドについてのレセプターのいずれかに対する抗体及び表面発現抗原Thy1に対する抗体(例えばモノクローナル抗体MRCOX7)が含まれる。クロストリジウム毒素キメラ変異体を作製し使用する方法は、結合ドメインが非クロストリジウム毒素結合ドメインを含む場合、本明細書中で開示されている修飾クロストリジウム毒素を含むことができ、これらの方法は、例えばクリフォード・C・ショーンら、上掲書(2002年);キース・A・フォスターら、上掲書(2002年);ウェイ・ジン・リンら、上掲書(2002年);キース・A・フォスターら、上掲書(2003年);J.オリバー・ドリーら、上掲書(2001年);クリフォード・C・ショーンら、上掲書(2004年);及びキース・A・フォスターら、上掲書(2005年)の中で記載されている。
かくして、一実施形態においては、クロストリジウム毒素キメラ変異体は、結合ドメインが非クロストリジウム毒素結合ドメインを含む場合、本明細書で開示されている修飾クロストリジウム毒素を含むことができる。この実施形態の態様においては、非クロストリジウム毒素結合ドメインは、例えば、リガンド、ホルモン、成長因子、サイトカイン、抗体、オピオイド、アンタゴニスト、アンタゴニスト又は逆アゴニストであり得る。この実施形態のその他の態様においては、前記非クロストリジウム毒素結合ドメインは、神経成長因子(NGF)、白血病抑制因子(LIF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、多頭活性化ペプチド(HHAP)、形質転換成長因子1(TGF−1)、形質転換成長因子2(TGF−2)、形質転換成長因子3(TGF−3)、上皮成長因子(EGF)又は毛様体神経栄養因子(CNTF)である。さらに、本実施形態のその他の態様においては、前記非クロストリジウム毒素結合ドメインは、腫瘍壊死因子(TNF−)、インタロイキン−1(IL−1)、インタロイキン−1(IL−1)又はインタロイキン−8(IL−8)である。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、非クロストリジウム毒素結合ドメインは、ブラジキニン、ダイノルフィン、β−エンドルフィン、エトルフィン、エンドモルフィン−1、エンドモルフィン−2、Leu−エンケファリン、Met−エンケファリン、ガラニン、ロフェンタニル又はノシセプチンである。本実施形態のさらにその他の形態においては、非クロストリジウム毒素結合ドメインは、後根神経節ニューロンの表面上に見出されるラクト系炭水化物エピトープに対する抗体(例えばモノクローナル抗体1B2及びLA4)、上述の結合ドメインについてのレセプターのいずれかに対する抗体又は表面発現抗原Thy1に対する抗体(例えばモノクローナル抗体MRCOX7)である。
クロストリジウム毒素が基質をタンパク質分解により分割させる全体的細胞機序をその活性フラグメントが実行できることを条件として、さまざまなクロストリジウム毒素フラグメントのうちの任意のものが本発明の態様において有用であり得るということも予測されている。かくしてこの実施形態の態様は、例えば少なくとも300個のアミノ酸、少なくとも400個のアミノ酸、少なくとも500個のアミノ酸、少なくとも600個のアミノ酸、少なくとも700個のアミノ酸、少なくとも800個のアミノ酸、少なくとも900個のアミノ酸、少なくとも1000個のアミノ酸、少なくとも1100個のアミノ酸及び少なくとも1200個のアミノ酸の長さをもつクロストリジウム毒素フラグメントを含むことができる。本実施形態のその他の態様は、例えば多くとも300個のアミノ酸、多くとも400個のアミノ酸、多くとも500個のアミノ酸、多くとも600個のアミノ酸、多くとも700個のアミノ酸、多くとも800個のアミノ酸、多くとも900個のアミノ酸、多くとも1000個のアミノ酸、多くとも1100個のアミノ酸及び多くとも1200個のアミノ酸の長さを有するクロストリジウム毒素フラグメントを含み得る。
同様に、その軽鎖フラグメントが神経伝達物質放出器官のコア構成要素を特異的にターゲティングしかくして、クロストリジウム毒素が基質をタンパク質分解により分割させる全体的細胞機序を実行するのに参加できることを条件として、軽鎖を含むさまざまなクロストリジウム毒素フラグメントのうちの任意のものが本発明の態様において有用であり得るということも予測されている。クロストリジウム毒素の軽鎖は長さがアミノ酸約420〜460個であり、酵素ドメインを含む(表1)。研究の結果、酵素ドメインの酵素活性にとってクロストリジウム毒素軽鎖の全長は必要でないことがわかった。制限的意味のない例として、酵素活性のためには、BoNT/A軽鎖(配列番号1の残基1〜8)の最初の8個のアミノ酸は必要でない。もう1つの制限的意味のない例としては、TeNT軽鎖の最初の8個のアミノ酸(配列番号8の残基1〜8)は、酵素活性のために必要とされない。同様にして、軽鎖のカルボキシル末端は活性にとって必要ではない。制限的意味のない例として、BoNT/A軽鎖の最後の32個のアミノ酸(配列番号1の残基417〜448)は、酵素活性にとって必要ではない。もう1つの制限的意味のない例として、TeNT軽鎖の最後の31個のアミノ酸(配列番号8の残基427〜457)は、酵素活性のために必要とされない。かくして、本実施形態の態様は、例えば少なくとも350個のアミノ酸、少なくとも375個のアミノ酸、少なくとも400個のアミノ酸、少なくとも425個のアミノ酸及び少なくとも450個のアミノ酸の長さを有する酵素ドメインを含むクロストリジウム毒素軽鎖を含み得る。本実施形態のその他の態様は、例えば多くとも350個のアミノ酸、多くとも375個のアミノ酸、多くとも400個のアミノ酸、多くとも425個のアミノ酸及び多くとも450個のアミノ酸の長さをもつ酵素ドメインを含むクロストリジウム毒素軽鎖を含むことができる。
同様に、その活性フラグメントが標的細胞の細胞質内への細胞内小胞からのLCの放出を容易にし、かくして、クロストリジウム毒素が基質をタンパク質分解により分割させる全体的細胞機序を実行するのに参加できることを条件として、転移ドメインを含むさまざまなクロストリジウム毒素HN領域のうちの任意のものが本発明の態様において有用であり得るということも予測されている。クロストリジウム毒素の重鎖からのHN領域は、長さがアミノ酸約410〜430個であり、転移ドメインを含む(表1)。研究の結果、転移ドメインの転移活性にとって、クロストリジウム毒素重鎖からのHN領域の全長は必要でないことがわかった。かくして、この実施形態の態様は、例えば少なくとも350個のアミノ酸、少なくとも375個のアミノ酸、少なくとも400個のアミノ酸及び少なくとも425個のアミノ酸という長さをもつ転移ドメインを含むクロストリジウム毒素HN領域を含み得る。本実施形態のその他の態様は、例えば多くとも350個のアミノ酸、多くとも375個のアミノ酸、多くとも400個のアミノ酸及び多くとも425個のアミノ酸の長さをもつ転移ドメインを含むクロストリジウム毒素HN領域を含み得る。
同様に、その活性フラグメントが標的細胞の表面にあるレセプター複合体に対する毒素の結合特異性及び結合活性を決定しかつ、クロストリジウム毒素が基質をタンパク質分解により分割させる全体的細胞機序を実行することができることを条件として、結合ドメインを含むさまざまなクロストリジウム毒素HC領域のうちの任意のものが本発明の態様において有用であり得るということも予測されている。クロストリジウム毒素の重鎖からのHC領域は、長さがアミノ酸約400〜440個であり、結合ドメインを含む(表1)。研究の結果、結合ドメインの結合活性にとって、クロストリジウム毒素重鎖からのHC領域の全長は必要でないことがわかった。かくして、この実施形態の態様は、例えば少なくとも350個のアミノ酸、少なくとも375個のアミノ酸、少なくとも400個のアミノ酸及び少なくとも425個のアミノ酸という長さをもつ結合ドメインを含むクロストリジウム毒素HC領域を含み得る。本実施形態のその他の態様は、例えば多くとも350個のアミノ酸、多くとも375個のアミノ酸、多くとも400個のアミノ酸及び多くとも425個のアミノ酸の長さをもつ結合ドメインを含むクロストリジウム毒素HC領域を含み得る。
かくして、一実施形態においては、クロストリジウム毒素はクロストリジウム毒素酵素ドメイン、クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む。この実施形態の1態様においては、クロストリジウム毒素は、天然に発生するクロストリジウム毒素変異体、例えばクロストリジウム毒素イソ型又はクロストリジウム毒素サブタイプを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、クロストリジウム毒素は例えば保存的クロストリジウム毒素変異体、非保存的クロストリジウム毒素変異体又は活性クロストリジウム毒素フラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生のクロストリジウム毒素変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、クロストリジウム毒素は、クロストリジウム毒素酵素ドメイン又はその活性フラグメント、クロストリジウム毒素転移ドメイン又はその活性フラグメント、クロストリジウム毒素結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のその他の態様においては、クロストリジウム毒素は、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C1、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G又はTeNTを含み得る。
もう1つの実施形態においては、クロストリジウム毒素はBoNT/Aを含む。この実施形態の1態様においては、BoNT/Aは、BoNT/A酵素ドメイン、BoNT/A転移ドメイン及びBoNT/A結合ドメインを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Aは配列番号1を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Aは、例えばBoNT/Aイソ型又はBoNT/Aサブタイプといったような天然発生のBoNT/A変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Aは、例えば配列番号1のBoNT/Aイソ型又は配列番号1のBoNT/Aサブタイプといったような配列番号1の天然発生のBoNT/A変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Aは、例えば保存的BoNT/A変異体、非保存的BoNT/A変異体又は活性BoNT/Aフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/A変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Aは、例えば、配列番号1の保存的BoNT/A変異体、配列番号1の非保存的BoNT/A変異体又は配列番号1の活性BoNT/Aフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号1の非天然発生BoNT/A変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Aは、BoNT/A酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/A転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/A結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Aは、配列番号1からのアミノ酸1〜448のBoNT/A酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号1からのアミノ酸449〜871のBoNT/A転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号1からのアミノ酸872〜1296のBoNT/A結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、例えば配列番号1と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸同一性又は配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Aは、例えば配列番号1と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも90%のアミノ酸同一性又は配列番号1と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Aは、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、クロストリジウム毒素はBoNT/Bを含む。この実施形態の1態様においては、BoNT/Bは、BoNT/B酵素ドメイン、BoNT/B転移ドメイン及びBoNT/B結合ドメインを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Bは配列番号2を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Bは、例えばBoNT/Bイソ型又はBoNT/Bサブタイプといったような天然発生のBoNT/B変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Bは、例えば配列番号2のBoNT/Bイソ型又は配列番号2のBoNT/Bサブタイプといったような配列番号2の天然発生のBoNT/B変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Bは、例えば保存的BoNT/B変異体、非保存的BoNT/B変異体又は活性BoNT/Bフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/B変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Bは、例えば、配列番号2の保存的BoNT/B変異体、配列番号2の非保存的BoNT/B変異体又は配列番号2の活性BoNT/Bフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号2の非天然発生BoNT/B変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Bは、BoNT/B酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/B転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/B結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Bは、配列番号2からのアミノ酸1〜441のBoNT/B酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号2からのアミノ酸442〜858のBoNT/B転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号2からのアミノ酸859〜1291のBoNT/B結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、例えば配列番号2と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Bは、例えば配列番号2と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Bは、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、クロストリジウム毒素はBoNT/C1を含む。この実施形態の1態様においては、BoNT/C1は、BoNT/C1酵素ドメイン、BoNT/C1転移ドメイン及びBoNT/C1結合ドメインを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/C1は配列番号3を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/C1は、例えばBoNT/C1イソ型又はBoNT/C1サブタイプといったような天然発生のBoNT/C1変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/C1は、例えば配列番号3のBoNT/C1イソ型又は配列番号3のBoNT/C1サブタイプといったような配列番号3の天然発生のBoNT/C1変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/C1は、例えば保存的BoNT/C1変異体、非保存的BoNT/C1変異体又は活性BoNT/C1フラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/C1変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/C1は、例えば、配列番号3の保存的BoNT/C1変異体、配列番号3の非保存的BoNT/C1変異体又は配列番号3の活性BoNT/C1フラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号3の非天然発生BoNT/C1変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/C1は、BoNT/C1酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/C1転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/C1結合ドメイン又はその活性フラグメント及びそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/C1は、配列番号3からのアミノ酸1〜449のBoNT/C1酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号3からのアミノ酸450〜866のBoNT/C1転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号3からのアミノ酸867〜1291のBoNT/C1結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、例えば配列番号3と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/C1は、例えば配列番号3と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/C1は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、クロストリジウム毒素はBoNT/Dを含む。この実施形態の1態様においては、BoNT/Dは、BoNT/D酵素ドメイン、BoNT/D転移ドメイン及びBoNT/D結合ドメインを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Dは配列番号4を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Dは、例えばBoNT/Dイソ型又はBoNT/Dサブタイプといったような天然発生のBoNT/D変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Dは、例えば配列番号4のBoNT/Dイソ型又は配列番号4のBoNT/Dサブタイプといったような配列番号4の天然発生のBoNT/D変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Dは、例えば保存的BoNT/D変異体、非保存的BoNT/D変異体又は活性BoNT/Dフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/D変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Dは、例えば、配列番号4の保存的BoNT/D変異体、配列番号4の非保存的BoNT/D変異体又は配列番号4の活性BoNT/Dフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号4の非天然発生BoNT/D変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Dは、BoNT/D酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/D転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/D結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Dは、配列番号4からのアミノ酸1〜445のBoNT/D酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号4からのアミノ酸446〜862のBoNT/D転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号4からのアミノ酸863〜1276のBoNT/D結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、例えば配列番号4と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Dは、例えば配列番号4と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Dは、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、クロストリジウム毒素はBoNT/Eを含む。この実施形態の1態様においては、BoNT/Eは、BoNT/E酵素ドメイン、BoNT/E転移ドメイン及びBoNT/E結合ドメインを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Eは配列番号5を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Eは、例えばBoNT/Eイソ型又はBoNT/Eサブタイプといったような天然発生のBoNT/E変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Eは、例えば配列番号5のBoNT/Eイソ型又は配列番号5のBoNT/Eサブタイプといったような配列番号5の天然発生のBoNT/E変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Eは、例えば保存的BoNT/E変異体、非保存的BoNT/E変異体又は活性BoNT/Eフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/E変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Eは、例えば、配列番号5の保存的BoNT/E変異体、配列番号5の非保存的BoNT/E変異体又は配列番号5の活性BoNT/Eフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号5の非天然発生BoNT/E変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Eは、BoNT/E酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/E転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/E結合ドメイン又はその活性フラグメント及びそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Eは、配列番号5からのアミノ酸1〜422のBoNT/E酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号5からのアミノ酸423〜845のBoNT/E転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号5からのアミノ酸846〜1252のBoNT/E結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、例えば配列番号5と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Eは、例えば配列番号5と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Eは、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、クロストリジウム毒素はBoNT/Fを含む。この実施形態の1態様においては、BoNT/Fは、BoNT/F酵素ドメイン、BoNT/F転移ドメイン及びBoNT/F結合ドメインを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Fは配列番号6を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Fは、例えばBoNT/Fイソ型又はBoNT/Fサブタイプといったような天然発生のBoNT/F変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Fは、例えば配列番号6のBoNT/Fイソ型又は配列番号6のBoNT/Fサブタイプといったような配列番号6の天然発生のBoNT/F変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Fは、例えば保存的BoNT/F変異体、非保存的BoNT/F変異体又は活性BoNT/Fフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/F変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Fは、例えば、配列番号6の保存的BoNT/F変異体、配列番号6の非保存的BoNT/F変異体又は配列番号6の活性BoNT/Fフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号6の非天然発生BoNT/F変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Fは、BoNT/F酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/F転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/F結合ドメイン又はその活性フラグメント及びそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Fは、配列番号6からのアミノ酸1〜439のBoNT/F酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号6からのアミノ酸440〜864のBoNT/F転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号6からのアミノ酸865〜1274のBoNT/F結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、例えば配列番号6と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Fは、例えば配列番号6と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Fは、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、クロストリジウム毒素はBoNT/Gを含む。この実施形態の1態様においては、BoNT/Gは、BoNT/G酵素ドメイン、BoNT/G転移ドメイン及びBoNT/G結合ドメインを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Gは配列番号7を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Gは、例えばBoNT/Gイソ型又はBoNT/Gサブタイプといったような天然発生のBoNT/G変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Gは、例えば配列番号7のBoNT/Gイソ型又は配列番号7のBoNT/Gサブタイプといったような配列番号7の天然発生のBoNT/G変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Gは、例えば保存的BoNT/G変異体、非保存的BoNT/G変異体又は活性BoNT/Gフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/G変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Dは、例えば、配列番号7の保存的BoNT/G変異体、配列番号7の非保存的BoNT/G変異体又は配列番号7の活性BoNT/Gフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号7の非天然発生BoNT/G変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Gは、BoNT/G酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/G転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/G結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/Gは、配列番号7からのアミノ酸1〜446のBoNT/G酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号7からのアミノ酸447〜863のBoNT/G転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号7からのアミノ酸864〜1297のBoNT/G結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、例えば配列番号7と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Gは、例えば配列番号7と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、BoNT/Gは、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、クロストリジウム毒素はTeNTを含む。この実施形態の1態様においては、TeNTは、TeNT酵素ドメイン、TeNT転移ドメイン及びTeNT結合ドメインを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、TeNTは配列番号8を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、TeNTは、例えばTeNTイソ型又はTeNTサブタイプといったような天然発生のTeNT変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、TeNTは、例えば配列番号8のTeNTイソ型又は配列番号8のTeNTサブタイプといったような配列番号8の天然発生のTeNT変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、TeNTは、例えば保存的TeNT変異体、非保存的TeNT変異体又は活性TeNTフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生TeNT変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、TeNTは、例えば、配列番号8の保存的TeNT変異体、配列番号8の非保存的TeNT変異体又は配列番号8の活性TeNTフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号8の非天然発生TeNT変異体を含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、TeNTは、TeNT酵素ドメイン又はその活性フラグメント、TeNT転移ドメイン又はその活性フラグメント、TeNT結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、TeNTは、配列番号8からのアミノ酸1〜457のTeNT酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号8からのアミノ酸458〜879のTeNT転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号8からのアミノ酸880〜1315のTeNT結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含む。
本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、例えば配列番号8と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、TeNTは、例えば配列番号8と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。この本実施形態のその他の態様においては、TeNTは、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。
本発明の態様は、一部にはPARリガンドドメインを提供する。本書で使用される「PARリガンドドメイン」という用語は、「連結リガンド」及び「活性化用リガンド」と同義語であり、PARリガンド結合ドメインに選択的に結合し活性化されたPARを細胞内に内在化させる全体的内在化機序を開始することのできるあらゆるポリペプチドを意味する。本書で使用されているように、「選択的に」という用語は、一方向のみで又は1つのものとのみ反応するか又は唯一の効果又は影響を有することを意味する。本書で使用されているように、「選択的に結合する」という用語は、PARリガンドドメインが生理学的条件の下で又は生理的条件を実質的に近似するインビトロ条件内でその他の非標的リガンド結合ドメインに比べ統計的に著しく高いレベルまでその標的PARリガンド結合ドメインを結合させることができる(つまりそれよりも小さいKd又は解離定数を有する)ということを意味する。「Kd」は、PARリガンドドメインによりPARリガンド結合ドメインの半分が結合されている、PARリガンドドメインのモル濃度である。かくして指示された標的結合部位に対するPARリガンドドメインの差別的結合が存在する。
大部分のGタンパク質共役型レセプター(GPCR)は、リガンド結合時点で可逆的に活性化される。しかしながら、プロテアーゼ活性化されたGタンパク質共役型レセプター(PAR)の活性化は、拡散し得ない連結リガンドの生成を結果としてもたらす不可逆的タンパク質分解事象を通して発生する。基本的に、PARは、部位特異的レセプター分割によりアンマスクされるまで未結合状態にとどまる独自のリガンドを担持するレセプターである。凝固剤プロテアーゼトロンビンは、PAR1、PAR3及びPAR4の生理学的活性化因子である。しかしながら、その他のプロテアーゼがこれらのレセプターを分割でき、インビボでその機能に貢献し得る(表2)。PAR2は、トロンビンの上流側のトリプシン、トリプターゼ及び凝固プロテアーゼを含めた多数のトリプシン様セリンプロテアーゼ、第VIIa因子及びXa因子によって活性化されるが、トロンビンによっては活性化されない(表2)。
