JP5084920B2 - セラミックヒータ - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼式車載暖房装置の点火あるいは炎検知用ヒータ、石油ファンヒータ等の各種燃焼機器の点火用ヒータ、自動車用グロープラグ、酸素センサ等の各種センサや測定機器の加熱用ヒータなどに利用される耐久性に優れたセラミックヒータに関する。
寒冷地において短時間でエンジンの始動を可能とするための熱源や車両室内暖房の補助熱源として、液体燃料を用いる車載暖房機が使用されている。また、電気自動車においてはバッテリの容量の制限により電力消費を少なくすることが要求されており、暖房装置の熱源としてこの液体燃料を用いた車載暖房機の利用が見込まれている。そして、近年、車載暖房装置に用いられるセラミックヒータは高寿命化が望まれている。
ところで、上記セラミックヒータの基体に好適なセラミック焼結体としては、耐熱性や耐熱衝撃性、耐酸化性に優れるという点から、窒化物系セラミックスが採用されてきた。しかしながら、窒化物系セラミックスは、熱膨張率が小さいので、導電性材料(配線導体)との組み合わせでは両者の熱膨張差に起因する熱応力により熱疲労が発生してセラミック基体にクラックが発生するという問題があった。
そこで、この問題を解決するために、例えば特許文献1に開示されているように、熱膨張係数の小さい窒化物系セラミックスを配線導体中に分散させ、配線導体の熱膨張率を低下させるように制御する方法が提案されている。また、セラミック基体の原料については、特許文献2に開示されているように、MoSiやWC等のセラミックス導電性材料を添加することにより、配線導体に熱膨張率を近づけるような調整が行われてきた。また、特許文献3に記載されているように、セラミック基体の原料中に炭化珪素を添加することにより、熱膨張係数の調整が行われている。
特開2002−220285号公報 特許第2616931号公報 特開2002−201074号公報
しかしながら、セラミック基体と配線導体の熱膨張係数を一致させることは非常に困難であるため、焼成中やセラミックヒータ使用中に発生するこれらの材料の熱膨張差によっても、配線導体中あるいはセラミック基体中にクラックが発生することがあった。
本発明は、焼成時や使用時等の急速昇降温時に、セラミック基体と配線導体間に発生する応力を緩和し、配線導体とセラミック基体界面のクラックの発生を防ぐことにより、耐久性、信頼性に優れたセラミックヒータを提供することを目的とするものである。
本発明のセラミックヒータは、セラミック基体と、該セラミック基体中に埋設された配線導体とを備えたセラミックヒータにおいて、前記セラミック基体と前記配線導体との間には、該配線導体の表面を被覆する応力緩和層が設けられており、前記配線導体の配線方向に垂直な面で切ったときの断面において、前記配線導体が少なくとも一つの頂点を有し
、前記応力緩和層の外形線のうち、前記頂点に臨む領域が曲線であることを特徴とする。
また、本発明のセラミックヒータは、セラミック基体と、該セラミック基体中に埋設された配線導体とを備えたセラミックヒータにおいて、前記セラミック基体と前記配線導体との間には、該配線導体の表面を被覆する応力緩和層が設けられており、前記配線導体の配線方向に垂直な面で切ったときの断面において、前記配線導体が少なくとも一つの頂点を有し、前記応力緩和層の外形線のうち、前記頂点に臨む領域に少なくとも一つの頂点が存在し、該頂点の角度が前記配線導体の頂点の角度よりも大きいことを特徴とする。
本発明では、前記応力緩和層が電気絶縁性材料からなるのが好ましく、前記応力緩和層が窒化硼素を主成分とするのがより好ましい。
また、本発明のセラミックヒータは、前記応力緩和層の硬度が前記セラミック基体及び前記配線導体よりも低く調整されているのがよく、前記応力緩和層の密度が前記セラミック基体及び前記配線導体よりも低く調整されているのがよい。
また、本発明における前記配線導体は、発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電力を供給するためのリード抵抗体とからなり、該リード抵抗体が前記応力緩和層により被覆されていてもよく、あるいは、前記配線導体は、発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電力を供給するためのリード抵抗体とからなり、これらが前記応力緩和層により被覆されていてもよい。
