JP5084650B2 - 形彫放電加工における揺動放電加工方法及び揺動放電加工装置 - Google Patents

形彫放電加工における揺動放電加工方法及び揺動放電加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、形彫放電加工における揺動放電加工方法及び該揺動放電加工方法の実施に使用する揺動放電加工装置に関する。
形彫り放電加工は、被加工体に所望の形状の穴を形成するものであり、その所望の形状に対応する形状を有する総型の電極を用いて、その電極の形状を被加工体に転写するように加工する方法や、単純な形状の電極、例えば小形の柱状電極を用い、て被加工体に所望の形状を加工する輪郭加工や創成加工と言われる加工方法などがある。
一つの加工形状を、例えば荒加工から仕上げ加工までの如くいくつかの加工工程に分けて放電加工するときは、各加工工程で設定される各電気的な加工条件の値が異なるので、そのときの電極の消耗度や放電ギャップの大きさが異なる。従って、各加工工程毎に、その加工工程において目標とする加工穴の輪郭形状と電気的な加工条件に基づく放電ギャップを考慮して電極を製作し、各加工工程毎に電極を準備して加工する必要がある。このため、加工工程が多数になると、その分電極も必要になり、複数の相似の電極を製作することは、作業が煩雑でそれだけ時間を要することになるから、一つの加工形状を加工するために全体的に要する作業時間は相当要することになる。
そこで、一つの加工形状の放電加工において使用する電極の本数をできる限り減らすため、また、使用する電極が複数であっても同形の電極を使用することができるように、電極を加工穴の深さ方向(以下、加工深さ方向という)にだけ被加工体に対して相対移動(サーボ送り動作を含む)させるだけでなく、加工深さ方向と直角な側面方向にも電極を相対移動させて側面方向の加工も同時に加工する方法が、所謂揺動放電加工方法として知られて居り、電極の加工深さ方向のサーボ制御による相対移動の送りと、側面方向の設定またはサーボ制御による相対的加工送り移動とを種々の態様で組合せ、或いは結合させた揺動放電加工方法が知られている。
特開平03−154717号公報 特開平03−270825号公報 特許第3856159号公報 特許第3807189号公報 特開昭56−27743号公報
斯種揺動放電加工方法の基本的な具体例を図により説明する。図4及び図5は、前述したような揺動放電加工における電極と被加工体の荒加工から仕上げ加工までの四段階の加工工程における動きを、加工深さ方向の加工〔図4〕と、これと直角な側面方向の加工〔図5〕とに分けて、側方見で示したものである。
即ち、図4は、電極1、被加工体2間の加工深さ方向(Z軸)の前記4段階の各加工工程により加工深さ方向に送り込まれた送り込み長さHDの説明図で、Eは電極で、E0は加工開始時の位置、E1〜E4は前記4段階の加工工程による各工程の加工が終了したときの電極の位置であり、GD0、GD1〜GD4は同じく設定加工条件での加工間隙長(又は、加工深さ若しくは底面方向のオーバカット)、RD1〜RD4は各加工工程の加工終了時の底面の面粗度、Dは加工目的の加工穴の深さ、B0は仕上げ穴の底面で、加工工程の第2段目以後の加工は、実質上又は最小限直前の加工工程の加工により加工穴の底面に形成された加工面粗度分を除去加工するものとする設定で、前記各加工段階での送り込み量HD1〜HD4は、夫々前記D、GD0〜GD3、RD1〜RD3等から求めることができるので、電極E先端の位置を知ることができる。
そして、図5は、電極1、被加工体2間の加工深さ方向と直角な側面方向の揺動振幅HSの設定方法の一例について説明するための図で、前述図4の4段階の加工工程による加工のものに対応する。この図の場合、前記各加工工程の拡大揺動振幅HS2〜HS4は、各加工区間の加工中一定であるが、後述する場合のように、各加工工程中の深さ方向の送り込み位置に応じ、揺動の拡大幅を順次に連続的に増大変化させるようにすることもできるものである。
図において、E1〜E4は、前述4工程の各加工が終了したときの加工穴の側壁に対する電極の位置を示すものであり、GS1〜GS4は同じく各オーバカットの値、RS1〜RS4は同じく側壁面粗度、S0は側壁の仕上げ面及びその位置、LEは最初の加工工程の荒加工を揺動運動の振幅を0として加工したときの電極減寸値、HS2、HS3及びHS4は、第2加工工程以後の揺動運動の振幅の寸法を、前の加工工程のそれに対する増分として示す指標であって、この場合前述の如く最初の加工工程のHS1=0であるから、第2の加工工程における揺動の振幅は、その場合のHS2に等しく、又次の第3の加工工程における揺動の振幅はHS2+HS3、最終の加工工程における揺動の振幅はHS2+HS3+HS4と言うことになる。
従って、前述加工深さ方向の送り込み量HDの決定の場合と同様に、加工工程の第2加工工程以後の加工を、実質上又は最小限、前の加工工程の加工によって加工穴の側壁に形成された加工面粗度部分を除去加工するものとすると、前記揺動加工の各加工工程における揺動振幅の増分HS2〜HS4は、前記面粗度RS1〜RS3とオーバカットの値GS1〜GS4とから計算により求めることができるものである。
図6は、棒状電極1により被加工体2に深さDの穴2Hを、揺動放電加工により一気に穴堀り又は穿孔する場合の説明図で、図示の場合、非回転電極の軸中心が加工深さ方向により深く送り込まれて行くに従って側面方向により拡がって形成される揺動軌跡が、加工深さ方向のサーボ送り速度VSと、側面方向の設定またはサーボ制御による揺動送り速度VLにより、螺旋の揺動拡大角度Lθが最小揺動振幅から最大揺動振幅LMまで一定値の拡大揺動軌跡LLで、所定の深さDまで加工される場合を示している。勿論、前記拡大揺動の軌跡LLは、加工深さ方向と直角方向の電極1の断面の輪郭形状に応ずる種々の形状のものとすることができる。
