JP5087457B2 - レンズ固定方法およびレンズユニット - Google Patents

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この発明は、レンズ固定方法およびレンズユニットに関し、詳しくは、1以上のレンズを、レンズセルに光溶着される押さえ部材を用いて固定するレンズ固定方法およびこれにより得られるレンズユニットに関する。
カメラやBD(ブルーレィディスク)、CD(コンパクトディスク)、HDDVD(エイチディー・ディーブィディー)などの光ピックアップ、投射光学系等の光学装置に用いられるレンズは一般に、レンズセルあるいは鏡筒と呼ばれる「筒状の保持部材」に固定的に保持される。レンズを保持部材に固定する方法の1つとして、レーザ光による溶着を利用するものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
レーザ光による溶着を利用して保持部材にレンズを固定する方法は、接着による固定方法の問題点である「作業効率の低さ」や、「熱かしめ」による固定方法の問題点である「必要部分以外の広い範囲にも熱が伝わり、レンズ枠の必要部分以外を変形させる虞」がなく、固定方法として優れている。
レンズには有効レンズ面領域の外側に「コバ部」と呼ばれる部分があり、レーザ光による溶着にもコバ部が使用される。以下、この技術を前者の技術という。
一方、従来、保持部材内において、レンズを押さえたりして保持部材に固定するための押さえ部材を使用しているものが知られている(例えば、特許文献4および5参照)。以下、この技術を後者の技術という。
特開2005−316044号公報 特開2006− 11234号公報 特開2008− 52134号公報 特開2006−201378号公報 特開平5−188253号公報
しかしながら、前者の技術では、ガラス製のレンズをレーザ溶着することができないとともに、樹脂レンズのコバ部をレーザ溶着するために適した形状に成形しなければならないので、レンズの材質およびコバ部の形状を問わず、いわば既存のレンズそのままのものを用いて固定することができなかった。
ここで、図19を参照して、特許文献3で開示されている技術の問題点を説明する。特許文献3記載の技術と本発明の後述する実施形態と明確に区別するため、混同の虞がある構成要素については同文献で使用されているアラビア数字の符号に数値「1000」を加えたものを用いることとする。
特許文献3記載の技術では、図19に示すように、樹脂レンズ1030のコバ部が筒状のレンズセル1010のレンズ受け部1011で受けられた配置状態において、その有効レンズ面領域外にレンズ形状の一部として溶着光反射面1032およびレンズ光軸に平行な最外周コバ面部分1031Aを形成された樹脂レンズ1030に対して、レーザ溶着光ML(リング状収束光であるが簡略的に示す)を図示を省略した押さえ部材により導光すると、溶着光MLは樹脂レンズ1030のコバ面部分1031Bから樹脂レンズ1030内に入射し、溶着光反射面1032により、レンズ光軸に平行な最外周コバ面部分1031Aに向けて反射され、溶着部YP(レンズセル1010の内周面と最外周コバ面部分1031Aとの摺接部)に照射されることによって、樹脂レンズ1030が最外周コバ面部分1031Aにおいてレンズセル1010の溶着部YPに溶着固定されるものである。
上述したように、特許文献3記載の技術では、樹脂レンズ1030の溶着固定されるコバ部(樹脂レンズ1030の最外周部)がレーザ溶着光MLを透過する必要があるため、コバ部を透過してくる光KL(可視光)を遮断できなくなってしまう。そのため、コバ部からの迷光、漏光を防止すべく開口絞りとしての遮光板を新たに設けたりしなければならないという問題点があった。すなわち、特許文献3を含む前者の技術では、専ら、成形レンズ、樹脂成形レンズそのものの溶着固定を主にしていたのである。
一方、後者の技術における特許文献4記載のレンズ装置では、鏡筒(1)およびレンズ押さえ部材(6)の材料として、ポリカーボネート樹脂とガラス繊維とカーボンブラック等の黒色顔料の混合物からなる可視光を透過しないものを、特許文献5記載のプラスチックレンズ保持機構では、押しリング(4)の材料として、燐青銅もしくは他の金属板あるいはポリカーボネート樹脂を使用していた。それ故に、後者の技術では、可視光を遮断する絞り機能を兼ねた押さえ部材に、レーザ光を透過させて保持部材に光溶着するという着想は望むべくもなかった。
換言すれば、後者の技術では「押さえ部材」外周部のコバ部とも呼ぶべき、保持部材の内周面に対向して該内周面に接触可能に形成される「押さえ部材」の外周面を保持部材の内周面にレーザ光等で光溶着するという発想はなかった。つまり、従来、「押さえ部材」を用いて、この外周面を保持部材に光溶着することにより、レンズを保持部材に固定するという技術は知られていない。このような構成によっても、「押さえ部材」の外周面部分を光溶着に利用すると、押さえ部材の外周面と保持部材の内周面とが溶着し合うことになるので、保持部材に溶着用の専用部分を形成する必要がなく、保持部材の構造が簡素化される。
そこで、本発明は、上述の問題点・事情に鑑みてなされたものであり、レンズとは別体で設けられ絞り機能を兼ねた押さえ部材の外周面を利用して保持部材に光溶着することにより、レンズの材質およびコバ部の形状を問わず、既存のレンズそのままをレンズセルに固定させる新規なレンズ固定方法の提供、およびレンズユニットの実現・提供を主な課題・目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するとともに上述の目的を達成するために、請求項毎の発明では、以下のような特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明では、光束通過用開口を備えたレンズ受け部を有するとともに、少なくとも一端がレンズ挿入用に開放したレンズ挿入部を有する筒状のレンズセルの、上記レンズ挿入部から1以上のレンズを挿入し、上記レンズ受け部に受けさせた後、上記レンズ挿入部から押さえ部材を上記レンズセルに挿入し、最も上記レンズ挿入部側のレンズ面の有効レンズ面領域外に当接させることにより、上記レンズ受け部に受けられた上記1以上のレンズを上記レンズ受け部と上記押さえ部材とにより挟持するとともに、上記押さえ部材の外周面を上記レンズセルの内周面に接触させ、上記押さえ部材と上記レンズセルとの接触面部分を溶着部として、溶着光を照射して上記押さえ部材と上記レンズセルを光溶着する方法であって、上記溶着光を非可視光とし、該溶着光に対し、上記レンズセルを上記溶着光吸収樹脂材料で、上記押さえ部材を上記溶着光透過樹脂材料であって、かつ、可視光を遮断する材料で構成するとともに、上記押さえ部材と当接する上記レンズ面との間に所定の隙間をもって溶着光反射面を形成しておき、上記押さえ部材が配置された側の上記レンズ挿入部から、上記溶着光を入射させ、上記溶着光反射面により上記外周面に向けて反射させることにより、上記溶着部に照射して上記レンズセルと上記押さえ部材を光溶着することを特徴とするレンズ固定方法である
請求項記載のレンズ固定方法においては、上記溶着光を、上記溶着部に略直交するように照射することが好ましい(以下、「第1の技術構成」という)。すなわち、溶着光反射面により溶着光を「レンズ光軸に略直交する方向」に反射するようにするのが好ましい。このようにすると、溶着部における溶着光の反射を有効に抑制でき、溶着光の持つ光エネルギを有効に光溶着に供することができる。
第1の技術構成記載のレンズ固定方法においては、上記溶着光反射面を、上記溶着部に照射される上記溶着光が該溶着部へ向かって集光もしくは発散される形状に形成し、上記溶着部に向かう上記溶着光の状態を調整することができる(以下、「第2の技術構成」という)。
第1または第2の技術構成記載のレンズ固定方法においては、上記溶着光反射面により、上記溶着光を全反射させることが好ましい(以下、「第3の技術構成」という)。溶着光反射面は「有効レンズ面領域外に、押さえ部材形状の一部として」形成されるので、固定されるレンズのレンズ作用には影響を与えない。従って、溶着光反射面に「反射膜」を形成して、溶着光の反射率を高めることもできるが、溶着光反射面による反射を全反射とすれば「反射膜形成の必要」がなく押さえ部材の低コスト化が可能である。
第1ないし第3の技術構成の何れか一つに記載のレンズ固定方法においては、上記溶着光反射面により、上記溶着光を上記押さえ部材内部で内部反射させることが好ましい(以下、「第4の技術構成」という)。このように内部反射させる場合、押さえ部材の「溶着光入射側におけるレンズ面の有効レンズ面領域外」に対応した部位に、押さえ部材の形状の一部として、溶着光に偏向作用および/または「集光作用もしくは発散作用」を与える屈折面を形成し、押さえ部材に入射して溶着光反射面に向かう溶着光の状態を調整することができる。
「溶着光に偏向作用」を与える屈折面は、例えば「溶着光の入射の向きに狭まるテーパ面」である。集光作用を与える屈折面は例えば「ドーナツ面状の凸面」であり、発散作用を与える屈折面は例えば「ドーナツ面状の凹面」である。
第1ないし第4の技術構成の何れか一つに記載のレンズ固定方法においては、上記光溶着時に、上記押さえ部材における上記溶着光入射側の面を、筒状の押圧部材により押圧して上記光溶着を行うことができる(以下、「第5の技術構成」という)。
第1ないし第5の技術構成の何れか一つに記載のレンズ固定方法においては、上記光溶着時に、上記押さえ部材における上記溶着光入射側の上記有効レンズ面領域外に対応した面を、上記溶着光に対して透明な筒状の押圧部材により押圧し、上記溶着光を、上記押圧部材を介して上記押さえ部材に導光することができる(以下、「第6の技術構成」という)。
