JP5088572B2 - 転がり軸受の製造方法 - Google Patents

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本発明は、一対の軌道部材と複数の転動体とを含み、両軌道部材間に区画される領域に固形潤滑剤が充填された転がり軸受を製造するための製造方法に関するものである。
通常、一対の軌道部材と複数の転動体とを含む転がり軸受の潤滑には、前記両軌道部材間に区画される領域に充填した潤滑油やグリース等の潤滑剤が用いられる。しかし前記潤滑剤は、前記領域への水や塵埃等の浸入に対しては無力である。そこで前記領域に、樹脂と潤滑剤との混合物からなる固形の潤滑剤(固形潤滑剤)を充填する場合がある。固形潤滑剤は、前記領域に充填された状態で水や塵埃等の浸入を防止するシール部材として機能しながら、それ自体が内包する潤滑剤の作用によって良好な潤滑性を発現する。
固形潤滑剤は、例えばその前駆体としての、潤滑剤と熱可塑性樹脂の粉末との混合物、もしくは潤滑剤と熱硬化性樹脂との混合物(いずれも流動性を有する)を前記領域に充填したのち加熱して、熱可塑性樹脂の粉末を焼結させるかまたは熱硬化性樹脂を硬化反応させることで固化されて、一対の軌道部材の前記領域に臨む面(軌道面)や複数の転動体の表面等に沿い、かつ前記領域を充填する複雑な立体形状に形成される。
熱可塑性樹脂としては、例えば超高分子量ポリエチレン等の、耐油性に優れると共に転がり軸受の使用温度で溶融しない高融点の熱可塑性樹脂が挙げられ、熱硬化性樹脂としては熱硬化性ポリウレタン等が挙げられる。
特開平6−193639号公報
前記従来の固形潤滑剤を用いた転がり軸受を製造するに際しては、固形潤滑剤の前駆体を充填した転がり軸受を、熱可塑性樹脂の融点以上、または熱硬化性樹脂が硬化反応する温度まで加熱する必要がある。しかしこのいずれの温度も150℃以上の高温であるため、あらかじめ焼入れ処理等を経て所定の硬度に設定された軌道部材の軌道面や転動体の表面が前記加熱工程において焼戻されてその表面硬度が低下したり、それを防止するために焼入れの温度を高めに設定する必要を生じたりするという問題がある。
また、樹脂を焼成または硬化反応させるべく150℃以上に加熱したのち冷却するには長時間を要するため、転がり軸受の生産性が低下するという問題もある。
本発明の目的は、加熱による前記種々の問題を生じることなく、一対の軌道部材間に区画される領域が固形潤滑剤によって充填された転がり軸受を製造するための製造方法を提供することにある。
本発明は、互いの間に環状の領域(2)を区画する一対の軌道部材(3)(4)と、前記領域に配置され両軌道部材に対して転動する複数の転動体(5)とを含み、前記領域が転動体を挟んで背向する2方向において一対の軌道部材間で開口されていると共に、前記領域に固形潤滑剤(8)が充填された転がり軸受(1)の製造方法であって、
前記両開口(18)(19)に、その少なくとも一方の少なくとも一部が特定のエネルギー線を透過しうる材料によって形成され、固形潤滑剤の、両開口に臨む面の形状を規定するための治具(20)(21)をそれぞれ嵌め合わせると共に、両治具で区画される領域に、前記エネルギー線の照射によって硬化反応して固形潤滑剤となる前駆体(22)として、潤滑剤と、エネルギー線の照射によって硬化反応する硬化性樹脂とを、前記前駆体の総量に対する硬化性樹脂の割合が10質量%以上、80質量%以下となるように混合した混合物を充填する工程と、
前記治具のうちエネルギー線を透過しうる材料からなる部分を通してエネルギー線を照射して前駆体を硬化反応させることにより固形潤滑剤を形成する工程とを含むことを特徴とするものである(請求項1)。なおカッコ内の英数字は、後述の実施の形態における対応構成要素等を表す。
本発明によれば、固形潤滑剤の前駆体として、前記のように潤滑剤と、エネルギー線の照射によって硬化反応する硬化性樹脂とを前記所定の割合で含む混合物を用いることにより、前記エネルギー線を照射するだけで前駆体を速やかに、かつ良好に硬化反応させて固形潤滑剤を形成できるため、前記固形潤滑剤の形成時に、転がり軸受の全体を例えば150℃以上といった高温に加熱する工程をなくすることができる。
