JP5084354B2 - 水性塗料の塗装nvの決定方法およびそれを用いた塗装方法 - Google Patents

水性塗料の塗装nvの決定方法およびそれを用いた塗装方法 Download PDF

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Description

本発明は、塗装環境に応じて水性塗料の塗装NV(Non Volatile)を決定する方法、およびその方法を用いて水性塗料を調整する塗装方法に関する。
一般に、水性塗料を用いた塗装では、狭い空調範囲でしか十分な品質の塗着膜を得ることができない。そこで一部のユーザは、莫大な空調エネルギーコストと環境負荷とを抱えながら、塗装環境を制御している。その一方、ほとんど空調をせずに、塗着膜の仕上がりに不満を残したままのユーザも存在する。後者のユーザに関しては、蒸発速度の異なる溶剤を併用することや、希釈率を変えること等で対応しているが、その場その場の現場対応であり、システマチックな対応には程遠く、作業者の勘に頼るところが多い。
この原因として、水性塗料による塗膜の仕上がりに環境のどのパラメータ(空気特数値)が影響するのか掴めていないことが挙げられる。即ち、どのタイミングでどのパラメータを制御すればよいのか、また、どのような方法がその制御に有効であり、実現可能な範囲はどこまでかが十分に知られていない。
先行文献や特許出願の多くは溶剤種や希釈法など方法論を開示しているだけであるが、例えば下記特許文献1および2には、空気パラメータと仕上がりを結びつける方法が開示されている。
特開平1−299672号公報 特開2002−233812号公報 上田政文、「湿度と蒸発」、p.90〜91、コロナ社出版、 仲野章生ら、「浴室の残水評価法と残水乾燥シミュレーション」、松下電工技報、p.33、May.2004 成田健一ら、「新宿御苑における蒸発効率と温熱環境の実測」、環境情報科学論文集、Vol.18、p.256、2004
しかし、上記特許文献1、2で開示しているパラメータは、塗装環境における空気温度と塗装直後の塗膜温度が同じ場合にしか成立しない。実際の現場では下地処理で熱風乾燥された直後に塗装するケースもあり、被塗物温度が空気温度と異なる状況が多々ある。更に被塗物、空気および塗装液の熱容量および熱伝導率は当然異なっている。
このため朝の始動時や突然の通り雨などによって塗装環境が急変した場合、その過渡期は被塗物・空気・塗液・各々の温度も違っている。従って、このような場合には、上記特許文献1、2に開示されているパラメータでは対応できない問題がある。
また、急変した塗装環境を空調によって所望の温度および湿度に調節する方法では、時間がかかり、早急な対応が困難であり、大きな空調エネルギーも必要である。
本発明は、上記の課題を解決すべく、塗装環境に応じて、所望の塗膜の仕上がりを実現することができる塗装NV(塗料の粘度に関係するパラメータ)を決定する方法、および、決定した塗装NVに水性塗料の粘度を調整して塗装する方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、異なる環境での水性塗料の仕上がり肌およびタレ性は、塗装後の早い時間帯での塗着NV(詳細は後述)に依存することを見出した。そして、塗装環境が異なっても塗着NVが一定になるように塗料を調整することによって、塗料の望ましい塗装仕上がりを得る方法を発明した。
即ち、本発明に係る水性塗料の塗装NVの決定方法は、塗装環境に応じて調整する水性塗料の塗装NVを決定する方法であって、塗装された直後の塗膜温度における飽和水蒸気圧から前記塗装環境における空気の水蒸気圧を減算したΔPの値を求める第1ステップと、前記水性塗料に関して予め求められた、ΔPおよび塗着NV差の関係式に、前記第1ステップで求められた前記ΔPの値を代入して、前記ΔPに対応する塗着NV差の値を求める第2ステップと、前記第2ステップで求められた前記塗着NV差の値を前記水性塗料に関する通常塗装NVから減算して得られた値を、目標の塗装NVとして決定する第3ステップとを含み、前記関係式が、異なる複数の塗装環境において、前記水性塗料を前記通常塗装NVで塗装して得られた複数の塗膜の塗着NVの値から標準環境の塗着NVを減算して得られる塗着NV差の値と、これらの塗着NV差の値の各々に対応する、異なる複数の前記塗装環境において求められたΔPの値との関係を表す式であることを特徴としている。