請求項1または第1ないし第6の技術構成の何れか一つに記載のレンズ固定方法においては、上記溶着光が、リング状に集光するレーザ光、もしくは、光溶着すべき複数点に順次もしくは同時に集光するレーザ光であることができる(以下、「第9の技術構成」という)。すなわち、1点に集光するレーザ光を用いて、複数の溶着点を順次に光溶着するようにしてもよいし、複数の溶着点に同時に集光するレーザ光を用いて、複数の溶着点で同時に光溶着するようにしてもよい。
なお、上に説明した「溶着光を押さえ部材に導光する押圧部材(第6の技術構成」は、溶着光を導光するものであるから、溶着光を導光できるものである必要があるが、光溶着に必要な光エネルギを溶着部へ供給できる程度に「溶着光に対して透光性」であればよい。
請求項1記載、または第1ないし第6の技術構成の何れか一つに記載のレンズ固定方法においては、上記レンズセルの内周面が、レンズ光軸に平行もしくは傾いて構成されていることができる。レンズセルの内周面がレンズ光軸に傾いて構成されている場合、押さえ部材の外周面もレンズセルの内周面に接触ないし摺接可能に傾いて構成することが好ましい。
請求項記載の発明は、1以上のレンズと、該1以上のレンズが固定的に保持される筒状のレンズセルと、該レンズセルに保持される上記1以上のレンズにおける有効レンズ面領域外のレンズ面と当接する押さえ部材とを有し、非可視光からなる溶着光により上記押さえ部材が上記レンズセルに光溶着されてなるレンズユニットであって、上記レンズセルは、上記溶着光を吸収して溶解する樹脂材料であって、レンズ光軸に平行もしくは傾いた内周面を形成され、光束通過用開口を備えたレンズ受け部を有するとともに、少なくとも一端が上記1以上のレンズおよび上記押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部を有する構成であり、上記押さえ部材は、上記溶着光を透過し、かつ、可視光を遮断する樹脂材料であって、上記押さえ部材と当接する上記レンズ面との間に所定の隙間をもって溶着光反射面を形成されているとともに、上記内周面に対向して接触する外周面を有し、上記レンズ受け部に受けられた上記1以上のレンズを上記レンズ受け部と挟持するように配置されており、上記押さえ部材が、上記外周面において上記内周面に溶着固定されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、1以上のレンズと、該1以上のレンズが固定的に保持される筒状のレンズセルと、該レンズセルに保持される上記1以上のレンズにおける有効レンズ面領域外のレンズ面と当接する押さえ部材とを有し、非可視光からなる溶着光により上記押さえ部材が上記レンズセルに光溶着されてなるレンズユニットであって、上記レンズセルは、上記溶着光を吸収して溶解する樹脂材料であって、レンズ光軸に平行もしくは傾いた内周面を形成され、光束通過用開口を備えたレンズ受け部を有するとともに、少なくとも一端が上記1以上のレンズおよび上記押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部を有する構成であり、上記押さえ部材は、上記溶着光を透過し、かつ、可視光を遮断する樹脂材料で形成され、上記内周面に対向して接触する外周面を有し、上記レンズ受け部に受けられた上記1以上のレンズを上記レンズ受け部と挟持するように配置されており、上記押さえ部材が、上記外周面において上記内周面に溶着固定されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項2または3記載のレンズユニットにおいて、上記レンズセルは、該レンズセルの一端に上記レンズ受け部が形成され、他端が上記1以上のレンズおよび上記押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載のレンズユニットにおいて、上記レンズセルは、上記レンズ受け部が該レンズセルの内部に形成され、両端が上記1以上のレンズおよび上記押さえ部材挿入用に開放され、上記レンズ受け部の両側に上記1以上のレンズが上記押さえ部材を用いて固定的に保持された構成であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載のレンズユニットにおいて、上記レンズセルの内周面が、上記レンズ受け部側から上記レンズ挿入部側に向かって拡大するテーパ面であり、最も上記レンズ挿入部側に挿入された上記押さえ部材の上記外周面が上記テーパ面に摺接するようにレンズ光軸に対して傾いていることを特徴とする。
以上に説明したように、本発明によれば、上述の従来の諸問題点を解消して、絞り機能を兼ねた押さえ部材の外周面を利用して押さえ部材がレンズセルに光溶着されることにより、レンズの材質およびコバ部の形状を問わず、既存の1以上のレンズそのままをレンズセルに固定させる新規なレンズ固定方法を提供できる。これにより、レンズセルにレンズ溶着用の専用部分を形成する必要がなく、レンズセルの構造が簡素化され、製造が容易であるとともに、絞り機能を有する部材を新設する必要のないレンズユニットを実現し提供することができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。各実施形態や変形例、実施例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、混同の虞がないと思われる限りにおいて同一符号を付すとともに、重複説明を避けるため一度説明した後ではその説明を省略する。
以下、「発明を実施するための最良の形態」の欄において、各用語を次のように読み替えるものとする。すなわち、図11に示す「第2の実施形態のレンズ固定方法」を、「レンズ固定方法の第1の参考例」と、図12に示す「レンズ固定方法の変形例8」を、「レンズ固定方法の参考変形例8」と、図13に示す「レンズ固定方法の変形例9」を、「レンズ固定方法の参考変形例9」と、図14に示す「レンズ固定方法の変形例10」を、「レンズ固定方法の参考変形例10」と、図17に示すレンズ固定方法およびレンズユニットの「第3の実施形態」を、「第2の参考例」と、それぞれ読み替える。
(第1の実施形態)
図1〜図3は、請求項1のレンズ固定方法および請求項のレンズユニットに係る第1の実施形態を説明するための図である。
図1および図2において、符号5はレンズ光軸、符号10はレンズセル、符号20、30はレンズ、符号40は押さえ部材、符号50は押圧部材、符号60はスペーサ、符号MLは溶着光を示している。
レンズセル10は筒状であり、図における下方の端部の、符号11で示す部分は光束通過用開口を備えたレンズ受け部であり、レンズセル10における図の上方の部分は、レンズ挿入用および押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部12となっている。レンズ挿入部12は、また溶着光MLの入射部でもある。
本実施形態においては、レンズセル10に2枚のレンズ20と30とが挿入配置され、これらレンズ20、30の間にスペーサ60が配置されている。レンズ20は、一方のレンズ面をレンズ受け部11の開口位置に合せ、有効レンズ面領域外の部分をレンズ受け部11に受けられている。
図1および図2の状態は、「光溶着が行われている状態」を示しており、この状態においてレンズ20、30は「光軸合せ」されている。レンズ光軸5の方向は図の上下方向である。溶着が行われるときに、レンズセルに対する各レンズの光軸合せが行われていること、レンズ光軸が図の上下方向であることに関しては、以下の各実施形態や変形例等においても同様である。
スペーサ60は、薄板リング状をなしていて、レンズ20、30の間に配置され、レンズ間隔を保持したりレンズの位置決め部材として機能するものである。この意味において本発明の必須の構成ではなく、なくてもよい。これは、以下の各実施形態や変形例等においても同様である。レンズセルに対するレンズの位置決め等に関しては、公知の最適な技術が適用されるものであり、これに関しては本発明の開示の範囲を超えるためこれ以上の詳細な説明を省略する。
レンズ30は、スペーサ60を介してレンズ20に重なるように配置されている。
レンズ30は、図に示す有効レンズ面領域の外側にコバ部(レンズ30の一部をなすが、レンズとして機能しない部分)を有する。レンズ20、30は、その材質およびコバ部の形状は任意であり、レンズセル10に挿入され固定的に保持される形状であるならば特に制約はなく、レンズ本来の形状であってよい。
押さえ部材40は、最もレンズ挿入部12側に位置するレンズ30のレンズ面における有効レンズ面領域外に当接し、この有効レンズ面領域外全体を覆うリング状をなしていて、可視光を遮断する材料(遮光材料)で形成されている。これにより、押さえ部材40は、遮光リング状をなす絞り機能を付与されている。
レンズ受け部11に受けられた1以上のレンズとしてのレンズ20、30は、レンズ受け部11と押さえ部材40とにより「サンドイッチ」状に挟持された状態で、後述するように押さえ部材40の外周面41Aをレンズセル10の内周面に接触させ、押さえ部材40とレンズセル10との接触面部分を溶着部として、溶着光MLを照射して押さえ部材40とレンズセル10とが光溶着される。
押さえ部材40は、主として4つの面部分を有する。すなわち、押さえ部材40は、コバ部とも呼ぶべき外周部に形成され、レンズ光軸5に平行であってレンズセル10の内周面に対向・接触する外周面41Aと、上側レンズ面の有効レンズ面領域の外側に対応して押圧部材50によって押圧されるコバ面部分41Bと、レンズ光軸5に平行であって絞りの境界面をなす内周面41Cと、レンズ30における上側レンズ面の有効レンズ面領域外に当接しているレンズ当接部分41Dと、レンズ30における上側のレンズ面の有効レンズ面領域外で外周面41Aの内側にある斜面状の溶着光反射面42とを有している。