本発明によれば、セラミック基体と配線導体との間に、該配線導体の表面を被覆する応力緩和層を設けることにより、焼成時や使用時等の急速昇降温時に、セラミック基体と配線導体間に発生する応力を応力緩和層が緩和することができるので、セラミック基体や配線導体へのクラックの進展を防止でき、耐久性、信頼性に優れたセラミックヒータを提供できる。
本発明の一実施形態にかかるセラミックヒータを示す断面図である。 本発明の他の実施形態にかかるセラミックヒータを示す断面図である。 (a)〜(e)は、本発明のセラミックヒータを配線導体の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面の一例をそれぞれ示す断面図である。 図1に示すセラミックヒータの分解斜視図である。 従来のセラミックヒータを示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態にかかるセラミックヒータの基本構造について説明する。
図1は、本実施形態にかかるセラミックヒータを示す断面図である。図1に示すように、このセラミックヒータは、セラミック基体1と、このセラミック基体1中に埋設された配線導体2とを備えている。この配線導体2は、発熱抵抗体2aとこの発熱抵抗体2aに電力を供給するリード2bとから構成され、発熱抵抗体2aがリード2bを介して電極引出部3と電気的に接続されている。
本発明では、セラミック基体1と配線導体2との間に、この配線導体2の表面を被覆する応力緩和層4を設けている。この応力緩和層4が設けられていることで、セラミック基体1と配線導体2との間に発生する応力を緩和することができるので、配線導体2とセラミック基体1の界面にクラックが発生するのを抑制し、その進展を防止することができる。
応力緩和層4を構成する材料としては、セラミック基体1と配線導体2との間に発生する応力を緩和できるものであれば種々の材料を使用することができる。例えば、応力緩和層4は電気絶縁性材料で構成されているのが好ましい。これにより、応力緩和層4の厚みや組成が変わっても配線導体2の抵抗が変化しないので、耐久性、耐熱性に優れた素子が得られる。一方、応力緩和層4が導電性材料である場合には、応力緩和層4の厚みやその材料自身固有の比抵抗の値により、応力緩和層4を被覆したリード部の抵抗値が変化することになる。特に、本発明では、応力緩和層4が窒化硼素を主成分とすることが好ましい。窒化硼素は、高温で安定であり、熱伝導性に優れ、かつヤング率が低いので、応力緩和材料として最適である。応力緩和層4における窒化硼素の含有量は好ましくは5〜100体積%、より好ましくは20〜80体積%であるのがよい。
応力緩和層4の厚みは5μm〜800μm、好ましくは15〜450μmであるのがよい。応力緩和層4の厚みが5μm未満になると、セラミック基体1と配線導体2との間に発生する応力を緩和する効果が十分に得られないおそれがある。一方、応力緩和層4の厚みが800μmを超えると、製品の強度低下の原因になるおそれがある。
応力緩和層4の硬度は、セラミック基体1及び配線導体2よりも低いことが好ましい。具体的には、応力緩和層4のビッカース硬度(Hv)は、15以下、好ましくは10以下、より好ましくは1.5〜2.5であるのがよい。応力緩和層4の硬度が上記の通りであることで、セラミック基体1及び配線導体2よりも応力緩和層4の方が先に破壊されやすいので、焼成時や使用時等の急速昇降温時においてセラミック基体1と配線導体2間に発生する応力を効果的に緩和でき、配線導体2とセラミック基体1の界面のクラックの発生を防止するより高い効果を得ることができる。
一方、応力緩和層4の硬度がセラミック基体1及び配線導体2よりも高い場合には、応力緩和層4が横滑りしにくくなり、セラミック基体1と配線導体2間に発生する応力の緩和効果が低減する。加えて、応力緩和層4が破壊しにくくなるので、クラックがセラミックスにまで進展するおそれがある。なお、「横滑り」とは、応力緩和層4とセラミック基体1の配置、応力緩和層4と配線導体2の配置が相対的にずれることをいう。