そのため転がり軸受の製造工程において、あらかじめ焼入れ処理等を経て所定の硬度に設定された軌道部材の軌道面や転動体の表面が焼戻されてその表面硬度が低下するおそれがなくなり、それを防止するために焼入れの温度を高めに設定する必要もなくすることができる。また、長時間を要する加熱工程が省略される上、硬化性樹脂の重合反応等による前駆体の硬化反応は極めて短時間で進行するため、転がり軸受の生産性を向上することもできる。しかも、形成した固形潤滑剤に良好な潤滑性を付与することもできる。
また本発明では、一対の軌道部材間に区画される領域の、転動体を挟んで背向する2方向の開口を、いずれも、それぞれの開口に嵌め合わされる治具で外部と区画した状態で、前記領域内に充填された前駆体を硬化反応させて固形潤滑剤が形成され、前記固形潤滑剤の、両開口に臨む面の形状が治具によって所定の形状に規定される。そのため、前記領域内に充填される個体潤滑剤の形状と量とを常に一定に保つこともできる。
したがって、例えば固形潤滑剤の形状や量がばらついて、転がり軸受の回転トルクに影響を及ぼしたり、固形潤滑剤の量が不足して潤滑性能が低下したりするのを防止することができる。また、余剰の固形潤滑剤を研磨等によって除去して形状と量とを調整する工程を省略して、転がり軸受の生産性をさらに向上することもできる。
前記治具を使用しない場合には、例えば一対の軌道部材間に区画される領域の一方の開口をあらかじめシール部材を組み込んで閉じた状態で、他方の開口を通して前記領域内に前駆体を流し込み、次いで前記他方の開口を通して前駆体にエネルギー線を照射して硬化反応させることが考えられる。
しかしその場合には、流し込む前駆体の量や他方の開口側の固形潤滑剤の形状がばらつきやすく、前記ばらつきが生じた場合には先に説明した種々の問題を生じる他、通常、軌道面や転動体の表面は良好な転がりを確保するべく鏡面に仕上げられるため、前記鏡面でのエネルギー線の反射によって領域内の殆どの部分において前駆体を硬化反応させることができるものの、シール材の表面はエネルギー線を反射しないゴム等で形成されるため、特に転動体の陰になる部分で前駆体を十分に硬化反応させることができないといった問題を生じるおそれもある。
これに対し本発明によれば、例えば前記一対の治具の両方の少なくとも一部(好ましくは全体)をエネルギー線を透過しうる材料によって形成し、前記両方の治具のエネルギー線を透過しうる部分を通してエネルギー線を照射することで陰になる部分をなくして、前記領域内の全ての前駆体を良好に硬化反応させることができる。
なお一対の治具のうち少なくとも一方の少なくとも一部は、エネルギー線を透過しない材料によって形成してもよいが、その場合には、前記部分の前記領域に臨む面をエネルギー線を反射しうる鏡面とするのが好ましい(請求項2)。これにより前記鏡面でエネルギー線を反射させることで陰になる部分をなくして、前記領域内の全ての前駆体を良好に硬化反応させることができる。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の製造方法によって製造される一実施形態に係る転がり軸受1の断面図である。転がり軸受1は、互いの間に環状の領域2を区画する一対の軌道部材としての内輪3および外輪4と、前記領域2に配置され内輪3および外輪4に対して転動する複数の転動体としてのボール5と、領域2に配置され、各ボール5を保持するためのポケット6を有する保持器7と、領域2に充填された連続状の固形潤滑剤8と、固形潤滑剤8を挟んだ両側に配置され、外輪4に固定されて内輪3と摺接する一対の環状のシール部材9、10とを備えている。
固形潤滑剤8は、両輪3、4間に一対のシール部材9、10で区画された領域2内に略一杯となるように充填されている。各シール部材9、10と固形潤滑剤8との間には隙間が形成されている。図2は、シール部材9、10を取り外した状態での転がり軸受1の正面図である。図2を参照して、固形潤滑剤8は全体が連続して形成されている。
図1を参照して、この例では内輪3、外輪4、ボール5および保持器7の、それぞれ固形潤滑剤8と接する表面に潤滑剤の膜11が形成されている。また図示していないが、内輪3の軌道面12と外輪4の軌道面13にも潤滑剤の膜11が形成されている。またポケット6とボール5との間には固形潤滑剤8の介在を回避した状態で潤滑剤の膜11が形成されている。
これにより、転がり軸受1の回転トルクを大幅に低減できる。また、前駆体を硬化反応させて固形潤滑剤8を形成した直後の転がり軸受1を回転させて、固形潤滑剤8を、前記転がり軸受1を構成する各部から剥離する工程を省略できる。