現在、ヒトPARの4つのサブタイプが記載され、PAR1(配列番号9)、PAR2(配列番号10)、PAR3(配列番号11)及びPAR4(配列番号12)と呼称されている。さらに、少なくとも70%のアミノ酸同一性及び少なくとも80%のアミノ酸類似性を示すPAR1、PAR2、PAR3及びPAR4オルソログが、例えばチンパンジーPan troglodytes、マントヒヒPapio hamadryas、イヌCanis familiaris、マウスMus musculus、ラットRattus norvegicus及びニワトリGallus gallusといったその他の哺乳動物において同定されてきている。分割の時点で連結リガンドをアンマスクするプロテアーゼ切断部位は、4つのレセプターすべてについて既知である(表2)。ヒトPARにおいては、R41〜S42でのPAR1の分割が、ヘキサペプチドSFLLRNで終了する新しいアミノ末端を露呈し、R34〜S35におけるPAR2の分割がヘキサペプチドSLIGKVで終了する新しいアミノ末端を露呈し、K38−T39におけるPAR3の分割がヘキサペプチドTFRGAPで終了する新しいアミノ末端を露呈し、一方R47−G48でのPAR4の分割がヘキサペプチドGYPGQVで終了する新しいアミノ末端を露呈する。プロテアーゼ切断部位の遠位にあるヒルジン様の部位が、PAR1及びPAR3内で記載されてきた。この荷電ドメインは、PAR1に対するトロンビンの結合を媒介する助けとなり、かくしてプロテアーゼ切断部位の分割を容易にする。
PARの新たに形成されたアミノ末端連結リガンドを表わす合成ペプチドは、タンパク質分解の必要性なくレセプターのためのアゴニストとして作用でき、タンパク質分解により活性化されたPARにより惹起されるものと同じシグナリング応答の多くを開始することができる(表3)[例えばショーン・R・カウフリン(Shaun R.Coughlin)及びマルク・カーン(Mark Kahn)、「血小板活性化の変調」、国際公開第01/07072号パンフレット(2001年2月1日);ショーン・R・カウフリン及びタチアナ・R・ファルキ(Tatjana R.Faruqi)、「ペプチド変調プロテアーゼで活性化されたレセプター及びその使用方法」、国際公開第01/94411号パンフレット(2001年12月13日);スコット・R・マクファーレン(Scott R.MacFarlane)ら、「Protease−Activated Receptor」、第53(2)号、Pharmacol.Rev.、245−282頁(2001年);及びロバート・M・スカボロー(Robert M.Scarborough)、「Protease−Activated Receptor−2 Antagonists and Agonists」、第1(1)号、Curr.Med.Chem.Cardiovasc.Hematol.Agents、73−82頁(2003年)を参照のこと]。活性化ペプチド(AP)と呼ばれるこれらのペプチドは、上述のリガンドの結合、シグナル形質導入及びシグナル終結のステップをひき起こす。最初に記載されたAPは、PAR1に対するアゴニストとして挙動する配列番号13のアミノ酸42−55を含む14残基のペプチドSFLLRNPDKYEPFであった。その後の研究作業は、ヘキサペプチドSFLLRNのみならず、細胞応答を惹起するのに充分機能的ではないにせよ広範囲の変異体も同様に有効である、ということを示した(表3)。アラニンスキャニング及び部位特異的突然変異誘発を用いたPARAPの分析は、機能にとってきわめて重要な残基を同定した。例えばF2、L4及びR5は、PAR1APヘキサペプチドSFLLRNにとって機能的に重要であるが、その他の位置での残基の置換を許容することが可能である。PAR2APヘキサペプチドSLIGKVの類似のテストが、L2及びR5はPAR2AP活性にとって不可欠であり、一方G4又はL6の置換はPAR2活性化に対しわずかな効果しか及ぼさない、ということを示している。S1又は13をアラニンで交換することも又活性を低減させる。数多くのPAR4変異体が機能的である(表3)ものの、Fでの交換がPAR1及びPAR4の両方のアゴニストを生成することから、PAR4APの特異性にはY2が必要である。
不活性化されたPARを結合させ修飾クロストリジウム毒素−PAR複合体の1細胞内への内在化を惹起する能力をもつ任意の及び全てのPARリガンドドメインが本発明の態様において有用であり得ることが予測されている。PARリガンドドメインが不活性化PARを結合させかつ修飾クロストリジウム毒素−PAR複合体の1細胞内への内在化を惹起する能力をもつことを条件として、本発明の態様において、任意の及び全ての長さのPARリガンドドメインが有用であり得ると予測されている。かくして、この実施形態の態様においては、PARリガンドドメインの長さは例えば少なくとも6個のアミノ酸、少なくとも7個のアミノ酸、少なくとも8個のアミノ酸、少なくとも9個のアミノ酸、少なくとも10個のアミノ酸、少なくとも15個のアミノ酸、少なくとも20個のアミノ酸、少なくとも25個のアミノ酸、少なくとも30個のアミノ酸、少なくとも40個のアミノ酸、少なくとも50個のアミノ酸又は少なくとも60個のアミノ酸であり得る。本実施形態のその他の態様においては、PARリガンドドメインの長さは例えば多くとも6個のアミノ酸、多くとも7個のアミノ酸、多くとも8個のアミノ酸、多くとも9個のアミノ酸、多くとも10個のアミノ酸、多くとも15個のアミノ酸、多くとも20個のアミノ酸、多くとも25個のアミノ酸、多くとも30個のアミノ酸、多くとも40個のアミノ酸、多くとも50個のアミノ酸又は多くとも60個のアミノ酸であり得る。制限的意味のない例としては、PAR1リガンドドメインは、配列番号9のアミノ酸1〜64、配列番号9のアミノ酸1〜55、配列番号9のアミノ酸1〜47、配列番号9のアミノ酸29〜64、配列番号9のアミノ酸42〜55又は配列番号9のアミノ酸42〜47を含み得る。もう1つの制限的意味のない例としては、PAR2リガンドドメインは、配列番号10のアミノ酸1〜59を含み、配列番号10のアミノ酸1〜48を含み、配列番号10のアミノ酸1〜40を含み、配列番号10のアミノ酸24〜59、配列番号10のアミノ酸35〜48又は配列番号10のアミノ酸35〜40を含み得る。さらにもう1つの制限的意味のない例としては、PAR3リガンドドメインは配列番号11のアミノ酸1〜60を含み、配列番号11のアミノ酸1〜52を含み、配列番号11のアミノ酸1〜44を含み、配列番号11のアミノ酸26〜60、配列番号11のアミノ酸39〜52又は配列番号11のアミノ酸39〜44を含み得る。さらにもう1つの制限的意味のない例としては、PAR4リガンドドメインは配列番号12のアミノ酸1〜70を含み、配列番号12のアミノ酸1〜61を含み、配列番号12のアミノ酸1〜53、配列番号12のアミノ酸35〜70、配列番号12のアミノ酸48〜61又は配列番号12のアミノ酸48〜53を含み得る。
該発明の態様において有用なPARリガンドドメインには、これに制限されないが、天然発生のPARリガンドドメイン、例えばPAR1連結リガンド、PAR2連結リガンド、PAR3連結リガンド又はPAR4連結リガンド;天然発生のPARリガンドドメイン変異体;及び非天然発生のPARリガンドドメイン変異体、例えば保存的PARリガンドドメイン変異体、非保存的PARリガンドドメイン変異体及びPARリガンドドメインペプチドミメティックスが含まれる。本書で使用されている通り、天然発生のものであれ非天然発生のものであれ「PARリガンドドメイン変異体」という用語は、開示された基準配列の対応する領域からの少なくとも1つのアミノ酸の変更を有し、その基準配列の対応する領域に対する同一性百分率の形で記載できるPARリガンドドメインを意味する(表3)。これに制限されないが、包括的方法、局所的方法、及びハイブリッド方法例えばセグメントアプローチ方法を含め、さまざまな配列整列方法のいずれでも、同一性百分率を判定するために使用することができる。同一性百分率を決定するためのプロトコルは、当業者の技能範囲内に入る及び本書中の教示に基づく日常的手順である。
本書で使用されている「天然発生のPARリガンドドメイン変異体」という用語は、これに制限されないが選択的スプライスによる写しから産生されたPARリガンドドメインイソ型、自然突然変異により産生されたPARリガンドドメインイソ型及びPARリガンドドメインサブタイプを含め、いかなる人的操作の補助も無く産生された任意のPARリガンドドメインを意味する。
本書で使用される「非天然発生のPARリガンドドメイン変異体」という用語は、ランダム突然変異誘発又は合理的設計を用いた遺伝子工学処理により産生されたPARリガンドドメイン変異体及び化学的合成により産生されたPARリガンドドメイン変異体を含めた、人的操作を用いて産生されたあらゆるPARリガンドドメインを意味する。非天然発生のPARリガンドドメイン変異体の制限的意味のない例としては、例えば保存的PARリガンドドメイン変異体、非保存的PARリガンドドメイン変異体及びPARリガンドドメインペプチドミメティックスが含まれる。
本書で使用する「保存的PARリガンドドメイン変異体」という用語は、基準PARリガンドドメイン配列からのもとのアミノ酸のものと類似の特性を少なくとも1つ有するもう1つのアミノ酸又はアミノ酸類似体により少なくとも1つのアミノ酸が置換されているPARリガンドドメインを意味する(表3)。特性の例としては、これに制限されないが、類似のサイズ、トポグラフィ、電荷、疎水性、親水性、親油性、共有結合能力、水素結合能力、物理化学特性など又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。保存的PARリガンドドメイン変異体は、該保存的PARリガンドドメイン変異体の基礎となっている基準PARリガンドドメインと実質的に同じ要領で機能し得、本発明のいずれかの態様において基準PARリガンドドメインに置換され得る。保存的PARリガンドドメイン変異体は、その基礎となっている基準PARリガンドドメインからの1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸又は5個以上アミノ酸を置換し得る。保存的PARリガンドドメイン変異体は、その基礎となっている基準PARリガンドドメインに対する少なくとも50%、65%、75%、85%又は95%のアミノ酸同一性を有することもできる。保存的PARリガンドドメイン変異体の制限的意味の無い例としては、例えば、保存的PAR1リガンドドメイン変異体、保存的PAR2リガンドドメイン変異体、保存的PAR3リガンドドメイン変異体及び保存的PAR4リガンドドメイン変異体が含まれる。
本書で使用されている「非保存的PARリガンドドメイン変異体」という用語は、1)非保存的PARリガンドドメイン変異体の基礎となっている基準PARリガンドドメインから少なくとも1つのアミノ酸が欠失させられている;又は2)非保存的PARリガンドドメイン変異体の基礎となっている基準PARリガンドドメインに少なくとも1つのアミノ酸が付加されている;又は3)基準PARリガンドドメイン配列からのもとのアミノ酸のものと類似した特性を全く共有しないもう1つのアミノ酸又はアミノ酸類似体により少なくとも1つのアミノ酸が置換されている、PARリガンドドメインを意味する(表3)。非保存的PARリガンドドメイン変異体は、その基礎となっている基準PARリガンドドメインと同じ要領で機能でき、本発明の任意の態様において基準PARリガンドドメインに置換され得る。非保存的PARリガンドドメイン変異体は、その基礎となっている基準PARリガンドドメインに対して1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸、5個以上のアミノ酸及び10個以上のアミノ酸を添加できる。非保存的PARリガンドドメインは、非保存的PARリガンドドメイン変異体の基礎となっている基準PARリガンドドメインからの1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸又は5個以上のアミノ酸を置換し得る。非保存的PARリガンドドメイン変異体は同様に、その基礎となっている基準PARリガンドドメインに対する少なくとも50%、65%、75%、85%又は95%のアミノ酸同一性を有することもできる。非保存的PARリガンドドメイン変異体の制限的意味のない例としては、例えば非保存的PAR1リガンドドメイン変異体、非保存的PAR2リガンドドメイン変異体、非保存的PAR3リガンドドメイン変異体、及び非保存的PAR4リガンドドメイン変異体が含まれる。
本書で使用される「PARリガンドドメインペプチドミメティックス」という用語は、最初のアミノ酸のものと類似の少なくとも1つの特性を有する非天然オリゴマによって置換される少なくとも1つのアミノ酸をもつPARリガンドドメインを意味する。特性の例としては、これに制限されないが、ペプチド一次構造要素のトポロジー、ペプチド一次構造要素の機能性、ペプチド二次構造要素のトポロジー、ペプチド二次構造要素の機能性など又はその任意の組み合わせが含まれる。PARリガンドドメインペプチドミメティックスは実質的に、該PARリガンドドメインペプチドミメティックスの基礎となっている基準PARリガンドドメインと実質的に同じ要領で機能し得、本発明の任意の態様において、基準PARリガンドドメインと置換され得る。PARリガンドドメインペプチドミメティックスは、その基礎となっている基準PARリガンドドメインからの1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸又は5個以上のアミノ酸を置換し得る。PARリガンドドメインペプチドミメティックスは、同様に、その基礎となっている基準PARリガンドドメインに対し少なくとも50%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも85%又は少なくとも95%のアミノ酸同一性を有することもできる。ペプチドミメティックス方法の例としては、アミー・S・リプカ(Amy S.Ripka)及びダニエル・H・リッチ(Daniel H.Rich)、「Peptidomimetic design」、第2(4)号、Curr.Opin.Chem.Biol.、441−452頁(1998年);及びM.アンヘル・エストリアルテ(Angels Estiarte)及びダニエル・H・リッチ、「Peptidomimetics for Drug Design」、803−861頁(Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery Vol.1 Principle and Practice、ドナルド・J・アブラハム(Donald J.Abraham)編、Wiley−Interscience、第6版、2003年)を参照のこと。PARリガンドドメインペプチドミメティックスの制限的意味のない例としては、例えばPAR1リガンドドメインペプチドミメティックス、PAR2リガンドドメインペプチドミメティックス、PAR3リガンドドメインペプチドミメティックス及びPAR4リガンドドメインペプチドミメティックが含まれる。
かくして、一実施形態においては、PARリガンドドメインは、例えばPARリガンドドメインイソ型又はPARリガンドドメインサブタイプといったような天然発生のPARリガンドドメイン変異体を含む。もう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインは、非天然発生PARリガンドドメイン変異体例えば、保存的PARリガンドドメイン変異体、非保存的PARリガンドドメイン変異体、又はPARリガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせを含む。
もう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインはPAR1リガンドドメインを含む。この実施形態の1態様においては、PAR1リガンドドメインは配列番号13を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、PAR1リガンドドメインは、例えばPAR1リガンドドメインイソ型又はPAR1リガンドドメインサブタイプといったような天然発生のPAR1リガンドドメイン変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13の天然発生のPAR1リガンドドメイン変異体例えば配列番号13のPAR1リガンドドメインイソ型又は配列番号13のPAR1リガンドドメインサブタイプを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、PAR1リガンドドメインは非天然発生のPAR1リガンドドメイン変異体例えば保存的PAR1リガンドドメイン変異体、非保存的PAR1リガンドドメイン変異体又はPAR1リガンドドメインペプチドミメティックス又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様では、PAR1リガンドドメインは、配列番号13の非天然発生PAR1リガンドドメイン変異体、例えば配列番号13の保存的PAR1リガンドドメイン変異体、配列番号13の非保存的PAR1リガンドドメイン変異体又は配列番号13のPAR1リガンドドメインペプチドミメティックス、又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23又は配列番号133を含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、例えば配列番号13と少なくとも50%のアミノ酸同一性、配列番号13と少なくとも67%のアミノ酸同一性又は配列番号13と少なくとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13と多くとも50%のアミノ酸同一性、配列番号13と多くとも67%のアミノ酸同一性、配列番号13と多くとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば多くとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において、例えば少なくとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の実施形態においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば多くとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失をもつポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失をもつポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば多くとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。この実施形態のさらにその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば少なくとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらなるその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば多くとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらなるその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば多くとも2個又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR1リガンドドメインは、配列番号13との関係において例えば少なくとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインはPAR2リガンドドメインを含む。この実施形態の1態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、PAR2リガンドドメインは、天然発生のPAR2リガンドドメイン変異体、例えばPAR2リガンドドメインイソ型又はPAR2リガンドドメインサブタイプを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24の天然発生のPAR2リガンドドメイン変異体、例えば配列番号24のPAR2リガンドドメインイソ型又は配列番号24のPAR2リガンドドメインサブタイプを含む。本実施形態にさらにもう1つの態様においては、PAR2リガンドドメインは、非天然発生のPAR2リガンドドメイン変異体例えば保存的PAR2リガンドドメイン変異体、非保存的PAR2リガンドドメイン変異体又はPAR2リガンドドメインペプチドミメティックス又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24の非天然発生のPAR2リガンドドメイン変異体、例えば配列番号24の保存的PAR2リガンドドメイン変異体、配列番号24の非保存的PAR2リガンドドメイン変異体又は配列番号24のPAR2リガンドドメインペプチドミメティックス、又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは配列番号24又は配列番号25を含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24と例えば少なくとも50%、配列番号24と少なくとも67%又は配列番号24と少なくとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24と例えば多くとも50%、配列番号24と多くとも67%、配列番号24と多くとも83%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において例えば多くとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において、例えば少なくとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において、例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の実施形態においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において例えば多くとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失をもつポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失をもつポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において例えば多くとも1、2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。この実施形態のさらにその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において例えば少なくとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらなるその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において例えば多くとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらなるその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において例えば多くとも2個又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR2リガンドドメインは、配列番号24との関係において例えば少なくとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインはPAR3リガンドドメインを含む。この実施形態の1態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、PAR3リガンドドメインは、天然発生のPAR3リガンドドメイン変異体、例えばPAR3リガンドドメインイソ型又はPAR3リガンドドメインサブタイプを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26の天然発生のPAR3リガンドドメイン変異体、例えば配列番号26のPAR3リガンドドメインイソ型又は配列番号26のPAR3リガンドドメインサブタイプを含む。本実施形態にさらにもう1つの態様においては、PAR3リガンドドメインは、非天然発生のPAR3リガンドドメイン変異体例えば保存的PAR3リガンドドメイン変異体、非保存的PAR3リガンドドメイン変異体又はPAR3リガンドドメインペプチドミメティックス又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26の非天然発生のPAR3リガンドドメイン変異体、例えば配列番号26の保存的PAR3リガンドドメイン変異体、配列番号26の非保存的PAR3リガンドドメイン変異体又は配列番号26のPAR3リガンドドメインペプチドミメティックス、又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは配列番号26又は配列番号27又は配列番号134を含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26と例えば少なくとも50%、配列番号26と少なくとも67%又は配列番号26と少なくとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26と例えば多くとも50%、配列番号26と多くとも67%、配列番号26と多くとも83%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば多くとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において、例えば少なくとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の実施形態においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば多くとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失をもつポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失をもつポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば多くとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。この実施形態のさらにその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば少なくとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらなるその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらなるその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば多くとも2個又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR3リガンドドメインは、配列番号26との関係において例えば少なくとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。
もう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインはPAR4リガンドドメインを含む。この実施形態の1態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、PAR4リガンドドメインは、天然発生のPAR4リガンドドメイン変異体、例えばPAR4リガンドドメインイソ型又はPAR4リガンドドメインサブタイプを含む。本実施形態のもう1つの態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28の天然発生のPAR4リガンドドメイン変異体、例えば配列番号28のPAR4リガンドドメインイソ型又は配列番号28のPAR4リガンドドメインサブタイプを含む。本実施形態にさらにもう1つの態様においては、PAR4リガンドドメインは、非天然発生のPAR4リガンドドメイン変異体例えば保存的PAR4リガンドドメイン変異体、非保存的PAR4リガンドドメイン変異体又はPAR4リガンドドメインペプチドミメティックス又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28の非天然発生のPAR4リガンドドメイン変異体、例えば配列番号28の保存的PAR4リガンドドメイン変異体、配列番号28の非保存的PAR4リガンドドメイン変異体又は配列番号28のPAR4リガンドドメインペプチドミメティックス、又はそれらの任意の組み合わせを含む。本実施形態のその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号135又は配列番号160を含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28と例えば少なくとも50%、配列番号28と少なくとも67%又は配列番号28と少なくとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28と例えば多くとも50%、配列番号28と多くとも67%、配列番号28と多くとも83%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば多くとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において、例えば少なくとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の実施形態においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失をもつポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失をもつポリペプチドを含む。
本実施形態のその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば多くとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。この実施形態のさらにその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば少なくとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらなるその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば多くとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらなるその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば多くとも2個又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。本実施形態のさらにその他の態様においては、PAR4リガンドドメインは、配列番号28との関係において例えば少なくとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含む。
PARプロテアーゼがPARの細胞外アミノ末端を分割する場合、連結リガンドとして機能する新しいアミノ酸末端が生成される。現在、連結リガンドのアミノ末端位置設定は、リガンド結合ドメインを含むレポータの第2の細胞外ループ領域に対してリガンドが有効に結合する上で決定的に重要な意味をもつと考えられている。2鎖分子の形成が結果としてPARリガンドドメインの自由アミノ酸末端をもたらすことを条件として、本明細書の修飾クロストリジウム毒素は任意のそして全ての場所でPARリガンドドメインを含むことができる、ということが予測されている。制限的意味のない例としては、クロストリジウム毒素酵素ドメインのアミノ末端にPARリガンドドメインを位置設定すること;クロストリジウム毒素転移ドメインのアミノ末端にPARリガンドドメインを位置設定すること;そしてクロストリジウム毒素結合ドメインのアミノ末端にPARリガンドドメインを位置設定することが含まれる(図4)。
かくして、一実施形態においては、修飾クロストリジウム毒素は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン;及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、ここでPARリガンドドメインはクロストリジウム毒素酵素ドメインのアミノ末端に位置設定されている。この実施形態の1態様においては、クロストリジウム毒素1本鎖分子のアミノからカルボキシまでの線形構成が酵素ドメイン、転移ドメインそして結合ドメインである場合に、PARリガンドドメインを酵素ドメインのアミノ末端に位置設定することができる。本実施形態のもう1つの態様においては、クロストリジウム毒素1本鎖分子のアミノからカルボキシまでの線形構成が酵素ドメイン、結合ドメインそして転移ドメインである場合に、PARリガンドドメインを酵素ドメインのアミノ末端に位置設定することができる。
かくして、一実施形態においては、修飾クロストリジウム毒素は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン;及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、ここでPARリガンドドメインはクロストリジウム毒素転移ドメインのアミノ末端に位置設定されている。この実施形態の1態様においては、クロストリジウム毒素1本鎖分子のアミノからカルボキシまでの線形構成が結合ドメイン、酵素ドメインそして転移ドメインである場合に、PARリガンドドメインを同じく転移ドメインのアミノ末端に位置設定することもできる。本実施形態のもう1つの態様においては、クロストリジウム毒素1本鎖分子のアミノからカルボキシまでの線形構成が酵素ドメイン、転移ドメインそして結合ドメインである場合に、PARリガンドドメインを転移ドメインのアミノ末端に位置設定することができる。
さらにもう1つの実施形態においては、修飾クロストリジウム毒素は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン;及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含み、ここでPARリガンドドメインはクロストリジウム毒素結合ドメインのアミノ末端に位置設定されている。この実施形態の1態様においては、クロストリジウム毒素1本鎖分子のアミノからカルボキシまでの線形構成が酵素ドメイン、結合ドメインそして転移ドメインである場合に、PARリガンドドメインを同じく結合ドメインのアミノ末端に位置設定することもできる。
さらにもう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインの場所は、修飾クロストリジウム毒素のアミノ末端に位置設定される。このような場所では、該PARリガンドドメインはPARの結合ドメインに結合でき、PARリガンドドメインをアンマスクするためにタンパク質分解分割は必要でない。本書で使用されている「アンマスク」という用語は、PARリガンドドメインのアミノ末端が自由にPARのリガンド結合ドメインに結合できることを意味する。当該技術分野においては、開始メチオニンを含むもう1つのポリペプチドのアミノ末端に作動的に連結されているポリペプチドを添加する場合に、このメチオニン残基を欠失させることができるということがわかっている(表4)。これは、付加されたポリペプチドが新しい開始メチオニンを含むことになることそしてもとの開始メチオニンが融合タンパク質の最適な発現を低減し得ることに起因している。
