JP5089227B2 - ろ過方法 - Google Patents
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Description
この液相反応において、触媒には、活性炭などの炭素担体に、パラジウム、白金、イリジウムなどの金属を担持した担持金属触媒を用いるのが一般的である。
また、上記液相反応では、目的化合物の採取や、活性が低下した触媒の除去を目的として、反応液と触媒との混合物が、反応器から連続的に取り出される。通常、反応器から取り出された上記混合物は、ろ過により反応液と触媒とに分離され、その後、反応液は反応器内に戻され、触媒は、例えば、そのまま、または賦活処理後に、反応器内に戻される。このため、上記混合物のろ過により反応液と触媒とを効率よく分離することが重要である。
そこで、本発明の目的は、ニトロベンゼンの水素添加によりアニリンを製造する液相反応の反応液と触媒との混合物から、効率よく触媒を分離するためのろ過方法を提供することにある。
上記ろ過方法は、上記液相反応の反応工程において、反応液と触媒との混合物が連続的に取り出される場合にも好適である。
炭素担体は、アニリンとの相互作用が大きく、アニリンと強く吸着することから、反応液にアニリンが含まれている場合には、反応液と触媒との混合物の粘性が極めて高くなり、そのろ過に要する時間が長くなる。
本発明のろ過方法では、前記2次ろ過器への前記スラリーの供給前に、前記2次ろ過器内に堆積している触媒を攪拌しながらスチームを吹き込むことが好適である。
本発明のろ過方法では、前記1次ろ過器の入口側圧力(ゲージ圧)を0.5MPa−G以下、入口側圧力と出口側圧力との差圧を0.5MPa以下、およびろ過温度を5〜150℃となるようにして1次ろ過することが好適である。
本発明のろ過方法では、前記逆洗浄時に、前記1次ろ過器にガスを供給しながら、前記ろ材に付着した触媒を、前記1次ろ過器に残存している反応液、または前記1次ろ過器に供給される洗浄液とともに、前記2次ろ過器へと洗い出すことが好適である。
図1において、この装置1は、ニトロベンゼンの液相での水素添加反応に適用される反応装置2と、この反応装置2における液相反応の反応工程で抜き出された反応液と触媒との混合物のろ過に適用されるろ過装置3と、を備えている。
液相反応槽4は、液相でのニトロベンゼンの水素添加によりアニリンを生成することができる反応槽であれば特に限定されず、各種の反応槽が挙げられる。
ニトロベンゼン供給ライン5は、その下流側端部が、液相反応槽4内に配置されている。また、このニトロベンゼン供給ライン5の上流側端部には、原料液源としてのニトロベンゼン源が接続されている。
触媒供給ライン7は、その下流側端部が、液相反応槽4内に配置されている。また、この触媒供給ライン7の上流側端部には、触媒源が接続されている。
炭素担体としては、特に限定されないが、例えば、活性炭が挙げられる。
炭素担体に金属が担持している担持金属触媒の好適例としては、例えば、炭素担持パラジウム触媒、詳しくは、例えば、活性炭にパラジウムが担持した触媒が挙げられる。
反応生成物取出しライン9は、その上流側端部が、液相反応槽4の頂部に接続されている。反応生成物取出しライン9は、液相反応槽4から、過剰に供給された未反応の水素ガスと、この未反応の水素ガスに同伴された反応生成物とを、それぞれ蒸気として取り出す。
ろ過装置3は、反応液抜出しライン8に対して並列に接続されている2つの1次ろ過装置11,12と、各1次ろ過装置11,12の下流側に配置されている2次ろ過装置13と、を備えている。
切替えバルブ14は、反応液抜出しライン8の下流側端部と接続している。
接続ライン15は、その上流側端部が切替えバルブ14に接続されており、その下流側端部が、1次ろ過装置11における1次ろ過器17に接続されている。
切替えバルブ14は、液相反応槽4から、反応液抜出しライン8および接続ライン15を介した1次ろ過装置11への接続と、液相反応槽4から、反応液抜出しライン8および接続ライン16を介した1次ろ過装置12への接続とを、切り替える。これにより、2つの1次ろ過装置11,12が、反応液10と触媒との混合物の1次ろ過処理に、交互に使用され、上記混合物が連続的に1次ろ過される。