潤滑剤の膜11を形成するには、例えば領域2に固形潤滑剤8のもとになる前駆体を充填する前の転がり軸受1を潤滑剤に浸漬する等して、前記各部の表面に潤滑剤の膜11を形成した状態で、前記前駆体を領域2に充填して硬化反応させればよい。
各シール部材9、10は、環状の芯金14と、この芯金14に焼き付けられた環状のゴム体15とを有している。各シール部材9、10は、その外周部が外輪4の両端面に形成した溝部16に嵌められて固定されており、内周部が内輪3の両端面に形成した凹面部17に弾力的に接触している。
図3は、本発明の製造方法の一工程を示す概略断面図である。図1ないし図3を参照して、この例の製造方法では前記内輪3、外輪4、ボール5、および保持器7を組み立てて転がり軸受1を構成し、前記転がり軸受1の内輪3および外輪4によって区画された環状の領域2の、ボール5を挟んで背向する2方向の開口18、19にぞれぞれ治具20、21を嵌め合わせて前記領域2を区画する。
また区画された領域2には、固形潤滑剤8のもとになる前駆体22を充填する。前駆体22は、治具20、21との間にできるだけ隙間を生じないように充填する必要がある。
そのため、例えば図において下側の治具21を開口19に嵌め合わせて前記開口19を閉じた状態で、領域2内に所定量の前躯体22を注入後、減圧下で上側の治具20を開口18に嵌め合わせたり、常圧下でも、気泡が残らないように治具20を開口18に対して最初は傾斜させながら嵌め合わせたりする。
また治具20の一部に気泡抜きの孔を設けておき、前記治具20を開口18に嵌め合わせた後に前記孔を閉じたり、領域2内に所定量以上の前駆体22を注入しておき、余剰の前駆体22を開口18から溢れ出させながら治具20を嵌め合わせたりしてもよい。
治具20、21は、前記領域2に臨む面が、固形潤滑剤8の両開口18、19に臨む面の形状を、例えば図1に示す形状に規定するための賦形面とされると共に、少なくとも一方の少なくとも一部が特定のエネルギー線を透過しうる材料によって形成される。また図2を参照して治具20、21は、両開口18、19に対応して環状に形成される。
例えば照射する特定のエネルギー線が紫外線である場合、治具20、21を形成する紫外線透過性を有する材料としてはガラス、プラスチック等が挙げられる。
図3を参照して、例えば図において上側の治具20の少なくとも一部(好ましくは全体)を前記ガラス、プラスチック等によって形成し、先に説明したように開口18、19に治具20、21を嵌め合わせると共に領域2内に前駆体22を充填した状態で、前記治具20の外部(図では上方)に配置した紫外線ランプ23を点灯させると、それによって発生した紫外線が治具20を通して領域2内の主にボール5より上側の前駆体22に照射される。
またこの際、下側の治具21の少なくとも一部(好ましくは全体)を同様にガラス、プラスチック等によって形成し、図中に二点鎖線で示すように下側にも紫外線ランプ23を配置して同時に点灯させると、それによって発生した紫外線が治具21を通して領域2内の主にボール5より下側の前駆体22に照射される。そのため領域2内の前駆体22の全体をほぼ同時に硬化反応させて固形潤滑剤8を形成できる。
紫外線ランプ23は、環状の開口18、19の全体を同時に照射できる大きさに形成してもよいし、前記開口18、19の一部のみに照射できる大きさに形成してもよい。後者の場合、例えば転がり軸受1を、その中心軸線24を中心として回転させることで、開口18、19の全体に紫外線を照射できる。
また紫外線ランプ23は上側にのみ配置し、先ず開口18側のみ紫外線を照射した後、転がり軸受1を上下反転させて開口19側に紫外線を照射するようにしてもよい。
また開口19の下に紫外線を反射しうる反射板を配設して、治具21を通して外へ出た紫外線を領域2内に戻すようにしてもよい。この場合も、領域2内の前駆体22の全体をほぼ同時に硬化反応させて固形潤滑剤8を形成できる。
また治具21は紫外線を透過しない材料、例えば金属によって形成しても良い。その場合、前記治具21の領域2に望む面を紫外線を反射しうる鏡面とすると、上側の紫外線ランプ23から治具20を通して照射した紫外線を、同様に鏡面とされた内輪3の軌道面12、外輪4の軌道面13、およびボール5の表面と共に領域2内で反射させて、前記ボール5の下の陰になる部分にまで行き渡らせることができる。そのため、領域2内の前駆体22の全体をほぼ同時に硬化反応させて固形潤滑剤8を形成できる。