溶着光反射面42は、押さえ部材40と当接するレンズ30面との間に所定の隙間43(空気層)をもって形成することが肝要である。例えば、溶着光反射面42がレンズ30の上面と接触した場合、そこに溶着光MLが当たると反射せずにレンズ30を透過してしまい、押さえ部材40の外周面41Aに溶着光MLが届かないことになるため、所定の空気層を形成しておく必要がある。
押さえ部材40の外周面41Aは、レンズセル10の内周面に摺接するように、レンズセル10の内周面に対する外周面41Aの寸法が設定されている。
押圧部材50は、筒状であって、図1等に示すように、押さえ部材40におけるコバ面部分41Bの部分を図の上方から押し付け・押圧し、レンズ20、30のレンズセル10に対する位置関係を「光溶着される配置」に保持する。図1の例において、押圧部材50の下側端部面(底面部)は平面状であってコバ面部分41Bに密着する。
ここで、レンズセル10、押さえ部材40やレンズ20、30の具体的形状についてさらに言及すると、前述のように、レンズセルに要求されるのは、筒状であって、押さえ部材40のレンズ光軸5に平行な外周面41Aを溶着可能であることであり、このような条件を満たす限りにおいて形態や形状は自由であるが、以下では説明の具体性のために、レンズセル10は中空シリンダ状であるとし、押さえ部材40はレンズ光軸5に平行な外周面41A部分が、レンズセル10の内周面に摺接する円筒面形状をなすリング状であるとする。押圧部材50も中空シリンダ状であるとする。
押さえ部材40のコバ面部分41Bは、レンズ光軸5に直交する平面であり、斜面状の溶着光反射面42は円錐面状である。
溶着光MLは、本実施形態では非可視光からなるレーザ光である、非可視光からなるレーザ光のうち、一例を挙げると、波長の長い赤外線レーザ光が安全性、取り扱いの容易性、比較的安価に得られる点等から好ましく用いられる。このようなレーザ光からなる溶着光MLは、押圧部材50に導光されて図の上方のレンズ挿入部12からレンズ光軸5に平行に入射する。本実施形態においては、溶着光MLは「レンズ光軸5に直交する平断面による光束断面がリング状で、リングの幅が伝搬方向に狭まる収束性を有する光束」である。このような光束形態をもった光束を「リング状収束光」と呼ぶ。リング状収束光を生成する方法については後述する(図18参照)。
レンズセル10は、材質的には溶着光MLを吸収して溶解する溶着光吸収樹脂材料からなり、具体的には、レーザ光を吸収する色(黒や青)の色素を分散させたメタクリル酸メチル樹脂(略称PMMA)等の樹脂で構成・形成することができる。
押さえ部材40は、材質的には溶着光MLを透過させる溶着光透過樹脂材料であって、かつ、前述したように絞り機能を持たせるため可視光を遮断する材料を用いる。具体的には、溶着光MLとして赤外線レーザ光を使用する場合には、三菱レイヨン株式会社製の「アクリフィルターIR」(なお、「アクリフィルター」は登録商標名)が好ましく用いられる。この材料を用いることにより、溶着光MLとしての赤外線レーザ光透過による溶着と、絞り機能を果たすべく有効レンズ面領域外での遮光とを同時に実現することができる。
押さえ部材40の外周面41Aをレンズセル10に溶着すれば、レンズ30、20はレンズ受け部11と押さえ部材40とにより挟持された状態で、レンズセル10に固定的に保持されることになる。従って、レンズ20、30は、樹脂レンズでもガラスレンズでもよく、その材質を問わず、またレンズセル10内に挿入可能なコバ部形状であればコバ部の形状を問わず、全てのレンズそのままのレンズを対象にレンズセル10に固定できることとなる。
押圧部材50は、溶着光MLに対して透明である材料で形成されているとともに、押さえ部材40を所定の押圧力で押圧可能な強度を有する材料、例えば透明なガラスやアクリル樹脂等で形成されている。
次に、図3を参照して、本実施形態のレンズユニットを得るレンズ固定方法の工程を説明する。先ず、図3(a)に示すレンズセル10を準備し、次いで、図3(b)に示すように、レンズセル10のレンズ挿入部12側からレンズ20とスペーサ60とレンズ30とを順に挿入配置する。この際、レンズ20はレンズセル10のレンズ受け部11に受けられ保持される。次いで、図3(c)に示すように、レンズ挿入部12側から押さえ部材40を挿入し、最もレンズ挿入部12側のレンズ30の有効レンズ面領域外に当接させることにより、レンズ受け部11に受けられたレンズ20、スペーサ60およびレンズ30をレンズ受け部11と押さえ部材40とにより挟持する状態にする。
次いで、図3(d)に示すように、レンズ挿入部12側から筒状の押圧部材50を挿入し、押さえ部材40のコバ面部分41Bに押圧部材50の下側端部面(底面部)を当接させた状態にしてから、押圧部材50によって押さえ部材40のコバ面部分41B全周に渡り均等に押圧力を加える。これにより、レンズ受け部11に受けられたレンズ20、スペーサ60およびレンズ30がレンズセル10に「光溶着される配置」状態となり、この押圧部材50で押さえた状態において、同図に示すように、リング状収束光である溶着光ML(例えば赤外線レーザ光)を押圧部材50により導光すると、溶着光MLは押さえ部材40のコバ面部分41Bから押さえ部材40内に入射し、溶着光反射面42により、レンズ光軸に平行な外周面41Aに向けて反射され、溶着部YP(レンズセル10の内周面と外周面41Aとの摺接部)に照射される。
溶着光MLはリング状収束光であるので、図1〜図3(d)では、溶着光MLは溶着部YPにレンズ光軸に直交するリング状に集光しているが、溶着光MLとレンズセル10との位置関係を調整することにより、溶着部YPに照射される溶着光MLの照射状態を「帯状リング状」にすることもでき、溶着部YPへの「溶着光のエネルギ集中状態」を調整できる。
溶着部YPにおいて、溶着光MLはレンズセル10の内壁に吸収されてレンズセル10内壁を発熱させ、レンズセル10内壁部を融解させる。このとき、レンズセル10の内周面に当接ないし摺接している押さえ部材40の外周面41Aもレンズセル10側からの熱で融解し、融解した部分同士が一体となる。その後、溶着光MLの照射を停止し、溶融した部分を固化させれば、押さえ部材40がレンズセル10と一体化され、レンズ受け部11と押さえ部材40とにより挟持されているレンズ20、スペーサ60およびレンズ30がレンズセル10に固定的に保持されることとなる。
光溶着は、例えば、数秒もしくはそれより短い時間で完了するようにできる。光溶着後、レンズセル10から押圧部材50を取り外すと、レンズユニットが得られる。
ここで、溶着光MLの具体例として赤外線レーザ光を使用した場合、溶着部YPにおけるレンズセル10と押さえ部材40との溶着状態を説明する。溶着部YPにおいて、照射された赤外線レーザ光(溶着光ML)はレンズセル10の内壁に吸収されてレンズセル10内壁を発熱させ、レンズセル10内壁部を融解させると同時に、レンズセル10の内周面に当接ないし摺接している押さえ部材40の外周面41Aもレンズセル10側からの熱で融解し、融解した部分同士が一体となって溶着することとなる。
図1〜図3を参照して説明したレンズ固定方法は、光束通過用開口を備えたレンズ受け部11を有するとともに、少なくとも一端がレンズ挿入用に開放したレンズ挿入部12を有する筒状のレンズセル10の、レンズ挿入部12から1以上のレンズ20、30を挿入し、レンズ受け部11に受けさせた後、レンズ挿入部12から押さえ部材40をレンズセル10に挿入し、最もレンズ挿入部12側のレンズ30面の有効レンズ面領域外に当接させることにより、レンズ受け部11に受けられた1以上のレンズ20、30をレンズ受け部11と押さえ部材40とにより挟持するとともに、レンズセル10の内周面に対向する押さえ部材40の外周面41Aをレンズセル10の内周面に接触させ、押さえ部材40とレンズセル10との接触面部分を溶着部YPとして、溶着光MLを照射して押さえ部材40とレンズセル10とを光溶着する方法であって、溶着光MLを非可視光とし、レンズセル10を溶着光吸収樹脂材料で、押さえ部材40を、可視光を遮断し、かつ、溶着光透過樹脂材料で構成するとともに、押さえ部材40と当接するレンズ30面との間に所定の隙間43(空気層)をもって溶着光反射面42を形成しておき、押さえ部材40が配置された側のレンズ挿入部12から、溶着光MLを入射させ、溶着光反射面42により押さえ部材40の外周面41Aに向けて反射させることにより、溶着部YPに照射して光溶着を行うものである(請求項)。
本発明に係る参考例は、押さえ部材とレンズセルの材質を入れ替えても成立するものであり、この実施形態は後述する(図17参照)。すなわち、上述の「光溶着する方法であって、」以下の後段の技術事項をより広い概念で置き換えて表現することができる。つまり、「溶着光に対し、レンズセルと押さえ部材の一方を溶着光を吸収して溶解する溶着光吸収樹脂材料により構成し、他方を、溶着光を透過させる溶着光透過樹脂材料とし、かつ、押さえ部材は可視光を遮断する材料とし、レンズセルと押さえ部材のうち、溶着光透過樹脂材料により構成されたものの側から、溶着光を溶着部に照射して、レンズセルと押さえ部材を光溶着するレンズ固定方法である」。