図6において、被加工体2の上表面から深さDの穴2Hは、電極1と図示しない加工槽中の加工液中に浸漬設置された被加工体2間に、例えば、荒加工、中加工、中仕上げ加工、及び仕上げ加工の何れかの電気的加工条件、及びその他の必要な加工条件を加工深さ方向の所定加工深さ位置において制御付与される加工プログラムにより、加工が進められ、前記深さDの穴2Hは、被加工体2の表面から、穴2Hの底面まで一気に加工されるものである。
即ち、図6に示した加工穴2Hの一気の加工とは、前述図4及び図5に於いて説明した、揺動放電加工の4段の加工工程に於ける最初の第1段階の加工、第2段階の加工、第3段階の加工、又は最終の第4段階の加工の何れかの加工のことである。
以上のように、穴掘りや輪郭創成加工などの形彫り放電加工は、その加工の開始から加工の終了迄の間に、主としてその電気的加工条件が、強い加工条件から弱い加工条件へと設定が前述4段階の如く複数段にわたり順次に切換えられて加工が進められるものであるが、各加工工程における加工の取り量が当該加工部位に対するものとして、適切となる加工条件から選定加工条件がずれていたりすると、加工の不安定状態などが生じ易く、加工面に面叢を生じたり、形状誤差を生じさせたりして、後の追加の修正加工に難儀させられるものである。
また、例えば、前述図4及び図5の第2、又は第3段階の加工工程において、当該加工工程に設定されている加工条件により、当該加工工程での加工が予定されていた加工部位を最小限の取り量の加工をしないで、加工工程が次の段階の加工工程に切り換えられてしまうと、この以降の加工工程で行われる加工の加工条件は、前述のように、通常その直前以前の加工条件より弱い条件の設定であるから、仮に、切り換えられた第3、又は第4段階の加工工程の加工に移行したり、或いはさらに加工を進行させて加工を終了したとしても、取り残し、及び異形などの手直し、修正が必要となり、そして、その修正等の加工は前記の第3、又は第4段階などの弱い加工条件で行なわれなければならないので、時間が掛ったりするだけでなく、電極消耗の増大があったりして、後工程で必要となった修正作業などに種々の手間を要し、大きな負担を強いられると言う問題があった。
そして、このような問題は、穴掘りなどの形彫り加工を揺動放電加工をしている場合の、最初の、所謂荒加工の段階を除く中加工の加工条件領域以後に於いて生ずるもので、荒加工とか、寸法、形状成形の中加工等の加工の段階までには生じ難いと言うか、生じたとしても、比較的修正等が容易なことから、さほど問題とならなかったのである。
そこで、本発明の目的は、電極と被加工体とで形成される加工間隙に所要の電極と被加工体とで形成される加工間隙に所要の加工電圧を間歇的に印加して放電を発生させ、前記電極と被加工体とを加工深さ方向と該加工深さ方向に垂直な加工穴の側面方向とに相対的に移動させて前記被加工体を加工するようにした形彫り放電加工であって、
前記加工深さ方向の送り込み位置が、予め設定した加工プログラムによる所定加工深さ方向の送り込み終了位置に達すると共に、側面方向の揺動拡大量が所定値に達すると、当該加工区間の加工を終了し、次いで加工深さ方向の送り長さと側面方向の揺動拡大量と電気的加工条件とを含む加工条件を、次段の加工工程の加工プログラムに設定してある加工条件に切り換えて加工する揺動放電加工方法において、前記加工条件が切換えられる加工深さ方向の送り込み終了の位置からその直前の所要領域に対し、被加工体の加工深さ方向と側面方向の放電加工クリアランス(寸法、形状精度)を、むらなく一定に、加工を設定加工プログラム通りに過不足なく精密に行なうことにより、前記加工条件が切換えられた後の加工に円滑に移行させることにある。
前述の本発明の目的は、(1)電極と被加工体とで形成される加工間隙に所要の加工電圧を間歇的に印加して放電を発生させ、前記電極と被加工体とを加工深さ方向と該加工深さ方向に垂直な加工穴の側面方向とに相対的に移動させて前記被加工体を加工するようにした形彫り放電加工であって、
前記加工深さ方向の送り込み位置が、予め設定したNCプログラムによる所定加工深さ方向の送り込み終了位置に達すると共に、側面方向の揺動拡大量が所定値に達すると、当該加工工程の加工を終了し、次いで加工深さ方向の送り長さと側面方向の揺動拡大量と電気的加工条件とを含む加工条件を、次段の加工工程のNCプログラムに設定してある加工条件に切り換えて加工する揺動放電加工方法において、
所望加工工程の加工のNCプログラムに設定された加工深さ方向の送り込み終了位置から、予め選定した所定長さ手前の位置を設定し、この手前の位置から当該加工工程の前記送り込み終了位置までの加工送り込み長さと、当該加工工程の前記手前の位置における側面方向の揺動拡大の残りの揺動量とを、それぞれ、予め選定した分割数の微小の加工区間に分割し、