固形潤滑剤8を形成した後、開口18、19から治具20、21を取り外すと転がり軸受1が完成する。また先に説明したように、前記工程に供する転がり軸受1をあらかじめ潤滑剤に浸漬等しておくと、前記工程において形成される固形潤滑剤8と、転がり軸受1を構成する各部との間に潤滑剤の膜11を形成できる。
固形潤滑剤8のもとになる前駆体22は、潤滑剤とエネルギー線の照射によって硬化反応する硬化性樹脂との混合物である。このうち潤滑剤としては潤滑油およびグリースがいずれも使用できる。潤滑油としては鉱油、合成炭化水素油〔例えばポリαオレフィン油(PAO)〕、シリコーン油、フッ素油、エステル油(ジエステル油、ポリオールエステル油等)、エーテル油(アルキルジフェニルエーテル油等)、パラフィン油、鉱油等が挙げられる。潤滑基油は、それぞれ単独で使用できる他、2種以上を併用しても良い。
グリースとしては、前記潤滑油と増ちょう剤とを含むものが挙げられ、増ちょう剤としては、石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤、有機系増ちょう剤、無機系増ちょう剤等の、従来公知の種々の増ちょう剤が挙げられる。
このうち、石けん系増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、カルシウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん等の金属石けん型増ちょう剤、リチウム−カルシウム石けん、ナトリウム−カルシウム石けん等の混合石けん型増ちょう剤、アルミニウムコンプレックス、カルシウムコンプレックス、リチウムコンプレックスナトリウムコンプレックス等のコンプレックス型増ちょう剤等が挙げられ、特にリチウムステアレート等のリチウム石けんが好ましい。
また、ウレア系増ちょう剤としてはポリウレア等が挙げられ、有機系増ちょう剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナトリウムテレフタラート等が挙げられる。さらに無機系増ちょう剤としては、有機ベントナイト、グラファイト、シリカゲル等が挙げられる。
前記潤滑油またはグリースには、必要に応じて、フッ素樹脂(PTFE等)、二硫化モリブデン、グラファイト、ポリオレフィン系ワックス(アマイド等を含む)等の固体潤滑剤、リン系や硫黄系の極圧添加剤、トリブチルフェノール、メチルフェノール等の酸化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤、油性剤等を添加してもよい。
硬化性樹脂のうち紫外線の照射によって硬化反応する紫外線硬化性樹脂としては、樹脂の前駆体としてのオリゴマーないしモノマーと、紫外線の照射によって前記オリゴマーないしモノマーを重合反応させる光重合開始剤とを含むものが挙げられる。また紫外線硬化性樹脂には、必要に応じて光重合促進剤、着色剤(顔料、染料等)、重合禁止剤、消泡剤、カップリング剤、溶剤、チキソ性付与剤、ポリマー、充てん剤、レベリング剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
前記のうちオリゴマーは、主に樹脂の主要な骨格を構成する。またモノマーは、主に重合性希釈剤として、前駆体22の流動性や粘度を調整したり、樹脂の重合度、架橋度等を調整したりするために機能する。前記オリゴマーないしモノマーとしては、主にラジカル重合性のものとカチオン重合性のものが用いられる。
このうちラジカル重合性のオリゴマーとしては、例えばエポキシアクリレート、カルボキシル基変性エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、共重合系アクリレート等が挙げられる。また前記オリゴマーと併用されるラジカル重合性のモノマーとしては、例えば単官能ないし6官能性のアクリレート等が挙げられる。
前記ラジカル重合性のオリゴマー、モノマーを紫外線の照射によって重合反応させるラジカル重合性の光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、ホスフィンオキサイド系の光重合開始剤が挙げられる。また前記重合反応を促進するためのラジカル重合性の光重合促進剤としては、例えば3級アミン類が挙げられる。
一方、カチオン重合性のオリゴマーないしモノマーとしては、例えば脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル、オキセタン化合物等が挙げられる。