また、図1および図2に示すレンズユニットは、1以上のレンズ20、30と、1以上のレンズ20、30が固定的に保持される筒状のレンズセル10と、レンズセル10に保持される1以上のレンズ20、30における有効レンズ面領域外のレンズ30面と当接する押さえ部材40とを有し、非可視光からなる溶着光MLにより押さえ部材40が1以上のレンズ20、30を押さえた状態でレンズセル10に光溶着されてなるレンズユニットであって、レンズセル10は、溶着光MLを吸収して溶解する樹脂材料であって、レンズ光軸5に平行もしくは傾いた内周面を形成され、光束通過用開口を備えたレンズ受け部11を有するとともに、少なくとも一端が1以上のレンズ20、30および押さえ部材40挿入用に開放したレンズ挿入部12を有する構成であり、押さえ部材40は、溶着光MLを透過し、かつ、可視光を遮断する樹脂材料であって、押さえ部材40と当接するレンズ30面との間に所定の隙間43(空気層)をもって溶着光反射面42を形成されているとともに、レンズセル10の内周面に対向して接触する外周面41Aを有し、レンズ受け部11に受けられた1以上のレンズ20、30をレンズ受け部11と挟持するように配置されており、押さえ部材40が、その外周面41Aにおいてレンズセル10の内周面に溶着固定されている(請求項)。
以下に、第1の実施形態の各種変形例を説明する。以下に説明する変形例において、レンズセルに溶着される押さえ部材は、その押さえ部材形態が各変形例ごとに異なるが、混同の虞は無いと思われるので、溶着される押さえ部材に対しては各図を通じて、図1および図2におけると同一の符号40を付し、図1および図2に示す押さえ部材40と形態上異なる部分について、各図において異なる符号を付するものとする。また、図1および図2に示したと同様に、後述の実施形態においても各実施形態のレンズユニットおよびレンズ固定方法の説明に用いる図は、レンズ光軸に関して左右対称であるため、図の簡明化を図るため適宜片側(各図において右側)のみを図示して説明する。
図4に、第1の実施形態の変形例1を示す。
図4に示す変形例1は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、両図に示した溶着光反射面42に代えて、図4に示すように、押さえ部材40における溶着光反射面42Aが「溶着部YPに照射される溶着光MLが、溶着部YPへ向かって集光される形状(この例において凹のトロイダル面)」に形成されていることのみ相違する。このようにすると、リング状収束光である溶着光の「収束性が弱い」ような場合にも、溶着部YPに容易に溶着光MLを集光させることができる。
図5に、第1の実施形態の変形例2を示す。
図5に示す変形例2は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、両図に示した溶着光反射面42に代えて、図5に示すように、押さえ部材40における溶着光反射面42Bが「溶着部YPに照射される溶着光MLが、溶着部YPへ向かって発散される形状(この例において凸のトロイダル面)」に形成されていることのみ相違する。このようにすると、リング状収束光である溶着光の「収束性が強すぎ」て、溶着光の照射時間の制御が難しいような場合に、溶着部YPに適量のエネルギをもった溶着光MLを照射させることができる。また、溶着光MLの照射範囲が広くなり、溶着領域が広がるので「堅固な溶着」を実現できる。
図6に、第1の実施形態の変形例3を示す。
図6に示す変形例3は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、両図に示したコバ面部分41Bに代えて、図6に示すようにコバ面部分41B1を同図の上方へ開く円錐面形状に形成した点、図1および図2に示した溶着光反射面42に代えて、図6に示すように同図の下方へ向かって開く円錐面状の溶着光反射面42Cの円錐頂角を、図1および図2の溶着光反射面42のそれよりも大きくなるように形成した点が相違する。コバ面部分41B1が「図の上方へ開く円錐面形状」となっていることに対応して、押圧部材50のコバ面部分41B1への押圧面(底面部)も図の上方へ開く円錐面形状となっている。
コバ面部分41B1が図の上方へ開く円錐面形状となっていることにより、溶着光MLは、コバ面部分41B1から押さえ部材40内へ入射する際に、屈折によりレンズ光軸から離れる向きに偏向されて溶着光反射面42Cへ入射するので、溶着光反射面42Cの円錐頂角が大きくなっていても、溶着部YPへ向かって溶着光MLを、図1および図2の第1の実施形態と同様に照射できる。
このように、変形例3によれば、溶着光反射面42Cの傾斜角が緩くなるので、押さえ部材40の成形による製造が容易になる。
図7に、第1の実施形態の変形例4を示す。
図7に示す変形例4は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、両図に示したコバ面部分41Bに代えて、図7に示すように、押さえ部材40のコバ面部分41B1を、図6の変形例3と同様に「図の上方へ開く円錐面形状」とすることにより、押さえ部材40における溶着光反射面42A1(溶着部YPに照射される溶着光MLが、溶着部YPへ向かって集光される形状(この例において凹のトロイダル面)となっている。)の傾斜角を、図4の変形例1における溶着光反射面42Aの傾斜角より小さくし、なおかつ、溶着部YPへ向かって溶着光MLを、図4の変形例1と同様に照射できるようにした例である。溶着光反射面42A1の傾斜角が緩くなるので、押さえ部材40の成形による製造が容易になる。
図8に、第1の実施形態の変形例5を示す。
図8に示す変形例5は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、両図に示したコバ面部分41Bに代えて、図8に示すように、コバ面部分41B1を、図6の変形例3と同様に「図の上方へ開く円錐面形状」とすることにより、押さえ部材40における溶着光反射面42B1(溶着部YPに照射される溶着光MLが、溶着部YPへ向かって発散される形状(この例において凸のトロイダル面))となっている)の傾斜角を、図5の変形例2における溶着光反射面42Bの傾斜角より小さくし、なおかつ、溶着部YPへ向かって溶着光MLを、図5の変形例2と同様に照射できるようにした例である。溶着光反射面42B1の傾斜角が図5の変形例2の溶着光反射面42Bの傾斜角よりも緩くなるので、押さえ部材40の成形による製造が容易になる。
図9に、第1の実施形態の変形例6を示す。
図9に示す変形例6は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、両図に示したコバ面部分41Bに代えて、図9に示すように、押さえ部材40のコバ面部分41B2を、レンズ30のレンズ光軸を中心軸とするリング状の凸面とすることにより、押さえ部材40における溶着光反射面42へ向かって「より強く集光」しつつ入射するように形成した点、および押圧部材50に代えて、溶着光MLを導光しない、「溶着光MLに対して透明」である必要のない押圧部材51を用いた点が相違する。このようにすると、溶着光反射面42を、図1および図2に示した第1の実施形態と同様に「円錐面」としても、図4の変形例1と同様に、溶着光MLの集光性を高めることができる。
図10に、第1の実施形態の変形例7を示す。
図10に示す変形例7は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、両図に示したコバ面部分41Bに代えて、図10に示すように、押さえ部材40のコバ面部分41B3を、レンズ30のレンズ光軸を中心軸とするリング状の凹面とすることにより、押さえ部材40における溶着光反射面42へ向かって「発散」しつつ入射するように形成した点、および押圧部材50に代えて、溶着光MLを導光しない、「溶着光MLに対して透明」である必要のない押圧部材51を用いた点が相違する。このようにすると、溶着光反射面42を、図1および図2に示した第1の実施形態と同様に「円錐面」としても、図5の変形例2と同様に、溶着光MLに発散性を与えて溶着部YPの溶着領域を広げることができる。
図9の変形例6における押さえ部材40のコバ面部分41B2や、図10の変形例7における押さえ部材40のコバ面部分41B3は、押さえ部材40のレンズ作用を利用した例である。図9の変形例6や図10の変形例7において、押さえ部材40の外周面41Aとレンズセル10の内周面との光溶着後、押圧部材51を取り外すとレンズユニットが得られる。
図9、図10に示した押圧部材51は、溶着光MLが押さえ部材40のコバ面部分41B2、41B3に入射されるその内周部側を押さえる。
図1〜図10に示した第1の実施形態、変形例1〜7では、溶着光MLは、溶着部YPに略直交するように照射される。このようにすることにより、溶着部における溶着光MLの反射が有効に抑えられ、溶着光MLの光エネルギを有効に溶着に利用できる。
また、図4、図5、図7、図8に示した変形例1、2、4、5では、押さえ部材40における溶着光反射面42A、42B、42A1、42B1が、溶着部YPに照射される溶着光を「溶着部へ向かって集光もしくは発散させる形状」に形成され、溶着部YPに向かう溶着光の状態(集光状態・発散状態)が調整されている。
図1〜図10に示した第1の実施形態および変形例1〜7では、溶着光反射面を「溶着光MLを全反射させる」ように形成することができ、溶着光反射面により、溶着光MLが押さえ部材40内部で内部反射させられている。
また、図6〜図10に示した変形例3〜7においては、押さえ部材40の溶着光入射側におけるレンズ30面の有効レンズ面領域外に、押さえ部材40形状の一部として、溶着光MLに偏向作用および/または集光作用もしくは発散作用を与える屈折面41B1、41B2、41B3が形成され、押さえ部材40に入射して溶着光反射面に向かう溶着光の状態が調整される。