1次ろ過器17は、2つの接続ライン15,16の下流側端部に、それぞれ接続されている。
1次ろ過器17は、上記混合物をろ過し、反応液10と、触媒とに分離することができるろ過器である。1次ろ過器17は、このようなろ過器であれば特に限定されず、各種のろ過器が挙げられる。例えば、図示の1次ろ過器17は、内部にろ材18を備える、耐圧性の槽などから構成される。
ろ材18としては、特に限定されず、各種ろ材が挙げられるが、なかでも好ましくは、焼結フィルタが挙げられる。また、ろ材の孔径(目開き)は、特に限定されないが、好ましくは、1〜10μmである。
この反応液回収ライン19は、1次ろ過器17のろ材18を通過して上記混合物中の触媒と分離された反応液10を回収する。回収された反応液10は、例えば、液相反応での副生物や、その他の不純物を除去し、反応装置2での液相反応における反応液10として再利用される。
この1次ろ過用ストップバルブ20は、1次ろ過器17による1次ろ過時には、第1ろ過器17から反応液回収ライン19へのろ液の通過を許容し、ろ材18の逆洗浄時には、第1ろ過器17と反応液回収ライン19との接続を遮断する。また、1次ろ過用ストップバルブ20は、後述するように、1次ろ過器17が切替えバルブ14による切り替えに備えて待機中である場合に、反応液回収ライン19からのろ液の侵入を防止する。
このガス供給ライン21は、ろ材18の逆洗浄時に、1次ろ過器17内へとガスを供給する。これにより、ろ材18に対し、ろ過方向と逆の方向にガスが吹き付けられる。
ガス供給ライン21から供給されるガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスや、空気などが挙げられる。なかでも、逆洗浄処理の安全性の観点より、好ましくは、窒素ガスなどの不活性ガスが挙げられ、さらに好ましくは、窒素ガスが挙げられる。
この洗浄液供給ライン22は、ろ材18の逆洗浄時には、1次ろ過器17内へと洗浄液を供給する。これにより、ろ材18に対し、ろ過方向とは逆の方向から洗浄液が供給される。
洗浄液供給ライン22から供給される洗浄液としては、特に限定されないが、逆洗浄の処理性能や、逆洗浄処理後における反応液や洗浄液のリサイクル性の観点より、好ましくは、水が挙げられる。
逆洗浄用ストップバルブ24は、各1次ろ過器17に対応して、ケーク取出しライン23の途中に、それぞれ介在されている。
この逆洗浄用ストップバルブ24は、1次ろ過器17による1次ろ過時に閉じられて、第1ろ過器17とケーク取出しライン23との接続を遮断し、ろ材18の逆洗浄時に開放されて、第1ろ過器17とケーク取出しライン23との接続を許容する。
また、以上の説明では、液相反応槽4から、反応液10と触媒との混合物を連続的に抜き出す場合を説明した。このように、反応液10を連続的に抜き出すことで、液相反応槽4内での反応液10の液量変化や組成変化を抑制でき、液相反応槽4内での液相反応を安定させることができる。一方、反応液10と触媒との混合物の抜き出しは、連続的にする場合に限定されず、例えば、バッチ処理により、間欠的にしてもよい。この場合には、1次ろ過装置を1つとすることができる。
2次ろ過器25は、ケーク取出しライン23の下流側端部に接続されている。
2次ろ過器25には、1次ろ過器17のろ材18の逆洗浄により生じたスラリー(1次ろ過器17のろ材18に付着した触媒のケークを再スラリー化したもの)が、ケーク取出しライン23を経て送り込まれる。
2次ろ過器25のろ材(図示せず)としては、特に限定されず、各種ろ材が挙げられるが、なかでも好ましくは、ろ布が挙げられる。また、ろ材の孔径(目開き)は、特に限定されないが、好ましくは、1〜30μmである。
このスチーム供給ライン27は、ケーク取出しライン23から2次ろ過器25へのスラリーの供給前に、2次ろ過器25内へとスチームを供給する。これにより、2次ろ過器25内や、2次ろ過器25内に堆積された触媒のケークにスチームが吹き込まれ、これらが予め加温される。
加圧用ガス供給ライン28は、2次ろ過器25内に接続されている。