該微小の分割加工区間毎の加工深さ方向と揺動拡大方向の揺動による前記手前の位置からの揺動放電加工を、前記手前の位置までの加工の電気的加工条件を変更することなく、各微小の分割加工区間毎に加工の終了判定を行ないながら微小の加工区間の加工を順次に進行させ、当該加工のNCプログラムに設定された送り込み終了位置まで加工して加工の終了判定を行い、終了と判定されたとき次段の加工工程のNCプログラムの加工に切換え移行させる揺動放電加工方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(2)前記所望加工工程のNCプログラムによる加工深さ方向の加工が、前記手前の位置に達したとき加工の終了判定を行い、所定の終了状態を確認して後、前記分割された微小の加工区間の部分の、前記手前の位置からの順次の加工に移行する前記(1)に記載の揺動放電加工方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(3)前記予め選定した分割数の微小の加工区間の分割が整数による等分割であるように調整されている前記(1)に記載の揺動放電加工方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(4)前記加工の終了判定が、加工深さ方向と加工深さ方向と垂直な側面方向の電極と被加工体間の相対移動に伴う位置検出、または前記位置検出と電極被加工体間の所定基準位置に対する接触感知若しくはスパークアウト状態検知である前記(1)に記載の揺動放電加工方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(5)前記加工の終了判定が、加工深さ方向の加工面及び/又は側面方向の拡大面に対するラジアル方向に領域分割された領域に対する順次の判定である前記(1)に記載の揺動放電加工方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(6)前記分割数と分割微小の加工区間の長さである分割送り量とが、加工のNCプログラムから独立して制御装置により直接入力して設定できるものである前記(1)に記載の揺動放電加工方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(7)前記微小の分割送り加工区間dに割り振られた分割幅が、加工の種類・目的、電極・ワークの種類・組合せ、及び設定される又は形成される加工条件などによって予め決定されたものである前記(1)に記載の揺動放電加工方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(8)前記手前の位置が、前記予め選定された分割送り加工の分割送り量dと、予め設定される分割数Nとの積によって決定するように構成されているものである前記(1)に記載の揺動放電加工方法とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(9)電極と被加工体とで形成される加工間隙に所要の加工電圧を間歇的に印加して放電を発生させ、前記電極と被加工体とを加工深さ方向と該加工深さ方向に垂直な加工穴の側面方向とに相対的に移動させて前記被加工体を加工するようにした形彫り放電加工であって、
前記加工深さ方向の送り込み位置が、予め設定したNCプログラムによる所定加工深さ方向の送り込み終了位置に達すると共に、側面方向の揺動拡大量が所定値に達すると、当該加工工程の加工を終了し、次いで加工深さ方向の送り長さと側面方向の揺動拡大量と電気的加工条件とを含む加工条件を、次段の加工工程のNCプログラムに設定してある加工条件に切り換えて加工する揺動放電加工装置において、
所望加工工程の加工のNCプログラムに設定された加工深さ方向の送り込み終了位置から、予め選定した所定微小長さ手前の位置までの間を分割送り加工区間として設定する分割送り加工区間の設定制御手段と、この分割送り加工区間を予め選定した分割数Nと、
前記手前の位置から当該加工工程の送り込み終了位置までの長さと、前記手前の位置における側面方向の揺動拡大の残りの揺動量を、前記分割数で分割した微小長さの加工送り量dとの積により形成する分割送り加工区間の形成制御手段と、
この分割送り加工区間の前記手前の位置側からの加工を、前記手前の位置までの加工の電気的加工条件を変更することなく、分割送り量毎に順次に加工させる分割送り加工の加工制御手段と、
を備えた揺動放電加工装置とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(10)前記分割送り加工の制御手段が、前記分割送り量毎の順次の加工作動を加工の終了判定を行ないながら進行させる加工終了判定の制御手段を有する前記(9)に記載の揺動放電加工装置とすることにより達成される。
また、前述の本発明の目的は、(11)前記分割数と分割微小の加工区間の長さである分割送り量とが、加工のNCプログラムに対して独立して制御装置に入力設定可能に構成されているものである前記(9)に記載の揺動放電加工装置とすることにより達成される。
本発明によれば、荒加工から最終仕上げ加工の段階まで、通常3乃至8段程度まで複数段ある加工の工程中、後に来る加工の段階の加工に対し、その前の加工の段階の加工において、放電クリアランス(加工面と被加工面間の所定の位置における嵌合状態で、各点におけるギャップの全体的な均一度に関すること)が悪化した状態で引き継ぐことがないように、前記前の加工の段階の揺動放電加工の方法を、加工深さ方向の加工送り込み長さと側面方向の揺動拡大量とを各2以上のN個の各微小の加工部分(分割送り量)に分割し、電気的加工条件は変更することなく、前記分割した数の加工区分毎に分けて、分割部分ごとに送りを刻み、少しづつ順に加工して行くことにより、放電クリアランスが微細な状態で全体的に均一で一定に近づき、面むらがなく、寸法・形状が一定に近づき、結果として電極消耗が減少し、所要の加工時間も短縮されるなどの効果がある。
本発明によれば、NCプログラムにより多段の加工条件を組み合わせた穴掘り、穴明け等の加工を、プログラムに手を加えたり、変更したりすることなく、分割数と分割送り量の入力、設定だけで、電気的加工条件の選定などの必要がなく、目的とする加工条件が得られる加工をすることが出来るので、実用上の利益は甚大なものである。