さらにもう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインの場所は、修飾クロストリジウム毒素のアミノ末端に位置設定される。このような場所では、該PARリガンドドメインはPARの結合ドメインに結合できない。PARリガンドドメインは、このドメインがPARのリガンド結合ドメインに結合できるようになるためにはPARリガンドドメインをアンマスクする必要があることから、マスクされているとみなされる。ここで使用する「マスクされた」という用語は、PARリガンドドメインのアミノ末端がPARのリガンド結合ドメインに結合できないことを意味している。修飾クロストリジウム毒素のPARリガンドドメインをアンマスクするためには、適切なプロテアーゼでの分割時点で、マスクされたPARリガンドドメインがアンマスク状態となりいまやPARリガンド結合ドメインを結合する能力をもつことになるような形で、PARリガンドドメインの前にプロテアーゼ切断部位を置くことができる。制限的意味無く、2鎖ループ内に見出されるクロストリジウム毒素プロテアーゼ切断部位、インビボで連結リガンドをアンマスクするのに使用されるプロテアーゼ切断部位及び外因性プロテアーゼ切断部位を含めて、PARリガンドドメインをアンマスクする目的で本発明の中で開示されている修飾クロストリジウム毒素を分割し得る任意の及び全てのプロテアーゼを使用することが予測されている。
上述のとおり、クロストリジウム毒素は単一ポリペプチド形態から2鎖分子へとタンパク質分解分割により転換される。プロテアーゼの同一性は現在未知であるものの、数多くのクロストリジウム毒素のための2鎖ループプロテアーゼ切断部位が判定されてきた。BoNTにおいては、K448−A449における分割がBoNT/Aの単一ポリペプチド形態を2鎖形態へと転換させる;K441−A442での分割は、BoNT/Bの単一ポリペプチド形態を2鎖形態へと転換させる;K449〜T450での分割は、BoNT/C1の単一ポリペプチド形態を2鎖形態へと転換させる;R445〜D446での分割は、BoNT/Dの単一ポリペプチド形態を2鎖形態へと転換させる;R422−K423における分割は、BoNT/Eの単一ポリペプチド形態を2鎖形態へと転換させる;K439−A440での分割は、BoNT/Fの単一ポリペプチド形態を2鎖形態へと転換させる。そしてK446〜S447での分割は、BoNT/Gの単一ポリペプチド形態を2鎖形態へと転換させる。A457〜S458におけるTeNTの単一ポリペプチド形態のタンパク質分解分割は、2鎖形態を結果としてもたらす。かかる2鎖ループプロテアーゼ切断部位は、融合タンパク質として修飾クロストリジウム毒素に対して枠内で作動的に連結されている。しかしながら、同様に、2鎖の外観内部の付加的な分割部位が同じく分割されてその結果として失なわれつつある小さいペプチドフラグメントが生成されることになるように思われる、ということにも留意すべきである。制限的意味のない一例として、BoNT/A一本鎖ポリペプチドの分割は究極的に、2鎖ループ内部のアミノ酸フラグメントの喪失を結果としてもたらす。
かくして、一実施形態においては、PARリガンドドメインをアンマスクするために内因性クロストリジウム毒素2鎖ループプロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が使用される。本実施形態の1態様においては、PARリガンドドメインは、例えばBoNT/A2鎖ループプロテアーゼ切断部位、BoNT/B2鎖ループプロテアーゼ切断部位、BoNT/C12鎖ループプロテアーゼ切断部位、BoNT/D2鎖ループプロテアーゼ切断部位、BoNT/E2鎖ループプロテアーゼ切断部位、BoNT/F2鎖ループプロテアーゼ切断部位、BoNT/G2鎖ループプロテアーゼ切断部位又はTeNT2鎖ループプロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割によりアンマスクされる。
連結リガンドをアンマスクするような形でPARを分割するための多様な内因性PARプロテアーゼが知られており、従ってPARリガンドドメインをアンマスクするのにこれを使用することも可能である。凝固剤プロテアーゼであるトロンビンは、PAR1、PAR3及びPAR4の生理学的活性化因子である。しかしながら、制限的意味無く、APC、カテプシンG、第VIIa因子、第Xa因子、グランザイムA、ジンジパイン−R、プラスミン及びトリプシンを含めたその他のPARプロテアーゼも同様に、タンパク質分解分割によりPARレセプターを活性化することができる(表2)。制限的意味無く、アクロシエン、DerP1、DerP3、DerP9、第VIIa因子、第Xa因子、ジンジパイン−R、MT−SP1、プロティナーゼ−3、トリプシン及びトリプターゼを含めた数多くのプロテアーゼによりPAR2を活性化することもできる(表2)。特定のPARリガンドドメインと会合した状態で見出される両方の内因性プロテアーゼ切断部位ならびにその他のPARリガンドドメインからの外因性プロテアーゼ切断部位を用いて、PARリガンド結合ドメインをアンマスクする目的で本明細書に開示されている修飾クロストリジウム毒素を分割可能であることが予測されている。かかるPARプロテアーゼ切断部位は、融合タンパク質として修飾クロストリジウム毒素に対し枠内で作動的に連結されている。制限的意味の無い例としては、インビボPAR1分子と会合したプロテアーゼ切断部位を用いてPAR1リガンドドメインをアンマスクすることができ、そうでなければ、PAR2、PAR3又はPAR4と会合したプロテアーゼ切断部位を用いてPAR1リガンドドメインをアンマスクすることができる(表2)。もう1つの制限的意味の無い例としては、インビボPAR2分子と会合したプロテアーゼ切断部位を用いてPAR2リガンドドメインをアンマスクすることができ、そうでなければ、PAR1、PAR3又はPAR4と会合したプロテアーゼ切断部位を用いてPAR2リガンドドメインをアンマスクすることができる(表2)。さらにもう1つの制限的意味のない例として、インビボPAR3分子と会合したプロテアーゼ切断部位を用いてPAR3リガンドドメインをアンマスクすることができ、そうでなければ、PAR1、PAR2又はPAR4と会合したプロテアーゼ切断部位を用いてPAR3リガンドドメインをアンマスクすることができる(表2)。さらにもう1つのプロテアーゼ切断部位のない例として、インビボPAR4分子と会合したプロテアーゼ切断部位を用いてPAR4リガンドドメインをアンマスクすることができ、そうでなければ、PAR1、PAR2又はPAR3と会合したプロテアーゼ切断部位を用いて、PAR4リガンドドメインをアンマスクすることができる(表2)。
かくして、一実施形態においては、PARリガンドドメインをアンマスクするために、内因性PAR1プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が使用される。この実施形態の態様では、例えばAPCプロテアーゼ切断部位、第Xa因子プロテアーゼ切断部位、グランザイムAプロテアーゼ切断部位、ジンジパイン−Rプロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位、又はトリプシンプロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割により、PARリガンドドメインがアンマスクされる。本実施形態のその他の態様では、APCプロテアーゼ、第Xa因子プロテアーゼ、グランザイムAプロテアーゼ、ジンジパイン−Rプロテアーゼ、トロンビンプロテアーゼ又はトリプシンプロテアーゼにより、PAR1プロテアーゼ切断部位が分割される。
もう1つの実施形態においては、内因性PAR2プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割を用いてPARリガンドドメインがアンマスクされる。本実施形態の態様では、例えばアクロシエンプロテアーゼ切断部位、DerD1プロテアーゼ切断部位、DerP3プロテアーゼ切断部位、DerP9プロテアーゼ切断部位、第VIIa因子プロテアーゼ切断部位、第Xa因子プロテアーゼ切断部位、ジンジパイン−Rプロテアーゼ切断部位、MT−SP1プロテアーゼ切断部位、プロティナーゼ−3プロテアーゼ切断部位、トリプシンプロテアーゼ切断部位又はトリプターゼプロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割により、PARリガンドドメインがアンマスクされる。この実施形態のその他の態様では、PAR2プロテアーゼ切断部位が、例えばアクロシエンプロテアーゼ、DerP1プロテアーゼ、DerP3プロテアーゼ、DerP9プロテアーゼ、第VIIa因子プロテアーゼ、第Xa因子プロテアーゼ、ジンジパイン−Rプロテアーゼ、MT−SP1プロテアーゼ、プロティナーゼ−3プロテアーゼ、トリプシンプロテアーゼ又はトリプターゼプロテアーゼにより分割される。
もう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインをアンマスクするために、内因性PAR3プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が用いられる。本実施形態の1態様においては、例えばトロンビンプロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割によってPARリガンドドメインがアンマスクされる。本実施形態のもう1つの態様では、例えばトロンビンプロテアーゼによりPAR3プロテアーゼ切断部位が分割される。
もう1つの実施形態においては、PARリガンドドメインをアンマスクするために内因性PAR4プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が用いられる。この実施形態の態様においては、例えば、カテプシンGプロテアーゼ切断部位、第VIIa因子プロテアーゼ切断部位、第Xa因子プロテアーゼ切断部位、ジンジパイン−Rプロテアーゼ切断部位、プラスミンプロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又はトリプシンプロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割によりPARリガンドドメインがアンマスクされる。本実施形態のその他の態様においては、例えばカテプシンGプロテアーゼ、第VIIa因子プロテアーゼ、第Xaプロテアーゼ、ジンジパイン−Rプロテアーゼ、プラスミンプロテアーゼ、トロンビンプロテアーゼ又はトリプシンプロテアーゼにより、PAR4プロテアーゼ切断部位が分割される。
同様に、PARリガンドドメインをアンマスクするために外因性プロテアーゼ切断部位を使用することができるということも予測されている。かかる外因性プロテアーゼ切断部位は、融合タンパク質として修飾クロストリジウム毒素に対し枠内で作動的に連結されている。プロテアーゼ切断部位の制限的意味の無い例としては、例えばエンテロキナーゼ分割部位(表5);トロンビン分割部位(表5);第Xa因子分割因子(表5);ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位(表4);タバコエッチウイルス(TEV)プロテアーゼ切断部位(表5);ジペプチジルアミノペプチダーゼ分割部位及び小ユビキチン様修飾因子(SUMO/ユビキチン様タンパク質−1(ULP−1)プロテアーゼ切断部位例えばMADSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGG(配列番号67)が含まれる。制限的意味のない例として、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位を用いて、PAR1リガンドドメインをアンマスクすることが可能である(表5)。もう1つの制限的意味のない例としては、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位を用いて、PAR2リガンドドメインをアンマスクすることができる(表5)。さらにもう1つの制限的意味のない例としては、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位を用いて、PAR3リガンドドメインをアンマスクすることが可能である(表5)。さらにもう1つの制限的意味のない例としては、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位を用いて、PAR4リガンドドメインをアンマスクすることができる(表5)。
かくして、一実施形態においては、PARリガンドドメインをアンマスクするために外因性プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が使用される。本実施形態の態様においては、例えば、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割によってPARリガンドドメインをアンマスクすることが可能である。本実施形態のその他の態様においては、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ、タバコエッチウイルスプロテアーゼ、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ、SUMO/ULP−1プロテアーゼ、トロンビンプロテアーゼ又は第Xa因子プロテアーゼによってPARプロテアーゼ切断部位が分割され、かくしてPARリガンドドメインがアンマスクされる。
もう1つの実施形態においては、PAR1リガンドドメインをアンマスクするために外因性プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が使用される。本実施形態の態様においては、例えば、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割によってPAR1リガンドドメインをアンマスクすることが可能である。本実施形態のその他の態様においては、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ、タバコエッチウイルスプロテアーゼ、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ、SUMO/ULP−1プロテアーゼ、トロンビンプロテアーゼ又は第Xa因子プロテアーゼによってPAR1プロテアーゼ切断部位が分割され、かくしてPAR1リガンドドメインがアンマスクされる。
もう1つの実施形態においては、PAR2リガンドドメインをアンマスクするために外因性プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が使用される。本実施形態の態様においては、例えば、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割によってPAR2リガンドドメインをアンマスクすることが可能である。本実施形態のその他の態様においては、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ、タバコエッチウイルスプロテアーゼ、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ、SUMO/ULP−1プロテアーゼ、トロンビンプロテアーゼ又は第Xa因子プロテアーゼによってPAR2プロテアーゼ切断部位が分割され、かくしてPAR2リガンドドメインがアンマスクされる。
さらにもう1つの実施形態においては、PAR3リガンドドメインをアンマスクするために外因性プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が使用される。本実施形態の態様においては、例えば、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割によってPAR3リガンドドメインをアンマスクすることが可能である。本実施形態のその他の態様においては、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ、タバコエッチウイルスプロテアーゼ、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ、SUMO/ULP−1プロテアーゼ、トロンビンプロテアーゼ又は第Xa因子プロテアーゼによってPAR3プロテアーゼ切断部位が分割され、かくしてPAR3リガンドドメインがアンマスクされる。
もう1つの実施形態においては、PAR4リガンドドメインをアンマスクするために外因性プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が使用される。本実施形態の態様においては、例えば、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位、トロンビンプロテアーゼ切断部位又は第Xa因子プロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割によってPAR4リガンドドメインをアンマスクすることが可能である。本実施形態のその他の態様においては、ウシエンテロキナーゼプロテアーゼ、タバコエッチウイルスプロテアーゼ、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ、SUMO/ULP−1プロテアーゼ、トロンビンプロテアーゼ又は第Xa因子プロテアーゼによってPAR4プロテアーゼ切断部位が分割され、かくしてPAR4リガンドドメインがアンマスクされる。
本明細書で開示されている修飾クロストリジウム毒素は、1つ以上の付加的な構成要素を任意に含み得るということがわかる。任意の構成要素の制限的意味のない例として、修飾クロストリジウム毒素はさらに、フレキシブルスペーサを含むフレキシブル領域を含むことができる。フレキシブルスペーサの制限的意味のない例としては、例えばG−スペーサGGGGS(配列番号48)又はA−スペーサEAAAK(配列番号49)が含まれる。フレキシブルスペーサを含むフレキシブル領域は、ポリペプチドの特性、属性又は物性を最適化する目的でポリペプチド領域の長さを調整するために使用可能である。かかるフレキシブル領域は、融合タンパク質として修飾クロストリジウム毒素に対し枠内で作動的に連結されている。制限的意味のない例として、プロテアーゼ切断部位をより良く露呈しかくしてプロテアーゼによるその部位の分割を容易にするべく、縦一列に1つ以上のフレキシブルスペーサを含むポリペプチド領域を用いることができる。もう1つの制限的意味の無い例としては、1つのリガンドドメインをより良く提示し、かくしてそのリガンドドメインのレセプター−上のその結合ドメインに対する結合を容易にするため、1つ以上のフレキシブルスペーサを含むポリペプチド領域を使用することができる。
かくして一実施形態において、本明細書で開示された修飾クロストリジウム毒素はさらに、フレキシブルスペーサを含むフレキシブル領域を含むことができる。もう1つの実施形態においては、本明細書において開示されている修飾クロストリジウム毒素はさらに、縦一列に複数のフレキシブルスペーサを含むフレキシブル領域を含むことができる。本実施形態の態様においては、フレキシブル領域は、例えば少なくとも1個のG−スペーサ、少なくとも2個のG−スペーサ、少なくとも3個のG−スペーサ、少なくとも4個のG−スペーサ又は少なくとも5個のG−スペーサを縦一列に含むことができる。本実施形態のその他の態様においては、フレキシブル領域は、例えば多くとも1個のG−スペーサ、多くとも2個のG−スペーサ、多くとも3個のG−スペーサ、多くとも4個のG−スペーサ又は多くとも5個のG−スペーサを縦一列に含むことができる。本実施形態のさらにその他の態様においては、例えばフレキシブル領域は、少なくとも1個のA−スペーサ、少なくとも2個のA−スペーサ、少なくとも3個のA−スペーサ、少なくとも4個のA−スペーサ又は少なくとも5個のA−スペーサを縦一列に含むことができる。本実施形態のさらにその他の態様では、フレキシブル領域は、例えば多くとも1個のA−スペーサ、多くとも2個のA−スペーサ、多くとも3個のA−スペーサ、多くとも4個のA−スペーサ又は多くとも5個のA−スペーサを縦一列に含むことができる。本実施形態のもう1つの態様においては、修飾クロストリジウム毒素は、同じフレキシブルスペーサの1つ以上のコピー、異なるフレキシブルスペーサ領域の1つ以上のコピー又はその任意の組み合わせを含むフレキシブル領域を含むことができる。
任意の構成要素のもう1つの制限的意味のない例として、修飾クロストリジウム毒素はさらにエピトープ結合領域を含み得る。エピトープ結合領域は、例えばタンパク質精製及びタンパク質視覚化が関与する様々な手順の中で使用可能である。かかるエピトープ結合領域は、融合タンパク質として修飾クロストリジウム毒素に対し枠内で作動的に連結されている。エピトープ結合領域の制限的意味のない例としては、例えばFLAG、Express(商標)、ヒトインフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)、ヒトp62C−MyCタンパク質(c−MYC)、水疱性口内炎ウイルス糖タンパク質(VSV−G)、単純ヘルペスウイルス(HSV)の糖タンパク質−D前駆体、V5及びAU1;親和性結合領域例えばポリヒスチジン(HIS)、ストレプトアビジン結合ペプチド(strep)及びビオチン又はビオチニル化配列;ペプチド結合領域、例えばグルタチオン−S−トランスフェラーゼのグルタジオン結合ドメイン、カルモジュリン結合タンパク質のカルモジュリン結合ドメイン及びマルトース結合タンパク質のマルトース結合ドメインが含まれる。適切な結合ペプチドを選択し、作製し使用するための特異的プロトコルの制限的意味のない例は、「Epitope Tagging」17.90〜17.93頁(サンブルク(Sambrook)及びラッセル(Russell)編、「Molecular Cloning A Laboratory Manual」、第3巻、第3版、2001年);「Antibodies:A Laboratory Manual」(エドワード・ハーロウ(Edward Harlow)及びダヴィッド・レーン(David Lane)編、Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版、1998年);及び「Using Antibodies:A Laboratory Manual:Portable Protocol No.I」(エドワード・ハーロウ及びダヴィッド・レーン、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1998年)の中で記載されている。さらに結合ペプチドならびに充分に特徴づけされた試薬、条件及びプロトコルの制限的意味のない例は、制限的意味無くBDバイオサイエンシーズ・クローンテック(Biosciences−Clontech)、Palo Alto、カリフォルニア州; BDバイオサイエンシーズ・ファーミゲン(Biosciences Pharmingen)、San Diego、カリフォルニア州;インビトロジェン(Invitrogen、Inc.)、Carlsbad、カリフォルニア州;キアゲン(QIAGEN、Inc.)、Valencia、カリフォルニア州;及びストラタジーン(Stratagene)、La Jolla、カリフォルニア州を含めたサプライヤから容易に入手可能である。これらのプロトコルは、本書からの、当業者の技能範囲内に充分入るものである。
かくして、一実施形態においては、本明細書で開示された修飾クロストリジウム毒素は、さらにエピトープ結合領域を含み得る。もう1つの実施形態においては、本明細書の中で開示されている修飾クロストリジウム毒素は、さらに複数のエピトープ結合領域を含み得る。本実施形態の態様においては、修飾クロストリジウム毒素は少なくとも1つのエピトープ結合領域、少なくとも2つのエピトープ結合領域、少なくとも3つのエピトープ結合領域、少なくとも4つのエピトープ結合領域又は少なくとも5つのエピトープ結合領域を含むことができる。本実施形態のその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素は例えば多くとも1つのエピトープ結合領域、多くとも2つのエピトープ結合領域、多くとも3つのエピトープ結合領域、多くとも4つのエピトープ結合領域又は多くとも5つのエピトープ結合領域を含み得る。本実施形態のもう1つの態様においては、修飾クロストリジウム毒素は、同じエピトープ結合領域の1つ以上のコピー、異なるエピトープ結合領域の1つ以上のコピー、又はその任意の組み合わせを含むことができる。エピトープ結合領域の場所は、これに制限されないが、修飾クロストリジウム毒素のアミノ末端、修飾クロストリジウム毒素内部又は修飾クロストリジウム毒素のカルボキシル末端を含め、さまざまな位置であり得る。
任意の構成要素のさらにもう1つの制限的意味のない例として、修飾クロストリジウム毒素はさらに、外来性プロテアーゼ切断部位を含み得る。外因性プロテアーゼ切断部位は、例えばタンパク質分解分割によるエピトープ結合領域の除去、2鎖形態へのクロストリジウム毒素1本鎖ポリペプチドの転換又は上述のとおりのPARリガンドドメインのアンマスクが関与するさまざまな手順の中で使用可能である。かかる外因性プロテアーゼ切断部位は、融合タンパク質として作動的に修飾クロストリジウム毒素に対し枠内で作動的に連結される。プロテアーゼ切断部位の制限的意味のない例には、例えばエンテロキナーゼ分割部位(表5);トロンビン分割部位(表5);第Xa因子分割部位(表5);ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位(表4);タバコエッチウイルス(TEV)プロテアーゼ切断部位(表5);ジペプチジルアミノペプチターゼ分割部位及び小ユビキチン様修飾因子(SUMO)/ユビキチン様タンパク質−1(ULP−1)プロテアーゼ切断部位、例えばMADSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGG(配列番号67)が含まれる。
かくして、一実施形態においては、本明細書で開示された修飾クロストリジウム毒素は、さらに外因性プロテアーゼ切断部位を含み得る。もう1つの実施形態においては、本明細書の中で開示されている修飾クロストリジウム毒素は、さらに複数の外因性プロテアーゼ切断部位を含み得る。本実施形態の態様においては、修飾クロストリジウム毒素は少なくとも1つの外因性プロテアーゼ切断部位、少なくとも2つの外因性プロテアーゼ切断部位、少なくとも3つの外因性プロテアーゼ切断部位、少なくとも4つの外因性プロテアーゼ切断部位又は少なくとも5つの外因性プロテアーゼ切断部位を含むことができる。本実施形態のその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素は、例えば多くとも1つの外因性プロテアーゼ切断部位、多くとも2つの外因性プロテアーゼ切断部位、多くとも3つの外因性プロテアーゼ切断部位、多くとも4つの外因性プロテアーゼ切断部位又は多くとも5つの外因性プロテアーゼ切断部位を含み得る。本実施形態のもう1つの態様においては、修飾クロストリジウム毒素は、同じ外因性プロテアーゼ切断部位の1つ以上のコピー、異なる外因性プロテアーゼ切断部位の1つ以上のコピー、又はその任意の組み合わせを含むことができる。
外因性プロテアーゼ切断部位の場所は、制限的意味無く、エピトープ結合領域によるエピトープ結合領域の除去を容易にするべくエピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間、又は毒素の1本鎖ポリペプチド形態から2鎖形態への転換を容易にするべく修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部を含めたさまざまな位置であり得る。
エピトープ結合領域を除去するために外因性プロテアーゼ切断部位を使用できるということが予測されている。上述のとおり、タンパク質精製手順の中でエピトープ結合領域を使用することができ、タンパク質が精製された後にかかるエピトープ結合領域を除去することが往々にして望ましい。それを行なう一般的な1つの方法は、問題のタンパク質とエピトープ結合領域の間にプロテアーゼ切断部位を有し、かくしてプロテアーゼ切断部位のタンパク質分解分割が問題のタンパク質をエピトープ結合領域から分離するようにすることにある。エピトープ結合領域の除去のために用いられるプロテアーゼ切断部位の制限的意味のない例、ならびに充分に特徴づけ済みのプロテアーゼ、試薬、条件及びプロトコルは、制限的意味無くBDバイオサイエンシーズ・クローンテック、Palo Alto、カリフォルニア州;BDバイオサイエンシーズ・ファーミゲン、San Diego、カリフォルニアシュウ;インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州;キアゲン、Valencia、カリフォルニア州;及びストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州を含めたサプライヤから容易に入手可能である。適切なプロテアーゼ切断部位の選択、作製及び使用は、本書中の教示からの及び当業者の技能範囲内の日常的手順である。
かくして、一実施形態においては、外因性プロテアーゼ切断部位が、エピトープ結合ペプチドと修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定される。この実施形態のその他の態様では、ウシエンテロキナーゼ分割部位がエピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されるか、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位がエピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されているか、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位がエピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されているか、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位がエピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されているか、トロンビンプロテアーゼ切断部位がエピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されているか、又は凝固第Xa因子プロテアーゼ切断部位がエピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されている。該実施形態のその他の態様においては、エピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されたウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位は、配列番号50を含む。該実施形態のその他の態様においては、エピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されたタバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位は、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59又は配列番号60を含む。該実施形態のさらにその他の態様においては、エピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されたヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位は、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65又は配列番号66を含む。該実施形態のさらにその他の態様においては、エピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されたSUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位は、配列番号67を含む。該実施形態のさらにその他の態様においては、エピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定されたトロンビンプロテアーゼ切断部位は配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81又は配列番号82を含む。該実施形態のその他の態様においては、エピトープ結合領域と修飾クロストリジウム毒素の間に位置設定された凝固第Xa因子プロテアーゼ切断部位は、配列番号83又は配列番号84を含む。
本明細書内で開示されている修飾クロストリジウム毒素の1本鎖ポリペプチド形態を2鎖形態に転換するために外因性プロテアーゼ切断部位を使用できることが予測されている。上述の通り、クロストリジウム毒素は、天然発生のプロテアーゼによりジスルフィドループ内部でタンパク質分解切断により後に分割される約150kDaの1本鎖ポリペプチドとして翻訳される。この翻訳後プロセッシングは、単一ジスルフィド結合及び非共有的相互作用により合わせて保持される約50kDaの軽鎖(LC)と約100kDaの重鎖(HC)を含む2鎖分子を生成する。天然発生のプロテアーゼは現在知られていないものの、分割は、ジスルフィド架橋を形成する2つのシスティン残基の間の2鎖ループ領域内で発生する(表6)。外因性プロテアーゼ切断部位での天然発生のプロテアーゼ切断部位の交換は、毒素の2鎖ループ領域を分割するために用いられる内因性クロストリジウムプロテアーゼを産生しない生体内で発現された時点で本明細書中で開示された修飾クロストリジウム毒素の分割を可能にすることになる。
かくして、一実施形態においては、外因性プロテアーゼ切断部位は、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されている。この実施形態の態様においては、ウシエンテロキナーゼ分割部位が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されているか、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されているか、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されているか、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されているか、トロンビンプロテアーゼ切断部位が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されているか、又は凝固第Xa因子プロテアーゼ切断部位が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されている。該実施形態のその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されたウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位は、配列番号50を含む。該実施形態のその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されたタバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位は配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59又は配列番号60を含む。該実施形態のさらにその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されたヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位は、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65又は配列番号66を含む。該実施形態のさらにその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されたSUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位は、配列番号67を含む。該実施形態のさらなるその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されたトロンビンプロテアーゼ切断部位は、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81又は配列番号82を含む。該実施形態のその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループ内部に位置設定されている凝固第Xa因子プロテアーゼ切断部位は、配列番号83又は配列番号84を含む。