応力緩和層4、セラミック基体1及び配線導体2の硬度は、例えば次のようにして測定することができる。まず、研磨等の手段により、セラミックヒータの長手方向に対して垂直な断面を露出させ、鏡面加工する。ついで、JIS B 7725「ビッカース硬さ試験機」に規定された方法に基づいて、鏡面を出した応力緩和層4、セラミック基体1及び配線導体2のそれぞれの表面に、対面角136度のダイヤモンド圧子を10Nの荷重で5秒間打ち込み、各部位の表面にできた窪みの対角線長さを測定し、平均値を取ることにより、硬度(Hv)を算出する。窪みの対角線長さは、光学顕微鏡により、倍率500倍で観察して測定する。なお、応力緩和層4の層厚が非常に小さい場合には、測定時のダイヤモンド圧子の加圧条件を緩和(低減)して測定してもよい。また、応力緩和層4のみを切り出して測定してもよい。
また、応力緩和層4の密度は、セラミック基体1及び配線導体2よりも低いことが好ましい。具体的には、応力緩和層4の密度(g/cm)は、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.3〜2.8であるのがよい。これにより、焼成時や使用時等の急速昇降温時に、セラミック基体1と配線導体2間に発生する応力を効果的に緩和でき、配線導体2とセラミック基体1の界面のクラックの発生を防止するより高い効果を得ることができる。一方、応力緩和層4の密度がセラミック基体1及び配線導体2よりも高い場合には、応力緩和層4が横滑りしにくくなり、セラミック基体1と配線導体2間に発生する応力の緩和効果が低減する。加えて、応力緩和層4が破壊しにくくなるので、クラックがセラ
ミックスにまで進展するおそれがある。
応力緩和層4、セラミック基体1及び配線導体2の密度は、例えば次のようにして測定することができる。#250ダイヤモンドホイールを装着した平面研削盤(例えば、岡元工作機械社製 KSKタイプ)を用いて加工をすることにより、応力緩和層4、セラミック基体1及び配線導体2のそれぞれを分離し、アルキメデス法により密度測定を行う。密度測定は、複数のサンプルで行い、その平均値を算出するのが好ましい。アルキメデス法による密度測定には、例えば4桁天秤(ザルトリウス社製 BJ60S)を使用することができる。
本実施形態のセラミックヒータ5では、リード抵抗体2bのみが応力緩和層4により被覆されている。このように少なくともリード抵抗体2bが応力緩和層4により被覆されていることで、焼成時の急速降温の際に、リード抵抗体2bとセラミック基体1の熱膨張差を緩和し、リード抵抗体2bとセラミック基体1界面のクラックの発生を抑制することができる。
図2は、本発明の他の実施形態にかかるセラミックヒータを示す断面図である。図2に示すように、このセラミックヒータでは、発熱抵抗体2aとリード抵抗体2bの両方が応力緩和層4により被覆されている。これにより、発熱抵抗体2a及びリード抵抗体2bとセラミック基体1界面のクラックの発生を防止することができる。
上記のようにリード抵抗体2b、又は発熱抵抗体2a及びリード抵抗体2bを応力緩和層4により被覆することで、発熱抵抗体2aやリード抵抗体2bの厚みによらず、焼成時の急速降温の際に発熱抵抗体2aやリード抵抗体2bとセラミック基体1の熱膨張差を緩和することができる。また、使用時に、発熱抵抗体2aとリード抵抗体2b間の温度差に起因する熱応力を緩和できる。さらに、セラミックヒータが落下した時等の衝撃を吸収し、クラックの発生を防止することができる。
図3(a)は、本発明のセラミックヒータを配線導体の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面の一例を示す断面図であり、図3(b)は、本発明のセラミックヒータを配線導体の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面の他の例を示す断面図であり、図3(c)〜(e)は、本発明のセラミックヒータを配線導体の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面のさらに他の例を示す断面図である。