図1は、本発明の一実施例を説明するためにの被加工体2に加工形成される加工穴2Dについて説明するための加工穴部分の側断面説明図で、前述従来例の図4及び図5と対比すると、
加工穴の深さ方向の態様としては、電極Eが、第2、第3、又は第4段階の加工が終了する各電極位置E2、E3、又はE4から予め設定した微小の所定長さ手前の位置にある状態、
従って、前述加工穴の深さ方向と直角方向の揺動拡大方向の態様としては、電極Eが、第2、第3、又は第4段階の加工が終了する電極位置E2、E3、又はE4から予め設定した微小の所定長さ手前の位置にある状態を示しているもので、
この所定の手前の位置に、一旦停止状態から、当該各加工の段階の前記加工終了位置までの微小の加工区間を、所望複数の、さらに微小の分割加工区間(図示実施例の場合、分割数N=4で、加工穴の深さ方向は長さ又は幅d、直角方向は幅s)に分割(通常等分分割)して、この微小の分割加工部毎に、加工穴の浅い方の部位から加工の終了判定を各微小の加工区間毎に行いながら順次に加工して行く態様を説明しようとするものである。
即ち、本発明は、加工深さ方向の送り込み長さ位置が、予め設定した加工プログラムによる所定加工深さ方向の送り込み終了位置に達すると共に、側面方向の揺動拡大の揺動量が加工プログラムに設定の所定値に達すると、当該加工工程の加工を終了し、次いで加工深さ方向の送り長さと側面方向の揺動拡大の揺動量と電気的加工条件とを含む加工条件を、次段の加工工程のNCの加工プログラムに設定してある加工条件に切り換えて加工すると言うように、放電パルスなどの電気的加工条件が、それまでよりも弱い条件に切り換えられる直前の加工部分の加工を、加工送り方向に微細複数段に分割し、この分割した微小の加工区画を一個一個順に刻んで加工して行くことにより仕上げると言うように、丁寧に手を掛けて加工することにより、予定していた放電クリアランスの精度に確実に仕上げ、本発明を採用せずに後工程での修正作業をした場合などに比較して、結果として、所要の作業時間などを減少させ得ると言うもので、その、揺動放電加工の態様は、以下の通りである。
図1は、NCプログラムによる揺動放電加工の加工工程が、例えば、第3加工工程の加工である加工深さ方向の送り込み長さ(図4のHD3)と直角方向の揺動振幅の増大量(図5のHS3)の大部分の加工を終え、電極が当該加工工程の加工の終了位置(図4及び図5の各E3)に近づいたところで、夫々が「予め選定した所定の位置」に達すると、本発明の揺動放電加工の態様に切換え移行するものであるが、前記「予め選定した所定の位置」とは、請求項1によれば、「所望加工工程の加工NCプログラムに設定された加工深さ方向の送り込み終了位置から、予め選定した所定長さ手前の位置を設定し」たと言う「手前の位置」のことである。
また、前記「手前の位置」から「送り込み終了位置」までの領域を複数の工程に分けて順次に加工を行なうようにすると言う加工工程の「分割数N」の点も、「手前の位置から当該加工工程の前記送り込み終了位置までの加工送り込み長さと、当該加工工程の前記手前の位置における側面方向の揺動拡大の残りの揺動量とを、それぞれ、予め選定した分割数の微小の加工区間に分割し、」とあるので、少なくとも2以上の複数で、多くて数10分割程度以内とするものである。
そうしてみると、後述と照合すると明らかとなるが、前記「手前の位置から当該加工工程の前記送り込み終了位置までの加工送り込み長さ」を「予め選定した分割数の微小の加工区間に分割し、」と言うことは、加工深さ方向の「微小の加工区間」dは、微小の加工区間の変更設定可能な加工深さ方向の分割の単位と言うことになり、同様に、「手前の位置における側面方向の揺動拡大の残りの揺動量」を「予め選定した分割数の微小の加工区間に分割し、」とは、加工深さ方向と直角方向の「微小の加工区間」sは、微小の加工区間の変更設定が可能な加工深さ方向に直角な側面方向の残りの揺動量の分割の単位と言うことになる。
しかして、本発明は、プログラム化された複数の加工工程から成る穴掘りなどの揺動放電加工の加工条件、特に放電パルスなどの電気的加工条件が、それまでよりも弱い条件に切り換えられる直前の領域部分の加工を所定の寸法、形状、精度に確実に仕上げられるようにするものである。
そこで、本発明は、形彫り揺動放電加工のNCプログラムに設定された所望の加工工程における加工工程の加工深さ方向の送り込み終了位置から、予め設定した所定長さ手前の位置を設定し、
この手前の位置と当該加工工程の前記送り込み終了位置までの加工送り込み長さと、
当該加工工程の前記手前の位置における側面方向の揺動拡大の残りの揺動量とを、
それぞれ、予め選定した分割数の微小の加工区間に分割し、
該微小の分割加工区間毎の加工深さ方向と揺動拡大方向の移動による前記手前の位置からの揺動放電加工を、前記手前の位置までの加工の電気的加工条件を変更することなく、各微小の分割加工区間毎に加工の終了判定を行ないながら微小の加工区間の加工を順次に進行させ、
当該加工のNCプログラムに設定された前記送り込み終了位置まで順次に加工して加工の終了判定を行ない、終了と判定されたとき、次段のNCプログラムの加工工程の加工に切換え移行させるものである。
即ち、従来の揺動放電加工では、NCプログラムにプログラムされているある段階の加工工程での加工は、その加工工程の加工開始位置から、加工の目標位置である加工深さ方向の送り込み終了位置まで、1つの加工区間として、全区間を一気に加工していたのに対し、本発明では、上記加工深さ方向の送り込み終了位置、即ち、NCプログラムに設定されている次の加工区間の加工に切換えを行なう位置の外に、