上記の水性塗料の塗装NVの決定方法において、塗装された直後の前記塗膜温度に対応する絶対温度をTp、前記塗装環境の空気の絶対温度をTa、前記塗装環境の空気の相対湿度をH、前記Tpにおける飽和蒸気圧および水蒸気圧をPsatおよびPとして、前記ΔPは、
ΔP=Psat−P 、
ln(Psat)=−6096.9385Tp-1+21.2409642−2.711193×10-2Tp
+1.673952×10-5Tp2+2.433502×ln(Tp) 、および、
P=Exp{−6096.9385Ta-1+21.2409642−2.711193×10-2Ta+1.673952×10-5Ta2
+2.433502×ln(Ta)}×H
によって決定されることができる。
また、前記第1ステップにおいて、塗装された直後の前記塗膜温度として、被塗物に水が吹き付けられた直後の水の液膜温度を使用することができる。
また、前記関係式は、少なくとも異なる3つの塗装環境において得られた塗着NVおよびΔPから求められた、ΔPの対数関数として塗着NVを表す式であることができる。
本発明に係る水性塗料の塗装方法は、塗装環境に応じて水性塗料を調整して塗装する方法であって、塗装された直後の塗膜温度における飽和水蒸気圧から前記塗装環境における空気の水蒸気圧を減算したΔPの値を求める第1ステップと、前記水性塗料に関して予め求められた、ΔPおよび塗着NV差の関係式に、前記第1ステップで求められた前記ΔPの値を代入して、前記ΔPに対応する塗着NV差の値を求める第2ステップと、前記第2ステップで求められた前記塗着NV差の値を前記水性塗料に関する通常塗装NVから減算して得られた値を、目標の塗装NVとして決定する第3ステップと、前記目標の塗装NVに対応する比率で前記水性塗料と水とを混合し、得られた塗料を用いて塗装する第4ステップとを含み、前記関係式が、異なる複数の塗装環境において、前記水性塗料を前記通常塗装NVで塗装して得られた複数の塗膜の塗着NVの値から標準環境の塗着NVを減算して得られる塗着NV差の値と、これらの塗着NV差の値の各々に対応する、異なる複数の前記塗装環境において求められたΔPの値との関係を表す式であることを特徴としている。
本発明によれば、塗装環境の温湿度および塗装直後の塗膜温度が分かれば、ΔPを基に塗着NV、更には仕上り状態を予測することができる。従来では塗着NVを逐次測定する煩わしさがあり、乾燥時間を考慮するとその工程に最低1時間は要する。本発明では、塗装環境が異なっても塗着NVが予測できるので、実測が不要になり、従来必要であったその実測時間を別の作業に有効活用できる。
また、水性塗料を調整するだけでよいので、環境の急変への対応が容易である。
また、空調で望ましい塗装環境にする必要がないので、空調エネルギーおよび費用を低減することができる。
また、実際の水性塗料を吹き付けなくても、水を吹き付ければ、塗装環境に応じた望ましい塗装NVを決定することができるので、効率的であり、より容易に環境の急変に対応可能である。
以下、本発明に係る実施の形態を、添付した図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る水性塗料の塗装NVの決定方法および塗装方法で用いる塗装ブースの概略構成を示すブロック図である。本塗装ブース1には、塗装装置2、第1温度測定部3、湿度測定部4、第2温度測定部5、空調部6、および制御部7を備えている。図1では、塗装の対象である被塗物8、ダミー板9も示している。なお、塗装ブース1には、これら以外の機器などが配置されて塗装ラインを構成していてもよい。塗装ブース内の環境(温度および湿度)は、塗装ブース1の設置場所、内部の塗装ラインの構成などによって影響を受ける。
塗装装置2は、公知の水性塗料用の塗装装置である。空調部6は、塗装ブース1内の温湿度環境を所定の温度および湿度に調節するための手段であり、吸気した空気を所定の温度および湿度にして排出する機能を有する公知の空調装置を使用する。第1および第2温度測定部3、5、湿度測定部4には、公知の温度測定装置、湿度測定装置を使用する。制御部7は、第1および第2温度測定部3、5並びに湿度測定部4からの測定データが入力されて、空調部6の制御に必要なデータを計算し、計算結果に基づいて制御信号を空調部6に出力する。制御部7には、例えばコンピュータを使用することができる。