前記カチオン重合性のオリゴマー、モノマーを紫外線の照射によって重合反応させるカチオン重合性の光重合開始剤としては、例えばスルホニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。また前記重合反応を促進するためのカチオン重合性の光重合促進剤としては、例えばアントラセン系、チオキサントン系の光重合促進剤が挙げられる。
また、紫外線の照射によって硬化反応する硬化性樹脂としては、シリコーン系樹脂の変性品と、紫外線の照射によって前記シリコーン系樹脂変性品を硬化反応させる光硬化剤とを含むものを用いることもできる。前記シリコーン系樹脂変性品としては、ラジカル硬化型、カチオン硬化型およびこの複合型のものが用いられる。
このうちラジカル硬化型のシリコーン系樹脂変性品としては、例えばアクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン等が挙げられる。前記ラジカル硬化型のシリコーン系樹脂変性品を硬化反応させるための、ラジカル硬化型の光硬化剤としては、先に例示したラジカル重合性の光重合開始剤等が挙げられる。
カチオン硬化型のシリコーン系樹脂変性品としては、例えばエポキシ変性ポリシロキサン等が挙げられる。前記カチオン硬化型のシリコーン系樹脂変性品を硬化反応させるための、カチオン硬化型の光硬化剤としては、例えば芳香族オニウム塩等が挙げられる。
また複合型のシリコーン系樹脂変性品としては、例えばメルカプト/脱アセトン硬化性シリコーン、アクリル/脱アルコール硬化性シリコーン等が挙げられる。
固形潤滑剤8の前駆体22における潤滑剤と硬化性樹脂との配合割合は、前駆体22の総量に対する硬化性樹脂の割合が10質量%以上、80質量%以下に限定される。硬化性樹脂の割合が前記範囲未満では、十分な強度を有する固形潤滑剤8を形成できないためである。一方、前記範囲を超える場合には、潤滑剤の量が不足して、固形潤滑剤に良好な潤滑性を付与できないためである
本発明の転がり軸受は、先に説明したように水や塵埃等の浸入しやすい環境下、例えば鉄鋼用途等で好適に使用できる。のみならず、例えば衝撃吸収、バックラッシの減少等を目的として緩衝材粒子等の微小粒子を配合した潤滑剤を用いる歯車装置等の動力伝達装置の軸受としても用いることができる。その場合には、前記微小粒子の浸入による転がり軸受のロック等を防止しつつ良好な潤滑を維持することが可能である。
本発明の転がり軸受の製造方法の構成は、以上で説明した例のものには限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。
本発明の製造方法によって製造される一実施形態に係る転がり軸受の断面図である。 シール部材を取り外した状態での転がり軸受の正面図である。 本発明の製造方法の一工程を示す概略断面図である。
符号の説明
1:転がり軸受、2:領域、3:内輪(軌道部材)、4:外輪(軌道部材)、5:ボール(転動体)、8:固形潤滑剤、18、19:開口、20、21:治具、22:前駆体

Claims (2)

  1. 互いの間に環状の領域を区画する一対の軌道部材と、前記領域に配置され両軌道部材に対して転動する複数の転動体とを含み、前記領域が転動体を挟んで背向する2方向において一対の軌道部材間で開口されていると共に、前記領域に固形潤滑剤が充填された転がり軸受の製造方法であって、
    前記両開口に、固形潤滑剤の、両開口に臨む面の形状を規定するための、少なくとも一方の少なくとも一部が特定のエネルギー線を透過しうる材料によって形成された治具をそれぞれ嵌め合わせる工程と、
    両治具で区画される領域に、前記エネルギー線の照射によって硬化反応して固形潤滑剤となる前駆体として、潤滑剤と、エネルギー線の照射によって硬化反応する硬化性樹脂とを、前記前駆体の総量に対する硬化性樹脂の割合が10質量%以上、80質量%以下となるように混合した混合物を充填した状態で、前記治具のうちエネルギー線を透過しうる材料からなる部分を通してエネルギー線を照射して前駆体を硬化反応させることにより固形潤滑剤を形成する工程とを含むことを特徴とする転がり軸受の製造方法。
  2. 両治具のうち少なくとも一方の少なくとも一部をエネルギー線を透過しない材料によって形成すると共に、前記部分の前記領域に臨む面を、前記エネルギー線を反射しうる鏡面とする請求項1に記載の転がり軸受の製造方法。
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