本発明の態様は一部には修飾クロストリジウム毒素を提供する。本明細書の中で開示されているクロストリジウム毒素修飾の制限的意味の無い例としては、例えば、PARリガンドドメインの付加、プロテアーゼ切断部位の付加、酵素、転移及び結合ドメインの再配置、スペーサ領域の付加及びエピトープ結合領域の付加が含まれる。このような修飾全てが、細胞を中毒させるクロストリジウム毒素の能力に実質的に影響を及ぼすわけではないということが理解される。本書で使用する「実質的に影響を及ぼさない」という用語は、クロストリジウム毒素をニューロン内に入れ神経伝達物質の放出を阻害させる全体的細胞機序をクロストリジウム毒素がなお実行できることを意味し、低又は高親和性レセプター複合体に対するクロストリジウム毒素の結合、毒素/レセプター複合体の内在化、細胞質内へのクロストリジウム毒素軽鎖の転移及びクロストリジウム毒素基質の酵素的修飾を包含する。本実施形態の態様においては、修飾クロストリジウム毒素は例えば、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも10%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも20%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも30%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも40%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも50%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも60%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも70%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも80%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも90%の毒性又は天然に発生するクロストリジウム毒素の少なくとも95%の毒性を有する。本実施形態の態様においては、修飾クロストリジウム毒素は例えば、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも10%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも20%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも30%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも40%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも50%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも60%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも70%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも80%の毒性、天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも90%の毒性又は天然に発生するクロストリジウム毒素の多くとも95%の毒性を有する。
本発明の態様は、一部にはポリヌクレオチド分子を提供している。本書で使用される「ポリヌクレオチド分子」という用語は「核酸分子」と同義であり、例えば任意の長さのリボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドといったようなヌクレオチドの重合体形態を意味する。制限的意味無く、天然発生及び非天然発生のDNA分子及び天然発生及び非天然発生のRNA分子を含めた、本明細書内で開示されている修飾クロストリジウム毒素をコードできる任意の及び全てのポリヌクレオチド分子が有用であり得るということが予測されている。天然発生及び非天然発生のDNA分子の制限的意味のない例としては、1本鎖DNA分子、2本鎖DNA分子、ゲノムDNA分子、cDNA分子、ベクター構成体例えばプラスミド構成体、ファージミド構成体、バクテリオファージ構成体、レトロウイルス構成体及び人工染色体構成体などが含まれる。天然発生及び非天然発生のRNA分子の制限的意味の無い例としては、1本鎖RNA、2本鎖RNA及びmRNAが含まれる。
かくして、一実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、クロストリジウム毒素酵素ドメイン、クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、天然に発生するクロストリジウム毒素変異体、例えばクロストリジウム毒素イソ型又はCTサブタイプを含むクロストリジウム毒素をコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的クロストリジウム毒素変異体、非保存的クロストリジウム毒素変異体又は活性クロストリジウム毒素フラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生のクロストリジウム毒素変異体を含むクロストリジウム毒素をコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、クロストリジウム毒素酵素ドメイン又はその活性フラグメント、クロストリジウム毒素転移ドメイン又はその活性フラグメント、クロストリジウム毒素結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含むクロストリジウム毒素をコードする。本実施形態のその他の態様においては、クロストリジウム毒素は、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/C1、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G又はTeNTを含む。
もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、クロストリジウム毒素はBoNT/Aを含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/A酵素ドメイン、BoNT/A転移ドメイン及びBoNT/A結合ドメインを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1を含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばBoNT/Aイソ型又はBoNT/Aサブタイプといったような天然発生のBoNT/A変異体を含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号1のBoNT/Aイソ型又は配列番号1のBoNT/Aサブタイプといったような配列番号1の天然発生のBoNT/A変異体を含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的BoNT/A変異体、非保存的BoNT/A変異体又は活性BoNT/Aフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/A変異体を含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号1の保存的BoNT/A変異体、配列番号1の非保存的BoNT/A変異体又は配列番号1の活性BoNT/Aフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号1の非天然発生BoNT/A変異体を含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/A酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/A転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/A結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、配列番号1からのアミノ酸1〜448のBoNT/A酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号1からのアミノ酸449〜860のBoNT/A転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号1からのアミノ酸861〜1296のBoNT/A結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含むBoNT/A。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号1と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号1と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号1と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Aをコードする。
もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/Bを含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/B酵素ドメイン、BoNT/B転移ドメイン及びBoNT/B結合ドメインを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2を含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばBoNT/Bイソ型又はBoNT/Bサブタイプといったような天然発生のBoNT/B変異体を含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号2のBoNT/Bイソ型又は配列番号2のBoNT/Bサブタイプといったような配列番号2の天然発生のBoNT/B変異体を含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的BoNT/B変異体、非保存的BoNT/B変異体又は活性BoNT/Bフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/B変異体を含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号2の保存的BoNT/B変異体、配列番号2の非保存的BoNT/B変異体又は配列番号2の活性BoNT/Bフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号2の非天然発生BoNT/B変異体を含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/B酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/B転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/B結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含むBoNT/B。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、配列番号2からのアミノ酸1〜441のBoNT/B酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号2からのアミノ酸442〜847のBoNT/B転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号2からのアミノ酸848〜1291のBoNT/B結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含むBoNT/B。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号2と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号2と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号2と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号2と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号2との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Bをコードする。
もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/C1を含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/C1酵素ドメイン、BoNT/C1転移ドメイン及びBoNT/C1結合ドメインを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3を含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばBoNT/C1イソ型又はBoNT/C1サブタイプといったような天然発生のBoNT/C1変異体を含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号3のBoNT/C1イソ型又は配列番号3のBoNT/C1サブタイプといったような配列番号3の天然発生のBoNT/C1変異体を含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的BoNT/C1変異体、非保存的BoNT/C1変異体又は活性BoNT/C1フラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/C1変異体を含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号3の保存的BoNT/C1変異体、配列番号3の非保存的BoNT/C1変異体又は配列番号3の活性BoNT/C1フラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号3の非天然発生BoNT/C1変異体を含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/C1酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/C1転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/C1結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3からのアミノ酸1〜449のBoNT/C1酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号3からのアミノ酸450〜855のBoNT/C1転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号3からのアミノ酸856〜1291のBoNT/C1結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含むBoNT/C1をコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号3と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号3と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号3と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号3と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号3との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/C1をコードする。
もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/Dを含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/D酵素ドメイン、BoNT/D転移ドメイン及びBoNT/D結合ドメインを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4を含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばBoNT/Dイソ型又はBoNT/Dサブタイプといったような天然発生のBoNT/D変異体を含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号4のBoNT/Dイソ型又は配列番号4のBoNT/Dサブタイプといったような配列番号4の天然発生のBoNT/D変異体を含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的BoNT/D変異体、非保存的BoNT/D変異体又は活性BoNT/Dフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/D変異体を含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号4の保存的BoNT/D変異体、配列番号4の非保存的BoNT/D変異体又は配列番号4の活性BoNT/Dフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号4の非天然発生BoNT/D変異体を含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/D酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/D転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/D結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、配列番号4からのアミノ酸1〜442のBoNT/D酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号4からのアミノ酸443〜851のBoNT/D転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号4からのアミノ酸852〜1276のBoNT/D結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含むBoNT/D。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号4と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号4と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号4と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号4と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号4との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Dをコードする。
もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/Eを含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/E酵素ドメイン、BoNT/E転移ドメイン及びBoNT/E結合ドメインを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5を含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばBoNT/Eイソ型又はBoNT/Eサブタイプといったような天然発生のBoNT/E変異体を含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号5のBoNT/Eイソ型又は配列番号5のBoNT/Eサブタイプといったような配列番号5の天然発生のBoNT/E変異体を含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的BoNT/E変異体、非保存的BoNT/E変異体又は活性BoNT/Eフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/E変異体を含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号5の保存的BoNT/E変異体、配列番号5の非保存的BoNT/E変異体又は配列番号5の活性BoNT/Eフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号5の非天然発生BoNT/E変異体を含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、BoNT/E酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/E転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/E結合ドメイン又はその活性フラグメント及びそれらの任意の組み合わせを含むBoNT/E。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、配列番号5からのアミノ酸1〜422のBoNT/E酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号5からのアミノ酸423〜834のBoNT/E転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号5からのアミノ酸835〜1252のBoNT/E結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含むBoNT/E。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号5と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号5と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号5と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号5と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号5との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Eをコードする。
もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/Fを含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/F酵素ドメイン、BoNT/F転移ドメイン及びBoNT/F結合ドメインを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6を含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、BoNT/Fは、例えばBoNT/Fイソ型又はBoNT/Fサブタイプといったような天然発生のBoNT/F変異体を含む。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号6のBoNT/Fイソ型又は配列番号6のBoNT/Fサブタイプといったような配列番号6の天然発生のBoNT/F変異体を含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的BoNT/F変異体、非保存的BoNT/F変異体又は活性BoNT/Fフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/F変異体を含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号6の保存的BoNT/F変異体、配列番号6の非保存的BoNT/F変異体又は配列番号6の活性BoNT/Fフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号6の非天然発生BoNT/F変異体を含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/F酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/F転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/F結合ドメイン又はその活性フラグメント及びそれらの任意の組み合わせを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6からのアミノ酸1〜436のBoNT/F酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号6からのアミノ酸437〜852のBoNT/F転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号6からのアミノ酸853〜1274のBoNT/F結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含むBoNT/Fをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号6と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号6と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号6と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号6と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号6との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Fをコードする。
もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/Gを含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/G酵素ドメイン、BoNT/G転移ドメイン及びBoNT/G結合ドメインを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7を含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばBoNT/Gイソ型又はBoNT/Gサブタイプといったような天然発生のBoNT/G変異体を含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号7のBoNT/Gイソ型又は配列番号7のBoNT/Gサブタイプといったような配列番号7の天然発生のBoNT/G変異体を含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的BoNT/G変異体、非保存的BoNT/G変異体又は活性BoNT/Gフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生BoNT/G変異体を含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号7の保存的BoNT/G変異体、配列番号7の非保存的BoNT/G変異体又は配列番号7の活性BoNT/Gフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号7の非天然発生BoNT/G変異体を含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、BoNT/G酵素ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/G転移ドメイン又はその活性フラグメント、BoNT/G結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、配列番号7からのアミノ酸1〜442のBoNT/G酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号7からのアミノ酸443〜852のBoNT/G転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号7からのアミノ酸853〜1297のBoNT/G結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含むBoNT/G。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号7と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号7と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号7と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号7と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号7との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むBoNT/Gをコードする。
もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、TeNTを含むクロストリジウム毒素をコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、TeNT酵素ドメイン、TeNT転移ドメイン及びTeNT結合ドメインを含むTeNTをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8を含むTeNTをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばTeNTイソ型又はTeNTサブタイプといったような天然発生のTeNT変異体を含むTeNTをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号8のTeNTイソ型又は配列番号8のTeNTサブタイプといったような配列番号8の天然発生のTeNT変異体を含むTeNTをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的TeNT変異体、非保存的TeNT変異体又は活性TeNTフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといったような非天然発生TeNT変異体を含むTeNTをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば、配列番号8の保存的TeNT変異体、配列番号8の非保存的TeNT変異体又は配列番号8の活性TeNTフラグメント又はそれらの任意の組み合わせといった配列番号8の非天然発生TeNT変異体を含むTeNTをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、TeNT酵素ドメイン又はその活性フラグメント、TeNT転移ドメイン又はその活性フラグメント、TeNT結合ドメイン又はその活性フラグメント又はそれらの任意の組み合わせを含むTeNT。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、配列番号8からのアミノ酸1〜441のTeNT酵素ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号8からのアミノ酸442〜870のTeNT転移ドメイン又はその活性フラグメント、配列番号8からのアミノ酸871〜1315のTeNT結合ドメイン又はその活性フラグメント、及びその任意の組み合わせを含むTeNT。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号8と少なくとも70%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも75%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも80%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも85%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも90%のアミノ酸同一性、配列番号8と少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号8と多くとも70%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも75%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも80%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも85%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも90%のアミノ酸同一性、配列番号8と多くとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。この本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号8との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、200又は500個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むTeNTをコードする。
さらにもう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばPARリガンドドメインイソ型又はPARリガンドドメインサブタイプといったような天然発生のPARリガンドドメイン変異体を含むPARリガンドドメインをコードする。もう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的PARリガンドドメイン変異体、非保存的PARリガンドドメイン変異体又はPARリガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといった非天然発生PARリガンドドメイン変異体を含むPARリガンドドメインをコードする。