以下、具体的に本実施の形態に係る水性塗料の塗装NVの決定方法およびその方法を用いた塗装方法について説明するが、まず、用語「塗装NV」、「通常塗装NV」、「塗着NV」及び「塗着NV差」の説明、並びに本発明の原理について説明する。
塗装環境の温湿度が変われば塗着塗料(被塗物に塗装された塗料)の固形分も必然的に変わる。従って塗料設計者は、ある環境で意図したように仕上がるように塗装NVを設定する。空調されたブースではその環境がターゲットになり、空調の無いブースでも、変化する環境の中心環境(平均的な環境)付近で意図した仕上がりになるように塗料NVを調整する。設計者が仕上がり成立を狙った“この環境”を「標準環境」と呼ぶ。言い換えれば標準環境は、設計者の意図したように塗膜が最も仕上がるポイントである。
「塗装NV」とは、塗装装置に仕込まれる塗料のNV、即ち塗装時(塗装される直前)の塗料の固形分を意味する。「塗着NV」とは、噴霧されて被塗物に到達し、環境に晒された後の(塗着膜の)塗料のNVを意味する。また、「通常塗装NV」とは、塗料設計者が設定した塗装NVを意味する。通常塗装NVは、塗装時の送液や噴霧塗料粒子の微細化などを考慮して決められる。
通常塗装NVでかつ標準環境で塗料を塗装すれば塗着NVは一定の値になり、これが設計者の狙いの塗着NVである。一方、通常塗装NVの塗料を使用するが、異なる環境で塗装した場合、実際の塗着NVは狙いの塗着NVからずれる。このズレを「塗着NV差」と称する。本発明では、この塗着NV差、即ち「標準環境の塗着NV」からのずれを、通常塗装NVから差し引いた値に塗装NVを調整して塗装する。これによって、標準環境と異なる環境においても、「標準環境の塗着NV」、即ち意図した仕上がりを実現することができる。
図2は、水性塗料の塗装NVを決定するための塗装NVの計算式を決定する方法を示すフローチャートである。
ステップS1において、空調部6を制御して、塗装ブース1内を所定の塗装環境(温度および湿度)にする。塗装ブース1内が設定された温度および湿度になったか否かは、第1温度測定部3および湿度測定部4によって確認できる。この後、空調部によって、塗装ブース1内は、設定された塗装環境が維持される。被塗物8、およびダミー板9は、塗装環境と同じ温度になるように、十分に長時間塗装ブース1内に置いておく。
ステップS2において、通常塗装NVの所定の水性塗料を用いて被塗物8を塗装する。例えば、通常塗装NVの水性塗料として自動車用の中塗り塗料WP306(関西ペイント社製)を、フォードカップNo.4にて45秒に調整して、塗装する。この塗料は、この状態に調整された場合、望ましい塗装仕上がりが得られる環境である標準環境(具体的には温度25℃湿度70%)において、塗装NVが110℃1時間乾燥の条件で55%になる。標準環境におけるこの値(55%)が、上記した「標準環境の塗着NV」である。
ステップS3において、ステップS2において通常塗装NVの塗料で塗装した塗膜の塗着NVを測定する。具体的には、塗着30秒後に塗着膜の一部をかきとり、110℃で1時間乾燥した後の塗着NVを測定する。より正確には、塗料1±0.1gを110℃で1時間乾燥した後の加熱残量を測定し、この加熱残量を元の塗料重量(1±0.1gの範囲の値)で除して得られた値(%)を塗着NVとする。
ステップS4において、塗装ブース1内の温度および湿度を測定した後、速やかに、通常塗装NVの塗料で塗装した時の塗着膜の温度を計測する。具体的には、ダミー板9の表面に第2温度測定部5(例えば、熱電対)を取り付けた状態で、通常塗装NVの塗料をダミー板9に噴霧し、塗料がダミー板9に降りかかった瞬間の温度(以下、塗着膜温度と記す)を測定する。ここで、ダミー板9に塗料を噴霧したとき、塗着膜の温度は直ちに一定値に収束するので、塗料が降りかかった瞬間の温度とは、この低下した温度を意味する。なお、塗装ブース1内の温度および湿度の測定は、被塗物8と塗装装置2との間に第1温度測定部3および湿度測定部4を配置して行なうのが望ましい。
ステップS5において、塗装ブース1内の温度および湿度と、塗着膜温度とを用いて、式(1)〜(3)(SONNTAGの式を用いている)によってΔPを求める。