前記1つの加工区間を加工工程の開始位置から一気に加工して行く前半部分の加工と、特に電気的加工条件が切り換えられる前記送り込み終了位置から所定の長さ手前の位置の間の後半の最終部分の加工とに分け、この後半の最終部分の加工を本発明の手法によって加工を行なうものである。
ここで、一部前述したように、前記加工深さ方向の加工目標位置である送り込み終了位置を2B、
予め選定した分割数をN,加工深さ方向の分割された、1つの微小の加工区間の深さ又は長さ(分割送り量と言う)をd:加工深さ方向の分割送り量で、1.0mmとか、1.1mmなどと言う加工する深さ又は長さの数値が設定されている。
加工深さ方向と直角方向の分割された1つの微小の拡大揺動量をs:揺動拡大量又は振幅の分割揺動量ステップで、0.1mmとか、0.15mmなどと言う加工する揺動拡大量の幅が設定される。
そうしてみると、加工深さ方向の加工目標位置である送り込み最終位置である2Bは、予め設定した前記手前の位置から、予め設定した所定長さ:dNの位置にあり、又揺動拡大の最終目標である最大揺動量はステップsNと言うことになる。
そして、以上の設定により、n番目の目標位置までの加工距離又は加工長さは、nd、目標ステップはnsで、夫々
dn=dN−d×(N−n)
sn=sN−s×(N−S)
として表すことができる。
そして、前述図1は、前述分割数Nが、N=4の場合で、前述手前の位置で、切換え、又は必要に応じ一時停止した加工は、電気的加工条件を変更することなく、最初の加工が、ステップs1を使って、即ち、加工深さ方向の分割送り量d1はサーボ制御送りにより送り込み加工するのに対し、側面方向の分割揺動量ステップs1は前記サーボ送り制御の送りに同期して移動させて加工し、
d1までの加工が終わったら、次のステップs2を使ってd2まで加工すると言うように、微小の加工区間の複数個の分割揺動量の各領域d(=d2−d1=d3−d2=・・・・=dn−dn−1=・・・・)を順次に加工して行き、最終的に、ステップsNを使った分割送り量dNの加工が終わったら、加工は終了となる。
そして、本発明における各分割送り変化量又は揺動量d1、s1;d2、s2;・・・・の区域に対する加工は、前記「・・・・加工し、d1までの加工が終わったら、・・・・」と言うのは、例えば、当該目標位置までの送りが、送り込み位置検出等により検知されたら、当該加工条件での、当該加工位置に於ける加工の取り残しはないか、前述の放電クリアランス又は全体的に所定の精度で均一に仕上がっているか否かを、相対位置移動や接触検知、スパークアウト判別などにより測定、検査を1〜2度ならず多数回行なって次のステップs2を使っての分割送り量d2の加工に移行させ、このようにして、加工の仕上げ精度を十分に高める手直し加工を行なって後、分割送り量dNの加工終了後、加工条件や位置などをNCプログラムにプログラムされている次段の加工工程の加工条件に切換え移行することを許容するようにするものである。そして、その意味においては、前記手前の位置において、先ず当該位置における加工の終了判定を行なうように構成しておくことが好ましいものである。
図2は、前述図1の第1実施例の一部を変更した変更実施例で、前述図6の如く、加工深さ方向の送り込み長さの増大に応じ、揺動拡大の揺動量が一定の割合で増大するように揺動軸の加工深さ方向に対する角度が、所望に応じ傾斜設定された揺動放電加工の場合の加工底面と側壁面における電極の位置の線図説明図である。そして、Nは前述分割数、mddvは加工深さ方向の微小の1分割送り込み長さの分割送り量、mdsvは側面方向の揺動拡大の揺動量の微小の1分割振幅のステップとすると、n番目の目標位置までの距離dnとステップsNは、
dn=D(=dN)−〔mddv×(N−n)〕
sn=STEP(=sN)−〔mdsv×(N−n)〕
で求められる。
そして、最初の加工で、d1までステップs1を使って加工した後、分割戻り点Rまで戻り、この加工を複数回繰り返した後加工の終了判定を行ない、これを複数回繰り返しているうちに終了と判定され、d1迄の加工を終わるものである。
次の加工で、d2までステップs2を使って加工した後、分割戻り点Rまで戻り、これを複数回繰り返す。最後の加工では、加工終了位置までSTEPを使って加工した後、その地点で加工が終了となる。そして、それぞれの分割部分の加工に於いて、加工作動は通常複数回又は必要な回数行い、加工の終了判定の検知、測定を行なうことが重要となる。
そして、前記微小に等分割された微小の加工区間の深さ方向の分割送り量d及び側面方向の揺動拡大の揺動量sは、通常の金型用鋼材等の加工において本発明を適用すると、前者dが約1.0mm前後とすると、後者sを約0.1mm前後の設定とするもので、之に対し前記加工深さ方向及び側面方向の各相対的な揺動の送り制御の設定、指令、及び駆動の最小単位は、通常0.1μmまたはそれ以下であるから、揺動の移動制御は、なお余裕をもって行えるものである。
図3は、前述本発明の揺動放電加工方法の実施に使用する実施例制御装置のブロックダイアグラム説明図で、該制御装置は、内蔵記憶装置10、外部記憶装置20、記憶媒体読取装置30、表示装置40、入力装置50、中央演算処理装置60、一時記憶装置70、及び入出力装置80等を有しており、さらに前記中央演算処理装置60は、前記入出力装置80を介して、モータ制御装置90及び放電加工電源装置100などに接続されている。