さらにもう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、PAR1リガンドドメインを含むPARリガンドドメインをコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13を含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばPAR1リガンドドメインイソ型又はPAR1リガンドドメインサブタイプといった天然発生のPAR1リガンドドメイン変異体を含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号13のPAR1リガンドドメインイソ型又は配列番号13のPAR1リガンドドメインサブタイプといったような配列番号13の天然発生のPAR1リガンドドメイン変異体を含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的PAR1リガンドドメイン変異体、非保存的PAR1リガンドドメイン変異体又はPAR1リガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといったような非天然発生のPAR1リガンドドメイン変異体を含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号13の保存的PAR1リガンドドメイン変異体、配列番号13の非保存的PAR1リガンドドメイン変異体又は配列番号13のPAR1リガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといったような配列番号13の非天然発生のPAR1リガンドドメイン変異体を含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22又は配列番号23を含むPAR1リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号13と少なくとも50%のアミノ酸同一性、配列番号13と少なくとも67%のアミノ酸同一性又は配列番号13と少なくとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号13と多くとも50%のアミノ酸同一性、配列番号13と多くとも67%のアミノ酸同一性、配列番号13と多くとも83%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば多くとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば少なくとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換をもつポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。この実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば多くとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば多くとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば少なくとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換をもつポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば多くとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。この実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば多くとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号13との関係において例えば少なくとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR1リガンドドメインをコードする。
さらにもう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、PAR2リガンドドメインを含むPARリガンドドメインをコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24を含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばPAR2リガンドドメインイソ型又はPAR2リガンドドメインサブタイプといった天然発生のPAR2リガンドドメイン変異体を含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号24のPAR2リガンドドメインイソ型又は配列番号24のPAR2リガンドドメインサブタイプといったような配列番号24の天然発生のPAR2リガンドドメイン変異体を含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的PAR2リガンドドメイン変異体、非保存的PAR2リガンドドメイン変異体又はPAR2リガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといったような非天然発生のPAR2リガンドドメイン変異体を含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号24の保存的PAR2リガンドドメイン変異体、配列番号24の非保存的PAR2リガンドドメイン変異体又は配列番号24のPAR2リガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといったような配列番号24の非天然発生のPAR2リガンドドメイン変異体を含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は配列番号24又は配列番号25を含むPAR2リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号24と少なくとも50%のアミノ酸同一性、配列番号24と少なくとも67%のアミノ酸同一性又は配列番号24と少なくとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号24と多くとも50%のアミノ酸同一性、配列番号24と多くとも67%のアミノ酸同一性、配列番号24と多くとも83%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば多くとも1、2、3、又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば少なくとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換をもつポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。この実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば多くとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば多くとも2、3、又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば少なくとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換をもつポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば多くとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。この実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば多くとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号24との関係において例えば少なくとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR2リガンドドメインをコードする。
さらにもう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、PAR3リガンドドメインを含むPARリガンドドメインをコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26を含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばPAR3リガンドドメインイソ型又はPAR3リガンドドメインサブタイプといった天然発生のPAR3リガンドドメイン変異体を含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号26のPAR3リガンドドメインイソ型又は配列番号26のPAR3リガンドドメインサブタイプといったような配列番号26の天然発生のPAR3リガンドドメイン変異体を含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的PAR3リガンドドメイン変異体、非保存的PAR3リガンドドメイン変異体又はPAR3リガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといったような非天然発生のPAR3リガンドドメイン変異体を含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号26の保存的PAR3リガンドドメイン変異体、配列番号26の非保存的PAR3リガンドドメイン変異体又は配列番号26のPAR3リガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといったような配列番号26の非天然発生のPAR3リガンドドメイン変異体を含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は配列番号26又は配列番号27を含むPAR3リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号26と少なくとも50%のアミノ酸同一性、配列番号26と少なくとも67%のアミノ酸同一性又は配列番号26と少なくとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号26と多くとも50%のアミノ酸同一性、配列番号26と多くとも67%のアミノ酸同一性、配列番号26と多くとも83%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば多くとも1、2、3、又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば少なくとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換をもつポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。この実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば多くとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば多くとも2、3、又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば少なくとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換をもつポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば多くとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。この実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば多くとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号26との関係において例えば少なくとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR3リガンドドメインをコードする。
さらにもう1つの実施形態においては、ポリヌクレオチド分子は、PAR4リガンドドメインを含むPARリガンドドメインをコードする。この実施形態の1態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28を含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えばPAR4リガンドドメインイソ型又はPAR4リガンドドメインサブタイプといった天然発生のPAR4リガンドドメイン変異体を含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号28のPAR4リガンドドメインイソ型又は配列番号28のPAR4リガンドドメインサブタイプといったような配列番号28の天然発生のPAR4リガンドドメイン変異体を含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば保存的PAR4リガンドドメイン変異体、非保存的PAR4リガンドドメイン変異体又はPAR4リガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといったような非天然発生のPAR4リガンドドメイン変異体を含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにもう1つの態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号28の保存的PAR4リガンドドメイン変異体、配列番号28の非保存的PAR4リガンドドメイン変異体又は配列番号28のPAR4リガンドドメインペプチドミメティックス又はその任意の組み合わせといったような配列番号28の非天然発生のPAR4リガンドドメイン変異体を含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46又は配列番号47を含むPAR4リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号28と少なくとも50%のアミノ酸同一性、配列番号28と少なくとも67%のアミノ酸同一性又は配列番号28と少なくとも83%のアミノ酸同一性をもつポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、例えば配列番号28と多くとも50%のアミノ酸同一性、配列番号28と多くとも67%のアミノ酸同一性、配列番号28と多くとも83%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば多くとも1、2、3、又は4個の非隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば少なくとも1、2、3又は4個の非隣接アミノ酸置換をもつポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の非隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。この実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば多くとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば少なくとも1、2又は3個の非隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。
本実施形態のその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば多くとも2、3、又は4個の隣接アミノ酸置換を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば少なくとも2、3又は4個の隣接アミノ酸置換をもつポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば多くとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の隣接アミノ酸付加を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。この実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば多くとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。本実施形態のさらにその他の態様においては、ポリヌクレオチド分子は、配列番号28との関係において例えば少なくとも2又は3個の隣接アミノ酸欠失を有するポリペプチドを含むPAR4リガンドドメインをコードする。
さらにもう1つの実施形態においては、本明細書中で開示されている修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子はさらに、フレキシブルスペーサを含むフレキシブル領域をコードするポリヌクレオチド分子を含むことができる。もう1つの実施形態においては、本明細書中で開示されている修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子はさらに、縦一列に複数のフレキシブルスペーサを含むフレキシブル領域をコードするポリヌクレオチド分子を含むことができる。本実施形態の態様では、フレキシブル領域をコードするポリヌクレオチド分子は、縦一列に例えば少なくとも1個のG−スペーサ、少なくとも2個のG−スペーサ、少なくとも3個のG−スペーサ、少なくとも4個のG−スペーサ又は少なくとも5個のG−スペーサを含み得る。本実施形態のその他の態様においては、フレキシブル領域をコードするポリヌクレオチド分子は、縦一列に、例えば多くとも1個のG−スペーサ、多くとも2個のG−スペーサ、多くとも3個のG−スペーサ、多くとも4個のG−スペーサ又は多くとも5個のG−スペーサを含み得る。本実施形態のさらにその他の態様においては、フレキシブル領域をコードするポリヌクレオチド分子は、縦一列に、例えば少なくとも1個のA−スペーサ、少なくとも2個のA−スペーサ、少なくとも3個のA−スペーサ、少なくとも4個のA−スペーサ又は少なくとも5個のA−スペーサを含み得る。本実施形態のさらにその他の態様では、フレキシブル領域をコードするポリヌクレオチド分子は、縦一列に、例えば多くとも1個のA−スペーサ、多くとも2個のA−スペーサ、多くとも3個のA−スペーサ、多くとも4個のA−スペーサ又は多くとも5個のA−スペーサを含み得る。本実施形態のもう1つの態様においては、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子は、同じフレキシブルスペーサの1つ以上のコピー、異なるフレキシブルスペーサ領域の1つ以上のコピー又はその任意の組み合わせを含むフレキシブル領域をコードするポリヌクレオチド分子を含むことができる。
さらにもう1つの実施形態においては、本明細書中で開示されている修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子はさらに、エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子を含むことができる。もう1つの実施形態においては、本明細書中で開示されている修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子はさらに、複数のエピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子を含むことができる。本実施形態の態様では、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子は、例えばエピトープ結合領域をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド分子、エピトープ結合領域をコードする少なくとも2つのポリヌクレオチド分子、エピトープ結合領域をコードする少なくとも3つのポリヌクレオチド分子、エピトープ結合領域をコードする少なくとも4つのポリヌクレオチド分子又はエピトープ結合領域をコードする少なくとも5つのポリヌクレオチド分子を含み得る。本実施形態のその他の態様においては修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子は、例えばエピトープ結合領域をコードする多くとも1つのポリヌクレオチド分子、エピトープ結合領域をコードする多くとも2つのポリヌクレオチド分子、エピトープ結合領域をコードする多くとも3つのポリヌクレオチド分子、エピトープ結合領域をコードする多くとも4つのポリヌクレオチド分子又はエピトープ結合領域をコードする多くとも5つのポリヌクレオチド分子を含み得る。本実施形態のもう1つの態様においては、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子は、エピトープ結合領域をコードする同じポリヌクレオチド分子の1つ以上のコピー、エピトープ結合領域をコードする異なるポリヌクレオチド分子の1つ以上のコピー、又はその任意の組み合わせを含むことができる。エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子の場所は、制限的意味無く、修飾クロストリジウム毒素のアミノ末端、修飾クロストリジウム毒素内部、又は修飾クロストリジウム毒素のカルボキシル末端を含めたさまざまな位置にあり得る。
さらにもう1つの実施形態においては、本明細書中で開示されている修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子はさらに、外因性プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子を含むことができる。もう1つの実施形態においては、本明細書中で開示されている修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子はさらに、外因性プロテアーゼ切断部位をコードする複数のポリヌクレオチド分子を含むことができる。本実施形態の態様においては、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子は、例えば外因性プロテアーゼ切断部位をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド分子、外因性プロテアーゼ切断部位をコードする少なくとも2つのポリヌクレオチド分子、外因性プロテアーゼ切断部位をコードする少なくとも3つのポリヌクレオチド分子、外因性プロテアーゼ切断部位をコードする少なくとも4つのポリヌクレオチド分子又は外因性プロテアーゼ切断部位をコードする少なくとも5つのポリヌクレオチド分子を含み得る。本実施形態のその他の態様においては、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子は、例えば外因性プロテアーゼ切断部位をコードする多くとも1つのポリヌクレオチド分子、外因性プロテアーゼ切断部位をコードする多くとも2つのポリヌクレオチド分子、外因性プロテアーゼ切断部位をコードする多くとも3つのポリヌクレオチド分子、外因性プロテアーゼ切断部位をコードする多くとも4つのポリヌクレオチド分子又は外因性プロテアーゼ切断部位をコードする多くとも5つのポリヌクレオチド分子を含み得る。本実施形態のもう1つの態様においては、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子は、同じ外因性プロテアーゼ切断部位の1つ以上のコピー、異なる外因性プロテアーゼ切断部位の1つ以上のコピー又はその任意の組み合わせを含むことができる。
さらにもう1つの実施形態においては、外因性プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、エピトープ結合ペプチドをコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定される。本実施形態のその他の態様においては、ウシエンテロキナーゼ分割部位をコードするポリヌクレオチド分子が、エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されるか、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されるか、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子がエピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されるか、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子がエピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されるか、トロンビンプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子がエピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されるか、又は凝固第Xa因子プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子がエピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定される。該実施形態のその他の態様においては、配列番号50のウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオシチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されている。該実施形態のその他の態様においては、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59又は配列番号60のタバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定される。該実施形態のさらにその他の態様においては、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65又は配列番号66のヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子がエピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されている。該実施形態のさらにその他の形態においては、配列番号67のSUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されている。該実施形態のさらにその他の形態においては、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81又は配列番号82のトロンビンプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されている。該実施形態のその他の態様においては、配列番号83又は配列番号84の凝固第Xa因子プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、エピトープ結合領域をコードするポリヌクレオチド分子と修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子の間に位置設定されている。
さらにもう1つの実施形態においては、外因性プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されている。本実施形態の態様においては、ウシエンテロキナーゼ分割部位をコードするポリヌクレオチド分子が、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されているか、タバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されているか、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されているか、SUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されているか、トロンビンプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されているか、又は凝固第Xa因子プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されている。該実施形態のその他の態様においては、配列番号50のウシエンテロキナーゼプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されている。該実施形態のその他の態様においては、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59又は配列番号60のタバコエッチウイルスプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されている。該実施形態のさらにその他の形態においては、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65又は配列番号66のヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されている。該実施形態のさらにその他の形態においては、配列番号67のSUMO/ULP−1プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が、修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されている。該実施形態のさらにその他の形態においては、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81又は配列番号82のトロンビンプロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されている。本実施形態のその他の態様においては、配列番号83又は配列番号84の凝固第Xa因子プロテアーゼ切断部位をコードするポリヌクレオチド分子が修飾クロストリジウム毒素の2鎖ループをコードするポリヌクレオチド分子の内部に位置設定されている。
本発明のもう1つの態様は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン;及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素の産生方法において、細胞内で修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を発現させるステップを含む方法を提供している。本発明のもう1つの態様は、PARリガンドドメイン;クロストリジウム毒素酵素ドメイン;クロストリジウム毒素転移ドメイン及びクロストリジウム毒素結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素の産生方法において、細胞内に修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を含む発現構成体を導入し、その細胞内で発現構成体を発現させるステップを含む方法を提供している。
本明細書中で開示されている方法には、一部、クロストリジウム毒素が含まれている。本明細書中に開示されている任意の及び全てのクロストリジウム毒素が、本明細書中に開示されている方法を用いて産生可能であるということが予測されている。かくして、この実施形態の態様は、これに制限されないが、天然発生のクロストリジウム毒素、例えばクロストリジウム毒素イソ型及びクロストリジウム毒素サブタイプ、といったような天然発生のクロストリジウム毒素変異体、例えば保存的クロストリジウム毒素変異体、非保存的クロストリジウム毒素変異体及びそのクロストリジウム毒素フラグメントといったような非天然発生のクロストリジウム毒素変異体、又はそれらの任意の組み合わせを産生するステップを含む。
本明細書中で開示されている方法には、一部、PAR結合ドメインが含まれている。本明細書中に開示されている任意の及び全てのPAR結合ドメインが、本明細書中に開示されている方法を用いて産生可能であるということが予測されている。かくして、この実施形態の態様は、これに制限されないが、天然発生のPAR結合ドメイン、例えばPAR結合ドメインイソ型及びPAR結合ドメインサブタイプ、といったような天然発生のPAR結合ドメイン変異体、例えば保存的PAR結合ドメイン変異体、非保存的PAR結合ドメイン変異体及びそのPAR結合ドメインフラグメントといったような非天然発生のPAR結合ドメイン変異体、又はそれらの任意の組み合わせを産生するステップを含む。
本明細書中で開示されている方法は、一部には、ポリヌクレオチド分子を含む。本明細書中で開示されている任意の及び全てのポリヌクレオチド分子が使用可能であると予測される。かくして、本実施形態の態様は、これに制限されないが、天然発生のクロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子;クロストリジウム毒素イソ型及びクロストリジウム毒素サブタイプといったような天然発生のクロストリジウム毒素変異体をコードするポリヌクレオチド分子;例えば保存的クロストリジウム毒素変異体、非保存的クロストリジウム毒素変異体及びそれらのクロストリジウム毒素フラグメントといったような非天然発生のクロストリジウム毒素変異体をコードするポリヌクレオチド分子、又はそれらの組み合わせを含む。
本明細書中で開示されている方法は、一部には発現構成体を含む。発現構成体は、細胞又は無細胞抽出物の中でそのポリヌクレオチド分子を発現させるために有用な発現ベクターに対して作動的に連結された本明細書中に開示されているポリヌクレオチド分子を含んでいる。制限的意味無く、ウイルス発現ベクター;原核生物発現ベクター;真核生物発現ベクター例えば酵母発現ベクター、昆虫発現ベクター及び哺乳動物発現ベクター;及び無細胞抽出物発現ベクターを含め、多様な発現ベクターを、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を発現するために利用することができる。さらに、これらの方法の態様を実践するのに有用な発現ベクターが、構成性、組織特異的、細胞特異的又は誘発性プロモータ要素、エンハンサ要素又はその両方の制御下で修飾クロストリジウム毒素を発現するものを内含し得るということがさらに理解される。かかる発現ベクターからの発現構成体を作製し使用するための充分立証済みの試薬及び条件と併せて、発現ベクターの制限的意味のない例が、制限的意味無くBDバイオサイエンシーズ・クローンテック、Palo Alto、カリフォルニア州;BDバイオサイエンシーズ・ファーミゲン、San Diego、カリフォルニア州;インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州;EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン(EMD Biosciences−Novagen)、Madison、ウィスコンシン州:キアゲン、Valencia、カリフォルニア州;及びストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州を含むサプライヤから容易に入手可能である。適切な発現ベクターの選択、作製及び使用は、本書中の教示からのそして当業者の技能範囲内に充分入る日常的手順である。
かくして、本実施形態の態様は、これに制限されないが、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子に対し作動的に連結されたウイルス発現ベクター;修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子に対し作動的に連結された原核生物発現ベクター;修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子に対し作動的に連結された酵母発現ベクター;修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子に対し作動的に連結された昆虫発現ベクター;及び修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子に対し作動的に連結された哺乳動物発現ベクターを含む。本実施形態のその他の態様は、制限的意味無く、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子に対し作動的に連結された無細胞抽出物発現ベクターを含む無細胞抽出物を用いて本明細書中で開示された修飾クロストリジウム毒素を発現するのに適した発現構成体を含んでいる。本実施形態のその他の態様は、制限的意味無く、配列番号109から配列番号132及び配列番号136から配列番号159までのいずれか1つを含むポリヌクレオチド分子を含む発現構成を含んでいる。本実施形態のその他の態様は、配列番号85から配列番号108までのいずれか1つを含む修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を含む発現構成を含んでいる。