この加圧用ガス供給ライン28は、2次ろ過時に、加圧ろ過するためのガスを2次ろ過器25内へと供給する。
ろ液回収ライン29は、2次ろ過器25に接続されている。
2次ろ過用ストップバルブ31は、ろ液回収ライン29の途中に介在されている。
この2次ろ過用ストップバルブ31は、2次ろ過器25による2次ろ過時に開放されて、第2ろ過器25からろ液回収ライン29へのろ液の通過を許容する。
この触媒回収ライン30は、2次ろ過器25のろ材に捕捉された触媒を回収する。回収された触媒は、そのままの状態で、もしくは賦活処理後に、反応装置2での液相反応の触媒として再利用されるか、または廃触媒とされた後、担体に担持されている固体触媒の金属類(例えば、上記の遷移金属元素など)が再利用される。
次に、図1に示す装置を参照し、本発明のろ過方法の一実施形態を具体的に説明する。
この方法では、予め、反応装置2の液相反応槽4に対し、溶媒であるアニリンが仕込まれる。そして、この液相反応槽4内に、ニトロベンゼン供給ライン5から原料液であるニトロベンゼンを供給し、水素ガス供給ライン6から原料ガスである水素ガスを供給し、かつ、触媒供給ライン7から触媒としての炭素担持金属触媒を供給することにより、気液接触反応を開始する。
触媒は、反応液10とともに、液相反応槽4から反応液抜出しライン8を経て、連続的に抜き出され、一方で、触媒供給ライン7から液相反応槽4内へと、連続的に、または間欠的に補充される。触媒の補充量は、液相(反応液)に対する触媒の含有割合が、例えば、0.001〜2.0重量%となるように、適宜設定される。
液相反応槽4の反応温度(反応液10の温度)は、150〜250℃に、液相反応槽4内の圧力(ゲージ圧)は、0.3〜1.5MPa−Gに、それぞれ設定される。
反応生成物と、未反応のニトロベンゼンの一部とは、過剰の水素ガスに同伴され、蒸気として反応生成物取出しライン9へ排出される。
液相反応槽4内の反応液10と、触媒とは、反応液抜出しライン8を経て、連続的に抜き出される。
より具体的に、例えば、ニトロベンゼン供給量が1T/h(トン/時)であれば、反応液10の抜出し量は、平均で0.01〜0.5T/h、好ましくは、平均で0.05〜0.2T/hである。
1次ろ過時には、まず、反応液回収ライン19上の1次ろ過用ストップバルブ20を開き、ケーク取出しライン23上の逆洗浄用ストップバルブ24を閉じ、さらに、切替えバルブ14により、反応液抜出しライン8と接続ライン15との接続を許容する。これにより、反応液10と触媒との混合物を、反応液抜出しライン8と、接続ライン15とを介して1次ろ過器17内に供給し、1次ろ過する。なお、このとき、他方の一次ろ過装置12は、切替えバルブ14による切り替え後の1次ろ過に備えて待機する。
1次ろ過器17の入口側圧力、入口側圧力と出口側圧力との差圧、およびろ過温度を上記範囲に設定することで、効率よく1次ろ過して、触媒から反応液10を分離することができる。
1次ろ過器17に送り込まれた反応液10と触媒との混合物のうち、反応液10は、ろ材18を通過する。ろ材18を通過した反応液10は、反応液回収ライン19を経て回収する。
反応液回収ライン19から回収された反応液10は、液相反応時の副生物や、その他の不純物などを除去した上で、液相反応槽4内に供給し、液相反応の溶媒として再利用する。
ろ材18に捕捉された触媒は、反応液10中のアニリンなどが吸着した粘性の高いケークである。このため、ろ材18に付着した触媒の量が多くなると、ろ材18に目詰まりが生じやすくなり、反応液10が通過しにくくなる。そこで、ろ材18に付着したケークの量の増加と、それに伴うろ過性能の低下に応じて、ろ材18を逆洗浄する。
そこで、予め、1次ろ過器17の入口側圧力やろ過線速度の閾値を設定しておき、これらの計測結果が予設定閾値に達したときに、1次ろ過器17での1次ろ過を中断し、ろ材18を逆洗浄する。
ろ材18の逆洗浄時には、まず、逆洗浄の対象となる一方の1次ろ過装置11について、ケーク取出しライン23上の逆洗浄用ストップバルブ24を閉じ、反応液回収ライン19上の1次ろ過用ストップバルブ20を閉じる。次に、待機していた他方の1次ろ過装置12について、反応液回収ライン19上の1次ろ過用ストップバルブ20の開放と、切替えバルブ14の切替え(反応液抜出しライン8から、接続ライン15を介した1次ろ過装置11との接続と、接続ライン16を介した1次ろ過装置12との接続への切り替え)とを行う。