内蔵記憶装置10は、形彫放電加工装置本機に付属する数値制御装置の電子計算機ユニットに設けられるハードディスクドライブのような主記憶装置であって、この内蔵記憶装置は、データの読み書きが自在で、数値制御装置の電源が遮断されているときでも記憶したデータを保持しており、従って該記憶装置は、NCプログラムを記憶して保存しておく手段の1つである。
外部記憶装置20は、例えば、USBフラッシュメモリ(USB Memory,Universal Serial Bus)ような、電子計算機ユニットに設けられる出力ポートを通してデータを記憶することができる補助記憶装置であって、この記憶装置は、データの読み書きが自在であり、出力ポートに装着して電子計算機ユニットとの間で、データのやり取りを行ない、出力ポートから取り外して、データを記憶させたまま持ち運びすることができる。従って、この外部記憶装置も、NCプログラムを記憶して保持しておく手段の1つとすることができる。
記憶媒体読取装置30は、電子計算機ユニットに設けられ、本体から取り外すことができる記憶媒体(メディア)と記憶媒体にデータを読み書きする駆動装置を含む補助記憶装置であって、この記憶媒体読取装置は、具体的には、例えば、DVDドライブ(DVD,Digital Video Disc)やCDドライブ(CD,Compact Disc)のような光ディスクドライブ、もしくはFDドライブ(FD,Floppy (登録商標)Disk)のような磁気ディスクドライブであり、従って、該記憶媒体読取装置は、NCプログラムを記憶媒体に記憶させて保持させておく手段である。
表示装置40は、例えば、数値制御装置に付属する液晶表示装置(LCD,Liquid Crystal Display)のようなカラーディスプレイ(モニタ)であって、該表示装置は、電子計算機ユニットに、オプションでグラフィックアダプタ(ビデオカード)が設けられるときは、グラフィックアダプタを含む。
入力装置50は、数値制御装置に付属する操作盤のスイッチ、キーボード、またはマウスなどであって、さらに液晶表示装置に設けられるタッチセンサなどをも含み、機能としては、オペレータが数値や文字のような操作データを電子計算機ユニットに与える手段である。
一時記憶装置70は、電子計算機ユニットに設けられる随時アクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)であって、中央演算装置60が演算を行なうときに、演算に必要なデータを記憶し、また演算結果を保持するものである。
演算装置60は、電子計算機ユニットに設けられている中央演算処理装置(CPU,Central Processing Unit)で構成させる数値制御装置のメインプロセッサで、前述の各種の記憶装置から各種のプログラム及びデータ等を入力装置50の入力データ、指令等に応じて取り込み、演算し、入出力装置80を介して放電加工機のモータ制御装置90や加工電源装置100に作動指令を与えて、所要の揺動放電加工を実行し、必要に応じ加工の状態や結果を検出フィードバックして制御を行なうものである。
本発明の揺動放電加工方法、特に前記微小の分割区間(分割送り量)に対する加工深さの送りと側面方向の揺動とによる、電気的加工条件変更なしでの前記手前の位置から送り込み終了位置迄の加工(分割送り加工又は分割送り加工工程と言う。)を実行するためには、制御装置の中央演算処理装置60に前述分割数Nと分割送り量dとの各数値データを入力させることが必要となるが、それには普通に考えて以下の3通りの手法がある。
先ず、第一番目のやり方として、入力装置50から、分割数Nと分割送り量dを設定値として数値データとして与えるやり方で、入力された分割数と分割送り量dは、一時記憶装置70に記憶される。
次に、または、別のやり方として、内蔵記憶装置10、外部記憶装置20、または記憶媒体読取装置30から、所望の加工におけるNCプログラムを読み込み、NCプログラムを液晶表示装置40の画面上に表示させておいて、入力装置50から特定のNCコードと分割数および分割送り量をNCプログラムに追記して与えるものである。そして、書き換えられたNCプログラムは、一時記憶装置70に記憶され、必要であるときは、内蔵記憶装置10、外部記憶装置20、または、記憶媒体読取装置30にあるNCプログラムのファイルデータを上書きして記憶させるものである。
また、別のやり方として、加工電源装置100の加工条件設定システムにある設定画面のメニュに従って分割加工を選択的に指定し、演算装置60には、加工条件設定システムに従って得られた加工条件と送り量を含む加工形状とに基づいて予め定められたプロセスで、分割数と分割送り量とを自動的に決定させるようにする。そうすると決定された分割数と分割送り量は、NCプログラムにNCコードとともに追記するか、または設定値として一時記憶装置70に記憶される。
なお、加工条件と送り量を含む加工形状とに基づいて、分割数と分割送り量を決定する簡単な方法は、加工条件と送り量を含む加工形状に対応するデータテーブルを準備しておき(既存のデータベースを利用できる)、最適値を読み出して決定することができるが如くである。
なお、分割数と分割送り量は、加工深さ方向と揺動方向とで通常、前者が同一で、後者が別値で与えられるが、同一であっても良く、加工の目的等に応じて種々選定される。以下加工深さ方向について説明する。
前述分割数と分割送り量の第一番目の設定の仕方は、入力装置50から数値データを直接入力設定すれば良いのであるから、実現が容易であるが、設定した分割数と分割送り量のデータを保存しておけないので、加工毎に設定値を入力して設定し直す必要があると言う問題がある。