本明細書に開示されている方法は、一部には細胞を含んでいる。任意の及び全ての細胞が使用可能であると予測される。かくして、本実施形態の態様は、制限的意味無く、例えば大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、リケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、クロトリジウム・パーフリンジェンス(Clostridia perfringens)、クロトリジウム・ディフィシル(Clostridia difficile)、カウロバクター・クレセンテス(Caulobacter crescentus)、乳酸菌(Lactococcus lactis)、メタノール資化性菌(Methylobacterium extorquens)、ナイセリア・メニンギラル(Neisseria meningirulls)、ナイセリア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)及びネズミチフス菌(Salmonella typhimurium);から誘導されたものといったような好気性、微好気性、好二酸化炭素性(capnophilic)、通性、嫌気性、グラム陽性及びグラム陰性細菌細胞の菌株を制限的意味無く含む原核細胞;及び、例えばメタノール資化酵母(Pichia pastoris)、メチロトロフ酵母(Pichia methanolica)、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)及びアルカン資化酵母(Yarrowia lipolytica);から誘導されたものといった酵母菌株を制限的意味無く含む真核細胞;例えばヨトウガ(Spodoptera frugiperda)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)及びタバコスズメガ(Manduca sexta);から誘導されたものといったような昆虫から誘導された昆虫細胞及び細胞系統;及び例えばマウス、ラット、ハムスター、ブタ、ウシ、ウマ、霊長類及びヒトから誘導されたものといった哺乳動物細胞から誘導された哺乳動物細胞及び細胞系統を含む。細胞系統は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)(2004年)、URLアドレス、www.atcc.org;欧州細胞培養コレクション(European Collection of Cell Cultures)(2204年)、URLアドレスwww.ecacc.org.uk;及びドイツ微生物及び細胞培養コレクション(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)(2004年)、URLアドレスwww.dsmz.de.から入手可能である。適切な細胞系統を選択、作製及び使用するための特定のプロトコルの制限的意味のない例が、例えば「Insect Cell Culture Engineering」(マテウス・F・A・グーセン(Mattheus F.A.Goosen)ら編、Marcel Dekker、1993年);「Insect Cell Cultures:Fundamental and Applied Aspects」(J.M.ヴラク(Vlak)ら編、Kluwer Academic Publishers、1996年);モーリーン・A・ハリソン(Maureen A. Harrison)及びイアン・F・レイ(Ian F.Rae)、「General Techniques of Cell Culture」(Cambridge University Press、1997年);「Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures」(アラン・ドイル(Alan Doyle)ら編、John Wiley and Sons、1998年);R.イアン・フレシネー(Ian Freshney)、「Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique」(Wiley−Liss、第4版、2000年);「Animal Cell Culture:A Practical Approach」(ジョン・R・W・マスターズ(John R.W.Masters)編、Oxford University Press、第3版、2000年);「Molecular Cloning A Laboratory Manual」、上掲書、(2001年);「Basic Cell Culture: A Practical Approach」(ジョン・M・デービス(John M.Davis)、Oxford Press、第2版、2002年);及び「Current Protocols in Molecular Biology」、上掲書、(2004年)の中で記載されている。これらのプロトコルは、本書中の教示からの及び当業者の技能範囲内の日常的手順である。
本明細書で開示されている方法は、一部には、ポリヌクレオチド分子を細胞内に導入するステップを含む。細胞中に導入されるポリヌクレオチド分子はその細胞により過渡的に又は安定した形で維持され得る。安定した形で維持されたポリヌクレオチド分子は、染色体外のもので、自己複製でき、そうでなければ、細胞の染色体材料内に組込まれ、非自己複製し得る。本明細書内で開示されているポリヌクレオチド分子を細胞内に導入するための任意の及び全ての方法が使用可能であると予測されている。細胞内に核酸分子を導入するために有用な方法には、制限的意味無く、例えば、リン酸カルシウム媒介型、ジエチル−アミノエチル(DEAE)デキストラン媒介型、脂質媒介型、ポリエチレンイミン(PEI)媒介型、ポリリジン媒介型及びポリブレン媒介型といったような化学的媒介型トランスフェクション;例えば、バイオリスティック粒子送達、マイクロインジェクジョン、原形質融合及び電気穿孔といったような物理的媒介型トランスフェクション;及び例えばレトロウイルス媒介型トランスフェクションといったようなウイルス媒介型トランスフェクションが含まれる。例えば、「Introducing Cloned Genes into Cultured Mammalian Cells」、16.1−16.62頁(サンブルック及びラッセル編、Molecular Cloning A Laboratory Manual、第3巻、第3版、2001年)を参照のこと。当業者であれば、細胞内に発現構成体を導入するための特異的方法の選択が一部には、その細胞が発現構成を過渡的に含有することになるのか又はその細胞が発現構成を安定した形で含有することになるのかによって左右されることになる。これらのプロトコルは、本書中の教示からの及び当業者の技能範囲内の日常的手順である。
本実施形態の1態様においては、トランスフェクションと呼ばれる化学的媒介型方法が、細胞内に修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を導入するために使用される。トランスフェクションの化学的媒介型方法においては、化学的試薬は、細胞内へのその摂取を容易にする核酸と複合体を形成する。かかる化学的試薬としては、これに制限されないが、リン酸カルシウム媒介型(例えばマーチン・ジョーダン(Martin Jordan)及びフロリアン・ウォーム(Florian Worm)、「Transfection of adherent and suspended cells by calcium phosphate」、第33(2)号、Methods、136−143頁、(2004年);を参照);ジエチル−アミノエチル(DEAE)デキストラン媒介型、脂質媒介型、カチオン重合体媒介型、例えばポリエチレンイミン(PEI)媒介型及びポリリジン媒介型及びポリブレン媒介型(例えばチャン・ツァン(Chun Zhang)ら、「Polyethylenimine strategies for plasmid delivery to brain−derived cells」、第33(2)号、Methods、144−150頁、(2004年)を参照)が含まれる。かかる化学的媒介型送達系は、標準的方法によって調製され得、市販されている。例えばCellPhectトランスフェクションキット(アマーシャム・バイオサイエンシーズ(Amersham Biosciences)、Piscataway、ニュージャージ州);哺乳動物トランスフェクションキット、リン酸カルシウム及びDEAEデキストラン、(ストラタジーン(Stratagene Inc.)、La Jolla、カリフォルニア州); Lipofectamine(商標)トランスフェクション試薬(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州); ExGen 500 トランスフェクションキット(フェルメンタス(Fermentas Inc.)、Hanover、メリーランド州)、及びSuperFect及びEffectene トランスフェクションキット(キアゲン、Valencia、カリフォルニア州)を参照のこと。
本実施形態のもう1つの態様においては、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を細胞内に導入するために、物理的媒介型方法が使用される。物理的技術には、これに制限されないが、電気穿孔法、バイオリスティック及びマイクロインジェクションが含まれる。バイオリスティック及びマイクロインジェクション技術は、細胞内に核酸分子を導入するために細胞壁に穴を開ける。例えばジェイク・E・ビウェンガ(Jeike E.Biewenga)ら、「Plasmid−mediated gene transfer in neurons using the biolistics technique」、第71(1)号、J.Neurosci.Methods、67−75頁、(1997年);及びジョン・オーブリアン(John O’Brien)及びサラ・C・R・ラミンズ)(Sarah C.R.Lummis)、「Biolistic and diolistic transfection: using the gene gun to deliver DNA and lipophilic dyes into mammalian cells」、第33(2)号、Methods、121−125頁、(2004年)を参照のこと。電気透過化とも呼ばれる電気穿孔法は、核酸分子が進入するのに通る過渡的気孔を膜内に作り出すべく短かい高圧電気パルスを用い、全ての細胞型の安定した及び過渡的なトランスフェクションのために有効に使用可能である。例えばM.ゴルジオ(Golzio)ら、「In vitro and in vivo electric field−mediated permeabilization、gene transfer、and expression」、第33(2)号、Methods、126−135頁、(2004年);及びオリビエ・グレッシュ(Oliver Gresch)ら、「New non−viral method for gene transfer into primary cells」、第33(2)号、Methods、151−163頁、(2004年)を参照のこと。
この実施形態のもう1つの態様においては、形質導入と呼ばれるウイルス媒介型方法が、修飾クロストリジウム毒素をコードするポリヌクレオチド分子を細胞内に導入するのに使用される。過渡的形質導入のウイルス媒介型方法においては、ウイルス粒子が宿主細胞に感染しその中で複製するプロセスは、核酸分子を細胞内に導入するべくこの機序を用いる目的で操作されてきた。これに制限されないが、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、単純ヘルペスウイルス、ピコルナウイルス、アルファウイルス及びバキュロウイルスを含めたさまざまなウイルスから、ウイルス媒介型方法が開発されてきた。例えばアルミン・ブレッシュ(Armin Blesch)、「Lentiviral and MLV based retroviral vectors for ex vivo and in vivo gene transfer」、第33(2)号、Methods、164−172頁、(2004年);及びマウリッツィオ・フェデリコ(Maurizio Federico)、「From lentiviruses to lentivirus vectors」、第229号、Methods Mol.Biol.、3−15頁、(2003年); E.M.ポシュラ(Poeschla)、「Non−primate lentiviral vectors」、第5(5)号、Curr.Opin.Mol.Ther.、529−540頁、(2003年);カリム・ベニホード(Karim Benihoud)ら、「Adenovirus vectors for gene delivery」、第10(5)号、Curr.Opin.Biotechnol.、440−447頁、(1999年);H.ビューラー(Bueler)、「Adeno−associated viral vectors for gene transfer and gene therapy」、第380(6)号、Biol.Chem.、613−622頁、(1999年);チョイ・M・ライ(Chooi M.Lai)ら、「Adenovirus and adeno−associated virus vectors」、第21(12)号、DNA Cell Biol.、895−913頁、(2002年);エドワード・A・バートン(Edward A.Burton)ら、「Gene delivery using herpes simplex virus vectors」、第21(12)号、DNA Cell Biol.、915−936頁、(2002年);パオラ・グランディ(Paola Grandi)ら、「Targeting HSV amplicon vectors」、第33(2)号、Methods、179−186頁、(2004年);イリヤ・フロロフ(Ilya Frolov)ら、「Alphavirus−based expression vectors:strategies and applications」、第93(21)号、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、11371−11377頁、(1996年);マーカス・U・エイレングルバー(Markus U.Ehrengruber)、「Alphaviral gene transfer in neurobiology」、第59(1)号、Brain Res.Bull.、13−22頁、(2002年);トーマス・A・コスト(Thomas A.Kost)及びJ・パトリック・コンドレイ(Patrick Condreay)、「Recombinant baculoviruses as mammalian cell gene−delivery vectors」、第20(4)号、Trends Biotechnol.、173−180頁、(2002年);及びA・ハウザー(Huser)及びC・ホフマン(Hofmann)、「Baculovirus vectors:novel mammalian cell gene−delivery vehicles and their applications」、第3(1)号、Am.J.Pharmacogenomics、53−63頁、(2003年)を参照のこと。
エンベロープをもたない2本鎖DNAウイルスであるアデノウイルスは、約36kbの比較的大きなポリヌクレオチド分子を扱かい、高力価で産生されかつさまざまな分裂及び非分裂の両方の細胞に効率良く感染し得ることから、哺乳動物細胞形質導入のために選択されることが多い。例えば、ウィム(Wim)T.J. M.C.ハーメンス(Hermens)ら、「Transient gene transfer to neurons and glia:analysis of adenoviral vector performance in the CNS and PNS」、第71(1)号、J.Neurosci.Methods、85−98頁、(1997年);及び、ヒロユキ・ミズグチ(Hiroyuki Mizuguchi)ら、「Approaches for generating recombinant adenovirus vectors」、第52(3)号、Adv.Drug Deliv.Rev.、165−176頁、(2001年)を参照のこと。アデノウイルスベースの系を用いた形質導入は、核酸分子が宿主染色体内に組込まれるのではなくむしろ細胞核内のエピソームから運ばれることから、長時間のタンパク質発現を支援しない。アデノウイルスベクター系及びかかるベクターをいかに用いるかについての特定的なプロトコルは、例えばViraPower(商標)、アデノウイルス発現系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及びViraPower(商標)、アデノウイルス発現系取扱説明書、25〜0543、バージョンA、インビトロジェン、(2002年7月15日);及びAdEasy(商標)、アデノウイルスベクター系(ストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州)及びAdEasy(商標)、アデノウイルスベクター系、取扱説明書064004f、ストラタジーン社の中で開示されている。
核酸分子送達は同様に、例えばオンコレトロウイルス及びレンチウイルスといったような1本鎖RNAレトロウイルスをも使用することができる。レトロウイルス媒介型形質導入は往々にして100%に近い形質導入効率を生み出し、多数の感染(MOI)を変動させることによりプロウイルスコピー数を容易に制御でき、過渡的又は安定した形のいずれかで細胞を形質導入するために使用可能である。例えばティジアナ・トニーニ(Tiziana Tonini)ら、「Transient production of retroviral− and lentiviral−based vectors for the transduction of Mammalian cells」、第285号、Methods Mol.Biol.141−148頁、(2004年); アルミン・ブレッシュ(Armin Blesch)、「Lentiviral and MLV based retroviral vectors for ex vivo and in vivo gene transfer」、第33(2)号、Methods、164−172頁(2004年);フェリックス・レシラス・タルガ(Felix Recillas−Targa)、「Gene transfer and expression in mammalian cell lines and transgenic animals」、第267号、Methods Mol.Biol.、417−433頁、(2004年);及びローランド・ウォルコヴィツ(Roland Wolkowicz)ら、「Lentiviral vectors for the delivery of DNA into mammalian cells」、第246号、Methods Mol.Biol.、391−411頁、(2004年)参照。レトロウイルス粒子は、脂質エンベロープにとり囲まれたタンパク質カプシドの中に詰め込まれたRNAゲノムから成る。レトロウイルスは、逆転写酵素と共に細胞質内にそのRNAを注入することにより宿主細胞を感染させる。RNA鋳型はこのとき、宿主細胞ゲノム内へ組込むことで自らを複製する線状2本鎖cDNAの中に逆転写される。ウイルス粒子は、垂直方向(プロウイルスを介して親細胞から娘細胞へ)ならびに水平方向(ビリオンを介して細胞から細胞へ)の両方向に拡がる。この複製戦略によると、問題の核酸分子が宿主細胞の染色体内に安定した形で組込まれかくしてタンパク質の長期発現が可能となることから、永続的な長期発現が可能になる。例えば、動物研究により、さまざまな組織内に注入されたレンチウイルスベクターが1年超の期間、持続的タンパク質発現を生み出すということが示されてきている。例えばルイジ・ナルジーニ(Luigi Naldini)ら、「In vivo gene delivery and stable transduction of non−dividing cells by a lentiviral vector」、第272(5259)号、Science、263−267頁、(1996年)を参照のこと。例えばモロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)といったようなオンコレトロウイルス由来のベクター系は広く使用され、数多くの異なる非分裂細胞を感染させる。分裂及び非分裂細胞を含め、レンチウイルスも又数多くの異なる細胞型を感染させることができ、きわめて特異的な細胞ターゲティングを可能にする複合外膜タンパク質を有する。
レトロウイルスベクター及びかかるベクターをいかに使用するかについての特定的プロトコルは、例えば米国特許、マンフレッド・ゴッセン(Manfred Gossen)及びヘルマン・ブジャール(Hermann Bujard)、「テトラサイクリン応答性プロモータによる真核細胞内遺伝子発現の厳格な管理」、米国特許第5,464,758号明細書(1995年11月7日)並びにヘルマン・ブジャール及びマンフレッド・ゴッセン、「遺伝子発現を調節する方法」、米国特許第5,814,618号明細書(1998年9月29日)デービッド・S・ホグネス(David S.Hogness)、「昆虫ステロイドホルモンレセプターーポリペプチド及びそれによって形質転換された細胞をコードするポリヌクレオチド」、米国特許第5,514,578号明細書(1996年5月7日)及びデービッド・S・ホグネス、「昆虫エクジソンレセプターーをコードするポリペプチド」、米国特許第6,245,531号明細書(2001年6月12日);エリザベッタ・ヴェジト(Elisabetta Vegeto)ら、「C末端ホルモン結合ドメイントランケーションを有するプロゲステロンレセプターー」、米国特許第5,364,791号明細書(1994年11月15日)、エリザベッタ・ヴェジトら、「突然変異型ステロイドホルモンレセプターー、その使用方法および遺伝子療法のための分子スイッチ」、米国特許第5,874,534号明細書(1999年2月23日)及びエリザベッタ・ヴェジトら、「突然変異型ステロイドホルモンレセプターー、その使用方法および遺伝子療法のための分子スイッチ」、米国特許第5,935,934号明細書、(19998月10日)の中で開示されている。さらに、かかるウイルス送達系は、標準的方法により調製され、市販されている。例えばBD(商標)Tet−Off及びTet−On遺伝子発現系(BDバイオサイエンシーズ・クローンテック、Palo Alto、カリフォルニア州)及びBD(商標)Tet−Off及びTet−On遺伝子発現系利用の手引き、PT3001−1、BDバイオサイエンシーズ・クローンテック、(2003年3月14日)、GeneSwitch(商標)システム(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及びGeneSwitch(商標)システム、「哺乳動物細胞のためのミフェプリストン調節された発現系」バージョンD、25−0313、インビトロジェン、(2002年11月4日);ViraPower(商標)レンチウイルス発現系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及びViraPower(商標)レンチウイルス発現系取扱説明書25−0501、バージョンE、インビトロジェン、(2003年12月8日);及びComplete Control(登録商標)、レトロウイルス誘発性哺乳動物発現系(ストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州)及びComplete Control(登録商標)レトロウイルス誘発性哺乳動物発現系取扱説明書、064005eを参照のこと。
本明細書で開示されている方法は、一部には、ポリヌクレオチド分子から修飾クロストリジウム毒素を発現させるステップを含む。これに制限されないが細胞ベースの系及び無細胞発現系を含め、本明細書中で開示されているポリヌクレオチド分子から修飾クロストリジウム毒素を発現するために、さまざまな発現系のうちの任意のものが有用であり得るということが予測されている。細胞ベースの系には、これに制限されないが、ウイルス発現系、原核生物発現系、酵母発現系、バキュロウイルス発現系、昆虫発現系及び哺乳動物発現系が含まれる。無細胞系統には、これに制限されないが、小麦麦芽抽出物、ウサギ網状赤血球抽出物及び大腸菌(E.coli)抽出物が含まれ、これらは一般に本書中に開示されている方法と同等である。発現系を用いたポリヌクレオチド分子の発現は、これに制限されないが、誘発性発現、非誘発性発現、構成性発現、ウイルス媒介型発現、安定組込み型発現及び過渡的発現を含めた、さまざまな特徴のうちのいずれかを含み得る。充分に特徴づけされたベクター、試薬、条件、及び細胞を含む発現系は充分立証されており、これに制限されないがアンビオン(Ambion,Inc.)Austin、テキサス州;(BDバイオサイエンシーズ・クローンテック、Palo Alto、カリフォルニア州);BDバイオサイエンシーズ・ファーミゲン、San Diego、カリフォルニア州;インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州;キアゲン、Valencia、カリフォルニア州; ロシュ・アプライド・サイエンス(Roche Applied Science)、Indianapolis、インディアナ州;及びストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州を含むサプライヤから容易に入手可能である。適切な異種発現系の選択及び使用についての制限的意味のない例は、例えば「Protein Expression.A Practical Approach」(S・J・ヒギンズ(Higgins)及びB・デーヴィッド・ヘイムス(David Hames)編、Oxford University Press、1999年);ジョセフ・M・フェルナンデス(Joseph M.Fernandez)及びジェームス・P・ホフラー(James P.Hoeffler)、「GENE EXPRESSION SYSTEMS.Using Nature for the Art of Expression」(Academic Press、1999年);及びミーナ・ライ(Meena Rai)及びハリッシュ・パッダ(Harish Padh)、「Expression Systems for Production of Heterologous Proteins」、第80(9)号、Current Science、1121−1128頁、(2001年)の中で記載されている。これらのプロトコルは、本書中の教示からの及び当業者の技能範囲内に充分入る日常的手順である。
本明細書中で開示されているポリヌクレオチド分子によりコードされる修飾クロストリジウム毒素を発現するためには、さまざまな細胞ベースの発現手順が有用である。例として、これに制限されないが、ウイルス発現系、原核生物発現系、酵母発現系、バキュロウイルス発現系、昆虫発現系及び哺乳動物発現系が含まれていた。ウイルス発現系にはこれに制限されないがViraPower(商標)レンチウイルス(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、アデノウイルス発現系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、AdEasy(商標)XLアデノウイルスベクター系(ストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州)及びViraPort(登録商標)レトロウイルス遺伝子発現系(ストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州)が含まれる。原核生物発現系の制限的意味のない例としてはChampion(商標)pET発現系(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)、TriEx(商標)細菌発現系(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)、QIAexpress(登録商標)発現系(キアゲン)、及びAffinity(登録商標)タンパク質発現及び精製システム(ストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州)が含まれる。酵母発現系には、これに制限されないが、EasySelect(商標)ピキア発現キット(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、YES−Echo(商標)発現ベクターキット(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及びSpECTRA(商標)分裂酵母(s.pombe)発現系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)が含まれる。バキュロウイルス発現系の制限的意味のない例としては、BaculoDirect(商標)(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、Bac−to−Bac(登録商標)(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、及びBD BaculoGold(商標)(BDバイオサイエンシーズ・ファーミゲン、San Diego、カリフォルニア州)が含まれる。昆虫発現系には、これに制限されないが、ショウジョウバエ発現系(DES(登録商標))(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、InsectSelect(商標)系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及びInsectDirect(商標)系(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)が含まれる。哺乳動物発現系の制限的意味のない例としては、T−REx(商標)(テトラサイクリン調節発現)系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、Flp−In(商標)T−REx(商標)系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、pcDNA(商標)系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、pSecTag2系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)、Exchanger(登録商標)系、InterPlay(商標)哺乳動物TAP系(ストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州)、Complete Control(登録商標)誘発性哺乳動物発現系(ストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州)及びLacSwitch(登録商標)II誘発性哺乳動物発現系(ストラタジーン、La Jolla、カリフォルニア州)が含まれる。
本明細書中で開示されているポリヌクレオチド分子によりコードされた修飾クロストリジウム毒素を発現するもう1つの手順は、これに制限されないが原核生物抽出物及び真核生物抽出物といったような無細胞発現系を利用する。原核細胞抽出物の制限的意味のない例としては、RTS 100 E.coli HYキット(ロシュ・アプライド・サイエンス、Indianapolis、インディアナ州)、ActiveProインビトロ翻訳キット(アンビオン(Ambion Inc.)、Austin、テキサス)、EcoPro(商標)系(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)及びExpressway(商標)プラス発現系(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)が含まれる。真核細胞抽出物には、これに制限されないがRTS100小麦胚芽CECFキット(ロシュ・アプライド・サイエンス、Indianapolis、インディアナ州)、TnT(登録商標)共役された小麦胚芽抽出物系(プロメガ(Promega Corp.)、Madison、ウィスコンシン州)、小麦胚芽IVT(商標)キット(アンビオン、Austin、テキサス)、網状赤血球ライゼートIVT(商標)キット(アンビオン、Austin、テキサス)、PROTEINscript(登録商標)II系(アンビオン、Austin、テキサス)及びTnT(登録商標)共役された網状赤血球ライゼート系(プロメガ、Madison、ウィスコンシン州)が含まれる。
以下の制限的意味のない実施例は、開示されている実施形態のより完全な理解を容易にするためにあくまでも例示を目的として提供されているものであり、いかなる形であれ本明細書の中で開示されている実施形態のいずれかを制限するように意図されているわけではない。
実施例1:BoNT/A−ED−PAR1Tbの構築
この例は、酵素ドメインを含む軽鎖のアミノ末端に位置設定されたPAR結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素をいかに作製するかを例示するものである。
BoNT/A−ED−PAR1Tb(配列番号85)に基づくポリヌクレオチド分子(配列番号109)は、標準的手順((BlueHeron(登録商標)バイオテクノロジー社(Biotechnology)、Bothell、ワシントン州))を用いて合成される。長さ20〜50塩基のオリゴヌクレオチドが、標準的ホスホラミダイド合成を用いて合成される。これらのオリゴヌクレオチドは、全長ポリヌクレオチド分子を組立てるべく合わせてライゲートされる2本鎖2重鎖へとハイブリッド形成させられる。このポリヌクレオチド分子は、pUCBHB1ベクター内にSmal部位で標準的分子生物学的方法によってクローニングされて、pUCBHB1/BoNT/A−ED−PAR1Tbを生成する。合成されたポリヌクレオチド分子は、Big Dye Terminator(商標)化学3.1(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)、Foster City、カリフォルニア州)及びABI3100シーケンサー(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)を用いて配列決定することによって確認される。
必要に応じて、大腸菌(Escherichia coli)菌株内の発現を改善するため、BoNT/A−ED−PAR1Tb(配列番号85)に基づいて発現最適化されたポリヌクレオチド分子(配列番号136)を合成することが可能である。1)大腸菌株の未変性ポリヌクレオチド分子内に標準的に存在する同義語コドンを含有するように;2)大腸菌株の中に見出される未変性ポリヌクレオチド分子の平均的G+C含有量により密に一致するG+C含有量を含むように;3)ポリヌクレオチド分子の内部に見出されるポリモノヌクレオチド領域を削減するように;及び/又は4)ポリヌクレオチド分子の内部に見出される内部の調節又は構造部位を除去するように、BoNT/A−ED−PAR1Tbをコードするポリヌクレオチド分子を修飾することができる。例えばランス・E・スチュワード(Lance E.Steward)ら、「活性ボツリヌス毒素タイプE発現の最適化」、PCT特許出願番号第2005/020578号明細書(2005年6月9日);ランス・E・スチュワードら、「活性ボツリヌス毒素タイプAの発現の最適化」、PCT特許出願番号第2005/XXXXXX号明細書(2005年8月3日)を参照のこと。ひとたび配列最適化が完了した時点で、長さ20〜50塩基のオリゴヌクレオチドが標準的なホスホラミダイド合成を用いて合成される。これらのオリゴヌクレオチドは、全長ポリヌクレオチド分子を組立てるため合わせてライゲートされる2本鎖2重鎖の形にハイブリッド形成される。このポリヌクレオチド分子は標準的な分子生物学的方法を用いて、Smal部位でpUCBHB1ベクターへとクローニングされて、pUCBHB1/BoNT/A−ED−PAR1Tbを生成する。合成されたポリヌクレオチド分子は、Big Dye Terminator(商標)化学3.1(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)、Foster City、カリフォルニア州)及びABI3100シーケンサー(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)を用いた配列決定により確認される。望まれる場合には、酵母菌株、昆虫細胞系統又は哺乳動物細胞といったような異なる生体に対する最適化を行なうことができる。例えばスチュワード、前掲書、PCT特許出願番号第2005/020578号明細書(2005年6月9日);及びスチュワード、前掲書、PCT特許出願番号2005/XXXXXX号明細書(2005年8月3日)を参照のこと。