次いで、一方の1次ろ過装置11について、ケーク取出しライン23上の逆洗浄用ストップバルブ24を開き、ガス供給ライン21から窒素ガスを供給しながら、1次ろ過器17内に残存している反応液10と、窒素ガスとで、ろ材18に付着しているケークをケーク取出しライン23へと流し出す。
なお、洗浄液による逆洗浄の際には、一旦、ガス供給ライン21からの窒素ガスの供給を停止し、逆洗浄用ストップバルブ24を閉じて、洗浄液供給ライン22から1次ろ過器17内へと水(洗浄液)を供給し、1次ろ過器17内を水で満たしてもよい。この場合、1次ろ過器17内に洗浄液を充填後、ガス供給ライン21からの窒素ガスの供給を再開し、逆洗浄用ストップバルブ24を開放することにより、水と窒素ガスとで、ろ材18に付着している触媒のケークをケーク取出しライン23へと流し出す。
こうして、1次ろ過器17のろ材18に付着した触媒のケークが、ろ材18から分離される。触媒のケークは、逆洗浄時に、1次ろ過器17内の反応液10、または洗浄液供給ライン22から供給される洗浄液によって再スラリー化され、ケーク取出しライン23を経て、後述する2次ろ過器25へと送り込まれる。
この方法では、2次ろ過装置13における2次ろ過に先立って、2次ろ過器25に対し、スチームが吹き込まれる。具体的には、ろ液回収ライン29上の2次ろ過用ストップバルブ31を開き、スチーム供給ライン27から2次ろ過器25へとスチームを吹き込む。
スチーム供給ライン27から2次ろ過器25内へと吹き込まれるスチームによって、2次ろ過器25内や、2次ろ過器25内に予め堆積されているケークが加温される。
2次ろ過器25内に、既に触媒のケークが堆積されているときには、スチームの供給により、2次ろ過器25内に堆積されているケークの温度が、上記範囲となるように調節することが好ましい。
また、2次ろ過器25内に堆積されているケークをスチームで加温することにより、ケークに付着している反応液10(とりわけ、アニリン)を、触媒から分離しやすくすることができ、その結果、触媒スラリーの粘性を大幅に低下させることができる。このため、2次ろ過時の触媒と反応液10との分離効率を、より一層向上させることができる。
この場合においても、ケークに付着している反応液10(とりわけ、アニリン)を、触媒から分離しやすくすることができ、2次ろ過時の触媒と反応液10との分離効率を、より一層向上させることができる。
2次ろ過時には、ケーク取出しライン23から、予めスチームが吹き込まれた2次ろ過器25へと、1次ろ過器17のろ材18の逆洗浄により生じたスラリーを供給する。
2次ろ過時には、例えば、2次ろ過器25の入口側圧力(ゲージ圧)を、0.5MPa−G以下、好ましくは、0.2〜0.5MPa−Gとし、ろ過温度を、70〜150℃とする。
2次ろ過により、2次ろ過器25のろ材を通過して、触媒と分離されたろ液は、ろ液回収ライン29を経て回収される。回収されたろ液には、例えば、液相反応での副生物や、その他の不純物や、逆洗浄処理に用いられた洗浄水などが含まれている。そこで、回収されたろ液は、そのままの状態で、または、不純物、洗浄水などを除去後、反応装置2での液相反応における反応液10として再利用される。
上記のろ過方法によれば、2次ろ過器25内へのスチームの吹込みにより、2次ろ過に要する時間を短縮でき、触媒と反応液10との分離を促進することができる。
また、上記のろ過方法において、具体的に、1次ろ過器17のろ材18に捕捉された触媒のケークは、水分を10重量%程度含んでいる状態で、アニリンの含有割合が、50重量%程度である。これに対し、上記ろ過方法による2次ろ過後において、2次ろ過器25に堆積される触媒のケークでは、水分を50重量%程度含んでいる状態で、アニリンの含有割合が、5重量%以下となる。
上記の説明においては、2次ろ過器25をスチームにより予熱したが、例えば、2次ろ過器25内に残渣が貯留されていない場合(例えば、2次ろ過器25内に堆積した触媒ケークの除去後)においては、スチーム供給ライン27から供給されるスチーム以外の手段によって、2次ろ過器25内を予熱してもよい。具体的には、例えば、ヒータ、ジャケット加熱により、2次ろ過器25自体を加温してもよい。