図3(a)に示す形態では、配線導体2の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面において、配線導体2は4つの頂点e1を有している。また、応力緩和層4の外形線は、配線導体2の頂点e1に臨む領域を覆うように4つの頂点e3を有している。頂点e1及び頂点e3はほぼ直角である。このように応力緩和層4が被覆されていることにより、配線導体2がセラミック基体1に直接接触せず、頂点e1への熱応力の集中を抑制し、頂点e1を基点とするクラックが発生するのを抑制することができる。 図3(b)に示す形態では、配線導体2の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面において、配線導体2が4つの頂点e1を有し、応力緩和層4の外形線のうち、配線導体2の頂点e1に臨む領域が曲線cで形成されている。これにより、配線導体2の鋭利な頂点(角部)e1がセラミック基体1に直接接触しなくなるので、この頂点e1への熱応力の集中を抑制し、頂点e1を基点とするクラックが発生するのを抑制することができる。また、頂点e1に臨む領域が曲線で覆われているので、図3(a)の場合と比較して熱応力の集中を抑制する効果がより高まる。
図3(c)に示す形態では、配線導体2の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面において、配線導体2が4つの頂点e1を有し、応力緩和層4の外形線のうち、頂点e1に
臨む領域に2つの頂点e2が存在している。この頂点e2の角度は配線導体2の頂点e1の角度よりも大きくなるように設計されている。頂点e1はほぼ直角であり、頂点e2は鈍角である。すなわち、応力緩和層4の外表面の角部が面取りされたような形態に設計されている。これにより、配線導体2の鋭利な頂点(角部)e1がセラミック基体1に直接接触せず、この頂点e1よりも角度が大きな応力緩和層4の頂点e2がセラミック基体1に接触するので、配線導体2の頂点e1への熱応力の集中を抑制し、頂点e1を基点とするクラックが発生するのを抑制することができる。また、頂点e1に臨む領域における頂点e2の角度が図3(a)の場合と比較して大きいので、熱応力の集中を抑制する効果がより高まる。
図3(d)に示す形態では、配線導体2の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面において、配線導体2が8つの頂点e4を有し、応力緩和層4の外形線が、頂点e4付近を覆うように頂点e2が存在するように設計されている。頂点e2及び頂点e4は鈍角である。すなわち、応力緩和層4の外表面の角部が面取りされたような形態に設計されている。これにより、配線導体2がセラミック基体1に直接接触せず、応力緩和層4の頂点e2がセラミック基体1に接触するので、配線導体2への熱応力の集中を防止し、頂点e4を基点とするクラックが発生するのを抑制することができる。この形態の場合、図3(c)における頂点e1の角度よりも頂点e4の角度の方が大きいので、熱応力の集中を抑制する効果をさらに高めることができる。
図3(e)に示す形態では、配線導体2の配線方向に略垂直な面で切断したときの断面において、配線導体2及び応力緩和層4の外形が略円形ないし略楕円形である。これにより、配線導体2及び応力緩和層4の外表面に鋭利な角部が存在しないので、これらの外表面への熱応力の集中を防止し、角部を基点とするクラックが発生するのを抑制することができる。この形態の場合、配線導体2及び応力緩和層4の外形に頂点が存在しないので、熱応力の集中を抑制する効果が極めて高い。
図4は、図1に示すセラミックヒータ5の分解斜視図である。図4に示すように、このセラミックヒータ5は、セラミック成形体6bの表面に、発熱抵抗体2aおよび電極引出部3をプリントした後、リード抵抗体2bに相当する導電性セラミック成形体をセラミック成形体6aと6bの溝部にはめ込み、1650〜1780℃の温度でホットプレス焼成することにより作製できる。