配列番号86のBoNT/A−ED−PAR1Xaをコードする配列番号110又は配列番号137のポリヌクレオチド分子;配列番号87のBoNT/A−ED−PAR2Tpをコードする配列番号111又は配列番号138のポリヌクレオチド分子;配列番号88のBoNT/A−ED−PAR2Xaをコードする配列番号112又は配列番号139のポリヌクレオチド分子;配列番号89のBoNT/A−ED−PAR3Tbをコードする配列番号113又は配列番号140のポリヌクレオチド分子;配列番号90のBoNT/A−ED−PAR3Xaをコードする配列番号114又は配列番号141のポリヌクレオチド分子;配列番号91のBoNT/A−ED−PAR4Tbをコードする配列番号115又は配列番号142のポリヌクレオチド分子;及び配列番号92のBoNT/A−ED−PAR4Xaをコードする配列番号116又は配列番号143のポリヌクレオチド分子を含むpUCBHB1クローニング構成体を作るために類似のクローニング戦略が使用される。さらに、当業者であれば、例えばBoNT/B、BoNT/C1、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G及びTeNTといったようなクロストリジウム毒素を修飾して、これらの毒素が修飾BoNT/AのPAR属性を有するようにし、類似のクローニング戦略を用いてこれらを作製することができる。
pET29/BoNT/A−ED−PAR1Tbを構築するためには、1)BoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136の読取り枠を含むインサートを切除し;かつ2)pET29ベクターに対しこのインサートを作動的に連結させることができるようにする制限エンドヌクレアーゼでpUCBHB1/BoNT/A−ED−PAR1Tb構成体を消化させる(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン(EMD Biosciences−Novagen)、Madison、ウィスコンシン州)。このインサートは、T4DNAリガーゼ手順を用いて、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化されるpET29ベクター内にサブクローニングされてpET29/BoNT/A−ED−PAR1Tbを生成する。ライゲーション混合物は、熱ショック方法を用いて化学的にコンピテントなE.coli DH5α細胞(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)へと形質転換され、1.5%のルリア・ベルターニ(Luria−Bertani)寒天平板(pH7.0)上に平板固定され、一晩成長させるために37℃のインキュベータ内に置かれる。発現構成体を含有する細菌がカナマイシン耐性コロニーとして同定される。アルカリ溶菌プラスミド少量調製手順を用いて候補構成体を単離し、制限エンドヌクレアーゼ消化物地図作成により分析してインサートの存在及び配向を判定する。このクローニング戦略により、カルボキシ末端ポリヒスチジン親和性結合ペプチドに対し作動的に連結された配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136のポリヌクレオチド分子を含むpET29発現構成体を生成した(図7)。
配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号109のポリヌクレオチド分子;配列番号86のBoNT/A−ED−PAR1Xaをコードする配列番号110又は配列番号137;配列番号87のBoNT/A−ED−PAR2Tpをコードする配列番号111又は配列番号138のポリヌクレオチド分子;配列番号88のBoNT/A−ED−PAR2Xaをコードする配列番号112又は配列番号139のポリヌクレオチド分子;配列番号89のBoNT/A−ED−PAR3Tbをコードする配列番号113又は配列番号140のポリヌクレオチド分子;配列番号90のBoNT/A−ED−PAR3Xaをコードする配列番号114又は配列番号141のポリヌクレオチド分子;配列番号91のBoNT/A−ED−PAR4Tbをコードする配列番号115又は配列番号142のポリヌクレオチド分子;及び配列番号92のBoNT/A−ED−PAR4Xaをコードする配列番号116又は配列番号143のポリヌクレオチド分子を含むpET29発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
実施例2:BoNT/A−TD−PAR1Tbの構築
この例は、転移ドメインを含む重鎖のアミノ末端に位置設定されたPAR結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素をいかに作製するかを例示するものである。
BoNT/A−TD−PAR1Tb(配列番号93)に基づくポリヌクレオチド分子(配列番号117)は、標準的手順((BlueHeron(登録商標)バイオテクノロジー、Bothell、ワシントン州))を用いて合成される。長さ20〜50塩基のりオリゴヌクレオチドが、標準的ホスホラミダイド合成を用いて合成される。これらのオリゴヌクレオチドは、全長ポリヌクレオチド分子を組立てるべく合わせてライゲートされる2本鎖2重鎖へとハイブリッド形成させられる。このポリヌクレオチド分子は、pUCBHB1ベクター内にSmal部位で標準的分子生物学的方法によってクローニングされて、pUCBHB1/BoNT/A−TD−PAR1Tbを生成する。合成されたポリヌクレオチド分子は、Big Dye Terminator(商標)化学3.1(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)、Foster City、カリフォルニア州)及びABI3100シーケンサー(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)を用いて配列決定することによって確認される。
必要に応じて、大腸菌(Escherichia coli)菌株内の発現を改善するため、BoNT/A−TD−PAR1Tb(配列番号93)に基づいて発現最適化されたポリヌクレオチド分子(配列番号144)を合成することが可能である。ポリヌクレオチド分子を含む読取り枠は大腸菌株内の発現を改善するために最適化される。1)大腸菌株の未変性ポリヌクレオチド分子内に標準的に存在する同義語コドンを含有するように;2)大腸菌株の中に見出される未変性ポリヌクレオチド分子の平均的G+C含有量により密に一致するG+C含有量を含むように;3)ポリヌクレオチド分子の内部に見出されるポリモノヌクレオチド領域を削減するように;及び/又は4)ポリヌクレオチド分子の内部に見出される内部の調節又は構造部位を除去するように、BoNT/A−TD−PAR1Tbをコードするポリヌクレオチド分子を修飾することができる。例えばランス・E・スチュワードら、「活性ボツリヌス毒素タイプE発現の最適化」、PCT特許出願番号第2005/020578号明細書(2005年6月9日);ランス・E・スチュワードら、「活性ボツリヌス毒素タイプA発現の最適化」、PCT特許出願番号第2005/XXXXXX号明細書(2005年8月3日)を参照のこと。ひとたび配列最適化が完了した時点で、長さ20〜50塩基のオリゴヌクレオチドが標準的なホスホラミダイド合成を用いて合成される。これらのオリゴヌクレオチドは、全長ポリヌクレオチド分子を組立てるため合わせてライゲートされる2本鎖2重鎖の形にハイブリッド形成される。このポリヌクレオチド分子は標準的な分子生物学的方法を用いて、Smal部位でpUCBHB1ベクターへとクローニングされて、BoNT/A−TD−PAR1Tbを生成する。合成されたポリヌクレオチド分子は、Big Dye Terminator(商標)化学3.1(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)及びABI3100シーケンサー(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)を用いた配列決定により確認される。望まれる場合にはBoNT/A−TD−PAR1Tbをコードするポリヌクレオチド分子の最適化を実施する必要は無く、又は、酵母菌株、昆虫細胞系統又は哺乳動物細胞といったような異なる生体に対する最適化をその代わりに行なうことができる。例えばスチュワード、前掲書、PCT特許出願番号第2005/020578号明細書(2005年6月9日);及びスチュワード、前掲書、PCT特許出願番号2005/XXXXXX号明細書(2005年8月3日)を参照のこと。
配列番号94のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号118又は配列番号145のポリヌクレオチド分子;配列番号95のBoNT/A−TD−PAR2Tpをコードする配列番号119又は配列番号146のポリヌクレオチド分子;配列番号96のBoNT/A−TD−PAR2Xaをコードする配列番号120又は配列番号147のポリヌクレオチド分子;配列番号97のBoNT/A−TD−PAR1Tbをコードする配列番号121又は配列番号148のポリヌクレオチド分子;配列番号98のBoNT/A−TD−PAR3Xaをコードする配列番号122又は配列番号149のポリヌクレオチド分子;配列番号99のBoNT/A−TD−PAR4Tbをコードする配列番号123又は配列番号150のポリヌクレオチド分子;及び配列番号100のBoNT/A−TD−PAR4Xaをコードする配列番号124又は配列番号151のポリヌクレオチド分子を含むpUCBHB1クローニング構成体を作るために類似のクローニング戦略が使用される。さらに、当業者であれば、例えばBoNT/B、BoNT/C1、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G及びTeNTといったようなクロストリジウム毒素を修飾して、これらの毒素が修飾BoNT/AのPAR属性を有するようにし、類似のクローニング戦略を用いてこれらを作製することができる。
pET29/BoNT/A−TD−PAR1Tbを構築するためには、1)BoNT/A−TD−PAR1Tbをコードする配列番号144の読取り枠を含むインサートを切除し;かつ2)pET29ベクターに対しこのインサートを作動的に連結させることができるようにする制限エンドヌクレアーゼでpUCBHB1/BoNT/A−TD−PAR1Tb構成体を消化させる(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)。このインサートは、T4DNAリガーゼ手順を用いて、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化されるpET29ベクター内にサブクローニングされてpET29/BoNT/A−TD−PAR1Tbを生成する。ライゲーション混合物は、熱ショック方法を用いて化学的にコンピテントなE.coli DH5α細胞(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)へと形質転換され、1.5%のルリア・ベルターニ寒天平板(pH7.0)上に平板固定され、一晩成長させるために37℃のインキュベータ内に置かれる。発現構成体を含有する細菌がカナマイシン耐性コロニーとして同定される。アルカリ溶菌プラスミド少量調製手順を用いて候補構成体を単離し、制限エンドヌクレアーゼ消化物地図作成により分析してインサートの存在及び配向を判定する。このクローニング戦略により、カルボキシ末端ポリヒスチジン親和性結合ペプチドに対し作動的に連結された配列番号93のBoNT/A−TD−PAR1Tbをコードする配列番号144のポリヌクレオチド分子を含むpET29発現構成体を生成した(図8)。
配列番号93のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号117のポリヌクレオチド分子;配列番号94のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号118又は配列番号145;配列番号95のBoNT/A−TD−PAR2Tpをコードする配列番号119又は配列番号146のポリヌクレオチド分子;配列番号96のBoNT/A−TD−PAR2Xaをコードする配列番号120又は配列番号147のポリヌクレオチド分子;配列番号97のBoNT/A−TD−PAR1Tbをコードする配列番号121又は配列番号148のポリヌクレオチド分子;配列番号98のBoNT/A−TD−PAR3Xaをコードする配列番号122又は配列番号149のポリヌクレオチド分子;配列番号99のBoNT/A−TD−PAR4Tbをコードする配列番号123又は配列番号150のポリヌクレオチド分子;及び配列番号100のBoNT/A−TD−PAR4Xaをコードする配列番号124又は配列番号151のポリヌクレオチド分子を含むpET29発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
実施例3:BoNT/A−BD−PAR1Tbの構築
この例は、結合ドメインを含む重鎖のアミノ末端に位置設定されたPAR結合ドメインを含む修飾クロストリジウム毒素をいかに作製するかを例示するものである。
BoNT/A−BD−PAR1Tb(配列番号101)に基づくポリヌクレオチド分子(配列番号125)は、標準的手順((BlueHeron(登録商標)バイオテクノロジー、Bothell、ワシントン州))を用いて合成される。長さ20〜50塩基のオリゴヌクレオチドが、標準的ホスホラミダイド合成を用いて合成される。これらのオリゴヌクレオチドは、全長ポリヌクレオチド分子を組立てるべく合わせてライゲートされる2本鎖2重鎖へとハイブリッド形成させられる。このポリヌクレオチド分子は、pUCBHB1ベクター内にSmal部位で標準的分子生物学的方法によってクローニングされて、pUCBHB1/BoNT/A−BD−PAR1Tbを生成する。合成されたポリヌクレオチド分子は、Big Dye Terminator(商標)化学3.1(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)及びABI3100シーケンサー(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)を用いて配列決定することによって確認される。
必要に応じて、大腸菌(Escherichia coli)菌株内の発現を改善するため、BoNT/A−BD−PAR1Tb(配列番号101)に基づいて発現最適化されたポリヌクレオチド分子(配列番号152)を合成することが可能である。ポリヌクレオチド分子を含む読取り枠は、大腸菌株内の発現を改善するために最適化される。1)大腸菌株の未変性ポリヌクレオチド分子内に標準的に存在する同義語コドンを含有するように;2)大腸菌株内に見出される未変性ポリヌクレオチド分子の平均的G+C含有量により密に一致するG+C含有量を含むように;3)ポリヌクレオチド分子の内部に見出されるポリモノヌクレオチド領域を削減するように;及び/又は4)ポリヌクレオチド分子の内部に見出される内部の調節又は構造部位を除去するように、BoNT/A−BD−PAR1Tbをコードするポリヌクレオチド分子を修飾することができる。例えばランス・E・スチュワードら、「活性ボツリヌス毒素タイプE発現の最適化」、PCT特許出願番号第2005/020578号明細書(2005年6月9日);ランス・E・スチュワードら、「活性ボツリヌス毒素タイプA発現の最適化」、PCT特許出願番号第2005/XXXXXX号明細書(2005年8月3日)を参照のこと。ひとたび配列最適化が完了した時点で、長さ20〜50塩基のオリゴヌクレオチドが標準的なホスホラミダイド合成を用いて合成される。これらのオリゴヌクレオチドは、全長ポリヌクレオチド分子を組立てるため合わせてライゲートされる2本鎖2重鎖の形にハイブリッド形成される。このポリヌクレオチド分子は標準的な分子生物学的方法を用いて、Smal部位でpUCBHB1ベクターへとクローニングされて、BoNT/A−BD−PAR1Tbを生成する。合成されたポリヌクレオチド分子は、Big Dye Terminator(商標)化学3.1(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)及びABI3100シーケンサー(アプライド・バイオシステムズ、Foster City、カリフォルニア州)を用いた配列決定により確認される。望まれる場合には、BoNT/A−BD−PAR1Tbをコードするポリヌクレオチド分子の最適化を実施する必要はなく、又は、酵母菌株、昆虫細胞系統又は哺乳動物細胞といったような異なる生体に対する最適化をその代わりに行なうことができる。例えばスチュワード、前掲書、PCT特許出願番号第2005/020578号明細書(2005年6月9日);及びスチュワード、前掲書、PCT特許出願番号2005/XXXXXX号明細書(2005年8月3日)を参照のこと。
配列番号102のBoNT/A−BD−PAR1Xaをコードする配列番号126又は配列番号153のポリヌクレオチド分子;配列番号103のBoNT/A−BD−PAR2Tpをコードする配列番号127又は配列番号154のポリヌクレオチド分子;配列番号104のBoNT/A−BD−PAR2Xaをコードする配列番号128又は配列番号155のポリヌクレオチド分子;配列番号105のBoNT/A−BD−PAR3Tbをコードする配列番号129又は配列番号156のポリヌクレオチド分子;配列番号106のBoNT/A−BD−PAR3Xaをコードする配列番号130又は配列番号157のポリヌクレオチド分子;配列番号107のBoNT/A−BD−PAR4Tbをコードする配列番号131又は配列番号158のポリヌクレオチド分子;及び配列番号108のBoNT/A−BD−PAR4Xaをコードする配列番号132又は配列番号159のポリヌクレオチド分子を含むpUCBHB1クローニング構成体を作るために類似のクローニング戦略が使用される。さらに、当業者であれば、例えばBoNT/B、BoNT/C1、BoNT/D、BoNT/E、BoNT/F、BoNT/G及びTeNTといったようなクロストリジウム毒素を修飾して、これらの毒素が修飾BoNT/AのPAR属性を有するようにし、類似のクローニング戦略を用いてこれらを作製することができる。
pET29/BoNT/A−BD−PAR1Tbを構築するためには、1)BoNT/A−BD−PAR1Tbをコードする配列番号152の読取り枠を含むインサートを切除し;かつ2)pET29ベクターに対しこのインサートを作動的に連結させることができるようにする制限エンドヌクレアーゼでpUCBHB1/BoNT/A−BD−PAR1Tb構成体を消化させる(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)。このインサートは、T4DNAリガーゼ手順を用いて、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化されるpET29ベクター内にサブクローニングされてpET29/BoNT/A−BD−PAR1Tbを生成する。ライゲーション混合物は、熱ショック方法を用いて化学的にコンピテントなE.coli DH5α細胞(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)へと形質転換され、カナマイシン50μg/mLを含有する1.5%のLuria−Bertani寒天平板(pH7.0)上に平板固定され、一晩成長させるために37℃のインキュベータ内に置かれる。発現構成体を含有する細菌がカナマイシン耐性コロニーとして同定される。アルカリ溶菌プラスミド少量調製手順を用いて候補構成体を単離し、制限エンドヌクレアーゼ消化物地図作成により分析してインサートの存在及び配向を判定する。このクローニング戦略により、カルボキシ末端ポリヒスチジン親和性結合ペプチドに対し作動的に連結された配列番号101のBoNT/A−BD−PAR1Tbをコードする配列番号152のポリヌクレオチド分子を含むpET29発現構成体を生成した(図9)。
配列番号101のBoNT/A−BD−PAR1Tbをコードする配列番号125のポリヌクレオチド分子;配列番号102のBoNT/A−BD−PAR1Xaをコードする配列番号126又は配列番号153;配列番号103のBoNT/A−BD−PAR2Tpをコードする配列番号127又は配列番号154のポリヌクレオチド分子;配列番号104のBoNT/A−BD−PAR2Xaをコードする配列番号128又は配列番号155のポリヌクレオチド分子;配列番号105のBoNT/A−BD−PAR3Tbをコードする配列番号129又は配列番号156のポリヌクレオチド分子;配列番号106のBoNT/A−BD−PAR3Xaをコードする配列番号130又は配列番号157のポリヌクレオチド分子;配列番号107のBoNT/A−BD−PAR4Tbをコードする配列番号131又は配列番号158のポリヌクレオチド分子;及び配列番号108のBoNT/A−BD−PAR4Xaをコードする配列番号132又は配列番号159のポリヌクレオチド分子を含むpET29発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
実施例4:細菌細胞内のクロストリジウム毒素の発現
以下の実施例は、細菌細胞内で本明細書中に開示されている修飾クロストリジウム毒素のいずれかを発現するために有用な手順を例示している。
例えばpET29/BoNT/A−ED−PAR1Tb、pET29/BoNT/A−TD−PAR1Tb又はpET29/BoNT/A−BD−PAR1Tbといったような発現構成体(例えば実施例1、2及び3を参照)を、熱ショック形質転換プロトコルを用いて、化学的にコンピテントなE.coli BL21(DE3)細胞(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)の中に導入する。熱ショック反応を、カナマイシン50μg/mLを含有する1.5%のルリア・ベルターニ寒天平板(pH7.0)上に平板固定し、一晩成長させる目的で37℃のインキュベータ内に置く。例えばpET29/BoNT/A−ED−PAR1Tb、pET29/BoNT/A−TD−PAR1Tb又はpET29/BoNT/A−BD−PAR1Tbといったような発現構成体を含有する形質転換された大腸菌のカナマイシン耐性コロニーを用いて、50μg/mLのカナマイシンを含有する3.0mLのPA−0.5G培地の入ったバッフル付きフラスコに接種し、このフラスコを次に、一晩成長させるために250rpmで振盪する37℃のインキュベータ内に入れる。今度は、結果として得た一晩スターター培養を用いて、1:1000の希釈度で50μg/mlのカナマイシンを含有するZYP−5052自己誘発性培地の入った3L入りのバッフル付きフラスコに接種する。培養体積は、約600mL(フラスコ容積の20%)から約750mL(フラスコ体積の25%)の範囲内であった。これらの培養を約5.5時間250rpmで振盪する37℃のインキュベータ内で成長させ、次に一晩発現させる目的で250rpmで振盪する16℃のインキュベータに移す。細胞を遠心分離(20〜30分間4℃で4000rpm)により収獲し、直ちに使用するか又は必要となるまで−80℃で乾燥状態にて保管する。
実施例5: 修飾クロストリジウム毒素の精製及び定量化
以下の実施例は、本明細書中で開示されている任意の修飾クロストリジウム毒素の精製及び定量化にとって有用な方法を例示している。
固定化金属親和性クロマトグラフィ(IMAC)タンパク質精製のために、実施例4で記載されている通りの修飾クロストリジウム毒素を発現するのに使用されたE.coli BL21(DE3)細胞ペレットを、カラム結合緩衝液(25mMのN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)、pH7.8;500mMの塩化ナトリウム;10mMのイミダゾール;2×プロテアーゼ阻害物質カクテルセットIII(EMDバイオサイエンシーズ・カルビオケム(Biosciences−Calbiochem)、San Diego、カリフォルニア州);5単位/mLのベンゾナーゼ(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州);0.1%(v/v)のTriton−X(登録商標)100、4−オクチルフェノールポリエトキシラート;10%(v/v)のグリセロール)中に再懸濁させ、その後、低温オークリッジ遠心分離管に移す。細胞懸濁液を、氷上で超音波処理し(ブランソンデジタル超音波処理機上にて60秒の冷却間隔で40%の振幅で10秒10〜12パルス)で細胞を溶解させ、次に遠心分離して(20分間4℃で16,000rpm)溶解物を清澄化させる。2.5〜5.0mLのTALON(商標)Super Flow CO2+親和性樹脂(BDバイオサイエンシーズ・クローンテック、Palo Alto、カリフォルニア州)を詰めた20mLのEcono−Pacカラム支持体(バイオ・ラド・ラボラトリーズ(Bio−Rad Laboratories)、Hercules、カリフォルニア州)を用いて固定化金属親和性クロマトグラフィカラムを調製し、次にこれをまずは5カラム体積脱イオン化精製水そしてそれに続いて5カラム体積のカラム結合緩衝液で洗い流すことによって平衡化する。清澄化済みの溶解物を、重力流(約0.25〜0.3mL/分)により平衡化済みカラムに対しゆっくりと適用する。次にカラムを、5カラム体積のカラム洗浄緩衝液(N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)、pH7.8;500mMの塩化ナトリウム;10mMのイミダゾール;0.1%(v/v)のToriton−X(登録商標)100、4−オクチルフェノールポリエトキシラート;10%(v/v)グリセロール)で洗浄する。クロストリジウム毒素を、20〜30mLのカラム溶離緩衝液(25mMのN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)、pH7.8;500mMの塩化ナトリウム;500mMのイミダゾール;0.1%(v/v)のToriton−X(登録商標)100、4−オクチルフェノールポリエトキシラート;10%(v/v)グリセロール)で溶離し、おおよそ12の1mL画分の形で収集する。ブラッドフォード染料検定により、各溶離画分の中に含有されているクロストリジウム毒素の量を決定する。この手順において、各1.0mLの画分の20μlアリコートを200μLのBio−Radタンパク質試薬(バイオ・ラド・ラボラトリーズ、Hercules、カリフォルニア州)と組み合わせ、脱イオン化精製水で1対4に希釈し、次に比色シグナルの強度を分光光度計を用いて測定する。最も強度の高いシグナルをもつ5つの画分を溶離ピークとみなし、これらを組合わせる。標準としてウシガンマグロブリンを用いて、プールされたピーク溶離画分の合計タンパク質濃度を推定することにより、合計タンパク質収量を判定する(バイオ・ラド・ラボラトリーズ、Hercules、カリフォルニア州)。
FPLC脱塩カラムを用いた修飾クロストリジウム毒素の精製のためには、80mLの4℃のカラム緩衝液(50mMのリン酸ナトリウム、pH6.5)でHiPrep(商標)26/10サイズ排除カラム(アマーシャム・バイオサイエンシーズ、Piscataway、ニュージャージ州)を予め平衡化する。カラムを平衡化した後、BioLogic DuoFlowクロマトグラフィシステム(バイオ・ラド・ラボラトリーズ、Hercules、カリフォルニア州)を用いて10mL/分の流速で4℃のカラム緩衝液の定組成移動相でサイズ排除カラムに対しクロストリジウム毒素試料を適用する。約7〜12mLの単一画分として脱塩した修飾クロストリジウム毒素試料を収集する。
FPLCイオン交換カラムを用いた修飾クロストリジウム毒素の精製のためには、IMACカラムからの溶離の後に脱塩されたクロストリジウム毒素試料を、BioLogic DuoFlowクロマトグラフィシステム(バイオ・ラド・ラボラトリーズ、Hercules、カリフォルニア州)を用いて1mLのQ1(商標)アニオン交換カラム(バイオ・ラド・ラボラトリーズ、Hercules、カリフォルニア州)に適用する。4℃のカラム緩衝液(50mMのリン酸ナトリウム、pH6.5)中でカラムに試料を適用し、以下の通りに、4℃の溶離緩衝液(50mMのリン酸ナトリウム、1Mの塩化ナトリウム、pH6.5)での線形勾配により溶離する。ステップ1、1mL/分の流速で5%の溶離緩衝液5.0mL;ステップ2、1mL/分の流速で5〜30%の溶離緩衝液20.0mL;ステップ3、1.0mL/分の流速で50%の溶離緩衝液2.0mL;ステップ4、1.0mL/分の流速で100%の溶離緩衝液4.0mL;及びステップ5、1.0mL/分の流速で0%の溶離緩衝液5.0mL。カラムからのクロストリジウム毒素の溶離を、280、260及び214nmで監視し、280nmで最低閾値(0.01au)超を吸収するピークを収集する。大部分のクロストリジウム毒素は、約100〜200mMの塩化ナトリウム濃度で溶離することになる。クロストリジウム毒素の平均合計収量がブラッドフォード検定によって判定されることになる。
修飾クロストリジウム毒素の発現をポリアクリルアミドゲル電気泳動法により分析する。以上で記載した手順を用いて精製された試料を、2×LDS試料緩衝液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)に添加し、変性、還元条件下でNuPAGE(登録商標)Novex4−12% Bis−Trisプレキャストポリアクリルアミドゲル(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)を用いてMOPSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により分離する。ゲルをSYPRO(登録商標)ルビー(バイオ・ラド・ラボラトリーズ、Hercules、カリフォルニア州)で染色し、分離したポリペプチドを、クロストリジウム毒素発現レベルの定量化のためFluor−S MAX MultiImager(バイオ・ラド・ラボラトリーズ、Hercules、カリフォルニア州)を用いて画像化する。クロストリジウム毒素のサイズ及び量をMagic Mark(商標)タンパク質分子量標準(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)に対する比較により判定する(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)。
修飾クロストリジウム毒素の発現は、ウェスタンブロット分析によっても分析される。上述の手順を用いて精製されたタンパク質試料を2×LDSの試料緩衝液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)に添加し、変性、還元条件下でNuPAGE(登録商標)Novex4−12%Bis−Trisプレキャストポリアクリルアミドゲル(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)を用いてMOPSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により分離する。Trans−Blot(登録商標)SD半乾燥電気泳動転移細胞器具(バイオ・ラド・ラボラトリーズ、Hercules、カリフォルニア州)を用いたウェスタンブロット法によりフッ化ポリビニリデン(PVDF)膜(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)上へと、分離したポリペプチドをゲルから移す。25mMのトリス緩衝食塩水(25mMの2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール塩酸(Tris−HCl)(pH7.4)、137mMの塩化ナトリウム、2.7mMの塩化カリウム)、0.1%のTWEEN−20(登録商標)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレアート、2%のウシ血清アルブミン、5%の脱脂粉乳を含有する溶液中で、2時間、室温でインキュベートすることによって、PVDF膜を遮断する。遮断した膜を、プローブとして適切な一次抗体を含有するトリス緩衝食塩水TWEEN−20(登録商標)(25mMのトリス緩衝食塩水、0.1%のTWEEN−20(登録商標)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレアート)の中で一晩4℃でインキュベートする。各回トリス緩衝食塩水TWEEN−20(登録商標)中で15分間、一次抗体をプローブとしたブロットを3回洗浄する。二次抗体としてのホースラディッシュペルオキシダーゼに接合された適切な免疫グロブリンG抗体を含有するトリス緩衝食塩水TWEEN−20(登録商標)中で2時間室温で、洗浄済み膜をインキュベートする。二次抗体をプローブとしたブロットを、毎回トリス緩衝食塩水TWEEN−20(登録商標)中で15分間、3回洗浄する。標識したクロストリジウム毒素のシグナル検出を、ECLPlus(商標)ウェスタンブロット検出システム(アマーシャム・バイオサイエンシーズ、Piscataway、ニュージャージ州)を用いて視覚化し、修飾クロストリジウム毒素発現レベルの定量化のためTyphoon 9410可変モード画像化装置(アマーシャム・バイオサイエンシーズ、Piscataway、ニュージャージ州)で画像化する。
実施例6:酵母細胞中での修飾クロストリジウム毒素の発現
以下の実施例は、酵母細胞中で本明細書中に開示された修飾クロストリジウム毒素のいずれかを発現するために有用な手順を例示している。
修飾クロストリジウム毒素をコードする適切な酵母発現構成体を構築するためには、配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136のポリヌクレオチド分子の5’及び3’末端の中に、作動的に連結されたポリヌクレオチド分子をpPICAベクター(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)内にクローニングするのに適した制限エンドヌクレアーゼ部位を取り込む。このポリヌクレオチド分子を合成し、実施例1に記載された通りpUCBHB1/BoNT/A−ED−PAR1Tb構成体を得る。1)BoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136の読取り枠を含有するインサートを切除し;かつ2)このインサートがpPICAベクターに作動的に連結され得るようにする制限酵素で、この構成体を消化させる。pPICA/BoNT/A−ED−PAR1Tbを生成するべく、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化されるpPICAベクター内にT4DNAリガーゼ手順を用いてこのインサートをサブクローニングする。熱ショック法を用いてライゲーション混合物を化学的にコンピテントなE.coli DH5α細胞(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)へと形質転換し、25μg/mLのゼオシン(Zeocin)(商標)を含有する1.5%の低温ルリア・ベルターニ寒天平板(pH7.5)上に平板固定し、一晩成長させるために37℃のインキュベータ内に入れる。発現構成体を含む細菌を、ゼオシン(商標)耐性コロニーとして同定する。アルカリ溶菌プラスミド少量調製手順を用いて、候補構成体を単離し、制限エンドヌクレアーゼ消化地図作成により分解してインサートの存在及び配向を判定する。このクローニング戦略は、カルボキシル末端c−myc及びポリヒスチジン結合ペプチドに対して作動的に連結された配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136のポリヌクレオチド分子を含むpPICA発現構成体を生成した(図9)。