ΔP=Psat−P ・・・(1)
ln(Psat)=−6096.9385Tp-1+21.2409642−2.711193×10-2Tp
+1.673952×10-5Tp2+2.433502×ln(Tp) ・・・(2)
P=Exp{−6096.9385Ta-1+21.2409642−2.711193×10-2Ta+1.673952×10-5Ta2
+2.433502×ln(Ta)}×H ・・・(3)
ここで、Tp、Ta、Hはそれぞれ、ステップS4での測定によって得られた塗着膜温度(絶対温度)、塗装ブース1内の空気の絶対温度、塗装ブース1内の空気の相対湿度であり、Psatは温度Tpにおける飽和蒸気圧、Pは水蒸気圧である。また、lnは自然対数を表す。
上記の式(1)〜(3)は次の考えに従って導出される。ΔPは空気に接した水の蒸発速度に比例する。水面は湿度がほぼ100%であるため水温の飽和蒸気圧Psatに等しい。この時の空気の蒸気圧をPとすれば、ΔP=Psat−Pと表現できる。Psatは水(水性塗料)の表面温度から、またPは空気の温度と相対湿度から計算できるので、空気の温度、空気の相対湿度、および水の温度さえ計測すれば、ΔPを求めることができる。水の蒸発とΔPに関する詳細は、上記の非特許文献1〜3に開示されているので、ここでは説明を省略する。
ステップS6において終了するか否かを判断し、終了しない場合ステップS7に移行して塗装環境(温度および湿度)を変更した後ステップS1に移行し、同様の処理を繰り返し、塗装環境毎に塗着NVおよびΔPのデータを取得する。
ステップS8において、以上で取得されたデータである塗着NVから、「標準環境の塗着NV」を減算して塗着NV差ΔNVを求める。例えば、水性塗料として自動車用の中塗り塗料WP306をフォードカップNo.4にて45秒に調整して塗装する場合、上記したように「標準環境の塗着NV」が55%であるので、測定データである各塗着NV(%)から55(%)を減算してΔNV(=塗着NV−標準環境の塗着NV)を求める。なお、使用する塗料に関して「標準環境の塗着NV」が知られていない場合、少なくとも1回は標準環境に関して、ステップS1〜S3の処理を行って「標準環境の塗着NV」を求める。即ち、塗装ブース1を標準環境(温度25℃湿度70%)に設定して、通常塗装NVの塗料を用いて被塗物を塗装し、塗着NVを測定し、得られた塗着NVを「標準環境の塗着NV」とする。
ステップS9において、塗着NV差ΔNVおよびΔPの関係を求める。具体的には、塗着NV差ΔNVとΔPとをそれぞれ縦軸および横軸としてデータをプロットし、ΔNVおよびΔPのデータを再現できる近似式(ΔPの関数としてΔNVを表す式)を求める。
図4に、測定データをプロットしたグラフの一例を示す。図4のデータでは、対数関数を用いて近似した場合、近似式はY=8.35log(X)+2.83となる。なお、複数の測定データを再現するための近似式を求める方法は、最小二乗法によってパラメータを決定する方法など公知の統計的方法を用いればよく、ここでは説明省を略する。
以上によって、塗装環境に応じて、水性塗料を調整するための目標となる塗装NVを決定する(詳細は後述)ための近似式が求められる。なお、得られた近似式は、各塗装環境において通常塗装NVの塗料で塗装した場合に得られる塗着NVが、「標準環境の塗着NV」(上記の例では55%)からどれだけずれているかを表している。
次に、塗装ブース1内の環境に応じて、使用する水性塗料を調整して塗装する方法について、図3のフローチャートに従って説明する。なお、塗装ブース1内は所定の塗装環境に維持されているとする。
ステップS11において、上記のステップS4およびS5と同様に、通常塗装NVの塗料で塗装して、塗着膜温度を測定する。
ステップS12において、上記のステップS5と同様に、ステップS11で得られた塗着膜温度を用いてΔPを求める。
ステップS13において、上記のステップS9で求められた近似式を用いて、ステップS12で求められたΔPに対応する塗着NV差ΔNVを求める。