それゆえ、上述のろ過方法は、液相反応でのニトロベンゼンの水素添加によるアニリンの製造において、反応液と触媒とを分離するためのろ過方法として好適である。
参考例1(反応装置における液相反応例および1次ろ過装置における1次ろ過)
図1に示す反応装置2の液相反応槽4内に、予め、アニリン350重量部と、触媒0.070重量部と、を投入した。触媒には、活性炭にパラジウムを5重量%の割合で担持させたものを用いた。
反応液10の温度と、液相反応槽4内の圧力は、それぞれ一定に保ち、液相反応槽4内で発生する蒸気は、反応生成物取出しライン9から取り出し、コンデンサ(図示せず)で凝縮して、受器に抜き出した。
1次ろ過後のろ液を反応液回収ライン19から回収し、ガスクロマトグラフィで組成を分析した。分析結果(重量割合)を以下に示す。
反応液の成分分析結果(検出限界0.1ppm)
反応生成物(溶媒):アニリン90.4%
反応原料:ニトロベンゼン1.0%
副生物:シクロヘキシルアミン7ppm、シクロヘキサノン350ppm、N−フェニルシクロヘキシルアミン7.6%。
触媒(活性炭にパラジウムを5重量%の割合で担持させたもの)23.5重量部と、上記参考例1での1次ろ過後のろ液476.5重量部とを混合し、触媒のスラリーを得た。
次いで、このスラリー476.5重量部を、ケーク取出しライン23から2次ろ過器25内に導入して、2次ろ過した。
次に、2次ろ過器25のろ材に捕捉された触媒のケークをそのままの状態として、上記スラリーを、ケーク取出しライン23から2次ろ過器25内に導入し、2回目の2次ろ過した。さらに、同様の操作を2回繰り返した。最後の4回目の2次ろ過に要した時間は、360秒であった。
その結果、採取されたケークには、水分が11.7重量%、アニリンが55.4重量%含まれていた。
比較例1において、4回目の2次ろ過処理後、ろ液回収ライン29上の2次ろ過用ストップバルブ31を開いて、スチーム供給ライン27から、温度120℃、圧力(ゲージ圧)0.2MPa−Gのスチームを5分間供給して、2次ろ過器25内を加温した。スチーム供給時の2次ろ過器25内の温度は、98℃であった。
5回目(スチーム処理後)の2次ろ過に要した時間は、100秒であった。
また、5回目(スチーム処理後)の2次ろ過後に、2次ろ過器のろ材に捕捉された触媒のケークを採取し、成分を分析した。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
Claims (5)
- ニトロベンゼンの水素添加によりアニリンを製造する液相反応において、前記液相反応の反応液と触媒との混合物を1次ろ過器で1次ろ過した後、逆洗浄により、前記1次ろ過器のろ材に付着したケークを前記ろ材から分離し、次いで、逆洗浄により生成したスラリーを、予めスチームが吹き込まれた2次ろ過器へ供給し、2次ろ過することを特徴とする、ろ過方法。
- 前記触媒が、炭素担体に金属が担持している担持金属触媒であることを特徴とする、請求項1に記載のろ過方法。
- 前記2次ろ過器への前記スラリーの供給前に、前記2次ろ過器内に堆積している触媒を攪拌しながらスチームを吹き込むことを特徴とする、請求項1または2に記載のろ過方法。
- 前記1次ろ過器の入口側圧力(ゲージ圧)を0.5MPa−G以下、入口側圧力と出口側圧力との差圧を0.5MPa以下、およびろ過温度を5〜150℃となるようにして1次ろ過することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のろ過方法。
- 前記逆洗浄時に、前記1次ろ過器にガスを供給しながら、前記ろ材に付着した触媒を、前記1次ろ過器に残存している反応液、または前記1次ろ過器に供給される洗浄液とともに、前記2次ろ過器へと流し出すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のろ過方法。
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