リード抵抗体2bの表面に応力緩和層4を被覆するには、例えば次にようにすればよい。まず、WCと窒化硼素を主成分とするセラミック原料粉末を周知のプレス成型法等で成形してリード抵抗体2bとなる導電性セラミック成形体を得る。ついで、窒化硼素粉末と、セラミック成形体6a、6bを形成するセラミック原料粉末と同質の材料を準備し、所定の組成に調合し、さらに、バインダーとメタノールを添加してスラリー状にする。このスラリー中に導電性セラミック成形体2bを浸漬するディッピング法により導電性セラミック成形体2bの表層部分に応力緩和層4を形成する。応力緩和層4の厚み調整は、導電性セラミック成形体2bのディッピング時間や、スラリー粘度を調整することにより行うことができる。また、ディッピング時に石膏型を使用することにより、ディッピング層のエッジ部形状を、テーパー状や曲面状に調整することができる。
また、発熱抵抗体2aの表面に応力緩和層4を被覆する方法は、例えば次の通りである。発熱抵抗体2aをリード抵抗体2bと同様にプレス成型法等で成形した場合は、上記したようなディッピング法により形成すればいい。また、発熱抵抗体2aをプリント法によりセラミック成形体の表面に形成する場合には、発熱抵抗体2aの上下面に応力緩和層4を被覆させるために、発熱抵抗体2aよりひとまわり大きなパターンで応力緩和層4をあらかじめプリントしておき、その上に発熱抵抗体2aをプリントした後、さらにその上に
発熱抵抗体2aよりひとまわり大きなパターンで応力緩和層4をプリントし、発熱抵抗体2aをサンドイッチすることによって応力緩和層4を形成することが可能である。
焼成後、直方体の製品を、製品の周囲でダイヤを回転させることにより曲面状にする、センタレス加工によって、円柱状にする。さらに、この円柱状の製品の先端及び端面の加工には形状ダイヤ(加工したい形状にあらかじめ加工したダイヤモンドホイール)を使用することによって、図1に示すような、製品形状にする。
セラミック体1は、板状のセラミック成形体6a、6bが積層されて形成される。セラミック体1をなすセラミックス基材としては、窒化珪素質セラミックスを用いるのが好適である。窒化珪素は高強度、高靱性、高絶縁性、耐熱性等の観点で優れている。この窒化珪素質セラミックスは、例えば、主成分の窒化珪素に対し、焼結助剤として3〜12重量%のY、Yb、Er等の希土類元素酸化物と、0.5〜3重量%のAl、さらに焼結体に含まれるSiO量として1.5〜5重量%となるようにSiOを混合し、所定の形状に成形した後、1650〜1780℃でホットプレス焼成することにより得ることができる。
また、発熱抵抗体2aとしては、W、Mo、Tiの炭化物、窒化物、珪化物を主成分とするものを使用することが可能であるが、中でもWCが熱膨張率、耐熱性、比抵抗の面から発熱抵抗体2aの材料として優れている。発熱抵抗体2aは無機導電体のWCを主成分とし、これに添加する窒化硼素の比率が4重量%以上となるように調整することが好ましい。窒化珪素セラミックス中で、発熱抵抗体2aとなる導体成分は窒化珪素に較べて熱膨張率が大きいため、通常は引張応力が掛かった状態にある。これに対して、窒化硼素は、窒化珪素に較べて熱膨張率が小さく、また発熱抵抗体2aの導体成分とは不活性であり、セラミックヒータ5の昇温降温時の熱膨張差による応力を緩和するのに適している。また、窒化硼素の添加量が20重量%を超えると抵抗値が安定しなくなるので、20重量%を上限とするのがよい。さらに好ましくは、窒化硼素の添加量は、4〜12重量%とするのがよい。また、発熱抵抗体2aへの添加物として、窒化硼素の代わりに窒化珪素を10〜40重量%添加することも可能である。窒化珪素の添加量を増すにつれ、発熱抵抗体2aの熱膨張率を母材の窒化珪素に近づけることができる。
一方、リード抵抗体2bとしては、W、Mo、Tiの炭化物、窒化物、珪化物を主成分とするものを使用することが可能であるが、中でもWCが熱膨張率、耐熱性、比抵抗の面からリード抵抗体2bの材料として優れている。リード抵抗体2bは無機導電体のWCを主成分とし、これに添加する窒化珪素の比率が15重量%以上となるように調整することが好ましい。窒化珪素の添加量を増すにつれ、リード抵抗体2bの熱膨張率を母材の窒化珪素に近づけることができる。また、窒化珪素の添加量が40重量%を超えると抵抗値が安定しなくなるので、40重量%を上限とするのがよい。さらに好ましくは、窒化珪素の添加量は、20〜35重量%とするのがよい。