ステップS14において、ステップS13で求められたΔNVを通常塗装NVから減算し、得られた値を目標の塗装NV(=通常塗装NV−ΔNV)とする。上記したように、近似式で求められる塗着NVは、特定の塗装環境において通常塗装NVで塗装した場合に得られる塗着NVが、「標準環境の塗着NV」からどれだけずれているかを表している。このように、ΔNVを通常塗装NVから減算して目標の塗装NVを決定するのは、そのずれの分だけ、予め逆方向に塗料の塗装NVを変更しておき、形成される塗膜の塗着NVを望ましい値にするためである。
ステップS15において、ステップS14で得られた目標の塗装NVになるように水性塗料を調整した後、被塗物8への塗装を行なう。具体的には、高粘度の水性塗料と水とを混合して目標の塗装NVに調整する。塗料および水の混合比率と、得られる塗装NVとの関係は、予め測定によって得られているので、その情報から混合比率を決定すればよい。
以上によって、空調部6を制御して塗装環境を望ましい環境に変化させることなく、即ち、余分な空調エネルギーを消費することなく、塗料を調整することだけで所望の塗装仕上がりを得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。
例えば、図4では、異なる4種類の塗装環境で測定したデータを用いて、ΔPおよびΔNVの関係を表す近似式を対数関数として求めた場合を説明したが、これに限定されない。少なくとも3種類の異なる環境で測定したデータがあれば、曲線を表す近似式を求めることができる。また、対数関数以外に、例えば線形、累乗、指数関数で近似してもよい。塗装環境の変化が狭い範囲であれば、2つの塗装環境で測定したデータを用いて、直線近似してもよい。
また、上記では、ステップS4およびS11において、ダミー板9を用いて塗装時の塗着膜の温度を計測する場合を説明したが、被塗物8を用いてもよい。また、第2温度測定部5に、熱電対などの接触型の測定手段を使用せずに、赤外線温度計などの非接触型の測定手段を使用してもよい。
また、上記では、塗着30秒の塗着NVを測定する場合を説明したが、この時間に限定されない。例えば、1分以内の所定時間とすることができる。但し、ΔPと塗着NV差ΔNVとの関係式を求めるための標準環境と異なる環境での塗着NVの測定時(ステップS3)、および基準となる「標準環境の塗着NV」を得るための標準環境での塗着NVの測定時に、同じ所定時間で実測することが必要である。
また、上記では水性塗料を被塗物8に塗装する場合を説明したが、実際の塗料を吹き付けなくともよい。ほとんどの水性塗料は有機溶剤の使用を極力制限しており、その溶媒の性質は水と同一視してよい。従って、塗着直後の塗膜温度は同量の水を吹き付けた際の液膜温度から推測することができる。この場合、実際の作業としては、ダミー板9に水を吹き付けて液膜温度を測定し、この温度を上記の塗着温度として用いてΔPを計算すればよい。そして、得られたΔPと、予め求めた近似式とを用いて、上記したように目標の塗装NVを求めることができる。これにより、現場において急な塗装環境の変化が発生した場合にも、即座に対応が可能となる。なお、この場合でも、ダミー板9は、塗装直前の実際の被塗物8と同じ材質であり、同じ温度であることが必要である。塗装機の洗浄には大抵水を使用するため、水を吹き付けること自体は作業として容易であり、何ら支障は生じない。
以下に実施例を示し、本発明の特徴を明らかにする。まず、使用した水性塗料、被塗物、及び塗装機に関して説明する。水性塗料は自動車用の中塗り塗料WP306(関西ペイント社製)を用いた。まず塗料をフォードカップNo.4にて45秒に水希釈した。このときの固形分(以後塗装NV)は110℃1時間乾燥の条件で55%になる。塗装機には回転霧化型のベル塗装機でG1ベルカップ(ABB社製)を使用した。また被塗物には化成処理を行なった冷延ダル鋼板にカチオン電着塗料エレクロンGT10(関西ペイント社製)を乾燥後の膜厚が25μmになるように塗装したものを用いた。
塗膜作成方法、評価項目は次の通りである。塗装は風速0.5m/sの水循環ブースにて、上記塗料を乾燥後の膜厚が28μmになるように塗装した。塗着30秒後に塗着膜の一部をかきとり、110℃で1時間乾燥した後の塗着NVを測定した。一方、残りの塗膜はブース環境に5分間放置した後、80℃で10分間乾燥し、更に150℃で30分間焼付けた。