図1〜図10に示した第1の実施形態および変形例1〜7においては、押さえ部材40の溶着時に、押さえ部材40の溶着光ML入射側の有効レンズ面領域外が、筒状の押圧部材50、51により押さえられて光溶着が行われる。
図1〜図8に示した第1の実施形態および変形例1〜5においては、押さえ部材40の溶着時に、押さえ部材40の溶着光入射側の有効レンズ面領域外が、溶着光MLに対して透明な筒状の押圧部材50により押さえられ、溶着光MLが押圧部材50を介して押さえ部材40に導光される。
これらのレンズ固定方法により1以上のレンズ20、30をレンズセル10に固定することにより、請求項記載のレンズユニットや、請求項4、5記載のレンズユニットが得られる。
(第2の実施形態)
図11は、請求項のレンズユニットに係る第2の実施形態を説明するための図である。以下、図11に示す第2の実施形態のレンズ固定方法およびレンズユニットについて、図1および図2に示した第1の実施形態のそれと相違する内容を中心に説明する。本実施形態において、特に相違する内容として挙げて説明しない技術事項は、第1の実施形態のそれと同様であり、同一符号を付すことによりその説明を省略する。
図11に示す第2の実施形態のレンズ固定方法は、第1の実施形態のそれと比較して、押さえ部材40に代えて、溶着光反射面が除去され形状を簡素化された押さえ部材40Aを用いる点が主に相違する。そして、この押さえ部材40Aをレンズセル10に挿入し、最もレンズ挿入部12側のレンズ30面の有効レンズ面領域外に当接させることにより、レンズ受け部11に受けられた1以上のレンズ20、30をレンズ受け部11と押さえ部材40Aとにより挟持するとともに、レンズセル10の内周面に対向する押さえ部材40Aの外周面41Aをレンズセル10の内周面に接触させ、押さえ部材40Aとレンズセル10との接触面部分を溶着部YPとして、溶着光MLを照射して押さえ部材40Aとレンズセル10とを光溶着する方法である。
さらに、本実施形態では、溶着光MLを非可視光とし、レンズセル10を溶着光MLを吸収して溶解する溶着光吸収樹脂材料で、押さえ部材40Aを、可視光を遮断し、かつ、溶着光MLを透過させる溶着光透過樹脂材料で構成するとともに、光溶着時に、押さえ部材40Aにおける溶着光ML入射側の有効レンズ面領域外に対応した面(押さえ部材40Aのコバ面部分41B)を、溶着光MLに対して透明な筒状の押圧部材52により押圧し、押圧部材52の内周面に、押さえ部材40Aを押圧する向きに広がるテーパ面52Aを形成しておき、溶着光MLを、押圧部材52を介して導光し、テーパ面52Aにより内部反射させて押さえ部材40Aに入射させることより、溶着部YPに照射して光溶着を行うものである。
レンズセル10、押さえ部材40Aの材料は、第1の実施形態のレンズセル10、押さえ部材40のそれらと具体例を含めて同様であり、押圧部材52の材料も第1の実施形態の押圧部材50と具体例を含めて同様である。
押さえ部材40Aは、第1の実施形態の押さえ部材40と比較して、溶着光反射面42を形成されていない簡素なリング形状を有している。この相違点以外は、押さえ部材40Aは、第1の実施形態の押さえ部材40と同様である。すなわち、押さえ部材40Aは、最もレンズ挿入部12側に位置するレンズ30のレンズ面における有効レンズ面領域外に当接し、この有効レンズ面領域外全体を覆うリング状をなしていて、可視光を遮断する材料(遮光材料)で形成されている。これにより、押さえ部材40は、遮光リング状をなす絞り機能を付与されている。
押さえ部材40Aは、レンズ光軸5に平行であってレンズセル10の内周面に対向・接触する外周面41Aと、上側レンズ面の有効レンズ面領域の外側に対応して押圧部材52によって押圧されるコバ面部分41Bと、レンズ光軸5に平行であって絞りの境界面をなす内周面41Cと、レンズ30における上側レンズ面の有効レンズ面領域外に当接しているレンズ当接部分41Dと、レンズ30における上側のレンズ面の有効レンズ面領域外に対向したレンズ対向面41Eとを有している。
このように、本実施形態によれば、押さえ部材40Aが第1の実施形態および各変形例1〜7の押さえ部材40の溶着光反射面42、42A、42B、42C、42A1、42B1等の形成を不要であることにより、押さえ部材40の溶着光反射面42等とレンズ30面との間の所定の隙間43(空気層)の確保・管理が不要となるので、形状単純化を図れる。
押さえ部材40Aの溶着時に、溶着光入射側の、有効レンズ面領域外に対応した押さえ部材40Aのコバ面部分41Bを、溶着光MLに対して透明な筒状の押圧部材52により押圧する。この押圧部材52の内周面は、押さえ部材40Aを押圧する向き(図で下向き)に広がるテーパ面52Aとされ、溶着光MLは押圧部材52を介して導光される。
押圧部材52を導光される溶着光ML(リング状収束光である)は、テーパ面52Aにより内部反射され、押さえ部材40Aのコバ面部分41Bから押さえ部材40A内に入射して溶着部YPに集光照射される。
押圧部材52のテーパ面52Aによる溶着光MLの内部反射は全反射とすることが好ましいが、レンズユニット製造工程の作業中に、何らかの要因でテーパ面52Aに全反射角で入射せず、透過してしまう角度で入射してしまうようなことも起きる可能性がある場合には、溶着光MLを反射させるテーパ面部分に反射膜を形成して反射率を高めるようにするのも有効である。
図11に示したような実施形態においては、溶着部YPの集光する溶着光MLが押さえ部材40Aの外周面41Aに対して直交せず、外周面41Aに対して傾きを持つ。溶着光MLのエネルギを溶着部YPに溶着エネルギとして有効に集中させるには、外周面41Aに対してなるべく「傾き角が小さい(直交に近い)」ことが好ましい。溶着光MLの溶着部YPへの入射角が外周面41Aに対して傾くほど、外周面41Aでの反射成分が大きくなり、溶着に使用されるエネルギが減少するし、反射した溶着光が周囲の部材を損傷したりする虞がある。
このような理由で、溶着光MLは外周面41Aに対してなるべく直交に近い状態で入射するのが好ましい。このとき、押圧部材52と押さえ部材40Aのコバ面部分41Bとの接触部が「完全に密着」し、なおかつ、押さえ部材40Aと押圧部材52の材質が同じで両者の屈折率が等しければ、テーパ面52Aで反射された溶着光MLは完全に押さえ部材40A内に入射するが、両者間に屈折率差があったり、両者間に僅かにでも空気層が存在すると、溶着光MLが押圧部材52の底面部で反射されて、押さえ部材40A内に入射する成分が減少したり、あるいは、上記底面部で全反射されて押さえ部材40A内に入射せず、光溶着できない状態となることも考えられる。
以下に、第2の実施形態の各種変形例を説明する。以下に説明する変形例において、レンズセルに溶着される押さえ部材は、その押さえ部材形態が各変形例ごとに異なるが、混同の虞は無いと思われるので、溶着される押さえ部材に対しては各図を通じて、図11に示した第2の実施形態のと同一の符号40Aを付し、押さえ部材40Aと形態上異なる部分について、各図において異なる符号を付するものとする。
第2の実施形態における上述の状況を回避するには、図12に示す第2の実施形態の変形例8のように構成することが好ましい。すなわち、第2の実施形態の変形例8は、図11に示した第2の実施形態と比較して、押圧部材52における押さえ部材40Aを押圧する面(上に説明した「押圧部材52の底面部」)に、押さえ部材40Aに対して屈折率を整合させる屈折率整合部材52Bを設けた点のみ相違する。本変形例によれば、押さえ部材40Aに対して屈折率を整合させる屈折率整合部材52Bを設けたので、押圧部材52からの射出溶着光MLの内部反射を抑制しつつ光溶着を行うことが可能となる。
屈折率整合部材52Bとしては、光透過性のシリコンゴム等を用いることができる。押圧部材52により押さえ部材40Aを押さえる押さえ力(押圧力)により、屈折率整合部材52Bを変形させつつ押さえ部材40Aのコバ面部分41Bに密着させ、密着部に空気層が存在しないようにするのである。
上述したように「押圧部材52の底面部による反射」で溶着光MLの押さえ部材40A内への入射成分が減少する問題は、溶着部YPへ照射される溶着光の外周面41Aへの傾き角を小さく押さえるために、テーパ面52Aによる反射溶着光のコバ面部分41Bへの入射角が大きくなることに起因するから、この問題はまた、溶着光MLの押さえ部材40Aへの入射角を小さくすることによっても解決できる。
このような解決方法を実施する第2の実施形態の変形例9を、図13に示す。
図13に示す変形例9は、図11に示した第2の実施形態と比較して、押さえ部材40Aの一部形状のみを変えた点、および押圧部材52に代えて、一部形状のみを変えた押圧部材53を用いる点が相違する。本変形例では、押さえ部材40Aの溶着光入射側のレンズ面の有効レンズ面領域外に押さえ部材40A形状の一部として形成された「レンズ光軸に対して傾いた屈折面41F」に合わせて、押圧部材53の光射出面53Dを形成しておき、押さえ部材40Aを押圧するとき光射出面53Dと屈折面41Fが摺り合うようにする。このようにすれば、押圧部材53を導光され、押さえ部材40Aを押圧する向きに広がるテーパ面53Aで内部反射された溶着光MLは、屈折面41Fからスムーズに押さえ部材40A内に入射して、溶着部YPに照射される。図13の場合のように、屈折面41Fと光射出面53Dとに対して溶着光MLが直交するようにすれば、溶着光MLの主光線の光路は屈折面41Fにより屈折されない。
すなわち、図13に示す変形例9のレンズ固定方法では、押さえ部材40Aにおける押圧部材53からの溶着光の入射面(屈折面41F)と、押圧部材53の溶着光射出面53Dとに、傾斜が互いに実質的に等しい傾斜面を形成し、押圧部材53から射出する溶着光MLを、傾斜面を介して押さえ部材40Aに入射させるのである。