本発明の有効性を確認するために、試作品を作製して下記試験を実施し、従来のセラミックヒータ(図5)と比較した。
ここでは、配線導体2の周囲の応力緩和層4の厚み、配線導体2の角部形状や応力緩和層4の角部形状、及び組成変更による硬度や密度の値を表1に示すように変更して、各々の試料の焼成後のクラック有無と、冷熱サイクル後のクラック発生有無を評価した。クラック有無については、光学顕微鏡を用いて倍率450倍で観察し評価した。冷熱サイクル試験については、セラミックヒータ1に通電し、30秒間で常温から1300℃まで昇温し60秒間空冷というサイクルを140000サイクル実施した。なお、1300℃に保
持するための印加電圧は190V〜210Vになるようにセラミックヒータ5の抵抗値を調整している。
セラミックヒータ5の製法について、図4に基づいて説明する。まず、窒化珪素(Si)粉末にイッテリビウム(Yb)の酸化物からなる焼結助剤と配線導体2に熱膨張率を近づけるため、MoSiを添加したセラミック原料粉末をプレス成形して、セラミック成形体6a、6bを得た。図4に示すように、WCと窒化硼素を主成分とするペーストを用いて、発熱抵抗体2aと電極引出部3をプリント法によりセラミック成形体6bの表面に形成した。また、リード抵抗体2bに相当する導電性セラミック成形体については、WCと窒化硼素を主成分とするセラミック原料粉末を周知のプレス成型法等で成形して得た。さらに、平均粒径が0.2μmの窒化硼素粉末と、セラミック成形体6a、6bを形成するセラミック原料粉末と同質の材料を準備し、表1に示した所定の組成に調合し、そこに、バインダーとメタノールを添加してスラリー状にした後、導電性セラミック成形体2bをこのスラリー中に浸漬するディッピング法にて、導電性セラミック成形体2bの表層部分に表1に示す厚みとなるように応力緩和層4を形成した。この厚み調整は、導電性セラミック成形体2bのディッピング時間や、スラリー粘度を調整することにより行った。また、ディッピング時に石膏型を使用することにより、ディッピング層のエッジ部形状を、テーパー状や曲面状に形状調整を行った。
応力緩和層4の外形線形状は、直角(図3(a))、曲線(図3(b))、テーパー(図3(c))、略円形ないし略楕円形(図3(e))の各種形状とした。また、配線導体2の角部形状についても、図3(a)〜(c)のような直角又は図3(e)のようなテーパー状とした。
また、応力緩和層4を、導電性セラミック成形体2bの表層部分にのみ形成した試料と、図2に示したような、発熱抵抗体2aの表層部分も含めて、全体に形成した試料の2種類を作製した。発熱抵抗体2aの上下面に応力緩和層4を被覆させる方法は、発熱抵抗体2aよりひとまわり大きなパターンで応力緩和層4をあらかじめプリントし、その上に発熱抵抗体2aをプリントした後、さらにその上に発熱抵抗体2aよりひとまわり大きなパターンで応力緩和層4をプリントし、発熱抵抗体2aをサンドイッチする方法を用いて、発熱抵抗体2aの表層部分に応力緩和層4を形成した。これを円筒の炭素型に入れた後、還元雰囲気下、1650℃〜1780℃の温度、30〜50MPaの圧力でホットプレスにより焼成した。このようにして得られた焼結体の表面に露出した取出電極3に電極金具をロウ付けしてセラミックヒータ5を得た。応力緩和層4、セラミック基体1及び配線導体2の硬度については、JIS B 7725「ビッカース硬さ試験機」に規定された方法に基づき、セラミックヒータの長手方向に垂直な断面を露出させ、鏡面出しした面に、対面角136度のダイヤモンド圧子を10Nの荷重で5秒間打ち込み、表面にできた窪みの対角線長さを測定し、平均値を取ることにより、硬度(Hv)を算出した。各試料につき5箇所ずつ測定しその平均値を硬度とした。窪みの対角線長さは、光学顕微鏡により、倍率500倍で観察して測定した。
応力緩和層4の密度については、セラミックヒータ5から応力緩和層4のみを加工することにより分離し、各試料につき3個ずつ、アルキメデス法により、測定を行い、その平均値を算出した。セラミック基体1及び配線導体2の密度についても同様にして測定した。
セラミック基体1と配線導体2の硬度(Hv)はそれぞれ18.5と15.0であり、密度はそれぞれ3.9g/cmと8.0g/cmであった。