評価項目のうち、仕上がり肌はBYK社製のウエーブスキャンを用いて評価した。この装置は肌のラウンドを光学的に数値化するもので、値が小さいほどラウンドが少ないことを示す。タレ性は塗板に1cmφの穴を開け、その周辺のタレ長さを判定した。目視で5mm以上のタレ長さを検知した場合、タレ不良と判断した。
以下に示す実施例1、比較例1の外気条件は21℃78%(低温高湿)とした。同様に実施例2および比較例3では25℃50%(中心温低湿)とし、実施例3および比較例4では35℃45%(高温低湿)とした。また、今回使用した水性塗料の従来の空調ターゲット、即ち、望ましい塗膜の仕上がり肌およびタレ性が得られる塗装環境、即ち標準環境は25℃70%であるので、比較例2はこの標準環境に空調したケースとした。
本発明の方法では、予め塗装ブースのΔP−塗着NV校正線(上記の近似式)を求めなければならない。従って、使用する塗装ブースの校正線を得るために、上記したステップS1〜S9に従って、塗装環境の異なる4ポイントで必要なデータを取得した。具体的には、塗装環境を17℃85%、25℃70%、29℃63%及び33℃50%の4種類の状態に空調し、通常塗装NVの塗料で塗装した時の塗着NVをそれぞれ測定した。各塗装環境と標準環境(25℃70%)とにおける塗着NV差ΔNVをY軸に、また計算によって求めた各環境のΔPをX軸にプロットし、その曲線の近似式を指数関数として求めた。得られた近似式はY=8.35log(X)+2.83であった。4種類の塗装環境における塗着NVの測定データを表1に示す。
Figure 0005084354
(1)実施例1
ステップS11〜S15に従って処理を行なった。即ち、まず外気21℃78%と同じ環境の塗装ブース内において、被塗物と同材質、同温度のダミー板に塗料を吹き付け、塗着膜温度を測定した。その温度から飽和水蒸気圧を計算し、ブース内の空気の水蒸気圧との差分ΔPを求めた。このΔPを、予め求めた近似式Y=8.35log(X)+2.83のXに代入し、Yの値を求め、塗装環境と標準環境との塗着NV差ΔNVとした。更に、使用した塗料の通常塗装NVが55%であることから、この値から上記のΔNVを減じて目標の塗装NVを求めた。そして、得られた目標の塗装NVに塗料を調整し、その塗料を用いて塗装した。得られた塗膜に関して、塗着NV、仕上がり肌としてのウエーブスキャン値、タレ性を評価した。
(2)比較例1
塗装環境は外気(21℃78%)のまま、また塗装NVは通常塗装NVの55%のままとして、塗装した。得られた塗膜に関して、塗着NV、仕上がり肌としてのウエーブスキャン値、タレ性を評価した。
(3)比較例2
標準環境に空調した塗装ブース内において、通常塗装NV(55%)のままで塗装した。得られた塗膜に関して、塗着NV、仕上がり肌としてのウエーブスキャン値、タレ性を評価した。
実施例1、比較例1および比較例2の結果を表2に示す。
Figure 0005084354
実施例1では、塗料の塗装NVを塗着液温度から計算した値(上記した目標の塗装NV)にしている。表2から、実施例1では、塗着NVを、比較例2の標準環境60.0%とほぼ同等である59.9%に制御でき、仕上がり肌およびタレ性も望ましく、標準環境で塗装した場合と同レベルであった。一方、比較例1では、塗着NVが低く(58.8%)、タレが発生した。
(4)実施例2
外気25℃55%において、実施例1と同様の操作を行い、塗装NVを見積もった。塗装後、塗着NV、ウエーブスキャン値、タレ性を評価した。
(5)比較例3
塗装環境は外気のまま、また塗装NVは通常塗装NVの55%のままとし、比較例1と同様の操作を行った。
実施例2および比較例3の結果を表3に示す。
Figure 0005084354
表3から、実施例2に関して、表2の実施例1と同様のことが言える。
(6)実施例3
外気35℃45%において、実施例1と同様の操作を行い、塗装NVを見積もった。塗装後、塗着NV、ウエーブスキャン値、タレ性を評価した。
(7)比較例4
塗装環境は外気のまま、また塗装NVは通常塗装NVの55%のままとし、実施例1と同様の操作を行った。
Figure 0005084354
表4から、実施例3に関して、表1の実施例1および表2の実施例2と同様のことが言える。