配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号109のポリヌクレオチド分子;配列番号86のBoNT/A−ED−PAR1Xaをコードする配列番号110又は配列番号137;配列番号87のBoNT/A−ED−PAR2Tpをコードする配列番号111又は配列番号138のポリヌクレオチド分子;配列番号88のBoNT/A−ED−PAR2Xaをコードする配列番号112又は配列番号139のポリヌクレオチド分子;配列番号89のBoNT/A−ED−PAR3Tbをコードする配列番号113又は配列番号140のポリヌクレオチド分子;配列番号90のBoNT/A−ED−PAR3Xaをコードする配列番号114又は配列番号141のポリヌクレオチド分子;配列番号91のBoNT/A−ED−PAR4Tbをコードする配列番号115又は配列番号142のポリヌクレオチド分子;及び配列番号92のBoNT/A−ED−PAR4Xaをコードする配列番号116又は配列番号143のポリヌクレオチド分子を含むpPICA発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
配列番号93のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号117のポリヌクレオチド分子;配列番号94のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号118又は配列番号145;配列番号95のBoNT/A−TD−PAR2Tpをコードする配列番号119又は配列番号146のポリヌクレオチド分子;配列番号96のBoNT/A−TD−PAR2Xaをコードする配列番号120又は配列番号147のポリヌクレオチド分子;配列番号97のBoNT/A−TD−PAR1Tbをコードする配列番号121又は配列番号148のポリヌクレオチド分子;配列番号98のBoNT/A−TD−PAR3Xaをコードする配列番号122又は配列番号149のポリヌクレオチド分子;配列番号99のBoNT/A−TD−PAR4Tbをコードする配列番号123又は配列番号150のポリヌクレオチド分子;及び配列番号99のBoNT/A−TD−PAR4Xbをコードする配列番号123又は配列番号150のポリヌクレオチド分子;及び配列番号100のBoNT/A−TD−PAR4Xaをコードする配列番号124又は配列番号151のポリヌクレオチド分子を含むpPICA発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
配列番号101のBoNT/A−BD−PAR1Tbをコードする配列番号125のポリヌクレオチド分子、配列番号102のBoNT/A−BD−PAR1Xaをコードする配列番号126又は配列番号153のポリヌクレオチド分子;配列番号103のBoNT/A−BD−PAR2Tpをコードする配列番号127又は配列番号154のポリヌクレオチド分子;配列番号104のBoNT/A−BD−PAR2Xaをコードする配列番号128又は配列番号155のポリヌクレオチド分子;配列番号105のBoNT/A−BD−PAR3Tbをコードする配列番号129又は配列番号156のポリヌクレオチド分子;配列番号106のBoNT/A−BD−PAR3Xaをコードする配列番号130又は配列番号157のポリヌクレオチド分子;配列番号107のBoNT/A−BD−PAR4Tbをコードする配列番号131又は配列番号158のポリヌクレオチド分子;及び配列番号108のBoNT/A−BD−PAR4Xaをコードする配列番号132又は配列番号159のポリヌクレオチド分子を含むpPICA発現構成体を作るために類似のクローニング戦略が使用される。
修飾クロストリジウム毒素を発現する酵母菌細胞系統を構築するため、適切な制限エンドヌクレアーゼ(すなわちSacl、Pmel又はBstXI)でpPICZ A/BoNT/A−ED−PAR1Tbを消化し、結果として得た線形化した発現構成体を、電気穿孔法を用いて適切なP.pastoris MutS菌株KM71Hへと形質転換させる。形質転換混合物を、100μg/mLのゼオシン(商標)を含有する1.5%のYPDS寒天平板(pH7.5)上に平板固定し、1〜3日間成長させるため28〜30℃のインキュベータ内に置く。5’AOX1遺伝子座にpPICZ A/BoNT/A−ED−PAR1Tbを組込む形質転換体の選択は、ゼオシン(商標)に対するコロニー耐性によって決定される。発現レベルについての対照として用いられる配列番号2を含むpPICZ A発現構成体を含有する細胞系統を作るために類似を戦略が用いられる。小規模発現試験を用いてBoNT/A−ED−PAR1Tbについて、pPICZ A/BoNT/A−ED−PAR1Tb構成体を組込んだ細胞系統をテストする。組込まれたpPICZ A/BoNT/A−ED−PAR1Tbを組込んだテスト細胞系統からの単離コロニーを用いて、100mLのMGYH培地が入った1.0L入りのバッフル付きフラスコに接種し、培養がOD600=2−6(約16〜18時間)に達するまで振盪インキュベータ(250rpm)の中で約28〜30℃で成長させる。細胞を遠心分離により収獲する(5分間22℃で3000×g)。発現を誘発するためには、細胞ペレットを15mLのMMH培地内で再懸濁させ、0.5%の最終濃度まで100%のメタノールを添加する。培養を、振盪インキュベータ(250rpm)内で約28〜30℃で成長させる。0.5%の最終濃度まで24時間毎に培養に、さらなる100%のメタノールを添加する。時間ゼロから出発し、144時間目に終了して、24時間毎に培養から1.0mLのテストアリコートを取り出す。細胞をペレット状にするべくマイクロ遠心分離法によりアリコートから細胞を収獲し、まずは5分間−80℃次に5分間37℃から成る3回の凍結−解凍ラウンドを用いてこれを溶解させる。溶解試料を、2倍のLDS試料緩衝液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)に添加し、確立された細胞系統からの発現をウェスタンブロット分析(実施例5に記載した通り)により、抗−BoNT/A、抗−myc又は抗−His抗体のいずれかを用いて測定し、BoNT/A−ED−PAR1Tbを発現する系統を同定する。市販の発酵手順を用いた大規模発現のために、最高のBoNT/A−ED−PAR1Tb発現レベルを示すP.pastoris MutSKM71H細胞を選択する。大規模発現のための手順は、培養体積が5L入りBio Flo 3000発酵装置内で成長させられた約2.5LのMGYH培地であり、全ての試薬の濃度がこの体積について比例的に増大されることになるという点を除いて、以上で概略的に示されている通りである。
実施例5に記載されている通りに、IMAC手順を用いてBoNT/A−ED−PAR1Tbを精製する。一定量のBoNT/A−ED−PAR1Tbが産生されたか否かを判定するべく、各培養からの発現をブラッドフォード染料検定、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法及びウェスタンブロット分析(実施例5で記載されている通り)によって評価する。
実施例7:昆虫細胞中での修飾クロストリジウム毒素の発現
以下の実施例は、昆虫細胞中で本明細書中に開示された修飾クロストリジウム毒素のいずれかを発現するために有用な手順を例示している。
修飾クロストリジウム毒素をコードする適切な昆虫発現構成体を構築するためには、配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136のポリヌクレオチド分子の5’及び3’末端の中に、作動的に連結されたポリヌクレオチド分子をpBACgusベクター(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)内にクローニングするのに適した制限エンドヌクレアーゼ部位を取り込む。このポリヌクレオチド分子を合成し、実施例1に記載された通りpUCBHB1/BoNT/A−ED−PAR1Tb構成体を得る。1)BoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136の読取り枠を含有するインサートを切除し;かつ2)このインサートがpBACgus3ベクターに作動的に連結され得るようにする制限酵素で、この構成体を消化させる。pBACgus3/BoNT/A−ED−PAR1Tbを生成するべく、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化されるpBACgus3ベクター内にT4DNAリガーゼ手順を用いてこのインサートをサブクローニングする。熱ショック法を用いてライゲーション混合物を化学的にコンピテントなE.coli DH5α細胞(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)へと形質転換し、100μg/mLのアンピシリンを含有する1.5%のLuria−Bertani寒天平板(pH7.0)上に平板固定し、一晩成長させるために37℃のインキュベータ内に入れる。発現構成体を含む細菌を、アンピシリン耐性コロニーとして同定する。アルカリ溶菌プラスミド少量調製手順を用いて、候補構成体を単離し、制限エンドヌクレアーゼ消化地図作成により分解してインサートの存在及び配向を判定する。このクローニング戦略は、アミノ末端gp64シグナルペプチド及びカルボキシル末端、トロンビン分割可能ポリヒスチジン結合ペプチドに対して作動的に連結された配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136のポリヌクレオチド分子を含むpBACgus3発現構成体を生成した(図11)。
配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号109のポリヌクレオチド分子;配列番号86のBoNT/A−ED−PAR1Xaをコードする配列番号110又は配列番号137;配列番号87のBoNT/A−ED−PAR2Tpをコードする配列番号111又は配列番号138のポリヌクレオチド分子;配列番号88のBoNT/A−ED−PAR2Xaをコードする配列番号112又は配列番号139のポリヌクレオチド分子;配列番号89のBoNT/A−ED−PAR3Tbをコードする配列番号113又は配列番号140のポリヌクレオチド分子;配列番号90のBoNT/A−ED−PAR3Xaをコードする配列番号114又は配列番号141のポリヌクレオチド分子;配列番号91のBoNT/A−ED−PAR4Tbをコードする配列番号115又は配列番号142のポリヌクレオチド分子;及び配列番号92のBoNT/A−ED−PAR4Xaをコードする配列番号116又は配列番号143のポリヌクレオチド分子を含むpBACgus3発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
配列番号93のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号117のポリヌクレオチド分子;配列番号94のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号118又は配列番号145;配列番号95のBoNT/A−TD−PAR2Tpをコードする配列番号119又は配列番号146のポリヌクレオチド分子;配列番号96のBoNT/A−TD−PAR2Xaをコードする配列番号120又は配列番号147のポリヌクレオチド分子;配列番号97のBoNT/A−TD−PAR1Tbをコードする配列番号121又は配列番号148のポリヌクレオチド分子;配列番号98のBoNT/A−TD−PAR3Xaをコードする配列番号122又は配列番号149のポリヌクレオチド分子;配列番号99のBoNT/A−TD−PAR4Tbをコードする配列番号123又は配列番号150のポリヌクレオチド分子;及び配列番号100のBoNT/A−TD−PAR4Xaをコードする配列番号124又は配列番号151のポリヌクレオチド分子を含むpBACgus3発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
配列番号101のBoNT/A−BD−PAR1Tbをコードする配列番号125のポリヌクレオチド分子、配列番号102のBoNT/A−BD−PAR1Xaをコードする配列番号126又は配列番号153のポリヌクレオチド分子;配列番号103のBoNT/A−BD−PAR2Tpをコードする配列番号127又は配列番号154のポリヌクレオチド分子;配列番号104のBoNT/A−BD−PAR2Xaをコードする配列番号128又は配列番号155のポリヌクレオチド分子;配列番号105のBoNT/A−BD−PAR3Tbをコードする配列番号129又は配列番号156のポリヌクレオチド分子;配列番号106のBoNT/A−BD−PAR3Xaをコードする配列番号130又は配列番号157のポリヌクレオチド分子;配列番号107のBoNT/A−BD−PAR4Tbをコードする配列番号131又は配列番号158のポリヌクレオチド分子;及び配列番号108のBoNT/A−BD−PAR4Xaをコードする配列番号132又は配列番号159のポリヌクレオチド分子を含むpBACgus3発現構成体を作るために類似のクローニング戦略が使用される。
バキュロウイルス発現系を用いて修飾クロストリジウム毒素を発現させるためには、2mLのBac Vector(登録商標)昆虫培地(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)が入った4枚の60mmの培養皿の中に、約2.5×106のSf9細胞を平板固定し、28℃のインキュベータの中で約20分間インキュベートする。各トランスフェクションについて、例えばpBACgus3/BoNT/A−ED−PAR1Tbといったような修飾クロストリジウム毒素をコードするpBACgus3構成体100ng及び500ngのTlowE転移プラスミドを含有する25μLのBacVector(登録商標)昆虫培地を、5μLのInsect GeneJuice(登録商標)(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)及びヌクレアーゼを含まない20mLの水を含有する25μLの希釈Insect GeneJuice(登録商標)に添加することによって6mLのポリスチレン管の中で50μLのトランスフェクション溶液を調製し、この溶液を約15分間インキュベートする。15分のインキュベーションの後、トランスフェクション溶液に対し450μLのBacVector(登録商標)培地を添加し、穏やかに混合する。1/10希釈物としてこのトランスフェクション原液を用いて、1/50、1/250及び1/1250希釈の付加的なトランスフェクション溶液を作る。抗生物質も血清も含まないBacVector(登録商標)昆虫培地で2回洗浄した4枚の60mmの培養皿のうちの1枚からのSf9細胞に対してトランスフェクション溶液100μLを添加し、22℃でインキュベーションする。1時間後に、5%のウシ血清アルブミンを含有する1%のBacPlaqueアガロース−BacVector(登録商標)昆虫培地6mLを添加する。アガロースを凝固させた後、トランスフェクションを受けた細胞に対し5%のウシ血清アルブミンを含有するBacVector(登録商標)昆虫培地を2mL加え、細胞を、溶菌斑が目に見えるまで3〜5日間28℃のインキュベータに移す。トランスフェクションから3〜5日後に、28℃のインキュベータ内で約2時間20mg/mLのX−Gluc溶液(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)30μLを含有する2mLのBacVector(登録商標)昆虫培地を用いて洗浄済み単分子層をインキュベートすることによってpBACgus3/BoNT/A−ED−PAR1Tbを含有する組換え型ウイルス溶菌斑の存在についてテストするため、β−グルクロニダーゼリポータ遺伝子活性について単分子層中の溶菌斑を染色することになる。
候補組換え型ウイルス溶菌斑を同定した後、いくつかの候補ウイルス溶菌斑を溶離させ、溶菌斑を精製する。組換え型ウイルスを溶離するためには、無菌のネジ蓋バイアル内で1mLのBacVector(登録商標)昆虫培地(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)に対し無菌のパスツールピペットで、組換え型ウイルス溶菌を含むプラグを移す。22℃で約2時間か又は4℃で約16時間バイアルをインキュベートする。各々の組換え型ウイルス溶菌斑について、2mLのBacVector(登録商標)昆虫培地(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)の入った35mm入りの培養皿の中に2.5×105のSf9細胞を平板固定し、28℃のインキュベータ内で約20分間インキュベーションする。培地を取り出し、200μLの溶離した組換え型ウイルスを添加する。1時間後に、5%のウシ血清アルブミンを含む1%のBacPlaqueアガロース−BacVector(登録商標)2mLを加える。アガロースが凝固した後、5%のウシ血清アルブミンを含むBacVector(登録商標)1mLをトランスフェクション済み細胞に添加し、溶菌斑が目に見えるまで3〜5日間28℃のインキュベータに細胞を移す。トランスフェクションから3〜5日後に、28℃のインキュベータ内で約2時間20mg/mLのX−Gluc溶液(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)30μLを含有する2mLのBacVector(登録商標)昆虫培地を用いて洗浄済み単分子層をインキュベートすることによってpBACgus3/BoNT/A−ED−PAR1Tbを含有する組換え型ウイルス溶菌斑の存在についてテストするため、β−グルクロニダーゼリポータ遺伝子活性について単分子層中の溶菌斑を染色することになる。
ウイルスの種子株を調製するためには、無菌のネジ蓋バイアル内でBacVector(登録商標)(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)1mLに対して無菌のパスツールピペットで組換え型ウイルス溶菌斑を含有するプラグを移すことによって組換え型ウイルスを溶離する。4℃で約16時間バイアルをインキュベーションする。5mLのBacVector(登録商標)(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)の入ったT−25フラスコ内で約5×105のSf9細胞を平板固定し、28℃のインキュベータ内で約20分間インキュベーションする。培地をとり出し300μLの溶離済み組換え型ウイルスを添加する。1時間後、トランスフェクションを受けた細胞に対して5%のウシ血清アルブミンを含有する5mLのBacVector(登録商標)を添加し、大部分の細胞が付着しなくなり不健全になるまで3〜5日間28℃のインキュベータに細胞を移す。15mLのスナップ蓋管に培地を移し5分間1000×gで管を遠心分離してデブリを除去することによってウイルスを収獲する。清澄化した上清を新鮮な15mL入りスナップ蓋管に移し、4℃で保管する。
高力価のウイルス株を調製するためには、10mLのBacVector(登録商標)(EMDバイオサイエンシーズ・ノバゲン、Madison、ウィスコンシン州)が入ったT−75フラスコの中に約2×107個のSf9細胞を平板固定し、28℃のインキュベータ内で約20分間インキュベーションする。培地を取り出し、500μLのウイルス種子株を添加する。1時間後に、トランスフェクションを受けた細胞に対して5%のウシ血清アルブミンを含有する10mLのBacVector(登録商標)を添加し、大部分の細胞が付着しなくなり不健全になるまで3〜5日間28℃のインキュベータに細胞を移す。15mLのスナップ蓋管に培地を移し5分間1000×gで管を遠心分離してデブリを除去することによってウイルスを収獲する。清澄化した上清を新鮮な15mL入りスナップ蓋管に移し、4℃で保管する。高力価ウイルス株は、約2×108〜3×109pfuのバキュロウイルスを含有しているはずである。
バキュロウイルス発現系を用いてgp64−BoNT/A−ED−PAR1Tbを発現するためには、250mLのBacVector(登録商標)を含有する1L入りフラスコの中に約1.25×108個のSf9細胞を播種し、約5×108の細胞密度になるまで軌道振盪装置(150rpm)内で成長させる。高力価株の組換え型バキュロウイルス約2.5×109を培養に接種し、28℃の軌道振盪装置(150rpm)内で約48時間インキュベーションする。管に培地を移し、5分間500×gで管を遠心分離してデブリを除去することにより培地を収獲する。2×LDSの試料緩衝液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)に培地試料を添加し、抗BoNT/A又は抗His抗体のいずれかを使用したウェスタンブロット分析(実施例5に記載されている通り)により発現を測定して、BoNT/A−ED−PAR1Tbを発現するバキュロウイルス株を同定する。
実施例5に記載されている通りに、IMAC手順を用いてBoNT/A−ED−PAR1Tbを精製する。一定量のBoNT/A−ED−PAR1Tbが産生されたか否かを判定するべく、各培養からの発現をブラッドフォード染料検定、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法及びウェスタンブロット分析(実施例5で記載されている通り)によって評価する。
実施例8:哺乳動物細胞中での修飾クロストリジウム毒素の発現
以下の実施例は、哺乳動物細胞中で本明細書中に開示された修飾クロストリジウム毒素のいずれかを発現するために有用な手順を例示している。
修飾クロストリジウム毒素をコードする適切な哺乳動物発現構成体を構築するためには、配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136のポリヌクレオチド分子の5’及び3’末端の中に、作動的に連結されたポリヌクレオチド分子をpSecTag2ベクター(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)内にクローニングするのに適した制限エンドヌクレアーゼ部位を取り込む。このポリヌクレオチド分子を合成し、実施例1に記載された通りpUCBHB1/BoNT/A−ED−PAR1Tb構成体を得る。1)BoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136の読取り枠を含有するインサートを切除し;かつ2)このインサートがpSecTag2ベクターに作動的に連結され得るようにする制限酵素で、この構成体を消化させる。pSecTag2/BoNT/A−ED−PAR1Tbを生成するべく、適切な制限エンドヌクレアーゼで消化されるpSecTag2ベクター内にT4DNAリガーゼ手順を用いてこのインサートをサブクローニングする。熱ショック法を用いてライゲーション混合物を化学的にコンピテントなE.coliDH5α細胞(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)へと形質転換し、100μg/mLのアンピシリン(商標)を含有する1.5%のルリア・ベルターニ寒天平板(pH7.0)上に平板固定し、一晩成長させるために37℃のインキュベータ内に入れる。発現構成体を含む細菌を、アンピシリン耐性コロニーとして同定する。アルカリ溶菌プラスミド少量調製手順を用いて、候補構成体を単離し、制限エンドヌクレアーゼ消化地図作成により分解してインサートの存在及び配向を判定する。このクローニング戦略は、カルボキシル末端c−myc及びポリヒスチジン結合ペプチドに対して作動的に連結された配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号136のポリヌクレオチド分子を含むpSecTag2発現構成体を生成した(図12)。
配列番号85のBoNT/A−ED−PAR1Tbをコードする配列番号109のポリヌクレオチド分子;配列番号86のBoNT/A−ED−PAR1Xaをコードする配列番号110又は配列番号137;配列番号87のBoNT/A−ED−PAR2Tpをコードする配列番号111又は配列番号138のポリヌクレオチド分子;配列番号88のBoNT/A−ED−PAR2Xaをコードする配列番号112又は配列番号139のポリヌクレオチド分子;配列番号89のBoNT/A−ED−PAR3Tbをコードする配列番号113又は配列番号140のポリヌクレオチド分子;配列番号90のBoNT/A−ED−PAR3Xaをコードする配列番号114又は配列番号141のポリヌクレオチド分子;配列番号91のBoNT/A−ED−PAR4Tbをコードする配列番号115又は配列番号142のポリヌクレオチド分子;及び配列番号92のBoNT/A−ED−PAR4Xaをコードする配列番号116又は配列番号143のポリヌクレオチド分子を含むpSecTag2発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
配列番号93のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号117のポリヌクレオチド分子;配列番号94のBoNT/A−TD−PAR1Xaをコードする配列番号118又は配列番号145;配列番号95のBoNT/A−TD−PAR2Tpをコードする配列番号119又は配列番号146のポリヌクレオチド分子;配列番号96のBoNT/A−TD−PAR2Xaをコードする配列番号120又は配列番号147のポリヌクレオチド分子;配列番号97のBoNT/A−TD−PAR1Tbをコードする配列番号121又は配列番号148のポリヌクレオチド分子;配列番号98のBoNT/A−TD−PAR3Xaをコードする配列番号122又は配列番号149のポリヌクレオチド分子;配列番号99のBoNT/A−TD−PAR4Tbをコードする配列番号123又は配列番号150のポリヌクレオチド分子;及び配列番号99のBoNT/A−TD−PAR4Xbをコードする配列番号123又は配列番号150のポリヌクレオチド分子;及び配列番号100のBoNT/A−TD−PAR4Xaをコードする配列番号124又は配列番号151のポリヌクレオチド分子を含むpSecTag2発現構成体を作製するために類似のクローニング戦略が使用される。
配列番号101のBoNT/A−BD−PAR1Tbをコードする配列番号125のポリヌクレオチド分子、配列番号102のBoNT/A−BD−PAR1Xaをコードする配列番号126又は配列番号153のポリヌクレオチド分子;配列番号103のBoNT/A−BD−PAR2Tpをコードする配列番号127又は配列番号154のポリヌクレオチド分子;配列番号104のBoNT/A−BD−PAR2Xaをコードする配列番号128又は配列番号155のポリヌクレオチド分子;配列番号105のBoNT/A−BD−PAR3Tbをコードする配列番号129又は配列番号156のポリヌクレオチド分子;配列番号106のBoNT/A−BD−PAR3Xaをコードする配列番号130又は配列番号157のポリヌクレオチド分子;配列番号107のBoNT/A−BD−PAR4Tbをコードする配列番号131又は配列番号158のポリヌクレオチド分子;及び配列番号108のBoNT/A−BD−PAR4Xaをコードする配列番号132又は配列番号159のポリヌクレオチド分子を含むpSecTag2発現構成体を作るために類似のクローニング戦略が使用される。
細胞系統内で修飾クロストリジウム毒素を過渡的に発現するためには、10%のウシ胎児血清(FBS)、1倍のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及び1倍のMEM可欠アミノ酸溶液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)で補足された3mLの完全ダルベッコ修正イーグル培地(DMEM)が入った35mmの組織培養皿の中に、約1.5×105のSHSY5Y細胞を平板固定し、細胞が約5×105細胞/mlの密度に達するまで5%の二酸化炭素下で37℃のインキュベータ内で成長させる(6〜16時間)。例えばpSecTag2/BoNT/A−ED−PAR1Tbといったような修飾クロストリジウム毒素をコードするpSecTag2発現構成体を5μg含有する250μLのOPTI−MEM血清低減培地に対し、5分間室温でインキュベーションした15μLのLipofectAmine 2000(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)を含有する250μLのOPTI−MEM血清低減培地を添加することにより、500μLのトランスフェクション溶液を調製する。このトランスフェクションを約20分間室温でインキュベーションする。完全な補足済みDMEM培地を2mLのOPTI−MEM血清低減培地で交換し、500μLのトランスフェクション溶液をSH−SY5Y細胞に添加し、細胞を約6〜18時間、5%の二酸化炭素下で37℃のインキュベータ内でインキュベーションする。トランスフェクション培地を3mLの新鮮な完全な補足済みDMEMと交換し、細胞を48時間5%の二酸化炭素下で37℃のインキュベータ内でインキュベーションする。BoNT/A−ED−PAR1Tbの発現分析のため、培地と細胞の両方を収集する。15mL入りのスナップ蓋管に培地を移し、5分間500×gで管を遠心分離してデブリを除去することにより培地を収獲する。pH7.4の100mMのリン酸緩衝食塩水3.0mLで一回細胞を洗い流し、62.6mMの2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1.3−プロパンジオール塩酸(トリス−HCl)、pH6.3及び2%のラウリル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する緩衝液で細胞を溶解させることにより細胞を収獲する。2×LDSの試料緩衝液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)に対して培地及び細胞試料の両方を添加し、BoNT/A−ED−PAR1Tbを発現するpSecTag2構成体を同定するために、抗−BoNT/A、抗−C−myc又は抗−His抗体のいずれかを用いたウェスタンブロット分析(実施例5に記載した通り)により発現を測定する。配列番号86〜配列番号108の修飾クロストリジウム毒素のいずれかをコードするpSecTag2構成体を過渡的に発現するために、類似の手順を使用することができる。
修飾クロストリジウム毒素を発現する安定した形で組込まれた細胞系統を生成するためには、10%のFBS、1倍のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及び1倍のMEM可欠アミノ酸溶液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)で補足された3mLDMEMが入った35mmの組織培養皿の中に、約1.5×105のSHSY5Y細胞を平板固定し、細胞が約5×105細胞/mlの密度に達するまで5%の二酸化炭素下で37℃のインキュベータ内で成長させる(6〜16時間)。例えばpSecTag2/BoNT/A−ED−PAR1Tbといったような修飾クロストリジウム毒素をコードするpSecTag2発現構成体を5μg含有する250μLのOPTI−MEM血清低減培地に対し、5分間室温でインキュベーションした15μLのLipofectAmine 2000(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)を含有する250μLのOPTI−MEM血清低減培地を添加することにより、500μLのトランスフェクション溶液を調製する。このトランスフェクション溶液を約20分間室温でインキュベーションする。完全な補足済みDMEM培地を2mLのOPTI−MEM血清低減培地で交換し、500μLのトランスフェクション溶液をSH−SY5Y細胞に添加し、細胞を約6〜18時間、5%の二酸化炭素下で37℃のインキュベータ内でインキュベーションする。トランスフェクション培地を3mLの新鮮な完全な補足済みDMEMと交換し、細胞を約48時間5%の二酸化炭素下で37℃のインキュベータ内でインキュベーションする。約5μg/mLのゼオシン(商標)、10%のFBS、1×ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及び1×MEM可欠アミノ酸溶液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)を含有する新鮮な完全DMEMで培地を交換する。4〜5日に1回古い培地を新鮮なゼオシン(商標)選択的完全補足済みDMEMで交換しながら、約3〜4週間5%の二酸化炭素下で37℃のインキュベータ内で細胞をインキュベーションする。ひとたびゼオシン(商標)耐性コロニーが確立されたならば、耐性クローンを、細胞が6〜20×105細胞/mLの密度に達するまで、約5μg/mLのゼオシン(商標)、10%のFBS、1倍のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)及び1倍のMEM可欠アミノ酸溶液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)で補足された新鮮な完全DMEMを含有する新しい35mmの培養平板に再度平板固体する。pSecTag2/BoNT/A−ED−PAR1Tbを安定した形で組込んだSH−SY5Y細胞系統からのBoNT/A−ED−PAR1Tbの発現についてテストするためには、各細胞系統からの約1.5×105個のSH−SY5Y細胞を、3mLのゼオシン(商標)選択的な完全補足済みDMEMを含む35mmの組織培養皿内で平板固定し、細胞が約5×105細胞/mlの密度に達するまで5%の二酸化炭素下で37℃のインキュベータ内で成長させる(6〜16時間)。培地を、DMEMで補足された新鮮なゼオシン(商標)選択的な完全補足済みDMEM3mLで交換し、48時間5%の二酸化炭素下で、37℃のインキュベータ内で細胞をインキュベーションする。BoNT/A−c−myc−Hisの発現分析のため、培地と細胞の両方を収集する。15mL入りのスナップ蓋管に培地を移し、5分間500×gで管を遠心分離してデブリを除去することにより培地を収獲する。pH7.4の100mMのリン酸緩衝食塩水3.0mLで一回細胞を洗い流し、62.6mMの2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1.3−プロパンジオール塩酸(トリス−HCl)、pH6.8及び2%のラウリル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する緩衝液で細胞を溶解させることにより細胞を収獲する。2×LDSの試料緩衝液(インビトロジェン、Carlsbad、カリフォルニア州)に対して培地及び細胞試料の両方を添加し、BoNT/A−ED−PAR1Tbを発現するSH−SY5Y細胞系統を同定するために、抗−BoNT/A、抗−C−myc又は抗−His抗体のいずれかを用いたウェスタンブロット分析(実施例5に記載した通り)により発現を測定する。3L入りフラスコを用いて大規模発現のために最高のBoNT/A−ED−PAR1Tb発現レベルを示す確立されたSH−SY5Y細胞を選択する。大規模発現のための手順は、出発体積が約800〜1000mLの完全DMEMであり、全ての試薬の濃度がこの体積について比例的に増大させられるという点を除いて以上で概略的に示された通りである。配列番号86〜配列番号108の修飾クロストリジウム毒素のいずれかをコードするpSecTag2構成体を安定した形で発現するために、類似の手順を使用することができる。
実施例5に記載されている通りに、IMAC手順を用いてBoNT/A−ED−PAR1Tbを精製する。一定量のBoNT/A−ED−PAR1Tbが産生されたか否かを判定するべく、各培養からの発現をブラッドフォード染料検定、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法及びウェスタンブロット分析(実施例5で記載されている通り)によって評価する。
本発明の態様について、開示された実施形態を参考にして記載してきたが、当業者であれば、開示された特定の実施例がこれらの態様をあくまでも例示するものにすぎず、いかなる形であれ本発明を制限するものではないということを容易に認識することだろう。本発明の精神から逸脱することなく、さまざまな修正を行なうことが可能である。