図14に、第2の実施形態の変形例10を示す。
図14に示す変形例9は、図11に示した第2の実施形態と比較して、押さえ部材40Aの一部形状のみを変えた点、および押圧部材52に代えて、一部形状のみを変えた押圧部材55を用いる点が相違する。本変形例では、図14に示すように、押さえ部材40Aの、溶着光入射側のレンズ面の有効レンズ面領域外のコバ面部分41G(屈折面)は、レンズ30のレンズ光軸と平行に切り立っている。すなわち、屈折面41Gと押圧部材55の光射出面とは、傾斜角が90度である。一方、押圧部材55の底面部近傍の内周面は、押さえ部材40Aを押圧する向きに広がるテーパ面55Aとして形成されている。
押圧部材55内を導光される溶着光MLは、テーパ面55Aによりレンズ30のレンズ光軸と直交する方向へ反射され、コバ面部分41Gから押さえ部材40A内に入射して溶着部YPに照射される。この場合、溶着光MLはレンズ30のレンズ光軸に平行な外周面41Aに対して直交するように照射することができる。
光溶着後、図11〜図14に示された部材構成から押圧部材52、53、55を取り外すとレンズユニットが得られる。
図1〜図14において、押さえ部材を用いてレンズを固定するレンズセル10として、筒状のレンズセル10におけるレンズ受け部11がレンズセル10の一端に形成され、他端が溶着光入射用に開放した構成であるものを例示したが、レンズセルはこのようなものに限らず、「光束通過用の開口を備えたレンズ受け部がレンズセルの内部に形成され、両端がレンズおよび押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部を有する構成」のものであることもできる。
図15は、このようなレンズセルに、押さえ部材40(説明の簡明化のため第1の実施形態で用いた押さえ部材40で代表する)を用い、押さえ部材40をレンズセルに溶着固定することにより1以上のレンズをレンズセルに固定的に保持させたレンズユニットの一実施形態を説明するための図である。
符号100で示す筒状のレンズセルは、レンズ受け部110がレンズセル100内部に形成され、レンズセル100の両端は1以上のレンズおよび押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部12である構成となっている。図示の例では、レンズ受け部110の一方の側にはレンズ20、30が、他方の側にはレンズ70が、それぞれ押さえ部材40を用い、各押さえ部材40をレンズセル100に光溶着固定することにより固定されている。レンズ20、30、70は、材質を問わず、また外周部のコバ部形状も問わず、レンズセル100に挿入可能なものであれば既存のレンズそのままを固定する対象とできる。押さえ部材40は、先に説明したレンズ固定方法によりレンズセル100に溶着固定され、絞り機能を発揮する。
図において上側のレンズ20、30の固定が押さえ部材40の溶着により行われるとき、溶着光は図15の上方のレンズ挿入部12から導入され、レンズ70の固定が押さえ部材40の溶着により行われるときは、図15の上下を反対にしてレンズ70が上方になるようにして上方から溶着光を導入する。
上述の実施形態および各変形例においては、レンズセルとして、中空シリンダ状のものを例示したが、レンズセルとしてはこのようなものに限らず、請求項に記載のように、レンズを固定される筒状のレンズセルは、内周面が「レンズ受け部側からレンズ挿入部側に向かって拡大するテーパ面」であるものを用いることができる。この場合には、最もレンズ挿入部側に挿入された押さえ部材の外周面は、上記テーパ面に摺接するようにレンズ光軸に対して傾いている。
図16に、このような場合の一実施形態を示す。この例では、レンズセル10Aは、押さえ部材40Bの外周面41ABを受けるレンズ受け部11の側から、図の上方のレンズ挿入部12に向かって拡大するテーパ面となっており、溶着光MLにより光溶着される押さえ部材40Bの外周面41ABは、レンズセル10Aのテーパ面に摺接している。
溶着光MLは、押さえ部材40Bを押圧する筒状の押圧部材56により導光され、押圧部材56のテーパのついた内周面56Aで反射され、押さえ部材40Bの「図で上方にむいて開く円錐面状の屈折面41FBに入射して溶着部YPへ照射される。押さえ部材40Bの外周面41ABがレンズ光軸に対して傾いているので、外周面41ABに対して直交するように溶着光MLを照射できる。なお、レンズセル10Aの図16の上端よりさらに上に、レンズ受け部11側よりも拡径したシリンダ状部分が形成されていてもよい。
なお、図16に示す押さえ部材40Bは、図13に示した押さえ部材40Aと比較して、外周面41Aに代えて、レンズセル10Aのテーパ面に摺接する「図で上方にむいて開く円錐面状の外周面41ABを有していることのみ相違する。押さえ部材40Bおよびレンズセル10Aの材質の具体例等は、第1および第2の実施形態で例示したと同様である。
(第3の実施形態)
図17は、レンズ固定方法およびレンズユニットに係る第3の実施形態を説明するための図である。
本発明は、原理的にレンズセルと押さえ部材との材質・材料を入れ替えても成立することを特徴としており、これに係る第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、レンズセル10に代えて、第1の実施形態の押さえ部材40の材料を採用したレンズセル210を用いる点、押さえ部材40に代えて、第1の実施形態のレンズセル10の材料を採用した押さえ部材240を用いる点、溶着光MLをレンズセル210の外側から照射するように構成した点が主に相違する。
レンズセル210は、第1の実施形態と同様の筒状であり、図における下方の端部の、符号211で示す部分は光束通過用開口を備えたレンズ受け部であり、レンズセル210における図の上方の部分は、レンズ挿入用および押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部212となっている。
レンズセル210は、材質的には溶着光MLを透過させる溶着光透過樹脂材料を用いる。具体的には、溶着光MLとして赤外線レーザ光を使用する場合には、三菱レイヨン株式会社製の「アクリフィルターIR」(なお、「アクリフィルター」は登録商標名)が好ましく用いられる。この材料を用いることにより、溶着光MLとしての赤外線レーザ光透過による溶着が行える。
本実施形態においては、図の簡明化を図るためレンズセル210に1枚のレンズ30が挿入配置されていて、このレンズ30をレンズセル210に固定する例で説明する。無論、上述の実施形態で説明したように1以上のレンズとしてレンズ20、30をレンズセル210に固定できることは言うまでもない。レンズ30は、一方のレンズ面をレンズ受け部211の開口位置に合せ、有効レンズ面領域外の部分をレンズ受け部211に受けられている。
押さえ部材240は、最もレンズ挿入部212側に位置するレンズ30のレンズ面における有効レンズ面領域外に当接し、この有効レンズ面領域外全体を覆うリング状をなしていて、可視光を遮断する材料(遮光材料)で形成されている。これにより、押さえ部材240は、遮光リング状をなす絞り機能を付与されている。
レンズ受け部211に受けられたレンズ30は、レンズ受け部211と押さえ部材240とにより「サンドイッチ」状に挟持された状態で、後述するように押さえ部材240の外周面241をレンズセル210の内周面に接触させ、押さえ部材240とレンズセル210との接触面部分を溶着部として、溶着光MLを照射して押さえ部材240とレンズセル210とが光溶着される。
押さえ部材240は、材質的には溶着光MLを吸収して溶解する溶着光吸収樹脂材料からなるものであって、かつ、可視光を遮断する材料からなる。具体的には、レーザ光を吸収する色(黒や青)の色素を分散させたメタクリル酸メチル樹脂(略称PMMA)等の樹脂で構成・形成することができる。
押さえ部材240は、主として4つの面部分を有する。すなわち、押さえ部材240は、コバ部とも呼ぶべき外周部に形成され、レンズ光軸5に平行であってレンズセル210の内周面に対向・接触する外周面241と、上側レンズ面の有効レンズ面領域の外側に対応して押圧部材51によって押圧されるコバ面部分242と、レンズ光軸5に平行であって絞りの境界面をなす内周面243と、レンズ30における上側レンズ面の有効レンズ面領域外に当接しているレンズ当接部分244とを有している。このように、押さえ部材240は、第1の実施形態の押さえ部材40の形状と比較して、溶着光反射面を形成する必要がなく、レンズ30における上側レンズ面との間に所定の隙間(空気層)を形成する必要もなく、形状の簡素化(簡素化)を図れるものとなっている。
押さえ部材240の外周面241は、レンズセル210の内周面に摺接するように、レンズセル210の内周面に対する外周面241の寸法が設定されている。
押圧部材51は、筒状であって、押さえ部材240におけるコバ面部分242の部分を図の上方から押し付け・押圧し、レンズ30のレンズセル210に対する位置関係を「光溶着される配置」に保持する。図17の例において、押圧部材51の下側端部面(底面部)は平面状であってコバ面部分242に密着する。
押圧部材51は、溶着光MLを導光しない、「溶着光MLに対して透明」である必要のない材料で形成されているとともに、押さえ部材240を所定の押圧力で押圧可能な強度を有する材料、例えば適宜の金属や樹脂等で形成されている。