水性塗料の塗装設備の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る水性塗料の塗装NVを決定する方法で使用する塗装NVの算定式を求める方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る水性塗料の塗装NVを決定する方法を用いた塗装方法を示すフローチャートである。 ΔP−塗着NV校正曲線を示すグラフである。
符号の説明
1 塗装ブース
2 塗装装置
3 第1温度測定部
4 湿度測定部
5 第2温度測定部
6 空調部
7 制御部
8 被塗物
9 ダミー板

Claims (5)

  1. 塗装環境に応じて調整する水性塗料の塗装NVを決定する方法であって、
    装された直後の塗膜温度における飽和水蒸気圧から前記塗装環境における空気の水蒸気圧を減算したΔPの値を求める第1ステップと、
    前記水性塗料に関して予め求められた、ΔPおよび塗着NV差の関係式に、前記第1ステップで求められた前記ΔPの値を代入して、前記ΔPに対応する塗着NV差の値を求める第2ステップと、
    前記第2ステップで求められた前記塗着NV差の値を前記水性塗料に関する通常塗装NVから減算して得られた値を、目標の塗装NVとして決定する第3ステップとを含み、
    前記関係式が、異なる複数の塗装環境において、前記水性塗料を前記通常塗装NVで塗装して得られた複数の塗膜の塗着NVの値から標準環境の塗着NVを減算して得られる塗着NV差の値と、これらの塗着NV差の値の各々に対応する、異なる複数の前記塗装環境において求められたΔPの値との関係を表す式であることを特徴とする水性塗料の塗装NVの決定方法。
  2. 塗装された直後の前記塗膜温度に対応する絶対温度をTp、前記塗装環境の空気の絶対温度をTa、前記塗装環境の空気の相対湿度をH、前記Tpにおける飽和蒸気圧および水蒸気圧をPsatおよびPとして、前記ΔPが、
    ΔP=Psat−P 、
    ln(Psat)=−6096.9385Tp-1+21.2409642−2.711193×10-2Tp
    +1.673952×10-5Tp2+2.433502×ln(Tp) 、および、
    P=Exp{−6096.9385Ta-1+21.2409642−2.711193×10-2Ta+1.673952×10-5Ta2
    +2.433502×ln(Ta)}×H
    によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料の塗装NVの決定方法。
  3. 前記第1ステップにおいて、塗装された直後の前記塗膜温度として、被塗物に水が吹き付けられた直後の水の液膜温度を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の水性塗料の塗装NVの決定方法。
  4. 前記関係式が、少なくとも異なる3つの塗装環境において得られた塗着NVおよびΔPから求められた、ΔPの対数関数として塗着NVを表す式であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の水性塗料の塗装NVの決定方法。
  5. 塗装環境に応じて水性塗料を調整して塗装する方法であって、
    装された直後の塗膜温度における飽和水蒸気圧から前記塗装環境における空気の水蒸気圧を減算したΔPの値を求める第1ステップと、
    前記水性塗料に関して予め求められた、ΔPおよび塗着NV差の関係式に、前記第1ステップで求められた前記ΔPの値を代入して、前記ΔPに対応する塗着NV差の値を求める第2ステップと、
    前記第2ステップで求められた前記塗着NV差の値を前記水性塗料に関する通常塗装NVから減算して得られた値を、目標の塗装NVとして決定する第3ステップと、
    前記目標の塗装NVに対応する比率で前記水性塗料と水とを混合し、得られた塗料を用いて塗装する第4ステップとを含み、
    前記関係式が、異なる複数の塗装環境において、前記水性塗料を前記通常塗装NVで塗装して得られた複数の塗膜の塗着NVの値から標準環境の塗着NVを減算して得られる塗着NV差の値と、これらの塗着NV差の値の各々に対応する、異なる複数の前記塗装環境において求められたΔPの値との関係を表す式であることを特徴とする水性塗料の塗装方法。
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