テスト品の寸法とし、厚みを2mm、幅を6mm、全長を50mmとしたセラミックヒータ5を各試料40本ずつ作製し、内各20本については、ホットプレス焼成後にクラッ
ク有無を評価し、クラック発生率を算出した。また、残り各20本についても、冷熱サイクル試験を行い、同様にクラック有無を評価し、クラック発生率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0005084920
表1より、セラミック基体1と配線導体2との間に、該配線導体2の表面を被覆する応力緩和層4のない試料No.1とNo.2では、クラック発生率が60%以上と高い結果となった。
一方、本発明品はいずれもクラック発生率が30%以下となっており、応力緩和層4により熱応力が緩和され、クラック発生率が低減していることが確認できた。
ただし、応力緩和層4の形状が直角の試料No.11、No.15、No.16、No.18は、クラックの発生率が5%〜15%と低いながら、クラックが存在する試料があった。
また、応力緩和層4の主成分が窒化硼素でない試料No.22、No.23とNo.26では、硬度、密度共に高くなり、クラック発生率が10%〜30%と高めになった。
また、応力緩和層4が配線導体2の表面を覆う領域が発熱抵抗体2aも含めた全体の試
料No.24〜No.26は、冷熱サイクル試験後のクラック発生率が、リード抵抗体2bの表面のみを応力緩和層4で被覆した試料No.3〜No.23より低減した。
1 セラミック基体
2 配線導体
2a 発熱抵抗体
2b リード抵抗体
3 電極取出部
4 応力緩和層
5 セラミックヒータ
6a、6b セラミック成形体

Claims (8)

  1. セラミック基体と、該セラミック基体中に埋設された配線導体とを備えたセラミックヒータにおいて、前記セラミック基体と前記配線導体との間には、該配線導体の表面を被覆する応力緩和層が設けられており、前記配線導体の配線方向に垂直な面で切ったときの断面において、前記配線導体が少なくとも一つの頂点を有し、前記応力緩和層の外形線のうち、前記頂点に臨む領域が曲線であることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. セラミック基体と、該セラミック基体中に埋設された配線導体とを備えたセラミックヒータにおいて、前記セラミック基体と前記配線導体との間には、該配線導体の表面を被覆する応力緩和層が設けられており、前記配線導体の配線方向に垂直な面で切ったときの断面において、前記配線導体が少なくとも一つの頂点を有し、前記応力緩和層の外形線のうち、前記頂点に臨む領域に少なくとも一つの頂点が存在し、該頂点の角度が前記配線導体の頂点の角度よりも大きいことを特徴とするセラミックヒータ。
  3. 前記応力緩和層が電気絶縁性材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記応力緩和層が窒化硼素を主成分とすることを特徴とする請求項3に記載のセラミックヒータ。
  5. 前記応力緩和層の硬度が前記セラミック基体及び前記配線導体よりも低いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックヒータ。
  6. 前記応力緩和層の密度が前記セラミック基体及び前記配線導体よりも低いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックヒータ。
  7. 前記配線導体は、発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電力を供給するためのリード抵抗体とからなり、該リード抵抗体が前記応力緩和層により被覆されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックヒータ。
  8. 前記配線導体は、発熱抵抗体と該発熱抵抗体に電力を供給するためのリード抵抗体とからなり、これらが前記応力緩和層により被覆されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のセラミックヒータ。
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