これに対し、第2のNCプログラムにNCコードで追記する方法は、NCプログラムとともに分割数と分割送り量を保存しておけるが、オペレータに比較的専門的な知識が要求され作業者の負担が大きい。即ち、例えば、分割数と分割送り量を誤って設定するおそれなどがあるだけでなく、この分割送り加工を行なわないときには、再びNCプログラムを書き換える必要があるからである。
また、前述加工条件設定システムによる方法は、オペレータの負担が比較的軽微である利点があるが、加工条件設定システムのアプリケーションプログラムを大掛かりに変更することが要求されると言う問題がある。このように入力設定の手法の違いによる利害得失を対比すると、上述の場合は、一般的には、前記入力装置10から数値データを入力する方法の採用が推奨されるものである。以下この手法を採用した場合の分割送り加工について説明する。
オペレータが放電加工をスタートさせると、数値制御装置内の数値制御装置は、NCプログラムを解読しながら、順次移動指令値(位置データ等)をモータ制御装置に出力し、該モータ制御装置90は各軸サーボモータをサーボ制御また、加工電源装置100に加工条件データを出力し、パルス制御装置を含む加工電源装置100は、回路部品を操作して加工条件に合う電圧パルスを加工間隙に印加して所要の加工電流を断続的に供給する。
数値制御装置は、出力した移動指令値を入力するカウンタを備えており、現在移動量(加工が終了していないある時点における加工開始位置からの累積移動量)を得ている。
演算装置60は、加工開始位置が判っているので、現在移動量から現在位置を得ることができる(当該方法は安全であるので一般的である)。または、モータに付随して設けられる位置検出器からの位置検出信号が数値制御装置に入力して、現在位置データを得ることができる。
演算装置60は、加工開始位置が判っているので、現在位置から現在移動量を得ることができる。
NCプログラムに、各加工工程における分割送り量と揺動量が記述されており、演算装置60は、NCプログラムを解読して得られたNCデータから、分割数と分割送り量を得て、分割送り加工の各加工工程の分割送り量の加工開始位置(開始位置到達送り量)を計算する。計算された前記各分割加工工程の開始位置到達送り量は、一時記憶装置70に記憶される。
分割数は、分割送り加工のために全体の加工工程の送り量を分割する回数であり、全体の加工工程の送り量を含む。分割送り量は、分割送り加工において予め設定された数に分割された一分割部分における送り量であり、該分割送り量は、加工工程毎の分割送り量を別々の値に設定することができるが、その値を違える自由度が小さく、加工結果に影響を殆んど与えないから、通常は、各分割送り量の値は同一に設定される。
例えば、NCプログラムによる揺動放電加工の工程が、前述第3工工程とか第4加工工程とかで、例えば、第3加工工程の加工穴の深さ方向の送り込み長さ(又は量)の全長が、50mm(50000μm)のとき、分割数Nが4で、分割送り量dが10μmに設定されている場合、
分割数は加工目標位置まで到達するときの送り量を含むから、
加工工程の送り量50mmから30μm(10μm×3)減算した送り量49.970mm(49970μm)が、分割送り加工における第1番目の分割送り加工の開始位置(前記予め選定した所定長さ手前の位置)到達送り量であり、このときの位置が開始位置である(図1参照)。
同様に、第2番目の分割送り加工の加工送り量に対する加工開始位置到達送り量は49.980mm、第3番目の開始位置到達送り量は49.990mmである。
演算装置60は、移動指令値を出力しながら所定のサイクルで現在位置を取得するとともに、一時記憶装置70から第1番目の分割送り加工の分割送り量に対する加工開始位置到達送り量を読み込んで、開始位置到達送り量と現在移動量とを比較している。
演算装置60は、現在移動量が分割送り量に対する加工開始位置到達送り量に到達したら、その位置が分割送り加工の分割送り量に対する加工開始位置であるので、一時的に移動指令値の出力を停止して開始位置を越えて電極を送らないようにしながら、いわゆる加工の終了判定を行なう。なお、加工の終了判定については、先に詳述したので、ここでは詳述しない。
演算装置60は、加工の終了判定のプロセスを実行して1つの分割送り量に対する分割送り加工の工程が終了と判定されたら、再び移動指令値を出力しながら所定のサイクルで現在移動量を取得するとともに、一時記憶装置70から第2番目の分割送り量の部分に対する分割送り加工の開始位置到達送り量を読み込んで、開始位置到達送り量と現在移動量とを比較する。
演算装置60は、NCプログラムの加工が、例えば、前述第5番目の揺動放電加工の加工工程の送り込み終了位置に到達したときは、同様に加工の終了判定のプロセスを実行して加工を終了させ、次段のNCプログラムのための移動指令を出力させる。
本発明の揺動放電加工方法は、形彫り放電加工の放電加工に適用して有用である。
本発明の一実施例を加工の段階を、線図として示した説明図。 同じく、一部を変更した実施例の説明図。 本発明方法の実施に使用する実施例制御装置のブロックダイアグラム説明図。 従来例の揺動放電加工における加工深さ方向の複数の加工の段階の説明図。 同じく、加工深さ方向と直角な側面方向の複数の加工の段階の説明図。 同じく、他の従来例の揺動放電加工の説明図。
符号の説明
1、E、電極
2、被加工体
2F、被加工体の表面
2D、加工穴(の側壁)
2B、加工穴の底面
N、分割数
d、加工深さ方向の微小の分割送り長さ
dn、分割変化量
s、加工深さ方向と直角方向側面の微小の分割揺動拡大振幅
sn、ステップ
10、内蔵記憶装置
20、外部記憶装置
30、記憶媒体読取装置
40、表示装置
50、入力装置
60、中央演算処理装置
70、一時記憶装置
80、出力装置
90、モータ制御装置