ここで、レンズセル210、押さえ部材240の具体的形状についてさらに言及すると、前述のように、レンズセルに要求されるのは、筒状であって、押さえ部材240のレンズ光軸5に平行な外周面241を溶着可能であることであり、このような条件を満たす限りにおいて形態や形状は自由であるが、以下では説明の具体性のために、レンズセル210は中空シリンダ状であるとし、押さえ部材240はレンズ光軸5に平行な外周面241部分が、レンズセル210の内周面に摺接する円筒面形状をなすリング状であるとする。押圧部材51も中空シリンダ状であるとする。
押さえ部材240のコバ面部分242は、レンズ光軸5に直交する平面である。
溶着光MLは、本実施形態では非可視光からなるレーザ光が好ましく用いられる。非可視光からなるレーザ光のうち、一例を挙げると、波長の長い赤外線レーザ光が安全性、取り扱いの容易性、比較的安価に得られる点等から好ましく用いられる。このようなレーザ光からなる溶着光MLは、レンズセル210の外側の側方からレンズ光軸5と直交する方向に入射する。本実施形態においては、溶着光MLは「レンズ光軸5に直交する方向に狭まる収束性を有する光束であって、光溶着すべき複数点に順次もしくは同時に集光するレーザ光である」。
押さえ部材240の外周面241をレンズセル210に溶着すれば、レンズ30はレンズ受け部211と押さえ部材240とにより挟持された状態で、レンズセル210に固定的に保持されることになる。従って、レンズ30は、樹脂レンズでもガラスレンズでもよく、その材質を問わず、またレンズセル210内に挿入可能なコバ部形状であればコバ部の形状を問わず、既存の全てのレンズそのままのレンズを対象にレンズセル210に固定できることとなる。
次に、本実施形態のレンズユニットを得るレンズ固定方法の工程を説明する。先ず、図17に示すように、レンズセル210を準備し、これを平坦な平面を備えたターンテーブル250上に載置する。次いで、レンズセル210のレンズ挿入部212側からレンズ30を挿入配置することにより、レンズ30はレンズ受け部211に受けられ保持される。次いで、レンズ挿入部212側から押さえ部材240を挿入し、最もレンズ挿入部212側のレンズ30の有効レンズ面領域外に当接させることにより、レンズ受け部211に受けられたレンズ30をレンズ受け部211と押さえ部材240とにより挟持する状態にする。
次いで、レンズ挿入部212側から筒状の押圧部材51を挿入し、押さえ部材240のコバ面部分242に押圧部材51の下側端部面(底面部)を当接させた状態にしてから、押圧部材51によって押さえ部材240のコバ面部分242全周に渡り均等に押圧力を加える。この際、押圧部材51の自重が適当であるならばその自重だけでもよい。これにより、レンズ受け部211に受けられたレンズ30がレンズセル210に「光溶着される配置」状態となり、この押圧部材51で押さえた状態において、同図に示すように、収束光である溶着光ML(例えば赤外線レーザ光)を、レンズセル210内に配置された押さえ部材240の外周面241に対向したレンズセル210の外側から照射すると、溶着光MLはレンズセル210内に入射し、さらにレンズ光軸5に平行な押さえ部材240の外周面241に向けて照射され、溶着部YP(押さえ部材240外周面241とレンズセル210の内周面との摺接部)に照射される。
溶着光MLの照射と同時に、ターンテーブル250が図示しないギヤやベルトおよび電動モータ等を具備して構成された駆動力伝達機構を介してレンズ光軸5の周りに矢印方向に回転している。溶着部YPにおいて、溶着光MLは押さえ部材240の外周面241の壁に吸収されて外周面241の壁を発熱させ、外周面241の壁部を融解させる。このとき、押さえ部材240の外周面241に当接ないし摺接しているレンズセル210の内周面も押さえ部材240側からの熱で融解し、融解した部分同士が一体となる。その後、溶着光MLの照射を停止すると同時にターンテーブル250の回転を停止し、溶融した部分を固化させれば、押さえ部材240がレンズセル210と一体化され、レンズ受け部211と押さえ部材240とにより挟持されているレンズ30がレンズセル210に固定的に保持されることとなる。
光溶着は、例えば、数秒もしくはそれより短い時間で完了するようにできる。光溶着後、レンズセル210から押圧部材51を取り外すと、レンズユニットが得られる。
図17を参照して説明したレンズ固定方法は、光束通過用開口を備えたレンズ受け部211を有するとともに、少なくとも一端がレンズ挿入用に開放したレンズ挿入部212を有する筒状のレンズセル210の、レンズ挿入部212から1以上のレンズ30を挿入し、レンズ受け部211に受けさせた後、レンズ挿入部212から押さえ部材240をレンズセル210に挿入し、最もレンズ挿入部212側のレンズ30面の有効レンズ面領域外に当接させることにより、レンズ受け部211に受けられた1以上のレンズ30をレンズ受け部211と押さえ部材240とにより挟持するとともに、レンズセル210の内周面に対向する押さえ部材240の外周面241をレンズセル210の内周面に接触させ、押さえ部材240とレンズセル210との接触面部分を溶着部YPとして、溶着光MLを照射して押さえ部材240とレンズセル210とを光溶着する方法であって、レンズセル210を溶着光吸収樹脂材料で、押さえ部材240を、可視光を遮断し、かつ、溶着光透過樹脂材料で構成し、レンズセル210内に配置された押さえ部材240の外周面241に対向したレンズセル210の外側から溶着光MLを入射させることにより、上記溶着部YPに照射して光溶着を行うものである。
上述した第1および第2の実施形態と第3の実施形態等とを併せ考えると、上述の「光溶着する方法であって、」以下の後段の技術事項をより広い概念で置き換えて表現することができる。つまり、「溶着光に対し、レンズセルと押さえ部材の一方を溶着光を吸収して溶解する溶着光吸収樹脂材料により構成し、他方を、溶着光を透過させる溶着光透過樹脂材料とし、かつ、押さえ部材は可視光を遮断する材料とし、レンズセルと押さえ部材のうち、溶着光透過樹脂材料により構成されたものの側から、溶着光を溶着部に照射して、レンズセルと押さえ部材を光溶着するレンズ固定方法である」。
また、図17に示すレンズユニットは、1以上のレンズ30と、1以上のレンズ30が固定的に保持される筒状のレンズセル210と、レンズセル210に保持される1以上のレンズ30における有効レンズ面領域外のレンズ30面と当接する押さえ部材240とを有し、溶着光MLにより押さえ部材240が1以上のレンズ30を押さえた状態でレンズセル210に光溶着されてなるレンズユニットであって、レンズセル210は、溶着光MLを透過する樹脂材料であって、レンズ光軸5に平行もしくは傾いた内周面を形成され、光束通過用開口を備えたレンズ受け部211を有するとともに、少なくとも一端が1以上のレンズ30および押さえ部材240挿入用に開放したレンズ挿入部212を有する構成であり、押さえ部材240は、溶着光MLを吸収して溶解し、かつ、可視光を遮断する樹脂材料で形成され、レンズセル210の内周面に対向して接触する外周面241を有し、レンズ受け部211に受けられた1以上のレンズ30をレンズ受け部211と挟持するように配置されており、押さえ部材240が、その外周面241においてレンズセル210の内周面に溶着固定されている。
図17に示した第3の実施形態例に限らず、図15において、押さえ部材40に代えた押さえ部材240を採用するとともに、レンズセル100に代えて、レンズセル100と同様の形状にレンズセル210の形状のみ(材料は第3の実施形態例と同じ)を変えることにより、図15に示したと同様のレンズセルの実施形態を構成することができることは、当業者であるならば容易に理解して実施できるためこれ以上の説明を省略する。
また、図17に示した第3の実施形態例に限らず、図16において、レンズセル10Aに代えて、レンズセル10Aと同様のテーパ形状を内周面に備えたレンズセル210の形状のみ(材料は第3の実施形態例と同じ)を変えるとともに、押さえ部材40Bに代えて、押さえ部材40Bの外周面41ABと同様のテーパ形状を備えた押さえ部材240の形状のみ(材料は第3の実施形態例と同じ)を変えることにより、図16に示したと同様のレンズ固定方法の実施形態を構成することができることは、当業者であるならば容易に理解して実施できるためこれ以上の説明を省略する。
上述の第3の実施形態ではレンズセル210をターンテーブル250と一緒に回転させながら溶着光MLを照射する例で説明した。勿論、ターンテーブルを用いずに、リング状収束光を用いて一括照射する方法でもよい。
すなわち、前述のリング状収束光の集光途上に、リング状収束光の中心線を円錐軸とする円錐面状の反射面を配して、リング状収束光を上記中心軸に向う向きに反射させ、溶着部YPにレンズセル210の外周面側から入射させ、溶着部YPにリング状に集光させて、溶着部YPをリング状に一括して溶着させてもよい。
また、第3の実施形態例において、溶着光MLは非可視光からなるレーザ光が好ましく用いられるとしたが、これに限らず、可視光からなるレーザ光を溶着光MLとして用いて光溶着することも可能である。例えば、第3の実施形態例における光溶着後、すなわち押さえ部材240の外周面241とレンズセル210の内周面との可視光からなるレーザ光による溶着固定後に、レンズセル210の外周面等を可視光を透過させないシート状の部材で被覆したり、可視光を透過させない塗装などの表面処理を行ったりしてもよい。
上に説明した各実施形態や変形例等において、溶着光MLの例として「リング状に集光するレーザ光(上の説明におけるリング状収束光)」を挙げた。以下には、このようなリング状収束光を生成する溶着用光源装置の1例を説明する。
図18は、溶着用光源装置の1例を説明するための図である。
図中、符号LD1、LD2、・・LDNは複数個(N個)の半導体レーザを示す。