100、放電加工電源装置

Claims (11)

  1. 電極と被加工体とで形成される加工間隙に所要の加工電圧を間歇的に印加して放電を発生させ、前記電極と被加工体とを加工深さ方向と該加工深さ方向に垂直な加工穴の側面方向とに相対的に移動させて前記被加工体を加工するようにした形彫り放電加工であって、
    前記加工深さ方向の送り込み位置が、予め設定したNCプログラムによる所定加工深さ方向の送り込み終了位置に達すると共に、側面方向の揺動拡大量が所定値に達すると、当該加工工程の加工を終了し、次いで加工深さ方向の送り長さと側面方向の揺動拡大量と電気的加工条件とを含む加工条件を、次段の加工工程のNCプログラムに設定してある加工条件に切り換えて加工する揺動放電加工方法において、
    所望加工工程の加工のNCプログラムに設定された加工深さ方向の送り込み終了位置から、予め選定した所定長さ手前の位置を設定し、この手前の位置から当該加工工程の前記送り込み終了位置までの加工送り込み長さと、当該加工工程の前記手前の位置における側面方向の揺動拡大の残りの揺動量とを、それぞれ、予め選定した分割数の微小の加工区間に分割し、
    該微小の分割加工区間毎の加工深さ方向と揺動拡大方向の揺動による前記手前の位置からの揺動放電加工を、前記手前の位置までの加工の電気的加工条件を変更することなく、各微小の分割加工区間毎に加工の終了判定を行ないながら微小の加工区間の加工を順次に進行させ、当該加工のNCプログラムに設定された送り込み終了位置まで加工して加工の終了判定を行い、終了と判定されたとき次段の加工工程のNCプログラムの加工に切換え移行させることを特徴とする揺動放電加工方法。
  2. 前記所望加工工程のNCプログラムによる加工深さ方向の加工が、前記手前の位置に達したとき加工の終了判定を行い、所定の終了状態を確認して後、前記分割された微小の加工区間の部分の、前記手前の位置からの順次の加工に移行させることを特徴とする請求項1に記載の揺動放電加工方法。
  3. 前記予め選定した分割数の微小の加工区間の分割が整数による等分割であるように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動放電加工方法。
  4. 前記加工の終了判定が、加工深さ方向と加工深さ方向と垂直な側面方向の電極と被加工体間の相対移動に伴う位置検出、または前記位置検出と電極被加工体間の所定基準位置に対する接触感知若しくはスパークアウト状態検知であることを特徴とする請求項1に記載の揺動放電加工方法。
  5. 前記加工の終了判定が、加工深さ方向の加工面及び/又は側面方向の拡大面に対するラジアル方向に領域分割された領域に対する順次の判定であることを特徴とする請求項4に記載の揺動放電加工方法。
  6. 前記分割数と分割微小の加工区間の長さである分割送り量とが、加工のNCプログラムから独立して制御装置により直接入力して設定できるものであることを特徴とする請求項1に記載の揺動放電加工方法。
  7. 前記微小の分割送り加工区間dに割り振られた分割送り量が、加工の種類・目的、電極・ワークの種類・材質組合せ、及び設定される又は形成される加工条件などによって予め決定されたものであることを特徴とする請求項1に記載の揺動放電加工方法。
  8. 前記手前の位置が、前記予め選定された分割送り加工の分割送り量dと、予め設定される分割数Nとの積によって決定するように構成されているものであることを特徴とする請求項1に記載の揺動放電加工方法。
  9. 電極と被加工体とで形成される加工間隙に所要の加工電圧を間歇的に印加して放電を発生させ、前記電極と被加工体とを加工深さ方向と該加工深さ方向に垂直な加工穴の側面方向とに相対的に移動させて前記被加工体を加工するようにした形彫り放電加工であって、
    前記加工深さ方向の送り込み位置が、予め設定したNCプログラムによる所定加工深さ方向の送り込み終了位置に達すると共に、側面方向の揺動拡大量が所定値に達すると、当該加工工程の加工を終了し、次いで加工深さ方向の送り長さと側面方向の揺動拡大量と電気的加工条件とを含む加工条件を、次段の加工工程のNCプログラムに設定してある加工条件に切り換えて加工する揺動放電加工装置において、
    所望加工工程の加工のNCプログラムに設定された加工深さ方向の送り込み終了位置から、予め選定した所定微小長さ手前の位置までの間を分割送り加工区間として設定する分割送り加工区間の設定制御手段と、
    この分割送り加工区間を予め選定した分割数Nと、
    前記手前の位置から当該加工工程の送り込み終了位置までの長さと、前記手前の位置における側面方向の揺動拡大の残りの揺動量を、前記分割数で分割した微小長さの加工送り量dとの積により形成する分割送り加工区間の形成制御手段と、
    この分割送り加工区間の前記手前の位置側からの加工を、前記手前の位置までの加工の電気的加工条件を変更することなく、分割送り量毎に順次に加工させる分割送り加工の加工制御手段と、
    を備えたことを特徴とする揺動放電加工装置。
  10. 前記分割送り加工の制御手段が、前記分割送り量毎の順次の加工作動を加工の終了判定を行ないながら進行させる加工終了判定の制御手段を有することを特徴とする請求項9に記載の揺動放電加工装置。
  11. 前記分割数と分割微小の加工区間の長さである分割送り量とが、加工のNCプログラムに対して独立して制御装置に入力設定可能に構成されているものであることを特徴とする請求項9に記載の揺動放電加工装置。
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