これら複数個の半導体レーザLD1〜LDNからのレーザ光はビーム合成手段1000により合成され、カップリング光CPとなって単一の光ファイバFの入射端FIにカップリングし、光ファイバF内を伝搬して光ファイバFの射出端FOから射出する。上記半導体レーザとしては、例えば赤外線レーザを生成するものが好ましく、一般的なCANタイプの赤外線レーザを複数使用すればよいが、複数のレーザ発光部を有する高出力のLDバーやLDスタックを用いてもよい。
射出端FOから射出する光は「溶着用光」であって発散光束であり、発散しつつレンズL1に入射し、レンズL1とこれに続くレンズL2を透過すると、レンズL1、L2の作用により集光光束となる。レンズL1、L2は「集光光学系」を構成する。
図において符号AXは「集光光学系のレンズ光軸」を示し、ファイバFの射出端FOと集光光学系の位置関係は、射出端FOから射出する発散光束(溶着用光)の「レンズ光軸光線」がレンズ光軸AXと合致するように設定されている。
集光光学系のレンズL2から射出した集光光束は、集光の途上で光学素子BDに入射する。光学素子BDは、この例において入射側が平面、射出側が「レンズ光軸AXを軸とする凹の円錐面」であり、上記溶着用光に対して透明である。
従って、溶着用光は光学素子BDを透過すると、レンズ光軸AXに対称なリング状の光束断面を持ち、光束断面をなすリング幅が伝搬方向に減少する光束、すなわち「リング状に集光するレーザ光」であるリング状収束光となる。リング状収束光は、集光光学系により射出端FOと共役関係に結ばれる結像面300上にリング線状に集光する。
このリング状収束光が上に説明した溶着光MLとして使用され得ることは容易に理解されるであろう。図18において、光学素子BDを移動手段2000によりレンズ光軸AX方向へ変位させれば、結像面300上に結像するリング線状の像の半径を連続的に変化させることができる。
光学素子BDの射出側の面を、レンズ光軸に対称な凹の角錐面(例えば4角錐面)とすれば、溶着光として「複数点(例えば4点)に同時に集光するレーザ光」を得ることができる。
レンズ固定方法およびレンズユニットの第1の実施形態を説明するための断面図である。 図1の要部を示す拡大断面図である。 (a)〜(b)は、レンズ固定方法の概略工程を説明するための図であって、上に示すものが平面図および下に示すものが断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの変形例1を説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの変形例2を説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの変形例3を説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの変形例4を説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの変形例5を説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの変形例6を説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの変形例7を説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法の第1の参考例および第2の実施形態のレンズユニットを説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法の参考変形例8および第2の実施形態の変形例8のレンズユニットを説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法の参考変形例9および第2の実施形態の変形例9のレンズユニットを説明するための要部の拡大断面図である。 レンズ固定方法の参考変形例10および第2の実施形態の変形例10のレンズユニットを説明するための要部の拡大断面図である。 レンズユニットの一実施形態を説明するための断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの一実施形態を説明するための断面図である。 レンズ固定方法およびレンズユニットの第2の参考例を説明するための断面図である。 溶着光を生成する溶着用光源装置の1例を説明するための図である。 従来のレンズ溶着方法の問題点を説明するための要部の断面図である。
符号の説明
5 レンズ光軸
10、10A、100、210 レンズセル
11、110 レンズ受け部
12、212 レンズ挿入部
20、30、70 レンズ
40、40A、40B、240 押さえ部材
41A、41AB、241 押さえ部材の外周面
42、42A、42B、42C、42A1、42B1 溶着光反射面
43 隙間(空気層)
50、51、52、53,55 押圧部材
YP 溶着部
ML 溶着光

Claims (6)

  1. 光束通過用開口を備えたレンズ受け部を有するとともに、少なくとも一端がレンズ挿入用に開放したレンズ挿入部を有する筒状のレンズセルの、上記レンズ挿入部から1以上のレンズを挿入し、上記レンズ受け部に受けさせた後、上記レンズ挿入部から押さえ部材を上記レンズセルに挿入し、最も上記レンズ挿入部側のレンズ面の有効レンズ面領域外に当接させることにより、上記レンズ受け部に受けられた上記1以上のレンズを上記レンズ受け部と上記押さえ部材とにより挟持するとともに、上記押さえ部材の外周面を上記レンズセルの内周面に接触させ、上記押さえ部材と上記レンズセルとの接触面部分を溶着部として、溶着光を照射して上記押さえ部材と上記レンズセルを光溶着する方法であって、
    上記溶着光を非可視光とし、該溶着光に対し、上記レンズセルを上記溶着光吸収樹脂材料で、上記押さえ部材を上記溶着光透過樹脂材料であって、かつ、可視光を遮断する材料で構成するとともに、上記押さえ部材と当接する上記レンズ面との間に所定の隙間をもって溶着光反射面を形成しておき、
    上記押さえ部材が配置された側の上記レンズ挿入部から、上記溶着光を入射させ、上記溶着光反射面により上記外周面に向けて反射させることにより、上記溶着部に照射して上記レンズセルと上記押さえ部材を光溶着することを特徴とするレンズ固定方法。
  2. 1以上のレンズと、該1以上のレンズが固定的に保持される筒状のレンズセルと、該レンズセルに保持される上記1以上のレンズにおける有効レンズ面領域外のレンズ面と当接する押さえ部材とを有し、非可視光からなる溶着光により上記押さえ部材が上記レンズセルに光溶着されてなるレンズユニットであって、
    上記レンズセルは、上記溶着光を吸収して溶解する樹脂材料であって、レンズ光軸に平行もしくは傾いた内周面を形成され、光束通過用開口を備えたレンズ受け部を有するとともに、少なくとも一端が上記1以上のレンズおよび上記押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部を有する構成であり、
    上記押さえ部材は、上記溶着光を透過し、かつ、可視光を遮断する樹脂材料であって、上記押さえ部材と当接する上記レンズ面との間に所定の隙間をもって溶着光反射面を形成されているとともに、上記内周面に対向して接触する外周面を有し、上記レンズ受け部に受けられた上記1以上のレンズを上記レンズ受け部と挟持するように配置されており、
    上記押さえ部材が、上記外周面において上記内周面に溶着固定されていることを特徴とするレンズユニット
  3. 1以上のレンズと、該1以上のレンズが固定的に保持される筒状のレンズセルと、該レンズセルに保持される上記1以上のレンズにおける有効レンズ面領域外のレンズ面と当接する押さえ部材とを有し、非可視光からなる溶着光により上記押さえ部材が上記レンズセルに光溶着されてなるレンズユニットであって、
    上記レンズセルは、上記溶着光を吸収して溶解する樹脂材料であって、レンズ光軸に平行もしくは傾いた内周面を形成され、光束通過用開口を備えたレンズ受け部を有するとともに、少なくとも一端が上記1以上のレンズおよび上記押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部を有する構成であり、
    上記押さえ部材は、上記溶着光を透過し、かつ、可視光を遮断する樹脂材料で形成され、上記内周面に対向して接触する外周面を有し、上記レンズ受け部に受けられた上記1以上のレンズを上記レンズ受け部と挟持するように配置されており、
    上記押さえ部材が、上記外周面において上記内周面に溶着固定されていることを特徴とするレンズユニット
  4. 請求項2または3記載のレンズユニットにおいて、
    上記レンズセルは、該レンズセルの一端に上記レンズ受け部が形成され、他端が上記1以上のレンズおよび上記押さえ部材挿入用に開放したレンズ挿入部であることを特徴とするレンズユニット
  5. 請求項2ないし4の何れか一つに記載のレンズユニットにおいて
    上記レンズセルは、上記レンズ受け部が該レンズセルの内部に形成され、両端が上記1以上のレンズおよび上記押さえ部材挿入用に開放され、上記レンズ受け部の両側に上記1以上のレンズが上記押さえ部材を用いて固定的に保持された構成であることを特徴とするレンズユニット。
  6. 請求項2ないし5の何れか一つに記載のレンズユニットにおいて
    上記レンズセルの内周面が、上記レンズ受け部側から上記レンズ挿入部側に向かって拡大するテーパ面であり、最も上記レンズ挿入部側に挿入された上記押さえ部材の上記外周面が上記テーパ面に摺接するようにレンズ光軸に対して傾いていることを特徴とするレンズユニット。
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